JP3654306B2 - グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートの製造方法 - Google Patents

グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はグリシドールとアクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチル(以下、「メタクリル酸メチル等」ということがある)とをエステル交換触媒の存在下に反応させて、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレート(以下、「グリシジルメタクリレート等」と総称することがある)を製造する方法に関する。グリシジルメタクリレート等は樹脂改質剤、熱硬化性塗料、接着剤、繊維処理剤、帯電防止剤、およびイオン交換樹脂等種々の工業用原料として広く使用されている。
近年、塗料材料、特に紛体塗料分野、電子材料および繊維分野において塩素含有量の少ないグリシジルメタクリレート等が求められている。
【0002】
【従来の技術】
グリシジルメタクリレートは一般的に、メタクリル酸とアルカリを反応させ、メタクリル酸のアルカリ塩を得、ついで第4級アンモニウム塩の存在下にエピクロルヒドリンと反応させ、脱食塩することにより製造されている。
このように製造されたグリシジルメタクリレート等には通常塩素化合物が塩素濃度で表示すると1,000〜10,000ppm程度残存しており、この残存塩素が塗料材料(紛体塗料)、電子材料および繊維分野において塗料特性、電気特性の低下、皮膚のかぶれ、そして近年は特に発ガン性および作業環境の改善等の問題を引き起こしている。
【0003】
更に、不純物として含まれる塩素化合物は樹脂および、塗料等の用途に使用した場合、性能の低下を招く原因ともなる。
したがって、製造されたグリシジルメタクリレート等から不純物である塩素化合物は極力除去されることが望ましい。
しかしながら、これらの製造方法により得られたグリシジルメタクリレート等は通常、塩素を数千ppm含有している。
このような問題のないグリシジルメタクリレート等を製造する方法としてグリシドールとメタクリル酸メチル等とエステル交換反応により製造する方法がある。この方法により製造されたグリシジルメタクリレート等は本質的に塩素を含まないと考えられ、先に記した樹脂にしたときの性能低下および毒性、環境問題を大幅に改善することができる。
【0004】
エステル交換反応によりグリシジルメタクリレート等を製造する方法としては、特公昭47−3841号公報に触媒としてホスフィンの存在下に行うことが記載されているが、そこに見いだされたグリシジルメタクリレートの生成量はガスクロマトグラフ上で観察されたのみで、一般工業的には意味がない。
特公昭53−6133号公報にはシアン化カリウムを触媒として用いることによりグリシドール転化率98%と高反応率を示したが、メタクリル酸メチルおよびグリシジルメタクリレートの二重結合や、グリシドール、グリシジルメタクリレートのエポキシ基に付加することにより、反応終了後、黒ないしは黒褐色の固形ないしは油状の沈澱物が生成し、蒸留前にこれらを除去しなければならず、煩雑である。
【0005】
特公昭61−37268号公報では強アルカリ触媒、例えばナトリウムメチラート等を用いて合成を行い、生成するメタノールを減圧下に直ちに除去することによりグリシジルメタクリレート収率95%で得ている。しかし、蒸留前に触媒をろ過しなければならず、さらにナトリウムアルコラートは一般的にはメタクリル酸エステル類のアニオン重合開始剤であり、工業的に実施するにはかなりの危険を伴う。
【0006】
特開平4−173783号公報では酢酸カリウムを触媒として用い、酢酸カリウムはグリシドール中に溶解させ、この溶液をメチルメタクリレート(MMA)中に滴下反応させることによりグリシジルメタクリレートを得ている。
この場合も反応終了後に触媒の酢酸カリウムをろ過しなければならず、例えろ過したとしても、微量に溶け込んだ触媒により蒸留後期のグリシジルメタクリレート回収時に、グリシドールの複製が起こり、得られたグリシジルメタクリレートの純度が大きく低下する(特開平6−1780号公報、比較例3)。
【0007】
また、酢酸カリウムはグリシドールに溶解させる溶解槽が必要であり、さらにグリシドールは酢酸カリウムが存在すると不安定になるため、低温下に保存しなければならないと言う欠点も有する。
特開平6−1780号公報では触媒としてトリエチルアミンを、さらにグリシドールとメタクリル酸メチルとの反応により生成するメタノールをヘキサンにより速やかに留去する事によりメタクリル酸メチルへのメタノール付加物(LB1)の生成を抑えながら、グリシドール転化率を上げ、さらには蒸留後期のグリシドールの生成を抑え、高純度のグリシジルメタクリレート(実施例1において、98.9重量%)を得ている。
【0008】
しかしながら、生成したメタノールを除くために反応主原料のグリシドールとメタクリル酸メチル以外のヘキサンが必要であり、これは釜収率を悪化させ、さらには回収され再使用するメタクリル酸メチルはヘキサンを含むためその純度調整を毎回行わなければならず、作業が煩雑である。そして、触媒のトリエチルアミンはメタクリル酸メチル回収時に除去されることを特徴としているが、回収再使用するメタクリル酸メチル中のトリエチルアミン量も常にチェックしなければならない。加えて、得られたグリシジルメタクリレート中に微量のアミン成分の混入か考えられ、グリシジルメタクリレートの品質を決定的に悪くすることが懸念される。
