JP3247101B2 - ポリエステル樹脂組成物および繊維 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物および繊維

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仁一郎 加藤
哲子 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化チタンを含有
するポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル樹
脂組成物及びこの樹脂組成物から溶融紡糸により得られ
る適切な光沢が発現した艶消しポリエステル繊維に係
り、詳しくは酸化チタンの微分散体を改良されたポリト
リメチレンテレフタレート樹脂組成物を用いることで溶
融紡糸過程における酸化チタン粒子の凝集体による紡糸
パック圧の上昇、繊維強度低下や繊維摩耗性低下が著し
く抑制される紡糸・延伸工程で得ることができる改良さ
れたポリトリメチレンテレフタレート繊維に関するもの
である。本発明は、ポリトリメチレンテレフタレート繊
維に特有の高い摩擦係数という問題を解決し、その結
果、紡糸や後加工の諸工程で糸切れや毛羽の少ない、紡
糸性に優れたポリトリメチレンテレフタレート繊維に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリトリメチレンテレフタレート(以
下、PTTと略記する)繊維は、低弾性率から由来する
ソフトな風合い、優れた弾性回復性、易染性といったナ
イロン繊維に類似した性質と、ウォッシュアンドウェア
ー性、寸法安定性、耐黄変性といったポリエチレンテレ
フタレート繊維に類似した性質を併せ持つ画期的な繊維
であり、その特徴を生かして、衣料、カーペット等への
応用が進められつつある。ポリエチレンテレフタレート
(以下、PETと略記する)繊維、ナイロン繊維等に代
表される合成繊維を衣料用途に用いる場合、用途によっ
て酸化チタンを繊維中に添加させることで繊維の光沢を
制御することが行われる(酸化チタンは、いわゆる艶消
し剤として用いられる)。例えば、裏地では、光沢は消
費者によって好まれない特性となるために、繊維中に酸
化チタンを0.2〜1重量%添加して艶消しが行われて
いる。また、水着や婦人用ファンデーションのような明
るい色を要求される用途では、酸化チタン量を少なくし
て光沢が失われないようにすることが要求される。
【0003】このように酸化チタンの添加量を変えて用
途ごとに繊維の光沢を変えることは、衣料用途用やカー
ペット用のPTT繊維についても必要となってくる。し
かしながら、本発明者らの検討によって、酸化チタンを
含有するPTT繊維を製造する際には、以下に示す重大
な問題があることが今回初めて見いだされた。すなわち
最も大きな問題は、酸化チタンをPTTに添加する場
合、酸化チタンの添加方法を工夫しなければ、得られた
ポリエステル樹脂組成物中に酸化チタンの凝集体が大量
に含まれることである。この凝集体の生成のしやすさ
は、類似構造を有するPETやポリブチレンテレフタレ
ート(以下、PBTと略記する)の場合よりも高い傾向
にある。
【0004】酸化チタンの凝集体が多く含まれた樹脂組
成物を溶融紡糸すると、紡口パックに備えたフィルター
に凝集体が詰まり、紡口パック内の圧力が短時間で上昇
してしまったり、紡口孔が汚れやすくなったり、糸切れ
や毛羽の発生頻度が高くなったりするといった紡糸性、
紡糸収率上、重大な問題が生じる。また、得られた繊維
中に粗大凝集体が多く含まれると、それが欠陥となっ
て、繊維強度が大きく低下したり、毛羽が発生しやすく
なる。
【0005】また、この凝集体は、PTTチップやその
繊維の摩耗性にも悪影響を及ぼす。PTT樹脂組成物
は、樹脂が類似の構造を有するPETやPBTとは異な
り、重合後、急冷してチップ形状とすると結晶化速度が
速いために、結晶性の高いチップとなる。このようなチ
ップは比較的脆く、輸送、乾燥、押出機内等でチップが
こすれて粉を発生するが、このような現象は凝集体数の
増大によっも加速されることが判明した。粉の発明は、
ポリマーのロスによる収率低下、空気の抱き込みによる
毛羽の増大に繋がる。一方、PETやPBTでは、チッ
プの結晶性が低いのでこのような現象は殆ど起こらな
い。更に、凝集物は、繊維の摩耗性の低下も引き起こ
す。PTT繊維は、分子がZ型の大きく曲がったコンホ
メーションをとるので、PET繊維やPBT繊維と比較
して分子間力が低く、そのために摩耗性が低くなるが、
凝集体が多くなると、摩耗性の低下程度は一層大きくな
る。これに対し、伸びきり構造に近いコンホメーション
を取るPET繊維やPBT繊維に対しては、凝集体は摩
耗性にPTTの場合ほどの悪影響を及ぼさない。
【0006】酸化チタンを含有するPTTの更なる問題
は、実質的に酸化チタンを含まないPTTに比較して、
紡糸前に行う乾燥工程で樹脂組成物が熱分解を起こして
アクロレインやアリルアルコールの生成量が多くなるこ
とである。アクロレインやアリルアルコールは、毒性、
催涙性があり、作業環境を悪くする化学物質であるの
で、その発生量を低減させることは重要な課題である。
最後の問題は、PTT繊維が合成繊維の中でも特に大き
な摩擦係数をもつというPTT繊維本来特性に係わる問
題である。例えば、繊維−金属摩擦係数でみると、仕上
げ剤が繊維表面にない、50d/36fの繊維において
汎用のポリエチレンンテレフタレート繊維のそれは0.
295であるのに対して、PTT繊維それは0.378
である。つまり、他の汎用される合成繊維とくらべて、
PTT繊維が際立ってゴム的な特性を有することを考え
ると理解しやすい。
【0007】このように、PTT繊維は際立って高い摩
擦係数のために、紡糸・延伸時、あるいは、織り編み、
仮撚加工等の加工で被るガイドやロールとの摩擦抵抗
が、PET繊維やPBT繊維からは想像もつかない程度
に大きくなり、糸切れや毛羽が発生しやすい傾向を持つ
ている。しかるに、上記の問題を解決する方法について
は、これまでに何ら開示されていない。
【0008】例えば、米国特許5798433号公報に
はチタン原子量として、30〜200ppmの酸化チタ
ンを重合触媒として用いる方法が示されている。しかし
ながら、この引例には、酸化チタンの分散性に関する問
題やその解決について言及されてはいない。更に、ここ
で用いられている酸化チタンは、チタンアルコキシドと
シラノールを水で加水分解して共沈殿させた非晶性酸化
チタン/シリカ共沈澱物であり、艶消し剤として用いる
結晶性酸化チタンとは化学構造、結晶構造が異なるため
に艶消し性能が低く、分散性も劣るので、この方法は適
切なものではない。更に、この引例で用いる非晶性酸化
チタン/シリカ共沈殿物は高い反応性を有すので、10
0ppm以上添加すると副反応が生じ、得られるポリマ
ーが黄色くなるといった問題が生じる。
【0009】米国特許3681188号公報の実施例に
は、酸化チタンを0.1重量%含むPTTが開示されて
いる。しかしながら、酸化チタンの分散性の技術的意義
について言及する記載はない。また、特開昭62−18
423号には、ポリエステル用チタンスラリーの調製方
法が、PTTについては具体的な説明はなく、実質的に
PETを対象として述べられている。更に、この方法で
は、エチレングリコール中に酸化チタンとリン酸という
強酸と、水酸化ナトリウムやテトラエチルアンモニウム
ハイドロオキサイドといった強塩基を混合して酸化チタ
ン分散液を調製しているが、1,3−プロパンジオール
では、これらの添加物は酸化チタンの表面に影響を及ぼ
し、むしろ凝集物が多くなる傾向にある。PTT繊維に
おける酸化チタンの添加における繊維の摩耗や摩擦係
数、分解物の問題の解決手段について示唆する記載がな
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光沢
を調整すると同時に、パック圧上昇と紡糸工程で糸切れ
や毛羽の少なく、繊維強度、耐磨耗性の低下が抑制され
た紡糸、延伸操作の下で、耐摩耗性に優れ、摩擦係数が
低減されたPTT繊維を紡糸することができる酸化チタ
ン含有PTT樹脂組成物を得ることである。本発明の具
体的な目的は、酸化チタンの凝集体の形成が抑制され
た、酸化チタン含有1,3−プロパンジオール分散液を
用いて酸化チタンの凝集体の形成が抑制された重合の下
で、酸化チタンが微分散されたPTT樹脂組成物を提供
することにある。
【0011】本発明の他の具体的な目的は、酸化チタン
を実質含まないPTT樹脂組成物に比較して、紡糸前の
乾燥工程においてアクロレイン、アリルアルコール等の
副生物の発生を抑制した繊維製造に最適なPTT樹脂組
成物を提供することである。本発明のより具体的な目的
は、特定の安定剤を重合中に添加することで上記問題を
解決した、PTTを得る重合技術及び、得られた樹脂組
成物とその繊維の提供である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸化チタ
ンを予め溶剤の中で十分に分散させると同時に、副生す
る酸化チタン凝集体を除去した酸化チタン分散液を特定
の条件下でPTTの重合段階で添加することにより、酸
化チタンが微分散したPTT樹脂組成物が得られことが
判明した。本発明は、このような微分散した酸化チタン
を含有するPTT樹脂組成物に基づいて、パック圧の上
昇や繊維強度の低下の問題もなく、摩耗性が向上すると
共に、酸化チタンを含有しないPTTに比べて著しく摩
擦係数が低減され、その結果、優れた紡糸性を示すこと
を見いだした。本発明によれば、リン化合物または/及
びヒンダードフェノール系酸化防止剤の共存のもとで前
記の重縮合をすることによって、重合後の酸化チタン含
有組成物がその乾燥時に生成するアクロレイン、アリル
アルコールを顕著に低減させることができる。
【0013】本発明の目的は、基本的に下記(1)〜
(3)を満足する極限粘度が0.4〜2のポリエステル
樹脂組成物によって解決される。 (1)90重量%以上がポリトリメチレンテレフタレー
トから構成されるポリエステル樹脂成分からなること (2)平均粒径が0.01〜2μmの酸化チタンが0.
