JP3461112B2 - Iii族窒化物半導体発光素子 - Google Patents

Iii族窒化物半導体発光素子

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JP3461112B2 JP35171497A JP35171497A JP3461112B2 JP 3461112 B2 JP3461112 B2 JP 3461112B2 JP 35171497 A JP35171497 A JP 35171497A JP 35171497 A JP35171497 A JP 35171497A JP 3461112 B2 JP3461112 B2 JP 3461112B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、p形電極を敷設
するp形半導体層を有するIII族窒化物半導体発光素
子に関するものである。 【0002】 【従来の技術】発光波長を青色帯域から緑色帯域とす
る、高輝度短波長の発光ダイオード(LED)やレーザ
ダイオード(LD)等の発光素子は、最近ではIII 族窒
化物半導体から構成されている。III 族窒化物半導体の
代表的な例に、窒化アルミニウム・ガリウム・インジウ
ム混晶(AlxGayInzN ;0≦x,y,z≦1、x
+y+z=1)がある。この混晶は発光層やクラッド
層、コンタクト層の構成材料として頻繁に利用されてい
る(特開平2−229475号公報明細書参照)。 【0003】図12は従来のLEDの発光部を模式的に
示す断面図である。図において、従来のLED60の発
光部は、基板200上に、緩衝層200aを介して積層
してあり、発光層202と、その発光層202に接合す
るn形クラッド層201及びp形クラッド層203との
ダブルヘテロ(DH)接合から構成されている。 【0004】特に、窒化ガリウム・インジウム混晶(G
yInzN;0≦y,z≦1、y+z=1)は、発光層
202を構成する材料として好ましく利用されている
(特公昭55−3834号公報明細書参照)。それは、
高い発光効率を得るに都合の良い直接遷移型の半導体で
あり、また、インジウム組成の調整により、約400n
mから約550nmの波長範囲の緑色、青緑色、青色或
いは紫色等の短波長発光が放射できるからである。窒化
ガリウム・インジウム混晶は、量子井戸構造の発光層に
あって井戸層としても利用されている(特開平9−36
430号公報明細書参照)。 【0005】従来から、発光層202とする窒化ガリウ
ム・インジウム混晶には、組成的に単一且つ均質である
ことが要求されてきた(特開平9−36430号公報明
細書参照)。一方では、単一で均質なインジウム組成の
窒化ガリウム・インジウム混晶を安定的に且つ良好な再
現性をもって得るのは困難が伴うことも示唆されている
(1996(平成8年)秋季第57回応用物理学会学術
講演会講演予稿集No.1、講演番号8p−ZF−1
4、209頁参照)。窒化ガリウム・インジウムが被熱
により相分離を起こすからである(Solid St
ate Comunn.、11(1972)、617〜
621頁、J.Appl.Phys.、46(8)
(1975)、3432〜3437頁参照)。特に最近
では、窒化ガリウム・インジウムは被熱により、母相
(主体相)と、その母相とはインジウム濃度(組成)を
異にする従属相とに分離する現象が明瞭に認めらている
(特願平8−261044号参照)。 【0006】発光層202を狭持して発光部60を構成
するクラッド層201,203は、一般にn形若しくは
p形の窒化アルミニウム・ガリウム混晶(AlxGa
yN;0≦x,y≦1、x+y=1)から構成される。
インジウム組成比を約20%とする窒化ガリウム・イン
ジウム混晶から成る発光層202に対し、n形クラッド
層201は窒化ガリウム(GaN)から構成する例が多
い。また、p形クラッド層203は、アルミニウム組成
比を約15%とするp形窒化アルミニウム・ガリウム混
晶から構成する場合が多い。このようなp形のIII 族窒
化物半導体から成るp形クラッド層203は、一般には
気相成長時にマグネシウム(Mg)を単一のp形不純物
としてドーピングして得られている。このMgがp形不
純物として一般的に用いられるのは、第II族のp形不純
物の中で、”浅い”準位を形成し、正孔をより放出しや
すいからである。 【0007】従来のLED60の発光部を構成するDH
構造体の禁止帯幅(バンドギャップ)を省みる。短波長
可視光を発光するための代表的な発光層構成材料である
Ga0.8In0.2Nの室温での禁止帯幅は、約2.9エレ
クトロンボルト(eV)である(特開昭49−1978
3号公報明細書参照)。一方、p形クラッド層203の
代表的な構成材料であるAl0.2Ga0.8Nの禁止帯幅は
約3.9eVである。また、n形クラッド層201の構
成材料であるGaNの禁止帯幅は3.4eVである。
(赤崎 勇編著、「III −V族化合物半導体」(199
4年5月20日、(株)培風館発行)、150頁参
照)。したがって、これらの材料で構成するヘテロ接合
における禁止帯幅(バンド)の差異は、発光層202と
p形クラッド層203との間で約1.0eVであり、発
光層202とn形クラッド層201との間で約0.5e
Vである。この禁止帯幅の差異により、両クラッド層2
01,203は、発光層202の全般の領域に平均的に
キャリアを「閉じ込める」障壁層として充分に作用して
いる。従来のLED60の発光部は、これらのクラッド
層201,203と発光層202との直接接合から構成
されている。 【0008】p形クラッド層203上には、図12に示
すように、同じくp形のコンタクト層204が重層され
る(特開平6−268259号公報明細書参照)。すな
わち、発光層202上には、次の(a),(b)の2層
から成るp形層205を積層するのが、常である。 (a)発光層202内にキャリアを「閉じ込める」p形
クラッド層203 (b)低接触抵抗のオーミック性(Ohmic)p形電
極を形成するためのp形のコンタクト層204 【0009】そして、このコンタクト層204にも、上
記のp形クラッド層203と同様に、一般にMgが単一
のp形不純物としてドーピングされている。コンタクト
層204は、その表面上にオーミック特性に優れる透光
性薄膜電極206を含むp形電極を形成するために特別
に設けられる電極形成層であり、このコンタクト層20
4上には透光性薄膜電極206とp形パッド電極207
とが形成される。 【0010】コンタクト層204は、禁止帯幅が約3.
