JP3836234B2 - ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる繊維 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特定の構造の環状化合物を特定量含有せしめた、発色性に優れたポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物、それからなる繊維、及びその織編物に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルに代表されるテレフタル酸の低級アルコールエステルと、トリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)を重縮合させて得られるポリトリメチレンテレフタレートは、低弾性率(ソフトな風合い)、優れた弾性回復性、易染性といったポリアミドに類似した性質と、耐光性、熱セット性、寸法安定性、低吸水率といったポリエチレンテレフタレートに類似した性能を併せ持つ画期的なポリマーであり、その特徴を生かしてBCFカーペット、ブラシ、テニスガット等に応用されている(特開平9−3724号公報、特開平8−173244号公報、特開平5−262862号公報)。
【0003】
すなわち、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を用いると、耐光性、熱セット性等の性能が低いというポリアミド繊維の性質が改良されると同時に、低弾性率(ソフトな風合い)、優れた弾性回復性、易染性といったポリアミド類似の繊維を提供することが可能となるために、既存のポリアミド繊維を凌駕できる可能性が高い。
【0004】
ポリトリメチレンテレフタレートはポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートと同様の方法で重合することができる。すなわち、ポリトリメチレンテレフタレートの重合は、まず、下記式(2)で示されるエステル交換反応を常圧あるいは加圧下で加熱しながら行い、その後、下記式(3)で示される重縮合反応を減圧下で行うことにより達成ができる。これらの2種の反応には、チタンのアルコキサイド等の何らかの触媒を添加することが知られている。
【0005】
ROOCφCOOR + 2HO(CH2)3OH → HO(CH2)3OOCφCOO(CH2)3OH + 2ROH ・・・式(2)
HO(CH2)3OOCφCOO(CH2)3OH →ポリトリメチレンテレフタレート・・・式(3)
(式2、3中、 R: -Hまたは-CH3、φ: パラ結合するベンゼン環)
ポリトリメチレンテレフタレートの重合段階で種々の不純物が生成することはすでに知られている。
【0006】
白度に優れたポリマーを得る方法として、エステル交換反応触媒としてチタン触媒、重縮合触媒としてアンチモン触媒を用いることが提案されている(ケミカル ファイバー インターナショナル 第45巻 263〜264ページ 1996年)。この文献では副生成物の発生についても触れられており、ポリトリメチレンテレフタレートにはオリゴマーが1.6〜3.2%含有され、これらの不純物が紡糸工程や染色工程で問題になることが示されている。また、重合過程での廃ガスとして生成する揮発成分(ポリマーに含まれるものではない)については共に0.2〜0.3%のアリルアルコール、アクロレインの生成が報告されている。しかしながら、これらの不純物が製品に与える影響については全く問題認識されていない。
【0007】
また、紡糸工程で紡糸口金面やその付近に生成する白粉を少なくし、糸切れを抑制するために、常法で得たポリトリメチレンテレフタレートを減圧下、190〜200℃程度で固相重合を行い、極限粘度が0.9以上、b値(チップの黄色みの判断指標)が10以下、オリゴマー含有率が1重量%以下のポリトリメチレンテレフタレート樹脂を提案している(特開平8−311177号公報)。
【0008】
