JP3567926B2 - pn接合型リン化硼素系半導体発光素子、その製造方法および表示装置用光源 - Google Patents

pn接合型リン化硼素系半導体発光素子、その製造方法および表示装置用光源 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、比較的長波長帯域の可視光を発光するに好都合な発光層を備えたpn接合型リン化硼素系半導体発光素子に係わり、特に、高いインジウム組成比を有せずとも長波長帯域の発光をもたらすIII族窒化物半導体からなる発光層の構成と、良好な結晶性の発光層と障壁層とを形成するための緩衝層の構成とに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、窒化ガリウム・インジウム(GaIn1−XN:0≦X≦1)などのIII族窒化物半導体は、青色等の短波長光を出射するための発光層の構成材料として利用されている(特公昭55−3834号公報参照)。GaIn1−XN(0≦X≦1)混晶の一方の素材である窒化ガリウム(GaN)の室温での禁止帯幅(bandgap)は約3.4エレクトロンボルト(eV)である(寺本 巌著、「半導体デバイス概論」(1995年3月30日、(株)培風館発行初版、28頁参照)。また、他方の素材である窒化インジウム(InN)の室温の禁止帯幅は約1.8eVである(上記の「半導体デバイス概論」、28頁参照)。従って、放射再結合により放射される発光の波長は理論上、GaNの禁止帯幅に対応する約366ナノメータ(nm)以上で、InNの禁止帯幅に対応する689nm以下の範囲にある。
【0003】
GaIn1−XNの禁止帯幅は、ガリウム(Ga)組成比(=X)、あるいはインジウム組成比(=1−X)に対応して非線形的に変化することが知られている(上記の特公昭55−3834号公報にあって、特に、図面第1図参照)。また、この従来の知見に依れば、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)、ゲルマニウム(Ge)や銅(Cu)等の不純物を添加すれば、より禁止帯幅を縮小するに、即ち、より長波長の発光を得るに効果があるとされる。
【0004】
GaIn1−XNを発光層として利用する発光ダイオード(LED)にあって、発光の強度の増大を果たすために、pn接合型の発光部は、一般に発光層と発光層を中間に挟持する2つの障壁(クラッド)層とからなる2重ヘテロ(ouble etero:DH)構造となっている(上記の「半導体デバイス概論」、124〜125頁参照)。クラッド(clad)層には、従来より、n形またはp形の直接遷移型の窒化アルミニウム・ガリウム(AlGa1−XN:0≦X≦1)が多用されている(▲1▼特開2001−168384号、▲2▼特開平11−289108号、及び▲3▼特開平10−22525号各公報参照)。
【0005】
最近では、従来のAlGa1−XN(0≦X≦1)からなるクラッド層に代替して、リン化硼素(BP)系半導体層をクラッド層として利用する技術が開示されている(米国特許6,069,021号参照)。すなわち、発光層を上記のGaIn1−XNとし、クラッド層をリン化硼素系半導体層とするDH構造の発光部を利用した高発光強度のLEDが提示されている。このGaIn1−XN/BP系DH構造の発光部は、従来より、主に珪素単結晶(シリコン)を基板として形成されている。しかし、例えば、リン化硼素系半導体として代表的な単量体のリン化硼素(BP)と珪素単結晶との格子のミスマッチ(mismatch)度は約16.5%と大である(庄野 克房著、「半導体技術(上)」(1992年6月25日、(財)東京大学出版会発行9刷)、97〜98頁参照)。この大きな格子ミスマッチを緩和して結晶性に優れるリン化硼素系半導体層を形成するために、従来から、珪素単結晶基板上に、非晶質(amorphous)を主体としてなる緩衝層を介してリン化硼素系半導体層を設ける技術が知れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
GaIn1−XNからなる発光層において、インジウム組成比を高めれば禁止帯幅を非線形的に急激に縮小できるとは云うものの、例えば、黄色或いは赤色等の比較的長波長の可視光発光を得るには、発光層のインジウム組成を約0.6(≒60%)と高める必要があった(上記の特公昭55−3834号公報参照)。しかしながら、この様な高いインジウム組成比のGaIn1−XN層を安定して得るのは容易ではない。通常は、表面が乱雑で結晶性の劣る不連続なGaIn1−XN層が得られるのみである。また、縦しんば長波長領域の発光を得るために、亜鉛(Zn)等の不純物を添加して禁止帯幅が縮小されたGaIn1−XN発光層を得る従来技術を利用したところで、帰結されるのは比抵抗(=抵抗率)を10〜10オーム・センチメートル(Ω・cm)とする高抵抗の結晶層である。このため、例えば、低い順方向電圧(Vf)のLED、或いは閾値電圧(Vth)の低いレーザダイオード(LD)を得るのが困難となっていた。従って従来は、比較的長波長の可視光を発光するGaIn1−XNからなる発光層を備えた、高い発光強度をもたらす発光素子を構成するに支障を来たしていた。
