JP2002368260A - 化合物半導体発光素子、その製造方法、ランプ及び光源 - Google Patents
化合物半導体発光素子、その製造方法、ランプ及び光源Info
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Abstract
を取り出すに好都合となるヘテロ接合構造を備えたGa
As1-XPX系発光素子を提供する。 【解決手段】砒化リン化ガリウム(GaAs1-XPX:0
≦X≦1)発光層に含硼素III−V族化合物半導体層
を接合させたヘテロ接合構造を利用して発光素子を構成
する。特に、砒化リン化ガリウム発光層以上の禁止帯幅
を有する含硼素III−V族化合物半導体層を発光層に
ヘテロ接合させる。含硼素III−V族化合物半導体層
を砒化リン化硼素(BAsP)混晶あるいはリン硼素
(BP)から構成する。
Description
ム(GaAs1-XPX:0≦X≦1)層と、硼素(B)と
少なくともリン(P)または砒素(As)とを含む含硼
素III−V族化合物半導体層とから形成されるヘテロ
接合構造を利用して作製した化合物半導体発光素子に関
する。
する元素からなるIII−V族化合物半導体から構成さ
れる発光素子のひとつに、例えば、砒化リン化ガリウム
(GaAs1-XPX:0≦X≦1)からなる発光ダイオー
ド(LED)がある(寺本 巌著、「半導体デバイス概
論」((株)培風館1995年5月30日発行初版)、
118〜121頁参照)。具体例として、GaP結晶層
を発光層とした、発光波長を約555nmとする緑色帯
のGaPからなるLEDが公知である(上記の「半導体
デバイス概論」、118〜121頁参照)。従来より実
用化されているGaPからなるLEDでは、発光部はn
形とp形の導電性GaP結晶層を同種(homo)接合
させた構造からなっている(例えば、David Wo
od、”Optoelectronic Semico
nductor Devices”(Prentice
Hall Int.(UK).Ltd.)(199
4)、99〜102頁参照)。
って、発光層として利用されているGaPは間接遷移型
のIII−V族化合物半導体である。間接遷移型の半導
体では、発光をもたらすキャリア(carrier)の
放射再結合効率は低い(K.ジーガー著、「セミコンダ
クターの物理学(下)」((株)吉岡書店、1991年
6月25日発行第1刷)、505〜507頁参照)。こ
のため、従来より発光強度の増大を目的として、等電子
的捕獲中心(isoelectronic trap)
となる不純物を添加したGaP結晶層から発光層を構成
するのが一般的となっている(上記の「半導体デバイス
概論」、118〜121頁参照)。例えば、窒素(N)
をアイソエレクトロニックトラップ作用を及ぼす不純物
として添加したGaP結晶層を発光層とするGaP緑色
LEDが知られている。
の波長は約555nmである。これは、GaPの室温で
の禁止帯幅である約2.26eVに対応する波長と略同
等となっている(上記の「半導体デバイス概論」、28
頁参照)。このため、従来のGaPホモ接合構造からな
るLEDでは、発光がGaP結晶層に吸収されてしまう
欠点があった。即ち、発光を外部に取り出すに好都合な
接合構成とはなっていない問題が残存していた。
らではなく、発光層よりも禁止帯幅を大とする半導体層
とのヘテロ接合構造から構成して外部への発光の取り出
し効率を増大させれば従来よりも発光強度に優れるGa
As1-XPX(0≦X≦1)からなるLEDが構成できる
と期待される。しかし、GaAs1-XPX(0≦X≦1)
系LEDにあって、発光強度の増大に寄与できる好適で
且つ簡便に形成できる実用的なヘテロ接合構造の構成は
提供されていない。
すべくなされたもので、従来のホモ接合型構造に代替し
て、ヘテロ接合構造を備えたGaAs1-XPX系発光素子
を提供する。特に、外部に発光を取り出すに好都合とな
る、禁止帯幅をGaAs1-XPX(0≦X≦1)よりも大
とする含硼素III−V族化合物半導体とのヘテロ接合
構造を具備したGaAs1-XPX系発光素子を提供するも
のである。
(1)乃至(9)に記載の含硼素III−V族化合物半
導体と砒化リン化ガリウム(GaAs1-XPX:0≦X≦
1)層とのヘテロ接合構造を具備した化合物半導体発光
素子である。 (1)砒化リン化ガリウム(GaAs1-XPX:0≦X≦
1)層と、硼素(B)と少なくともリン(P)または砒
素(As)とを含む含硼素III−V族化合物半導体層