01〜3重量%含有されること (3)酸化チタン粒子が集まった凝集体であって、最長
部長さが5μmを超える凝集体が25個/mg樹脂であ
ること そして、本発明のポリエステル樹脂組成物は、これに溶
融紡糸法を適用して、繊維成形されポリエステル繊維、
フィルム、成形品等の形態で用いられるが、特に繊維と
して有用である。
【0014】本発明のPTT樹脂組成物は、少なくとも
90重量%がPTTから構成されるポリエステル樹脂か
らなる。ここで、PTTとは、テレフタル酸を酸成分と
し、ジオール成分を1,3−プロパンジオール(トリメ
チレングリコールともいう)として得られるポリトリメ
チレンテレフタレートでなるポリエステルである。本発
明の樹脂組成物及び本発明の繊維の組成成分であるPT
Tには、樹脂組成物や繊維の重量に対して10重量%以
下で1種もしくはそれ以上の共重合成分、他のポリマー
や無機物、有機物を含むものであることができる。
【0015】本発明でいうPTTが含むことができる共
重合成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウム
スルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、3,5−ジ
カルボン酸ベンゼンスルホン酸テトラメチルホスホニウ
ム塩、3,5−ジカルボン酸ベンゼンスルホン酸テトラ
ブチルホスホニウム塩、3,5−ジカルボン酸ベンゼン
スルホン酸トリブチルメチルホスホニウム塩、2,6−
ジカルボン酸ナフタレン−4−スルホン酸テトラブチル
ホスホニウム塩、2,6−ジカルボン酸ナフタレン−4
−スルホン酸テトラメチルホスホニウム塩、3,5−ジ
カルボン酸ベンゼンスルホン酸アンモニウム塩、1,2
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペ
ンタメチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリ
コール、ヘプタメチレングリコール、オクタメチレング
リコール、デカメチレングリコール、ドデカメチレング
リコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−
シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−
シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサン
ジメタノール、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、セバ
シン酸、ドデカン二酸、2−メチルグルタル酸、2−メ
チルアジピン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸等のエステル形成性モノマーが挙げられる。ま
た、積極的に共重合させなくとも、0.01〜2重量%
の共重合比率で1,3−プロパンジオールが2量化した
ビス(3−ヒドロキシプロピル)エーテルは共重合され
る。これは、重合中の副反応として1,3−プロパンジ
オールが脱水2量化し、生成したダイマーがポリマー主
鎖中に共重合されるからである。
【0016】本発明のポリエステル樹脂組成物を構成す
るポリマーの極限粘度[η](固有粘度ともいう)は、
0.4〜2.0であることが必要である。極限粘度が
0.4未満の場合は、樹脂組成物の重合度が低すぎるた
め、得られる繊維の強度が低くなる他、紡糸性が不安定
となる。逆に極限粘度が2.0を超える場合は、溶融粘
度が高すぎるために、ギアポンプでの計量がスムーズに
行われなくなり、吐出不良等で紡糸性は低下する。更に
好ましい極限粘度は0.6〜1.5、特に好ましくは
0.6〜1.4で、強度、紡糸性に優れたPTT繊維を
得ることができる。
【0017】本発明のポリエステル樹脂組成物は、平均
粒径が0.01〜2μmの酸化チタンが樹脂組成物や繊
維重量に対して0.01〜3重量%含有されることが、
艶消し効果及び摩擦係数の低減の観点から必要である。
本発明で用いられる酸化チタンの種類としては、アナタ
ーゼ型、ルチル型のいずれでもよく、またアルミナやシ
リカ等の無機物質や炭化水素基、シリル基等の有機基で
表面処理を施していてもよい。好ましくは、本発明に用
いる酸化チタンの結晶化度は、50%以上、更には70
%以上である。結晶系としては硬度が低く摩耗性が小さ
いことと、1,3−プロパンジオールに対する分散性が
良好な点でアナターゼ型が好ましい。また、酸化チタン
による光分解性を抑制するために、アンチモンを酸化チ
タンに対して、0.1〜1重量%含有していてもよい。
また、一度、水、アルコール等の有機溶剤に分散させ、
凝集物を除いた酸化チタンを使用してもよい。好ましく
は、通常市販されている化合繊用酸化チタンを用いる。
酸化チタンの平均粒径としては、0.01〜2μmであ
ることが必要であり、特に好ましくは0.05〜1μm
である。平均粒径が0.01μm未満は実用的に得るこ
とが困難であり、また2μmを越える粒子では、紡口パ
ック中のフィルターに詰まりやすくなるために濾過圧が
短時間に上昇してしまったり、紡口孔が汚れやすくなっ
て紡口面をしばしば掃除しなくてはいけなくなる。用い
る酸化チタンの粒度分布については、特に制限はない
が、1μm以上の粒度成分が、酸化チタン全体の20重
量%以下が好ましく、特に好ましくは10重量%以下が
紡口パック圧上昇が抑制される観点から好ましい。
【0018】本発明において、酸化チタンを樹脂組成物
に含有させる目的は、得られる繊維の光沢を目的とする
用途に応じて所望のレベルに調整することと繊維の摩擦
係数を低下させることである。繊維の光沢は、酸化チタ
ンの量を変えることで達成できる。光沢を高くしたい場
合は、酸化チタンの含有量を樹脂組成物や繊維重量に対
して0.01〜0.1重量%程度、好ましくは0.03
〜0.07重量%にすればよい。ただし、光沢を高くし
たい場合は酸化チタンの含有量は限りなく0に近づけて
もよいが、あまり光沢が強いときらきらしすぎて安っぽ
い感触となってしまう。従って、光沢を高くしたい時に
は少なくとも酸化チタンは0.01重量%含有する必要
がある。光沢を抑制したい場合には、0.1〜1重量
%、特に光沢を抑制したい場合は1〜3重量%にすれば
よい。
【0019】酸化チタンの添加による繊維の摩擦係数の
低下の度合いは、酸化チタンの添加量にもよるが大きい
場合は数10%にも及ぶ。このような摩擦係数の大きな
低下は、PTT繊維に特有的に観察される現象で、PE
T繊維やPBT繊維ではみられない現象である。摩擦係
数の低下の観点からも酸化チタンの含有量は重要であ
り、繊維中の酸化チタンの含有量が0.01重量%未満
になると摩擦係数の低減効果は小さくなる。逆に3重量
%を超えると摩擦係数はもはや低下しなくなる。好まし
くは、0.03〜2重量%、更に好ましくは、0.04
〜2重量%である。
【0020】本発明のポリエステル樹脂組成物には、酸
化チタン粒子が凝集してひとかたまりになった凝集体で
あって、その最長部長さが5μmを超える凝集体が、2
5個/mg樹脂(この単位は、1mgの樹脂組成物中に
含まれる凝集体の数を示す。)以下であることが必要で
ある。この凝集体の個数は、後述の〔2〕酸化チタン凝
集体の測定で測定される数値である。この条件を満たす
ことで、本発明のポリエステル樹脂組成物や繊維中の酸
化チタンを高度に分散させられて、その結果、樹脂組成
物の脆さの低減、繊維の摩耗性の低下や毛羽・糸切れの
抑止、更には摩擦係数の低減を達成できる。なお、本発
明において凝集体とは、ポリエステル樹脂組成物及びそ
の繊維または、それを作るときに反応物に投入する酸化
チタン分散液中に存在する、酸化チタンの粒子同士が実
質くっついてひとかたまりなった一個の粒子群として数
えられるものと定義する。この凝集物はさまざまな形を
しているが、凝集物の任意の長さの内、最も長い部分が
5μmを超える凝集物が、上記問題を解決するために特
定量以下であることが必要である。
【0021】酸化チタンの凝集物や分散状態は、樹脂組
成物を薄く溶融させて得られるフィルムを光学顕微鏡観
察することによって確認することができる。凝集物の個
数が樹脂組成物中に25個/mg樹脂を超えると、脆く
なったり、短時間に紡口パック圧を上昇したり、紡口孔
が汚れやすくなったりして糸切れや毛羽が起こりやすく
なり、安定に工業生産することができない。また、得ら
れる繊維の摩擦係数も高くなる。好ましくは15個/m
g樹脂、以下更に好ましくは、10個/mg樹脂以下、
最も好ましくは5個/mg樹脂以下である。こうした樹
脂組成物から得られる繊維中の凝集体としては、7個/
mg繊維(この単位は、1mgの繊維中に含まれる凝集
体の数を示す。)以下が好ましく、更に好ましくは3個
/mg繊維以下、最も好ましくは1個/mg繊維以下で
ある。
【0022】本発明者らは、内部の濾過面積を小さく
し、目の細かいフィルターを幾重にも重ねた紡口パック
を作成し、これに溶融した樹脂組成物を通過させて短時
間に紡口パック圧の上昇の大小を評価する方法を考案し
検討したところ、所定時間内に上昇するパック圧の程度
が凝集体の数と対応することがわかった。凝集体が多く
なると、フィルターに詰まる凝集物が増えるために、短
時間で紡口パック圧は高くなる。逆に凝集体が少ない
と、紡口パック圧の上昇は極めて小さくなる。例えば、
押出機を用いて265℃で溶融させた、水分率が100
ppm以下の該ポリエステル樹脂組成物を20メッシュ
のフィルターは通るが、28メッシュのフィルターは通
れない粒度の砂の層(濾過面積660mm2 ×厚さ2c
m)を通過させ、次に孔径が50メッシュのフィルタ
ー、孔径が150メッシュのフィルター、孔径が3
00メッシュのフィルター、孔径が20μmの焼結フ
ィルター、孔径が50メッシュのフィルターを濾過面
積660mm2 でからの順に通過させ、その後0.
