JPH06263855A - 改質ポリエステルおよび繊維 - Google Patents

改質ポリエステルおよび繊維

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JPH06263855A
JPH06263855A JP5169093A JP5169093A JPH06263855A JP H06263855 A JPH06263855 A JP H06263855A JP 5169093 A JP5169093 A JP 5169093A JP 5169093 A JP5169093 A JP 5169093A JP H06263855 A JPH06263855 A JP H06263855A
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JP
Japan
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modified polyester
polyester
acid
fiber
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Withdrawn
Application number
JP5169093A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Sanenobu
一之 実延
Hironori Yamada
裕憲 山田
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カチオン染料および分散染料による染色性が
良好であり、アルカリ減量速度が遅く、アルカリ減量加
工が可能な繊維を得ることのできる改質ポリエステルお
よびこの改質ポリエステルから形成された繊維を提供す
ること。 【構成】 ポリ(エチレンテレフタレート)に下記一般
式 【化1】 で表わされるスルホン酸塩基を有する化合物を全グリコ
ール成分に対して0.1〜10モル%共重合せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカチオン染料及び分散染
料による染色性が良好であり、アルカリ減量速度が遅
く、風合を向上させるためのアルカリ減量加工が可能な
繊維を得ることのできる改質ポリエステルおよびそのポ
リエステルから形成された繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、殊にポリ(エチレンテレ
フタレート)は多くの優れた特性を有するがゆえに繊維
やフィルムとして広く用いられているが、分子構造が強
固なために染色性が劣り、特にカチオン染料での染色は
困難である。
【0003】この染色性を改良するために、種々の提案
がなされている。その一つとして、従来からスルホン酸
金属塩基を含有するイソフタル酸成分、例えば5−ナト
リウムスルホイソフタル酸成分をポリエステルに共重合
することによりカチオン染料で染色可能にする方法が知
られている(特公昭34−10497号公報参照)。
【0004】また、カチオン染料可染化剤として、スル
ホン酸4級ホスホニウム塩基を有するイソフタル酸成分
を用いる方法が知られている(特公昭47−22334
号公報、米国特許第3,732,183号明細書参照)。
この方法によれば、重合反応中での増粘作用が小さいの
で、改質ポリエステルの重合度を高くしても、溶融粘度
が通常紡糸できる範囲に抑えられる。このため、高強度
のカチオン染料可染型ポリエステル繊維が容易に得られ
るようになり、カチオン染料が有する鮮明な発色性と非
転染性という長所に加えて、糸の高強力を活用して例え
ばスポーツウエア分野などへの用途拡大の可能性があ
る。
【0005】これらの方法により製造されたカチオン染
料可染型ポリエステルは、紡糸、製織したのち、風合い
を向上するためアルカリ水溶液中に浸漬し、減量操作を
行なうことが多い。しかしながら、この際カチオン染料
可染化剤を使用したポリエステルは、アルカリ減量速度
が速く、通常の糸との交織、交編布の場合、カチオン可
染糸のみが先に減量されてしまい、交織、交編した通常
の糸が減量されにくく、目的とする良好な風合いを得る
ことが極めて困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の問題
を解決し、アルカリ減量速度が遅くカチオン染料及び分
散染料による染色性が良好なポリエステル繊維を得るに
適した改質ポリエステルおよびそれからなる繊維を提供
することを目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、特定の構造を有する改
質剤をポリエステルに共重合することにより、良好な染
色性が得られるとともに、アルカリ減量速度も遅いポリ
エステルが得られることを見出し本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明によればポリ(エチレン
テレフタレート)に対して下記一般式(I)
【0009】
【化2】
【0010】式中、Q1およびQ2は独立してエチレン
基、プロピレン基またはブチレン基を示し、Mは金属原
子またはPR1234で表わされるホスホニウム基
(R1、R2、R3およびR4は独立してアルキル基または
アリール基を示す)を示し、mおよびnは独立して1〜
60の整数を示す、
【0011】で表わされるスルホン酸塩基を有する化合
物を全グリコール成分に対して0.1〜10モル%の割
合で共重合せしめた改質ポリエステルおよびその改質ポ
リエステルから形成された繊維が提供される。
【0012】以下本発明の改質ポリエステルおよびそれ
から形成された繊維についてさらに詳細に説明する。
【0013】本発明の改質ポリエステルは、前記一般式
(I)で表わされるスルホン酸塩基を有する化合物を、
全グリコール成分に対して0.1〜10モル%の割合で
共重合せしめた共重合ポリエチレンテレフタレートであ
る。
【0014】前記一般式(I)において、Mは金属原子
またはPR1234で表わされるホスホニウム基であ