とから形成されるヘテロ接合構造を備えていることを特
徴とする化合物半導体発光素子。 (2)ヘテロ接合構造を形成する砒化リン化ガリウム層
が発光層であることを特徴とする前記(1)に記載の化
合物半導体発光素子。 (3)砒化リン化ガリウム層からなる発光層に、等電子
的捕獲中心(isoelectronic trap)
を形成する不純物が添加されていることを特徴とする前
記(2)に記載の化合物半導体発光素子。 (4)等電子的捕獲中心を形成する不純物が窒素(N)
であることを特徴とする前記(3)に記載の化合物半導
体発光素子。 (5)ヘテロ接合構造を形成する砒化リン化ガリウム層
からなる発光層と含硼素III−V族化合物半導体層と
が、互いに異なる伝導形を有することを特徴とする前記
(2)乃至(4)の何れか1項に記載の化合物半導体発
光素子。 (6)含硼素III−V族化合物半導体層の禁止帯幅
が、砒化リン化ガリウム層の禁止帯幅よりも0.2エレ
クトロンボルト(eV)以上大であることを特徴とする
前記(1)乃至(5)の何れか1項に記載の化合物半導
体発光素子。 (7)含硼素III−V族化合物半導体層を、多結晶ま
たは非晶質を主体とする半導体層から構成したことを特
徴とする前記(1)乃至(6)の何れか1項に記載の化
合物半導体発光素子。 (8)含硼素III−V族化合物半導体層が、砒化リン
化硼素(BAs1-YPY:0≦Y≦1)であることを特徴
とする前記(1)乃至(7)の何れか1項に記載の化合
物半導体発光素子。 (9)含硼素III−V族化合物半導体層が、リン化硼
素(BP)であることを特徴とする前記(8)に記載の
化合物半導体発光素子。
載の化合物半導体発光素子を好都合に提供するための次
の(10)(11)に記す化合物半導体発光素子の製造
方法を提供する。 (10)基板上に砒化リン化ガリウム層を積層し、該砒
化リン化ガリウム層上に含硼素III−V族化合物半導
体層を積層してヘテロ接合構造を形成する化合物半導体
発光素子の製造方法において、基板上に砒化リン化ガリ
ウム層を積層した後、該砒化リン化ガリウム層を積層し
た温度以下の温度で含硼素III−V族化合物半導体層
を積層することを特徴とする前記(1)乃至(9)の何
れか1項に記載の化合物半導体発光素子の製造方法。 (11)含硼素III−V族化合物半導体層を250℃
以上700℃以下の温度で形成することを特徴とする前
記(10)に記載の化合物半導体発光素子の製造方法。
ンプ及び(13)に記載の光源を提供する。 (12)前記(1)乃至(9)の何れか1項に記載の化
合物半導体発光素子を用いたランプ。 (13)前記(12)に記載のランプを用いた光源。
晶基板上に設けたGaAs1-XPX(0≦X≦1)層に、
硼素(B)と少なくともリン(P)または砒素(As)
とを含む含硼素III−V族化合物半導体層を異種接合
させてヘテロ接合構造を構成する。結晶基板の材料とし
ては、BP単結晶(Kristall und Tec
hnik、2(4)(1967)、523〜534頁参
照)、サファイア(α−Al2O3)、炭化珪素(Si
C)、リン化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(Ga
As)並びにシリコン(珪素単結晶)が例示できる。
III−V族化合物半導体をGaAs 1-XPX(0≦X≦
1)からなる発光層にヘテロ接合させ、ヘテロ接合構造
の発光部を構成する。
物半導体として、組成式AlαBβGaγIn1- α - β -
γP1- δAsδ(0≦α<1、0<β≦1、0≦γ<
1、0<α+β+γ≦1、0≦δ≦1)で表記されるI
II−V族化合物半導体が例示できる。例えば、リン化
硼素(BP)及び砒化硼素(BAs)或いはその混晶が
挙げられる。例えば、リン化アルミニウム・硼素混晶
(AlZB1-ZP:0≦Z<1)や砒化アルミニウム・硼
素混晶(AlZB1-ZAs)がある。また、例えば、リン
化硼素・ガリウム混晶(B1-ZGaZP:0≦Z<1)或
いはリン化硼素・インジウム混晶(B1-ZInZP:0≦
Z<1)等が挙げられる。例えば、BP層は、有機金属
化学的気相堆積(MOCVD)法(Inst.Phy
s.Conf.Ser.,No.129(IOP Pu
blishing Ltd.,1993)、157〜1
62頁参照)、分子線エピタキシャル(MBE)法
(J.Solid State Chem.,133
(1997)、269〜272頁参照)、ハライド(h
alide)法(「日本結晶成長学会誌」、Vol.
