JP2007081084A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 半導体発光素子のDH構造の発光部をなすクラッド層を、結晶欠陥の少ない良質な燐化硼素系半導体層で構成して、発光特性も大幅に向上させることができるようにする。
【解決手段】 本発明は、III族窒化物半導体からなる発光層104と、その発光層104に接合するクラッド層103,105とからなる異種(ヘテロ)接合構造型の発光部を備えた半導体発光素子10において、クラッド層が六方晶の燐化硼素系半導体から構成されているものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、III族窒化物半導体からなる発光層と、その発光層に接合するクラッド層とからなる異種(ヘテロ)接合構造型の発光部を備えた半導体発光素子に関する。
従来から、例えば、青色帯または緑色帯の可視発光ダイオード(英略称:LED)は、もっぱら、III族窒化物半導体からなる六方晶のウルツ鉱型(Wurtzite)結晶層を利用して構成されている(下記の特許文献1参照)。例えば、短波長可視或いは近紫外または紫外LEDの発光部は、III族窒化物半導体材料からなるクラッド(clad)層と発光層との異種(hetero)接合から構成されるものとなっている(下記の特許文献2参照)。
特公昭55−3834号公報 特開平4−213878号公報
また一方で、立方晶の閃亜鉛鉱結晶型(zinc−blende)の燐化硼素系半導体層をクラッド層としてダブルヘテロ(英略称:DH)構造の発光部を構成する技術例も知れている(下記の特許文献3参照)。また、燐化硼素(BP)とIII族窒化半導体との超格子構造を発光層として利用してpn接合型DH構造の発光部を構成する技術例が開示されている(下記の特許文献4参照)。
特開2004−186291号公報 特開平2−288388号公報
発光部を構成する発光層、及び発光層に対して障壁層として作用するクラッド層を構成する立方晶の燐化硼素系半導体層は、例えば、立方晶の閃亜鉛鉱結晶型の燐化硼素(GaP)(下記の特許文献5参照)や立方晶の3C型の炭化珪素(SiC)を下地層として利用して形成されている(下記の特許文献6参照)。
特開平3−87019号公報 特開平4−84486号公報
ところが、従来の立方晶の結晶材料からなる下地層上に形成された燐化硼素系半導体層は、下地層との格子上のマッチングの不充分さから、結晶欠陥を多く含む結晶層となってしまう。例えば、下地層との格子のミスマッチングに因り、双晶(twin)や積層欠陥(stacking fault)等の面欠陥を多く含む結晶層となってしまう問題がある。このため、この様な結晶欠陥を多量に含む燐化硼素系半導体層を、例えば、クラッド層として用いてLEDの発光部を構成しても、LEDを駆動させるための電流の発光層への短絡的な流通を発生させるため、発光面積を拡張できず、高輝度のLEDを安定して得るのに至っていない。
本発明は、上記従来技術の問題点を克服すべくなされたもので、DH構造の発光部をなすクラッド層を、結晶欠陥の少ない良質な燐化硼素系半導体層で構成することができ、発光特性も大幅に向上させることができる半導体発光素子を提供することを目的とする。
1)上記目的を達成するために、第1の発明は、III族窒化物半導体からなる発光層と、その発光層に接合するクラッド層とからなる異種(ヘテロ)接合構造型の発光部を備えた半導体発光素子において、上記クラッド層は六方晶の燐化硼素系半導体から構成されているものである。
2)第2の発明は、上記した1)項に記載の発明の構成において、上記発光層は、六方晶のIII族窒化物半導体から構成されているものである。
3)第3の発明は、上記した2)項に記載の発明の構成において、上記クラッド層と上記発光層とは、(1.1.−2.0.)結晶面で接合しているものである。
