JP2007088343A - 化合物半導体素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燐化硼素系半導体層を双晶や積層欠陥等の結晶欠陥の密度の小さな結晶性に優れたものすることができ、この燐化硼素系半導体層を利用して、素子としての諸特性を向上させることができるようにする。
【解決手段】 本発明は、六方晶の単結晶材料31と、その単結晶材料31の表面上に形成された燐化硼素系半導体層32と、その燐化硼素系半導体層32上に形成された化合物半導体からなる化合物半導体層33とを備えて成る積層構造体30に電極34,35を配置して構成した化合物半導体素子において、燐化硼素系半導体層32は六方晶の単量体の燐化硼素結晶からなり、c軸の長さを0.52ナノメーター(nm)以上で0.53nm以下とするものである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、六方晶の単結晶材料と、その単結晶材料の表面上に形成された燐化硼素系半導体層と、その燐化硼素系半導体層上に形成された化合物半導体からなる化合物半導体層とを備えてなる積層構造体に電極を配置して構成した化合物半導体素子に関する。
従来から、立方晶で閃亜鉛鉱結晶型の燐化硼素系半導体層は、例えば、立方晶の閃亜鉛鉱結晶型の燐化ガリウム(GaP)或いは炭化珪素(SiC)単結晶からなる基板上に形成されている(下記の特許文献1参照)。これらの基板と、その上に形成された燐化硼素系半導体層と、それに接合させて設けたIII族窒化物半導体層とを備えた積層構造体を用いて、例えば、化合物半導体発光ダイオード(LED)が構成されている(下記の特許文献2参照)。
特開平2−288388号公報 特開平2−275682号公報
また、珪素単結晶(シリコン)を基板として、単量体の燐化硼素(BP)などの閃亜鉛鉱結晶型の立方晶燐化硼素系半導体層が形成されている(下記の特許文献3参照)。また、シリコン基板と、単量体のBP層と、その上に設けたIII族窒化物半導体層とを備えた積層構造体からLEDを構成する技術が開示されている(下記の特許文献3参照)。
米国特許第6069021号
しかしながら、例えば、シリコンを基板として、その(111)結晶面からなる表面上に形成された立方晶の燐化硼素系半導体層には、双晶や積層欠陥などの結晶欠陥が含まれていることが知られている(下記の非特許文献1参照)。また、例えば、六方晶6H型SiCを基板として、その(0.0.0.1.)結晶面上に形成した立方晶の単量体のBP層にも、双晶などの結晶欠陥が含まれていることが報告されている(下記の非特許文献2参照)。この様な結晶欠陥を含む立方晶の燐化硼素系半導体層を備えた積層構造体を利用しても、例えば、逆方向電圧が高く、また、光電変換効率も高いLEDを安定して作製できない問題がある。
T. Udagawa and G. Shimaoka, J. Ceramic Processing Res.,(大韓民国), 第4巻、第2号、2003年,80-83頁. T. Udagawa他、Appl. Surf. Sci.,(アメリカ合衆国),第244巻、2004年,285-288頁.