24、No.2(1997)、150頁及びJ.Ap
pl.Phys.,42(1)(1971)、420〜
424頁参照)、及びハイドライド(hydride)
法等の気相成長手段に依り成長できる(J.Crys
tal Growth、24/25(1974)、19
3〜196頁及びJ.Crystal Growt
h、132(1993)、611〜613頁参照)。
獲中心(isoelectronictrap)を含む
GaAs1-XPX(0≦X≦1)からなる発光層に、上記
の含硼素III−V族化合物半導体層をヘテロ接合させ
る。GaAs1-XPX(0≦X≦1)について等電子的捕
獲中心として作用する代表的な不純物には窒素(N)が
挙げられる(上記の「半導体デバイス概論」、118頁
参照)。その他の等電子的捕獲中心として作用する不純
物にビスマス(Bi)がある。また、等電子的捕獲中心
と同様にして作用する不純物に、亜鉛(Zn)と酸素
(O)が対となったZn−O対と呼ばれる不純物があ
る。等電子的不純物を含むGaAs1-XPX(0≦X≦
1)からは強度的に優れる発光層を構成できる利点があ
る。等電子的不純物である窒素を含むGaAs1-XP
X(0≦X≦1)発光層は、例えば、液相エピタキシャ
ル(LPE)法、ハロゲン(halogen)またはハ
イドライド(hydride)気相エピタキシャル(V
PE)法或いはMOCVD法等による成長時に、アンモ
ニア(NH3)或いはヒドラジン(H2NNH2)類等を
窒素源として窒素を添加すれば形成できる。窒素は発光
層内での原子濃度を約1×10 18cm-3を越える様に添
加(doping)するのが望ましい。
s1-XPX(0≦X≦1)発光層には、p形の含硼素II
I−V族化合物半導体層を接合させてヘテロ接合を構成
する。また、p形GaAs1-XPX(0≦X≦1)発光層
にはn形の含硼素III−V族化合物半導体層を接合さ
せてヘテロ接合を構成する。発光層とは反対の伝導形の
含硼素III−V族化合物半導体層を接合させることに
より、pn接合型のヘテロ接合構造を構成できる。pn
接合型ヘテロ接合構造は、化合物半導体発光素子を構成
するための発光部として優位に利用できる。GaAs
1-XPX(0≦X≦1)発光層並びに含硼素III−V族
化合物半導体層共々、p形伝導層は成膜時に亜鉛(Z
n)、マグネシウム(Mg)等の第II族または炭素
(C)等の第IV族不純物を添加して得られる。n形伝
導層は珪素(Si)、錫(Sn)等の第IV族、または
硫黄(S)またはセレン(Se)などの第VI族不純物
を添加して得られる。また、上記の元素のイオンをイオ
ン注入手段により注入すればp形或いはn形伝導層を得
ることができる。
より禁止帯幅を大とする含硼素III−V族化合物半導
体層をヘテロ接合させると、キャリアの「閉じ込め」効
果を発揮するヘテロ接合構造を構成できる。発光層より
も約0.1eV高い禁止帯幅の含硼素III−V族化合
物半導体層を接合させると、キャリアの「閉じ込め」効
果が顕現される。発光層より禁止帯幅を0.2eV以上
大とする含硼素IIIV族化合物半導体を接合させれ
ば、発光層との接合界面に於けるバンド(band)不
連続性は増し、キャリアをより効果的に閉じ込められる
利点がある。従って、本発明の第5の実施形態からは、
GaAs1-XPX(0≦X≦1)発光層より禁止帯幅を
0.2eV以上大とする含硼素III−V族化合物半導
体層をキャリアの「閉じ込め」効果を発揮する障壁層と
して、発光層に接合させてヘテロ接合構造を構成でき
る。
I−V族化合物半導体層を多結晶または非晶質を主体と
して構成する。GaP単結晶の格子定数は5.450Å
であり、また、GaAsの格子定数は5.654Åであ
る(上記の「半導体デバイス概論」、28頁参照)。一
方、例えば、リン化硼素(BP)の格子定数は4.53
8Åである(上記の「半導体デバイス概論」、28頁参
照)。また、例えば、砒化硼素(BAs)の格子定数は
4.777Åであるため(上記の「半導体デバイス概
論」、28頁参照)、BPとBAsとの混晶であるBA
s1-YPY(0≦Y≦1)とGaAs1-XPX(0≦X≦
1)とは格子不整合の関係にある。例えば、インジウム
組成を約0.32(=32%)とするB0.68In0.32P
混晶(格子定数≒5.450Å)の如くGaPと格子整
合をなすBP系混晶もあるが、含硼素III−V族化合
物半導体と発光層をなすGaAs1-XPX(0≦X≦1)
とは総じて格子不整合の関係にある。従って、GaAs
1-XPX(0≦X≦1)発光層とヘテロ接合させる含硼素
III−V族化合物半導体層を単結晶層から構成する
と、格子のミスマッチ(mismatch)に起因して
多量の結晶欠陥が発生するため粗悪な結晶性の含硼素I
II−V族化合物半導体層が帰結される。このため、本
発明では、発光層には、格子ミスマッチを緩和して結晶
性に優れる作用を発揮できる多結晶層、更に望ましくは
非晶質を主体とする含硼素III−V族化合物半導体層
