JP3751138B2 - 制電性ポリエステル繊維及びそれを用いた裏地 - Google Patents

制電性ポリエステル繊維及びそれを用いた裏地 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制電性ポリエステル繊維及びそれを用いたポリエステル裏地に関するものである。更に詳しくは、ナイロン繊維とポリエステル繊維の両方の特徴を兼ね備えた、低弾性率、高弾性回復性、熱セット性、耐光性に優れ、しかも少なくとも110℃で染色できる低温可染性と制電性を兼ね備えたポリエステル繊維及びそれを用いたポリエステル裏地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ナイロン繊維は、低弾性率、高弾性回復性、制電性、低温可染性を利用して広く衣料分野や資材分野に用いられている。
衣料分野においては、制電性があり弾性率が低いという特性を生かしてソフト感の要求が強い婦人用インナーやパンスト分野で、例えば、ポリウレタン繊維に代表されるストレッチ繊維と混用して幅広く用いられている。また、資材分野においては、ナイロン繊維は、弾性回復性や折り曲げや摩擦に対する耐性が優れていることから、カーペット、漁網、帆布等に用いられている。
【0003】
更に、後加工特性という製造上の問題に関しては、ナイロン繊維は低温可染性であるために、例えば、ナイロン繊維とセルロース繊維との混用においては、セルロース繊維の染色に耐熱性の低い反応染料を用い、酸性染料と組み合わせて、常圧一段一浴染色を行うことができる。また、ウール、絹、ポリウレタン繊維、アセテート繊維のような110℃を越える染色温度では熱劣化を受けやすい繊維との混用において、これらを痛めずに染色が可能であるという優れた加工特性を有する。
【0004】
このように、ナイロン繊維は、低弾性率、高弾性回復性、制電性、低温可染性という特徴を生かして、合繊の中で大きな市場を有しているにもかかわらず、次に示す重大な問題点も有している。すなわち、ナイロン繊維は熱セット性が悪く、例えば、ストレッチ繊維と混用したトリコットやラッセル等の編物は長期使用すると、いわゆる「笑い」という組織ずれを起こしやすいために、寸法安定性、形態安定性に乏しい布帛となる。また、耐光性が悪いために、長期間使用したり、日光に当てすぎると、黄変し易いという問題も存在する。
【0005】
これに対し、ポリエチレンテレフタレート繊維に代表されるポリエステル繊維は、熱セット性、耐候性には優れるものの、弾性率が高く風合いが堅くなったり、弾性回復性に乏しかったり、また高温での染色が必要であるといった、ナイロン繊維とは逆の性能を有する。また、制電性がないためにポリエステル繊維単独で使用した場合や、制電性のあるセルロール繊維との混用布帛でもセルロース繊維の混用比率が低い時には、帯電を起こしてしまい、特に冬期に見られるぱちぱちという放電音や放電の際の痛み、身体へのまとわりつきなど不快感を与えてしまう。
【0006】
仮にナイロン繊維とポリエステル繊維の両方の特徴を兼ね備えた、低弾性率、高弾性回復性、制電性、低温可染性、熱セット性、耐光性に優れた繊維が提供されれば、ナイロン繊維の上記問題は解決でき、ソフトな風合いを有する熱セット性、制電性に優れた布帛を提供できるものの、これまでこのような繊維は知られていない。
分散染料に対しての染色性が良好で、弾性率が低く、弾性回復性に優れた繊維としては、例えば、特開昭52−5320号公報に開示されているポリトリメチレンテレフタレート繊維が挙げられる。ここに開示されている繊維は、ナイロン並の低弾性率で弾性回復性も優れているが、ポリエチレンテレフタレート繊維同様に制電性は有していない。
【0007】
制電性ポリエチレンテレフタレート繊維としては、ポリアルキレングリコールとアルキルベンゼンスルホン酸ソーダとを混用し混入せしめる方法(特公昭47−11280号公報)、ポリアルキレングリコールとアルキルスルホン酸ソーダとを混用し混入せしめる方法(特開昭53−149246号公報)が知られている。しかしながら、こうして得られる繊維は低弾性率、高弾性回復性、低温可染性といった性質は持っていない。
【0008】
更に、ポリアルキレングリコール以外の制電剤を用いる方法としては、ブロックアルキレンエーテルアミドを制電剤として用いたポリエステル繊維(例えば、特公昭44−16178号公報、特公昭46−7213号公報、特開昭61−28016号公報)、ブロックアルキレンエーテルアミドやブロックポリアルキレンエーテルエステルをポリエステル中に分散させる技術(例えば、特公昭48−10380号公報、特開昭50−107206号公報)等が知られているが、いずれもナイロン並みに弾性率が低く、弾性回復率の優れた繊維を得ることはできない。また低温での染色性も十分ではない。