23mmの孔が12個開いた紡口を通過させて、25g
/minの吐出速度で大気中に放出させた時、押出機を
出て砂の層に入る時点での圧力の、吐出開始から5時間
経過した時から20時間経過した時の間の上昇分が40
kg/cm2 以下であると、工業的な紡糸装置を用いて
(この場合、濾過面積はこのモデルテストよりもずっと
大きい)紡口パック圧の上昇速度も小さく安定に紡糸・
延伸でき、しかも得られた繊維の品質は優れていること
がわかった。この40kg/cm2 以下という圧力上昇
は、本発明で規定した樹脂組成物中の凝集体の数の上限
である25個/mg以下にほぼ対応している。圧力上昇
分が40kg/cm2 を超えると、糸切れや毛羽が多く
なったり、紡口孔が汚れやすくなる他、繊維表面の摩擦
係数を下げる効果も小さくなる。圧力上昇分は小さけれ
ば小さいほどよいが、好ましくは30kg/cm2
下、特に好ましくは20kg/cm2 以下である。
【0023】本発明のポリエステル樹脂組成物又はその
繊維は、樹脂組成物又は繊維重量に対して5〜250p
pmのリン元素量に相当するリン化合物を含有している
ことが好ましい。PTTは100℃以上で乾燥や長時間
加熱をすると、わずかではあるが部分的に分解が生じ、
アクロレインやアリルアルコールが生成することが知ら
れている。ところが、本発明者らの検討によれば、艶消
し剤として用いる酸化チタンを含有するPTTの組成物
は、酸化チタンを含まないPTTに比較して、これらの
分解物の生成量がかなり多くなることを知った。そし
て、驚くべきことに、リン化合物を樹脂組成物中に含有
せしめることによって、これらの分解物の生成量が大幅
に抑制されることが判明した。更に、そしてこのこのよ
うに添加されたリン化合物は、重合から衣料製品になる
までの諸工程、溶融重合、固相重合、高温でのチップ乾
燥、溶融紡糸、精練、熱セット、染色等の各段階段階で
の組成物または繊維の着色紡糸、溶融安定性の向上にも
非常に大きな効果を発揮する。
【0024】リン化合物としては有機リン化合物が好ま
しく、特にアクロレインやアリルアルコールの発生抑
制、着色紡糸、溶融安定性の効果が優れ、紡糸性に悪影
響を及ぼさないことから、O=P(OR1 )(OR2
(OR3 )なるホスフェートまたは、P(OR4 )(O
5 )(OR6 )なるホスファイトが好ましい。ここ
で、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 は異種または
同種であり、水素原子、または炭素数1〜30までの有
機基、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれたも
のである。また、炭素数1〜30の有機基の場合、水素
原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、エステル基、カ
ルボキシル基、アミド基、アミノ基、イミド基、エーテ
ル結合等で置換されていてもよい。
【0025】これらのリン化合物の好ましい具体例とし
ては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェ
ート、トリヘプチルホスフェート、トリオクチルホスフ
ェート、ジメチルエチルホスフェート、ジメチルホスフ
ェート、メチルホスフェート、3−ヒドロキシプロピル
ホスフェート、ビス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフ
ェート、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフェー
ト、トリフェニルホスフェート、トリメチルホスファイ
ト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホスファイ
ト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイ
ト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファ
イト、トリオクチルホスファイト、ジメチルエチルホス
ファイト、ジメチルホスファイト、メチルホスファイ
ト、3−ヒドロキシプロピルホスファイト、ビス(3−
ヒドロキシプロピル)ホスファイト、トリス(3−ヒド
ロキシプロピル)ホスファイト、トリフェニルホスファ
イト、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグ
ネシウム、リン酸カルシウム、リン酸ジメチルナトリウ
ム、リン酸メチルジナトリウム、リン酸、亜リン酸、エ
チルジエチルホスホノアセテート等が挙げられ、着色防
止、溶融安定性の効果が優れ、重合を妨げる能力は低く
という観点から、トリメチルホスフェート、トリエチル
ホスフェート、トリプロピルホスフェート、リン酸、亜
リン酸、エチルジエチルホスホノアセテートが特に好ま
しい。
【0026】本発明のポリエステル樹脂組成物または繊
維中に含まれるリン化合物の量としては、樹脂組成物や
繊維中に含まれるリン元素の重量分率を以て示すことが
でき、その範囲としては、5〜250ppmであること
が好ましい。5ppm未満では分解物の発生抑制の効果
が十分に発揮されず、250ppmを超えると、これら
の効果は十分に得られるものの、重合触媒が部分的に失
活するために溶融重合や固相重合が進行しにくくなる。
好ましくは35〜150ppm、更に好ましくは50〜
120ppmである。
【0027】また、アクロレインやアリルアルコールの
発生の抑制、更には着色防止、溶融安定性の向上を達成
するためには、本発明のポリエステル樹脂組成物及びそ
の繊維にヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加する
ことも好ましい。もちろん、先に述べたリン化合物との
併用も好ましい。このようなヒンダードフェノール系酸
化防止剤としては、公知のものを使用してよく、例示す
るならばペンタエリスリトール−テトラエキス[3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]、1,1,3−トリス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタ
ン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピ
オニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、
1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキ
シ−2,6−ジメチルベンゼン)イソフタル酸、トリエ
チルグリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、2,2−チオ−ジエチレン−ビス[3−(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が
挙げられる。中でもペンタエリスリトール−テトラエキ
ス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]等が好ましい。
【0028】ヒンダードフェノール系酸化安定剤の使用
量としては、樹脂組成物や繊維重量に対して0.002
〜2重量%が好ましい。これは、2重量%を超えると着
色する場合があることと、2重量%以上添加しても溶融
安定性を向上させる能力が飽和するからである。また、
0.002重量%未満では、アクロレインやアリルアル
コールの発生抑止効果が小さい。好ましくは、0.02
〜1重量%である。
【0029】更に、本発明のポリエステル樹脂組成物及
びその繊維中に、コバルト化合物が含まれると、アクロ
レインやアリルアルコールの生成を抑制する他に、得ら
れた樹脂組成物や繊維の白度を大きく高めるという効果
がある。コバルト化合物としては、酢酸コバルト、ぎ酸
コバルト、炭酸コバルト、プロピオン酸コバルト等を用
いることができる。コバルト化合物の量としては、樹脂
組成物や繊維重量に対して1〜25ppmであることが
好ましい。1ppm未満では分解物の発生抑制や白度向
上の効果が十分に発揮されず、25ppmを超えると、
樹脂組成物や繊維が黒っぽくくすんでしまい、用途限定
が生じる。好ましくは、2〜30ppm、更に好ましく
は3〜15ppmである。本発明のポリエステル樹脂組
成物には、必要に応じて、各種の添加剤、例えば、酸化
チタン以外の艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難
燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶
核剤、増白剤などを共重合、または混合して用いられて
いてもよい。
【0030】本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方
法については特に制限はないが、好ましい方法を以下説
明する。本発明のポリエステル樹脂組成物は、テレフタ
ル酸を主とするジカルボン酸またはテレフタル酸ジメチ
ルのようなテレフタル酸の低級アルコールエステル誘導
