JP5800709B2 - エポキシ化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エポキシ化合物の製造方法に関する。本発明は、さらに詳しくは、過酸化水素を酸化剤として用いて有機ニトリル化合物及び有機アミン化合物の存在下、炭素−炭素二重結合を有する有機化合物(オレフィン)の炭素−炭素二重結合を高効率でエポキシ化することができるエポキシ化合物の製造方法に関する。
過酸化水素は、安価で腐食性がなく、反応後の副産物は水のみであるために環境負荷が小さく、工業的に利用するには優れた酸化剤である。
この過酸化水素をエポキシ化剤(酸化剤)としてオレフィン類からエポキシ化合物を製造する方法としては、従来、(1)塩化第4級アンモニウム、リン酸類、タングステン金属塩の存在下、過酸化水素によりエポキシ化する方法(以下、特許文献1、2参照)、(2)有機溶媒中、第4級アンモニウム塩のような相間移動触媒とタングステン酸類とα−アミノメチルホスホン酸を触媒に用いてエポキシ化する方法(以下、特許文献3参照)、(3)トルエン溶媒中、タングステン化合物と過酸化水素とを反応せしめてなるタングステン酸化物、第4級アンモニウム硫酸水素塩及びリン酸類の存在下に、エポキシ化する方法(以下、特許文献4参照)、(4)トルエンのような有機溶媒の存在下に、タングステン化合物、第四級アンモニウム塩、リン酸類及び/又はホウ酸類、及び硫酸水素塩を含んでなる多成分系酸化触媒を用いてエポキシ化する方法(以下、特許文献5参照)、(5)ヘテロポリ酸のセチルピリジニウム塩のような相間移動能とエポキシ化能を両方具備する触媒を用いてクロロホルム溶媒中でエポキシ化する方法(以下、非特許文献1参照)が知られているが、これらの触媒系は有機溶媒の使用が必須である上に、4級アンモニウム塩を使用することが必須で、有機反応液中に4級アンモニウム塩由来の不純物の混入が避けられず、品質を悪化させてしまう上に、4級アンモニウム塩由来の分解物により蒸留精製時にエポキシ基がカチオン重合を引き起こしてしまうという問題点がある。また、有機溶媒を使用せずに反応を実行する反応系も報告されている(以下、特許文献6参照)が、反応時に有機溶媒は使用しなくて済むものの本質的には同様な問題を抱えている。
タングステン化合物以外の触媒を用いる方法として、(6)無機酸化物担体にメチルトリオキソレニウム(CH3ReO3)と有機強塩基化合物を担持した触媒を用いて、過酸化水素によりエポキシ化する方法(以下、特許文献7参照)、(7)チタン含有ゼオライト触媒、及び3級アミン、3級アミンオキサイド又はそれらの混合物を含む添加剤の存在下、過酸化水素によりエポキシ化する方法(以下、特許文献8参照)、(8)フルオロアルキルケトン触媒下、過酸化水素によりエポキシ化する方法(以下、非特許文献2参照)などが知られているが、これらの方法は触媒効率が悪く過剰の過酸化水素が必要であり、また分子の小さな基質にしか適用できないなどの制約が多い方法である。
また、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩等の存在下に、過酸化水素と有機ニトリル化合物を炭素−炭素二重結合と反応させる方法も知られている(以下、非特許文献3、特許文献9参照)。ただし、この方法ではアルカリ金属の微量の混入が避けられない上に、特にエステル結合を持つ化合物を対象とした場合には、エポキシ化反応中、及び精製中にエステル結合がアルカリ金属塩により加水分解されやすく、収率が低下するという問題がある。
特開2004-115455号公報 特開2003-192679号公報 特開H8-27136号公報 特開2004-59573号公報 特開2005-169363号公報 特開2006-316034号公報 特開2001-25665号公報 特表2002-526483号公報 特開2008-239579号公報
J. Org. Chem.,第53巻15号3587-3593(1988) Chem. Commun., 263-264(1999) Organic Synthesis,第60巻63-66(1981)
従って、温和な条件下、製品への混入が懸念される化合物を使用せずに簡便な操作で安全にオレフィン類から選択的にエポキシ化合物を収率良く、かつ低コストで製造する方法の開発が強く要望されている。
本発明は、温和な条件下、4級アンモニウム塩や金属化合物を使用せずに簡便な操作で安全にオレフィン類から選択的にエポキシ化合物を収率良く、かつ低コストで製造することができるエポキシ化合物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究の結果、次の方法により過酸化水素を用いて炭素−炭素二重結合を持つ化合物から高効率で選択的にエポキシ化合物を生成することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、具体的には以下の[1]〜[12]である。
[1]過酸化水素を酸化剤として用いて炭素−炭素二重結合を有する有機化合物の炭素−炭素二重結合をエポキシ化するエポキシ化合物の製造方法において、有機ニトリル化合物及び有機アミン化合物を用いてエポキシ化を行うことを特徴とするエポキシ化合物の製造方法。
[2]前記有機ニトリル化合物が、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル、及びトリクロロアセトニトリルから選択される少なくとも1種である、前記[1]に記載のエポキシ化合物の製造方法。