【0009】
また、ポリエステルエラストマーを得る目的でポリブチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレートにポリオキシアルキレングリコールを共重合させる方法がすでに知られている(例えば特開昭52−6796号公報)。しかしながら、この発明では具体的な繊維化方法やトリメチレングリコールを用いたポリマーについては全く記載されていない。更に、エラストマーを目的としているために、ポリアルキレングリコールの分子量、共重合割合、存在形態が適切でなく制電性をほとんど示さないばかりか、繊維化しても強度、耐光堅牢性、ドライクリーニング堅牢性が低かったり、紡糸性が十分でなく収率が低下したり、細デニール化が難しいために用途が著しく限定されたりする。
【0010】
以上のように、従来の公知技術の範囲では、ナイロン繊維とポリエステル繊維の両方の特徴を兼ね備えた、低弾性率、高弾性回復性、制電性、低温可染性、熱セット性、耐光性に優れた繊維は知られていない。
ー方、ポリエチレンテレフタレート繊維に代表されるポリエステル系繊維を用いた裏地は、形態安定性、熱セット性、洗濯耐久性、酎薬品性、機械的強度に優れ安価であるため、紳士婦人を問わず幅広く使用されている。
しかし、近年、洋服に使用される表地は、衣服の着心地シルエットを重視するファッション動向の影響で、ソフトでしなやかな生地が主流になってきており、裏地についても着心地、シルエットを損なわないソフトでしなやかな商品が求められ、商品化されてきている。
【0011】
高弾性率を有するポリエチレンテレフタレート繊維からなる織物をソフトでしなやかな裏地とする手段として、染色仕上げ加工時に高温度の苛性ソーダ溶液を用いて繊維を滅量加工する方法が採られているが、加工工程の追加によるコストアップにつながり高価な商品となってしまうという問題がある。
−方、低弾性率を有するナイロン繊維からなる裏地は、ソフトでしなやかな裏地となるが、洋服を縫製した後、縫い代を割ったり折り目を付けたり、縫製時の取り扱い時に発生した皺を伸ばしたりする時の仕上げアイロンによる熱セット性が悪いことや、融点が低い為、何枚も重ねてパーツを裁断する時に融着してしまうという取り扱い性の問題があり、汎用の裏地としては使用されなくなってきている。
つまり、ソフトでしなやかさを有した安価な裏地が市場で求められており、且つ着用時にストッキングやシャツとの摩擦により発生する静電気による裏地のまとわりつきが起こらず、静電気発生に起因するホコリの付着やシャツの黒ずみを防止できる裏地が求められている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ナイロン繊維とポリエステル繊維との両方の特徴を兼ね備えた、低弾性率、高弾性回復性、制電性、低温可染性、熱セット性、耐光性に優れた繊維及びそれを用いて、ソフトでしなやかな風合いを有し、かつ優れた制電性を持った安価な裏地を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、ポリトリメチレンテレフタレートに、特定の制電剤を混入せしめ、しかもその紡糸条件を細部にいたるまで検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の第一は、実質的にポリトリメチレンテレフタレートから構成され、該ポリトリメチレンテレフタレートを構成する酸成分に対し、(a)平均分子量4000〜500000のポリエチレングリコール、(b)構造式(x)で表される化合物、(c)構造式(y)で表される化合物を含有し、その含有率が下記式(1)〜(3)を満足するように配合してなるポリエステル繊維であって、損失正接のピーク温度が85℃から115℃であり、かつ該繊維の弾性率Q(g/d)と弾性回復率R(%)の関係が下記式(4)を満足することを特徴とする制電性ポリエステル繊維である。
【0014】
0.5重量%≦(a)の含有量≦5重量% ・・・(1)
1.5重量%≦(b)と(c)の含有量の合計≦5重量%・・・(2)
(b)の含有量≦1重量% ・・・(3)
0.18≦Q/R≦0.35 ・・・(4)
【0015】
【化2】
Figure 0003751138
(ここで、R、R’は炭素数8〜20のアルキル基であり、M、M’はアルカリ金属である。)