以上のように、これまでの公知情報ではポリトリメチレンテレフタレートに含まれるオリゴマーは紡糸工程、後加工工程で糸切れ要因となるために、低減させたい対象物質として考えられてきた。しかしながら、本発明者らはこれらの不純物の紡糸、繊維物性に与える影響を詳細に検討した結果、驚くべきことに不純物であるオリゴマーの中に含まれるトリメチレンテレフタレート環状ダイマーをその特定量を積極的に繊維中に含有させると、紡糸性、加工性を実質的に低下させることなく、発色性を大幅に向上できることを見いだした。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、発色性を向上させたポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物、及びそれからなる繊維を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはポリトリメチレンテレフタレートの重合、チップ化、乾燥、紡糸、後加工条件を詳細に検討した結果、特にポリマーの重合工程、乾燥工程を制御することで、紡糸性、後加工性を悪くすることなく、ポリトリメチレンテレフタレート繊維の染色性を向上できる可能性を見いだし、更に詳細に検討した結果、本発明に到達した。
【0011】
すなわち、本発明は、テレフタル酸を主たる酸成分とし、トリメチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステル樹脂組成物であって、水分率が10〜100ppmであり、トリメチレンテレフタレート環状ダイマーを1〜5wt%含有するポリエステル樹脂組成物を提供するものであり、また、テレフタル酸を主たる酸成分とし、トリメチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルから構成された繊維であって、トリメチレンテレフタレート環状ダイマーを1〜5wt%含有するポリエステル繊維を提供するものである。
【0012】
本発明のポリエステル繊維を構成する樹脂組成物は、テレフタル酸を主たる酸成分とし、トリメチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステル樹脂組成物である。そして該ポリエステルには、カチオン染料に対する染色性を付与させるために、5−ナトリウムスルホイソフタル酸や5−スルホイソフタル酸テトラブチルホスホニウム塩を、より低温での染色性を付与するために平均分子量400〜20000のポリアルキレングリコール、イソフタル酸、ブタンジオール、エチレングリコールを2〜10wt%共重合してもよい。
【0013】
また、必要に応じて、各種の添加剤、例えば、艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤などを共重合、または混合してもよい。
本発明のポリエステル繊維は、トリメチレンテレフタレート環状ダイマー(以下、CDと略記する)を1〜5wt%含有することが必要である。尚、CDとは、下記構造式(1)で示されるものである。
【0014】
【化1】
Figure 0003836234
(ここで、φはパラ結合するベンゼン環である。)
【0015】
本発明の最大の特徴は、上記CDが特定量含有されていることで優れた発色性を発現することである。この理由については明らかではないが、繊維の非晶部分に拡散したCDが非晶部をルーズにする結果、染料が入りやすい構造になることと、繊維の屈折率が低下するために同じ染料吸尽率でも発色性が向上しやすくなっていることがその原因であると推定される。CDの含有量が1wt%未満では発色性の向上効果が小さく、また5wt%を越えると製織、製編時に加工機に大量のCDが析出して製織性、製編性が悪くなる。発色性と製織性、製編性を満足する観点から好ましいCDの含有量は2〜4wt%、更に好ましくは2.5〜3.5wt%の範囲である。
【0016】
ポリトリメチレンテレフタレートを定法で重縮合すると、CD以外に、線状ダイマー、環状、線状のトリマー、テトラマー等のオリゴマーも生成する場合があるが、もちろんこれらが本発明のポリエステル繊維に含まれていてもよい。これらの総量としては、0.001〜3wt%程度であるが、紡糸性の向上の観点からはできるだけ少ない方がよい。
【0017】
本発明のポリエステル繊維の極限粘度[η]は0.4〜2.0、好ましくは0.5〜1.5、更に好ましくは0.6〜1.2の範囲である。この範囲で、強度、紡糸性に優れた繊維を得ることができる。極限粘度が0.4未満の場合は、ポリマーの溶融粘度が低すぎるため紡糸が不安定となり、得られる繊維の強度も低く満足できるものではない。逆に極限粘度が2.0を越える場合は、溶融粘度が高すぎるために紡糸時にメルトフラクチャーや紡糸不良が生じる。
【0018】