体と1,3−プロパンジオールを反応させて、テレフタ
ル酸の1,3−プロパンジオールエステル及び/または
そのオリゴマーを生成させ、その後、重縮合反応させ
て、ポリエステルを製造する方法において、反応開始か
ら重縮合反応が終了する任意の段階で、一度溶剤に酸化
チタンを加え撹拌後、酸化チタン粒子の凝集体を除く操
作を行って得られる該溶剤に酸化チタンが分散した液を
反応物に添加し、その後重縮合反応を完結させて得るこ
とができる。
【0031】ここで重要なのは、凝集体が除かれた酸化
チタン分散液の調整方法である。まず、粉末状の酸化チ
タンを溶剤に0.1〜70重量%になるように添加し、
十分撹拌して見かけ上均一に分散した液を調製する。該
溶剤中の酸化チタンの好ましい含量は、10〜50重量
%である。また、用いる溶剤としては特に制限はなく、
1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、1,
4−ブタンジオール、メタノール、トルエン等を用いる
ことができるが、特に好ましくは1,3−プロパンジオ
ールである。撹拌方法としては特に制限はないが、効率
的な撹拌が好ましく、例えばハイスピードミキサー、ホ
モジナイザー、ニーダーを用いた撹拌が好ましい。ま
た、ボールミル、ビーズミル等による凝集物の粉砕操作
を撹拌後併用してもよい。撹拌時間としては、10分〜
48時間が好ましい。
【0032】こうした酸化チタン分散液は見かけ上均一
に見えるが、酸化チタン粒子の凝集体が大量に含まれて
いる。例えば、この分散液を顕微鏡観察すると、ところ
どころに酸化チタンの凝集物が観察される。このような
状態の酸化チタン分散液を用いて、PTTを重合して
も、酸化チタンの凝集体が大量に含まれるために、紡口
パック圧上昇速度の大きい樹脂組成物しか得ることはで
きない。この凝集体は機械的に砕くことも可能である
が、砕くよりも分散液から凝集体を除去する操作が、効
率的かつ簡便で経済的である。
【0033】そこで、見かけ上均一に酸化チタンが分散
した液には、次に凝集体を除去する操作を施す必要があ
る。凝集体除去操作としては、公知の方法を用いてよ
く、例えば、遠心分離、フィルター濾過等が挙げられ
る。遠心分離は最も簡単でかつ効率がよいので、凝集体
を除去するには最良の方法である。用いる遠心分離機と
しては特に制限はなく、連続式であっても、バッチ式で
もよい。遠心分離を行う時に注意すべきことは回転速度
とその時間であり、あまり高速で長時間行うと微分散し
ている酸化チタンも遠心分離されて分散液から除かれて
しまう。逆に回転速度が遅すぎたり処理時間が短すぎる
と、分離が不十分となる。回転速度は少なくとも500
rpmが好ましく、特に好ましくは2000〜1000
0rpmで、処理時間は2〜90分が好ましい。フィル
ター濾過する場合、用いるフィルターの孔サイズとして
は、200〜2000メッシュが好ましく、特に好まし
くは、300〜700メッシュが好ましい。この場合、
複数のフィルターを通してもよく、また同じフィルター
を複数回通過させてもよい。フィルターの種類としては
特に制限はなく、金属製、セラミック製、不織布等の有
機物製等が挙げられる。
【0034】こうして除去される酸化チタンの凝集体
は、最も長い部分が5μmを超える酸化チタンの粒子が
ひとかたまりになった凝集体であり、可能な限り除かれ
ることが好ましい。こうして得られた酸化チタン微分散
液中の酸化チタンの含有量は、10〜30重量%が好ま
しい。
【0035】以下、重合条件の詳細を説明する。重合方
法としては、基本的には公知の方法を用いることができ
る。すなわちテレフタル酸を主とするジカルボン酸また
はテレフタル酸ジメチルのようなテレフタル酸の低級ア
ルコールエステル誘導体と、1,3−プロパンジオール
を200〜240℃の温度で反応させて、その後少なく
とも1torr以下、好ましくは0.5torr以下の
減圧下、250〜290℃、好ましくは260〜280
℃で重縮合反応させて目的とする樹脂組成物を得る。テ
レフタル酸を主とするジカルボン酸またはテレフタル酸
ジメチルのようなテレフタル酸の低級アルコールエステ
ル誘導体と1,3−プロパンジオールの仕込み時のモル
比は、1:1.3〜1:3、好ましくは1:1.5〜
1:2.5である。1:1.3よりも1,3−プロパン
ジオールが少なければ、反応時間が著しく長くなって樹
脂組成物が着色してしまう。また、1:3よりも1,3
−プロパンジオールの量が多くなると、ビス(3−ヒド
ロキシプロピル)エーテルの生成量が多くなってしま
う。
【0036】テレフタル酸を主とするジカルボン酸また
はテレフタル酸ジメチルのようなテレフタル酸の低級ア
ルコールエステル誘導体と、1,3−プロパンジオール
を反応させるのために、触媒を用いることが好ましく、
好ましい例としては、チタンテトラブトキシドやチタン
テトライソプロポキシドに代表されるチタンアルコキサ
イド、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウ
ム、酢酸亜鉛、酢酸チタン、非晶性酸化チタン沈殿物、
非晶性酸化チタン/シリカ共沈殿物、非晶性酸化チタン
/ジルコニア共沈殿物等の1種もしくはそれ以上が挙げ
られる。エステル交換触媒量としては、好ましくは0.
02〜0.15重量%である。重縮合触媒は、必ず用い
ることが必要である。例えば、チタンテトラブトキシド
やチタンテトライソプロポキシドに代表されるチタンア
ルコキサイド、酢酸アンチモン、三酸化アンチモン等が
重縮合触媒として挙げられ、チタンテトラブトキシドや
チタンテトライソプロポキシドに代表されるチタンアル
コキサイドは、反応速度が速いので特に好ましい。重縮
合触媒量としては、好ましくは0.03〜0.15重量
%である。
【0037】本発明に用いられるリン化合物、ヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤、コバルト化合物は、重合の
どの段階で添加してもよく一気にあるいは数回に分けて
添加してもよいが、リン化合物の添加はエステル交換反
応終了後以降が、エステル交換反応を妨げることなく、
樹脂組成物の着色を最も抑えることができる点で好まし
い。なお、反応物の温度が用いるリン化合物の沸点より
も高くなる場合は、そのまま添加すると、蒸発して所定
の量を添加することができなくなる。このような場合
は、一度1,3−プロパンジオールに少なくとも50℃
以上の温度で溶解させ、一度1,3−プロパンジオール
と反応させて沸点を高めてから添加する方法が特に好ま
しい。このような方法を用いることで、所望のリン元素
量を樹脂組成物に付与することが可能となる。また、コ
バルト化合物は触媒として用いてもよい。
【0038】酸化チタン粒子の凝集体が除かれた酸化チ
タン分散液については、好ましくは触媒、リン化合物、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤、コバルト化合物を
添加後に加えるのがよい。これは、凝集体が除かれた酸
化チタン分散液を先に添加し、触媒、リン化合物、ヒン
ダードフェノール系酸化防止剤、コバルト化合物を後で
添加すると、触媒、リン化合物、ヒンダードフェノール
系酸化防止剤、コバルト化合物が重合物の表面に当たっ
た部分は局部的にpHが大きく変わるので、そのショッ
クで酸化チタンが凝集する可能性があるからである。好
ましくは、触媒、リン化合物、ヒンダードフェノール系
酸化防止剤、コバルト化合物を添加後、少なくとも1分
以上十分撹拌した後、凝集体が除かれた酸化チタン分散
液を添加するのが好ましい。また、添加するときの温度
も250℃を超えると、熱ショックで凝集する可能性が
高くなるので、好ましくは250℃以下で添加するのが
よい。
【0039】こうして得られたポリエステル樹脂組成物
は、所定の極限粘度に達すると、重合釜から取り出さ
れ、固体状物に変換させる。この時に、重合中にわずか
に生成した酸化チタン凝集体を除くために、重合釜の底
にフィルターを備えて、凝集体を取り除いてもよく、ま
たそうすることは好ましい。この際に用いるフィルター
としては特に制限はないが、100〜2000メッシュ
が好ましい。
【0040】こうして得られたポリエステル樹脂組成物
の極限粘度は、通常0.4から0.9程度まで達成させ
ることができ、本発明の目的を達成するものであるが、
極限粘度を0.9より高めることは困難となる場合があ
る。なぜなれば、極限粘度を上げるために反応温度を高
くしたりすると、熱分解が起こり粘度が上がりにくくな
る場合があるからである。そこで、0.9以上の極限粘
度を達成する方法として、好ましい方法は固相重合を用
いることである。固相重合を用いると2.0までも極限
粘度を高めることが可能となる。固相重合はチップ、
粉、繊維状、板状、ブロック状にした樹脂組成物を窒
素、アルゴン等の不活性ガスの存在下、あるいは100
torr以下、好ましくは10torr以下の減圧下で
170〜220℃、3〜48時間程度行うことができ
る。
【0041】本発明のポリエステル繊維は、以下の
(1)〜(4)の条件を満たすことを特徴とする極限粘
度が0.4〜2のポリエステル繊維である。これらの条
件を満足することで、適度な艶消しが行われ、摩擦係数
が低減され、摩耗性が改良された、毛羽や糸切れが少な