本発明の第二は、経糸及び/又は緯糸が請求項1に記載した制電性ポリエステル織維で構成された織物であって、JIS−L−1094、B法による摩擦帯電圧が2000V以下であることを特徴とするポリエステル裏地である。
【0016】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステル繊維を構成するポリマーは、実質的にテレフタル酸と1、3−プロパンジオールを重縮合せしめて得られるポリトリメチレンテレフタレートである。本発明において実質的にとは、ポリトリメチレンテレフタレートホモポリマーであっても以下に示すポリトリメチレンテレフタレートコポリマーであってもよいことを示す。すなわち、本発明の効果を損なわない範囲で、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸テトラブチルホスホニウム塩等の酸成分や、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のグリコール成分、ε−カプロラクトン、4−ヒドロキシ安息香酸、ポリオキシエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の1種もしくはそれ以上が10wt%未満共重合されていてもよい。
【0017】
また、必要に応じて、各種の添加剤、例えば、艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤などを共重合、または混合してもよい。
本発明に用いるポリマーの極限粘度[η]は0.4〜1.5が好ましく、更に好ましくは0.7〜1.2の範囲である。この範囲で、強度、紡糸性に優れた繊維を得ることができる。極限粘度が0.4未満の場合は、ポリマーの分子量が低すぎるため強度発現が困難となる。逆に極限粘度が1.5を越える場合は、溶融粘度が高すぎるために紡糸時にメルトフラクチャーや紡糸不良が生じるので好ましくはない。
【0018】
本発明で使用するポリエチレングリコールの平均分子量は、4000〜500000であり、更には10000〜30000の範囲が好ましい。平均分子量が4000未満のものは制電性が不十分となり、500000を超えるものは繊維の着色、紡糸性の低下が起こる。ポリトリメチレンテレフタレートを構成する酸成分に対しポリエチレングリコールの含有率は0.5〜5重量%であり、2〜4.5重量%が好ましい。0.5重量%未満では制電性が発現されず、5重量%を越えると、強度、堅牢性、耐光性の低下が起こる。
【0019】
本発明で使用する構造式(x)、(y)で表される化合物は制電性を向上させるためには不可欠な物質である。これらの化合物において、R、R’は炭素数8〜20のアルキル基であり、M、M’はアルカリ金属である。R、R’は同じあっても、異なったものであってもよく、直鎖状であっても枝分かれがあってもよい。炭素数が8よりも小さい場合は、洗濯などで繊維から抜け出しやすくなる欠点を有する。また、炭素数が20を越えるものは高価であり工業的な観点から入手が困難となる他、染色時に流れ出したものによって泡が立ちやすくなる欠点を有する。また、M、M’は同じあっても、異なったものであってもよく、例示するならば、Li、Na、K等が挙げられる。ポリトリメチレンテレフタレートを構成する酸成分に対し構造式(x)で表される化合物と構造式(y)で表される化合物の含有量の合計は1.5〜5重量%であり、2〜4.5重量%が好ましい。1.5重量%未満では制電性が低く、5重量%を越えると、染色時に泡が発生し染色斑を引き起こす他、紡糸性、強度の低下が起こる。
【0020】
ここで、制電性を高めるために、構造式(y)で表される化合物はポリトリメチレンテレフタレートを構成する酸成分に対し1重量%以下(0〜1重量%)含有させることが好ましい。もちろん、不含でも問題はないが、0.5〜1重量%用いることにより制電性が一層高まる。1重量%を越えると、着色が激しくなる他、パック圧の上昇速度が速くなり紡糸性が低下する。
【0021】
これら制電剤(ポリエチレングリコール、構造式(x)、(y)で表される化合物)の繊維中における分散状態について説明する。
本発明の制電性ポリエステル繊維は、いわゆる制電剤を繊維の芯に含んだ鞘芯構造はとらず、制電剤は、繊維中に、繊維の表面から内部まで均一に分布している。但し、ミクロ的に片寄って分布していることは差し支えない。中でもポリエチレングリコールは、繊維軸方向に配向してすじ状に分布する場合もある。
【0022】