をヘテロ接合させることとする。多結晶層、更に望まし
くは非晶質を主体として構成された含硼素III−V族
化合物半導体層からは、ミスフィット転位等の結晶欠陥
を介しての素子駆動電流の発光層への短絡的な流通等の
不具合を抑制できる効果が得られる。
する含硼素III−V族化合物半導体層は一般には、単
結晶層が得られる温度よりも低温で形成できる。また、
非晶質層は多結晶層よりも更に低温で形成できる。例え
ば、単結晶のリン化硼素(BP)を形成するための温度
は、トリエチル硼素((C2H5)3B)/ホスフィン
(PH3)系常圧MOCVDでは概して、700℃以上
である(米国特許US−6,069,021号参照)。
また、三塩化硼素(BCl3)/三塩化リン(PCl3)
系ハロゲンVPE法では、BP単結晶が得られる温度範
囲は、1030℃以上で1080℃以下の僅か50℃の
範囲となっている(西永 頌、「化合物半導体のヘテロ
エピタキシー」(「応用物理」、第45巻第9号(19
76)、891〜897頁参照)。この単結晶BP層の
形成温度に対し、多結晶BP層は大凡、500℃以上で
700℃以下の広い温度範囲で得られる。また、非晶質
を主体とするBP層は更に、低温の約250℃〜約50
0℃の温度範囲で形成できる。従って、多結晶または非
晶質を主体とする含硼素III−V族化合物半導体層
は、250℃以上700℃以下の温度で積層することに
より得ることができる。障壁層の結晶形態(構造)は一
般的なX線回折法(XRD)や電子線回折法に依る回折
パターンから知れる。単結晶からは斑点(spot)状
の回折点が帰結される(J.Crystal Grow
th、70(1984)、507〜514頁参照)。
As1-YPY(0≦Y≦1)を接合させてヘテロ接合構造
を構成する。BPのイオン結合度(フィリップスのイオ
ン結合度)は0.006と低い(フィッリプス著、「半
導体結合論」((株)吉岡書店、1985年7月25日
発行第3刷)、51頁参照)。BAsのイオン結合度は
更に小さく0.002であり(上記の「半導体結合
論」、51頁参照)、全んど共有結合性の半導体であ
る。このため、BAs1-YPY(0≦Y≦1)では、立方
晶閃亜鉛鉱結晶型の縮帯した価電子帯構造と相まって、
添加した不純物の電気的活性化率は大となる。このた
め、例えば、障壁層として好適なキャリア濃度を有する
導電性の結晶層が得られ易い利点がある。障壁層として
は、キャリア濃度が約1×1018cm-3〜約5×1018
cm-3となる様にドーピング(doping)されてい
るのが好ましい。障壁層の層厚は例えば、約30nmか
ら約500nmとし、低いキャリア濃度の場合程、層厚
は厚くするのが望ましい。
構成元素数がより少ない2元結晶のBPはより簡便に形
成できる。BPは一種のIII−V族化合物半導体であ
り(Nature、179(No.4569)(195
7)、1075頁参照)、気相成長手段により得たBP
層の禁止帯幅は約6eVであるとされている(Phy
s.Rev.Lett.,Vol.4、No.6(19
60)、282〜284頁参照)。しかし一方で、例え
ば、上記の成長反応系を利用したMOCVD法により、
成長速度を毎分2nm以上30nm以下の範囲内で精密
に制御すれば禁止帯幅を約3eVとするBP層が獲得で
きる。この様な禁止帯幅を室温で有するBP層は、障壁
層として特に好都合に利用できる。発光層をなすGaA
s1-XPX(0≦X≦1)の採り得る最大の禁止帯幅は、
GaPの室温禁止帯幅に相当する室温で2.26eVで
ある。また、GaPのΓ帯の禁止帯幅は2.77eVで
ある(W.A.ハリソン著、「固体の電子構造と物性−
化学結合の物理−(上巻)」(1987年5月30日、
現代工学社発行、二版)、269参照)。従って、禁止
帯幅を約3eVとするBPから障壁(clad)層を構
成すれば、GaPのΓ帯に於いて禁止帯幅の差異は約
0.23eVとなり、キャリアの「閉じ込め」作用を及
ぼせる効果が挙げられる。従来の約6eVと極めて高い
禁止帯幅のBP層からは、バンド不連続性がより大きな
障壁層を構成できるが、逆に禁止帯幅の差異が大きいた
めに、発光素子の順方向電圧(所謂、Vf)を低減する
に然したる効果を及ぼせない難点がある。従って、本発
明の第8の実施形態では、充分な障壁作用を発揮しつ
つ、且つVfを徒に増大させない適度の禁止帯幅を有す
るのBP層から含硼素III−V族化合物半導体層を構
成するのを好適な実施態様とする。
約3eVとするBP層からは、約413nmより長波長
の発光を効率的に透過する発光透過層を構成できる。例
えば、GaP発光層からの波長を約555nmとする緑
色帯発光を都合良く透過できる発光透過層が得られる。
従って、緑色光を出射するGaP発光層上にBPからな
る障壁層を兼用する発光透過層を設けてヘテロ接合型の
GaPLEDを構成することとすれば、従来のホモ接合
型GaP緑色LEDに於けるGaP層による発光の吸収
を回避できるため、発光の外部への取り出し効率の高い