い繊維となる。 (1)90重量%以上がポリトリメチレンテレフタレー
トから構成されているポリエステル樹脂成分からなるこ
と (2)平均粒径0.01〜2μmの酸化チタン0.01
〜3重量%含有されること (3)酸化チタン粒子が集った凝集体であって、その最
長部長さが5μmを超える凝集体が12個/mg繊維以
下であること (4)複屈折率が0.03以上であること 本発明のポリエステル繊維に必須な条件の内(1)と
(2)については、樹脂組成物の内容と同じであるの
で、以下に条件(3)と(4)について説明を行う。
【0042】本発明のポリエステル繊維には、酸化チタ
ン粒子が集った凝集体であって、その最長部長さが5μ
mを超える凝集体が12個/mg繊維以下であることが
必要である。この凝集体の個数は実施例の〔2〕酸化チ
タン凝集体の測定で測定される数値である。凝集体の個
数が12個/mg繊維を超えると、繊維の摩耗性が低下
したり、毛羽や単糸切れが起こりやすくなる。もちろ
ん、このような状態では、紡糸・延伸性も低く、紡糸収
率も低い。好ましくは7個/mg繊維以下、更に好まし
くは、3個/mg繊維以下、最も好ましくは1個/mg
繊維以下である。
【0043】本発明のポリエステル繊維の複屈折率は
0.03以上であることが必要である。複屈折率は、繊
維中におけるポリマー鎖の繊維軸方向での配向を示すパ
ラメーターである。複屈折率が0.03未満であると、
得られた繊維のポリマー鎖の配向が不足しポリマー鎖が
動きやすい状態のまま存在するので、繊維の摩擦係数が
高くなったり、繊維の摩耗性が低下したりして、本発明
の目的を達成できない他、更には常温付近に保存しても
繊維の物性が経時的に変化する。このような構造変化の
しやすい状態で布帛にしても染色性や布帛物性が保存状
態で変化するために、染色斑や物性斑を起こしやすい布
帛となってしまう。このような問題を完全になくすため
には、好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.0
6以上である。また、0.03〜0.06では、繊維の
配向が不十分なため、更に延伸を加えながら、撚りを掛
けたり仮撚すると、バルキー性やストレッチ特性を持つ
加工糸を提供することもできる。
【0044】本発明のポリエステル繊維の形態は、長繊
維、短繊維のいずれであってもよい。また長繊維の場
合、マルチフィラメント、モノフィラメントのいずれで
あってもよく、スパンボンド法、マイクロウエブ法等に
よる不織布に加工されてもよい。更に、本発明のポリエ
ステル繊維は、通常法、直延法、高速紡糸法等で得られ
る延伸法、仮撚り加工等に用いる半延伸糸(いわゆるP
OY)、各種加工糸等、通常の合成繊維で使用される構
造のものは全て含むことができる。総デニールとしても
特に制限はなく、5〜1000d、衣料用に用いる時は
特に5〜200dが好ましい。単糸デニールも特に制限
はないが、好ましくは0.0001〜10dである。も
ちろん、モノフィラメントとして使用する時は、10〜
2000dであってもよい。また断面形状についても、
丸型、三角型、扁平型、星型、w型等、特に制限はな
く、中実であっても中空であってもよい。
【0045】以下、本発明のポリエステル繊維の物性に
ついて説明する。例えば、延伸糸の場合、強度は極限粘
度と延伸倍率によっても異なるが、少なくとも2.5g
/d以上、通常3.5g/d以上である。特に、強度に
関する本発明の最大の特徴は、酸化チタン粒子の凝集体
量が少なく、しかも原料ポリマーの溶融安定性を十分に
高めているために、極限粘度を高めても溶融段階で分子
量低下が起こりにくく、高い強度を発現することが可能
となることである。従って、本発明のポリエステル繊維
では、例えば極限粘度が0.7程度で4g/d以上、極
限粘度が1以上になれば、5g/dの強度を発現するこ
とも可能となる。この場合の伸度としては、25〜50
%程度である。
【0046】繊維の弾性率は、本発明のポリエステル繊
維の大きな特徴であり、20〜30g/d程度と極めて
小さい値を示す。弾性率が小さいということは、その布
帛が極めてソフトな風合いを示すということを意味す
る。また、弾性回復性が極めて優れるというのも本発明
のポリエステル繊維の大きな特徴である。繊維を15%
程度まで伸長しても本発明のポリエステル繊維は、ほぼ
100%元の長さに戻り、20%伸長でも、通常は70
%以上、場合によっては80%を超える弾性回復率を示
す。従って、本発明のポリエステル繊維を布帛にする
と、用途ごとに適切な光沢と強さを持ちながら、ソフト
な風合いでかつ、ストレッチ性のよいものを提供するこ
とが可能となる。更に、酸化チタンの分散性が著しく優
れているので、摩擦係数を下げて、ガイドやロール等へ
の引っかかりを抑制して紡糸性を高め、更に、凝集物が
欠陥となることなく、摩耗性がよい繊維となっている。
【0047】本発明のポリエステル繊維は、前述した本
発明のポリエステル樹脂組成物に既知のPTTの紡糸方
法を適用して製造することができる。例えば、本発明者
らによる国際公開番号WO99/11845号や国際公
開番号WO99/27168号に開示された紡糸方法を
そのまま用いることが特に好ましい。すなわち、本発明
のポリエステル繊維は、少なくとも100ppm、好ま
しくは50ppm以下の水分量まで乾燥させた本発明の
樹脂組成物を押出機等を用いて溶融させ、その後溶融し
た樹脂組成物を紡口より押出した後に巻き取り、次いで
延伸を行うことにより得ることができる。ここで巻き取
った後に延伸を行うとは、紡糸を行った後にボビン等に
巻き取り、この糸を別の装置を用いて延伸する、いわゆ
る通常法や、紡口より押し出された樹脂組成物が完全に
冷却固化した後、一定の速度で回転している第一ロール
に数回以上巻き付けられることにより、ロール前後での
張力が全く伝わらないようにし、第一ロールと第一ロー
ルの次に設置してある第二ロールとの間で延伸を行うよ
うな、紡糸−延伸工程を直結したいわゆる直延法を指
す。
【0048】本発明のポリエステル繊維は、単独使い、
又は布帛の一部に使用することで、ソフト性、ストレッ
チ性、発色性に優れた布帛となる。布帛の一部に使用す
る場合、用いる本発明の繊維以外の他の繊維としては特
に制限はないが、特にストレッチ繊維、セルロース繊
維、ウール、絹、アセテート繊維等の繊維と混用するこ
とで、公知の合成繊維や化学繊維を用いた混用布帛では
得られないソフト感やストレッチ性といった特徴を発現
させることができる。ここで、布帛とは織編物をいう。
本発明の布帛は、上記の混用布帛をも含め、用いるポリ
エステル繊維の形態、製編織方法については特に制限は
なく、公知の方法を用いることができる。例えば、経糸
または緯糸に用いる平織物、リバーシブル織物等の編
物、トリコット、ラッセル等の編物などが挙げられ、そ
の他交撚、合糸、交絡を施してもよい。
【0049】本発明の布帛は、混用布帛も含め、染色さ
れていてもよく、例えば製編織後、常法により精練、プ
レセット、分散染料又はカチオン染料による染色、ファ
イナルセットの過程を経て染色することができる。ま
た、必要に応じて、精練後、染色前に常法によりアルカ
リ減量処理することができる。特に、カチオン染料を使
用する場合は、5−スルホイソフタル酸に代表されるス
ルホイソフタル酸塩を全カルボン酸成分に対して、1〜
3モル%、好ましくは1.5〜2.5モル%共重合させ
ることが必要である。精練は40〜98℃の温度範囲で
行うことができる。特にストレッチ繊維との混用の場合
には、リラックスさせながら精練することが弾性を向上
させるのでより好ましい。
【0050】染色前後の熱セットは一方あるいは両方共
省略することも可能であるが、布帛の形態安定性、染色
性を向上させるためには両方行うことが好ましい。熱セ
ットの温度としては、120〜190℃の温度、好まし
くは140〜180℃であり、熱セット時間としては1
0秒〜5分、好ましくは、20秒〜3分である。染色は
キャリアーを用いることなく、70〜150℃、好まし
くは、90〜120℃、特に好ましくは90〜100℃
の温度で行うことができる。染色を均質に行うために、
酢酸や水酸化ナトリウム等を用いて染料に応じたpHに
調整すると同時に、界面活性剤から構成された分散剤を
使用することは特に好ましい。染色後は公知の方法によ
りソーピングまたは還元洗浄を行う。これらの方法は公
知の方法でよく、例えば、炭酸ナトリウムや水酸化ナト
リウム等のアルカリ水溶液中で、ハイドロサルファイト
ナトリウム等の還元剤を用いて処理することができる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明をよ
り詳細に説明するが、本発明は実施例などにより限定さ
れるものでない。なお、実施例中の主な測定値及び評価
値は以下の測定方法もしくは評価方法で得られたもので
ある。 〔1〕極限粘度の測定 この極限粘度[η]は、オストワルド粘度管を用い、3
5℃、o−クロロフェノールを用いて比粘度ηspと濃
度C(g/100ミリリットル)の比ηsp/Cを濃度
ゼロに外挿し、以下の式に従って求めた。
【0052】〔2〕酸化チタン凝集体の測定 樹脂組成物または繊維1mgを2枚の15mm×15m
mのカバーグラスに挟み込み、ホットプレート上で(融
