JP2023152810A - 共重合ポリエステル組成物 - Google Patents

共重合ポリエステル組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023152810A
JP2023152810A JP2023039384A JP2023039384A JP2023152810A JP 2023152810 A JP2023152810 A JP 2023152810A JP 2023039384 A JP2023039384 A JP 2023039384A JP 2023039384 A JP2023039384 A JP 2023039384A JP 2023152810 A JP2023152810 A JP 2023152810A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester composition
polyester
isophthalic acid
copolymerized
acid component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023039384A
Other languages
English (en)
Inventor
康次郎 守屋
Kojiro Moriya
陽一郎 田中
Yoichiro Tanaka
玄 林
Gen Hayashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Publication of JP2023152810A publication Critical patent/JP2023152810A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

【課題】 繊維成形時の糸切れ等が少なく、繊維としたときに発色性と染めムラ抑制を兼ね備えた共重合ポリエステル組成物を提供する。【解決手段】 ポリエステルを構成する繰り返し単位が主としてエチレンテレフタレート単位であり、ポリエステルの全酸成分のうち、イソフタル酸成分を0.7~1.7mol%共重合して、酸化チタンを0.7~3.0重量%含有する共重合ポリエステル組成物。【選択図】なし

Description

本願発明は、共重合ポリエステル組成物に関するものである。更に詳しくは、繊維成形性に優れ、繊維としたときの染めムラを抑制することができる共重合ポリエステル組成物に関するものである。
ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートは、広く繊維用途に使用されている。
繊維布帛製品に不透明感を与え、糸の諸加工における摩擦抵抗を低減させるために酸化チタンを含有させたポリエステル組成物が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この技術によれば、高い発色性、かつ、風合いがシルクライクであり、工程通過性なども問題ない常圧可染繊維を得ることができる。
また、繊維に潜在捲縮性を与えるためにポリエステルの重合段階で金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸とイソフタル酸とを含有せしめたポリエステル組成物が提案されている(例えば、特許文献2,3を参照)。この方法によれば、金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸やイソフタル酸などの共重合成分を含むポリエステル繊維は、ポリエチレンテレフタレートの持っている強度特性を損ねることなく、分散染料に対する染色性が向上し、かつ染色斑が生じないポリエステル繊維を得ることができる。
特開2006-233390公報 特開2006-219587公報 特開2004-27375公報
しかしながら、特許文献1記載の実施例にかかるポリエステル組成物を繊維製品に成形したところ、染めムラの発生は目標達成には至らず。特に、ダル感、着用快適性を高めるための酸化チタンが高濃度では、染めムラは顕著であった。
特許文献2または3記載の実施例には酸化チタン含有の記載はないが、繊維として酸化チタンを0.3重量%含有させて布帛を成形したところ、繊維の染色性は良好であるものの、布帛に成形した際に布帛が肌に貼りつき、着用快適性が劣るという従来知られていなかった問題点が発生した。
さらに特許文献2または3記載の実施例で、酸化チタンを0.7重量%以上と高濃度含有させたところ、酸化チタンの凝集異物を起因とする製糸時の糸切れが顕著になった。
本願発明は、かかる欠点を解消、すなわちポリエステル組成物を布帛にしたときのダル感(不透明性)、着用快適性(肌に貼りつかない感覚)、染めムラの少なさ(染め均一性)を兼ね備え、かつ、製糸工程での工程通過性に優れた共重合ポリエステル組成物を提供するものである。
前記の課題を解決すべく検討を行った結果、以下の手段で本願発明の目的が達成されることを見出した。
(1)ポリエステルを構成する繰り返し単位が主としてエチレンテレフタレート単位であり、ポリエステルの全酸成分のうち、イソフタル酸成分を0.7~1.7mol%共重合して、酸化チタンを0.7~3.0重量%含有する共重合ポリエステル組成物。