ヘテロ接合型GaPLEDがもたらされる。また、発光
透過層(窓層)を兼用できる障壁層を利用すれば、単純
化された積層構造をもってヘテロ接合型発光素子を簡便
に構成できる利点がある。
As1-XPX(0≦X≦1)層の形成温度を越えない温度
で形成すると、高温環境下での保持に因るヘテロ接合界
面の乱雑化等の熱変性を回避できる。このため、本発明
の9の実施形態では、GaAs 1-XPX(0≦X≦1)層
上に、当該層の形成温度以下の温度に於いて含硼素II
I−V族化合物半導体層を接合させてヘテロ接合構造を
形成する。例えば、窒素(N)をアイソエレクトロニッ
ク不純物として含むn形GaAs1-XPX(0≦X≦1)
発光層を780℃で形成した後、同温度で続けてp形の
含硼素III−V族化合物半導体層を接合させてヘテロ
接合構造を形成する。即ち、GaAs1-XPX(0≦X≦
1)発光層の形成温度以下の温度で、含硼素III−V
族化合物半導体層を形成する手段をもって、被熱に因る
発光層とのヘテロ接合界面の乱雑化を回避するものであ
る。
体とする含硼素III−V族化合物半導体層は、単結晶
層を得るための温度より低温である。従って、含硼素I
II−V族化合物半導体層を多結晶または非晶質を主体
として構成すれば、乱雑化による接合界面の平坦の劣化
を防止することに、より効果が挙げられる。これより、
例えば、順方向電圧(Vf)等の特性が均一とするLE
Dを構成できる利点がある。従って本発明では、含硼素
III−V族化合物半導体層を多結晶層または非晶質を
主体とする層が得られる低温で形成することとするのが
好ましい。
を250℃以上700℃以下、より好ましくは300℃
以上550℃以下の低い温度で形成することとすれば、
p形及びn形不純物の相互拡散を抑制できる利点があ
る。このため、優れた整流性を維持したpn接合構造が
構築でき、従って、逆方向耐圧が高く且つ順方向電圧の
低いpn接合型ヘテロ接合LEDを構成するに効果が奏
される。本発明の第10の実施形態の一例として、75
0℃で形成したn形GaP発光層に、350℃で形成し
たp形の非晶質BP層をヘテロ接合させる例が挙げられ
る。形成温度を低温とする程、非晶質を主体とする含硼
素III−V族化合物半導体層を得るのに好都合とな
る。
れば、GaAs1-XPX(0≦X≦1)発光層にヘテロ接
合させた含硼素III−V族化合物半導体層による窓
(window)層の効果により高輝度のランプを構成
できる。例えば、図1に例示する如く、基板11上にG
aP発光層とリン化硼素(BP)層とのヘテロ接合構造
12を備えたLED10を、台座15上の銀(Ag)或
いはアルミニウム(Al)等の金属を鍍金した碗体16
の中央部に導電性の接合材で固定する。これより、基板
11の底面に設けた一方の極性の裏面電極14を台座1
5に付属する一方の端子17に電気的に接続させる。ま
た、ヘテロ接合構造12上に設置した表面電極13を金
線等で他方の端子18に結線する。そして一般的な半導
体封止用のエポキシ樹脂19でLEDを囲繞する様に封
止すれば、図1に示すような本発明に係わるランプを構
成できる。
の屈折率は約1.5前後である。また、含硼素III−
V族化合物半導体にあってMOCVD手段で形成された
多結晶リン化硼素(BP)の波長555nmの緑色光に
ついての屈折率は約2.6である。また、GaP単結晶
の屈折率は約3.5である。従って例えば、GaP発光
層とBP層とのヘテロ接合構造12を備えたLED10
をエポキシ樹脂で封止する構成とすれば、発光の取り出
し方向、即ち、発光層から窓層を経由して封止樹脂方向
に屈折率が順次、減少する外部への発光の取り出し経路
を構成できる。従って、発光を外部へ広角に発散して取
り出せるため、高輝度のランプを提供できる。また、本
発明によれば約200μm〜約300μm角の小型のL
EDも形成できるため、設置容積を小とする表示器等と
して好適な小型のランプを構成できる。
様々な光源として利用することができる。例えば、複数
のランプを電気的に並列に接続させて、定電圧駆動型の
光源を構成できる。また、電気的に直列にランプを接続
して定電流型の光源を構成できる。これらのLEDのラ
ンプを利用する光源は、従来の白熱型の光源とは異な
り、点灯によりさほど放熱を伴わないため、冷光源とし
て特に有用に利用できる。例えば、冷凍食品の展示用光
源として利用できる。また、含硼素III−V族化合物
半導体層をヘテロ接合層として具備するLEDは、従来
のGaAs1-XPX(0≦X≦1)系ホモ接合型LEDに
比較すれば高輝度であるため、本発明のLEDを用いた
ランプは、例えば、屋外表示器、交通信号を提示するた
めの信号器、方向指示器或いは照明機器等の光源を構成
するのに好適に使用できる。
にヘテロ接合させた含硼素III−V族化合物半導体
層、特に発光層以上の禁止帯幅を有する含硼素III−
V族化合物半導体層は、発光層との禁止帯幅との差異、
即ちバンドオフセット(障壁差)があるため、発光領域
にキャリアを閉じ込める作用を発揮する。