本発明に用いるポリトリメチレンテレフタレートの製法として、公知の方法をそのまま用いることができる。すなわち、テレフタル酸、またはテレフタル酸ジメチルとトリメチレングリコールを原料とし、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシド、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、酢酸マンガンといった金属塩の1種あるいは2種以上を0.03〜0.1wt%加え、常圧下あるいは加圧下でエステル交換率90〜98%でビスヒドロキシプロピルテレフタレートを得、次に、チタンテトライソプロピキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモンといった触媒の1種あるいは2種以上を0.03〜0.15wt%、好ましくは0.03〜0.1wt%添加し、250〜270℃で減圧下で重縮合反応させる。重合の任意の段階で、好ましくは重縮合反応の前に安定剤を入れることが白度の向上、ポリトリメチレンテレフタレートオリゴマーやアクロレイン、アリルアルコールといった分子量が300以下の有機物の生成を制御できる観点から好ましい。この場合の安定剤としては、5価または/および3価のリン化合物やヒンダードフェノール系化合物が好ましい。
【0023】
5価または/および3価のリン化合物としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、リン酸、亜リン酸等が挙げられ、特に、トリメチルホスファイトが好ましい。ヒンダードフェノール系化合物とは、フェノール系水酸基の隣接位置に立体障害を有する置換基を持つフェノール系誘導体であり、分子内に1個以上のエステル結合を有する化合物である。
【0024】
具体的には、ペンタエリスリトール−テトラキス[3(3,5−ジ−tertブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンゼン)イソフタル酸、トリエチルグリコール−ビス[3(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレン−ビス[3(3,5−ジ−tertブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などを例示し得る。中でもペンタエリスリトール−テトラキス[3(3,5−ジ−tertブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。
【0025】
ここで、ポリエチレングリコール、構造式(x)及び構造式(y)で表される化合物をポリトリメチレンテレフタレートに混合せしめる方法については、特に制限はなく、同時にあるいは別々に混合してよい。すなわち、ポリマーの重合段階、例えば、エステル交換反応の前、途中、終了後や重縮合反応の途中、終了後等に混合する方法が挙げられる。また、ポリトリメチレンテレフタレートの粉体、チップ等と本発明で用いる添加剤を押出機の中で混合してもよい。尚、ポリエチレングリコールについては混合の結果、ポリマーに共重合しても、あるいは単に分散していてもどちらでもよいが、洗濯に対する耐久性という観点からは共重合するのが好ましい。この場合、両末端の水酸基が反応していても、一方の水酸基のみが反応していてもよい。
【0026】
本発明の制電性ポリエステルでは、動的粘弾性測定から求められる損失正接のピーク温度(以下「Tmax」と略記する)が85〜115℃であることが必要である。これは、この範囲で少なくとも分散染料110℃可染性と堅牢性が確保できるからである。Tmaxは、非晶部分の分子密度に対応するので、この値が小さくなるほど非晶部分の分子密度が小さくなるために、染料が入るための空隙部分が大きくなり染料が入りやすくなり、吸尽率が高くなる。Tmaxが85℃未満では低い温度で分子が動きやすくなるため、熱セットに代表される通常の後加工、アイロンがけ等に代表される通常の使用の段階で物性、風合いが変化してしまうか、あるいは染色を行ったあとの布帛のドライクリーニング堅牢性が悪化してしまう。また、Tmaxが115℃を越えると染色性が低下し、110℃以下で分散染料にて濃色まで染色することができなくなってしまう。
【0027】
このようにTmaxは、繊維の構造因子であるために、同じ共重合組成を持つポリマーであっても、紡糸温度、紡糸速度、延伸倍率、熱処理温度等の紡糸条件によって異なる値を示すものである。これらの条件を変化させたときのTmaxの変化割合は、これらの条件とTmaxとの関係を調べながら検討する必要がある。本発明の場合には、115℃を越えると染色性改善効果が小さく、110℃可染性は示さなくなる。しかし、低ければよいというわけではなく、非晶部分が粗になりすぎるために、染料が入りやすくなるなると同時に抜けやすくなる欠点を持つ。すなわち、堅牢性、特に、ドライクリーニング堅牢性、湿摩擦堅牢性、洗濯堅牢性等が低下する。また、熱セット時の硬化による風合いの悪化、寸法安定性の低下等の問題が出てくる。