(2)ポリエステルの全酸成分のうち、金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸成分を0.1~6mol%共重合した前記(1)記載の共重合ポリエステル組成物。
(3)重合平均分子量3000~5000のポリエチレングリコールを0.5~4.5重量%共重合した前記(1)または前記(2)記載の共重合ポリエステル組成物。
(4)全酸成分に対してイソフタル酸成分が0.7~1.7mol%含有するポリエステル組成物と、酸化チタンを含有するポリエステル組成物とを混合することを特徴とする前記(1)記載の共重合ポリエステル組成物の製造方法。
本願発明の共重合ポリエステル組成物は、糸に成形した時の生産性に優れ、良好な外観(発色性、染めムラ低減)、さらに従来公知の技術では達成困難であった優れた着用快適性を有する衣料用繊維を提供できる。さらに、本願発明の共重合ポリエステル組成物は、特に肌に直接触れるインナー用途や鮮やかな色彩と着用快適感が要求される水着用途などに最適な衣料を提供できる。
本願発明の共重合ポリエステル組成物は、ジカルボン酸成分とジオール成分からなるポリエステルであり、ジカルボン酸成分として、例えばテレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸などが挙げられ、ジオール成分として、例えばエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。中でもテレフタル酸とエチレングリコールからなるポリエチレンテレフタレートが耐熱性に優れる点で好ましい。ポリエステルは2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。
本願発明の共重合ポリエステル組成物は、ポリエステルの全酸成分に対して0.7mol%以上、1.7mol%以下のイソフタル酸成分を共重合する。イソフタル酸成分が0.7mol%未満の場合、染色ムラが発生する。加えて酸化チタン粒子の凝集起因と推定される製糸時の糸切れが発生する。またイソフタル酸成分が1.7mol%を超える場合は、製糸性が不良になる。イソフタル酸成分を特定量共重合すると、染色ムラが抑制できる理由、さらに酸化チタン粒子の凝集起因と推定される製糸時の糸切れを抑制できる理由は明らかではないが、特定量のイソフタル酸が存在することで、金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸成分が、ポリエステル組成物に均一に共重合され、結晶性が適度に低下することで、カチオン染料が入る空間がポリエステル組成物に生まれて、酸化チタン粒子の分散が向上するためではないかと推定される。更にイソフタル酸成分が0.9mol%以上、1.4mol%以下であると、更に染色ムラ抑制、製糸性が向上するので好ましい。
本願発明の共重合ポリエステル組成物は、酸化チタンを0.7重量%以上、3.0重量%以下含有する。酸化チタンの含有量が0.7重量%未満では、繊維を製造して布帛に成形した際に布帛が肌に貼りつき着用快適性が低下し、また、イソフタル酸量に関係無く染めムラが発生する。糸加工時の摩擦係数も大きくなることから、金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸成分とイソフタル酸成分とにより、繊維に添加した酸化チタン粒子による表面の突起形成が形成されにくくなり、繊維表面が平坦になるためと推定する。一方、酸化チタンの含有量が3.0重量%を超えると、製糸時の工程通過性が低下して糸切れが発生する。酸化チタンの含有量が0.9重量%以上、1.5重量%以下であると、特に製糸性、着用快適性が良好になるので好ましい。
本願発明の共重合ポリエステル組成物が含有する酸化チタンは、特に制限はないが、アナターゼ型酸化チタンを用いると、繊維の色調(明度)が良好になる傾向があり好ましい。ルチル型酸化チタンを用いると、繊維の光耐候性が良好になるので好ましい。
本願発明の共重合ポリエステル組成物は、染色性を発現するカチオン染料の染着座位となる金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸成分を共重合していても良い。金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸として、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルが挙げられる。
金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸成分の含有量は、ポリエステルのテレフタル酸成分、金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸成分およびイソフタル酸成分の合計モル数(以下全酸成分)に対して0.1mol%以上、6mol%以下である。金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸成分を0.1mol%以上として染色性を発現せしめる。一方、金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸成分の含有量を6mol%以下として、製糸工程の溶融時の分解を抑制して製糸性を良くする。金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸成分の含有量が、ポリエステルの全酸成分に対して、1mol%以上、5mol%以下であると、染色性、製糸性が向上するので好ましい。