層にヘテロ接合させた、発光層以上の禁止帯幅を有する
含硼素III−V族化合物半導体層は、発光領域からの
発光を外部へ効率的に透過する作用を有する。
−V族化合物半導体層としてリン化硼素(BP)層を備
えたリン化ガリウム(GaP)を発光層とするヘテロ接
合型のLEDを作製した例を用いて本発明を具体的に説
明する。本実施例1で作製したLED20の断面構造を
図2に模式的に示す。
(Zn)ドープでp形の(100)面を有するGaP単
結晶を基板201として構成した。基板201の表面を
硝酸(HNO3)と塩酸(HCl)との混合液を用いて
室温でエッチングした後、表面上に一般的な液相エピタ
キシャル(liquid−phase epitaxi
al)手段に依り、亜鉛(Zn)ドープのp形GaP層
202を積層した。亜鉛ドープのp形GaP層202の
積層温度は780℃とした。また、キャリア濃度は約4
×1018cm-3とし、層厚は約2.5μmとした。
℃で珪素(Si)ドープのn形GaP層からなる発光層
203を積層した。発光層203のキャリア濃度は約5
×10 17cm-3とし、層厚は約0.7μmとした。発光
層203の成長時には、アンモニア(NH3)ガスを利
用して窒素(N)をアイソエレクトロニック不純物とし
て発光層203に添加した。窒素の添加量はGaP発光
層203中の窒素原子濃度が約6×1018cm-3となる
様に設定した。
ル硼素((C2H5)3B)/ホスフィン(PH3)/水素
(H2)系常圧MOCVD法により、350℃で非晶質
を主体とするリン化硼素(BP)からなるヘテロ接合層
204を積層した。GaP発光層203とのヘテロ接合
層204は、珪素(Si)をドーピングした、キャリア
濃度を約1×1018cm-3とするn形BP層から構成し
た。層厚は約0.4μmとした。ヘテロ接合層204を
なすBPの禁止帯幅を、偏光分光解析法で測定した屈折
率(index of refraction)と消衰
係数(extinction coefficien
t)とを利用して求めたところ、室温で約3.1eVと
なった。
(BP)ヘテロ接合層204の表面の中央部には、直径
を約120μmとする円形のn形オーミック電極205
を配置した。n形電極205は金・ゲルマニウム合金
(Au95質量%・Ge5質量%)を一般的な真空蒸着
手段により被着させて形成した。また、GaP単結晶基
板201の裏面の略全面には、金・亜鉛合金(Au97
質量%・亜鉛3質量%)からなる真空蒸着膜を被着して
p形オーミック電極206を形成して、LED20を構
成した。
06間に順方向に電流を通流して緑色光を発光させた。
順方向電流を20ミリアンペア(mA)とした際の発光
の中心波長は約555nm〜556nmであった。発光
波長に対応する遷移エネルギー(約2.3eV)よりも
大きな室温禁止帯幅(=3.1eV)を有するリン化硼
素(BP)層204を発光層203に窓層としてヘテロ
接合させる構成としたため、チップ(chip)状態で
の発光出力は約14ミリカンデラ(mcd)に到達し
た。即ち、従来のGaPホモ接合型緑色LEDの発光出
力が約7〜10mcdであるのに比較すれば、約1.4
〜2.0倍の高い発光出力のGaPヘテロ接合型LED
が提供されることとなった。順方向電流を20mAとし
た際の順方向電圧(所謂、Vf)は約2.3Vであっ
た。また、逆方向電流を10マイクロアンペア(μA)
と規定した場合の逆方向電圧は5Vを越え、整流特性に
優れるLEDが提供された。
は異なる積層構成からなる、リン化硼素(BP)/リン
化ガリウム(GaP)ヘテロ接合型LEDを例にして、
本発明を具体的に説明する。本実施例2に係わるLED
30の断面構造を図3に模式的に示す。
(Si)ドープでn形の(100)面を有するGaP単
結晶を基板301として用いた。基板301の表面を王
水(HNO3:HCl=1:3の混合液)を用いて室温
でエッチングした後、基板表面上に一般的な液相エピタ
キシャル手段に依り、珪素(Si)ドープのGaP層を
発光層302として積層した。珪素ドープのn形GaP
発光層302の積層温度は750℃とした。また、キャ
リア濃度は約4×1017cm-3とし、層厚は約1.5μ
mとした。発光層302の成長時には、アンモニア(N
H3)ガスを利用して窒素(N)をアイソエレクトロニ
ック不純物として発光層302に添加した。窒素の添加
量はGaP発光層302中の窒素原子濃度が約5×10
18cm-3となる様に設定した。
2H5)3B/PH3/H2系常圧MOCVD法により、4
00℃で非晶質を主体とするマグネシウム(Mg)ドー
プでp形のリン化硼素(BP)からなるヘテロ接合層3
03を積層した。ヘテロ接合層303の成長時に於ける
V/III比率(=PH3/(C2H5)3Bの比率)は実
施例1の場合の50から30に低下させた。また、層の
成長速度は実施例1と同じく10nm/分とした。マグ
ネシウム(Mg)はビス−シクロペンタジエニルマグネ
シウム(bis−(C5H5)2Mg)を用いてドーピン