[3]前記有機アミン化合物が、3級アミンを含む、前記[1]又は[2]に記載のエポキシ化合物の製造方法。
[4]前記炭素−炭素二重結合を有する有機化合物が、シクロヘキセン骨格を有する有機化合物である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のエポキシ化合物の製造方法。
[5]前記炭素−炭素二重結合を有する有機化合物が、以下の式(1):
Figure 0005800709
{式中、R1、R2、R3、R4、R5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であり、
R6は、水素原子、メチル基、フェニル基又は以下の式(2):
Figure 0005800709
(式中、R10は、炭素数2〜8のアルキレン基又は炭素数4〜8のシクロアルキレン基であり、R11は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基又は炭素数4〜8のシクロアルケニル基であり、そしてxは、0〜5の整数である。)で表されるR9であり、
R7は、炭素数2〜8のアルキレン基又は炭素数4〜8のシクロアルキレン基であり、
R8は、炭素数が1〜10のアルキル基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基又は炭素数4〜8のシクロアルケニル基であり、そして
lは0〜5の整数である。}及び/又は以下の式(3):
Figure 0005800709
{式中、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であり、
R19は、水素原子、メチル基又はフェニル基であり、
R18は、炭素数2〜8のアルキレン基又は炭素数4〜8のシクロアルキレン基であり、そして
yは、0〜5の整数である。}で表される少なくとも一種である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のエポキシ化合物の製造方法。
[6]前記炭素−炭素二重結合を有する有機化合物が、アリルエーテル結合を有する有機化合物である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のエポキシ化合物の製造方法。
[7]前記炭素−炭素二重結合を有する有機化合物が、以下の式(4):
Figure 0005800709
{式中、R21、及びR22は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、あるいは、R21とR22は一緒になって炭素数3〜12のシクロアルキル基を形成してもよく、
R23、R24、R25、及びR26は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又は6〜10のアリール基であり、そして
mは0又は1の整数を表す。}で表される構造を有する、前記[1]〜[3]、及び[6]のいずれかに記載のエポキシ化合物の製造方法。
[8]前記アリルエーテル結合を有する化合物が、ビスフェノール−Aのジアリルエーテル、ビスフェノール−Fのジアリルエーテル、及び3,3’ ,5,5’−テトラメチル−4,4’ −ビフェニルジオールジアリルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種である、前記[6]に記載のエポキシ化合物の製造方法。
[9]前記アリルエーテル結合を有する化合物が、炭素数2〜20のα,ωポリアルキレングリコールジアリルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテル、及びトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジアリルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種である、前記[6]に記載のエポキシ化合物の製造方法。
[10]前記有機ニトリル化合物中のニトリル基が、エポキシ化しようとする炭素−炭素二重結合を有する有機化合物に対して、該有機化合物の炭素−炭素二重結合数を基準として、0.8〜40モル当量の割合で、該有機ニトリル化合物を用いる、前記[1]〜[9]のいずれかに記載のエポキシ化合物の製造方法。
[11]前記過酸化水素が、20質量%〜65質量%の過酸化水素水溶液である、前記[1]〜[10]のいずれかに記載のエポキシ化合物の製造方法。
[12]前記有機アミン化合物中のアミン基が、エポキシ化しようとする炭素−炭素二重結合を有する有機化合物に対して、該有機化合物の炭素−炭素二重結合数を基準として、0.001〜2モル当量の割合で、該有機アミン化合物を用いる、前記[1]〜[11]のいずれかに記載のエポキシ化合物の製造方法。