本願発明の共重合ポリエステル組成物は、ポリエチレングリコールを0.5重量%以上、4.5重量%以下含有すると染色性が向上、加えて製糸性が向上するので好ましい。またポリエチレングリコールの重合平均分子量は3000~5000が染色性、製糸性を向上させるので好ましい。ポリエチレングリコールの含有量は、より好ましくは1.5重量%以上、3.0重量%以下、重合平均分子量は、より好ましくは3500~4500であると染色性、製糸性が向上する。
また、本願発明の共重合ポリエステル組成物は、従来公知のアンチモン、リチウム、ケイ素、リン元素を含有してもよい。
本願発明の共重合ポリエステル組成物の製造方法の一実施態様は、例えば、金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸成分を含有するポリエステル組成物(A)と、イソフタル酸成分を含有するポリエステル組成物(B)と、酸化チタンを含有するポリエステル組成物(C)とを混合して製造すると、紡糸した糸中の金属スルホネート基の濃度、イソフタル酸の濃度、酸化チタンの濃度の変更が容易にできるようになり好ましい。
ポリエステル組成物(A)の金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸成分の共重合量は特に制限がないが、全酸成分に対しての金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸成分が2.0~8.0mol%であると、耐熱性と繊維発色性、および重合時の工程安定性(粘度増加抑制、耐熱性低減抑制)であると好ましい。
ポリエステル組成物(B)のイソフタル酸成分の共重合量は特に制限がないが、全酸成分に対してのイソフタル酸成分が1.0~2.0mol%が均一混合の観点から好ましい。
ポリエステル組成物(C)の酸化チタン含有量は30~70重量%であると均一混合の観点から好ましい。
ポリエステル組成物(A)、ポリエステル組成物(B)およびポリエステル組成物(C)の混合方法については、特に制限がないが、紡糸時の溶融混合時に濃度ムラが発生しない方法が好ましく、特にポリエステル組成物(C)は比重が大きいため、別に乾燥し紡糸時の溶融押出機直上で混合することが好ましい。
本発明で得られるポリエステル組成物から繊維を製造する方法は、従来公知の方法を採用することができる。例えばポリエステル組成物を乾燥・溶融・押出(以下紡糸という)してポリエステル未延伸糸を一旦巻き取った後に延伸する方法、紡糸と延伸を連続して行う方法、紡糸した後高速で巻き取り、その速度差で延伸する方法などが採用できる。
上記紡糸におけるポリエステル組成物の紡糸温度は、ポリエステル組成物の融点よりも20~80℃高い温度に設定する。紡糸温度を(ポリエステル組成物の融点+20℃)以上に設定することで、ポリマが紡糸機の配管内で固化して閉塞することを防ぐことができる。一方、(ポリエステル組成物の融点+80℃)以下の紡糸温度にすることでポリエステル組成物の過度な劣化を抑制し、繊維強度などの物理的性質の低下を防ぐことができる。さらに、製糸後に必要に応じて仮撚りなどの糸加工、染色等を行うこともできる。
以下実施例を挙げて、本願発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の物性値は以下の方法で測定した。
(1)共重合ポリエステル組成物中の金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸の定量
(株)リガク製蛍光X線分析装置(ZSR-100e)でポリマ中の硫黄元素含有量を定量し、金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸の量に換算した。
(2)共重合ポリエステル組成物中のイソフタル酸の定量
株式会社島津製作所製液体クロマトグラフ(LC-2010AHT)でポリマ中のイソフタル酸の量を定量した。
(3)共重合ポリエステル組成物中の酸化チタンの定量
(株)リガク製蛍光X線分析装置(ZSX-100e)でポリマ中のTi元素含有量を定量し、酸化チタンの量に換算した。
(4)組成物の固有粘度
試料0.1gをオルソクロロフェノール10mlに100℃、30分で溶解し、オストワルト粘度計を用いて25℃で測定した。
(5)共重合ポリエステル組成物中のポリエチレングリコールの定量
ポリエステルをモノメタノールアミンで加水分解後、カリボール(テトラフェニルホウ酸ナトリウム)にて滴定し定量した。
(6)製糸性(糸切れ)
共重合ポリエステル組成物を150℃で10時間、真空乾燥後、押出機に供給して、紡糸温度293℃にて、直径95mmの15ミクロン不織布フィルターで濾過し、吐出量70g/分の溶融ポリエステルを、吐出孔径0.25mm、孔深度0.35mmの丸孔を96個有する口金ノズルより吐出させた。