本発明のCDを特定量含有したポリトリメチレンテレフタレートを製造する方法としては、チップにCDをまぶす方法、粉状にしたポリマーにCDをまぶす方法、一度ポリマーをo−クロロフェノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、トリフルオロ酢酸等の溶剤に溶かしてからCDを加え溶剤を留去する方法等、特に制限はないが、より簡便に低コストで行うことができる、もっとも好ましい方法を以下に述べる。
【0019】
CDはポリトリメチレンテレフタレートを重合する段階で自然に生成し得られたポリマー内に2〜4wt%程度含まれるのでそのまま使用すればよいのであるが、重合、紡糸、後加工を極めて限られた特定の条件で行わないと本発明で規定する含有量を規制できないことが本発明者らの検討で判明した。なぜならば、CDは極めて昇華性、溶解性が高く、熱を付与する、低圧にさらす、溶剤にさらすといった操作で容易に繊維から抜け出すといった問題があるからである。従って、本発明の繊維の製造においては、湿式紡糸、乾式紡糸といった溶剤を使用する方法は溶剤を用いるために使用できず、溶融紡糸を適用する必要がある。
【0020】
ところが、溶融紡糸においては、高温及び/又は低圧(真空)下で行う乾燥工程を経るために、この段階でCDが昇華して大きく減少してしまい、CDを本発明で規定した含有量を下回る場合がある。ところが、詳細な検討の結果、特に、ポリマーの重合工程、その後の乾燥工程を特定の条件で行うことでポリトリメチレンテレフタレート中のCDの含有量を本発明で規定した範囲に納めることに成功した。
【0021】
まず、好ましいポリマーの重合方法について述べる。
【0022】
テレフタル酸、またはテレフタル酸ジメチルとトリメチレングリコールを原料とし、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシド、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、酢酸マンガンといった金属塩の1種あるいは2種以上を0.03〜0.3wt%加え、常圧下あるいは加圧下で200〜240℃の条件下、エステル交換率90〜98%でビスヒドロキシプロピルテレフタレートを得、次に、チタンテトライソプロピキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモンといった触媒の1種あるいは2種以上を0.03〜0.15wt%、好ましくは0.03〜0.1wt%添加し、250〜290℃、減圧下で重縮合反応させる。
【0023】
重合温度はできるだけ下げた方がCDのポリマーへの含有量を高められる点で好ましいが、250℃未満では重合速度が遅すぎて繊維に必要な重合度になる前にポリマーが熱劣化するので適用できない。また、290℃を越える温度では分解のための黄変が生じる。好ましくは250〜270℃の範囲である。重合の任意の段階で、好ましくは重縮合反応の前に安定剤を添加することが白度の向上、ポリトリメチレンテレフタレートオリゴマーやアクロレイン、アリルアルコールといった分子量が300以下の有機物の生成を制御できる観点で好ましい。
【0024】
この場合の安定剤としては、5価および/または3価のリン化合物やヒンダードフェノール系化合物が好ましい。
5価または/および3価のリン化合物としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、リン酸、亜リン酸等が挙げられ、特に、トリメチルホスファイトが好ましい。
【0025】
ヒンダードフェノール系化合物とは、フェノール系水酸基の隣接位置に立体障害を有する置換基を持つフェノール系誘導体であり、分子内に1個以上のエステル結合を有する化合物である。具体的には、ペンタエリスリトール−テトラキス[3(3,5−ジ−tertブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンゼン)イソフタル酸、トリエチルグリコール−ビス[3(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレン−ビス[3(3,5−ジ−tertブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を例示しうる。中でもペンタエリスリトール−テトラキス[3(3,5−ジ−tertブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。