4eVのGaNから構成されるのが従来からの通例であ
る。このGaNは一種のワイドバンドギャップ半導体で
ある上に正孔移動度が低いため、このGaNで形成した
コンタクト層204の一部領域にp形パッド電極207
を設けたのみでは、発光面の全面に素子動作電流を充分
に拡散できない。透光性薄膜電極206は、この不具合
を解消するものであり、素子動作電流を発光面(pn接
合面)の略全面に広範に拡散するために設けられてい
る。 【0011】透光性薄膜電極206は発光面からの発光
を外部に取り出す必要性から、導電性を有し且つ透光性
である金属の薄膜を重層させて構成されている。p形の
コンタクト層204に接地する側をAu薄膜206aと
し、その上層をニッケル薄膜206bとするのが代表的
な構成例である(特開平7−94783号公報明細書参
照)。p形の透光性薄膜電極206をパラジウム(P
d)及びその合金から構成する例もある(特開平9−1
29932号公報明細書参照)。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したよ
うに、p形クラッド層203は窒化アルミニウム・ガリ
ウム混晶から、またp形のコンタクト層204は窒化ガ
リウムからそれぞれ構成されており、このように、従来
の青色から緑色帯域のLED用途でのp形層205(p
形クラッド層203とコンタクト層204)は、第III
族窒化物半導体から構成される場合が多いが、この第II
I 族窒化物半導体は、窒素空孔を多量に含有するため、
元来アンドープでn形を呈するとされている(特開昭5
4−71589号公報明細書参照)。しかも、窒素空孔
の濃度は約1018〜1019cm-3と高濃度である(特開
昭49−29770号公報明細書参照)。したがって、
高濃度の窒素空孔によるn形キャリアを電気的に補償
し、尚且つp形層205とするには、多量のMgをドー
ピングする必要がある。しかし、必要に応じてMgを過
度にドーピングすれば、ドーピング層(p形層205)
の結晶性が損なわれ、結晶性の悪化は、Mgをアクセプ
タとして活性化するのを阻害してしまう。 【0013】このように、従来のLED60の発光部で
は、p形層205に残留するn形キャリアを電気的に補
償するために、Mgを過度にドーピングしなければなら
ず、このため、p形層205は、結晶性が損なわれてM
gのアクセプタとしての活性化が阻害され、この故に抵
抗率が高くなり、発光素子として構成したときの素子動
作電流の抵抗となって電気的損失を増大させるという問
題点を有していた。 【0014】また、p形層205の成膜は、一般に10
00℃を越える高温度で行われ、しかも時間を要するも
のであり、このような高温での長時間に亘る処理は、発
光層202を成すインジウム含有III 族窒化物半導体層
を熱変成させ、発光層202の品質を悪化させて発光出
力を低下させてしまうという問題点も有していた。 【0015】この発明は上記に鑑み提案されたもので、
不純物をドーピングしてもp形層の結晶性を損なうこと
なくp形層の抵抗率を低く抑えることができて電気的損
失も低減することができ、したがって、発光素子として
構成したときの発光効率を向上させることができるII
I族窒化物半導体発光素子を提供することを第1の目的
としている。 【0016】また、この発明の第2の目的は、p形層の
形成工程に発生する発光層の熱的変質を抑えて発光層の
品質を良好に保つことで、発光出力を向上させることが
できるIII族窒化物半導体発光素子を提供することで
ある。 【0017】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、In組成を異にする複数
の相の集合体である多相構造からなり、かつInが凝集
した析出体が発光層の全表面積に占有する比率が35%
未満であるGaInNからなる発光層をIII族窒化
物半導体からなるn形層およびp形層で挟持したダブル
ヘテロ接合型の発光部を有するIII族窒化物半導体発
光素子において、上記p形層は、発光層との接合界面か
らの距離にして少なくとも2nm以上で100nm以下
の領域を不純物を故意に添加しないで形成した、AlG
aN混晶からなるアンドープ領域と、その上に形成さ
れ、少なくとも準位の深い不純物と浅い不純物との2種
類を含む複数の不純物をドーピングし、かつ層厚の増加
方向に禁止帯幅が小となるようにAlとAsの組成に勾
配を付したAlGaNAs混晶からなる組成勾配層
含む構成となっている、ことを特徴としている。 【0018】 【0019】 【0020】 【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るII
I族窒化物半導体発光素子の発光部を概略的に示す図で
あり、図1(a)はその積層構造を示し、図1(b)は
p形層を概念的に示す図である。 【0021】図において、本発明に係るIII族窒化物
半導体発光素子は、例えばIII 族窒化物半導体発光素子
であり、その発光部10は、ダブルへテロ(DH)接合
型を有し、発光層2を、n形層1とp形層3とで挟持し
て構成されている。そして、p形層3は、少なくとも準
位の深い不純物と浅い不純物との2種類を含む複数の不
純物をドーピングして形成してある。 【0022】発光層2は、例えばインジウムを含有する
III 族窒化物半導体から構成する。より具体的には、一
般式 AlxGayInza1-a(但し、x+y+z=
1、0≦x,y<1、z≠0、0<a≦1、M:窒素以
外の第V族元素)で表記される窒化アルミニウム・ガリ
ウム・インジウム混晶系材料から構成する。Al組成比
であるxは禁止帯幅(発光波長)の関係から大きくとも
0.10以下とするのが好ましい。x=0であるのが最
も好ましい。Ga組成比であるyは大凡0.5以上であ
るのが望ましい。特にx=0でy>0.5の窒化ガリウ
ム・インジウムを発光層とするのが望ましい。成膜の容
易性を考慮すれば、y>0.6で、In組成比であるz
を0.4以下とする窒化ガリウム・インジウムが好まし
い。y>0.7でz≦0.3の窒化ガリウム・インジウ
ムは発光層として特に好ましい。窒素以外の第V族元素
の組成比であるaは、概ね0≦a<0.1とするのが望
ましい。a=0は許容される。 【0023】本発明では、詳細は後述するように、キャ
リア、特に電子をp形層3との接合界面4近傍の領域に
局在させるのを意図している関係上、発光層2は順方向
への電流注入時に電子がマジョリティ(majorit
y)キャリアとなる層とする。すなわち、元来n形の伝
導層かn形の高抵抗である層とする。発光層2をp形と
するのは好ましくない。発光層2は、不純物を添加(ド
ーピング)した層であっても、不純物を故意に添加して
いないアンドープの層であってもよいし、アンドープ層
と不純物ドープ層とを重層させて一発光層とすることも
できる。その場合は、上記の電子を局在させる接合界面
領域に、アンドープ層を配置するのが好ましい。発光層
2の層厚は数nm〜数十nm程度とするのが望ましい。
好ましい厚さは概ね、1nm以上300nm以下であ
る。 【0024】p形層3は、例えば一般式AlxGaya
1-a(但し、x+y=1、0≦x,y≦1、0<a≦
1、M:窒素以外の第V族元素)で表記される窒化アル
ミニウム・ガリウム混晶系材料から構成し、発光層2と
の接合界面4で発光層2より禁止帯幅を従来通り約0.
3eV以上大とする。障壁を形成することで、電子を発
光層2の内部に閉じ込めるためであり、また発光層2の
p形層3側の表層部に選択的に電子を蓄積するためであ
る。 【0025】本発明では、p形層3として複数の異なる
不純物をドーピングした(故意に添加した)領域を含む
p形層を用いる。ドーピングする不純物の内、少なくと
も2種類は、形成する準位を相違するものとする。一方
は”深い”不純物準位を形成する不純物であり、他方は
より”浅い”アクセプタ準位を形成する不純物である。
このように、準位の異なる2種類の不純物をドーピング
したときの作用を図2を用いて説明する。 【0026】図2はp形層での電子分布を模式的に示す
図であり、図2(a)はアンドープ状態のp形層での電
荷分布を、図2(b)は深い準位の不純物のみをドーピ
ングした場合の電荷の分布を、図2(c)は深い準位と
浅い準位の2種類の不純物を同時にドーピングした場合
の電荷の分布をそれぞれ示している。なお、上記の図1
(b)と図2(c)は同じ図であるため、図1(b)の
説明は、この図2(c)を用いて以下に行うこととす
る。 【0027】図中、○印は電子を、●印は正孔を、◎印
は深い準位に捕獲された電子を、それぞれ示す。 【0028】p形層3を形成する窒化ガリウム等のIII
族窒化物半導体は、アンドープ状態では、通常、n形の
伝導を呈する。したがって、アンドープのp形層3で
は、図2(a)に示す如く、電子(○)が正孔(●)よ