【0007】
また、結晶基板との格子の不一致を緩和する目的で設ける非晶質を主体とする緩衝層では、緩衝層上にリン化硼素系半導体層を積層するための高温の環境下において、緩衝層が揮散して消失してしまう場合があった。
【0008】
従って本発明は、上記の従来技術の問題点に鑑みなされたもので、結晶性を劣化させるほどインジウム組成比を高くせずに、長波長領域の発光をもたらすことができるIII族窒化物半導体からなる発光層の構成と、リン化硼素系半導体層からなる障壁層と発光層の結晶性を良好にする緩衝層の構成とを提示する。そして、結晶性に優れる発光層とp形及びn形の障壁層とからなるDH接合構造の発光部を備えた、発光強度に優れたpn接合型リン化硼素系半導体発光素子を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、
(1)結晶からなる基板と、基板上に設けられた緩衝層と、緩衝層上に設けられた第1の伝導形のリン化硼素(BP)系半導体からなる第1の障壁層と、第1の障壁層上に設けられた、第1または第2の伝導形の発光層と、発光層上に設けられた、第2の伝導形のリン化硼素系半導体からなる第2の障壁層とを備えたpn接合型リン化硼素系半導体発光素子において、緩衝層が、硼素(B)を主体とする被膜をリン(P)化した硼素とリンとを含む層から構成され、発光層が、窒素(N)に加えてリンを第V族の構成元素として含むIII族窒化物半導体から構成されていることを特徴とするpn接合型リン化硼素系半導体発光素子。
(2)発光層が、窒化リン化アルミニウム・ガリウム・インジウム(AlαGaβInγ1− δδ:0≦α<1、0<β≦1、0≦γ<1、α+β+γ=1、0<δ<1)から構成されていることを特徴とする上記(1)に記載のpn接合型リン化硼素系半導体発光素子。
(3)第1の障壁層および第2の障壁層が、室温での禁止帯幅を3.0±0.2eVとする単量体のリン化硼素(BP)層からなることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のpn接合型リン化硼素系半導体発光素子。
(4)第1の障壁層と発光層との中間および第2の障壁層と発光層との中間に中間層が設けられていることを特徴とする上記(1)ないし(3)に記載のpn接合型リン化硼素系半導体発光素子。
(5)基板に珪素(Si)単結晶を用いることを特徴とする上記(1)ないし(4)に記載のpn接合型リン化硼素系半導体発光素子。
(6)結晶からなる基板上に、硼素とリンとを含む緩衝層と、第1の伝導形のリン化硼素(BP)系半導体からなる第1の障壁層と、第1または第2の伝導形の発光層と、第2の伝導形のリン化硼素系半導体からなる第2の障壁層とを順次形成するpn接合型リン化硼素系半導体発光素子の製造方法において、硼素を主体とする被膜を基板の表面上に一旦形成した後、該被膜をリンを含む雰囲気内で加熱によりリン化処理して、硼素とリンとを含む緩衝層を形成することを特徴とするpn接合型リン化硼素系半導体発光素子の製造方法。
(7)硼素を主体とする被膜をリン化処理を施す温度が、750℃〜1200℃の範囲であることを特徴とする上記(6)に記載のpn接合型リン化硼素系半導体発光素子の製造方法。
(8)上記(1)ないし(5)に記載のpn接合型リン化硼素系半導体発光素子を用いた表示装置用光源。
である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明ではDH構造の発光部をなす第1または第2の障壁(クラッド)層をリン化硼素系半導体層から構成する。リン化硼素系半導体層とは、硼素(B)とリン(P)とを構成元素として含むIII−V族化合物半導体からなる層である。第1及び第2の障壁層は例えば、BαAlβGaγIn1− α β γ1− δAsδ(0<α≦1、0≦β<1、0≦γ<1、0<α+β+γ≦1、0≦δ<1)から構成する。また、例えば、BαAlβGaγIn1− α β γ1− δδ(0<α≦1、0≦β<1、0≦γ<1、0<α+β+γ≦1、0≦δ<1)から構成する。なお、第1及び第2の障壁層の伝導形(それぞれ第1、第2の伝導形と呼ぶ)は、それぞれn形またはp形で互いに異なるものとする。