【0026】
次に、上述の方法で得られたポリマーの好ましい乾燥条件について述べる。
溶融紡糸を行う前にはポリマーの乾燥が必要である。ポリマーに含まれる水分量が100ppmを越えるとポリマーが紡糸段階で加水分解を受け重合度が低下し、強度の大幅な低下が起こる。そこで、重合で得られたポリマーを加熱して水分を10〜100ppm、好ましくは10〜50ppmの範囲になるように加熱乾燥する。加熱方法としては、空気中で乾燥する場合は140〜170℃、窒素中で乾燥する場合は140〜220℃で行う。CDは極めて昇華しやすいために、100℃以上の雰囲気でポリマー表面から容易に昇華するが、密閉に近い状態で乾燥すると実質問題になる程度のCDは失われない。
【0027】
そこで、雰囲気ガスを連続的に流すのではなく、できる限り密閉系で乾燥することが好ましい。この場合、雰囲気ガスに取り込まれた水分は、モレキュラーシーブス等の乾燥剤を通して取り除き、該雰囲気ガスを再循環させることが好ましい。また、必要に応じて乾燥されるポリマーは撹拌羽根等を用いて撹拌することが好ましい。尚、ここで大切なことは乾燥を真空下で行なわないことである。真空下で乾燥するとCDの昇華が促進されポリマー中のCD量が減少する他、大量に昇華したCDが乾燥機内壁で再結晶化(結晶形態は針状で、長軸の大きさは2〜3mmから、長い物は10mmを越える)し、装置の振動でポリマー中に落下し混ざって紡糸安定性、CD混入率のむらを生じることになる。
【0028】
乾燥温度が140℃未満では乾燥速度が遅くなるため、長時間乾燥する必要があり、CDが昇華する量が多くなる。また、空気中で170℃以上で乾燥すると着色が起こる。窒素中では220℃を越えるとチップが接着し、団子状になる。好ましい温度は空気中では140〜160℃、窒素中では140〜170℃である。乾燥時間は温度、乾燥機によって変わるが、通常1〜24時間であり特に制限はない。尚、乾燥時間はどのチップについても±30分の範囲で同じ時間乾燥させる必要がある。紡糸は通常連続的に何日も行われるが、乾燥時間がチップによってばらつくと、CDの含有量にばらつきが生じ、紡糸した日によって糸の発色性が異なることになる。尚、CDの含有量は乾燥時間、温度を変化させると、所望する含有量に設定することが可能となる。
【0029】
以上述べてきた重合工程、乾燥工程を経ることによって、CDを特定量に規定した本発明のポリエステル繊維の原料となるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物を得ることができる。
本発明のポリエステル繊維はマルチフィラメント、モノフィラメント等の長繊維または短繊維のいずれであってよい。本発明のポリエステル繊維の繊度としては特に制限はないが、0.01〜3000dの範囲である。また、断面形状は丸型、三角型、扁平、星形等制限はなく、中実繊維であっても、中空繊維であってもよい。
また、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布などの不織布であってもよい。
【0030】
溶融紡糸を例にして本発明のポリエステル繊維の製法を説明する。
本発明のポリエステル繊維がフィラメントである場合は、紡口より押出した溶融マルチフィラメントを保温領域を通過させた後、冷却して固体マルチフィラメントとした後に巻き取り、次いで延伸を行うことにより得ることができる。ここで巻き取った後に延伸を行うとは、紡糸を行った後にボビン等に巻き取り、この糸を別の装置を用いて延伸する、いわゆる通常法や、紡口より押し出されたポリマーが完全に冷却固化した後、一定の速度で回転している第一ロールに数回以上巻き付けられることにより、ロール前後での張力が全く伝わらないようにし、第一ロールと第一ロールの次に設置してある第二ロールとの間で延伸を行うような、紡糸−延撚工程を直結したいわゆる直延法をいう。
【0031】
本発明においてポリエステル樹脂組成物を溶融紡糸する際の紡糸温度は230〜320℃、好ましくは235〜300℃、更に好ましくは240〜280℃の範囲が適当である。紡糸温度が230℃未満では、温度が低過ぎて安定した溶融状態になり難く、得られた繊維の斑が大きくなり、また、満足し得る強度、伸度を示さなくなる。また、紡糸温度が320℃を越えると熱分解が激しくなり、得られた糸は着色し、また満足し得る強度、伸度を示さなくなる。