吐出後の糸条を冷却チムニーによって0.5m/秒の冷却風で冷却・固化して、口金下2mの位置で給油装置にて集束しながら油剤を付与し(純油分として繊維重量に対して1重量%塗布)、交絡ノズルにて圧縮空気を用い作動圧0.25MPaで予備交絡を施し、周速度2750m/分の第1ゴデットロールおよび第2ゴデットロールにて引き取り、130dtex、48フィラメントの未延伸糸を12kg巻いたチーズパッケージとした。なお、巻取機の周速度は2720m/分とした。
A(優れている):1.0回/トン以下
B(実用可):1.0回/トンより多く1.5回/トン以下
C(実用不可):1.5回/トンより多い。
(7)繊維の染色性(L値)
(金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸成分)>0.0mol%の場合
実施例・比較例で得られた未延伸糸を2本合糸(150dtex)にて22ゲージで筒編み地を作製し、この筒編み地をカチオン染料のC.I.Basic Blue66の5%owf、酢酸0.5mL/L、酢酸ソーダ0.2g/Lからなる浴比1:100の95℃熱水溶液中で60分間染色を行い、色差計(スガ試験機製、SMカラーコンピュータ型式SM-T45)を用いて色調L値を求め、以下の基準で判定した。
A(優れている):L値40未満
B(実用可能):L値40以上45未満
C(実用不可):L値45以上
(金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸成分)=0.0mol%の場合
実施例・比較例で得られた未延伸糸を2本合糸(150dtex)にて22ゲージで筒編み地を作製し、この筒編み地を分散染料のDinanix Navy S-2G200%の0.3%owf、Tetrosin PECの10.0%owf、Sun Saltの1.0%owfからなる浴比1:100の98℃熱水溶液中で20分間染色を行い、色差計(スガ試験機製、SMカラーコンピュータ型式SM-T45)を用いて色調L値を求め、以下の基準で判定した。
A(優れている):L値40未満
B(実用可能):L値40以上45未満
C(実用不可):L値45以上。
(8)繊維の染めムラ
実施例・比較例で得られた未延伸糸を2本合糸(150dtex)にて22ゲージで筒編み地を作製し、染料アイゼンカチロンブルーGLH0.7%owf、助剤に酢酸0.5cc/L、酢酸ソーダ0.15g/Lの染液の中に、目付145g/mの筒編み地を投入し、50℃の温度で15分間染色後に、98℃/30分の条件で昇温し、さらに20分間撹拌染色を行った。これを乾燥後、ディライト下で基準サンプルと染めムラを比較評価し、以下の基準で判断した。
なお基準サンプルは、イソフタル酸成分を含有しないこと以外は同様にして製造した筒編み地を用いた。
A(優れている):明らかな染めムラが認められない
B(実用可能):染めムラが基準サンプルより少ない
C(実用不可):染めムラが基準サンプルと同様である。
(9)繊維の摩擦係数
着用快適性の代替指標として繊維の摩擦係数を用いる。実施例・比較例で得られた未延伸糸を2本合糸(150dtex)にて22ゲージで筒編み地を作製し、20cm×20cmの試料を作成する。カトーテック製自動化表面試験機(KES-FB4)を用いて、該20cm×20cmの試料の10cm×10cmの範囲を、ピアノ線で巻かれた1cm×1cmの端子に50gの荷重をかけて、1.0mm/秒の速さで滑らすことで平均摩擦係数MIUを求めた。この動作を1箇所あたり3回行い、これを合計10箇所について行った結果の単純な数平均を求め、小数点第2位を四捨五入した値を摩擦係数とした。
なお基準サンプルは、酸化チタンを0.3%含有すること以外は同様にして製造した筒編み地を用いた。(基準サンプルの摩擦係数をSとする)
A(優れている):摩擦係数<S-0.3
B(実用可能):S-0.3≦摩擦係数<S-0.1
C(実用不可):S-0.1≦摩擦係数。
(ポリエステル組成物(A)の製造)
精留塔を備えたエステル交換反応槽に、テレフタル酸ジメチルを1060kgとエチレングリコールを137kg仕込み(エチレングリコール/テレフタル酸ジメチルのmol比が2.04)、撹拌しながら200℃以下で溶解した。
続いて、5-ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエチレングリコール付加物のエチレングリコール分散液を、得られるポリエステル組成物に対しスルホイソフタル酸が1.6mol%となるようにエステル交換反応槽に添加した後、シリコーン化合物としてTSF-433(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を得られるポリエステル組成物に対し1000ppmとなるように添加した。
その後、抗酸化剤としてSONGNOX1010(Songwon Industrial Co.,Ltd.製)を得られるポリエステル組成物に対し1400ppm、酢酸リチウムを得られるポリエステル組成物に対してリチウム換算で260ppm、また重合触媒として三酸化アンチモンを得られるポリエステル組成物に対して200ppm添加した。
エステル交換反応槽の温度が240℃となるまで徐々に昇温しながら、エステル交換反応時に発生するメタノールを反応系外に留去させ反応を進行させた。その後メタノールが留出しなくなり、エステル交換反応が完了した時点でリン酸トリメチルをリン元素換算で280ppm含有するよう添加し撹拌した。