本発明は、上記従来技術の問題点を克服すべくなされたもので、燐化硼素系半導体層を双晶や積層欠陥等の結晶欠陥の密度の小さな結晶性に優れたものすることができ、この燐化硼素系半導体層を利用して、素子としての諸特性を向上させることができる化合物半導体素子を提供することを目的とする。
1)上記目的を達成するために、第1の発明は、六方晶の単結晶材料と、その単結晶材料の表面上に形成された燐化硼素系半導体層と、その燐化硼素系半導体層上に形成された化合物半導体からなる化合物半導体層とを備えてなる積層構造体に電極を配置して構成した化合物半導体素子において、上記燐化硼素系半導体層は六方晶の単量体の燐化硼素結晶からなり、c軸の長さが0.52ナノメーター(nm)以上で0.53nm以下の範囲にあるものである。
2)第2の発明は、上記した1)項に記載の発明の構成において、上記化合物半導体層は六方晶の化合物半導体からなり、上記燐化硼素系半導体層をなす{0001}結晶面に平行に配列した{0001}結晶面を有するものである。
3)第3の発明は、上記した2)項に記載の発明の構成において、上記燐化硼素系半導体層をなす{0001}結晶面と、上記化合物半導体層をなす{0001}結晶面とが、上記積層構造体の積層方向に平行に配列されているものである。
4)第4の発明は、上記した2)項または3)項に記載の発明の構成において、上記電極に通流して得られる素子駆動電流が、上記燐化硼素系半導体層をなす{0001}結晶面と、上記化合物半導体層をなす{0001}結晶面との何れにも略平行な方向となるように電極が配置されているものである。
5)第5の発明は、上記した2)項または3)項に記載の発明の構成において、上記電極に通流して得られる素子駆動電流が、上記燐化硼素系半導体層をなす{0001}結晶面と、上記化合物半導体層をなす{0001}結晶面との何れにも略垂直な方向となるように電極が配置されているものである。
本発明によれば、六方晶の単結晶材料と、その単結晶材料の表面上に形成された燐化硼素系半導体層と、その燐化硼素系半導体層上に形成された化合物半導体からなる化合物半導体層とを備えてなる積層構造体に電極を配置して構成した化合物半導体素子において、燐化硼素系半導体層は六方晶の単量体の燐化硼素結晶からなり、c軸の長さが0.52ナノメーター(nm)以上で0.53nm以下の範囲となるように構成したので、双晶や積層欠陥の結晶欠陥の少ない、六方晶の単量体の燐化硼素結晶からなる層(燐化硼素層)を得ることができ、また、この結晶性に優れる燐化硼素層を用いて良質な化合物半導体層を形成できるため、これらの半導体層を利用することにより化合物半導体素子の特性を向上させるのに効果を上げられる。
本発明によれば、化合物半導体層を六方晶の化合物半導体で形成するとともに、その化合物半導体層は燐化硼素系半導体層をなす{0001}結晶面に平行に配列した{0001}結晶面を有するようにしたので、その化合物半導体層を構成する{0001}結晶面の配向性の良好さから、特性に優れる化合物半導体素子を得るのに効果を上げられる。
本発明によれば、特に、燐化硼素系半導体層をなす{0001}結晶面と、化合物半導体層をなす{0001}結晶面とを、積層構造体の積層方向に平行になるように配列して化合物半導体素子を構成することとしたので、素子駆動電流の通流抵抗を低減させることができ、このため、例えば光電変換効率の高いLEDや電力損失の小さな高周波帯域電界効果トランジスタ(FET)をもたらすのに効果を上げられる。
本発明によれば、特に、電極に通流して得られる素子駆動電流が、燐化硼素系半導体層をなす{0001}結晶面と、上記化合物半導体層をなす{0001}結晶面との何れにも略平行な方向となるように電極を配置したので、素子駆動電流をより良く通流させることができ、従って、例えば、順方向電流の小さなLEDを得るのに貢献できる。