本発明のエポキシ化合物の製造方法によれば、タングステン化合物、4級アンモニウム塩、アルカリ金属塩その他金属含有触媒成分を用いる必要が無いので、反応後の触媒成分と有機基質との分離が容易である。また、本発明のエポキシ化合物の製造方法により、レジスト材料(特にソルダ−レジスト材料)の原料として、また農薬・医薬の中間体や可塑剤、接着剤、塗料樹脂といった各種ポリマーの原料として、化学工業をはじめ、各種の産業分野で幅広く用いられる多官能性エポキシモノマーを、対応するポリオレフィン類と過酸化水素の反応から簡便な操作で安全に、収率良く、かつ低コストで製造できる。従って、本発明は、工業的に多大な効果をもたらす。さらに、本発明のエポキシ化合物の製造方法は、有機溶媒を使用しないため、環境に対する負荷を軽減する効果も有する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ化合物の製造方法においては、酸化剤として過酸化水素を用い、過酸化水素水溶液が好適に用いられる。過酸化水素水溶液の濃度には特に制限はないが、一般的には1〜80質量%、好ましくは20〜65質量%の範囲から選ばれる。無論、工業的な生産性の観点、及び分離の際のエネルギーコストの点からは過酸化水素は高濃度のほうが好ましいが、無用に高濃度で過剰の過酸化水素を用いないほうが良いことは言うまでもない。
また、過酸化水素水溶液の使用量についても、特に制限はないが、あまりに過剰に用いると有機ニトリル化合物と反応して、アミド化合物を副生する量が増大する。また、過剰に用いた過酸化水素が残存しても、反応後の過酸化水素の処理も問題になるので、エポキシ化しようとする有機化合物(オレフィン)に対して、該有機化合物の炭素−炭素二重結合数を基準として、0.5〜10モル当量の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.7〜5モル当量の範囲である。
本発明のエポキシ化合物の製造方法において用いる有機ニトリル化合物としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル、トリクロロアセトニトリルが例示でき、これらの中から選択される少なくとも1種を用いることができる。有機ニトリル化合物は過酸化水素と反応中間体を形成し、酸化剤として働き、一方でそれに関与しない分は溶媒として寄与すると考えられる。反応成績の観点からは、ベンゾニトリル、トリクロロアセトニトリルが好ましいが、これらのニトリル化合物は沸点が高いので生成物と分離しにくい。生成物との分離という点では、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリルが好ましく、中でもアセトニトリルは低沸点であり、ベンゾニトリル、トリクロロアセトニトリルに比べると多少低いものの反応性も比較的高いのでより好ましい。
使用する有機ニトリル化合物のニトリル基の量は、炭素−炭素二重結合を有する有機化合物(オレフィン)の炭素−炭素二重結合数を基準として、0.8〜40モル当量、より好ましくは1.5〜20モル当量の範囲である。該ニトリル基の量が0.8モル当量より少ないと基質の転化率が低くなり、一方、40モル当量より多いと反応速度が遅くなるので好ましくない。
触媒として用いる有機アミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミン、sec-ブチルアミン、アニリン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ-sec-ブチルアミン、トリメチルアミン、N,N-ジメチルエチルアミン、N,N-ジエチルメチルアミン、N-ブチルジメチルアミン、N,N-ジメチルイソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ-n-ペンチルアミン、トリイソアミルアミン、トリ-n-オクチルアミン、トリ-(2-エチルヘキシル)アミン、ピリジン、2-ピコリン、3-ピコリン、4-ピコリン、1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン‐7、1,5-ジアザビシクロ(4.3.0)ノネン-5などが挙げられる。この中でも生成したエポキシ化合物との反応性や触媒活性、精製工程での分離のし易さを考えると、沸点が50℃〜200℃の範囲である3級アミンが好ましく、このようなものとして、N,N-ジエチルメチルアミン、N-ブチルジメチルアミン、N,N-ジメチルイソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリ-n-ブチルアミンなどが挙げられる。
使用する有機アミン化合物中のアミン基の量は、炭素−炭素二重結合を有する有機化合物(オレフィン)の炭素−炭素二重結合数を基準として、0.001〜2モル当量、より好ましくは0.05〜0.3モル当量の範囲である。該アミン基の量があまりに少ないと反応速度が遅くなるし、あまりに多すぎると過酸化水素とニトリル化合物のみの反応が優先する上に、エポキシ化合物が生成したとしても更に副反応を起こす割合が増えてくるので好ましくない。
本発明のエポキシ化合物の製造方法において、反応は、通常、0〜150℃の温度範囲で、好ましくは20〜100℃の温度範囲で行われる。反応時間については、使用する炭素−炭素二重結合を有する有機化合物(オレフィン)の種類と反応温度に依存し、例えば20℃に近い温度では数日かけて反応させたほうが転化率は向上するし、100℃を超える温度では1〜2時間で反応をとめないと加水分解が顕著に起こる。反応温度は、一般的には2〜100時間、好ましくは5〜40時間の範囲である。
エポキシ化を行う基質としては、炭素−炭素二重結合を持った化合物のうちシクロヘキセン骨格を有するものが反応性の点で望ましく、その中でも、以下の式(1):
Figure 0005800709