りも多く存在している。結晶層(p形層)内に存在する
何らかのトラップ(trap:捕獲中心)により、捕ら
えられた状況にある電子(◎)も存在する。 【0029】このような量的関係にある電荷分布状況に
おいて、深い準位の不純物のみをドーピングすると、図
2(b)に示す如く、不純物により正孔が発生し、層内
の正孔濃度は増すものの、電子−正孔との結合により、
或いはまた、深い準位に捕獲された電子が増えることに
より、相対的に電荷を運ぶキャリア(電子)は減少す
る。すなわち、p形不純物をドーピングしたとは云え、
結晶層は伝導性が低くなるか或いは高抵抗となり、低抵
抗のp形層とはなり難い。 【0030】次に、深い準位と浅い準位の2種類の不純
物を同時にドーピングすると、図2(c)に示す如く、
より深い準位を形成する不純物によって、結晶層内に残
留する電子を優先的に捕獲する作用がもたらされ、しか
も、深い準位に捕獲されるため、その捕獲は確実で強力
なものとなる。一方、同時にドーピングした、より浅い
準位を形成するp形不純物からも正孔が提供されるが、
これらの正孔は、より深い準位を形成するp形不純物の
電子捕獲作用によって、電子濃度が低減された結晶層内
に放出されることになるため、すなわち、結合する電子
が少ない環境内に正孔が放出される状態となるため、結
晶層内には、浅い準位の不純物に起因する正孔が、数多
く生き残り、結晶層はp形の伝導を呈するようになる。
また、その不純物によって浅い準位に捕獲される電子も
あるが、その不純物と電子との結合はゆるやかなため、
容易に捕獲から解放されて自由に動き回るようになる。
その結果、結晶層には、多くの正孔と電子が混在するこ
ととなり、これにより、p形層3を抵抗率の低い層とす
ることができる。 【0031】このように、深い不純物準位を形成する不
純物は、アクセプタ(正孔)として電気的に活性化する
確率は小ではあるが、残留ドナー(電子)を補償するこ
とができ、ドナーを補償した状況下では、浅い準位の不
純物に起因してアクセプタの濃度は大となり、p形で低
抵抗の層を得るに優位となる。また、ドナー不純物(電
子)が補償されているため、結晶層の表面モフォロジに
悪化を来すMg等のp形不純物を、従来の如く原子濃度
にして約 1×1020cm-3を越えて過剰に添加せずと
も、安定してp形層3を得ることができる。 【0032】結晶層をGaNから形成する場合、GaN
についてのMgの準位は約250ミリエレクトロンボル
ト(meV)と推定されている。一方、亜鉛(Zn)の
準位は340meVとMgに比較すれば深いとされる
(JAMES H.EDGAREdi.,「PROPE
RTIES OF Group III Nitride
s」、INSEC(London)(1994)、27
3頁参照)。ちなみに、酸素(O)も深い不純物準位を
形成する。したがって、本発明のp形層3は、ともにII
族元素であるMgとZnとを成膜時に共にドーピングし
た気相成長層から構成できる。例えば、MgとZnを添
加した、Al組成比xを約0.1〜0.3とするAlx
GayN(x+y=1)混晶系から好ましく構成でき
る。Znは一般には、原子濃度にして約1×1018cm
-3から多くとも約1×1019cm-3程度ドーピングすれ
ばドナー不純物を補償するに充分である。別のp形ドー
パントの組合せ例には、ベリリウム(Be)とZnとの
組み合わせがある。或いは浅い準位を形成するアクセプ
タ不純物を複数としたMgとBeと、Znとの組合せが
ある。 【0033】これらの複数の不純物は、イオン注入法に
よって結晶層内に存在させることができる。不純物を注
入する順序は特に関係ない。順序に関係なく注入したア
クセプタ不純物にアニールを施すことで、不純物を活性
化すれば、p形層が形成され得る。イオン注入時の加速
電圧は、所望するp形層の層厚と注入イオン種の投影飛
程との関連から適宣、決定すれば良い。注入量(ドーズ
量)は、所望するp形キャリア濃度と被注入体の残留ド
ナー濃度に鑑みて選択する。 【0034】次に、p形層に組成勾配を付ける本発明に
係る構成について、図3を用いて説明する。 【0035】図3は本発明の第2の実施形態を示す図
で、図3(a)は本発明に係る発光部の積層構造を示
し、図3(b)及び図3(c)はp形層の組成勾配層の
説明図である。図3(b)及び図3(c)における横軸
は、p形層3aの表面からの深さを、縦軸は組成比Dを
それぞれ表している。図中、第1の実施形態と同じ構成
要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。 【0036】ここでは、発光部10aのp形層3aは、
AlxGaya1-a(但し、x+y=1、0≦x,y≦
1、0<a≦1、M:窒素以外のV族元素)混晶系から
構成されているものとする。組成の勾配を付す対象とす
る構成元素は、AlxGaya1-aの各構成元素の何れ
でも良い。複数の構成元素の組成を同時に変化させても
構わない。 【0037】この実施形態では、p形層3aを組成勾配
層31と禁止帯幅小領域32とから構成する。図3
(b)では、Alに勾配を付すことで組成勾配層31を
形成してある。例えば、Ga0.8In0.2Nから成る発光
層2との接合界面4においてAl組成比を一挙に0.2
とすることで、発光層2との0.3eV以上の禁止帯幅
を確保し、表面に向けてAl組成比を漸次減少させるこ
とで組成が連続的に変化する組成勾配層31を形成して
ある。表面側は、Al組成比が「0」となって、禁止帯
幅が約3.4eVのGaNから成る禁止帯幅小領域32
が形成されている。 【0038】図3(c)では、AlxGaya1-aの窒
素以外のV族元素Mに砒素(As)やリン(P)を用い
て、そのAsやPの組成に勾配を付すことで、組成勾配
層31を形成してある。この場合の組成勾配層31は、
発光層2との接合界面4から組成比Dを増加させること
で形成する。p形層3aの表面側に形成した禁止帯幅小
領域32は、例えばNとAlの各組成比を0として、砒
化ガリウム(GaAs)或いはリン化ガリウム(Ga
P)とする。GaAs及びGaPの室温での禁止帯幅は
各々、1.43eV及び2.26eVである。何れもG
aNの3.39eVより小さく、したがって低抵抗のp
形層を得るのに都合が良い。また、GaAs及びGaP
の正孔移動度も大きい。p形GaNの正孔のHall移
動度が概して数十cm2 /V・sであるのに対し、Ga
As及びGaPの正孔移動度は120〜420cm2
V・sとされる(上記の「III −V族化合物半導体」、
150頁参照)。よって、p形層3aの表層部を、素子
動作電流を広範に拡散させるに優位となる、低抵抗の層
とすることができる。また、透光性薄膜電極を構成する
従来のAu等の金属膜に比較すれば、光の透過率は高
い。すなわち、表層部をGaAs或いはGaPかそれら
に近い組成の低禁止帯幅の半導体層とすれば、従来の金
属薄膜から成る透光性薄膜電極に比し、発光を外部へ取
り出す際の取り出し効率を向上させることができ、ま
た、素子動作電流を発光面の広範に効率よく拡散でき
る。 【0039】なお、組成勾配層31は、上記した複数の
不純物をドーピングすることと併用して形成してもよい
し、単一の不純物をドーピングすることと併用して形成
してもよいし、さらにはアンドープで単独で形成するよ
うにしてもよい。 【0040】上記したように、この実施形態では、p形
層3aに組成勾配層31を設けている。その組成勾配
は、発光層2との接合界面4で禁止帯幅が最も高く、p
形層3aの表面に向けて禁止帯幅が小となるように付与
している。そして、発光層2との接合界面4では、電子
に対する障壁を形成して電子を発光層の内部に閉じこめ
るために、また電子を発光層2との接合領域に選択的に
局在させるために、発光層2より禁止帯幅を0.3eV
程度高くするものである。 【0041】一方、p形層3aの表面側の禁止帯幅は、
p形のオーミック電極(p形パッド電極)が容易に形成
できる程度に小さくしている。p形層3aの表面側に向
けて組成勾配を付し、表面側の禁止帯幅が3.0eV以
下となる禁止帯幅小領域32を設けるようにしたp形層
3aは特に有意義である。この禁止帯幅小領域32は、
良好なオーミック特性を与えるコンタクト層として利用
できると同時に、電流拡散層としても利用できるからで
ある。すなわち、従来の如くの電流拡散のための透光性
薄膜電極が不要ともできる。ところで、表面での禁止帯
幅を発光層2からの発光波長に相当する禁止帯幅以下と
すると、発光が吸収される。したがって、p形層の表面
での禁止帯幅を発光波長に相当する禁止帯幅以下とする
場合にあっては、その禁止帯幅を有する領域の層厚は数
十nm程度として発光の吸収の度合を低減するようにす
るのが望ましい。 【0042】このように、p形層3aに組成勾配を付し
たので、p形層3aは、従来のp形クラッド層と、p形