4)第4の発明は、上記した3)項に記載の発明の構成において、上記クラッド層は、(1.1.−2.0.)結晶面を表面とする六方晶のIII族窒化物半導体層上に接合させて設けられているものである。
5)第5の発明は、上記した1)項から5)項の何れか1項に記載の発明の構成において、上記クラッド層は六方晶の単量体燐化硼素(BP)から構成され、上記発光層は窒化ガリウム・インジウム(組成式GaXIn1-XN:0≦X≦1)から構成されているものである。
本発明によれば、III族窒化物半導体からなる発光層と、その発光層に接合するクラッド層とからなる異種(ヘテロ)接合構造型の発光部を備えた半導体発光素子において、クラッド層を双晶や積層欠陥等の欠陥密度の小さい良質な六方晶の燐化硼素系半導体層から構成することとしたので、逆方向電圧等に優れる半導体発光素子を提供することができる。
また、本発明によれば、特に、結晶性に優れる六方晶の燐化硼素系半導体層からなるクラッド層を下地として、その上に例えば、III族窒化物半導体材料からなる六方晶の発光層を接合させて設ける構成としたので、双晶等の結晶欠陥密度の低い良質な発光層を構成でき、従って、高輝度の半導体発光素子を提供できる。
また、本発明によれば、特に、六方晶の燐化硼素系半導体層からなるクラッド層と、六方晶の発光層とを、互いに、(1.1.−2.0.)結晶面で接合させる構成としたので、格子のマッチングに優れる接合系を形成できるため、高輝度の半導体発光素子を提供できる。
また、本発明によれば、特に、六方晶の燐化硼素系半導体層からなるクラッド層を、(1.1.−2.0.)結晶面を表面とする六方晶のIII族窒化物半導体層に接合させて設けることとしたので、結晶性に優れる六方晶の燐化硼素系半導体層を安定して形成でき、従って、高輝度の半導体発光素子を提供できる。
また、本発明によれば、特に、発光層を窒化ガリウム・インジウム(GaXIn1-XN:0≦X≦1)とし、クラッド層を六方晶の単量体燐化硼素(BP)から構成することとしたので、高輝度の発光をもたらす異種接合型の発光部を構成することができるため、高輝度な半導体発光素子を提供できる。
本発明に係る半導体発光素子は、III族窒化物半導体からなる発光層と、その発光層に接合するクラッド層とからなる異種(ヘテロ)接合構造型の発光部を備え、クラッド層が六方晶の燐化硼素系半導体から構成されているものである。
上記のクラッド層を構成する燐化硼素系半導体とは、硼素(元素記号:B)と燐(元素記号:P)とを必須の構成元素として含むIII−V族化合物半導体である。例えば、単量体(monomer)の燐化硼素(BP)であり、B122、B6Pなどの多量体である。また、燐化硼素・インジウム(組成式B1-XInXP:0≦X<1)であり、また、燐化硼素・アルミニウム(組成式B1-XAlXP:0≦X<1)である。さらに硼素(B)と燐(P)と、その燐とは別のV族元素を含む、例えば組成式がBNX1-X(0≦X<1)やBNXAs1-X(0≦X<1)で表される半導体である。
本発明では、六方晶(hexagonal)のウルツ結晶型の燐化硼素系半導体層を利用する。六方晶の燐化硼素系半導体層は、{1.1.−2.0.}結晶面(通称、A面)等の無極性の表面を下地層として形成できる。特に、六方晶のA面を下地として用いれば、そのA面の無極性に依り、六方晶の燐化硼素系半導体層を効率的に形成できる。例えば、六方晶ウルツ鉱結晶型のGaN等のIII族窒化物半導体結晶のA面上に効率的に形成できる。
この下地層として適用されるIII族窒化物半導体層は、上記の窒化ガリウム(GaN)の他に、例えば窒化物アルミニウム(AlN)や窒化インジウム(InN)、またこれらの混晶である窒化アルミニウム・ガリウム・インジウム(組成式AlXGaYInZN:0≦X,Y,Z≦1、X+Y+Z=1)で形成してもよい。また、このIII族窒化物半導体は、窒素(元素記号:N)と、窒素以外の燐(元素記号:P)や砒素(元素記号:As)等の第V族元素とを含む、例えば、窒化燐化ガリウム(組成式GaN1-YY:0≦Y<1)などで形成してもよい。六方晶の燐化硼素系半導体層は、特に、窒化ガリウム(GaN)の{1.1.−2.0.}結晶面(A面)等を下地として用いることにより、その結晶面の無極性のために簡便に形成できる。