点+20〜30)℃の温度で溶融させた。溶融後、カバ
ーグラスに100gの荷重を掛けて、溶融物をカバーグ
ラスからはみ出さないように、2枚のカバーグラス間に
密着させ広げ、それを冷水に投入して急冷した。急冷さ
せることで、ポリマーの結晶化を妨げ、酸化チタンの分
散状態が観察しやすくなる。同様の操作を5回行い、カ
バーグラスに挟まれたサンプルを5つ用意した。このサ
ンプルを光学顕微鏡を用いて、カバーグラス間に広がっ
た樹脂組成物を200倍の倍率で拡大し、カバーグラス
内に広がった樹脂組成物を全領域観察した。酸化チタン
の凝集体は、分散した酸化チタン粒子よりも大きくなっ
ているが、顕微鏡を通して見える凝集体の、最長部長さ
が5μmを越えるものを酸化チタンの凝集体とし、その
数を数え用いた樹脂組成物又は繊維の単位重量当たりの
数に換算した。用意した5つのサンプル全てについて同
様の観察を行い、その平均値を凝集体の数(単位:個/
mg樹脂又は、個/mg繊維)とした。
【0053】〔3〕ポリエステル樹脂組成物又は繊維中
のリン元素量及びコバルト元素量の測定 リン元素量及びコバルト元素量は、高周波プラズマ発光
分光分析(機種:IRIS−AP、サーモジャーレルア
ッシュ社製)を用いて測定した。分析試料は、以下のよ
うにして調整した。三角フラスコ0.5gの樹脂組成物
又は繊維と15ミリリットルの濃硫酸を加え、150℃
のホットプレート上で3時間、350℃のホットプレー
ト上で2時間分解させた。冷却後、過酸化水素水を5ミ
リリットル加え、酸化分解した後、その液を5ミリリッ
トルまで濃縮し、濃塩酸/水(1:1)の水溶液を5ミ
リリットル加え、更に水を40ミリリットル加え分析試
料とした。
【0054】〔4〕酸化チタンの平均粒径の測定 原料の酸化チタンの平均粒径は、酸化チタンをヘキサメ
タリン酸ナトリウム1g/リットル水溶液に分散させ、
堀場製作所製レーザー回折式/散乱式粒度分布測定装置
(LA−920)を用いて測定した。樹脂組成物中又は
繊維中の酸化チタンの平均粒径は、〔2〕と同様にカー
バーグラス内で溶融させたポリマー中に分散した酸化チ
タン粒子を顕微鏡観察し、300個分散した酸化チタン
粒子の最長部長さの平均値を平均粒径とした。本発明の
場合、原料の酸化チタンの平均粒径とポリマー中の平均
粒径は、ほぼ同じ値を示すので、いずれの測定法を用い
てもよい。
【0055】〔5〕ポリエステル樹脂組成物の紡口パッ
ク圧上昇モデルテスト 押出機を用いて265℃で溶融させた、水分率が100
ppm以下のポリエステル樹脂組成物を、20メッシュ
のフィルターは通るが、28メッシュのフィルターは通
れない粒度の砂の層(濾過面積660mm2 ×厚さ2c
m)を通過させ、次に孔径が50メッシュのフィルタ
ー、孔径が150メッシュのフィルター、孔径が3
00メッシュのフィルター、孔径が20μmの焼結フ
ィルター(US FILTER社製、DYNALLOY
X−7)、孔径が50メッシュのフィルターを濾過
面積660mm2でからの順に通過させ、その後
0.23mmの孔が12個開いた紡口を通過させて、2
5g/minの吐出速度で大気中に放出させた時、押出
機を出て砂の層に入る時点での圧力の、吐出開始から5
時間経過した時から20時間経過した時の間の上昇分を
測定した。この場合、圧上昇が40kg/cm2 以下で
あれば、工業的なスケールで紡糸を行っても、紡口パッ
ク圧上昇が問題のないレベルである。
【0056】〔6〕アクロレイン、アリルアルコールの
発生量の測定 丸形炉(三菱化学社製、塩素−硫黄測定装置TOX−1
0Σ)に樹脂組成物又は繊維をのせ、130℃、24時
間、50ミリリットル/minの流量の空気を流し、試
料を通過した空気を漏らすことなく、ドライアイス/ア
セトンバス中に通したチューブ(チューブの中にはポリ
オキシメチレンを充填している)に導いた。こうして発
生したアクロレイン、アリルアルコールをチューブ中に
捕捉した。次に、このチューブを加熱離脱装置(島津製
作所社製、FLS−1)に繋ぎ、−30℃から200℃
まで加熱して、チューブ中のアクロレイン、アリルアル
コールを気化させ、GC/MS(ガスクロマトグラフィ
ーとマススペクトル測定器が繋がったもの、島津製作所
社製、QP−5000、カラム:DB624、60m)
に導き、40℃から200℃まで10℃/minの昇温
速度で測定して、捕捉したアクロレイン、アリルアルコ
ールの量を求めた。この量は、樹脂組成物又は繊維1g
を用いた時、空気中、130℃、24時間加熱した時に
発生する、アクロレイン、アリルアルコールの量(用い
た樹脂組成物を基準として、ppm単位で示す)を示
す。
【0057】〔7〕樹脂組成物紡糸性評価方法(毛羽率
の測定) 水分率を50ppm以下に乾燥したポリエステル樹脂組
成物を押出温度270℃で溶融させ、紡糸孔(36孔、
直径0.23mm)を通し、イソオクチルステアレート
52重量%、オレイルエーテル27重量%、炭素数1
5、16のアルカンスルホネートナトリウム11重量
%、レッドウッド粘度が130秒の流動パラフィン10
重量%からなる油剤を繊維重量に対して0.4〜0.7
重量%になるように付着させ、1600m/minの紡
糸速度で溶融紡糸し、更にホットロール55℃、ホット
プレート140℃で延伸を行った。得れた繊維の繊度、
フィラメント数は、50d/36fに設定した。毛羽率
は500gパーンを1000本取り、その中で表面に出
た毛羽があるものを数え、その数を1000で割った数
値に100を掛けてを毛羽率(%)とした。
【0058】〔8〕繊維の力学物性(強度、伸度、弾性
率)の測定 JIS−L−1013に準じて測定した。
〔9〕複屈折率の測定 繊維便覧−原料編、p.969(第5刷、1978年丸
善株式会社)に準じ、光学顕微鏡とコンペンセーターを
用いて、繊維表面に観察されるリターデーションから求
めた。 〔10〕弾性回復率の測定 繊維をチャック間距離20cmで引っ張り試験機に取り
付け、伸長率20%まで引っ張り速度20cm/min
で伸長し1分間放置した。この後、再び同じ速度で収縮
させ、応力−歪み曲線を描く。繊維の収縮中、応力がゼ
ロになった時の伸度を残留伸度(A)とする。弾性回復
率は以下の式に従って求めた。 弾性回復率(%)=((20−A)/20)×100
【0059】〔11〕摩擦係数の測定 ここでは、フィラメント・金属動摩擦係数を求めた。エ
イコー測器(株)製のμメーターを用いて下記の条件で
測定した。摩擦体である、表面を鏡面に仕上げた直径2
5mmの鉄製円筒に繊維を0.4g/dの張力を掛けな
がら、繊維の摩擦体への入り方向と出方向を90゜にし
て25℃、65%RHの雰囲気下、100m/minの
速度で摩擦させた時の繊維の動摩擦係数μを以下の式に
従って求めた。 μ=(360×2.3026/2πθ)×log10(T
2 /T1 ) T1 :摩擦体への入側の張力(デニール当たり0.4g
相当の張力とする) T2 :摩擦体より出側の張力 π:円周率 θ:90゜
【0060】〔12〕糸摩擦切断数の測定 糸摩擦切断数は、繊維同士を擦り合わせた時に切断が起
こるまでの擦り合わせた回数で示したものである。繊維
の摩耗しやすさの目安となるものである。すなわり回数
が多いほど、摩耗性がよい(摩耗しにくい)ことを示
す。糸摩擦切断数は、東洋精機製作所(株)の糸摩擦抱
合力試験機(No.890)を用いて測定した。糸の両
端に滑車を通して並んだ2つの留め金で糸の両端を結び
つけた。この留め金は20mmのストローク長で往復運
動することができる。滑車を回転させ、2回撚りを掛け
て、50gの荷重を掛けて、150ストローク/分で留
め金を往復させた。往復運動の回数はカウンターで計測
することができ、糸切断までの回数を糸摩擦切断数とし
て求めた。
【0061】
【参考例1】以下の実施例で使用した酸化チタン分散液
は下記により調製したものである。 方法: 1,3−プロパンジオールに平均粒径0.5μmのアナ
ターゼ型酸化チタンを20重量%加え、1000rpm
で10時間撹拌した。 方法: 1,3−プロパンジオールに平均粒径0.5μmのアナ
ターゼ型酸化チタンを21重量%加え、1000rpm
で10時間撹拌した。その後、6000rpmの遠心分
離を25分を行い、上澄み液のみ単離した。処理液中の
酸化チタンの含量は20重量%であった。遠心分離器で
除去された酸化チタンを光学顕微鏡で観察したところ、
最長部長さが5μmを超える、酸化チタン粒子が集まっ
た凝集体が存在した。
【0062】方法: 1,3−プロパンジオールに平均粒径0.5μmのアナ
ターゼ型酸化チタンを21重量%加え、1000rpm
で10時間撹拌した。その後、500メッシュのフィル
ターを3回通した。処理液中の酸化チタンの含量は20
重量%であった。遠心分離器で除去された酸化チタンを
光学顕微鏡で観察したところ、最長部長さ5μmを超え
る酸化チタン粒子が集まった凝集体が存在した。 方法: 1,3−プロパンジオールに平均粒径0.5μmのアナ
ターゼ型酸化チタンを21重量%加え、1000rpm
で10時間撹拌した。その後、500メッシュのフィル
ターを1回通し、更に6000rpmの遠心分離を25
分を行い、上澄み液のみ単離した。処理液中の酸化チタ
ンの含量は20重量%であった。遠心分離器で除去され
た酸化チタン粒子を光学顕微鏡で観察したところ、最長