その後、エチレングリコールを反応系外に留去させつつ、重合平均分子量が4000であるポリエチレングリコールを6.74重量%含有するようエステル交換反応槽に添加し撹拌した。更にその後過剰なエチレングリコールを反応系外に留去させ重合反応槽へ移送した。
移送終了後、常圧から0.1kPaになるまで45分かけて減圧を行い、235℃から290℃まで昇温後、エチレングリコールを留去しながら、0.1kPa以下の高真空を維持して、所定の攪拌機トルク(電力値)となった時点で反応系を窒素パージして常圧に戻し重合反応を停止させた。
ストランド状に吐出して冷却後、直ちにカッティングし、固有粘度が0.86dl/g、金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸成分が5.4mol%、ポリエチレングリコールが6.7重量%のポリエステル組成物(A)を得た。
(ポリエステル組成物(B)の製造)
テレフタル酸99重量部とイソフタル酸1.1重量部、エチレングリコール41重量部のスラリーを、常法に従ってエステル化、三酸化アンチモン(重量部)とリン酸(重量部)を添加後、重縮合反応して、固有粘度が0.79dl/g、イソフタル酸成分が1.9mol%であるポリエステル組成物(B)を得た。
(ポリエステル組成物(C)の製造)
極限粘度が0.65dl/gであるポリエチレンテレフタレート樹脂を時間あたり70重量部、真空ベントを有する二軸押出機に供給し、酸化チタンを時間あたり30重量部サイドフィードして、酸化チタンが30重量%、固有粘度が0.62dl/gであるポリエステル組成物(C)を得た。
(ポリエステル組成物(D)の製造)
ポリエステル組成物(A)と同様に、ただし粗原料としてテレフタル酸ジメチル99重量部とイソフタル酸ジメチル0.8重量部、5-スルホイソフタル酸ジメチル3.2重量部を用いてエステル交換反応後、重縮合反応を行った。
金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸成分が2.1mol%、イソフタル酸成分が1.2mol%、ポリエチレングリコールが2.6重量%である、固有粘度が0.76dl/gであるポリエステル組成物(D)を製造した。
(ポリエステル組成物(E)の製造)
5-スルホイソフタル酸ジメチル、TSF-433、SONGNOX1010、酢酸リチウムおよびポリエチレングリコールを添加しないこと以外はポリエステル組成物(A)と同様の方法にてエステル交換反応、重縮合反応を行った。
[実施例1]
ポリエステル組成物(A)、ポリエステル組成物(B)およびポリエステル組成物(C)の3種類を別々に150℃で10時間、真空乾燥後、37:59:4の割合で別々に押出機に供給しながら、紡糸温度293℃にて、直径95mmの15ミクロン不織布フィルターで濾過して、吐出量70g/分の溶融ポリエステルを、吐出孔径0.25mm、孔深度0.35mmの丸孔を96個有する口金ノズルより吐出させた。吐出後の糸条を冷却チムニーによって0.5m/秒の冷却風で冷却・固化して、口金下2mの位置で給油装置にて集束しながら油剤を付与し(純油分として繊維重量に対して1重量%塗布)、交絡ノズルにて圧縮空気を用い作動圧0.25MPaで予備交絡を施し、周速度2750m/分の第1ゴデットロールおよび第2ゴデットロールにて引き取り、130dtex、48フィラメントの未延伸糸を12kg巻いたチーズパッケージとした。なお、巻取機の周速度は2720m/分とした。
このときの糸切れは0.7回/トンであり、15ミクロン不織布フィルター前後で比較したろ圧上昇は2.1MPa/日であり、安定操業を行うことができた。
得られた共重合ポリエステル組成物は、金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸が2.0mol%、イソフタル酸が1.1mol%、酸化チタンが1.3重量%、ポリエチレングリコールが2.5重量%であった。得られた未延伸糸を用いて筒編み地を作製し、染色性を評価した結果、L値は38であり、染色性に優れていた。また染めムラ評価における染めムラも認められなかった。また、繊維の摩擦係数評価結果はS-0.4であり、着用快適性にも優れていた。
[実施例2~23]
表1~4に記載の組成構成とする以外は実施例1と同様の方法で製糸評価を行った。
[実施例24]
ポリエステル組成物(D)およびポリエステル組成物(C)の2種類を使用し、96:4の割合で紡糸するほかは実施例1と同様の方法で製糸評価した。
[比較例3,4,6]
表5に記載の組成構成とする以外は実施例1と同様の方法で共重合ポリエステル組成物を製造し、製糸評価を行った。
Figure 2023152810000001
Figure 2023152810000002
Figure 2023152810000003
Figure 2023152810000004
Figure 2023152810000005
[実施例25]
ポリエステル組成物(E)、ポリエステル組成物(B)およびポリエステル組成物(C)の3種類を使用し、37:59:4の割合で紡糸するほかは実施例1と同様の方法で製糸評価した。
[実施例26~37]
表6および表7に記載の組成構成とする以外は実施例25と同様の方法で製糸評価を行った。
[実施例38~39]
表8に記載の組成構成とする以外は実施例1と同様の方法で製糸評価を行った。