例えば、第1の障壁層をn形とすれば、第2の障壁層はp形とする。また、間接遷移型の半導体は、直接遷移型に比較して発光をもたらす放射再結合の効率は極めて低い(上記の「半導体デバイス概論」、111〜113頁参照)。従って、障壁層を間接遷移型のリン化硼素系半導体層から構成すれば、発光層以外の発光部の構成層からの不必要な発光を回避できる。間接遷移型のリン化硼素系半導体には、リン化硼素(boron monophosphide)、リン化硼素・ガリウム(BαGaγP:0<α≦1、0≦γ<1、α+γ=1)、リン化硼素・アルミニウム(BαAlβP:0<α≦1、0≦β<1、α+β=1)、窒化リン化硼素BP1− δδ(0≦δ<1)等がある。
【0011】
また、第1及び第2の障壁層は、発光層よりも禁止帯幅を大とするリン化硼素系半導体層から構成する。例えば、禁止帯幅を約2.7eVとする発光層に対し、室温での禁止帯幅を約3eVとするリン化硼素層(BP)から第1及び第2の障壁層を好適に構成できる。また第1及び第2の障壁層は、禁止帯幅を約3eVとするBPを素材としたリン化硼素系半導体層から構成できる。第1及び第2の障壁層は、発光層よりも約0.1eV、望ましくは約0.3eV以上、禁止帯幅を大とするリン化硼素系半導体層から好適に構成できる。特に、禁止帯幅を約2.8eV以上で約6eV未満とするリン化硼素系半導体層は、第1及び第2の障壁層として好適に利用できる。室温での禁止帯幅を3.0±0.2eVとする単量体のリン化硼素(BP)層を有機金属化学的気相堆積(MOCVD)法により形成する場合は、750℃以上1200℃以下の温度において、MOCVD成長反応系へ供給する構成元素源の濃度比率(所謂、V/III比率)及び成長速度を好適とすることにより形成できる。例えば、成長速度を毎分2nm〜毎分30nm以下に設定することにより形成できる。この様な高い禁止帯幅のリン化硼素系半導体層は、それより小さな禁止帯幅に対応する光を透過できるため、発光を透過する窓層を兼ねる障壁層を構成できる。また、屈折率を発光層よりも大とするリン化硼素系半導体層は、発光層への発光の「閉じ込め」作用を及ぼせないものの、屈折率の差異により発光を平面的に拡散させる障壁層を構成できる。
【0012】
また、リン化硼素系半導体層にあっては、不純物を故意に添加(=ドーピング)せずともn形またはp形の低抵抗の導電層を得ることができる。例えば、単量体のリン化硼素では、アンドープであっても、硼素の空孔(vacancy)またはリンの空孔の関与した1019cm−3〜1020cm−3程度の高濃度のキャリアが存在しているため、数mΩ・cm程度の低抵抗の導電層は簡易に得られる。即ち、リン化硼素系半導体層を用いれば、n形またはp形の障壁層を簡便に構成できる。従来の窒化アルミニウム・ガリウム系混晶の場合とは異なり、層内から水素原子(プロトン)を脱離するための熱処理を必要とせずに、リン化硼素系半導体層ではアズグローン(as−grown)状態で低抵抗のp形導電層を得られる利点がある。障壁層をなすリン化硼素系半導体層のキャリア濃度は大凡、5×1017cm−3〜5×1019cm−3とするのが適する。アンドープ状態でこれより高いキャリア濃度が帰結される場合、反対の伝導形を与える不純物を添加するカウンタードーピング(counter doping)を施して、電気的な補償効果に依り、キャリア濃度を減少させる手段もある。
【0013】
本発明では、発光層をリン(P)を含むIII族窒化物半導体層から構成する。特に、室温で大きな禁止帯幅を持ちつつも、リンを構成元素として含有させることにより、比較的長波長の発光をもたらすに適する様に禁止帯幅を縮小できる窒化リン化アルミニウム・ガリウム・インジウム(AlαGaβInγ1− δδ:0≦α<1、0<β≦1、0≦γ<1、α+β+γ=1、0<δ<1)から構成することとする。AlαGaβInγ1− δδからは、インジウム組成比を約20%以上に高めることに因る結晶性に劣化を回避しつつ、禁止帯幅の小さな発光層を簡便に構成できる。リンの組成比は概ね、0.20(=20%)以下としても比較的長波長の発光を与える禁止帯幅の発光層が得られる。この様な小さなリン組成比の範囲では、リンを含むIII族窒化物半導体層の禁止帯幅は、リン組成比を増大させる程、禁止帯幅は減少する。発光層の伝導形は第1または第2の伝導形の何れともすることができる。例えば、p形の第1の障壁層上にp形のリンを含むIII族窒化物半導体の単層からなる発光層を接合させ、その上にn形の第2の障壁層を形成すれば、pn接合型DH構造の発光部を構成できる。発光層は数量的に単一の層から構成する必要は必ずしもなく、例えば井戸(well)層として複数の発光層を含む多重量子井戸(MQW)構造から構成できる。複数の井戸層を備えたMQW構造の発光層にあって、単色性に優れる発光を得るために、各井戸層をなすIII族窒化物半導体層のリン組成は略同一とするのが好ましい。MQW構造の障壁(バリア)層は、井戸層(発光層)と同一の伝導形で、井戸層より禁止帯幅の大きなAlGa1−XN(0≦X≦1)や、BGa1−XP(0≦X≦1)等の間接遷移型のリン化硼素系半導体層等から好適に構成できる。