コンタクト層と、さらに電流拡散機能を発揮する透光性
薄膜電極とを併せ持った多機能層となる。すなわち、p
形層3a一層をもって、従来のp形クラッド層とp形コ
ンタクト層との双方の機能が果たせると同時に、透光性
薄膜電極の機能も果たせるようになり、したがって積層
構造を大幅に簡略化することができる。 【0043】組成勾配層31の全体としての層厚は概
ね、20nm〜500nmとするのが望ましい。約20
nm未満の薄い層は透光性の観点からすれば有利である
が、組成勾配を安定的に付す制御性に欠ける。約500
nmを越える厚膜では、組成の勾配を制御するには都合
が良いが、層内の転位密度に増加を来す場合がある。従
来例のように、格子定数を異にする材料からクラッド層
とコンタクト層を構成する場合に接合界面で発生するミ
スフィット転位の密度程ではないが、組成勾配を付して
格子定数の変化を緩やかとした場合でも、組成勾配層3
1を厚くすると転位密度は増加する。転位を多く内在す
る層には、良好なオーミック特性の電極を形成するのは
難しい。好ましい組成勾配層31の層厚は大凡、50n
mから250nmである。 【0044】上記の説明では、組成勾配層31での組成
は、連続的に増加または減少させるようにしたが、その
組成を段階的にステップ状に変化させるように構成して
もよい。その場合、組成変化に応じて禁止帯幅も段階的
に変化することとなる。 【0045】また、発光層2との接合界面4から直接的
に組成勾配層31を設けるようにしたが、接合界面4か
らp形層3aの表面に向けて所定幅の組成一定領域層を
設け、その組成一定領域層の終端から組成勾配層を形成
するようにしてもよい。 【0046】また、組成勾配層31に連続させて所定幅
の禁止帯幅小領域32を形成するようにしたが、この禁
止帯幅小領域32の幅をごく狭い幅に止めるように構成
してもよいし、或いは組成勾配層31をそのまま終端と
するように構成してもよい。その場合でも、p形層3a
の表面側の禁止帯幅は十分に小さいので、p形層3aを
良好なオーミック特性を与えるコンタクト層として利用
できると同時に、電流拡散層としても利用することがで
きる。 【0047】さらに、多機能を有する組成勾配層は、単
層発光層に接合して配置できるに加え、量子井戸構造の
発光層の終端を成す井戸層或いは障壁層に接合させて配
置することができる。例えば、終端をGaN障壁層と
し、GaInN薄層を井戸層とする単一或いは多重量子
井戸構造から成る発光層にあって、本発明の組成勾配層
を終端のGaN障壁層に接合させて配置するようにして
もよい。 【0048】次に、p形層の発光層との接合界面側をア
ンドープ層とする本発明に係る構成について、図4を用
いて説明する。 【0049】図4は本発明の第3の実施形態における発
光部の積層構造を概略的に示す図である。図中、第1の
実施形態と同じ構成要素には、同一の符号を付してその
説明を省略する。 【0050】この第3の実施形態では、発光部10bに
おいて、p形層3bの発光層2との接合界面4近傍をア
ンドープ層33とし、そのアンドープ層33に、上記の
第1の実施形態と同様の複数の不純物をドーピングした
p形層(不純物ドープ層)34を形成し、このアンドー
プ層33と不純物ドープ層34とからp形層3bを構成
してある。このように、発光層2との接合界面4近傍の
領域をアンドープ層33としたのは、接合界面面4近傍
のn形発光層2の内部領域に創生される低次元(2次
元)の電子の局在を促す量子準位を安定して形成するた
めである。また、その領域に局在した電子を散乱させな
いためである。アンドープ層33とする領域は発光層2
との接合界面4から2nm以上100nm以内とする。
2nm未満では、接合界面面4近傍の発光層2の内部領
域に蓄積した電子の散乱を防止するに効果が得られなく
なるし、100nmを越える領域をアンドープとする
と、通流抵抗が増し、順方向電圧或いは閾値電圧が不要
に増加するからである。発光層2との接合界面4から約
5nm〜約20nmの深さの領域を高純度のアンドープ
層33とし、そのアンドープ層33上の不純物ドープ層
34をMgとZnを共にドーピングした領域とするp形
層3bが、好ましい構成の一例である。 【0051】なお、上記の説明では、アンドープ層33
上に複数の不純物をドーピングして成るp形層を形成す
るようにしたが、アンドープ層33上に組成勾配層を備
えたp形層を形成するように構成してもよい。また、そ
の双方、すなわち複数の不純物をドーピングして成りか
つ組成勾配層を備えたp形層を形成するようにしてもよ
い。 【0052】次に、上記各実施形態における発光層2の
結晶相の構造について説明する。発光層2は、In組成
(濃度)を異にする複数の相の集合体である多相構造か
ら構成するのが好ましい。所謂、Inの凝縮等によるI
n組成の”揺らぎ”を内包する構造から構成する。代表
的な多相構造例には、GaN或いはIn濃度を比較的希
薄とするGaInN混晶から成る主体相(母相)と、主
体相とはIn濃度を異にするGaInN混晶から成る従
属相とから成る多相構造が挙げられる。Ga0.80In
0.20Nの場合、主体相の平均的なIn組成比が約0.1
8であるのに対し、従属相のIn組成比は0.2を越え
0.4程度となることがある。従属相は、通常は直径或
いは横幅にして数nmから数十nmの球状或いは島状の
微結晶体の体を成す。或いは数μmから数十μmの幅の
Inが凝集した析出体として存在する。析出体は発光層
(母相)と他層との接合界面近傍に多く存在する場合が
ある。 【0053】主体相とは、主たる発光スペクトルを与え
る相であって、従属相よりも発光層2内での占有領域は
大である。従属相とは、主たる発光の中心波長以外の波
長領域に副次的な発光をもたらす相である。一般には、
主体相からの主たる発光の波長と従属相に起因する副次
的な発光波長とは、数十nm程度の隔たりがある。一例
を挙げれば、Inの平均的な組成比を約7%とするGa
0.93In0.07Nにあって、約400nmの主たる発光の
波長に対し、波長が約380nmの、主たる発光と同程
度の強度の副次的な発光が出現する場合がある。副次的
な発光スペクトルの強度は、従属相の密度を規制すれば
抑制できる。微結晶体従属相の密度を大凡、2×1018
cm-3以下とした多相構造発光層2が単色性に優れる発
光層2として適する。発光層2をより薄層とする場合、
従属相の密度はより少量に規制する必要がある。層厚が
5nm程度の発光層2では、許容される微結晶体従属相
の最大密度は2.5×1017cm-3である。一方、発光
層2の表面近傍に多く存在する析出体にあっては、発光
層2の全表面積に占有する比率は35%未満とするのが
好ましい。析出体が占有る表面積が層の全表面積の35
%を越えると、単色性に優れる発光は望めない。 【0054】多相構造の発光層2を意識的に安定して得
る一手法には、as−grownの発光層2への加熱処
理法が提示できる。この加熱処理法は、(イ)発光層2
内に従属相の核を発生させるための発光層2の成長温度
(650℃以上950℃未満)から加熱処理温度への昇
温過程、(ロ)母相内に発生させた核の周囲に従属相を
発達、熟成するための950℃以上1200℃以下の高
温での加熱保持過程、及び(ハ)形成した従属相の形状
を定着させるに適する冷却速度での冷却過程から成る。
従属相の密度は、特に昇温過程での昇温速度の選択をも
って調整できる。成長設備や成長条件等により微妙な差
異は認められるものの、昇温速度は、概ね30℃/分以
上とするのが望ましい。毎分200℃を越える程度の極
端に大きな昇温速度では、発光層2に多量の歪が導入さ
れ、発光層2の結晶性が損なわれる。昇温速度として好
ましいのは約30℃/分から約50℃/分の範囲であ
る。 【0055】微結晶体から成る従属相の密度或いは形状
は透過型電子顕微鏡(TEM)を利用した一観察法であ
る断面TEM技法で計測、観察できる。入射電子線を透
過するに都合良く薄層化した発光層2の断面のTEM像
には、従属相は略円形或いは台形状の黒色コントラスト
をもって撮像される。断面TEM像の撮像範囲(面積)
内の従属相の数量から従属相の密度を知ることができ
る。また、EPMA等の元素分析機能を備えたTEMを
利用すれば、主体相と従属相間のIn組成の相違も調査
できる。析出体は形状が微結晶体より遙かに大であるた
め、光学顕微鏡で視認できる。視野内の析出体の数量か
ら密度を知ることができる。また、光学顕微鏡写真を基
に層表面での析出体の占有面積が求められる。紫外線を
励起光源とする蛍光顕微鏡を利用すれば主体相と従属相
との発光色の違いが認知できる。発光波長からは、対応
する禁止帯幅が計算でき、禁止帯幅とIn組成の既知の
相関から(特公照55−3834号公報明細書参照)、
主体相と従属相とのIn組成の差異を知ることができ
