JPH082956B2 - 改質ポリエステルの製造法 - Google Patents

改質ポリエステルの製造法

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JPH082956B2
JPH082956B2 JP25978987A JP25978987A JPH082956B2 JP H082956 B2 JPH082956 B2 JP H082956B2 JP 25978987 A JP25978987 A JP 25978987A JP 25978987 A JP25978987 A JP 25978987A JP H082956 B2 JPH082956 B2 JP H082956B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は改質ポリエステル、更に詳しくは充分な重合
度を有し、溶融成形特に溶融紡糸に適した耐熱性に優れ
たカチオン染料可染型の改質ポリエステルの製造法に関
する。
〈従来の技術〉 ポリエステルは多くの優れた特性を有するがゆえに繊
維やフイルムとして広く用いられているが、染色性が低
く、特に分散染料以外の染料には染色困難である。この
染色性を改良するために種々の提案がなされている。そ
の一つとして従来からスルホン酸金属塩基を含有するイ
ソフタル酸成分、例えば5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸成分をポリエステルに共重合することによりカチオ
ン染料で染色可能にする方法が知られている(特公昭34
-10497号公報参照)。
しかし、この方法では、スルホン酸金属塩基を含有す
るイソフタル酸成分を染色性を満足なレベルに上げるに
必要な量共重合すると、該スルホン酸金属塩基を含有す
るイソフタル酸成分の増粘作用のため、重合反応物の溶
融粘度が著しく増大し、重合度を充分にあげることが困
難になると同時に、溶融成形をも困難にならしめてい
た。従って、かかる量のスルホン酸金属塩基を含有する
イソフタル酸成分を共重合した改質ポリエステルの溶融
粘度を、重合が容易で且つ溶融成形できる範囲にまで低
下させるために、改質ポリエステルの重合度を低くして
おく必要がある。その結果得られる成形品の強度が低下
し、これが得られたカチオン染料可染型ポリエステルの
用途を著しく制限している。
一方、カチオン染料可染化剤としてスルホン酸ホスホ
ニウム塩基を有するイソフタル酸成分を用いる方法が知
られている(特公昭47-22334号公報,米国特許第373218
3号明細書参照)。この方法によれば重合反応中での増
粘作用が小さいので、改質ポリエステルの重合度を高く
しても、溶融粘度が通常溶融紡糸できる範囲におさえら
れる。このため高強度のカチオン染料可染型ポリエステ
ル繊維が容易に得られるようになる。
しかしながら、この方法においては使用するスルホン
酸ホスホニウム塩基を有するイソフタル酸成分の耐熱性
が、スルホン酸金属塩基を有するイソフタル酸成分に比
べて劣るため、改質ポリエステルの重合反応過程や溶融
成形過程の高熱条件下で自ら分解したり、又はポリマー
の分解を促進して生成ポリエステルや成形品を黄褐色に
着色せしめ、且つポリエステルの重合度を著しく低下さ
せるという重大な欠点があり、更にこの着色が染色した
際に色調を悪化させることになる。このためこの方法が
工業的に採用されることが従来皆無であった。
〈発明が解決しようとする問題点〉 本発明者は前記したスルホン酸ホスホニウム塩基を含
有するイソフタル酸成分を共重合した改質ポリエステル
の長所に鑑み、上記欠点を克服すべく鋭意検討した結
果、上記改質ポリエステルの製造反応系にイソフタル
酸,ナフタレンジカルボン酸又はジフェニルジカルボン
酸を添加することにより、前記した耐熱性不良の欠点が
大幅に改善されて高白度,高重合度で且つ耐熱性良好な
カチオン染料可染型の改質ポリエステルが得られること
を見出した。更に得られる成形物例えば繊維やフイルム
の強度,ヤング率等の力学特性も大幅に向上することを
見出した。
その理由については、明確ではないが、スルホン酸ホ
スホニウム塩基を含有しないポリエステルの製造反応系
に上記芳香族ジカルボン酸を添加しても、上記効果が全
く得られないことから、スルホン酸ホスホニウム塩基を
含有するイソフタル酸成分と上記芳香族ジカルボン酸と
の特殊な相互作用が生じるものと考える。
本発明は上記知見に基いて、更に検討を重ねた結果、
完成したものである。
〈発明の構成〉 即ち、本発明はテレフタル酸を主とする二官能性カル
ボン酸又はそのエステル成形性誘導体、少なくとも1種
のアルキレングリコール又はそのエステル形成性誘導体
及び該二官能性カルボン酸成分に対して0.05〜20モル%
の下記一般式(I) で表わされるスルホン酸ホスホニウム塩を反応させて改