【0014】
発光層上に第2の伝導形の第2の障壁層を設ければ、2重ヘテロ接合構造の発光部を構成できる。第2の障壁層の伝導形は、第1の障壁層とは伝導形を反対とする。発光層を中間に挟持する第1と第2の障壁層とを略同一の層厚とすると、発光層に印加される歪を略均等とすることができ、予定の発光波長を安定して得ることができる。単一量子井戸(SQW)またはMQW構造の発光層にあって、第1の障壁層側に最も隣接するのは、井戸層または障壁(barrier)層の何れであっても構わない。また、MQWの終端をなす、第2の障壁層に最近接させる層は、井戸層或いは障壁層の何れの層とすることができる。
【0015】
本発明では、第1及び第2の障壁層をリン化硼素系半導体層から構成する関係上、障壁層から発光層に拡散して来るリンに因り、発光層の禁止帯幅が変化してしまう場合が想到される。この様な場合には、第1の障壁層と発光層との中間および第2の障壁層と発光層との中間に中間層を設けると、障壁層から発光層へのリンの熱拡散を防止するに効果を挙げられる。中間層は、第1の障壁層をなすリン化硼素系半導体層から発光層へ熱拡散して来るリン(P)または硼素(B)を捕獲、吸収し、外来性の原子に因りそれらの層の禁止帯幅並びにキャリア濃度が変動するのを抑止する作用を有する。第1及び第2の障壁層の形成温度が概ね、750℃〜1200℃であるのに鑑みると、拡散して来るリンを吸収するために、中間層の層厚は大凡、約20nm〜約500nmとするのが望ましい。また、中間層自体から発光層への不純物の拡散を回避するため、中間層はアンドープで高純度の導電性結晶層から構成するのが望ましい。具体的な中間層の構成材料には、アンドープの窒化アルミニウム・ガリウム(AlGa1−XN:0≦X≦1)等を例示できる。
【0016】
本発明に係わる発光層及び第1、第2の障壁層は、例えばハロゲン(halogen)気相成長法、ハイドライド(Hydride)気相成長法、分子線エピタキシャル(MBE)法、有機金属化学的気相堆積(MOCVD)法等の気相成長法に依り形成できる。本発明では、第1及び第2の障壁層にあって、基板表面により近接して設ける障壁層を第1の伝導形の第1の障壁層と呼称する。これらの機能層は種々の結晶を基板として、その表面上に設ける。例えば、n形またはp形の導電性の珪素(Si)や炭化珪素(SiC)等の第IV族の半導体単結晶や、リン化ガリウム(GaP)、窒化ガリウム(GaN)等のIII−V族化合物半導体単結晶を基板として利用できる。基板の表面の結晶面は不問であるものの、立方晶結晶にあっては{1.0.0.}、{1.1.0.}或いは{1.1.1.}結晶面、六方晶結晶にあっては{0.0.0.1.}或いは{1.1.−2.1.}結晶面等の低次のミラー(Miller)指数の結晶面を表面とするのが通例である。また、絶縁性のα−アルミナ(α−Al単結晶)やペロブスカイト結晶型酸化物単結晶も基板として利用できる。しかし導電性の結晶を基板とすれば、基板の裏面に正負、何れかの極性のオーミック(Ohmic)性電極を敷設できるため、簡便にLED等の発光素子を構成できる。導電性の単結晶を基板とするにあって、単結晶の伝導形はn形またはp形の何れでも構わない。抵抗率を1mΩ・cm以下、より望ましくは0.1mΩ・cm以下とする低い比抵抗(抵抗率)の導電性単結晶基板は、順方向電圧(所謂、Vf)の低いLEDをもたらすに貢献する。また、放熱性に優れるため安定した発振をもたらすLDを構成するに有効となる。導電性の結晶を基板とする場合、第1の障壁層の伝導形(=第1の伝導形)は基板をなす結晶の伝導形に一致させるのが望ましい。
【0017】