り、金属原子としては、ナトリウム、カリウムまたはリ
チウムの如きアルカリ金属であるのが好ましい。Mがホ
スホニウム基である場合、R 1〜R4はそれぞれ独立にア
ルキル基またはアリール基であり、好ましくは炭素数1
〜5の低級アルキル基またはフェニル基である。
【0015】Q1およびQ2は独立してエチレン基、プロ
ピレン基またはブチレン基を示すが、好ましくはエチレ
ン基、イソプロピレン基またはn−ブチレン基である。
1およびQ2はそれぞれ同一でも異なってもよいが、同
一のものが合成の容易性および入手容易性の点で好まし
い。
【0016】mおよびnは独立して1〜60の整数を示
すが、好ましいのは1〜20の整数である。
【0017】また前記一般式(I)で表われる化合物
は、全グリコール成分に対して0.1〜10モル%の割
合で共重合されるが、好ましいのは1〜5モル%の範囲
である。
【0018】前記一般式(I)のスルホン酸塩基を有す
る化合物の好ましい具体例を以下に示す(但し、mおよ
びnは前記のとおりである)。
【0019】
【化3】
【0020】本発明の改質ポリエステルは、本発明の目
的、すなわち、アルカリ減量速度をあまりに速くしない
範囲内でテレフタル酸以外の二官能性カルボン酸成分お
よび/またはエチレングリコール以外のジオール成分を
共重合したポリエステルであってもよい。
【0021】ここで使用されるテレフタル酸以外の二官
能性カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタ
リンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息
香酸、p−オキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの芳香族、脂
肪族、脂環族の二官能性カルボン酸を挙げることができ
る。
【0022】また、エチレングリコール以外のジオール
化合物としては、例えばプロパンジオール、ブタンジオ
ール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペ
ンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノール
Sなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物およ
びポリオキシアルキレングリコールなどを挙げることが
できる。
【0023】さらに、ポリエステルが実質的に線状であ
る範囲で、トリメリット酸、ピロメリット酸などのポリ
カルボン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトールなどのポリオールを使用することも
できる。
【0024】かかる共重合成分の共重合割合は、全ジカ
ルボン酸成分またはジオール成分に対して通常は10モ
ル%以下、特に5モル%以下とすることが望ましい。
【0025】本発明の改質ポリエステルは任意の方法に
よって合成することができる。例えばテレフタル酸とエ
チレングリコールとを直接エステル化反応させるか、テ
レフタル酸ジメチルとエチレングリコールとをエステル
交換反応させることにより、テレフタル酸のグリコール
エステルおよび/またはその低重合体を生成させる第1
段階の反応の際、本発明の前記一般式(I)のスルホン
酸塩基を有する化合物を添加して反応させる。引き続
き、第1段階の反応生成物を減圧下加熱して所望の重合
度に到達するまで重縮合反応させる第2段階の反応を行
なうことにより製造できる。
【0026】これらの反応には、必要に応じて任意の触
媒を使用することができる。なかでも、エステル交換法
を採用するときは、エステル交換触媒としてカルシウム
化合物、マンガン化合物、マグネシウム化合物、亜鉛化
合物、コバルト化合物などが好ましく、これらは1種ま
たは2種以上併用してもよい。その使用量は、ポリエス
テル原料として使用する二官能性カルボン酸成分に対し
0.01〜0.1モル%が好ましい。
【0027】また、重縮合触媒としては、アンチモン化
合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物が好ましい。
これら重縮合触媒も、1種または2種以上併用してもよ
く、その使用量は二官能性カルボン酸成分に対して0.
003〜0.1モル%が好ましい。
【0028】本発明においては、安定剤、艶消し剤、着
色剤、滑剤、難燃剤、紫外線吸収剤、制電剤などのそれ
自体知られた添加剤を必要に応じて添加することができ
る。特に、ポリエステルの熱安定性をより一層高めるた
めに、従来から知られまた用いられている安定剤を添加
することは好ましいことである。この安定剤としては、
例えばリン酸、亜リン酸、ホスフィン酸、これらのエス
テルなどのリン化合物、ヒンダードフェノール系化合物
などを挙げることができる。
【0029】また、必要に応じて、ポリエステル中に不
活性微粒子を含有してもよい。ポリエステル中に不活性
微粒子を含有させる方法としては、従来から知られてい
る外部添加法および内部析出法のいずれをも採用するこ
とができる。不活性微粒子を添加する場合には、該微粒
子として酸化ケイ素、炭酸カルシウム、酸化チタン、カ
オリン、クレー、テレフタル酸カルシウムなどが好まし
く例示できる。
【0030】本発明の改質ポリエステルから繊維を製造
する場合には、任意の製糸条件を何等の支障なく採用す
ることができる。例えば500〜2500m/分の速度
で溶融紡糸し、延伸、熱処理する方法、1500〜50
00m/分の速度で溶融紡糸し、延伸と仮撚加工とを同
時にまたは続いて行う方法、5000m/分以上の高速
で溶融紡糸し、用途によっては延伸工程を省略する方
法、などにおいて任意の製糸条件を採用することができ
る。
【0031】また、本発明の改質ポリエステルは、フィ
ルムやシートの製造にも使用することができる。また、
この成形工程において任意の成形条件を何等の支障なく
採用することができる。例えば製膜後一方向のみに張力
を作用させて異方性膜を製造する方法、同時に、また
は、任意の順序で膜を二方向に延伸する方法、および膜