質ポリエステルを製造するに当り、該製造反応が完結す
るまでの任意の段階で該二官能性カルボン酸成分(スル
ホン酸塩を除く)に対して0.1〜50モル%の下記一般式
(II) で表わされる芳香族ジカルボン酸を添加することを特徴
とする改質ポリエステルの製造法である。
本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を主たる
酸成分とし、少なくとも1種のグリコール、好ましくは
エチレングリコール,トリメチレングリコール,テトラ
メチレングリコールから選ばれた少なくとも1種のアル
キレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエ
ステルを主たる対象とする。
また、テレフタル酸成分の一部を他の二官能性カルボ
ン酸成分で置換えたポリエステルであってもよく、及び
/又はグリコール成分の一部を主成分以外の上記グリコ
ール若しくは他のジオール成分で置換えたポリエステル
であってもよい。
ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボ
ン酸としては、例えばジフェノキシエタンジカルボン
酸,β−ヒドロキシエトキシ安息香酸,p−オキシ安息香
酸,アジピン酸,セバシン酸,1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸の如き芳香族,脂肪族,脂環族の二官能性カル
ボン酸をあげることができる。更に本発明の効果が実質
的に奏せられる範囲で5−ナトリウムスルホイソフタル
酸等のスルホン酸金属塩基を有するイソフタル酸を共重
合成分として用いてもよい。
また、上記グリコール以外のジオール化合物として
は、例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノール,ネオ
ペンチルグリコール,ビスフェノールA,ビスフェノール
Sの如き脂肪族,脂環族,芳香族のジオール化合物及び
ポリオキシアルキレングリコール等をあげることができ
る。
更に、ポリエステルが実質的に線状である範囲でトリ
メリット酸,ピロメリット酸の如きポリカルボン酸,グ
リセリン,トリメチロールプロパン,ペンタエリスリト
ールの如きポリオールを使用することができる。
かかるポリエステルは任意の方法によって合成され
る。例えばポリエチレンテレフタレートについて説明す
れば、通常、テレフタル酸とエチレングリコールとを直
接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルの如
きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリ
コールとをエステル交換反応させるか又はテレフタル酸
とエチレンオキサイドとを反応させるかしてテレフタル
酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体を生成
させる第1段階の反応と、第1段階の反応生成物を減圧
下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる第
2段階の反応によって製造される。
本発明の方法において共重合成分として使用するスル
ホン酸ホスホニウム塩は下記一般式(I) で表わされる。式中、Aは芳香族基又は脂肪族基を示
し、なかでも芳香族基が好ましい。X1はエステル成形性
官能基を示し、具体例として CH2 aOH, −OCH2 bO(CH2)b dOH, 等をあげることができる。X2はX1と同一若しくは異なる
エステル形成性官能基又は水素原子を示し、なかでもエ
ステル形成性官能基であることが好ましい。R1,R2,R3
びR4はアルキル基及びアリール基よりなる群から選ばれ
た同一又は異なる基を示す。nは正の整数である。
かかるスルホン酸ホスホニウム塩は、一般に対応する
スルホン酸とホスフィン類との反応又は対応するスルホ
ン酸金属塩とホスホニウムハライド類との反応により容
易に合成できる。
上記スルホン酸ホスホニウム塩の好ましい具体例とし
ては、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブ
チルホスホニウム塩,3,5−ジカルボキシベンゼンスルホ
ン酸エチルトリブチルホスホニウム塩,3,5−ジカルボキ
シベンゼンスルホン酸ベンジルトリブチルホスホニウム
塩,3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸フェニルトリ
ブチルホスホニウム塩,3,5,−ジカルボキシベンゼンス
ルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩,3,5−ジカルボ
キシベンゼンスルホン酸ブチルトリフェニルホスホニウ