本発明によれば、特に、電極に通流して得られる素子駆動電流が、燐化硼素系半導体層をなす{0001}結晶面と、化合物半導体層をなす{0001}結晶面との何れにも略垂直な方向となるように電極を配置したので、素子駆動電流をより小さな抵抗で通流させることができ、従って、例えば、発熱に因る出力の損失が少ない高周波電力用FETを得るのに貢献できる。
本発明では、六方晶の単結晶材料と、その単結晶材料の表面上に形成された燐化硼素系半導体層と、その燐化硼素系半導体層上に形成された化合物半導体からなる化合物半導体層とを備えてなる積層構造体に電極を配置して構成した化合物半導体素子において、燐化硼素系半導体層は六方晶の単量体の燐化硼素結晶からなり、c軸の長さが0.52ナノメーター(nm)以上で0.53nm以下の範囲となるように構成している。
燐化硼素系半導体層としての六方晶の単量体の燐化硼素(BP)層は、六方晶の単結晶材料を下地として形成するのが好適である。六方晶の単結晶材料には、サファイア(α―Al23単結晶)、ウルツ鉱結晶型のGaN等のIII族窒化物半導体単結晶、酸化亜鉛(ZnO)、2H型(ウルツ鉱結晶型)または4H型或いは6H型の炭化珪素(SiC)を例示できる。特に、六方晶のBP層は、上記の六方晶材料からなるバルク(bulk)単結晶基板或いは単結晶層の{1.1.−2.0.}結晶面などの無極性の表面上に構成するのが好適である。例えば、窒化アルミニウム(AlN)単結晶基板或いは単結晶層の{1.1.−2.0.}結晶面、即ち、A面と通称される表面上に設けるのが好適である。
六方晶のBP層は、ハロゲン(halogen)法、ハイドライド(hydride)法、有機金属化学堆積(MOCVD)法等の気相成長手段により形成できる。例えば、トリエチル硼素(分子式(C253B)を硼素(B)源とし、トリエチル燐(分子式(C253P)を燐(P)源とするMOCVD法により形成できる。また、三塩化硼素(分子式BCl3)を硼素源とし、三塩化燐(分子式PCl3)を燐源とするハロゲンCVD法により形成できる。
{1.1.−2.0.}結晶面などの六方晶の単結晶材料の無極性の表面上に、六方晶のBP層を形成するのに際し、(A)そのBP層を成長させる温度は750℃以上で900℃以下とし、且つ(B)成長反応系へ供給する硼素源に対する燐源の濃度比率(所謂、V/III比率)は、250以上550以下の範囲とする。また、尚且つ、(C)BP層の成長速度を毎分20nm以上で毎分50nm以下とすると、層厚の増加方向(上記の単結晶材料の表面に対して垂直方向、積層方向)に平行に、等間隔で規則的に{0001}結晶面を配列してなる六方晶のBP層を安定して形成できる。
六方晶BP層の成長速度は、成長反応系へ単位時間あたりに供給する硼素源の濃度を増加させれば、上記の成長温度範囲では、その濃度に略比例して増加させられる。また、成長反応系に単位時間あたりに供給する硼素源の濃度を一定とした場合、成長温度を高温とする程、成長速度は増加させられる。750℃未満の低温では、硼素源や燐源の熱分解が充分に起こらないため、成長速度は急激に低下し、上記の好適な成長速度を得るに至らない。
例えば、ホスフィン(分子式PH3)を燐源とし、トリエチル硼素((C253B)を硼素源とするMOCVD法により、六方晶のBP層を形成する場合、例えば、成長温度を800℃とし、成長反応系に供給する原料の濃度比率であるPH3/(C253B比率を400とし、尚且つ、成長速度を毎分35nmとして形成する。成長温度を、900℃を越える高温とするのは、組成式B6P等の多量体の燐化硼素結晶が急激に発生することもあり、好ましくはない。
また、成長速度が毎分20nm未満である場合、または、毎分50nmを超えて大きい場合は、何れも、化学量論的な組成の単量体BPからなる六方晶の半導体層を安定して得るのが困難となる。成長速度を毎分20nm未満の低速度とすると、燐(元素記号:P)を硼素(元素記号:B)に比較して富裕に含む非化学量論的な組成のBP層が帰結される度合いが急激に高まる。また、成長速度が毎分50nmを超える高速度の場合、逆に、硼素(B)を燐(P)よりも富裕に含む非化学量論的な組成のBP層が帰結される度合いが急激に高まるため不都合である。