上記の如くの結晶基板上に第1の障壁層を設けるに際し、250℃以上750℃以下の比較的低温で形成された非晶質を含む緩衝層を介して第1の障壁層を設けるとすると、亀裂(crack)等の少ない連続性のある第1の障壁層を形成できる。この非晶質を含む緩衝層は、基板とリン化硼素系半導体層との格子ミスマッチ(mismatch)を緩和して、ミスフィット(misfit)転位等の結晶欠陥の少ない、結晶性に優れ且つ表面の平坦性に優れる第1の障壁層をもたらす作用を発揮する。また、基板との格子ミスマッチ性の大きなリン化硼素系半導体層を形成する場合、基板の表面に硼素或いはリンを主体としてなる微粒子を予め形成した後、その微粒子を成長核としてリン化硼素系半導体層を形成することとしても、連続性に優れる第1の障壁層を形成できる。例えば、硼素を主体としてなるとは、本発明では、硼素の成分比率(重量比率)が、80%以上であることを云う。硼素以外の構成成分としては、第1の障壁層を構成するガリウム(Ga)、インジウム(In)等の硼素以外の他のIII族元素を挙げられる。第1の障壁層を構成する原子を含む微粒子は、第1の障壁層の形成を円滑に進行させる「吸着サイト(site)」、「成長核」として有効に作用できる。
【0018】
特に、硼素を主体とする被膜を結晶基板の表面上に一旦形成した後、その被膜をリンを含む雰囲気内で加熱によりリン化処理した緩衝層は、連続性に優れ且つ表面が平坦な第1の障壁層を得るに優位となる。リン化処理とは、硼素を主体とする被膜の内部にリン(P)を浸透、拡散させて、硼素を主体とする被膜からリンを含む被膜を形成する処理を云う。硼素を主体とする被膜へは、例えばイオン注入手段に依ってもリンを浸透、拡散できる。一方、硼素を主体とする被膜を形成するに利用したと同一の例えば気相成長炉内にリンを含む雰囲気を創出して、リン化処理を実行することとすれば、簡便に緩衝層を形成出来得て利便である。リンを含む雰囲気は、硼素を主体としてなる被膜に浸透、拡散させるリンの供給源であり、PH等のリン含有化合物の気体或いはそれを含む混合ガス等から創出できる。混合ガスからリン雰囲気を構成する場合、混合ガス中のリン含有化合物の気体の分圧は、リン化処理を施す温度に於けるリン化硼素系半導体層の解離圧以上とするのが望ましい。因みにリン化硼素系半導体の基材である単量体リン化硼素の解離圧の温度依然性は、公開刊行物(J.Am.Chem.Soc.,82(1960)、1330〜1332頁)に既に、記載されている。硼素を主体とする被膜の膜厚は結晶表面を均等に被覆できる膜厚以上で、表面に亀裂を発生させない層厚以下の範囲とするのが適する。
【0019】
リン化処理を施す温度は、750℃〜1200℃の範囲が適する。750℃より顕著な低温では、リンを含む雰囲気を構成するリン含有化合物の熱分解が充分に達成されないため、硼素を主体とする被膜の揮散に依る消失を招き不都合である。1200℃を超える高温は、被膜に浸透させたリンの揮散が顕著となり、B13等のリン化硼素多量体が発生し、組成的に均質な緩衝層の形成が妨げられるので好ましくはない。リン化処理を施す時間は一般には、約5分間から約60分間とするのが適する。硼素を主体とする被膜の膜厚が厚い程、また、リン含有化合物の気体の分圧が低い雰囲気である程、長時間の処理が好まれる。しかし、高温での60分間を超える長時間のリン化処理では、表面の平坦性に欠ける緩衝層が帰結されるため好ましくはない。平坦な表面の緩衝層を得るには短時間でのリン化処理が好まれるが、5分間以内のリン化処理では、被膜にリンを充分に浸透させるに至らず、リン化を充分に均等に施せない。具体的なリン化処理の条件として、MOCVD成長炉内で(CBを硼素源として、結晶基板の表面を一様に被覆する被膜を約400℃で形成した後、引き続き、PHを含む雰囲気内で約1000℃前後の温度で15分間に亘りリン化処理を施す手段を例示できる。
【0020】
結晶からなる基板の表面上に、上記の第1の障壁層、発光層、及び第2の障壁層を順次、積層させたエピタキシャル積層構造体を利用すれば発光素子を形成できる。第1の障壁層をなすリン化硼素系半導体層の形成温度としては、750℃を超え1200℃以下の範囲が適する。1200℃を超える高温では、BPやB13等の多量体リン化硼素の発生に因り(J.Am.Ceramic Soc.,47(1)(1964)、44〜46頁参照)、組成的に均質なリン化硼素系半導体層を得るに適さない。第1の障壁層の層厚は約50nmを越え約3000nm以下であるのが好適である。例えば、導電性の結晶基板の裏面に一極性のオーミック電極を設け、第2の障壁層上に反対の極性のオーミック電極を配置してLEDを構成できる。更に、第2の障壁層上に設けられた、第2の伝導形で第2の障壁層よりも低い抵抗率のリン化硼素系半導体層からなるコンタクト層上にオーミック電極を設ければ、低接触抵抗の電極を備えたLEDを構成できる。また、第2の障壁層に接合させて、改めて第1の伝導形の電流ブロック層を設け、更に、電流ブロック層の帯状開口部に第2の障壁層に接する様に第2の伝導形の電流拡散層を設けた後、例えば、帯状開口部に対応する部位にオーミック電極を設けることにより、ストライプ(stripe)型LDを構成できる。
【0021】