る。 【0056】以上述べたように、この実施形態では、p
形層3を、少なくとも準位の深い不純物と浅い不純物と
の2種類を含む複数の不純物をドーピングして形成した
ので、深い準位を形成する不純物は、アクセプタ(正
孔)として電気的に活性化する確率は小ではあるもの
の、残留ドナー(電子)を電気的に補償することがで
き、ドナーを補償した状況下では、浅い準位の不純物は
効果的にアクセプタとして機能でき、多数のアクセプタ
を層内に存在させることができる。したがって、抵抗率
の低いp形の伝導層を効果的に得ることができる。ま
た、結晶層の表面モフォロジに悪化を来すMg等のp形
不純物を過剰に添加せずともよく、このため、不純物を
ドーピングしてもp形層3の結晶性を良好に保つことが
できる。したがって、発光素子として構成したときのp
形層3での電気的損失を低減でき、発光効率を向上させ
ることができる。 【0057】また、p形層3aを、層厚の増加方向に禁
止帯幅が小となるように組成に勾配を付して形成した組
成勾配層31を含む構成としたので、p形層3aは、発
光層2との接合界面4では、発光層2の電子に対する障
壁として機能する一方、p形層3aの表面側では、禁止
帯幅が小さくなってその表面側を低抵抗とする。したが
って、クラッド層として、また良好なオーミック特性を
与えるコンタクト層として利用できると同時に、電流拡
散層としても利用することができる。すなわち、p形層
3aの一層をもって、従来のp形クラッド層とp形コン
タクト層との双方の機能が果たせると同時に、透光性薄
膜電極の機能も果たせるようになり、したがって積層構
造を大幅に簡略化することができる。また、この構造の
簡略化により、p形層3aの形成時に要する時間も短縮
できるので、従来p形層の形成工程に発生していた発光
層の熱的変質を抑えることが可能となり、発光層の品質
を良好に保つことができる。したがって、発光出力を向
上させることができる。 【0058】さらに、p形層3bを、発光層2との接合
界面4からの距離にして少なくとも2nm以上で100
nm以下の領域を不純物を故意に添加しないアンドープ
層3としたので、接合界面4近傍のn形発光層2の内部
領域に創生される低次元(2次元)の電子の局在を促す
量子準位を、安定して形成することができ、また、その
領域に局在した電子を散乱させないようにすることがで
きる。このため、低次元のキャリア(電子)を、拡散長
の小さな正孔が存在するp形層領域に近接させて、選択
的に安定して蓄積できることとなり、したがって、電子
と正孔との結合を速やかに行わせることができ、発光の
高速応答性を向上させることができる。また、電子と正
孔との結合が円滑に行われるので、高い発光強度と優れ
た単色性を得ることができる。 【0059】次に、この発明のIII族窒化物半導体発
光素子を、より具体的な実施例を以て説明する。 【0060】 【実施例】(第1実施例) 本発明を発光ダイオード(LED)に適用した場合につ
いて説明する。LED用途の積層構造体を構成する各構
成層は一般的な常圧(大気圧)方式のMOCVD成長装
置を利用して、基板上に次の手順により順次形成した。 【0061】図5は本発明の第1実施例に係るLEDを
示す図であり、図6のA−A断面を示している。図6は
LEDの平面図である。これらの図において、LED5
1用途の基礎となる積層構造体11は、基板100上に
積層して構成されている。基板100として、直径2イ
ンチ(直径50mm)で厚さが約90μmの両面研磨し
た(0001)(c面)−サファイア(α−Al23
結晶)を使用した。基板100上に、トリメチルアルミ
ニウム((CH33 Al)/ アンモニア(NH3 )/
水素反応系により、450℃で層厚を20nmとするア
ンドープの窒化アルミニウム(AlN)から成る緩衝層
100aを成長させた。基板100の温度を1100℃
に上昇させた後、トリメチルガリウム((CH33
a)/アンモニア(NH3)/水素反応系により、緩衝層
100a上に珪素( Si)をドーピングしたn形窒化ガ
リウム(GaN)から成る下クラッド層101を積層し
た。下クラッド層101の層厚は約3μmとし、キャリ
ア濃度は層厚方向に略一様の約1×1018cm-3とし
た。 【0062】下クラッド層101を成長させた後、基板
温度を1100℃から870℃に降温した。その後、ト
リメチルガリウム/トリメチルインジウム((CH33
In)/アンモニア/アルゴン(Ar)反応系を利用し
て、平均的なインジウムの組成比を0.20とするアン
ドープのn形窒化ガリウム・インジウム(Ga0.80In
0.20N)層を発光層102として積層した。発光層10
2の成長速度は約2nm/分に設定し、層厚は5nmと
した。 【0063】発光層102の成長終了後、アルゴン気流
中で基板100の温度を870℃から1050℃に昇温
した。昇温過程で不必要に多量の従属相の核の発生を防
止するため、昇温は1.5分間で実施した。1050℃
に到達後、直ちにトリメチルガリウム/トリメチルアル
ミニウム/アンモニア反応系によりアルミニウム組成比
が0.1の、マグネシウム(Mg)と亜鉛(Zn)を共
にドーピングしたp形窒化アルミニウム・ガリウム混晶
(Al0.90Ga0.10N)から成る上クラッド層(不純物
ドープ層)103を積層した。Mgのドーピング源に
は、ビス−メチルシクロペンタジエニルマグネシウム
(bis−(CH3542Mg)を使用した。Mgの
成長系への供給量は毎分0.2マイクロモル(μmo
l)とした。Znはジエチル亜鉛((C252Zn )
を体積濃度にして100ppm含む水素ガスを使用して
ドーピングした。ジエチルZnの供給量は毎分0.04
マイクロモルに設定した。5分間に亘り成膜を継続し
た。厚さは0.2μmとした。 【0064】上クラッド層103の成膜後、基板100
の温度を1050℃に維持したままで、トリメチルガリ
ウム/アンモニア/水素/アルゴン反応系により、Mg
及びZnを共にドーピングした窒化ガリウムから成るp
形コンタクト層104を堆積した。Mgのドーピング源
には、上記のMg化合物を使用した。Mgの反応系への
供給量は、毎分0.2μmolとした。Znは上記のド
ーピング源を使用した。Znの供給量は毎分0.04μ
molとした。上記の各層を成長させた際の流量条件を
図7に纏める。p形コンタクト層104の層厚は0.1
μmとした。 【0065】コンタクト層104の成膜後、1050℃
から950℃に毎分50℃の速度で降温した。950℃
から750℃には10℃/分の速度で降温した。750
℃に降下した後は、MOCVD反応炉内に毎分約15リ
ットルの水素ガスを通流させ、室温近傍の温度に半ば強
制的に冷却した。750℃から室温近傍の温度に低下す
るに約30分を要した。これで、積層構造体11の製作
を完了した。 【0066】断面TEM観察により、発光層102は微
結晶粒を内包する多相構造であるのが確認された。母相
の平均的なIn組成比は約0.15であった。微結晶粒
の平均的な大きさは直径にして約2nmであった。微結
晶粒の密度は約2×1016cm-3と算出された。発光層
102と上クラッド層103との接合界面近傍の領域に
は、特にInの凝集に起因する黒色の島状のコントラス
ト(凝集体)が散見された。凝集体の横幅は数十μm程
度であった。凝集体のIn組成比は最大で約0.25で
あった。最小のIn組成比は約0.05であった。 【0067】p形コンタクト層104及びp形上クラッ
ド層103をプラズマエッチングにより除去し、発光層
102の表面を露出させた。紫外光を励起光源とする蛍
光顕微鏡で発光層102の表面を観察した。表面には、
円形或いは多角形状の島状の凝集体の散在するのが確認
された。凝集体の大きさは横幅或いは直径にして総じて
約10〜約50μm程度であった。平均的な大きさは直
径にして約30μmであった。母相からの発光波長は約
430〜約440nmであった。凝集体からの主な発光
の波長は約415nm及び約475nmであった。発光
波長の分布状況から母相の占有する面積は、発光層10
2の表面の面積に対し約85%と計測された。 【0068】上クラッド層103及びコンタクト層10
4内のMgの原子濃度は約5×1018cm-3であった。
同じくSIMS分析によるZnの原子濃度は約2×10
18cm-3であた。上クラッド層103内のSi原子のバ
ックグランド濃度は約3×1017cm-3であり、コンタ
クト層104内のそれは約1×1017cm-3であった。
また、上クラッド層103と発光層102との接合界面
でのAl組成比は約0.09と定量された。Al0.09
0.91Nから成るクラッド層103とGa0.80In0.20
Nから成る発光層102との禁止帯幅の差異は約0.8
eVである。コンタクト層104のキャリア濃度はホー
ル効果測定法で約2×1017cm-3で、比抵抗は約3.