クラッド層としての六方晶の燐化硼素系半導体層は、ハロゲン(halogen)気相エピタキシャル(VPE)成長法、ハイドライド(水素化物:hydride)VPE成長法、有機金属化学的気相堆積(MOCVD)法、分子線エピタキシャル(英略称:MBE)法や化学ビームエピタキシー(CBE)法等の気相成長手段で形成できる。例えば、MOCVD法によれば、成長温度を700℃〜1200℃として、六方晶結晶のA結晶面等の無極性の下地上に燐化硼素系半導体層を形成できる。例えば、単量体の燐化硼素(BP)からなる六方晶ウルツ鉱型の単結晶層を形成できる。
六方晶の単量体の燐化硼素のa軸格子定数は、約0.32nmである。従って、六方晶のウルツ鉱結晶型のGaNのa軸(=0.32nm)及びAlNのa軸(=0.31nm)に略一致する。従って、六方晶の単量体燐化硼素(BP)層を例えば下部クラッド層として用いることにより、その上には、六方晶のBPと格子定数が近似する六方晶のIII族窒化物半導体からなる発光層を形成できる。例えば、六方晶の窒化ガリウム・インジウム(GaXIn1-XN:0≦X≦1)から発光層を構成できる。六方晶の単量体燐化硼素(BP)層を下部クラッド層として用いれば、その上には、良好な格子マッチングにより、双晶や積層欠陥等が顕著に低減された、結晶性に優れる良質の窒化ガリウム・インジウム(組成式GaXIn1-XN:0≦X≦1)からなる発光層を得ることが可能となる。双晶等の結晶欠陥の密度が顕著に減少した六方晶の発光層が得られている様は、例えば、透過型電子顕微鏡(英略称:TEM)を利用した分析から知れる。
また、III族窒化物半導体からなる発光層を、表面を(1.1.−2.0.)結晶面とする六方晶の燐化硼素系半導体層を下地(下部クラッド層)として用いて形成すると、上記のIII族窒化物半導体との良好な格子マッチング性と相俟って、結晶性に優れる発光層を効率的に形成できる。六方晶の燐化硼素系半導体結晶をなす(1.1.−2.0.)結晶面では、その結晶を構成する硼素(B)等のIII族構成元素と、燐(P)などのV族構成元素とが均等な密度で表面に露出していることが優位に作用しているためであると考察される。(1.1.−2.0.)結晶面を表面とする六方晶の単量体燐化硼素(BP)層等の燐化硼素系半導体層は、表面を(1.1.−2.0.)結晶面とする六方晶の化合物半導体結晶の例えば、GaNやAlN或いは酸化亜鉛(ZnO)を下地として形成するのが得策である。
更に、六方晶の単量体燐化硼素(BP)層などの六方晶の燐化硼素系半導体層の(1.1.−2.0.)結晶面からなる表面に、(1.1.−2.0.)結晶面をもって接合しているIII族窒化物半導体層は、高強度の発光をもたらす発光層として利用することができる。特に、無極性の(1.1.−2.0.)結晶面からなる六方晶の燐化硼素系半導体層の表面に平行に(1.1.−2.0.)結晶面を積重させて構成したGaXIn1-XN(0≦X≦1)等のIII族窒化物半導体層は、双晶等の欠陥密度が小さく結晶性に優れるため、高強度の発光をもたらす発光層として特に有用となる。
(1.1.−2.0.)結晶面を表面とする燐化硼素系半導体層は、また、面方位に依存せず、極性の無い結晶面を与える単一の元素からなる六方晶の金属膜、例えば、ハフニウム(元素記号:Hf)膜などを下地として形成できる。しかしながら、上記の如くのGaN等の六方晶の化合物半導体結晶を下地として形成した(1.1.−2.0.)結晶面を表面とする燐化硼素系半導体層を下地とすれば、(1.1.−2.0.)結晶面をもって燐化硼素系半導体層に接合するIII族窒化物半導体層をより効率的に得ることができる。更に、燐化硼素系半導体層に接合するIII族窒化物半導体層を、ガリウム(元素記号:Ga)とインジウム(元素記号:In)と含む結晶層から構成すると、(1.1.−2.0.)結晶面をもって燐化硼素系半導体層に接合するIII族窒化物半導体層をより安定して得ることができる。