本発明の第1の実施形態の好例として、次の(a)〜(g)項に記載の要素から構成されるpn接合型DH構造のLEDを挙げられる。
(a)硼素ドープでp形の{111}結晶面を有する珪素単結晶(シリコン)基板({111}−珪素単結晶(シリコン)基板)
(b)基板表面上に、(CBを硼素源として450℃で形成した硼素被膜を、PH気流中で1050℃でリン化処理を施してなした低温緩衝層
(c)低温緩衝層上に設けたアンドープのp形リン化硼素からなる第1の伝導形(此処では、p形)の第1の障壁層(p形クラッド層)
(d)第1の障壁層に接合させて設けたGa0.90In0.100.990.01からなるSiドープn形発光層
(e)発光層に接合させて設けたアンドープのn形リン化硼素からなる第2の伝導形(此処では、n形)の第2の障壁層(n形クラッド層)
(f)上記基板の裏面の略全面に設けたAlからなるp形オーミック電極
(g)n形の第2の障壁層の中央に設けた結線用の台座電極を兼ねる円形のn形オーミック電極。
【0022】
【作用】
リン化硼素系半導体層からなる第1及び第2の障壁層と、それらの中間に挟持されるリン含有III族窒化物半導体発光層とからなる発光部にあって、本発明に係る発光層に構成元素として含まれるリンは、結晶性を損なわせること無く、比較的長波長の可視光を放射するに適する禁止帯幅の縮小されたIII族窒化物半導体からなる発光層をもたらす作用を有する。
【0023】
特に、リンを構成元素として含むAlαGaβInγ1− δδ(0≦α<1、0<β≦1、0≦γ<1、α+β+γ=1、0<δ<1)結晶は、比較的長波長の可視光を発光できる発光層を、結晶性を劣化させることなくもたらす作用を有する。
【0024】
また、結晶基板と第1の障壁層との中間に設けられたリン化された硼素を主体とする被膜からなる緩衝層は、連続性と表面の平坦性に優れる第1の障壁層をもたらす作用を有する。
【0025】
【実施例】
(第1実施例)
本第1実施例では、第1の伝導形のリン化硼素層からなる第1の障壁層と、第2の伝導形のリン化硼素層からなる第2の障壁層と、リンを構成元素として含むIII族窒化物半導体層からなる発光層とから構成される発光部を具備したpn接合型DH構造のLEDを作製する場合を例にして、本発明を具体的に説明する。
【0026】
第1実施例に係わるLED1Bの平面模式図を図1に示す。また、図1に示す破線X−X’に沿ったLED1Bの断面構造の模式図を図2に示す。
【0027】
LED1B用途の積層構造体は、硼素(B)を添加したp形の(111)結晶面を有するSi単結晶を基板101として形成した。基板101上には、トリエチル硼素((CB)を硼素源として、450℃で硼素からなる被膜102aを堆積した。硼素被膜102aの層厚は18nmとした。その後、硼素被膜102aを形成したのと同一の常圧型MOCVD成長炉の内部にPH−H混合ガスからなる雰囲気を創出し、基板101の温度を450℃から1050℃に上昇させた。この昇温過程で、硼素被膜102aにリン化処理を施して、硼素とリンとを含む緩衝層102を形成した。
【0028】
続いて、同じく常圧MOCVD手段を利用して、緩衝層102の表面上に、アンドープでp形のリン化硼素(BP)層からなる第1の障壁層103を積層させた。上記の緩衝層102を介して設けたことに依り、第1の障壁層103には亀裂もなく、平坦な表面の連続層となった。第1の障壁層103をなすp形リン化硼素層の層厚は約420nmであり、キャリア濃度は約2×1019cm−3であった。第1の障壁層103をなすp形リン化硼素層の室温での禁止帯幅は、屈折率(η)と消衰係数(κ)との積値(=2・η・κ)の波長依存性から約3eVと求められた。
【0029】
第1の障壁層103の気相成長を終了した後、PHとHとをMOCVD成長反応系に流通しつつ、基板101の温度を800℃に低下させた。その後、トリメチルガリウム((CHGa)/トリメチルインジウム((CHIn)/アンモニア(NH)/PH/H系常圧MOCVD法に依り、第1の障壁層103に接合させて、発光層104をなすn形窒化リン化ガリウム・インジウム(Ga0.85In0.150.900.10)層を設けた。発光層104のリン組成は、緑色から黄色帯の発光が得られる比率(=0.10)とし、層厚は約150nmとした。
【0030】
800℃で発光層104の成長を終了した後、同温度において、発光層104上にアンドープでn形の単量体のリン化硼素(BP)からなる第2の障壁層105を接合させて設けた。アンドープでn形のリン化硼素層は、(CB/PH/H系常圧MOCVD法により成長させた。第2の障壁層105の層厚は、第1の障壁層103と略同一の450nmとした。第2の障壁層105は、発光層104からの発光を効率的に外部へ取出すための発光透過層として作用させるため、室温での禁止帯幅を約3eVとするアンドープのリン化硼素から構成した。