ム塩,3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ブチルトリ
フェニルホスホニウム塩,3,5−ジカルボキシベンゼンス
ルホン酸ベンジルトリフェニルホスホニウム塩,3,5−ジ
カルボメトキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホ
ニウム塩,3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸エ
チルトリブチルホスホニウム塩,3,5−ジカルボメトキシ
ベンゼンスルホン酸ベンジルトリブチルホスホニウム
塩,3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸フェニル
トリブチルホスホニウム塩,3,5−ジカルボメトキシベン
ゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩,3,5−ジ
カルボメトキシベンゼンスルホン酸エチルトリフェニル
ホスホニウム塩,3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホ
ン酸ブチルトリフェニルホスホニウム塩,3,5−ジカルボ
メトキシベンゼンスルホン酸ベンジルフェニルホスホニ
ウム塩,3−カルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチル
ホスホニウム塩,3−カルボキシベンゼンスルホン酸テト
ラフェニルホスホニウム塩,3−カルボメトキシベンゼン
スルホン酸テトラブチルホスホニウム塩,3−カルボメト
キシベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム
塩,3,5−ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベン
ゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩,3,5−ジ
(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホ
ン酸テトラフェニルホスホニウム塩,3−(β−ヒドロキ
シエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラブチ
ルホスホニウム塩,3−(β−ヒドロキシエトキシカルボ
ニル)ベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム
塩,4−ヒドロキシエトキシベンゼンスルホン酸テトラブ
チルホスホニウム塩,2,6−ジカルボキシナフタレン−4
−スルホン酸テトラブチルホルホニウム塩,α−テトラ
ブチルホスホニウムスルホコハク酸等をあげることがで
きる。上記スルホン酸ホスホニウム塩は1種のみを単独
で用いても2種以上併用してもよい。
上記スルホン酸ホスホニウム塩をポリエステルに共重
合するには、前述したポリエステルの合成が完了する以
前の任意の段階で、好ましくは第1段の反応が終了する
以前の任意の段階で添加すればよい。添加するには任意
の方法が採用されるが、ポリエステルを構成するグリコ
ールと同じグリコールの溶液又はスラリーにして添加す
るのが好ましい。
スルホン酸ホスホニウム塩をポリエステルに共重合さ
せる割合は、ポリエステルを構成する二官能性カルボン
酸成分(スルホン酸塩を除く)に対して0.05〜20モル%
の範囲が適当であり、0.5〜10モル%の範囲が好まし
い。共重合割合が0.05モル%より少いと、得られる共重
合ポリエステルのカチオン染料に対する染色性が不充分
になる傾向があり、20モル%より多くなるとカチオン染
色性は最早著しい向上を示さず、かえってポリエステル
の物性が低下し、本発明の目的を達成し難くなる。
本発明において耐熱性改良のために使用する芳香族ジ
カルボン酸はイソフタル酸,ナフタレンジカルボン酸,
ジフェニルジカルボン酸である。
ナフタレンジカルボン酸としては、1,2−ナフタレン
ジカルボン酸,1,3−ナフタレンジカルボン酸,1,4−ナフ
タレンジカルボン酸,1,5−ナフタレンジカルボン酸,1,6
−ナフタレンジカルボン酸,1,7−ナフタレンジカルボン
酸,1,8−ナフタレンジカルボン酸,2,3−ナフタレンジカ
ルボン酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸,2,7−ナフタレ
ンジカルボン酸があり、特に得られる改質ポリエステル
の色相が良好であり、分子構造的にも対称性を有する2,
6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
ジフェニルジカルボン酸としては、ジフェニル−2,
2′−ジカルボン酸,ジフェニル−2,3′−ジカルボン