また、結晶性に優れる六方晶のIII族窒化物半導体からなる発光層を下地として、その上に、更に、上部クラッド層を接合させて設ければ、ヘテロ接合構造型の発光部を構成できる。表面を(1.1.−2.0.)結晶面とする発光層であれば、その上側の表面に設ける上部クラッド層も六方晶の燐化硼素系半導体から構成するのに好都合となる。例えば、表面を(1.1.−2.0.)結晶面とする六方晶の単量体のBP層から上部クラッド層を構成するのに好都合となる。発光層を挟持する様に対向して配置する下部及び上部クラッド層の双方を共々、無極性の(1.1.−2.0.)結晶面が互いに平行に積重した、六方晶のn形またはp形の例えば、BP層から構成することとすれば、ピエゾ(piezo)効果等による悪影響を避けて、発光層との良好な格子のマッチング性と相俟って、高強度の発光をもたらすpn接合型DH構造の発光部を構成できる。
発光層と単一ヘテロ接合(英略称:SH)構造をなす下部または上部クラッド層、または発光層と二重ヘテロ接合(DH)構造をなす下部及び上部クラッド層は発光層をなすIII族窒化物半導体材料よりも大きな禁止帯幅を有する六方晶の燐化硼素系半導体材料から構成するのが好ましい。例えば、六方晶のBP、六方晶の窒化燐化硼素(組成式BNX1-X:0≦X<1)から構成するのが好ましい。
(実施例1) 六方晶の単量体BP層を下部クラッド層として備えた化合物半導体LEDを構成する場合を例にして本発明の内容を具体的に説明する。
図1に本実施例1に記載の化合物半導体LED10の平面模式図を示す。また、図2は、図1に示すLED10の破線A−A’に沿った断面模式図である。
LED10用途の積層構造体100は、サファイア(α―Al23単結晶)を基板101として用いて形成した。基板101のR結晶面からなる表面上には、一般的な減圧MOCVD法により、層厚を約8μmとし、表面を(1.1.−2.0.)結晶面とするn形のGaN層102を形成した。
n形GaN層102の(1.1.−2.0.)結晶面からなる表面上には、一般的な常圧(略大気圧)MOCVD法により、750℃で、六方晶でアンドープの単量体BPからなる燐化硼素系半導体層103を下部クラッド層として形成した。燐化硼素系半導体層(BP層)103は、層厚が約290nmで、その表面は(1.1.−2.0.)結晶面であった。また、伝導形はn形で、そのキャリア濃度は一般的な電界C−V法で約2×1019cm3と測定された。更に、一般的なTEM分析によって、下層のGaN層102の内部に含まれている転位は、この燐化硼素系半導体層103との接合界面で伝播を阻止されているのが示された。
六方晶の燐化硼素系半導体層103をなすBP層の(1.1.−2.0.)結晶面からなる表面には、n形のGa0.88In0.12N層を井戸(well)層とし、n形のGaN層を障壁層とする2層を交互に5周期に亘り積層させた多重量子井戸(MQW)構造からなる発光層104を設けた。この多重量子井戸構造をなすGa0.88In0.12N井戸層のうち、六方晶のBP層103と接合するGa0.88In0.12N井戸層の表面を(1.1.−2.0.)結晶面として形成したため、この井戸層は結晶性に優れる六方晶の単結晶層となった。一般的なTEM分析によれば、BP層103の表面と接合する井戸層の内部には、双晶は殆ど認められなかった。
また、六方晶のBP層103の表面と、(1,1.−2.0.)結晶面をもって接合する井戸層の結晶性の良好さを反映して、より上層のGaN障壁層及びGa0.88In0.12N井戸層の何れもが双晶を殆ど含まない結晶性に優れる六方晶の単結晶層となった。また、多重量子井戸構造の発光層104をなす井戸層及び障壁層の何れもが、六方層のBP層103の表面をなす(1.1.−2.0.)結晶面に、(1.1.−2.0.)結晶面を平行として積重した六方晶の単結晶層となった。
