JPH0455606B2 - - Google Patents

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JPH0455606B2
JPH0455606B2 JP17888386A JP17888386A JPH0455606B2 JP H0455606 B2 JPH0455606 B2 JP H0455606B2 JP 17888386 A JP17888386 A JP 17888386A JP 17888386 A JP17888386 A JP 17888386A JP H0455606 B2 JPH0455606 B2 JP H0455606B2
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acid
alcohol
phosphonium
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JP17888386A
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JPS6337121A (ja
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Motoyoshi Suzuki
Shinji Oowaki
Setsuo Yamada
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Publication date
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> 本発明は共重合ポリエステルの製造法、更に詳
しくは充分な重合度を有し、且つ溶融成形特に溶
融紡糸に適した溶融粘度を呈するカチオン染料可
染型の共重合ポリエステルの製造法に関する。 <従来の技術> ポリエステルは多くの優れた特性を有するがゆ
えに繊維やフイルムとして広く用いられている
が、染色性が低く、特に分散染料以外の染料には
染色困難である。この染色性を改良するために
種々の提案がなされている。その一つとして従来
からスルホン酸金属塩基を含有するイソフタル酸
成分、例えば5−ナトリウムスルホイソフタル酸
成分をポリエステルに共重合することによりカチ
オン染料で染色可能にする方法が知られている
(特公昭34−10497号公報参照)。 しかし、この方法では、スルホン酸金属塩基を
含有するイソフタル酸成分を染色性を満足なレベ
ルに上げるに必要な量共重合すると、該スルホン
酸金属塩基を含有するイソフタル酸成分の増粘作
用のため、重合反応物の溶融粘度が著しく増大
し、重合度を充分にあげることが困難になると同
時に、紡糸をも困難にならしめていた。従つて、
かかる量のスルホン酸金属塩基を含有するイソフ
タル酸成分を共重合した共重合ポリエステルの溶
融粘度を、重合が容易で且つ紡糸できる範囲にま
で低下させておくために、共重合ポリエステルの
重合度を低くしておく必要がある。その結果得ら
れる糸強度が低下し、これが得られたカチオン染
料可染型ポリエステル繊維の用途を著しく制限し
ている。 一方、カチオン染料可染化剤としてスルホン酸
ホスホニウム塩基を有するイソフタル酸成分を用
いる方法が知られている(特公昭47−22334号公
報,米国特許第3732183号明細書参照)。この方法
によれば重合反応中での増粘作用が小さいので、
共重合ポリエステルの重合度を高くしても、溶融
粘度が通常紡糸できる範囲におさえられる。この
ため高強度のカチオン染料可染型ポリエステル繊
維が容易に得られるようになり、カチオン染料の
鮮明発色性と糸の高強力とを活用して、例えばス
ポーツウエア分野等への用途拡大の可能性があ
る。 しかしながら、この方法においては使用するス
ルホン酸ホスホニウム塩基を有するイソフタル酸
成分の耐熱性が、スルホン酸金属塩基を有するイ
ソフタル酸成分に比べて劣るために、共重合ポリ
エステルの重合反応過程や溶融成形過程等の高熱
条件下で自ら分解したり、又はポリマーの分解を
促進して生成ポリエステルや紡出糸を黄褐色に着
色せしめ、且つポリエステルの重合度を著しく低
下せしめるという重大な欠点があり、更にこの着
色が染色した際に色調を悪化させることになる。
このためこの方法が工業的に採用されることが従
来皆無であつた。 <発明が解決しようとする問題点> 本発明者は前期したスルホン酸ホスホニウム塩
基を含有するイソフタル酸成分を共重合した共重
合ポリエステルの長所に鑑み、上記欠点を克服す
べく鋭意検討した結果、驚くべきことにスルホン
酸ホスホニウム塩基を含有するイソフタル酸化合
物を予め特定のアルコールと加熱処理して使用す
ることによつて前記した耐熱性不良の欠点が大幅
に改善されて高白度,高重合度で且つ耐熱性良好
なカチオン染料可染型の共重合ポリエステルが得
られることを見出した。その理由については、明
らかではないが、本発明者の数多くの実験結果に
よれば、上記のアルコールに代えてトルエン,メ
チレンクロライド,アセトン,水等を使用しても
又該スルホン酸ホスホニウム塩基を含有するイソ
フタル酸化合物を減圧下高温(110〜160℃)にて
処理してもかかる効果が全く発現しないことか
ら、該スルホン酸ホスホニウム塩基を含有するイ
ソフタル酸化合物と上記の特定アルコールとの特
殊な相互作用によるものと推量される。本発明は
かかる知見に基づいて更に重ねて検討した結果完
成したものである。 <発明の構成> 即ち、本発明はテレフタル酸を主とする二官能
性カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体、少
なくとも一種のアルキレングリコール又はそのエ
ステル形成性誘導体及び下記一般式() [式中、Aは芳香族基又は脂肪族基、X1はエ
ステル形成性官能基、X2はX1と同一又はことな
るエステル形成性官能基又は水素原子、R1,R2
R3及びR4は水素原子,アルキル基,アリール基
及びヒドロキシアルキル基より選ばれた同一又は
異なる基、nは正の整数を示す] で表わされるスルホン酸ホスホニウム塩を反応さ
せて共重合ポリエステルを製造するに当り、該ス
ルホン酸ホスホニウム塩を下記一般式() R5OH ……() [式中、R5は炭素数1〜20のアルキル基を示
す。] で表わされるアルコールと予め加熱処理するこ
とを特徴とする共重合ポリエステルの製造法であ
る。 本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を
主たる酸成分とし、少なくとも1種のグリコー
ル、好ましくはエチレングリコール,トリメチレ
ングリコール,テトラメチレングリコールから選
ばれた少なくとも1種のアルキレングリコールを
主たるグリコール成分とするポリエステルを主た