【0009】
ジャーナル・オブ・アメリカンケミカル・ソサイアティ( Journal of the American Chemical Society ,93巻,195頁,(1971年1月13日発行))には水層中のシアン化ナトリウムを用いて油層中のハロゲン化アルキルと反応させ、シアン化アルキルを得るのに相間移動触媒として第4級アンモニウムまたは第4級ホスホニウム塩が用いられている。これらは水層および油層での反応を進行させるための相間移動触媒であり、本方法のエステル交換反応とは全く関係ないものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術の課題を解決し、グリシドール反応率を上昇させ、また精製過程で製品純度を低下させることなくグリシジルメタクリレート等を得る方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、触媒としてKX(式中Kはカリウムを表し、Xはシアンイオン、シアン酸イオン、またはチオシアン酸イオンを表す)と第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩((R1 2 3 4 )NYまたは(R1 2 3 4 )PY)の存在下に反応を行い、反応終了後触媒不活性化剤を添加して減圧下に未反応アクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを回収した後、グリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートを回収することを特徴とするグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートの製造方法である。
【0012】
本発明を反応式で説明すると反応工程では触媒として加えたKXと(R1 2 3 4 )NY又は(R1 2 3 4 )PYとが複分解を起こし、(R1 2 3 4 )NXまたは(R1 2 3 4 )PXが生成し、これが新たな触媒として活性を示す。
【0013】
KX+(R1 2 3 4 )NY → (R1 2 3 4 )NX+KY
または
【0014】
KX+(R1 2 3 4 )PY → (R1 2 3 4 )PX+KY
【0015】
エステル交換反応終了後、(R1 2 3 4 )NX又は(R1 2 3 4 )PX触媒の活性をなくするために不活性化剤(SB)を添加し、触媒の(R1 2 3 4 )NXまたは(R1 2 3 4 )PXをSBにより複分解することにより(R1 2 3 4 )NBまたは(R1 2 3 4 )PBとSXに変化させる。これらは全くエステル交換触媒としての活性を示さない。
【0016】
(R1 2 3 4 )NX+SB → (R1 2 3 4 )NB+SX
または
【0017】
(R1 2 3 4 )PX+SB → (R1 2 3 4 )PB+SX
【0018】
すなわち、合成工程においてはエステル交換反応として充分な活性を示し、反応終了後は触媒を複分解により完全に失活させることにより、高純度のグリシジルメタクリレートが得られることになる。
本発明の製造方法の採用により、グリシジルメタクリレート等の純度を実質的に98.0重量%以上、もしくは98.5重量%以上の高純度のグリシジルメタクリレート等を比較的容易に得ることができ、さらにエポキシ化合物特有の不純物としての塩素化合物を全く含まないグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートを得ることができる。
【0019】
本発明で使用されるKXはシアン化カリウム、シアン酸カリウムもしくはチオシアン酸カリウムが例示される。
KXは上記の1種でも良く、任意の2種以上のものを組み合わせて使用しても良いが、上記の中でもシアン化カリウムが好適に使用される。
本発明において使用されるKXの配合割合はグリシドール1モルに対して1〜500ミリモルの量であり、好ましくは5〜100ミリモル、さらに好ましくは5〜50ミリモルである。
【0020】
第4級アンモニウム塩としてテトラメチルアンモニウムクロリド、トリメチルエチルアンモニウムクロリド、ジメチルジエチルアンモニウムクロリド、メチルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、トリメチルベンジルアンモニウムクロリド、もしくはトリエチルベンジルアンモニウムクロリドが例示できる。
また、第4級ホスホニウム塩としてテトラメチルホスホニウムアイオダイド、もしくはテトラフェニルホスホニウムクロリドが例示できる。
第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩は上記の1種でも良く、任意の2種以上のものを組み合わせて使用しても良いが、上記の中でもテトラメチルアンモニウムクロリド、メチルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリドおよびトリエチルベンジルアンモニウムクロリドが好適に使用される。
【0021】
本発明において使用される第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩の配合割合は、グリシドール1モルに対して1〜500ミリモルの量であり、好ましくは5〜200ミリモル、さらに好ましくは5〜100ミリモルである。