上記の(A)項に記載の好適な成長温度、及び(B)項に記載の好適なV/III比率を満足し、更に、上記の(C)項に記載の好適な成長速度を満たす成長条件下で形成した、略化学量論的な組成を有する六方晶のBP層の六方(hexagonal)単位格子(例えば、坂 公恭著、「結晶電子顕微鏡学−材料研究者のための−」、(株)内田老鶴圃、1997年11月25日発行、第1版、3〜7頁参照)におけるc軸の長さは0.52nm以上で0.53nm以下に収まる。
形成されたBP層が六方晶の結晶層であるか否かに加えて、六方晶のBP層をなす{0001}結晶面が垂直方向(BP層の成長方向、積層方向)に、互いに平行に規則的に配列しているか否かは、例えば、透過型電子顕微鏡(英略称:TEM)を利用した電子回折分析或いは断面TEM分析手段から調査できる。また、六方晶のBP層のc軸の長さは、a軸の長さ共々、X線回折パターンや電子回折パターンを基にして求めることができる。
垂直方向(BP層の成長方向、積層方向)に、{0001}結晶面を互いに平行に配列してなる六方晶のBP層では、素子を駆動させるための電流(素子駆動電流)を{0001}結晶面に沿って平行な方向に容易に流通させることができる。図1に、六方晶のBP層10のc軸方向に垂直な方向から見た場合の燐原子(符号“P”)及び硼素原子(符号“B”)の配置を模式的に示す。なお、c軸方向は、{0.0.0.1.}結晶面に対して垂直な方向である。図1に示す如く、六方晶BP層10のc軸に垂直な方向には、その結晶層を構成する燐原子(P)及び硼素原子(B)の配列の具合により空隙20が存在する。このため、六方晶のBP層10を構成する燐及び硼素原子(P及びB)に因り、さして、散乱されずに、{0.0.0.1.}結晶面間に存在するその空隙20を通過して、電流(電子)を、{0.0.0.1.}結晶面に平行な方向に好都合に流通させられる。
また、上記した結晶内での燐及び硼素原子の配列に基づく空隙は、六方晶のBP層であれば、{0.0.0.1.}結晶面に対して平行な方向にも存在する。図2に、六方晶のBP層10のc軸方向に平行な方向から覗った燐原子(符号“P”)及び硼素原子(符号“B”)結晶の配置を示す。図2に示す如く、平面視で正六角形状の空隙20が存在する。従って、周囲に存在する燐及び硼素原子に因り、さして、散乱されずに、素子駆動電流を流通させるのに優位となる。
六方晶の単結晶材料上に形成した、その単結晶材料の表面に対して垂直方向に、互いに平行に{0.0.0.1.}結晶面を規則的に配列してなる六方晶のBP層は、双晶や積層欠陥等の結晶欠陥が少ないのが特徴である。これは、六方晶の単結晶材料の{0.0.0.1.}結晶面が互いに平行に規則的に配列している極性の少ない表面に、BP層を設ける構成としたことによるものと考えられる。この構成は、双晶粒界に因り阻害されることなく、素子駆動電流を六方晶のBP層内で、{0.0.0.1.}結晶面に平行または垂直に流通させるのに好都合である。双晶の密度が低減されたため、双晶に起因する粒界の密度が少なくなっている様は、透過型電子顕微鏡(英略称:TEM)を利用した一般的な断面TEM技法により観察できる。
双晶などの結晶欠陥が少ない六方晶のBP層は、その結晶性の良好さから良質な六方晶の化合物半導体層を形成するための下地として有効に利用できる。六方晶の化合物半導体層としては、2H型(ウルツ鉱結晶型)、4H型または6H型のSiC、ZnO、酸化亜鉛、ウルツ鉱結晶型のGaN、AlN、窒化インジウム(InN)、及びこれらの混晶である窒化アルミニウム・ガリウム・インジウム(組成式AlXGaYInZN:0≦X,Y,Z≦1、X+Y+Z=1)を例示できる。また、窒素(元素記号:N)と窒素以外の燐(元素記号:P)や砒素(元素記号:As)等の第V族元素を含む、例えば、ウルツ鉱結晶型の六方晶の窒化燐化ガリウム(組成式GaN1-YY:0≦Y<1)を例示できる。