【0028】
また、本発明の制電性ポリエステル繊維の弾性率Q(g/d)と、20%伸長後、1分間放置後の弾性回復率R(%)とが式(4)を満足することが必要である。
0.18≦Q/R≦0.35 ・・・式(4)
Q/R>0.35では弾性率が高すぎるために本発明の目的とするナイロン並みのソフトな風合いが得られないか、あるいは弾性回復性が不足し、一度応力が加わって変形した繊維は元に戻らなくなってしまい、形態安定性の悪い布帛しか得ることができなかったりする。逆に、Q/R<0.18となる領域は実質存在しないため、本発明においては、0.18をQ/Rの下限界としている。式(4)の範囲となりうる具体的な弾性率は通常20〜40g/dの範囲であり、弾性回復率は70〜99%となる。
【0029】
本発明の制電性ポリエステル繊維を得る方法としては、紡口より押出した溶融マルチフィラメントを保温領域を通過させた後、冷却して固体マルチフィラメントとした後に巻き取り、次いで延伸を行うことにより得ることができる。ここで巻き取った後に延伸を行うとは、紡糸を行った後にボビン等に巻き取り、この糸を別の装置を用いて延伸する、いわゆる通常法や、紡口より押し出されたポリマーが完全に冷却固化した後、一定の速度で回転している第一ロールに数回以上巻き付けられることにより、ロール前後での張力が全く伝わらないようにし、第一ロールと第一ロールの次に設置してある第二ロールとの間で延伸を行うような、紡糸−延撚工程を直結したいわゆる直延法を指す。また、別の紡糸方法としては、紡口より押出した溶融マルチフィラメントを保温領域を通過させた後、少なくとも5500m/minで巻き取る方法が挙げられる。この方法は生産性の向上、延伸工程の省略と言った利点は有するものの、得られる繊維の強度が低くなるという欠点を有する。従って、本発明の制電性ポリエステル繊維を得る方法としては、上記の通常法または直延法が好ましい。
【0030】
以下、通常法を例に溶融紡糸の一例を示す。
紡糸温度は230〜320℃、好ましくは235〜300℃、更に好ましくは240〜280℃の範囲が適当である。紡糸温度が230℃未満では、温度が低過ぎて安定した溶融状態になり難く、得られた繊維の斑が大きくなり、また満足し得る強度、伸度を示さなくなる。また、紡糸温度が320℃を越えると熱分解が激しくなり、得られた糸は着色し、また満足し得る強度、伸度を示さなくなる。
紡口直下の保温領域は、30〜200℃の雰囲気温度に保持した長さ2〜80cmの保温領域であることが好ましい。保温領域を用いることで昇華した環状ダイマーが紡口周りで析出することが阻止でき、紡糸性を向上させることが可能となる。好ましい温度は50〜150℃、好ましい長さは5〜30cmである。
【0031】
糸の巻き取り速度については、特に制限はないが、通常3500m/min以下、好ましくは1000〜3000m/minで巻き取る。巻取速度が3500m/minを越えると、巻き取る前に結晶化が進み過ぎ、延伸行程で延伸倍率を上げることができないために分子を配向させることができず、十分な糸強度や弾性回復率を得ることができなかったり、捲き締まりが起こり、ボビン等が巻取機より抜けなくなってしまったりする。延伸時の延伸倍率は2〜4倍、好ましくは2.2〜3.7倍、更に好ましくは、2.5〜3.5倍がよい。延伸倍率が2倍以下では、延伸により十分にポリマーを配向させることができず、得られた糸の強度が低いものとなってしまう。また4倍以上では糸切れが激しく、安定して延伸を行うことができない。
【0032】
延伸の際の温度は延伸ゾーンでは30〜80℃、好ましくは35〜70℃、更に好ましくは40℃〜65℃が良い。延伸ゾーンの温度が30℃未満では延伸の際に糸切れが多発し、連続して繊維を得ることができない。また80℃を越えると延伸ロールなどの加熱ゾーン対する繊維の滑り性が悪化するため単糸切れが多発し、毛羽だらけの糸になってしまう。
また、延伸直後の熱処理(熱セット)を行う必要がある。この熱処理は90〜150℃であり、好ましくは100〜140℃で行うのがよい。熱処理温度が90℃未満では繊維の結晶化が十分に起こらず、物性が経時変化する。また、150℃より高い温度では毛羽が発生してしまう。用いるポリマーがポリエチレンテレフタレートの場合には、この熱処理は少なくとも160℃以上でないと物性が経時変化してしまう。しかしながら、本発明で用いる添加剤を混入させると、このような高温では着色が生じてしまう。一方、ポリトリメチレンテレフタレートを用いると、90〜150℃程度の低い温度でも熱セットが可能となるために、経時変化は起こらなくなる。