本発明で使用される触媒不活性化剤としてメタンスルホン酸、メタリルスルホン酸、オクチルスルホン酸、ラウリルスルホン酸のナトリウム塩、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸のナトリウム塩、燐タングステン酸、もしくは燐モリブデン酸のナトリウム塩が例示できる。
【0022】
触媒不活性化剤は上記から選ばれた1種でも良く、任意の2種以上のものを組み合わせて使用しても良いが、上記の中でもp−トルエンスルホン酸ソーダ、燐タングステン酸ナトリウム、燐モリブデン酸ナトリウムが好適に使用される。
本発明において使用される触媒不活性化剤の使用割合はグリシドール1モルに対して1〜500ミリモルの量であり、好ましくは5〜200ミリモル、さらに好ましくは5〜100ミリモルである。
【0023】
これまでに開示されたグリシドールを用いたグリシジルクリレートおよびグリシジルメタアクリレートの製造方法では反応率が不十分であったり、合成中に触媒に基づく不純物生成およびエステル交換反応により生成してきたメタノールとメタクリル酸メチル等およびグリシジルメタクリレート等とのマイケル付加物等の生成によりグリシジルメタクリレート等の収率の低下および純度の低いものしか得られていない。
さらにはこれまでに開示された多くの方法は固形触媒を使用しており、これらの触媒が存在するとグリシジルメタクリレート等の蒸留中にグリシドールが再生され、得られた製品中にグリシドールが含まれ製品純度を低下させ、グリシジルメタクリレート等の製品収率も大きく低下させていた。
【0024】
本発明の特徴はグリシドールとメタクリル酸メチル等とのエステル交換反応において触媒活性の強い触媒(例えばシアン化カリウムとテトラメチルアンモニウムクロリド)を用い、短時間で、しかも不純物の生成が極めて少なくエステル交換反応を終了させ、その後触媒不活性化剤(例えばp−トルエンスルホン酸ソーダ、燐タングステン酸ソーダ)を加えることにより用いた触媒の活性をなくし、蒸留中におけるグリシドールの生成を完全に抑えることができるものである。
グリシドールとメタクリル酸メチル等とのエステル交換反応において単にシアン化カリウムを触媒として用い、反応終了後に触媒不活性化剤を加えてもなんら効果のないことは自明である(本願の比較例2)。
すなわち、シアン化カリウムは塩化4級アンモニウムとの複分解によりシアン化4級アンモニウムと塩化カリウムとに変化し、このシアン化4級アンモニウムがエステル交換反応の触媒として作用する。
【0025】
そして、エステル交換反応終了後にp−トルエンスルホン酸ソーダを添加することにより触媒のシアン化4級アンモニウムをシアン化ナトリウムとp−トルエンスルホン酸塩4級アンモニウムとに複分解する事により完全に触媒活性を無くすることができる。
このことにより蒸留時に、特に蒸留後期の製品グリシジルメタクリレートを回収する際のグリシドールの複製を完全に抑えることができ、結果として高純度の、具体的には98%以上、さらには98.5%以上の純度を持つグリシジルメタクリレートが得られることになる。
以下に実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。
【0026】
【実施例】
実施例および比較例での原料及び製品の純度測定はGC法によった。
本実施例等において、原料、製品等の純度(%)は、全て重量%、ppmは重量ベースで示してある。
【0027】
実施例1
ガス導入管、温度計、攪拌機、塔頂部に還流比調節器を備え付けたマクマホンパッキンを充填した15mmφ×300mmの蒸留塔およびサンプル抜きだし管を備え付けた内容積2リットルの5つ口フラスコにメタクリル酸メチル500g(5モル)とグリシドール74g(1モル)とシアン化カリウム0.55g(8.5ミリモル)とテトラメチルアンモニウムクロリド1.86g(17ミリモル)およびp−メトキシフェノール0.5gを加えた。圧力を300mmHgに減圧し、加熱を開始した。釜温度70℃より還流か開始され、蒸留塔塔頂温度を38℃〜55℃になるように還流比10〜30に調節し、生成したメタノールをメタクリル酸メチルとの共沸混合物として留去させた。
【0028】
反応開始3.5時間後、釜温は74℃になり反応を終了させた。これは塔頂温度が55℃以下に調節できないことにより判断され、このときのグリシドール反応率はガスクロマトグラフ分析より99%であることが分かった。
この後直ちに、p−トルエンスルホン酸ソーダ5.6g(51ミリモル)を添加して、圧力を100mmHgに減圧して、過剰量のメタクリル酸メチルを回収した。次に、圧力を30〜4mmHgに減圧し、初留成分として31gを回収した。この初留成分には4.8%のグリシドールを含み、次の合成原料として使用される。主留成分として98gが回収され、グリシジルメタクリレートの純度は98.3%で、グリシドールは0.8%であった。
【0029】
実施例2
実施例1と同様の装置に、触媒および触媒不活性化剤の仕込量を実施例1の1/2にした以外は同様の操作で行った。
反応開始5時間後、終了とし、このときのグリシドール反応率は98%であり、蒸留により得られたグリシジルメタクリレートの純度は98.0%で、グリシドールを0.9%含んでいた。
【0030】
実施例3
実施例1と同様の装置に、触媒および触媒不活性化剤の仕込量を実施例1の2倍にした以外は同様の操作で行った。
反応開始3時間後、終了とし、このときのグリシドール反応率は99%であり、蒸留により得られたグリシジルメタクリレートの純度は98.5%で、グリシドールは0.7%であった。
【0031】
実施例4