六方晶の単量体BP層は、そのc軸の長さ(0.52nm〜0.53nm)に近似するc軸の長さを有するウルツ鉱結晶型の六方晶の窒化アルミニウム・ガリウム(組成式AlXGaYN:0≦X,Y≦1、X+Y=1)を形成するための下地として特に、有用である。六方晶のBP層を下地として利用して形成したAlXGaYN(0≦X,Y≦1、X+Y=1)層は、双方間の良好な格子マッチングに起因して、{0.0.0.1.}結晶面を六方晶のBP層の{0.0.0.1.}結晶面に平行に規則的に配列してなる結晶性に優れるものとなる。
{0.0.0.1.}結晶面を互いに平行に規則的に配列してなる化合物半導体層は、上記した六方晶のBP層の場合と同じく、c軸方向、即ち、{0.0.0.1.}結晶面に対して垂直方向に容易に素子駆動電流を流通させることができる。また、{0.0.0.1.}結晶面に対して平行に容易に素子駆動電流を流通させることができる。従って、この様な{0.0.0.1.}結晶面の配列構成を有する六方晶の化合物半導体層は、化合物半導体素子を構成するための機能層等として活用できる。
例えば、{0.0.0.1.}結晶面が互いに平行に規則的に配列してなる、結晶性に優れるAlXGaYN(0≦X,Y≦1、X+Y=1)層を利用すれば、高い強度の発光をもたらすpn接合型ヘテロ構造を構成できる。例えば、GaN層をクラッド(clad)層とし、GaXIn1-XN(0<X<1)層を発光層とするLED用途のヘテロ接合型発光部を構成できる。素子駆動電流を通流させるのが容易な{0.0.0.1.}結晶面が互いに平行に規則的に配列してなる化合物半導体層から構成した発光部を利用すれば、順方向電圧が低い化合物半導体発光素子を提供できる。
六方晶のBP層やその上に形成した上記の様な構成からなる発光部を備えた化合物半導体素子用途の積層構造体にあって、六方晶のBP層や発光部をなす六方晶の化合物半導体層の{0.0.0.1.}結晶面に対して平行な方向に(c軸に対して垂直な方向に)素子駆動電流を流通できる様にオーミック(Ohmic)接触性電極を設けると素子動作電流の通流抵抗の小さな化合物半導体発光素子を構成できる。
例えば、図3に例示する様に、導電性の六方晶AlN基板31上に設けた六方晶のBP層32と、その上に形成したAlXGaYInZN(0≦X,Y,Z≦1、X+Y+Z=1)とからなる発光部33とを備えた積層構造体30について、一方のオーミック極性の電極34を発光部の上方に設け、他方の極性のオーミック電極35を基板31の裏側に配置すれば構成できる。即ち、基板31、六方晶のBP層32および発光部33とを挟み込む様に、積層構造体30の上下に設ければ構成できる。
また例えば、図4に例示する様に、導電性の六方晶GaN基板41上に設けた六方晶のBP層42と、その上に形成したAlXGaYInZN(0≦X,Y,Z≦1、X+Y+Z=1)とからなる発光部43とを備えた積層構造体40について、一方のオーミック極性の電極44を発光部の上方に設け、他方の極性のオーミック電極45を発光部43と基板41との中間に在る、六方晶のBP層42の表面に配置すれば、{0.0.0.1.}結晶面に対して垂直な方向に(c軸に対して平行な方向に)小さな通流抵抗をもって、素子駆動電流を流通できる化合物半導体発光素子を構成できる。
また、化合物半導体発光素子に限らず、結晶欠陥密度が低減された、結晶性に優れる六方晶の化合物半導体層を、電子走行層(チャネル層)として利用すれば、ショットキー(Schottky)接触型MESFETを構成できる。チャネル(channel)層は、例えば、不純物を故意に添加していないアンドープ(undope)で高純度なn形GaN層から構成できる。結晶欠陥密度が低減された六方晶のIII族窒化物半導体層は、高い電子移動度を発現できるため、高周波特性に優れるMESFETを得るのに好都合である。
MESFETを作製するにあたっては、大きな飽和電流を得るために、例えば、図5に例示する様に、積層構造体50において、基板51上の六方晶のBP層52の表面に接合させて設けた、電子走行(channel)層53をなす六方晶の化合物半導体層の{0.0.0.1.}結晶面に対し垂直方向(c軸に平行な方向)に素子駆動電流を流通させるためのソース(source)電極55及びドレイン(drain)電極56を電子供給層54の表面に横方向に対向させて配置する。