【0033】
続いて、本発明の裏地について詳細に説明する。
本発明のポリエステル裏地は、布帛中にポリトリメチレンテレフタレート繊維が含まれている裏地を意味しており、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を100%用いた裏地はもちろん、他にポリエチレンテレフタレート繊維やポリブチレンテレフタレート繊維等のポリエステル系繊維や銅アンモニア法レーヨン、ビスコース法レーヨン、ポリノジックレーヨン、アセテート等のセルロース繊維との交織裏地など何ら限定されるものではない。
【0034】
本発明のポリエステル裏地は、JIS−L−1094・B法(摩擦帯電圧測定法、20℃×40%RH環境下)による綿布との摩擦帯電圧が、2000V以下であるのが好ましく、更に好ましくは1000V以下である。
2000Vを超える摩擦帯電圧では、スカートに縫製して着用した場合20℃×40%RHの様な湿度環境下に於いては、裏地が足にまとわりつき不快感がある。
摩擦帯電圧は、低ければ低いほど好ましいが、1000V以下であれば、スカートにして着用した場合は、足にまとわりつく等の不快感は全くない。
【0035】
特に制電効果の面からは、経糸又は緯糸が再生セルロース繊維からなり、もう一方の経糸又は緯糸が本発明のポリトリメチレンテレフタレート繊維からなる糸を用いた裏地は、再生セルロース繊維の高い吸湿性と相まって優れた制電性を示し、その摩擦帯電圧は、300V以下となり好ましい。
本発明の裏地は、弾性率の小さいポリトリメチレンテレフタレート繊維より構成される為、減量加工を施さずとも風合いがソフトでしなやかな風合いとなり、ドライクリーニングや家庭洗濯を行っても摩擦帯電圧の低下がないという優れた制電効果を発揮するものである。
【0036】
本発明の裏地を構成する経糸及び緯糸の繊度は、30〜150デニール、好ましくは50〜120デニ一ルの範囲であり、単糸デニールでは0.5〜5デニ一ル、好ましくは1〜3デニールの範囲である。
本発明の裏地の組物組織は、何ら限定されるものではなく平組識、綾組織、朱子組織などが挙げられる、ソフトでしなやかな裏地とする為には平組織が好ましい。織物密度は、経糸繊度が50〜100デニールの場合は、100〜180本/吋、緯糸繊度が50〜120デニ一ルの場合は、60〜13本/吋の範囲が好ましいが、裏地を構成する繊維の種類及び使用服種に応じて決定すればよい。
本発明のポリエステル裏地の染色加工工程は、通常のポリエチレンテレフタレート繊維を用いた裏地の加工方法と何ら変わるものではなく、一般的な加工工程、連続精練糊抜き−中間プレセットー染色一仕上げセットという工程になる。
【0037】
仕上げセット時に機能性付与、例えば、撥水、吸水、防汚、防かび、消臭などの加工又は更なる風合い、制電牲の向上を目的に、制電、柔軟加工を施してもかまわない。再生セルロース繊維を経糸又は緯糸に用いた場合は、本発明のポリトリメテレンテレフタレート繊維を染色した後、再生セルロース繊維を染色したり、又ポリトリメテレンテレフタレート繊維と同浴で染色する方法を採用すればよい。
この場合、必要に応じて洗濯収縮率及び防皺性を向上させる目的で仕上げ加工時に再生セルロース繊維に対して樹脂加工を併用して実施しても良い。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、言うまでもなく本発明は実施例などにより何ら限定されるものでない。尚、実施例中の主な測定値は以下の方法で測定した。
(1)損失正接
オリエンテック(株)製レオバイブロンを用い、乾燥空気中、測定周波数110Hz、昇温速度5℃/分にて、各温度における損失正接(tanδ)、および動的弾性率を測定した。その結果から、損失正接−温度曲線を求め、この曲線上で損失正接のピーク温度であるTmax(℃)を求めた。。
【0039】
(2)ポリエステル系複合繊維の吸尽率、深色度(K/S)測定(染色性の評価)
試料はポリエステル系複合繊維の一口編地を用い、スコアロール400を2g/リットルで含む温水を用いて、70℃、20分間精練処理し、タンブラー乾燥機で乾燥させ、次いで、ピンテンターを用いて、180℃、30秒の熱セットを行ったものを使用した。吸尽率は、40℃から110℃に昇温後、更にそのまま1時間保持した後の吸尽率で評価した。染料は、カヤロンポリエステルブルー3RSF(日本化薬(株)製)を使用し、6%owf、浴比1:50で染色した。分散剤はニッカサンソルト7000(日華化学(株)製)を0.5g/リットル使用し、酢酸0.25mL/リットルと酢酸ナトリウム1g/リットルを加え、pHを5に調整した。