{式中、R1、R2、R3、R4、R5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であり、
R6は、水素原子、メチル基、フェニル基又は以下の式(2):
Figure 0005800709
(式中、R10は、炭素数2〜8のアルキレン基又は炭素数4〜8のシクロアルキレン基であり、R11は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基又は炭素数4〜8のシクロアルケニル基であり、そしてxは、0〜5の整数である。)で表されるR9であり、
R7は、炭素数2〜8のアルキレン基又は炭素数4〜8のシクロアルキレン基であり、
R8は、炭素数が1〜10のアルキル基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基又は炭素数4〜8のシクロアルケニル基であり、そして
lは0〜5の整数である。}及び/又は以下の式(3):
Figure 0005800709
{式中、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であり、
R18は、炭素数2〜8のアルキレン基又は炭素数4〜8のシクロアルキレン基であり、
R19は、水素原子、メチル基又はフェニル基であり、そして
yは、0〜5の整数である。}で表される少なくとも一種を用いて、反応を行うことが好ましい。
上記式(1)で表される化合物としては、より具体的には、例えば、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸メチル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸エチル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸フェニル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸ベンジル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸シクロヘキシル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸アリル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸-2’-アリロキシエチル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸-2’-メチル-2’-プロペニル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸-1’-メチル-2’-プロペニル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸-1’-エチル-2’-プロペニル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸-1’-フェニル-2’-プロペニル、1-メチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸メチル、1-メチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸エチル、1-メチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸フェニル、1-メチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸ベンジル、1-メチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸シクロヘキシル、1-メチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸アリル、1-メチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸-2’-アリロキシエチル、3-シクロヘキセン-6-フェニル-1-カルボン酸メチル、3-シクロヘキセン-6-フェニル-1-カルボン酸エチル、3-シクロヘキセン-6-フェニル-1-カルボン酸フェニル、3-シクロヘキセン-6-フェニル-1-カルボン酸ベンジル、3-シクロヘキセン-6-フェニル-1-カルボン酸アリル、3-シクロヘキセン-3-メチル-1-カルボン酸メチル、3-シクロヘキセン-3-メチル-1-カルボン酸エチル、3-シクロヘキセン-3-メチル-1-カルボン酸フェニル、3-シクロヘキセン-3-メチル-1-カルボン酸ベンジル、3-シクロヘキセン-3-メチル-1-カルボン酸アリル、3-シクロヘキセン-4-メチル-1-カルボン酸メチル、3-シクロヘキセン-4-メチル-1-カルボン酸エチル、3-シクロヘキセン-4-メチル-1-カルボン酸フェニル、3-シクロヘキセン-4-メチル-1-カルボン酸ベンジル、3-シクロヘキセン-4-メチル-1-カルボン酸アリル、3-シクロヘキセン-1,6-ジカルボン酸ジメチル、3-シクロヘキセン-1,6-ジカルボン酸ジエチル、3-シクロヘキセン-1,6-ジカルボン酸ジフェニル、3-シクロヘキセン-1,6-ジカルボン酸ジベンジル、3-シクロヘキセン-1,6-ジカルボン酸ジアリル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸-3-シクロヘキセニルメチルなどが挙げられる。