[比較例7~12]
表9に記載の組成構成とする以外は実施例1と同様の方法で共重合ポリエステル組成物を製造し、製糸評価を行った。
[比較例13~18]
表10に記載の組成構成とする以外は実施例25と同様の方法で共重合ポリエステル組成物を製造し、製糸評価を行った。
Figure 2023152810000006
Figure 2023152810000007
Figure 2023152810000008
Figure 2023152810000009
Figure 2023152810000010

Claims (4)

  1. ポリエステルを構成する繰り返し単位が主としてエチレンテレフタレート単位であり、ポリエステルの全酸成分のうち、イソフタル酸成分を0.7~1.7mol%共重合して、酸化チタンを0.7~3.0重量%含有する共重合ポリエステル組成物。
  2. ポリエステルの全酸成分のうち、金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸成分を0.1~6mol%共重合した請求項1記載の共重合ポリエステル組成物。
  3. 重合平均分子量3000~5000のポリエチレングリコールを0.5~4.5重量%共重合した請求項1または2記載の共重合ポリエステル組成物。
  4. 全酸成分に対してイソフタル酸成分が0.7~1.7mol%含有するポリエステル組成物と、酸化チタンを含有するポリエステル組成物とを混合することを特徴とする請求項1記載の共重合ポリエステル組成物の製造方法。
JP2023039384A 2022-03-30 2023-03-14 共重合ポリエステル組成物 Pending JP2023152810A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022055762 2022-03-30
JP2022055762 2022-03-30

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023152810A true JP2023152810A (ja) 2023-10-17

Family

ID=88349628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023039384A Pending JP2023152810A (ja) 2022-03-30 2023-03-14 共重合ポリエステル組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023152810A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0984086B1 (en) Process for producing polyester fiber and polyester fiber therefrom
CA2372428C (en) Poly(trimethylene terephthalate) yarn
KR870000362B1 (ko) 이염성(易染性)폴리에스테르섬유 및 제조 방법
JP7251260B2 (ja) カチオン可染性ポリエステルおよびその製造方法
US6998461B2 (en) Modified polyester fiber and process for producing the same
JP2023152810A (ja) 共重合ポリエステル組成物
JP2006336122A (ja) 耐湿熱性再生ポリエステル繊維
JP5726002B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物及び同樹脂組成物の製造方法と、同樹脂組成物からなるポリエステル繊維並びにその繊維製品
KR950010745B1 (ko) 개질폴리에스테르섬유의 제조방법
JP3736432B2 (ja) 吸湿性に優れたポリエステル繊維
JPH03241024A (ja) カチオン可染極細仮撚加工糸の製造方法
JPH0860442A (ja) 発色性および光沢に優れた複合繊維
JP3858530B2 (ja) 溶融紡糸用ポリエステル組成物、ポリエステル高配向未延伸糸およびその製造方法
JP3069426B2 (ja) カチオン染料可染性ポリエステル仮撚加工糸の製造方法
JP2004131862A (ja) リサイクルポリエステル複合繊維
JP4108873B2 (ja) ポリエステル繊維
EP1493853B1 (en) Modified polyester fiber and process for producing the same
JP3973575B2 (ja) 易フィブリル性ポリエステル繊維
JPH04194024A (ja) ポリエステル繊維の製造方法
JPS6339686B2 (ja)
JP3869551B2 (ja) 製糸性の改善されたポリエステル繊維及びその製造方法
JP2023184004A (ja) ポリエステル繊維
JPH0670303B2 (ja) 粗面化、制電性ポリエステル繊維およびその製造法
JPH11247024A (ja) 製糸性の改善されたポリエステル繊維及びその製造方法
JP2019157305A (ja) ポリエステル仮撚加工糸