【0040】
吸尽率は、染料原液の吸光度A、染色後の染液の吸光度aを分光光度計から求め、以下の式に代入にて求めた。吸光度は当該染料の最大吸収波長である580nmでの値を採用した。
吸尽率=(A−a)/A×100 (%)
どの程度濃色に染まったかを表す深色度は、K/Sを用いて評価した。この値は、染色後のサンプル布の分光反射率Rを測定し、以下に示すクベルカ−ムンク(Kubelka−Munk)の式から求めた。この値が大きい程、深色効果が大きいこと、すなわち、よく発色されていることを示す。Rは、当該染料の最大吸収波長での値を採用した。
K/S=(1−R)2 /2R
【0041】
(3)染色堅牢性
ドライクリーニング堅牢性はJIS−L−0860に準じて行った。
(4)弾性回復率
弾性回復性は、下記の方法で得られる弾性回復率として求めた。
繊維をチャック間距離20cmで引っ張り試験機に取り付け、伸長率20%まで引っ張り速度20cm/minで伸長し1分間放置する。この後、再び同じ速度で元の長さ(L)までもどし、この時応力がかかっている状態でのチャックの移動距離(残留伸び:X’)を読みとり、以下の式に従って求めた。
弾性回復率=〔(X−X’)/X〕×100
(5)制電性
摩擦帯電圧は、JIS−L−1094のB法に従った。
【0042】
【実施例1】
テレフタル酸ジメチルと1,3−プロパンジオールをモル比1:2で仕込み、テレフタル酸ジメチルに対して、0.15重量%の割合でチタンテトラブトキシドを仕込んだ。240℃まで徐々に昇温し、メタノールを留去しながらエステル交換反応を完結させた。
その後、テレフタル酸ジメチルに対して、表1に示した重量%でポリエチレングリコール、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを添加し、更に先ほどと同量のチタンテトラブトキシドを添加して270℃で3時間、0.2torrの真空下、重縮合反応を行った。こうして極限粘度0.8のポリトリメチレンテレフタレートを得た。
【0043】
得られたポリマーを定法により乾燥後、紡糸温度285℃で紡糸し、100℃、10cmの保温領域を通過後、紡糸速度1600m/minで未延伸糸を一旦巻き取り、その後、ホットロール55℃、ホットプレート140℃で、延伸倍率2.5倍で延伸を行った。得られた繊維物性は表1に示した。
得られた繊維を、63℃、30時間でフェードメーター中で耐光テストしても黄変は認められなかった。得られた繊維の熱応力は4.5g/dと高い値を示した。
得られた繊維は低弾性率、高弾性回復性、低温可染性、熱セット性、耐光性に優れ、しかも制電性を兼ね備えたポリエステル繊維であった。
【0044】
又、得られた50d/36fの繊維を経糸に、75d/36fの繊維を緯糸に用いた経密度98本/吋×緯密度80本/吋の平織物を試料として、表2に記載した条件で連続精練機を用い、精練、水洗、中和、乾燥、プレセットを行った。続いて表3に記載した条件で染色後、表4に記載した条件で仕上げ加工を行い裏地製品とし、家庭用洗濯を5回行った後の摩擦帯電圧を測定した。
ここでいう家庭洗濯1回とほ、市販の自動反転渦巻き式電機洗濯機に2g/リットルのニュービーズ((株)花王製)を含んだ40℃±2℃の温水35リットルを入れ、試験布と増量布の合計重量が1000gとなるように調整した後、洗濯5分、脱水30秒、すすぎ2分、脱水30秒、すすぎ2分、脱水30砂という手順で行うことを意味する。尚、すすぎは、オーバーフローさせながら行う。
【0045】
同時に、婦人9号サイズのスカートを作成し裏地として上記製品をペチコートとして取り付け、20℃×40%の環境下で1分間歩行運動した後の、裏地の足へのまとわりつきを実着用により評価した。
5級:まとわりつき全くなし。
4級:ー部分足にまとわりつくが不快感なし。
3級:少しまとわりつくが、著しい不快感なし。
2級:かなり足にまとわりつき不快感あり。
1級:著しく足にまとわりつき不快。
得られた結果を併せて表1に記載した。得られた本発明の裏地は、摩擦帯電圧が低く、又実着用においてもまとわりつきのない、ソフトてしなやかな裏地であった。
【0046】
【実施例2】
組成を表1に示すものに変えて実施例1を繰り返した。得られた繊維物性は表1に示した。