グし、ヘテロ接合層303のキャリア濃度は約7×10
18cm-3とした。ヘテロ接合層303の層厚は約0.5
μmとした。屈折率と消衰係数の波長依存性から求めた
ヘテロ接合層303を構成するBP層の室温の禁止帯幅
は約3.1eVとなった。また、波長を555nmの緑
色光に対する屈折率は約2.6であった。
直径を約110μmとする円形のp形オーミック電極3
04、n形GaP単結晶基板301の裏面にn形オーミ
ック電極305をそれぞれ設置してLED30を構成し
た。p形オーミック電極304は金・亜鉛合金(Au9
7質量%・亜鉛3質量%)真空蒸着膜から構成した。ま
た、n形オーミック電極305は金・ゲルマニウム合金
(Au95質量%・Ge5質量%)真空蒸着膜から形成
した。n形オーミック電極305はGaP単結晶基板3
01の裏面の略全面に形成した。
05間に順方向に電流を通流して緑色光を発光させた。
順方向電流を20ミリアンペア(mA)とした際の発光
の中心波長は約555nmとなった。発光波長に対応す
る遷移エネルギー(約2.3eV)よりも大きな室温禁
止帯幅(=3.1eV)を有するリン化硼素(BP)層
303を発光層302に障壁層を兼用する窓層としてヘ
テロ接合させる構成としたため、チップ(chip)状
態での発光出力は平均して約15mcdに到達した。即
ち、従来のGaPホモ接合型緑色LEDの発光出力が約
7mcd〜約10mcdであるのに比較すれば、平均し
て約1.5倍から約2.0倍の高い発光出力のGaPヘ
テロ接合型LEDが提供された。順方向電流を20mA
とした際の順方向電圧(所謂、Vf)は約2.4Vであ
った。また、逆方向電流を10マイクロアンペア(μ
A)と規定した場合の逆方向電圧は5Vを越えるものと
なり、逆耐圧特性に優れるヘテロ接合型GaPLEDが
もたらされた。
硼素(BAs1-YPY)からなる含硼素III−V族化合
物半導体層と砒化リン化ガリウム(GaAs1-XPX:0
≦X≦1)混晶からなる発光層とのヘテロ接合構造を備
えたLEDを例にして、本発明を具体的に説明する。本
実施例4に係わるLED40の断面構造を図4に模式的
に示す。
(Si)ドープでn形の(100)面を有するGaAs
単結晶を基板401として構成した。基板401の表面
上には、一般的なガリウム(Ga)/アルシン(AsH
3)/PH3/H2系ハイドライド(hydride)気
相成長手段に依り、珪素(Si)ドープのGaAs1-X
PX(0≦X≦1)組成勾配層402を積層した。珪素
ドープのn形GaAs1-XPX組成勾配層402の積層温
度は720℃とした。また、キャリア濃度は約5×10
17cm-3とし、層厚は約3μmとした。GaAs1-XPX
(0≦X≦1)組成勾配層402のリン組成(=X)は
GaAs基板401との接合界面で0(零)とし、表面
で約0.87となる様に直線的に増加させた。
上には、上記のハイドライド気相成長手段によりリン
(P)組成比を約0.87と一定としたn形のGaAs
0.13P0. 87発光層403を積層した。発光層403の層
厚は約1μmとした。発光層403には、アンモニア
(NH3)ガスを利用して窒素(N)を等電子的トラッ
プ不純物として約6×1018cm-3の濃度で含有させ
た。
H3/AsH3/H2系常圧MOCVD法により、400
℃で非晶質を主体とするマグネシウム(Mg)ドープの
p形砒化リン化硼素(BAs0.10P0.90)からなるヘテ
ロ接合層404を積層した。ヘテロ接合層404の形成
時に於けるV/III比率(=(PH3+AsH3)/
(C 2H5)3B比率)は実施例2と同じく30とし、ま
た、成長速度は約20nm/分とした。マグネシウム
(Mg)のドーピング源には、ビス−シクロペンタジエ
ニルマグネシウム(bis−(C5H5)2Mg)を用い
た。ヘテロ接合層404のキャリア濃度は約2×1018
cm-3とした。層厚は約0.5μmとした。屈折率と消
衰係数の波長依存性を求めたヘテロ接合層404を構成
するp形砒化リン化硼素(BAs0.10P0.90)層の室温
の禁止帯幅は約2.9eVであった。
直径を約130μmとする円形のp形オーミック電極4
05、n形GaAs単結晶基板401の裏面にn形オー
ミック電極406をそれぞれ設置してLED40を構成
した。p形オーミック電極405は金・亜鉛合金(Au
97質量%・亜鉛3質量%)真空蒸着膜から構成した。
また、n形オーミック電極406は金・ゲルマニウム合
金(Au95質量%・Ge5質量%)真空蒸着膜から形
成した。n形オーミック電極406はGaAs単結晶基
板401の裏面の略全面に被着させた。
06間に20mAの順方向電流を通流したところ波長を
約582nmとする黄色帯の発光を得た。チップ(ch
ip)状態での発光出力は平均して約7mcdに到達し
た。即ち、従来のGaAs1-XPXからなるpn接合型の
ホモ接合黄色LEDの発光出力の約2倍の高い発光出力
をもたらせるGaAs1-XPXヘテロ接合型LEDが提供