また、上記式(3)で表される化合物としては、例えば3-シクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレート、2-(3-シクロヘキセニルメトキシ)エチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも特に、3-シクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレート、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸アリル、及び/又は3-シクロヘキセン-1-カルボン酸-3-シクロヘキセニルメチルが特に好ましい。なお、上記式(1)又は式(3)で表される化合物以外のシクロヘキセン骨格を有する化合物の例として、ビニルシクロヘキセン、リモネン等が挙げられる。
また、エポキシ化される基質として、アリルエーテル結合を持った化合物も用いることができる。化合物中に含まれるアリルエーテル結合数は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。アリルエーテル結合数が1つの化合物としては、フェニルアリルエーテル、o-,m-,p-クレゾールモノアリルエーテル、ビフェニル-2-オールモノアリルエーテル、ビフェニル-4-オールモノアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル、シクロヘキサンメタノールモノアリルエーテル等が例示できる。
アリルエーテル結合数を2つ有する化合物としては、1,5−ペンタンジオールジアリルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジアリルエーテル、1,9−ノナンジオールジアリルエーテル、1,10−デカンジオールジアリルエーテル、ネオペンチルグリコールジアリルエーテルなどの炭素数2〜20のα,ω-アルキレンジオールジアリルエーテル類、炭素数2〜20のα,ω-ポリアルキレングリコールジアリルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジアリルエーテルや、以下の一般式(4):
Figure 0005800709
{式中、R21、及びR22は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、あるいは、R21とR22は一緒になって炭素数3〜12のシクロアルキル基を形成してもよく、R23、R24、R25、及びR26は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又は6〜10のアリール基であり、そして、mは0又は1の整数を表す。}で表される化合物が挙げられる。これらの中でもR21〜R26が各々独立して水素原子又はメチル基であり、mが1または0のものがより好ましい。
このような化合物としては、具体的には、ビスフェノール−Aのジアリルエーテル、ビスフェノール−Fのジアリルエーテル、2,6,2’,6’−テトラメチルビスフェノール−Aジアリルエーテル、2,2’−ジアリルビスフェノール−Aジアリルエーテル、2,2’−ジ−t−ブチルビスフェノール−Aジアリルエーテル、4,4’−ビフェノールジアリルエーテル、2,2’−ジイソプロピルビフェノールジアリルエーテル、4,4’−エチリデンビスフェノールジアリルエーテル、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノールジアリルエーテル、4,4’−(1−α−メチルベンジリデン)ビスフェノールジアリルエーテル、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ビスフェノールジアリルエーテル、4,4’−(1−メチル−ベンジリデン)ビスフェノールジアリルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェニルジオールジアリルエーテルなどが挙げられる。
また、アリルエーテル結合数を3つ以上有する化合物としては、フェノール−ホルムアルデヒド、アリルアルコール重縮合物、クレゾール−ホルムアルデヒド、アリルアルコール重縮合物等が挙げられる。
なお、エポキシ化される基質として、アリルエーテル結合を持った化合物を用いる場合シクロヘキセン骨格を有する化合物を用いる場合に比べて反応性は低い傾向があるため、有機ニトリル化合物としてベンゾニトリル又はトリクロロアセトニトリルを用いることが好ましい。
これらの化合物は、通常有機ニトリル化合物自体以外の溶媒を用いずに、過酸化水素水溶液と触媒を混合するだけでエポキシ化反応を行うことができるが、必要に応じてアルコール、炭化水素、エステル、エーテル系の溶媒を用いることもできる。
また、エポキシ化方法としては工業的に安定に生産を行うことを考えると、炭素−炭素二重結合を有する基質と、ニトリル化合物と、有機アミンを最初に反応器に仕込み、反応温度を極力一定に保ちつつ、過酸化水素をゆっくりと加えていったほうがよい。このような方法をとれば、反応器内で過酸化水素が異常分解して酸素ガスが発生したとしても、過酸化水素の蓄積量が少なく圧力上昇を最小限にとどめることができる。