酸,ジフェニル−2,4′−ジカルボン酸,ジフェニル−
2,5′−ジカルボン酸,ジフェニル−2,6′−ジカルボン
酸,ジフェニル−3,3′−ジカルボン酸,ジフェニル−
3,4′−ジカルボン酸,ジフェニル−3,5′−ジカルボン
酸,ジフェニル−3,6′−ジカルボン酸,ジフェニル−
4,4′−ジカルボン酸,ジフェニル−4,5′−ジカルボン
酸,ジフェニル−4,6′−ジカルボン酸があり、特にジ
フェニル−4,4′−ジカルボン酸が好ましい。かかる芳
香族ジカルボン酸は1種のみを単独で用いても2種以上
併用してもよい。
上記芳香族ジカルボン酸の使用量は、あまり少ないと
耐熱性の改善効果が充分でなく、またあまりに多くする
とかえって耐熱性が悪化したり、得られる改質ポリエス
テルが黄色に着色するようになるので、ポリエステルを
構成する二官能性カルボン酸成分(スルホン酸塩を除
く)に対して0.1〜50モル%の範囲にすべきである。
上記芳香族カルボン酸の添加時期は、前述のポリエス
テルの製造反応が完了する以前の任意の段階でよいが、
耐熱性の改善効果を充分に得られ易い点から、第1段の
反応終了時点から第2段の重縮合反応の初期の段階の間
に添加するのが最も好ましい。
〈発明の効果〉 本発明によれば、スルホン酸ホスホニウム塩の存在に
起因する溶融成形中、更には重合反応中のポリマー着色
や重合度低下が著しく抑制されるため、高白度・高重合
度のカチオン可染ポリエステル成形物を工業的に得るこ
とが可能になる。また、耐熱性の向上に対応して耐候性
も向上している。
このようにして得られたスルホン酸ホスホニウム塩共
重合の改質ポリエステルは、従来のスルホン酸金属塩共
重合の改質ポリエステルに対比して次のような利点を有
する。
(1) スルホン酸金属塩の金属イオンに比べて、スル
ホン酸ホスホニウム塩のホスホニウム塩の方がバルキー
であるためか、カチオン染料の拡散速度が大きく、その
ためスルホン酸ホスホニウム塩の場合にはより少量の使
用でスルホン酸金属塩と同程度のカチオン染料性が得ら
れ、且つ鮮明性に優れるという特徴がある。
(2) スルホン酸金属塩に固有の増粘作用が起らない
ため、高重合度ポリマーの溶融紡糸を通常の紡糸方法に
よって容易に行なうことができ、高強度のカチオン染料
可染型ポリエステル成形物が容易に得られる。
(3) 本発明によれば金属塩の代りにホスホニウム塩
を使用するので、重縮合反応中に副生する異物量が少
く、成形時、特に紡糸時のパック圧上昇や得られる糸品
位の低下が小さいという効果が得られる。
(4) 上記(2),(3)に関連して、本発明の方法
によって得られる改質ポリエステルは曳糸性に極めて優
れており、引取り速度が3000m/分以上、特に5000m/分以
上の超高速においても紡糸が可能であり、1段階のみの
巻取操作で充分な強度をもつ糸が得られる。また1デニ
ール以下の極細繊維の紡糸が可能である。
(5) 本発明の改質ポリエステル組成物より得られる
繊維は、耐熱性に優れているので、高温における仮撚加
工においても、強度低下や融着の問題を生ずることな
く、優れた加工糸を与えることができるし、カチオン染
料で染料した場合に鮮明な色に染まる。
(6) 更に、本発明の改質ポリエステル組成物はホス
ホニウム塩を含有するために難燃性と抗菌性に優れる。
なお、本発明の改質ポリエステル組成物には必要に応
じて任意の添加剤,例えば触媒,着色防止剤,耐熱剤,
難燃剤,酸化防止剤,艶消剤,着色剤,無機微粒子等が
含まれていてもよい。
〈実施例〉 以下に実施例をあげて更に説明する。実施例中の部及
び%は特にことわらない限りそれぞれ重量部及び重量%
を示す。ポリマーの極限粘度[η]は35℃のオルソクロ
ロフェノール溶液で測定した値から求め、軟化点(sp)
はペネトレーション法で測定した。ポリマーの色相のハ
ンター型色差計によるL値とb値で示した。L値は値が
大きくなるほど白度の良好なことを示し、b値は+側に
大なるほど黄味の強いことを示す。
ポリマーのカルボキシル基末端数は、試料をベンジル
アルコールに加熱溶解し、水酸化ナトリウム溶液で滴定
して求めた。カルボキシル基末端数が大きいほど熱分解
がより多く起こっていることを示す。
ポリマー中のジエチレングリコール含有量(DEG含有
量)は、ポリエステル試料を抱水ヒドラジンで熱分解
し、上澄液をガスクロマトグラフィーにかけて定量した
(内部標準として1,4−ブタンジオールを使用)。
ポリマーの耐熱性は、共重合ポリマーの重合反応終了
後、重合缶からのポリマー押出窒素ガス圧を調整し、ポ
リマー取出しに要する時間を60分以上とし、ポリマー取
出し開始10分後と60分後のポリマーの極限粘度[η]の
差をもって評価した。
なお、ポリマーの軟化点(sp),色相,カルボキシル
基末端数及びDEG含有量はポリマー取出し開始30分後の
ポリマーについて測定した。