部長が5μmを超える、酸化チタン粒子が集まった凝集
体が存在した。
【0063】
【実施例1〜8】テレフタル酸(以下TPAと略記す
る)1300重量部と1,3−プロパンジオール136
9重量部を混合し、常圧下、ヒーター温度240℃でエ
ステル化した。チタンテトラブトキシド(0.1重量%
/TPA、この単位は、TPAに対する重量比を表
す)、表1に示すリン化合物又は/及びヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤、表1に示す参考例1の方法〜
で得た酸化チタン分散液を順に5分おきに加え、270
℃、0.2torrで2.5時間重縮合した。尚、リン
化合物やヒンダードフェノール系酸化防止剤は、1,3
−プロパンジオールの2重量%溶液の形で重合系に添加
した。また表中のリン化合物、ヒンダードフェノール系
酸化防止剤、酸化チタン分散液の重量%は最終的に得ら
れた樹脂組成物中の重量%を示す。こうして得られた極
限粘度0.68の樹脂組成物をロープ状に水中に引き出
し、チップ状にカットした。その後、窒素雰囲気下で、
215℃、5〜7時間固相重合を行い、ポリエステル樹
脂組成物を得た。得られた樹脂組成物中の酸化チタン粒
子の平均粒径は0.5μmであった。
【0064】こうして得られた樹脂組成物を用いて、
(7)の紡糸方法によって延伸糸を得た。繊維物性は表
2に示す。実施例1〜8のいずれの場合も、酸化チタン
粒子の凝集体の個数、摩擦係数共に小さく、そのために
毛羽率が低く品質のよいPTT繊維を得ることができ
た。また、すべての実施例では、アクロレイン及びアリ
ルアルコールの発生量は低いレベルであった。また、実
施例1、5の糸摩擦切断数は、各々431回、453回
であった。なお、得られた繊維中の酸化チタン粒子の平
均粒径は、0.5μmであった。
【0065】
【比較例1】リン化合物やヒンダードフェノール系酸化
防止剤は、加えずに、参考例1の方法で酸化チタン分
散液を添加した以外は実施例1を繰り返した。得られた
樹脂組成物には凝集体が多く含まれ、そのために紡口パ
ック圧は52kg/cm2 と大きな値を示し、毛羽率も
大きくなった。摩擦係数も悪くなっていたことも、毛羽
率を下げる原因と思われる。また、このチップを擦った
時に生成する粉の量は、実施例1のチップと比較して多
かった。また、糸摩擦切断数は、76回と低かった。
【比較例2】トリメチルホスフェートを0.05重量%
を加え、酸化チタンを加えずに、参考例1の方法で酸
化チタン分散液を添加した以外は実施例1を繰り返し
た。得られた樹脂組成物には、酸化チタンは含まれない
ために紡口パック圧は9kg/cm2 と小さな値を示し
ているが、摩擦係数が高く、延伸時に、ホットロールに
繊維が引っかかり、その結果毛羽率も大きくなった。ま
た、得られた繊維は光沢が強すぎ、安っぽい感触を与え
た。
【0066】
【比較例3】酸化チタンを含まない、極限粘度0.72
のPETと、実施例1で用いた酸化チタンをエチレング
リコール中での方法で分散させた酸化チタン分散液を
用いて重合した酸化チタン0.5重量%含む、極限粘度
0.72のPBTの50d/36fの繊維の摩擦係数を
測定したところ、各々1.967と1.934であっ
た。この場合、繊維にはオレイルオレエート30重量
%、ヘキシルステアレート35重量%、乳化剤30重量
%、制電剤5重量%からなる油剤を0.7重量%付着さ
せた。また、糸摩擦切断数は、共に2000回以上であ
った。また、実施例1で用いた酸化チタンをエチレング
リコール中での方法で分散させた酸化チタン分散液を
用いて重合した酸化チタンを0.5重量%含む、極限粘
度0.72のPETの50d/36fの繊維を調製し
た。油剤は、上記の油剤を使用した。この繊維の中の凝
集体数は16個/mg繊維であり、摩擦係数は1.93
6、糸摩擦切断数は2000回以上であった。PET繊
維は、PTTと類似の化学構造を持つが、PTT繊維の
場合とは大きく異なり、摩擦係数や摩耗性に凝集体が与
える影響は軽微である。
【0067】
【実施例9】テレフタル酸ジメチル(以下、DMTと略
記する)25000重量部、1,3−プロパンジオール
21553重量部、エステル交換触媒として、酢酸カル
シウムと酢酸コバルト4水和塩の7:1混合物を理論ポ
リマー量の0.1重量%/DMT(この単位は、DMT
に対する重量比を表す)加え、50℃で、3時間エステ
ル交換した。その後、トリメチルホスフェートを0.1
重量%/DMT加え、更に方法で酸化チタン液を加
え、酸化チタンの含量を0.4重量%にした。その後、
0.1torrの真空下、275℃で3時間重合を行
い、極限粘度0.75の白色に優れたエステル樹脂組成
物を得た。リン元素の含量は、180ppm、コバルト
元素の含量は20ppmであった。
【0068】〔7〕前述した樹脂紡糸性評価方法の紡糸
方法で得られた繊維の酸化チタンの凝集体の数は、1個
/mg繊維で紡口パック圧上昇は12kg/cm2 であ
り、かつ摩擦係数も低くそのために毛羽率が低く品質の
よいPTT繊維を得ることができた。繊維中のリン元素
の含量は、175ppm、コバルト元素の含量は15p
pmであった。また、アクロレインやアリルアルコール
の発生量は、低いレベルであった。又、繊維中の酸化チ
タンの平均粒径は0.5μm、PTT含有量は99重量
%であった。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【実施例10】テレフタル酸ジメチル(以下、DMTと
略記する)25000重量部、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸ジメチル500重量部、1,3−プロパンジ
オール21553重量部、エステル交換触媒として、酢
酸カルシウムと酢酸コバルト4水和塩の7:1混合物を
理論ポリマー量の0.1重量%/DMT(この単位は、
DMTに対する重量比を表す)加え、50℃で、3時間
エステル交換した。その後、トリメチルホスフェートを
0.1重量%/DMT加え、更に方法で酸化チタン液
を加え、酸化チタンの含量を0.04重量%にした。そ
の後、0.1torrの真空下、275℃で3時間重合
を行い、極限粘度0.68の白色に優れたPTTが9
6.5重量%酸化チタンの凝集体の数が2個/mg樹脂
のエステル樹脂組成物を得た。リン元素の含量は、17
1ppm、コバルト元素の含量は18ppmであった。
樹脂組成物中の酸化チタンの平均粒径は、0.5μmで
あり、PTT含有量が97.5重量%であった。
【0072】(7)の樹脂紡糸性評価方法の紡糸方法で
得られた繊維の酸化チタンの凝集体の数は、1個/mg
繊維で紡口パック圧上昇は15kg/cm2 であり、か
つ摩擦係数も1.563と低くそのために毛羽率0.2
と低く、品質のよい、複屈折率が0.075のPTT繊
維を得ることができた。また、アクロレインとアリルア
ルコールの発生量は、各々3.3ppmと5.8pp
m)と低いレベルであった。繊維中のリン元素の含量
は、164ppm、コバルト元素の含量は15ppmで
あった。繊維中の酸化チタンの平均粒径は、0.5μm
であり、PTT含有量は97.4重量%であった。
【0073】
【実施例11】実施例4の条件で、重合開始段階で酢酸
コバルトを0.005重量%/TPA添加して、実験を
繰り返した。コバルト元素の含有量は8ppmであっ
た。酸化チタン凝集体数は、0.5個/mg樹脂であ
り、圧上昇は10kg/cm2 、毛羽率は0であった。
樹脂組成物中の酸化チタンの平均粒径は0.5μmであ
った。又、樹脂組成物中のPTT量は99重量%であっ
た。(7)樹脂紡糸性評価方法の紡糸方法により、複屈
折率が0.075の、コバルト含量が5ppm酸化チタ
ンの凝集体が0.1mg/繊維のPTT繊維を得ること
ができた。また、アクロレインとアリルアルコールの発
生量は、各々3.1ppmと5.7ppmと低いレベル
であった。繊維中の酸化チタンの平均粒径は0.5μm
であった。又、樹脂組成物のPTT量は99重量%であ
った。
【0074】
【実施例12】実施例9で得られたポリエステル繊維と
210デニールのポリウレタン系ストレッチ繊維ロイカ
(旭化成工業製)を用いて経編地を作成した。この場
合、ゲージは28G、ループ長は、ポリエステル繊維が
1080mm/480コース、ストレッチ繊維が、11
2mm/480コースとし、打ち込み密度を90コース
/インチとした。また、ポリエステル繊維の混率は7
5.5%に設定した。得られた生機を90℃、2分間リ
ラックス精錬し、160℃、1分間乾熱セットした。分
散染料であるダイアニックスブラックBG−FS(ダイ
スタージャパン社製)を8%owf、染色助剤であるニ
ッカサンソルト1200を0.5g/リットル存在下、
酢酸でpHを6に調整して、浴比1:30で110℃、
60分間染色を行った。得られた布帛は、ソフトで、ス
トレッチ性に富み、適度な光沢を有する、従来のPET
繊維やナイロン繊維からは得られない独自の風合いを有
するものであった。
【0075】
【実施例13】実施例10で調製されたポリエステル繊
維と210デニールのポリウレタン系ストレッチ繊維ロ
イカ(旭化成工業製)を用いて経編地を作成した。この
場合、ゲージは28G、ループ長は、ポリエステル繊維