【0032】
紡口直下の保温領域は、30〜200℃の雰囲気温度に保持した長さ2〜80cmの保温領域であることが好ましい。保温領域を用いることで昇華したCDが紡口周りで析出することが阻止でき、紡糸性を向上させることが可能となる。好ましい温度は50〜150℃、好ましい長さは5〜30cmである。
糸の巻き取り速度については、特に制限はないが、通常3500m/min以下、好ましくは1000〜3000m/minで巻き取る。巻取速度が3500m/minを越えると、巻き取る前に結晶化が進み過ぎ、延伸行程で延伸倍率を上げることができないために分子を配向させることができず、十分な糸強度や弾性回復率を得ることができなかったり、捲き締まりが起こり、ボビン等が巻取機より抜けなくなってしまったりする。
【0033】
延伸時の延伸倍率は2〜4倍、好ましくは2.2〜3.7倍、更に好ましくは、2.5〜3.5倍がよい。延伸倍率が2倍以下では、延伸により十分にポリマーを配向させることができず、得られた糸の強度が低いものとなってしまう。また4倍以上では糸切れが激しく、安定して延伸を行うことができない。
延伸の際の温度は延伸ゾーンでは30〜80℃、好ましくは35〜70℃、更に好ましくは40℃〜65℃の範囲である。延伸ゾーンの温度が30℃未満では延伸の際に糸切れが多発し、連続して繊維を得ることができない。また80℃を越えると延伸ロールなどの加熱ゾーン対する繊維の滑り性が悪化するため単糸切れが多発し、毛羽だらけの糸になってしまう。
【0034】
また、延伸直後に熱処理を行う必要がある。この熱処理は90〜200℃であり、好ましくは100〜190℃、更に好ましくは110〜190℃の範囲で行う。熱処理温度が90℃未満では繊維の結晶化が十分に起こらず、耐久性が悪化する。また、200℃より高い温度では繊維が熱処理ゾーンで切れてしまい延伸することができない。また、熱処理温度が160〜200℃であっても弛緩状態では毛羽や糸切れが生じる。
【0035】
こうして得られるポリエステル繊維の物性としては特に制限されないが、例示するならば、強度3.5g/d以上、伸度20〜50%、弾性率Q(g/d)と20%伸長時の弾性回復率R(%)の関係が下記式(1)を満足する。
0.20≦Q/R≦0.45 ・・・式(1)
Q/R>0.45では弾性率が高すぎるために、ソフトな風合いが得られないか、あるいは弾性回復性が不足し、一度応力が加わって変形した繊維は元に戻らなくなってしまい、形態安定性の悪い布帛しか得ることができなかったりする。逆に、Q/R<0.20となる領域は実質存在しないため、本発明においては、0.20をQ/Rの下限界としている。式(1)の範囲となり得る具体的な弾性率は通常25〜40g/d、弾性回復率は80〜99%である。
【0036】
こうして得られたポリエステル繊維は、従来公知の方法を用いて、単独あるいは、再生セルロース繊維、ウール、絹、ポリウレタン繊維等の弾性繊維、アセテート繊維と混用されて製編織され、その後、精練、プレセット、染色、ファイナルセットを施し、樹脂加工等の後加工を施してもよい。他の繊維との混用方法としては、糸の段階で交撚、合糸。交絡したり、それぞれの繊維の交編織が挙げられる。得られる布帛の形態、混用方法については、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、交織織物、リバーシブル織物等の織物、トリコット、ラッセル等の編物などが挙げられる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、言うまでもなく本発明は実施例などにより何ら限定されるものでない。尚、実施例中の主な測定値は以下の方法で測定した。
(1)樹脂組成物の水分率
チップ1gを使用し、カールフィッシャー水分計(京都電子(株)製 MKC−210)を用いて公知の方法にて測定した。
【0038】
(2)極限粘度
この極限粘度[η]は次の定義式に基づいて求められる値である。
【数1】
Figure 0003836234
定義式中、ηrは純度98%以上のo−クロロフェノールで溶解したポリエステルポリマーの希釈溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶剤自体の粘度で割った値であり、相対粘度と定義されているものである。また、Cは上記溶液100ml中のグラム単位による溶質重量値である。
【0039】
(3)CDの定量