六方晶のBP層を下地として設けることにより、結晶欠陥の少ない六方晶のIII族窒化物半導体層から構成できた多重量子井戸構造の発光層の最表層をなすn形GaN層の(1.1.−2.0.)表面には、一般的な減圧MOCVD法により、1080℃で、p形のAl0.15Ga0.85N層を上部クラッド層105として設けた。上部クラッド層105は、キャリア濃度を約4×1017cm-3とし、層厚を約90nmとする六方層のAl0.15Ga0.85N層から構成した。これにより、上記の六方晶の燐化硼素系半導体層103をなすBP層と、発光層104と、上部クラッド層105とでpn接合型DH構造の発光部を構成した。
上部クラッド層105をなす、(1.1.−2.0.)結晶面からなるAl0.15Ga0.85N層表面には、一般的な減圧MOCVD法により、1050℃で、p形GaN層をコンタクト層106として設けた。コンタクト層106は、キャリア濃度を約1×1018cm-3とし、層厚を約80nmとする六方層のGaN層から構成した。
p形GaN層からなるコンタクト層106を最表層として設けて、積層構造体100の形成を終了した後、コンタクト層106の表面の一端に、p形オーミック(Ohmic)電極107を形成した。p形オーミック電極107は、金(元素記号:Au)と酸化ニッケル(NiO)とから構成した。n形オーミック電極108は、一般的なドライエッチング法を利用して露出させた六方晶の燐化硼素系半導体層をなすBP層103上に形成した。n形オーミック電極は、金(Au)・ゲルマニウム(Ge)合金から構成した。
このLED10のp形及びn形オーミック電極107、108間に、順方向に、20mAの素子駆動電流を通流して、発光特性を調査した。LED10から出射される主たる発光の波長は約450nmであった。チップ状態での発光輝度は約1.2カンデラ(cd)であった。20mAの順方向電流を通流した際の順方向電圧は約3.5Vであった。また、pn接合型DH構造の発光部を構成する下部クラッド層をなす六方晶の燐化硼素系半導体層103、発光層104、及び上部クラッド層105をなすIII族窒化物半導体層の結晶性の良好さを反映して、逆方向電流を10μAとした際の逆方向電圧は10Vを超える高値となった。更に、六方晶の燐化硼素系半導体層103により、n形GaN層102からpn接合型DH構造の発光部への転位の伝播が阻止されたため、局所的な耐圧不良(local breakdown)も殆ど認められないLED10が得られた。
(実施例2) 六方晶の燐化硼素系半導体層を、発光層を挟持する上部及び下部クラッド層として構成された発光部を備えたLEDを構成する場合を例にして、本発明の内容を具体的に説明する。
図3に、本実施例2に記載するLED20の断面構造を模式的に示す。図3において、図1及び図2に示したのと同一の構成要素については、同一の符号を付して図示する。
上記の実施例1に記載の如く、サファイア基板101の表面上に、n形で六方晶のGaN層102、n形で六方晶の単量体BP層からなる燐化硼素系半導体層103、及び多重量子井戸構造の発光層104を、この順序で積層した。発光層104は、燐化硼素系半導体層103を下地としたため、双晶等の結晶欠陥の少ない六方晶のGaInN井戸層及びGaN障壁層から構成されるものとなった。
次に、発光層の最表層をなすn形で六方晶のGaN層からなる障壁層上に、一般的なMOCVD法により、六方晶でp形の燐化硼素系半導体層201を設けた。このp形の燐化硼素系半導体層201は、アンドープでp形の六方晶の単量体のBP層から構成した。p形のBP層201の層厚は約250nmであり、キャリア濃度は約2×1019cm-3であった。また、p形BP層201の表面は、下地の六方晶GaNからなる障壁層の表面と同じく、(1.1.−2.0.)結晶面であった。