1Ω・cmであった。このように、MgとZnの2種類
を同時にドーピングしたことで、単一の不純物としてM
gをドーピングしていたものに比べ確実に低い比抵抗値
が得られた。上クラッド層104のキャリア濃度は約7
×1016cm-3であった。 【0069】上記の積層構造体11にプラズマエッチン
グ加工を施し、図5に示すようなメサに成型した。p形
パッド電極107は、窒化ガリウムから成るコンタクト
層104に接触する金(90重量%)・ベリリウム(1
0重量%)合金膜107aと、その上のAu膜107b
との重層膜から構成した。p形パッド電極107には、
層厚を約20nmとするAu薄膜から成る透光性薄膜電
極106を配置した。透光性薄膜電極106の表面は酸
化ニッケル膜106aで被覆した。n形パッド電極10
9はAlから構成した。このようにして、LED51を
構成した。 【0070】上記構成のLED51において、p形パッ
ド電極107と、n形パッド電極110との間に通電し
て発光させたときの、主たる発光スペクトルの中心波長
は約440nmであり、半値幅は10nmであった。発
光出力は1.5mWであった。副次的なスペクトルは波
長約420nm及び480nmに出現した。主たる発光
の強度は、波長を420nmとする副次的な発光の約4
0倍であり、波長を480nmとする副次的な発光の約
60倍となった。順方向電圧(@20mA)は3.7ボ
ルト(V)であった。 【0071】(第2実施例) 図8は本発明の第2実施例に係るLEDを示す図であ
る。この第2実施例でのLED52において、上記第1
実施例のLED51と同一の構成要素には、同一の符号
を付してその説明を省略する。図において、n形下クラ
ッド層101上に、820℃でInの平均組成比を0.
25とするn形のアンドープ窒化ガリウム・インジウム
(Ga0.75In0.25N)から成る発光層122を堆積し
た。40秒間に亘り成膜を継続して6nmの層厚の発光
層を得た。成膜後、1100℃へ昇温した。昇温過程で
の従属相の核の過剰な発生を防止するために、昇温速度
は90℃/分とした。 【0072】温度が1100℃に安定する迄、5分間待
機した。その後、Al組成比を0.20とするアンドー
プで高抵抗のn形窒化アルミニウム・ガリウム混晶(A
0.200.80N)から成る高純度のアンドープ層123
aを堆積した。層厚は2nmとした。成膜時間は20秒
間であった。続けて、MgとZnをドーピングしたp形
のAl0.20Ga0.80N混晶から成る不純物ドープp形層
123bを堆積した。Mg及びZnのドーピング源とそ
れらの成膜系内への供給量は第1実施例と同一とした。
成膜時間は5分間とし、0.12μmの不純物ドープ層
123bを得た。上記のアンドープ層123a及び不純
物ドープ層123bからp形上クラッド層123を形成
した。 【0073】p形上クラッド層123上には、MgとZ
nを共にドーピングしたp形GaNから成るp形コンタ
クト層124を堆積した。p形コンタクト層124の層
厚は0.1μmとした。成膜には、5分を要した。成膜
終了後、ArとNH3 の混合気流中で950℃に50℃
/分の速度で冷却した。したがって、発光層122を9
50℃以上の温度に曝した時間は18分間であった。9
50℃から800℃へは毎分15℃の速度で降温した。
800℃で10分間保持した後、650℃に毎分15℃
の速度で降温した。650℃に降温した時点でMOCV
D反応炉内へのアンモニアガスの供給を停止した。その
後、反応炉の外壁に冷風を送気し室温迄、強制的に冷却
した。これで、積層構造体12の製作を完了した。 【0074】断面TEM観察により、発光層122は微
結晶粒を内包する多相構造であるのが確認された。母相
の平均的なIn組成比は約0.22であった。微結晶粒
の平均的な大きさは直径にして約3nmであった。微結
晶粒の密度は約3×1016cm-3と算出された。発光層
122と上クラッド層123との接合界面近傍の領域に
は、特にInの凝集に起因する黒色の島状のコントラス
ト(凝集体)が散見された。凝集体の横幅は数十μm程
度であった。凝集体のIn組成比は最大で約0.15で
あった。最小のIn組成比は約0.08であった。 【0075】実施例1と同様にして発光層122の表面
を蛍光顕微鏡で観察した。発光層122の表面には、円
形或いは多角形状の断面の凝集体の散在が周囲との蛍光
色の差異から確認された。発光層122表面での平均的
な凝集体の大きさは横幅或いは直径にして約80μmで
あった。母相からの平均的な発光波長は約455nmで
あった。凝集体からの発光は主に約410〜440nm
の帯域に出現した。発光波長の分布状況から母相の占有
する面積は、発光層122の表面の面積に対し74%と
計測された。 【0076】p形不純物ドープ層123b及びp形コン
タクト層124内のMgの原子濃度は約3×1018cm
-3であった。同じくSIMS分析によるZnの原子濃度
は約1×1018cm-3 であった。上クラッド層123
内のSi原子のバックグランド濃度は約1×1017cm
-3であり、コンタクト層124内のそれは約8×1016
cm-3であった。また、p形上クラッド層123と発光
層122との接合界面でのAl組成比は約0.20と定
量された。Al0.20Ga0.80Nから成るアンドープ層1
23aと、Ga0.25In0.75Nから成る発光層122と
の禁止帯幅の差異は約1.2eVである。p形コンタク
ト層124のキャリア濃度はホール効果測定法で約1×
1017cm-3で、比抵抗は約4.1Ωcmであった。こ
のように、MgとZnの2種類を同時にドーピングした
ことで、単一の不純物としてMgをドーピングしていた
ものに比べ確実に低い比抵抗値が得られた。上クラッド
層123のキャリア濃度は約6×1016cm-3であっ
た。 【0077】実施例1と同様の手法で、積層構造体12
にプラズマエッチング加工を施し、LED52を作製し
た。電極間に通電し発光させたときの主たる発光スペク
トルの中心波長は約460nmであり、半値幅は12n
mであった。発光出力は1.4mWであった。副次的な
スペクトルは435nm近傍の位置に出現したが、主た
る発光の強度に比較して約1/100未満の微弱なもの
であった。順方向電圧(@20mA)は3.5ボルト
(V)であった。 【0078】(第3実施例) 図9は本発明の第3実施例に係るLEDを示す図であ
る。図10はそのp形クラッド層内部での元素の濃度分
布状況を示すSIMS分析結果であり、層表面からの深
さ方向でのAl、Ga、Mg及びZnの濃度分布を示し
ている。この第3実施例でのLED53において、上記
第1実施例のLED51と同一の構成要素には、同一の
符号を付してその説明を省略する。 【0079】これらの図において、n形下クラッド層1
01上に、850℃でInの平均組成比を0.15とす
るn形のアンドープ窒化ガリウム・インジウム(Ga
0.85In0.15N)から成る発光層132を堆積した。6
0秒間に亘り成膜を継続して5nmの層厚の発光層13
2を得た。成膜後、1020℃へ昇温した。昇温過程で
の従属相の核の過剰な発生を防止するために、昇温速度
は60℃/分とした。温度が1020℃に安定する迄、
3分間待機した。 【0080】その後、発光層132上に次の順序でp形
の上クラッド層133を堆積した。先ず、発光層132
との接合界面から15nmの領域はアンドープで高抵抗
のn形窒化アルミニウム・ガリウム混晶(Al0.15Ga
0.85N)から成るアンドープ層133aを堆積した。続
けて、MgとZnを共にドーピングするとともに表面に
向けてAl組成比を漸次減少させた窒化アルミニウム・
ガリウム混晶層から成る組成勾配層133bを堆積し
た。Al組成比は、図10に示すように、アンドープ層
133aとの接合界面で0.15とし、その後層厚の増