ポリエステル繊維を、ソックスレー抽出器を用いて、クロロホルムで50時間抽出し、得られた残査からCDを高速液体クロマトグラフィーを用い定量した。CDの含有量は用いた繊維試料に対するCDの重量%で示した。
(4)弾性回復率
弾性回復性は、下記の方法で得られる弾性回復率として求めた。
繊維をチャック間距離20cmで引っ張り試験機に取り付け、伸長率20%まで引っ張り速度20cm/minで伸長し1分間放置する。この後、再び同じ速度で元の長さまでもどし(L)、この時応力がかかっている状態でのチャックの移動距離(残留伸び:L’)を読みとり、以下の式に従って求めた。
弾性回復率=(L−L’)/L×100
【0040】
(参考例1)
テレフタル酸ジメチルと1,3−プロパンジオール1:2のモル比で仕込み、理論ポリマー量の0.1wt%に相当するチタンテトラブトキシドを加え、徐々に昇温し240℃でエステル交換反応を完結させた。得られたエステル交換反応物に、更にチタンテトラブトキシドを理論ポリマー量の0.1wt%添加し、250℃で3時間重縮合反応させた。得られたポリマーの極限粘度は0.8であった。
【0041】
得られたポリマー0.3gをヘキサフルオロイソプロパノール5mlに溶解させた後、クロロホルム10mlとアクリロニトリル100mlの混合溶剤に投入し、析出したポリマーを濾別した後、母液を高速液体クロマトグラフィーで分析しCDの含有量を求めたところ、2.6wt%であった。
CDを得るために、下記実施例1のポリマーをオートクレーブに仕込み、260℃の溶融状態で0.1torrの減圧下、10時間処理した。オートクレーブの蓋の内側に析出した針状結晶を集め、キシレンを用いて繰り返し再結晶した。こうして得られたCDは純度99%以上であった。
【0042】
(実施例1)
参考例1で得たポリマーを窒素雰囲気下、160℃で3時間、循環式乾燥機を用いて、水分率50ppmまで乾燥を行った。得られた乾燥ポリマーに細かく砕いたCDを2wt%相当量をまぶし、押出機に投入し270℃で押し出し、100℃、5cmの保温領域を通過後、1600m/minで巻き取った。得られた未延伸糸をホットプレート55℃、ホットプレート140℃を通しながら、2.7倍延伸した。得られた繊維はCDを4.2wt%含有しており、物性は、強度4.0g/d、伸度27%、弾性率21g/d、弾性回復率88%、Q/Rが0.24であった。
得られた繊維の一口編地をスミカロンブルーR−3RF(分散染料、住友化学製:商品名)を5.8%owf用いて、分散剤としてニッカサンソルト7000(日華化学製:商品名)存在下、pH5.6で110℃、60分染色を行った。染料の吸尽率は92%と良好であり、得られた編地は濃色に染まっていた。
【0043】
(比較例1)
実施例1で得た繊維からクロロホルムを用いて、CD含有率が0.2wt%になるまでCDを抽出した。実施例1と同様に染色を行ったところ、吸尽率は45%であり、淡色にしか染まっていなかった。
【0044】
(実施例2)
参考例1で得たポリマーを窒素雰囲気下、160℃で3時間、循環式乾燥機を用いて、水分率50ppmまで乾燥を行った。押出機に投入し270℃で押し出し、100℃、5cmの保温領域を通過後、1600m/minで巻き取った。得られた未延伸糸をホットプレート55℃、ホットプレート140℃を通しながら、2.7倍延伸した。得られた繊維はCDを2.0wt%含有しており、物性は、強度4.0g/d、伸度25%、弾性率23g/d、弾性回復率87%、Q/Rが0.26であった。実施例1と同様の染色を行ったところ、吸尽率は85%であった。
【0045】
(比較例2)
参考例1のポリマーを減圧下、160℃で8時間乾燥させた。
実施例1と同様に紡糸し、染色を行ったところ、CDの含有率は0.4wt%であり、吸尽率は57%と低いものであった。
【0046】
(実施例3)
参考例1で得たポリマーを空気雰囲気下、160℃で8時間、循環式乾燥機を用いて、水分率40ppmまで乾燥を行った。押出機に投入し270℃で押し出し、100℃、5cmの保温領域を通過後、1600m/minで巻き取った。得られた未延伸糸をホットプレート55℃、ホットプレート140℃を通しながら、2.7倍延伸した。得られた繊維はCDを1.3wt%含有しており、物性は、強度4.0g/d、伸度25%、弾性率23%、弾性回復率87%、Q/Rが0.26であった。実施例1と同様の染色を行ったところ、吸尽率は75%であり、十分に濃色であった。
【0047】
(実施例4〜9)