【0031】
第2の障壁層105の表面の中央部に、表面に接触する側に金・ゲルマニウム(Au・Ge)合金からなる薄膜層を配置したAu・Ge/ニッケル(Ni)/Auの3層重層構造からなる表面電極106を設けた。結線用の台座(pad)電極を兼ねる表面電極106は、直径を約120μmとする円形の電極とした。また、p形Si単結晶基板101の裏面の略全面には、裏面電極107としてアルミニウム・アンチモン(Al・Sb)合金からなるオーミック電極を配置してLED1Bを構成した。Al・Sb蒸着膜の膜厚は約2μmとした。表面電極106及び裏面電極107を形成した後、基板101をなすSi単結晶を[211]方向に平行及び垂直な方向に裁断して、一辺を約350μmとする正方形の、基板101とは反対側の第2の障壁層105の表面側から外部へ発光を取り出す方式のpn接合型ヘテロ構造のLED1Bを構成した。
【0032】
表面電極106と裏面電極107との間に順方向に20mAの動作電流を通流した際に、LED1Bからは主に第2の障壁層105を通過して、波長を約546nmとする黄緑色光が発せられた。この主たる発光以外には、図3の発光スペクトルに示す如く、副次的な発光は認められなかった。一般的な積分球を利用して測定される輝度は約8ミリカンデラ(mcd)となり、高発光強度のLED1Bを提供できた。また、良好な整流性が顕現され、20mAの順方向電流における順方向電圧(Vf)は約3.2Vであり、10μAの逆方向電流における逆方向電圧(Vr)は5V以上となった。
【0033】
(第2実施例)
本第2実施例では、第1実施例に記載のLEDにおいて、第1の障壁層と発光層との中間及び第2の障壁層と発光層との中間にそれぞれ中間層を設けてなる、pn接合型ダブルヘテロ構造の発光部を備えた積層構造体からLED2Bを構成する場合を例にして、本発明を具体的に説明する。
【0034】
本第2実施例に係わるLED2Bの断面模式図を図4に示す。第1の中間層108及び第2の中間層109以外の構成要素は、上記の第1実施例と同様にして形成した。従って、図4において、図1及び図2に示したのと同じ構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0035】
上記の第1実施例に記載の第1の障壁層103上に、アンドープでn形の窒化ガリウム(GaN)層からなる第1の中間層108を積層した。中間層108は、(CHGa/NH/H系常圧MOCVD法により、第1の障壁層103の形成に引き続き、1050℃で形成した。中間層108の層厚は約25nmに設定した。また、中間層108のキャリア濃度は約2×1018cm−3と見積もられた。第1の障壁層103の表面に交差するリン化硼素層の{111}結晶面の格子面間隔(約3.21Å)とウルツ(Wurtzite)鉱結晶型のGaNのa軸格子定数(約3.18Å)とは格子ミスマッチ度が矮小であるため、六方晶のGaNからはミスフィット転位等の少ない良質の中間層108を構成出来た。
【0036】
第1の中間層108上に、第1実施例に記載したのと同一の発光層104を接合させて設けて後、発光層104に接合させて第2の中間層109を設けた。第2の中間層109は、第1の中間層108の場合と同様の方法により、第1の中間層108と同じ構造のGaN層から形成した。第2の中間層109上には、第1実施例と同様の手段に依り、第1実施例と同様の第2の障壁層105を接合させて設けた。
【0037】
一般的な2次イオン質量分析法(SIMS)に依れば、本第2実施例の発光層104内部のリン原子濃度は約4×1021原子/cmに減少していた。因みに、上記の第1実施例に記載の如く、第1及び第2の中間層108、109を設けないLEDの発光層104の内部のリン原子濃度は、約6×1021原子/cmと高濃度であった。従って、第1及び第2の中間層108、109は発光層104のリン組成比を維持するに有効であった。また、第1及び第2の中間層108、109による第1の障壁層103から拡散して来る硼素或いはリン原子の捕獲作用に依り、第1または第2の中間層108、109と発光層104とのヘテロ接合界面の乱雑化(光技術共同研究所編著、「光電子集積回路の基礎技術」(1989年8月20日、(株)オーム社発行、第1版第1刷)、371〜384頁参照)も抑止される結果となった。
【0038】