加方向に直線的に減じた。表面側にはAl組成比を0と
し、MgとZnとのドーピング量を層厚方向に略一定に
保持して成るp形GaN層を禁止帯幅小領域133cと
して形成した(図10)。この組成勾配層133bと禁
止帯幅小領域133cとの合計の層厚は0.15μmと
した。これにより、アンドープ層133a、組成勾配層
133b及び禁止帯幅小領域133cから成るp形の上
クラッド層133が形成された。成膜には6分間を要し
た。 【0081】成膜終了後、ArとNH3 の混合気流中で
950℃に35℃/分の速度で降温した。したがって、
発光層を950℃以上の温度に曝した時間は合計で11
分間であった。この時間は従来に比べ大幅な時間短縮で
あり、このように大幅な時間短縮となったのは、組成勾
配層133b及び禁止帯幅小領域133cでもってコン
タクト層の機能を発揮させ、コンタクト層を設ける工程
を省略できたためである。950℃から800℃へは毎
分10℃の速度で降温した。800℃で15分間保持し
た後、650℃に毎分15℃の速度で降温した。650
℃に降温した時点でMOCVD反応炉内へのアンモニア
ガスの供給を停止した。その後は自然放冷に任せて室温
に冷却した。これで、積層構造体13の製作を完了し
た。 【0082】断面TEM観察により、発光層132は微
結晶粒を内包する多相構造であるのが確認された。母相
の平均的なIn組成比は約0.12であった。微結晶粒
の平均的な大きさは直径にして約2nmであった。微結
晶粒の密度は約1×1016cm-3と算出された。上クラ
ッド層133との接合界面近傍の領域には、特にInの
凝集に起因する黒色コントラストを生ずる凝集体が散見
された。凝集体の横幅は数十μm程度であった。凝集体
のIn組成比は最大で約0.30であった。最小のIn
組成比は約0.08であった。 【0083】実施例1と同様にして発光層132の表面
を蛍光顕微鏡で観察した。発光層132の表面には、円
形或いは多角形状の断面の凝集体の散在が周囲との蛍光
色の差異から確認された。発光層132表面での平均的
な凝集体の大きさは横幅或いは直径にして約70μmで
あった。母相からの平均的な発光波長は約420nmで
あった。凝集体からの発光は主に約410nmと約47
0nmの波長に出現した。発光波長の分布状況から母相
の占有する面積は、発光層132の表面の面積に対し8
8%と計測された。 【0084】上クラッド層133内のMgの原子濃度は
約4×1018 cm-3であった。同じくSIMS分析に
よるZnの原子濃度は約3×1018cm-3 であった。
クラッド層内のSi原子のバックグランド濃度は約1×
1017cm-3であった。また、p形クラッド層と発光層
の界面でのAl組成比は0.15と定量された。Al
0.15Ga0.85Nから成るアンドープ層133aとG0.85
In0.15Nから成る発光層132との禁止帯幅の差異は
約0.8eVである。p形組成勾配層の表層部(禁止帯
幅小領域133c)の平均的なキャリア濃度はホール効
果測定法で約2×1017cm-3 で、比抵抗は約2.0
Ω・cmと計測された。このように、MgとZnの2種
類を同時にドーピングしたこと、及び組成に勾配を付し
たこととで、さらに一層低い比抵抗値を得ることができ
た。したがって、透光性薄膜電極の形成も必要でなくな
った。 【0085】実施例1と同様の手法で、積層構造体13
にプラズマエッチング加工を施し、LED53を作製し
た。電極間に通電し発光させたときの主たる発光スペク
トルの中心波長は約425nmであり、半値幅は13n
mであった。発光出力は1.3mWであった。副次的な
スペクトルは410nm近傍と約475nmの位置に出
現したが、主たる発光の強度に比較して何れも約1/8
0未満の微弱なものであった。順方向電圧(@20m
A)は3.6ボルト(V)であった。 【0086】(第4実施例) 図11は本発明の第4実施例に係るLEDを示す図であ
る。この第4実施例でのLED54において、上記第1
実施例のLED51と同一の構成要素には、同一の符号
を付してその説明を省略する。図において、発光層14
2は、上記第3実施例の発光層142と同じ構成とし、
その発光層142上に、次の順序でp形の上クラッド層
143を堆積した。先ず、発光層142との接合界面か
ら15nmの領域は、上記第3実施例のアンドープ層1
43aと同じ構成とし、高抵抗のアンドープn形でAl
0.15Ga0.85N混晶から成るアンドープ層143aを1
020℃で成長させた。その後、基板温度を980℃に
低下させ、そのアンドープ層143a上に、MgとZn
を共にドーピングするとともに、AlとAsの各組成に
組成勾配を付したp形AlxGa1-x1-aAsa混晶から
成る組成勾配層143bを堆積した。 【0087】Al組成比xは、アンドープ層143aと
の接合界面で0.15とし、その後層厚の増加方向に直
線的に減じた。また、層厚の増加方向でのAl組成比の
減少に対応させて、砒素Asの組成比を0より0.10
に漸次直線的に増加させた。表面側にはAl組成比を0
とし、As組成比及びMg,Znドーピング量をそれぞ
れ層厚方向に略一定に保持して成るp形GaN0.90As
0.10層を禁止帯幅小領域143cとして形成した。この
組成勾配層143bと禁止帯幅小領域143cとの合計
の層厚は0.15μmとした。これにより、アンドープ
層143a、組成勾配層143b及び禁止帯幅小領域1
43cから成るp形の上クラッド層143が形成され
た。成膜には8分間を要した。なお、GaN0.90As
0.10から成る禁止帯幅小領域143cの禁止帯幅は約
1.0eVである。 【0088】成長後、950℃に約20秒間で降下させ
た。950℃から800℃には毎分15℃で冷却した。
したがって、発光層を950℃以上の温度に曝した時間
は合計で7分間であった。この時間は、上記第3実施例
の場合と同様に、従来に比べて大幅な時間短縮であり、
このように大幅な時間短縮となったのは、組成勾配層1
43b及び禁止帯幅小領域143cでもってコンタクト
層の機能を発揮させ、コンタクト層を設ける工程を省略
できたためである。その後、800℃で5分間保持した
後、MOCVD炉内へのAs源としたアルシン(AsH
3 )(10体積%)−水素(90体積%)混合ガスの供
給を停止した。800℃からはAr雰囲気で室温迄冷却
した。これで、積層構造体14の製作を完了した。 【0089】断面TEM観察により、発光層142は微
結晶粒を内包する多相構造であるのが確認された。母相
の平均的なIn組成比は約0.12であった。微結晶粒
の平均的な大きさは直径にして約2nmであった。微結
晶粒の密度は約1×1016cm-3と算出された。上クラ
ッド層143との接合界面近傍の領域には、特にInの
凝集に起因する黒色コントラストを生ずる凝集体が散見
された。凝集体の横幅は数十μm程度であった。凝集体
のIn組成比は最大で約0.28であった。最小のIn
組成比は約0.06であった。 【0090】実施例1と同様にして発光層142の表面
を蛍光顕微鏡で観察した。発光層142の表面には、円
形或いは多角形状の断面の凝集体の散在が周囲との蛍光
色の差異から確認された。発光層表面での平均的な凝集
体の大きさは横幅或いは直径にして約70μmであっ
た。母相からの平均的な発光波長は約420nmであっ
た。凝集体からの発光は主に約405nmと約470n
mに出現した。発光波長の分布状況から母相の占有する
面積は、発光層142の表面の面積に対し85%と計測
された。 【0091】組成勾配層143b内のMgの原子濃度は
約 6×1018 cm-3 であった。同じくSIM分析に
よるZnの原子濃度は約5×1018 cm-3であった。
組成勾配層143b内のSi原子のバックグランド濃度
は約1×1017cm-3であった。また、上クラッド層1
43と発光層142の接合界面でのAl組成比は約0.