参考例1において、反応の初期に表1のコモノマーを共重合し、実施例2に準じて紡糸、染色を行った。これらのポリエステル繊維はいずれも良好な染色性を示した。
【0048】
【表1】
Figure 0003836234
【0049】
(比較例3)
実施例3のポリマーを減圧下、160℃で8時間乾燥させた。
実施例1と同様に紡糸し、染色を行ったところ、CDの含有率は0.3wt%であり、吸尽率は48%と低いものであった。
【0050】
(実施例10)
実施例2で得た75d/36fのポリエステル繊維を経糸に用い、緯糸に75d/44fの銅アンモニアレーヨンを用いて、平織物を作成した。この平織物を常法により精錬、マーセル化した。マーセル化加工は常温下、75%の水酸化ナトリウム水溶液に浸して行った。中和、水洗、180℃、30秒のプレセット後、キャリヤーを用いずに、分散染料と、反応染料による一段一浴染色を行った。分散染料としては、カヤロンポリエステルブルーBRSF(日本化薬社製:商品名)、反応染料としては、ドリマレンブルーX−SGN(サンド社製:商品名)を用いた。分散剤はディスパーTL(明成化学社製:商品名)を1g/l使用し、硫酸ナトリウム50g/lと炭酸ナトリウム15g/lを加え、pHを11に調整した水溶液に染料を加えて染液とした。濃度2%owf、浴比1:50で100℃、1時間染色を行った。染色後、グランアップP(三洋化成社製:商品名)1g/l、浴比1:50で80℃、10分間ソーピングした。染色後、常法により仕上げを行った。
得られた染色物は均一かつ濃色に染色されており、風合いもソフトで良好であった。
比較のために、比較例1で得た繊維を用いて同様の検討を行ったところ、得られた布帛は淡色にしか染まっていないものであった。
【0051】
(実施例11)
実施例3のポリエステル繊維と210デニールのポリウレタン系ストレッチ繊維ロイカ(旭化成工業製:商品名)を用いて経編地を作成した。この場合、ゲージは28G、ループ長は、ポリエステル繊維が1080mm/480コース、ストレッチ繊維が、112mm/480コースとし、打ち込み密度を90コース/インチとした。また、ポリエステル繊維の混率は75.5%に設定した。
【0052】
得られた生機を90℃、2分間リラックス精錬し、160℃、1分間乾熱セットした。カヤクリルブラックBSED(カチオン染料、日本化薬製:商品名)を8%owf、硫酸ナトリウム3g/リットル存在下、酢酸でpHを4に調整して、浴比1:30で100℃、60分間染色を行った。
得られた布帛の黒色明度L値は10.9であり、濃色に染まっていた。
比較のために、比較例3の得た繊維を用いて同様の検討を行ったところ、得られた布帛の黒色明度L値は14.1と悪く、高級感に欠けるものであった。
【0053】
【発明の効果】
本発明のポリエステル繊維は、発色性に優れると同時にポリトリメチレンテレフタレート繊維が本来持っている、ソフトな風合い、優れた弾性回復性、易染性、耐光性、熱セット性、寸法安定性、低吸水率といった特性を持つ画期的な繊維である。従って、特にインナー、アウター、裏地、スポーツ、レッグ向け用途に有用である。

Claims (4)

  1. テレフタル酸を主たる酸成分とし、トリメチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステル樹脂組成物であって、水分率が10〜100ppmであるポリエステル樹脂組成物から構成された繊維であって、トリメチレンテレフタレート環状ダイマーを1〜5wt%含有し、かつ強度3.5g/d以上、伸度20〜50%、弾性率Q(g/d)と20%伸長時の弾性回復率R(%)の関係が下記式(1)を満足するポリエステル繊維。
    0.20≦Q/R≦0.45 ・・・式(1)
  2. 5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸テトラブチルホスホニウム塩、平均分子量400〜20000のポリアルキレングリコール、イソフタル酸、ブタンジオール、エチレングリコールから選ばれた少なくとも1種を2〜10wt%共重合したことを特徴とする請求項記載のポリエステル繊維。
  3. 請求項1又は2に記載の繊維を一部或いは全部に使用した織編物。
  4. 分散染料或いはカチオン染料で染色された請求項3に記載の織編物の染色物。
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