実施例1〜6及び比較例1〜3 テレフタル酸ジメチル100部,エチレングリコール60
部,酢酸マンガン4水塩0.03部(テレフタル酸ジメチル
に対して0.024モル%)及び整色剤として酢酸コバルト
4水塩0.009部(テレフタル酸ジメチルに対して0.007モ
ル%)をエステル交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下3
時間かけて140℃から220℃まで昇温して生成するメタノ
ールを系外に留去しながらエステル交換反応させた。続
いて得られた生成物に第1表記載量の3,5−ジカルボキ
シベンゼンスルホン酸テトラn−ブチルホスホニウム塩
を20%加熱エチレングリコール溶液として添加し、220
℃で20分間攪拌した後、安定剤として正リン酸の56%水
溶液0.03部(テレフタル酸ジメチルに対して0.033モル
%)を添加し、同時に過剰エチレングリコールの昇温追
出しを開始した。10分後重縮合触媒として三酸化アンチ
モン0.04部(テレフタル酸ジメチルに対して0.027モル
%)を添加し、第1表に示すイソフタル酸,ナフタレン
ジカルボン酸,ジフェニルジカルボン酸を添加した。内
温が240℃に到達した時点でエチレングリコールの追出
しを終了し、反応生成物を重合缶に移した。次いで昇温
しながら内温が260℃に到達するまで常圧反応させた
後、1時間かけて760mmHgから1mmHgまで減圧し、同時に
1時間30分かけて内温を280℃まで昇温した。1mmHg以下
の減圧下、重合温度280℃で更に2時間重合した時点で
窒素ガスで真空を破って重合反応を終了し、窒素ガス加
圧下に280℃でポリマーの吐出を行なった。ポリマーの
品質及び耐熱性の評価結果は第1表に示した通りであっ
た。
ポリマーを常法に従ってチップ化し、乾燥し、孔径0.
3mmの円形紡糸孔を24個穿設した紡糸口金を使用して285
℃で溶融紡糸した。次いで得られた未延伸糸を、最終的
に得られる延伸糸の伸度が30%になる延伸倍率で、84℃
の供給ローラーと180℃のプレートヒーターを使って延
伸,熱処理して75デニール/24フィラメントの延伸糸を
得た。得られた延伸糸の極限粘度[η]fと強度を第1
表に示した。
この延伸糸よりなる布帛をカチオン染料Cathilon CD-
FRLH/Cathilon Blue CD-FBIH=1/1(保土谷化学(株)
製)を2%owf含む染浴(助剤として芒硝3g/l,酢酸0.3g
/lを含む)で120℃で60分間染色した。染色布の鮮明性
は第1表に示したように、実施例による染色布は鮮明な
濃青色を呈したのに対し、比較例の染色布はくすんだ青
色にしか染まらなかった。
フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭47−22334(JP,B1) 特公 昭47−13976(JP,B1) 特公 昭46−31743(JP,B1) 特公 昭50−4040(JP,B1) 特公 昭55−33455(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テレフタル酸を主とする二官能性カルボン
    酸又はそのエステル成形性誘導体、少なくとも1種のア
    ルキレングリコール又はそのエステル形成性誘導体及び
    該二官能性カルボン酸成分に対して0.05〜20モル%の下
    記一般式(I) で表わされるスルホン酸ホスホニウム塩を反応させて改
    質ポリエステルを製造するに当り、該製造反応が完結す
    るまでの任意の段階で該二官能性カルボン酸成分(スル
    ホン酸塩を除く)に対して0.1〜50モル%の下記一般式
    (II) で表わされる芳香族ジカルボン酸を添加することを特徴
    とする改質ポリエステルの製造法。
JP25978987A 1987-10-16 1987-10-16 改質ポリエステルの製造法 Expired - Lifetime JPH082956B2 (ja)

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JPH0625397A (ja) * 1992-07-07 1994-02-01 Polyplastics Co ポリエステル樹脂又はその組成物の製造方法
WO2000001759A1 (fr) * 1998-07-03 2000-01-13 Teijin Limited Film (co)polymere de trimethylene-2,6-naphtalenedicarboxylate, copolymere de sulfanate de phosphonium quatrenaire et compositions renfermant ces composes

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