このように、本発明では、六方晶の燐化硼素層の結晶的構成に関して、好適である結晶面の配列を見出し、それを利用して素子駆動電流が流れる抵抗を低減させ、素子としての性能を向上させている。
(実施例) 六方晶の単結晶材料としてサファイアのバルク結晶を用い、その上に設けた六方晶の単量体のBP層を利用してLEDを構成する場合を例にして本発明の内容を具体的に説明する。
図6に本実施例1に係るLED60の平面構成を模式的に示す。また、図7には、図6に示した破線A−A‘に沿ったLED60の断面模式図を示す。
LED60を作製するための積層構造体600は、(1.1.−2.0.)結晶面(通称A面)を表面とするサファイア(α−アルミナ単結晶)を基板601として形成した。基板601の表面上には、一般的なMOCVD法を利用して、層厚を約290nmとする、アンドープでn形の六方晶の単量体BP層602を形成した。
一般的なTEM分析により、六方晶の単量体BP層602の{0.0.0.1.)結晶面は、サファイア基板601の表面に対し、垂直に互いに平行に配列しているのが示された。即ち、六方単位格子のc軸に垂直な方向に、互いに平行に配列した{0.0.0.1.}結晶面の面間隔から、六方晶の単量体BP層602のc軸の長さは0.524nmと決定された。更に、断面TEM技法による観察では、六方晶の単量体BP層602の内部には、双晶の存在は殆ど認められなかった。また、サファイア基板601との接合界面から約50nmを超えてより上方の六方晶の単量体BP層602の内部の領域には、格子配列上の乱雑さも殆ど確認できず、{0.0.0.1.}結晶面が互いに平行に規則的に配列しているのが確認された。
{0.0.0.1.}結晶面を層厚の増加方向に平行に配列してなる六方晶の単量体BP層602の表面上には、ゲルマニウム(元素記号:Ge)をドープしたウルツ鉱結晶型で六方晶のn形GaN層(層厚=1900nm)603を成長させた。一般的なTEMを利用した分析によれば、六方晶の単量体BP層6020を下地として成長させたこのn形GaN層603は、{0.0.0.1.}結晶面を、六方晶の単量体BP層602の{0.0.0.1.}結晶面と平行としてなる単結晶層であった。また、六方晶のGaN層603の内部領域には、双晶や積層欠陥は殆ど認められなかった。
六方晶のn形GaN層103の(1.1.−2.0.)表面上には、六方晶のn形のAl0.15Ga0.85Nからなる下部クラッド層(層厚=250nm)104、Ga0.85In0.15N井戸層とAl0.01Ga0.99N障壁層とを1周期としその7周期からなる多重量子井戸構造の発光層105、及び層厚を25nmとするp形Al0.10Ga0.90Nからなる上部クラッド層106をこの順序で積層し、pn接合型DH構造の発光部を構成した。この発光部の全体は、{0.0.0.1.}結晶面を、六方晶の単量体BP層602の{0.0.0.1.}結晶面と平行としてなる単結晶層であった。また、発光部全体の内部領域にも、双晶や積層欠陥は殆ど認められなかった。上記の上部クラッド層606の表面上には、更に、p形のGaN層(層厚=75nm)をコンタクト層607として堆積し、積層構造体600の形成を終了した。
上記のp形コンタクト(contact)層607の一部の領域には、金(元素記号:Au)・酸化ニッケル(NiO)合金からなるp形オーミック(Ohmic)電極608を形成した。一方のn形オーミック電極609は、その電極609を設ける領域に在る下部クラッド層604や発光層605等の層をドライエッチング手段で除去した後、露出させたn形GaN層603の表面に形成した。これより、LED60を構成した。