エポキシ化反応後には、必要により酢酸エチル、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサンのような有機溶媒を用いて目的物を抽出する。有機層には、目的物のほかに二重結合を持つ原料及び原料由来の副生物も含まれる。また、過酸化水素は大半が水層に行くが、一部は有機層に抽出されてしまうので、有機層をチオ硫酸ナトリウムのような還元剤により処理して有機層に含まれる過酸化水素を分解した後、更に溶媒を留去、濃縮後、再結晶や蒸留、昇華等の通常の方法によって目的物を取り出すことができる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例にのみ制限されるものではない。
実施例1
滴下ロート、ジムロート冷却管を備えた1000mLの三ツ口フラスコに、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸 3-シクロヘキセニルメチル100g(0.448mol)、アセトニトリル183g(4.48mol)、トリエチルアミン4.53g(0.0448mol)を入れ、反応液を60℃に調節し、撹拌しながら35%過酸化水素水溶液96.0g(0.985mol)を反応温度が65℃を超えないように気をつけながら、2時間かけて滴下した。滴下終了後、8時間、攪拌を継続し、反応液を室温まで冷却した。反応液はほぼ無色透明な液体であり、原料の転化率は68%、モノエポキシサイドの収率は41%、ジエポキサイドへの収率は27%であった。
比較例1
滴下ロート、ジムロート冷却管を備えた1000mLの三ツ口フラスコに、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸 3-シクロヘキセニルメチル100g(0.448mol)、メタノール300ml、アセトニトリル73.5g(1.79mol)、炭酸水素カリウム7.7g(0.077mol)を入れ、25℃から35℃の反応温度で、この懸濁液に35%過酸化水素水溶液96.0g(0.985mol)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、8時間、攪拌を継続した。反応液に酢酸エチル100mLを入れ、有機層の生成物を分析したところ、原料の転化率は87%、モノエポキシサイドの収率19%は、ジエポキサイドへの収率は43%であった。また原料又は生成物は、炭酸水素カリウムとエステル基が反応して鹸化した生成物が副生し、更に副生物とエポキシ化合物が反応したものも生成し反応系が非常に汚くなった。
実施例2〜5
以下の表1に反応条件(液組成)を変えて、実施例1と同様に反応を行った結果を実施例1の結果とあわせて示す。尚、実施例5では、実施例1と異なる基質を用いたが、基質濃度は、実施例1と同じ0.448molとした。ニトリル化合物としてベンゾニトリルを用いた実施例4はアセトニトリルを用いた他の実施例に比べて転化率が高く反応性が良好であった。実施例5では合成条件が同じである実施例1に比べて転化率が低く、生成物はモノエポキサイドのみであった。反応はシクロヘキセン骨格の有する二重結合に選択的に起こっていることが分かった。
比較例2、3
比較例2(トリエチルアミンを使用しない以外は、実施例1と同様)、及び比較例3(アセトニトリルの代わりにエタノール(10mol)を使用した以外は実施例1と同様)を実施した。比較例2と3では、いずれも反応が進行しなかった。表1中、記号「−」は、反応が殆ど進行しなかったことを示す。
Figure 0005800709
実施例6
滴下ロート、ジムロート冷却管を備えた1000mLの三ツ口フラスコに、ビスフェノール−Aジアリルエーテル100g(0.324mol)、ベンゾニトリル334g(3.24mol)、トリエチルアミン16.4g(0.162mol)を入れ、反応液を80℃に調節し、撹拌しながら35%過酸化水素水溶液69.33g(0.985mol)を反応温度が85℃を越えないように気をつけながら、1時間かけて滴下した。滴下終了後、24時間、攪拌を継続し、反応液を室温まで冷却した。反応液はほぼ無色透明な液体であり、原料の転化率は48%、モノエポキシサイドの収率33%は、ジエポキサイドへの収率は8%であった。
実施例7〜10
以下の表2に反応条件(液組成)を変えて、実施例6と同様に反応を行った結果を実施例6の結果とあわせて示す。尚、基質濃度は、各実施例とも、実施例6と同じ0.324molとした。実施例1〜5に比べて反応性は若干劣るがいずれの基質でも反応することが分かった。
Figure 0005800709
本発明のエポキシ化合物の製造方法は、レジスト材料(特にソルダ−レジスト材料)の原料として、また農薬・医薬の中間体や可塑剤、接着剤、塗料樹脂といった各種ポリマーの原料として、化学工業をはじめ、各種の産業分野で幅広く用いられる多官能性エポキシモノマーを、対応するポリオレフィン類と過酸化水素水の反応から簡便な操作で安全に、収率良く、かつ低コストで製造できるので、これらの各種産業に利用可能である。

Claims (10)