された。これは、発光波長(=582nm)に対応する
遷移エネルギー(≒2.1eV)よりも充分に大きな室
温禁止帯幅(≒2.9eV)を有する砒化リン化硼素
(BAs1-YPY)層404から発光層403にヘテロ接
合する障壁層兼窓層を構成することに依って、発光の外
部への取り出し効率が増大したためである。また、20
mAの順方向電流でのVfは約2.3Vであった。ま
た、逆方向電流を10マイクロアンペア(μA)と規定
した場合の逆方向電圧は5Vを越え、逆耐圧特性に優れ
るpn接合が帰結されていることが示された。これは、
ヘテロ接合層404を発光層403よりも低温で形成す
ることとしたため、ヘテロ接合層404と発光層403
との接合界面は乱雑化されず、良好な平坦性のpn接合
構造が形成させたことに依る。
X≦1)発光層に含硼素III−V族化合物半導体層を
接合させたヘテロ接合構造を利用して発光素子を構成す
ることとしたので、発光強度に優れる化合物半導体発光
素子を提供できる。
層以上の禁止帯幅を有する含硼素III−V族化合物半
導体層をヘテロ接合させる構成とすると、発光の外部へ
の取り出し効率を向上させることができ、従って発光強
度に優れる化合物発光素子を提供できる。
II−V族化合物半導体層を砒化リン化硼素(BAs
P)混晶から構成することとすると、発光層に対してキ
ャリアの「閉じ込め」或いは発光を外部へ透過できる機
能層を簡便に構成でき、従って高発光強度をもたらすヘ
テロ接合構造を備えた化合物半導体発光素子を提供する
ことができる。
II−V族化合物半導体層を発光層を形成する温度以下
の温度で形成することとすると、被熱に因る発光層との
pn接合界面の乱雑化を回避でき、整流特性に優れる高
発光強度の化合物半導体発光素子を提供することができ
る。
である。
断面模式図である。
断面模式図である。
Dの断面模式図である。
Claims (13)
- 【請求項1】砒化リン化ガリウム(GaAs1-XPX:0
≦X≦1)層と、硼素(B)と少なくともリン(P)ま
たは砒素(As)とを含む含硼素III−V族化合物半
導体層とから形成されるヘテロ接合構造を備えているこ
とを特徴とする化合物半導体発光素子。 - 【請求項2】ヘテロ接合構造を形成する砒化リン化ガリ
ウム層が発光層であることを特徴とする請求項1に記載
の化合物半導体発光素子。 - 【請求項3】砒化リン化ガリウム層からなる発光層に、
等電子的捕獲中心(isoelectronic tr
ap)を形成する不純物が添加されていることを特徴と
する請求項2に記載の化合物半導体発光素子。 - 【請求項4】等電子的捕獲中心を形成する不純物が窒素
(N)であることを特徴とする請求項3に記載の化合物
半導体発光素子。 - 【請求項5】ヘテロ接合構造を形成する砒化リン化ガリ
ウム層からなる発光層と含硼素III−V族化合物半導
体層とが、互いに異なる伝導形を有することを特徴とす
る請求項2乃至4の何れか1項に記載の化合物半導体発
光素子。 - 【請求項6】含硼素III−V族化合物半導体層の禁止
帯幅が、砒化リン化ガリウム層の禁止帯幅よりも0.2
エレクトロンボルト(eV)以上大であることを特徴と
する請求項1乃至5の何れか1項に記載の化合物半導体
発光素子。 - 【請求項7】含硼素III−V族化合物半導体層を、多
結晶または非晶質を主体とする半導体層から構成したこ
とを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の化
合物半導体発光素子。 - 【請求項8】含硼素III−V族化合物半導体層が、砒
化リン化硼素(BAs1- YPY:0≦Y≦1)であること
を特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の化合
物半導体発光素子。 - 【請求項9】含硼素III−V族化合物半導体層が、リ
ン化硼素(BP)であることを特徴とする請求項8に記
載の化合物半導体発光素子。 - 【請求項10】基板上に砒化リン化ガリウム層を積層
し、該砒化リン化ガリウム層上に含硼素III−V族化
合物半導体層を積層してヘテロ接合構造を形成する化合
物半導体発光素子の製造方法において、基板上に砒化リ
ン化ガリウム層を積層した後、該砒化リン化ガリウム層
を積層した温度以下の温度で含硼素III−V族化合物
半導体層を積層することを特徴とする請求項1乃至9の
何れか1項に記載の化合物半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項11】含硼素III−V族化合物半導体層を2
50℃以上700℃以下の温度で形成することを特徴と
する請求項10に記載の化合物半導体発光素子の製造方
法。 - 【請求項12】請求項1乃至9の何れか1項に記載の化
合物半導体発光素子を用いたランプ。 - 【請求項13】請求項12に記載のランプを用いた光
源。
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