得られた繊維は低弾性率、高弾性回復性、低温可染性、熱セット性、耐光性に優れ、しかも制電性を兼ね備えたポリエステル繊維であった。
【0047】
【比較例1】
ポリトリメチレンテレフタレートの代わりに、ポリエチレンテレフタレートを用いて、実施例1を繰り返した。得られた繊維物性は表1に示した。
制電性は良好であったが、ソフトな風合い、弾性回復性、染色性に劣るものであった。
【0048】
【比較例2】
ポリエチレングリコールの量を10重量%にして、実施例1を繰り返した。得られた繊維の強度は1.8g/dと低く、またドライクリーニング堅牢性は1級であった。
【0049】
【比較例3】
ドデシルスルホン酸ナトリウムとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いることなく、実施例1を繰り返した。摩擦耐電圧は3500Vと制電性は低かった。
【0050】
【比較例4】
ドデシルスルホン酸ナトリウムとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを各々3重量%用いて、実施例1を繰り返した。得られた繊維の強度は、1.8g/dと低いものであった。
【0051】
【比較例5】
実施例1で得られた精練、水洗、中和、乾腺、プレセット後の織物を麦5記載の条件でアルカリ滅量加工(減量率8%)を行い、引き続き実施例1と同様の条件で染色仕上げ加工を行い裏地製品とした。
この製品を家庭洗濯5回処理を行い、実施例1と同様の方法で摩擦帯電圧及びまとわりつきを評価した。その結果を下記した。
摩擦帯電圧:4500V
まとわりつき;1−2級
摩擦帯電圧及びまとわりつきとも著しく性能の悪い結果となった。
【0052】
【実施例3】
実施例1のポリマーを用い、紡口直下に150℃に加熱した30cmの保温筒を取り付け、6500m/minで巻き取り、強度2.6g/d、伸度40%の繊維を得た。得られた繊維の摩擦耐電圧は1600Vと良好であった。
【0053】
【表1】
Figure 0003751138
【0054】
【表2】
Figure 0003751138
【0055】
【表3】
Figure 0003751138
【0056】
【表4】
Figure 0003751138
【0057】
【発明の効果】
本発明の制電性ポリエステル繊維は、低弾性率から由来するソフトな風合い、高弾性回復性、分散染料に対して110℃以下で染色可能であり、熱セット性が良好かつ、高い制電性を有していることを特徴とするポリエステル繊維である。このため通常のポリエチレンテレフタレート系繊維の染色温度では染色が困難な繊維と混用でき、しかもソフトな風合いを発揮できる。更には、高い制電性を有しているので、本発明のポリエステル系複合繊維の混用率が高い場合でも静電気に基づくまとわりつき、放電等の問題点がなく、特にソフトでしなやかで、制電性のある裏地商品とすることができる。
本発明のポリエステル系複合繊維は上記の利点を活かし、混用率の低い用途から高い用途まで、セルロース繊維との混用が可能な他、絹、ウールといった天然繊維、ポリアミド繊維、ポリウレタン繊維等の耐熱温度の低い繊維との混用に特に有用である。もちろん、単独使用でも高度の機能を発揮することができる。

Claims (2)

  1. 実質的にポリトリメチレンテレフタレートから構成され、該ポリトリメチレンテレフタレートを構成する酸成分に対し、(a)平均分子量4000〜500000のポリエチレングリコール、(b)下記構造式(x)で表される化合物、(c)下記構造式(y)で表される化合物を含有し、その含有率が下記式(1)〜(3)を満足するように配合してなるポリエステル繊維であって、損失正接のピーク温度が85℃から115℃であり、かつ該繊維の弾性率Q(g/d)と弾性回復率R(%)の関係が下記式(4)を満足することを特徴とする制電性ポリエステル繊維。
    0.5重量%≦(a)の含有量≦5重量% ・・・(1)
    1.5重量%≦(b)と(c)の含有量の合計≦5重量%・・・(2)
    (b)の含有量≦1重量% ・・・(3)
    0.18≦Q/R≦0.35 ・・・(4)
    Figure 0003751138
    (ここで、R、R’は炭素数8〜20のアルキル基であり、M、M’はアルカリ金属である。)
  2. 経糸及び/又は緯糸が請求項1記載の制電性ポリエステル繊維で構成された織物であって、JIS−L−1094・B法による摩擦帯電圧が2000V以下であることを特徴とするポリエステル裏地。
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