が1080mm/480コース、ストレッチ繊維が、1
12mm/480コースとし、打ち込み密度を90コー
ス/インチとした。また、ポリエステル繊維の混率は7
5.5%に設定した。
【0076】得られた生機を90℃、2分間リラックス
精錬し、160℃、1分間乾熱セットを施した。カチオ
ン染料であるカヤクリルブラックBS−ED(日本化薬
(株)製)を用い、分散剤はディスパーTL(明成化学
(株)製)を1g/リットル使用し、硫酸ナトリウム5
0g/リットルと炭酸ナトリウム15g/リットルを加
え、pHを11に調整した水溶液に染料濃度2%owf
で加えて、浴比1:50で110℃、1時間染色を行っ
た。染色後、グランアップP(三洋化成工業(株)製)
1g/リットル、浴比1:50で80℃、10分間ソー
ピングした。染色後、常法により仕上げを行った。得ら
れた布帛は、ソフトで、ストレッチ性に富み、適度な光
沢を有する、鮮明性に優れたものであり、従来のPET
繊維やナイロン繊維からは得られない独自の風合いを有
するものであった。
【0077】
【発明の効果】本発明のPTTを主体とするポリエステ
ル樹脂組成物は、酸化チタンが高度に微分散されている
ので、これを用いる溶融紡糸法にあっては、パック圧上
昇の少ない安定した紡糸によって、適度な光沢、適度な
艶消しを有するPTT繊維が提供される。また繊維は酸
化チタンの凝集体による繊維強度や摩耗性の低下が極め
て少なく、摩擦係数が低減されているので、紡糸や加工
段階で繊維が接触するロール、ガイド上での繊維摩擦等
が低減されて、円滑な紡糸や加工できる繊維を提供する
ことができる。本発明の酸化チタンを含有するPTT樹
脂組成物は、酸化チタンを含有するにも係わらず、チッ
プ等の紡糸前の乾燥工程でのアクロレイン量、アリルア
ルコール量の発生が抑制されるので、白度に優れた樹脂
組成物や繊維を得ることができる。本発明のポリエステ
ル繊維は、インナーウエア、スポーツウエア、パンス
ト、裏地、水着等の衣料、更には、カーペット、芯地、
フロッキー、ガット、人工芝、ロープ、バック、傘地、
テント等の資材用品向けの繊維素材として有用である。
本発明の樹脂組成物は、フィルムや成形品に用いること
もできる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D01F 1/10 D01F 1/10 6/92 303 6/92 303B D03D 15/00 102 D03D 15/00 102Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 C08L 67/00 - 67/02

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(1)〜(3)の条件を満たすこ
    とを特徴とする極限粘度が0.4〜2のポリエステル樹
    脂組成物。 (1)90重量%以上がポリトリメチレンテレフタレー
    トから構成されているポリエステル樹脂成分からなるこ
    と (2)平均粒径が0.01〜2μmの酸化チタンを0.
    01〜3重量%含有すること (3)酸化チタン粒子が集まった凝集体であって、その
    最長部長さが5μmを超える凝集体が25個/mg樹脂
    以下であること
  2. 【請求項2】 更に、リン元素量として5〜250pp
    mに相当するリン化合物及び/又は0.002〜2重量
    %のヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有すること
    を特徴とする請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 リン化合物が、O=P(OR1 )(OR
    2 )(OR3 )なるホスフェートまたはP(OR4
    (OR5 )(OR6 )なるホスファイト、但しR1 、R
    2 、R3 、R4 、R5 及びR6 は異種または同種であ
    り、水素原子、または炭素数1〜30までの有機基、ア
    ルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれたものである
    ことを特徴とする請求項2記載のポリエステル樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 更に、コバルト元素量として1〜25p
    pmに相当するコバルト化合物を含有することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 テレフタル酸を主とするジカルボン酸ま
    たはテレフタル酸の低級アルコールエステル誘導体と
    1,3−プロパンジオールを主とするジオールを反応さ
    せて、テレフタル酸の1,3−プロパンジオールエステ
    ル及び/又はそのオリゴマーを生成させた後、重縮合反
    応させてポリエステルを重合する方法において、反応開
    始から重縮合反応が終了する任意の段階で、一度溶剤に
    酸化チタンを加え撹拌後、酸化チタンの凝集体を除く操
    作を行って得られる酸化チタンが分散した液を添加し、
    その後重縮合反応を完結させることを特徴とするポリエ
    ステル樹脂組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 テレフタル酸を主とするジカルボン酸ま
    たはテレフタル酸の低級アルコールエステル誘導体と
    1,3−プロパンジオールを主とするジオールを反応さ
    せて、テレフタル酸の1,3−プロパンジオールエステ
    ル及び/又はそのオリゴマーを生成させた後、重縮合反
    応させてポリエステルを製造する方法において、反応開
    始から重縮合反応が終了する任意の段階で、一度溶剤に
    酸化チタンを加え撹拌後、酸化チタンの凝集体を除く操
    作を行って得られる酸化チタン分散液を反応物に添加
    し、その後重縮合反応を完結させ、得られたポリエステ
    ル樹脂組成物を一旦固化させた後、固相状態で加熱し
    て、少なくとも極限粘度を重縮合反応終了時点での極限
    粘度よりも0.1以上増大させることを特徴とするポリ
    エステル樹脂組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 酸化チタンの凝集体が最長部長さが5μ
    mを超える、酸化チタン粒子の凝集体であることを特徴
    とする請求項5又は6記載のポリエステル樹脂組成物の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 酸化チタンの凝集体を除く操作が、少な
    くとも500rpm以上の回転速度で遠心分離する操作
    であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載
    のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 以下の(1)〜(4)の条件を満たすこ
    とを特徴とする極限粘度が0.4〜2のポリエステル繊
    維。 (1)90重量%以上がポリトリメチレンテレフタレー
    トから構成されるポリエステル樹脂成分からなること (2)平均粒径0.01〜2μmの酸化チタンが0.0
    1〜3重量%含有されること (3)酸化チタン粒子が集った凝集体であって、その最
    長部長さが5μmを超える凝集体が12個/mg繊維以
    下であること (4)複屈折率が0.03以上であること
  10. 【請求項10】 更に、リン元素量として5〜250p
    pmに相当するリン化合物及び/又は0.002〜2重
    量%のヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項9記載のポリエステル繊維。
  11. 【請求項11】 リン化合物が、O=P(OR1 )(O
    2 )(OR3 )なるホスフェートまたは、P(OR
    4 )(OR5 )(OR6 )なるホスファイトであり、但
    し、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 は、異種ま
    たは同種であり、水素原子、または炭素数1〜30まで
    の有機基、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれ
    たものであることを特徴とする請求項9又は10記載の
    ポリエステル繊維。
  12. 【請求項12】 更に、コバルト元素量として1〜25
    ppmに相当するコバルト化合物を含有することを特徴
    とする請求項9〜11のいずれかに記載のポリエステル
    繊維。
  13. 【請求項13】 請求項9〜12のいずれかに記載のポ
    リエステル繊維を一部または全部に用いてなることを特
    徴とする布帛。
  14. 【請求項14】 分散染料又はカチオン染料で染色され
    た請求項13記載の布帛。
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