第1実施例と同様にして表面電極106と裏面電極107を形成して、LED2Bを構成した。表面電極106と裏面電極107との間に順方向に20mAの動作電流を通流した際に、LED2Bからは緑黄色光が発せられた。主たる発光の波長は、上記の第1実施例のLED1Bに比較して、より短波長の約535nmとなった。また、第1及び第2の障壁層103、105を間接遷移型のリン化硼素から構成したため、この主たる発光以外の副次的な発光は観測されなかった。一般的な積分球を利用して測定したLED2Bのチップ状態での輝度は約10mcdとなり、高発光強度のLED2Bが提供された。また、第1の中間層108と発光層104の接合界面および第2の中間層109と発光層104の接合界面の何れでも、乱雑化が抑制されたため、順方向電流を20mAとした際のVfは約3.0Vであり、逆方向電流を10μAとした際のVrは8V以上と良好な整流特性が顕現された。
【0039】
【発明の効果】
結晶からなる基板と、基板上に設けられた緩衝層と、緩衝層上に設けられた第1の伝導形のリン化硼素系半導体からなる第1の障壁層と、第1の障壁層上に設けられた、第1または第2の伝導形の発光層と、発光層上に設けられた第2の伝導形のリン化硼素系半導体からなる第2の障壁層とを備えたpn接合型リン化硼素系半導体発光素子において、本発明に依れば、緩衝層を硼素を主体とする被膜をリン化した硼素とリンとを含む層から構成し、加えて、発光層を窒素の他にリンを第V族の構成元素として含むIII族窒化物半導体から構成することとしたので、亀裂等の無い連続性に優れる障壁層並びに発光層を提供できると共に、結晶性を劣化させることなく長波長の可視光を発光できる発光層を構成でき、高発光強度のpn接合型化合物半導体発光素子を提供するに効果が奏される。
【0040】
さらに本発明に依れば、第1の伝導形の第1の障壁層上に設ける発光層を、特にAlαGaβInγ1− δδ(0≦α<1、0<β≦1、0≦γ<1、α+β+γ=1、0<δ<1)から構成すると、結晶性に優れ、且つ長波長の可視光を発光するに適する禁止帯の減少された発光層を構成でき、これを発光層として用いると高発光強度のpn接合型リン化硼素系半導体発光素子を提供できる。
【0041】
本発明に係るpn接合型リン化硼素系半導体発光素子は、高い発光強度で長波長の可視光を発光することができるため、多色発光ディスプレーなどの表示装置用光源として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るLEDの平面模式図である。
【図2】図1に示す破線X−X’に沿ったLEDの断面模式図である。
【図3】本発明の第1実施例に係るLEDの発光スペクトルである。
【図4】本発明の第2実施例に係るLEDの断面模式図である。
【符号の説明】
1B、2B LED
101 基板
102 緩衝層
102a 硼素被膜
103 第1の障壁層
104 発光層
105 第2の障壁層
106 表面電極
107 裏面電極
108 第1の中間層
109 第2の中間層

Claims (6)

  1. 結晶からなる基板と、基板上に設けられた緩衝層と、緩衝層上に設けられた第1の伝導形のリン化硼素(BP)系半導体からなる第1の障壁層と、第1の障壁層上に設けられた、第1または第2の伝導形の発光層と、発光層上に設けられた、第2の伝導系のリン化硼素系半導体からなる第2の障壁層とを備えたpn接合型リン化硼素系半導体発光素子において、緩衝層が、硼素(B)を主体とする被膜をリン(P)化した硼素とリンとを含む層から構成され、発光層が、窒素(N)に加えてリンを第V族の構成元素として含むIII族窒化物半導体から構成されていることを特徴とするpn接合型リン化硼素系半導体発光素子。
  2. 発光層が、窒化リン化アルミニウム・ガリウム・インジウム(AlαGaβInγ1−δδ:0≦α<1、0<β≦1、0≦γ<1、α+β+γ=1、0<δ<1)から構成されていることを特徴とする請求項1に記載のpn接合肩リン化硼素系半導体発光素子。
  3. 第1の障壁層および第2の障壁層が、室温での禁止帯幅を3.0±0.2eVとする単量体のリン化硼素(BP)層からなることを特徴とする請求項1または2に記載のpn接合型リン化硼素系半導体発光素子。
  4. 第1の障壁層と発光層との中間および第2の障壁層と発光層との中間に中間層が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3に記載のpn接合型リン化硼素系半導体発光素子。
  5. 基板に珪素(Si)単結晶を用いることを特徴とする請求項1ないし4に記載のpn接合型リン化硼素系半導体発光素子。
  6. 請求項1ないしに記載のpn接合型リン化硼素系半導体発行素子を用いた表示装置用光源。
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