このLED60のp形及びn形オーミック電極608、609間に、順方向に、20mAの素子駆動電流を通流して、発光特性を調査した。LED60から出射される主たる発光の波長は約455nmであった。チップ(chip)状態での発光輝度は約1.5カンデラ(cd)であった。また、pn接合型DH構造の発光部を構成するIII族窒化物半導体層604〜606の(0.0.0.1.)結晶面に平行に素子駆動電流を流通させる様に、オーミック電極608、609を、発光部を挟んで積層構造体600の上下方向に設けため、順方向電圧(@20mA)は3.2Vの低値となった。
一方で、発光部は六方晶のBP層上に設けることにより、結晶性に優れることとなったIII族窒化物半導体層から構成できたため、逆方向電流を10μAとした際の逆方向電圧は、15Vを超える高値となった。また、発光部を構成するIII族窒化物半導体層の結晶性の良好さにより、局所的な耐圧不良(local breakdown)も殆ど認められなかった。
c軸に垂直な方向からみた六方晶BP結晶層の原子の配列を説明するための模式図である。 c軸に平行な方向からみた六方晶BP結晶層の原子の配列を説明するための模式図である。 六方晶結晶層の(0.0.0.1.)結晶面に平行な方向に電流を流通させる素子の断面構造を示す模式図である。 六方晶結晶層の(0.0.0.1.)結晶面に垂直な方向に電流を流通させる素子の断面構造を示す模式図である。 六方晶結晶層の(0.0.0.1.)結晶面に垂直な方向に電流を流通させるMESFETの断面構造を示す模式図である。 実施例1に記載のLEDの平面模式図である。 図6に示す破線A−A’に沿ったLEDの断面模式図である。
符号の説明
10 六方晶BP層
20 結晶配列による空隙
30 積層構造体
31 基板
32 六方晶BP層
33 発光部
34 一方の極性のオーミック電極
35 他方の極性のオーミック電極
40 積層構造体
41 基板
42 六方晶BP層
43 発光部
44 一方の極性のオーミック電極
45 他方の極性のオーミック電極
50 積層構造体
51 基板
52 六方晶BP層
53 III族窒化物半導体電子走行層
54 III族窒化物半導体電子供給層
55 ソース電極
56 ドレイン電極
57 ゲート電極
60 化合物半導体LED
600 LED用途積層構造体
601 結晶基板
602 六方晶燐化硼素半導体層
603 六方晶III族窒化物半導体層
604 下部クラッド層
605 発光層
606 上部クラッド層
607 コンタクト層
608 p形オーミック電極
609 n形オーミック電極
P 六方晶BP層を構成する燐(P)原子
B 六方晶BP層を構成する硼素(B)原子

Claims (5)

  1. 六方晶の単結晶材料と、その単結晶材料の表面上に形成された燐化硼素系半導体層と、その燐化硼素系半導体層上に形成された化合物半導体からなる化合物半導体層とを備えてなる積層構造体に電極を配置して構成した化合物半導体素子において、
    上記燐化硼素系半導体層は六方晶の単量体の燐化硼素結晶からなり、c軸の長さが0.52ナノメーター(nm)以上で0.53nm以下の範囲である、
    ことを特徴とする化合物半導体素子。
  2. 上記化合物半導体層は六方晶の化合物半導体からなり、上記燐化硼素系半導体層をなす{0001}結晶面に平行に配列した{0001}結晶面を有する、請求項1に記載の化合物半導体素子。
  3. 上記燐化硼素系半導体層をなす{0001}結晶面と、上記化合物半導体層をなす{0001}結晶面とが、上記積層構造体の積層方向に平行に配列されている、請求項2に記載の化合物半導体素子。
  4. 上記電極に通流して得られる素子駆動電流が、上記燐化硼素系半導体層をなす{0001}結晶面と、上記化合物半導体層をなす{0001}結晶面との何れにも略平行な方向となるように電極が配置されている、請求項2または3に記載の化合物半導体素子。
  5. 上記電極に通流して得られる素子駆動電流が、上記燐化硼素系半導体層をなす{0001}結晶面と、上記化合物半導体層をなす{0001}結晶面との何れにも略垂直な方向となるように電極が配置されている、請求項2または3に記載の化合物半導体素子。
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