を2段以上に多段延伸する方法、などを任意の条件で採
用することかできる。
【0032】
【発明の効果】本発明によればカチオン染料および分散
染料による染色性に優れ、アルカリ減量速度が遅く、ア
ルカリ減量加工が可能な繊維と複合化できる改質ポリエ
ステル及び該改質ポリエステルで形成された繊維が提供
される。アルカリ減量速度が遅い理由は、未だ明確にさ
れてはいないが、カチオン可染化剤として一般に広く用
いられているスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン
酸を共重合したポリエステルに比較してポリエステル中
のエステル基の部分が加水分解反応を起こしにくいため
と推定される。
【0033】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。実施例中の部および%は、それぞれ重量部お
よび重量%を示す。また、実施例中の各種測定項目は、
次のようにして求めた値である。
【0034】固有粘度 ポリエステルの固有粘度[IV]は、35℃のオルソク
ロロフェノール溶液で測定した値から求めたものであ
る。
【0035】カチオン染料可染性(染色性) カチオン染料可染性は、得られた延伸糸を編成したメリ
ヤス編布を、カチオン染料 Cathilon CD−FRLH/
Cathilon Blue CD−FBLH=1:1[保土谷化学
(株)製]を2%owf含む染浴(助剤として芒硝3g
/L、酢酸0.3g/Lを含む)で120℃下60分間
染色して目視により評価した。
【0036】アルカリ減量速度 アルカリ減量時の減量速度は、得られた延伸糸を編成し
たメリヤス編布を、苛性ソーダ1%水溶液中で1時間煮
沸し、処理前後の重量変化を測定することで評価した。
この値が小さいほど、アルカリ減量速度が遅いことを示
す。
【0037】[実施例1]テレフタル酸ジメチル100
部、エチレングリコール63部、下記式(II)
【0038】
【化4】
【0039】で表わされるスルホン酸塩基を有する化合
物4.8部、酢酸カルシウム0.06部をエステル交換反
応器に仕込み、窒素ガス雰囲気下3時間かけて140℃
から220℃まで昇温して、生成するメタノールを系外
に留去しながらエステル交換反応させた。220℃で2
0分間攪拌したのち、安定剤として正リン酸0.06部
を添加し、同時に過剰エチレングリコールの昇温追い出
しを開始した。10分後、重合触媒として三酸化アンチ
モン0.04部を添加した。内温が240℃に到達した
時点でエチレングリコールの追い出しを終了し、反応生
成物を重合反応器に移した。次いで昇温しながら内温が
260℃に到達するまで常圧反応させたのち、1時間か
けて760mmHgから1mmHgまで減圧し、同時に
1時間30分かけて内温を280℃まで昇温した。1m
mHg以下の減圧下重合温度280℃で、さらに2時間
重合した時点で重合反応を打切り、常法に従ってチップ
化した。得られたポリマーの固有粘度を表1に示した。
【0040】得られたチップを乾燥して、孔径0.3m
mの円形紡糸孔を24個穿設した紡糸口金を使用して2
85℃で溶融紡糸した。次いで、得られた未延伸糸を、
最終的に得られる延伸糸の伸度が30%になる延伸倍率
で、84℃の供給ローラと180℃のプレートヒータを
使って延伸、熱処理して75デニール/24フィラメン
トの延伸糸を得た。この糸をメリヤス編布とし、アルカ
リ処理を行った。結果を表1に示した。
【0041】[実施例2〜5]実施例1において使用し
たスルホン酸塩基を有する化合物を表1に記載の如く変
更する以外は実施例1と同様に反応を行なった。結果は
表1にあわせて示した。
【0042】[比較例1、2]ポリエチレンテレフタレ
ートに5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル
酸を全酸成分に対し1.5モル%共重合したポリエステ
ル([η]=0.64)のチップを使用し、実施例1と
同様にして延伸糸を得て評価を行なった。結果を表1に
示した。
【0043】[参考例]ポリエチレンテレフタレート
([η]=0.64)のチップを使用し、実施例1と同
様にして延伸糸を得て評価を行なった。結果を表1に示
した。
【0044】
【表1】
【0045】
【化5】
【0046】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ(エチレンテレフタレート)に対し
    て下記一般式(I) 【化1】 式中、Q1およびQ2は独立してエチレン基、プロピレン
    基またはブチレン基を示し、Mは金属原子またはPR1
    234で表わされるホスホニウム基(R1、R2、R3
    およびR4は独立してアルキル基またはアリール基を示
    す)を示し、mおよびnは独立して1〜60の整数を示
    す、で表わされるスルホン酸塩基を有する化合物を全グ
    リコール成分に対して0.1〜10モル%の割合で共重
    合せしめた改質ポリエステル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の改質ポリエステルから形
    成された繊維。
JP5169093A 1993-03-12 1993-03-12 改質ポリエステルおよび繊維 Withdrawn JPH06263855A (ja)

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JP5169093A JPH06263855A (ja) 1993-03-12 1993-03-12 改質ポリエステルおよび繊維

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100430624B1 (ko) * 1997-04-25 2004-08-02 주식회사 코오롱 저강력고신도의폴리에스테르섬유및그의제조방법
CN110791076A (zh) * 2019-11-01 2020-02-14 兰飞 一种lcp声学薄膜及其制备方法

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