JP5011707B2 - メタクリル酸グリシジルの製造方法 - Google Patents
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Description
そこで本発明者は、種々の水溶性重合禁止剤について水層で起こる上記重合反応を防止できるものはないか鋭意検討した結果、当該目的に適った水溶性重合禁止剤を見出し、本発明を完成させるに至った。
(1)メタクリル酸のアルカリ金属塩とエピクロロヒドリンを反応させて
メタクリル酸グリシジルとなす工程、および副生したアルカリ金属塩酸塩
を水洗によって除去する工程を含むメタクリル酸グリシジルの製造方法に
おいて、一種類以上の水溶性重合禁止剤を使用することを特徴とする、メタクリル酸グリシジルの製造方法。
(2)副生したアルカリ金属塩酸塩の水洗を、一種類以上の水溶性重合禁止剤の存在下で行う、(1)に記載のメタクリル酸グリシジルの製造方法。
(3)副生したアルカリ金属塩酸塩を水洗した後、層分離し、得られた水層に一種類以上の水溶性重合禁止剤を添加する、(1)に記載のメタクリル酸グリシジルの製造方法。
(4)メタクリル酸のアルカリ金属塩とエピクロロヒドリンを反応させてメタクリル酸グリシジルとなす工程を、一種類以上の水溶性重合禁止剤の存在下で行う、(1)に記載のメタクリル酸グリシジルの製造方法。
(5)一種類以上の水溶性重合禁止剤が、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルからなる群より選ばれた化合物である、(1)に記載のメタクリル酸グリシジルの製造方法。
実施例1
攪拌機、還流冷却器及びデカンタ−を備えた内容積1Lの丸底フラスコにEpCH900g、炭酸ナトリウム58g、2,2’−メチレンビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノ−ル)1gを量り採り、攪拌しながら加熱した。EpCHの還流が始まった後、MAA86gを1時間かけて滴下した。その後触媒としてテトラメチルアンモニウムクロライド0.3gを加え還流条件下で50分間反応を行った。反応終了後50℃まで冷却し、攪拌しながらイオン交換水240gおよびヨウ化カリウム0.5gを添加した。添加後の液温は40℃であった。1時間静置して層分離した。排出した水層は40℃で3日保存しても不溶性固形物の生成は認められなかった。結果を第1表および第2表に示す。
ヨウ化カリウムの代わりにヨウ化ナトリウムを0.6g添加した以外は実施例1と同様にした。排出した水層は40℃で3日保存しても不溶性固形物の生成は認められなかった。結果を第1表に示す。
ヨウ化カリウムの代わりにL−アスコルビン酸を0.3g添加した以外は実施例1と同様にした。排出した水層は40℃で3日保存しても不溶性固形物の生成は認められなかった。結果を第1表に示す。
炭酸ナトリウムの替わりに炭酸カリウムを76g、イオン交換水を306gおよびヨウ化カリウムの代わりにL−アスコルビン酸を0.6g添加した以外は実施例1と同様にした。排出した水層は40℃で3日保存しても不溶性固形物の生成は認められなかった。結果を第1表に示す。
ヨウ化カリウムの代わりにL−アスコルビン酸ナトリウムを0.3g添加した以外は実施例1と同様にした。排出した水層は40℃で3日保存しても不溶性固形物の生成は認められなかった。結果を第1表に示す。
ヨウ化カリウムの代わりに4H−TEMPOを0.1g添加した以外は実施例1と同様にした。排出した水層は着色したものの、40℃で3日保存しても溶性固形物の生成は認められなかった。結果を第1表と第3表に示す。
ヨウ化カリウムを添加しなかった以外は実施例1と同様にした。排出した水層は、沈殿しにくい粒径0.1mm程度の細かな浮遊物により白く濁っていた。この水層にヨウ化カリウム0.5gを添加し、その後40℃で3日保存しても、濁りが増すことはなく、水不溶性固形物の生成も認められなかった。結果を第2表に示す。
ヨウ化カリウムを水添加と同時に添加する代わりに、0.1gの4H−TEMPOを原料仕込みと同時に添加した以外は実施例1と同様にした。排出した水層は、着色したものの、白色固形物はみられず、40℃で3日保存しても、不溶性固形物の生成は認められなかった。結果を第3表に示す。
ヨウ化カリウムを添加しなかった以外は実施例1と同様にした。排出した水層は、沈殿しにくい粒径0.1mm程度の細かな浮遊物により白く濁っていた。この水層に0.1gの4H−TEMPOを添加し、その後40℃で3日保存しても、濁りが増すことはなく、不溶性固形物の生成も認められなかった。結果を第3表に示す。
イオン交換水を240g添加し、水溶性重合禁止剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にした。攪拌混合後、静置し分液したところ、副生塩を含む水層は粒径0.1mm程度の細かな浮遊物で白濁していた。この浮遊物は静置時間の経過とともに水層とGMAを含む油層との界面に移行し層分離が悪化し明確な水層−油層界面が現れなかった。不完全に分離した水層を40℃で3日保存すると、水面付近に厚さ0.5mm程度で、面積が1cm2以上の白色の膜状不溶性固形物が観察された。結果を第1表および第2表に示す。
イオン交換水を240g添加し、ヨウ化カリウムの代わりにフェノチアジン1.0gを添加した以外は実施例1と同様にした。攪拌混合後、静置し分液したところ、油層は黄色に着色し、副生塩を含む水層は粒径0.1mm程度の細かな浮遊物で白濁していた。この浮遊物は静置時間の経過とともにGMAを含む油層との界面に移行し層分離が悪化し明確な水層−油層界面が現れなかった。不完全に分離した水層を40℃で3日保存すると、水面付近に厚さ0.5mm程度で、面積が1cm2以上の白色の膜状不溶性固形物が観察された。結果を第1表に示す。
イオン交換水を240g添加し、ヨウ化カリウムの代わりに2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)1.0gを添加した以外は実施例1と同様にした。攪拌混合後、静置し分液したところ、副生塩を含む水層は0.1mm程度の細かな浮遊物で白濁していた。この浮遊物は静置時間の経過とともにGMAを含む油層との界面に移行し層分離が悪化し明確な水層−油層界面が現れなかった。不完全に分離した水層を40℃で3日保存すると、水面付近に厚さ0.5mm程度で、面積が1cm2以上の白色の膜状不溶性固形物が観察された。結果を第1表に示す。
Claims (2)
- メタクリル酸のアルカリ金属塩とエピクロロヒドリンを反応させてメタクリル酸グリシジルとなす工程、および副生したアルカリ金属塩酸塩を水洗によって除去する工程を含むメタクリル酸グリシジルの製造方法において、原料仕込み時、メタクリル酸グリシジル合成反応前、メタクリル酸グリシジル合成反応中、副生塩除去のための水添加直前、水添加と同時もしくは水添加直後の反応系に、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルからなる群より選ばれた一種類以上の水溶性重合禁止剤を添加することを特徴とする、メタクリル酸グリシジルの製造方法。
- メタクリル酸のアルカリ金属塩とエピクロロヒドリンを反応させてメタクリル酸グリシジルとなす工程、および副生したアルカリ金属塩酸塩を水洗によって除去する工程を含むメタクリル酸グリシジルの製造方法において、副生したアルカリ金属塩酸塩を水洗した後、層分離し、得られた水層にヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルからなる群より選ばれた一種類以上の水溶性重合禁止剤を添加することを特徴とする、メタクリル酸グリシジルの製造方法。
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