実施例1と同様の装置に、実施例1のシアン化カリウムに代えてチオシアン酸カリウム0.83g(8.5ミリモル)を加えた以外は実施例1と同様の操作を行った。
反応開始3.5時間後、終了とし、このときのグリシドール反応率は99%であった。この後直ちに、燐タングステン酸ナトリウム7.2g(26ミリモル)を添加し、実施例1と同様の操作で蒸留を行い、得られたグリシジルメタクリレートの純度は98.2%で、グリシドールは0.9%であった。
【0032】
比較例1
実施例1と同様の装置に触媒としてシアン化カリウム0.55g(8.5ミリモル)のみを添加し、その後は実施例1と同様の操作を行った。グリシドール反応率99%を達成したが、蒸留中にグリシドールが再生してきたために、得られた製品グリシジルメタクリレートの純度は95%であり、製品収量は65gと極めて低いものであった。
【0033】
比較例2
比較例1と同様に合成実験を行い、グリシドール反応率99%を達成した。その後、p−トルエンスルホン酸ソーダ5.6g(51ミリモル)を添加して蒸留を行ったが、蒸留中のグリシドールの再製は全く抑えることができなかった。結果として得られた製品グリシジルメタクリレートの純度は96%であった。
【0034】
比較例3
実施例1と同様の装置に触媒としてテトラメチルアンモニウムクロリド1.86g(17ミリモル)のみを添加し、その後は実施例1と同様の操作を行い、エステル交換反応を2時間行ったが、反応は殆ど進行しなかった。
【0035】
【発明の効果】
本発明の製造方法により、グリシドール反応率を上昇させ、また精製過程で製品純度を低下させることなく高い純度のグリシジルメタクリレート等を得ることができる。

Claims (4)

  1. グリシドールとアクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルとのエステル交換反応によって、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートを製造する方法において、触媒としてKX(式中、Kはカリウムを表し、Xはシアンイオン、シアン酸イオン、またはチオシアン酸イオンを表す)と、テトラメチルアンモニウムクロリド、トリメチルエチルアンモニウムクロリド、ジメチルジエチルアンモニウムクロリド、メチルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、トリメチルベンジルアンモニウムクロリド、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド、テトラメチルホスホニウムアイオダイド、もしくはテトラフェニルホスホニウムクロリドから選ばれた1種以上である第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩の存在下に反応を行い、反応終了後、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、燐タングステン酸、燐モリブデン酸のナトリウム塩もしくはカルシウム塩から選ばれた1種以上である触媒不活性化剤を添加して減圧下に未反応メタクリル酸メチルまたはアクリル酸メチルを回収した後、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートを回収することを特徴とするグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートの製造方法。
  2. 使用する触媒KXがシアン化カリウムもしくはチオシアン化カリウムであり、該触媒の使用割合がグリシドール1モルに対して1〜500ミリモルの量である請求項1に記載のグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートの製造方法。
  3. 使用する第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩がテトラメチルアンモニウムクロリド、トリメチルエチルアンモニウムクロリド、ジメチルジエチルアンモニウムクロリド、メチルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、トリメチルベンジルアンモニウムクロリド、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド、テトラメチルホスホニウムアイオダイド、もしくはテトラフェニルホスホニウムブロマイドから選ばれた1種以上でありかつ、該第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩の使用割合がグリシドール1モルに対して1〜500ミリモルの量である請求項1に記載のグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートの製造方法。
  4. 触媒不活性化剤がアルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、燐タングステン酸、燐モリブデン酸のナトリウム塩もしくはカルシウム塩から選ばれた1種以上であり且つ、該アルカリ金属塩該触媒不活性化剤の使用割合がグリシドール1モルに対して1〜500ミリモルの量である請求項1に記載のグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートの製造方法。
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