p形で六方晶のBP層201の禁止帯幅は約3.1エレクトロンボルト(eV)を超えるものであったため、六方晶のBPからなる燐化硼素系半導体層201を上部クラッド層として利用し、n形燐化硼素系半導体層102及び発光層104とともに、pn接合型DH構造の発光部を形成した。
上部クラッド層とした六方晶の燐化硼素系半導体層201は、高いキャリア濃度を有していることから、上記の実施例1とは異なり、上部クラッド層上に、敢えて、p形オーミック電極107を設けるためのコンタクト層は形成せずに、LED20用途の積層構造体200の作製を終了した。
p形オーミック電極107は、図3に示す如く、六方晶でp形の燐化硼素系半導体層の表面に直接、接合させて設けた。一方のn形オーミック電極108は、上記の実施例1に記載の如く、一般的なドライエッチング法を利用して露出させた六方晶でn形の燐化硼素系半導体層103の表面に設けて、LED20を構成した。
このLED20のp形及びn形オーミック電極107、108間に、順方向に、20mAの素子駆動電流を通流して、発光特性を調査した。LED20から出射される主たる発光の波長は約450nmであった。順方向電流を20mAとした際の順方向電圧は、高いキャリア濃度を有する良導性の六方晶の燐化硼素系半導体層201から上部クラッド層を形成したために、上記の実施例1に記載のLED10より低い3.3Vとなった。チップ状態での発光輝度は、上部クラッド層及び下部クラッド層を何れも、六方晶の燐化硼素系半導体層から構成したために、約1.8cdの高値となった。
また、pn接合型DH構造の発光部を構成する下部クラッド層及び上部クラッド層をなす六方晶の燐化硼素系半導体層103、201と発光層104をなすIII族窒化物半導体層の結晶性の良好さを反映して、逆方向電流を10μAとした際の逆方向電圧は10Vを超える高値となった。更に、六方晶の燐化硼素系半導体層103により、n形GaN層102からpn接合型DH構造の発光部への転位の伝播が阻止されたため、局所的な耐圧不良(local breakdown)も殆ど認められないLED20が得られた。
実施例1に記載のLEDの平面模式図である。 図1に示す破線A−A’に沿ったLEDの断面模式図である。 実施例2に記載のLEDの断面模式図である。
符号の説明
10,20 化合物半導体LED
100,200 LED用途積層構造体
101 基板
102 六方晶GaN層
103 六方晶n形燐化硼素系半導体層(下部クラッド層)
104 発光層
105 上部クラッド層
106 コンタクト層
107 p形オーミック電極
108 n形オーミック電極
201 六方晶p形燐化硼素系半導体層(上部クラッド層)

Claims (5)

  1. III族窒化物半導体からなる発光層と、その発光層に接合するクラッド層とからなる異種(ヘテロ)接合構造型の発光部を備えた半導体発光素子において、
    上記クラッド層は六方晶の燐化硼素系半導体から構成されている、
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 上記発光層は六方晶のIII族窒化物半導体から構成されている、請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 上記クラッド層と上記発光層とは、(1.1.−2.0.)結晶面で接合している、請求項2に記載の半導体発光素子。
  4. 上記クラッド層は、(1.1.−2.0.)結晶面を表面とする六方晶のIII族窒化物半導体層上に接合させて設けられている、請求項3に記載の半導体発光素子。
  5. 上記クラッド層は六方晶の単量体燐化硼素(BP)から構成され、上記発光層は窒化ガリウム・インジウム(組成式GaXIn1-XN:0≦X≦1)から構成されている、請求項2乃至4の何れか1項に記載の半導体発光素子。
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