  1. 過酸化水素を酸化剤として用いて炭素−炭素二重結合を有する有機化合物の炭素−炭素二重結合をエポキシ化するエポキシ化合物の製造方法において、金属化合物を使用せずに有機ニトリル化合物及び有機アミン化合物を用いてエポキシ化を行うことを特徴とし、前記有機アミン化合物が、トリメチルアミン、N,N-ジメチルエチルアミン、N,N-ジエチルメチルアミン、N-ブチルジメチルアミン、N,N-ジメチルイソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ-n-ペンチルアミン、トリイソアミルアミン、トリ-n-オクチルアミン、及びトリ-(2-エチルヘキシル)アミンから選択される3級アミンを含み、前記有機アミン化合物中のアミン基が、エポキシ化しようとする炭素−炭素二重結合を有する有機化合物に対して、該有機化合物の炭素−炭素二重結合数を基準として、0.001〜0.3モル当量の割合で、該有機アミン化合物を用いる、エポキシ化合物の製造方法。
  2. 前記有機ニトリル化合物が、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル、及びトリクロロアセトニトリルから選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のエポキシ化合物の製造方法。
  3. 前記炭素−炭素二重結合を有する有機化合物が、シクロヘキセン骨格を有する有機化合物である、請求項1又は2のいずれかに記載のエポキシ化合物の製造方法。
  4. 前記炭素−炭素二重結合を有する有機化合物が、以下の式(1):
    Figure 0005800709
    {式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であり、
    R6は、水素原子、メチル基、フェニル基又は以下の式(2):
    Figure 0005800709
    (式中、R10は、炭素数2〜8のアルキレン基又は炭素数4〜8のシクロアルキレン基であり、R11は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基又は炭素数4〜8のシクロアルケニル基であり、そしてxは、0〜5の整数である。)で表されるR9であり、
    R7は、炭素数2〜8のアルキレン基又は炭素数4〜8のシクロアルキレン基であり、
    R8は、炭素数が1〜10のアルキル基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基又は炭素数4〜8のシクロアルケニル基であり、そして
    lは0〜5の整数である。}及び/又は以下の式(3):
    Figure 0005800709
    {式中、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であり、
    R18は、炭素数2〜8のアルキレン基又は炭素数4〜8のシクロアルキレン基であり、
    R19は、水素原子、メチル基又はフェニル基であり、そして
    yは、0〜5の整数である。}で表される少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエポキシ化合物の製造方法。
  5. 前記炭素−炭素二重結合を有する有機化合物が、アリルエーテル結合を有する有機化合物である、請求項1又は2のいずれかに記載のエポキシ化合物の製造方法。
  6. 前記アリルエーテル結合を有する有機化合物が、以下の式(4):
    Figure 0005800709
    {式中、R21、及びR22は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、あるいは、R21とR22は一緒になって炭素数3〜12のシクロアルキル基を形成してもよく、
    R23、R24、R25、及びR26は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又は6〜10のアリール基であり、そして
    mは0又は1の整数を表す。}で表される構造を有する、請求項5に記載のエポキシ化合物の製造方法。
  7. 前記アリルエーテル結合を有する化合物が、ビスフェノール−Aのジアリルエーテル、ビスフェノール−Fのジアリルエーテル、及び3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェニルジオールジアリルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項5に記載のエポキシ化合物の製造方法。
  8. 前記アリルエーテル結合を有する化合物が、炭素数2〜20のα,ωポリアルキレングリコールジアリルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテル、及びトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジアリルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項5に記載のエポキシ化合物の製造方法。
  9. 前記有機ニトリル化合物中のニトリル基が、エポキシ化しようとする炭素−炭素二重結合を有する有機化合物に対して、該有機化合物の炭素−炭素二重結合数を基準として、0.8〜40モル当量の割合で、該有機ニトリル化合物を用いる、請求項1〜8のいずれか1項に記載のエポキシ化合物の製造方法。
  10. 前記過酸化水素が、20質量%〜65質量%の過酸化水素水溶液である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のエポキシ化合物の製造方法。
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