15と定量された。Al0.15Ga0.85Nから成るアンド
ープ層143aとG0.80In0.20Nから成る発光層14
2との禁止帯幅の差異は約0.9eVである。p形組成
勾配層の表層部(禁止帯幅小領域143c)のキャリア
濃度はホール測定法で約5×1017cm-3で、比抵抗は
約0.9Ω・cmと計測された。このように、上記第3
実施例の場合と同様に、MgとZnの2種類を同時にド
ーピングしたこと、及び組成に勾配を付したことによ
り、さらには表層側をGaN0.90As0.10で形成し禁止
帯幅を大幅に小としたにより、さらに一層低い比抵抗値
を得ることができた。 【0092】積層構造体14にプラズマエッチング加工
等を施すことで、LED54を作製した。組成勾配層1
43bを備えることで、p形クラッド層とp形コンタク
ト層と電流拡散層の機能を兼用する上クラッド層143
上にはp形パッド電極107を形成した。p形パッド電
極107を形成する上クラッド層143の表面は禁止帯
幅を1.0eVとする窒化物半導体(GaN0.90As
0.10)で構成したため、透光性薄膜電極は敷設しなかっ
た。他の構成は実施例1と同様とした。電極間に通電し
発光させたときの主たる発光スペクトルの中心波長は約
425nmであり、半値幅は13nmであった。発光出
力は1.3mWであった。副次的なスペクトルは405
nm近傍と約475nmの位置に出現したが、主たる発
光の強度に比較して何れも約1/80未満の微弱なもの
であった。順方向電圧(@20mA)は3.6ボルト
(V)であった。 【0093】上記の説明では、本発明をIII 族窒化物半
導体に適用して説明したが、他の半導体、例えば炭化珪
素(SiC)などのIV−IV族半導体や、リン化ホウ素
(BP)などのIII -V族半導体にも同様に適用するこ
とができる。 【0094】また、本発明を発光ダイオード(LED)
に適用した場合について説明したが、本発明は、他の発
光素子、例えばレーザダイオード(LD)にも同様に適
用することができる。 【0095】 【発明の効果】この発明は上記した構成からなるので、
以下に説明するような効果を奏することができる。
明では、p形半導体層を、少なくとも準位の深い不純物
と浅い不純物との2種類を含む複数の不純物をドーピン
グして形成したので、深い準位を形成する不純物は、ア
クセプタ(正孔)として電気的に活性化する確率は小で
はあるものの、残留ドナー(電子)を電気的に補償する
ことができ、ドナーを補償した状況下では、浅い準位の
不純物は効果的にアクセプタとして機能でき、多数のア
クセプタを層内に存在させることができる。したがっ
て、抵抗率の低いp形の伝導層を効果的に得ることがで
きる。また、結晶層の表面モフォロジに悪化を来すMg
等のp形不純物を過剰に添加せずともよく、このため、
不純物をドーピングしてもp形半導体層の結晶性を良好
に保つことができる。したがって、発光素子として構成
したときのp形半導体層での電気的損失を低減でき、発
光効率を向上させることができる。 【0096】また、発明では、p形半導体層を、層厚
の増加方向に禁止帯幅が小となるように組成に勾配を付
して形成した組成勾配層を含む構成としたので、p形半
導体層は、発光層との接合界面では、発光層の電子に対
する障壁として機能する一方、p形半導体層の表面側で
は、禁止帯幅が小さくなってその表面側を低抵抗とす
る。したがって、クラッド層として、また良好なオーミ
ック特性を与えるコンタクト層として利用できると同時
に、電流拡散層としても利用することができる。すなわ
ち、p形半導体層の一層をもって、従来のp形クラッド
層とp形コンタクト層との双方の機能が果たせると同時
に、透光性薄膜電極の機能も果たせるようになり、した
がって積層構造を大幅に簡略化することができる。 【0097】また、この構造の簡略化により、p形半導
体層の形成時に要する時間も短縮できるので、従来p形
半導体層の形成工程に発生していた発光層の熱的変質を
抑えることが可能となり、発光層の品質を良好に保つこ
とができる。したがって、発光出力を向上させることが
できる。 【0098】さらに、発明では、p形半導体層を、発
光層との接合界面からの距離にして少なくとも2nm以
上で100nm以下の領域を不純物を故意に添加しない
アンドープ層としたので、接合界面近傍の発光層の内部
領域に創生される低次元(2次元)の電子の局在を促す
量子準位を、安定して形成することができ、また、その
領域に局在した電子を散乱させないようにすることがで
きる。このため、低次元のキャリア(電子)を、拡散長
の小さな正孔が存在するp形層領域に近接させて、選択
的に安定して蓄積できることとなり、したがって、電子
と正孔との結合を速やかに行わせることができ、発光の
高速応答性を向上させることができる。また、電子と正
孔との結合が円滑に行われるので、高い発光強度と優れ
た単色性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係るIII族窒化物半導体発光素子の
発光部を概略的に示す図であり、図1(a)はその積層
構造を示し、図1(b)はp形層の概念図である。 【図2】p形層での電子分布を模式的に示す図であり、
図2(a)はアンドープ状態のp形層での電荷分布を、
図2(b)は深い準位の不純物のみをドーピングした場
合の電荷の分布を、図2(c)は深い準位と浅い準位の
2種類の不純物を同時にドーピングした場合の電荷の分
布をそれぞれ示している。 【図3】本発明の第2の実施形態を示す図で、図3
(a)は本発明に係る発光部の積層構造を示し、図3
(b)及び図3(c)はp形層の組成勾配層の説明図で
ある。 【図4】本発明の第3の実施形態における発光部の積層
構造を概略的に示す図である。 【図5】本発明の第1実施例に係るLEDを示す図であ
り、図6のA−A断面を示している。 【図6】第1実施例に係るLEDの平面図である。 【図7】第1実施例の積層構造体各層を成長させる際の
成分供給量を示す図である。 【図8】本発明の第2実施例に係るLEDを示す図であ
る。 【図9】本発明の第3実施例に係るLEDを示す図であ
る。 【図10】第3実施例に係るLEDのp形クラッド層内
部での元素の濃度分布状況を示すSIMS分析結果であ
り、層表面からの深さ方向でのAl、Ga、Mg及びZ
nの濃度分布を示している。 【図11】本発明の第4実施例に係るLEDを示す図で
ある。 【図12】従来のLEDの発光部を模式的に示す断面図
である。 【符号の説明】 1 n形層 2 発光層 3,3a,3b p形層 4 発光層とp形層との接合界面 10,10a,10b 発光部 11,12,13,14 積層構造体 31 組成勾配層 32 禁止帯幅小領域 33 アンドープ層 34 不純物ドープ層 51,52,53,54 LED 100 基板 100a 緩衝層 101 下クラッド層 102 発光層 103 上クラッド層(不純物ドープ層) 104 コンタクト層(不純物ドープ層) 106 透光性薄膜電極 106a 金属酸化物保護膜 107 p形パッド電極 107a Au・Be合金膜 107b Au膜 109 n形パッド電極 123,133,143 上クラッド層 123a アンドープ層 123b 組成勾配層 124 コンタクト層 133a アンドープ層 133b 組成勾配層 133c 禁止帯幅小領域 143a アンドープ層 143b 組成勾配層 143c 禁止帯幅小領域 ○ 電子 ● 正孔 ◎ 深い準位に捕獲された電子
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−321389(JP,A) 特開 平4−168773(JP,A) 特開 平4−247670(JP,A) 特開 平9−293897(JP,A) 特開 平9−129926(JP,A) 特開 平6−283825(JP,A) 特開 平8−213653(JP,A) 特開 平8−97468(JP,A) 特開 昭62−204583(JP,A) 特開 平6−45645(JP,A) 特開 平7−170026(JP,A) 特開 平4−133366(JP,A) 特開 平5−315709(JP,A) 特開 平5−160433(JP,A) 特開 平9−266326(JP,A) 特開 平10−51070(JP,A) 特開 平10−223983(JP,A) 特開 平10−98213(JP,A) 特開 平11−40890(JP,A) 特開 平10−189479(JP,A) 特開 平8−330626(JP,A) 特開 平5−243614(JP,A) 特開 平10−303506(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 33/00 H01S 5/00 - 5/50

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 In組成を異にする複数の相の集合体で
    ある多相構造からなり、かつInが凝集した析出体が発
    光層の全表面積に占有する比率が35%未満であるGa
    InNからなる発光層をIII族窒化物半導体からな
    るn形層およびp形層で挟持したダブルヘテロ接合型の
    発光部を有するIII族窒化物半導体発光素子におい
    記p形層は、発光層との接合界面からの距離にして少
    なくとも2nm以上で100nm以下の領域を不純物を
    故意に添加しないで形成した、AlGaN混晶からなる
    アンドープ領域と、その上に形成され、少なくとも準位
    の深い不純物と浅い不純物との2種類を含む複数の不純
    物をドーピングし、かつ層厚の増加方向に禁止帯幅が小
    となるようにAlとAsの組成に勾配を付したAlGa
    NAs混晶からなる組成勾配層を含む構成となってい
    る、ことを特徴とするIII族窒化物半導体発光素子。
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