る対象とする。 また、テレフタル酸成分の一部を他の二官能性
カルボン酸成分で置換えたポリエステルであつて
もよく、及び/又はグリコール成分の一部を主成
分以外の上記グリコール若しくは他のジオール成
分で置換えたポリエステルであつてもよい。 ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性
カルボン酸としては、例えばイソフタル酸,ナフ
タリンジカルボン酸,ジフエニルジカルボン酸,
ジフエノキシエタンジカルボン酸,β−ヒドロキ
シエトキシ安息香酸,p−オキシ安息香酸,アジ
ピン酸,セバシン酸,1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸の如き芳香族,脂肪族,脂環族の二官
能性カルボン酸をあげることができる。更に本発
明の効果が実質的に奏せられる範囲で5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸等のスルホン酸金属塩基
を有するイソフタル酸を共重合成分として用いて
もよいが、この場合、その使用量をテレフタル酸
成分に対して1.8モル%未満の量に抑えることが
望ましい。 また、上記グリコール以外のジオール化合物と
しては例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノ
ール,ネオペンチルグリコール,ビスフエノール
A,ビスフエノールSの如き脂肪族,脂環族,芳
香族のジオール化合物及びポリオキシアルキレン
グリコール等をあげることができる。 更に、ポリエステルが実質的に線状である範囲
でトリメリツト酸,ピロメリツト酸の如きポリカ
ルボン酸,グリセリン,トリメチロールプロパ
ン,ペンタエリスリトールの如きポリオールを使
用することができる。 かかるポリエステルは任意の方法によつて合成
される。例えばポリエチレンテレフタレートにつ
いて説明すれば、通常、テレフタル酸とエチレン
グリコールとを直接エステル化反応させるか、テ
レフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の低級ア
ルキルエステルとエチレングリコールとをエステ
ル交換反応させるか又はテレフタル酸とエチレン
オキサイドとを反応させるかしてテレフタル酸の
グリコールエステル及び/又はその低重合体を生
成させる第1段階の反応と、第1段階の反応生成
物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮
合反応させる第2段階の反応によつて製造され
る。 本発明の方法において共重合成分として使用す
るスルホン酸ホスホニウム塩は下記一般式() で表わされる。式中、Aは芳香族基又は脂肪族基
を示し、なかでも芳香族基が好ましい。X1はエ
ステル形成性官能基を示し、具体例として
【式】 【式】
【式】(― CH2a――OH,−O(―CH2b―――〔―0(CH2b
d――OH, (但し、R′は低級アルキル基又はフエニル基、
a及びdは1以上の整数、bは2以上の整数であ
る)等をあげることができる。X2はX1と同一若
しくは異なるエステル形成性官能基又は水素原子
を示し、なかでもエステル形成性官能基であるこ
とが好ましい。R1,R2,R3及びR4は水素原子,
アルキル基,アリール基及びヒドロキシアルキル
基よりなる群から選ばれた同一又は異なる基を示
す。 かかるスルホン酸ホスホニウム塩は、一般に対
応するスルホン酸とホスフイン類との反応又は対
応するスルホン酸金属塩とホスホニウムハライド
類との反応により容易に合成できる。 上記スルホン酸ホスホニウム塩の好ましい具体
例としては、3,5−ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸テトラブチルホスホニウム塩,3,5−ジ
カルボキシベンゼンスルホン酸エチルトリブチル
ホスホニウム塩,3,5−ジカルボキシベンゼン
スルホン酸ベンジルトリブチルホスホニウム塩,
3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸フエニ
ルトリブチルホスホニウム塩,3,5−ジカルボ
キシベンゼンスルホン酸テトラフエニルホスホニ
ウム塩,3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン
酸エチルトリフエニルホスホニウム塩,3,5−
ジカルボキシベンゼンスルホン酸ブチルトリフエ
ニルホスホニウム塩,3,5−ジカルボキシベン
ゼンスルホン酸ベンジルトリフエニルホスホニウ
ム塩,3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホ
ン酸テトラブチルホスホニウム塩,3,5−ジカ
ルボメトキシベンゼンスルホン酸エチルトリブチ
ルホスホニウム塩,3,5−ジカルボメトキシベ
ンゼンスルホン酸ベンジルトリブチルホスホニウ
ム塩,3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホ
ン酸フエニルトリブチルホスホニウム塩,3,5
−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸テトラフ
エニルホスホニウム塩,3,5−ジカルボメトキ
シベンゼンスルホン酸エチルトリフエニルホスホ
ニウム塩,3,5−ジカルボメトキシベンゼンス
ルホン酸ブチルトリフエニルホスホニウム塩,
3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸ベ
ンジルトリフエニルホスホニウム塩,3−カルボ
キシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウ
ム塩,3−カルボキシベンゼンスルホン酸テトラ
フエニルホスホニウム塩,3−カルボメトキシベ
ンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩,
3−カルボメトキシベンゼンスルホン酸テトラフ
エニルホスホニウム塩,3,5−ジ(β−ヒドロ
キシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テ
トラブチルホスホニウム塩,3,5−ジ(β−ヒ
ドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン
酸テトラフエニルホスホニウム塩,3−(β−ヒ
ドロキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラ
ブチルホスホニウム塩,3−(β−ヒドロキシエ
トキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラフ
エニルホスホニウム塩,4−ヒドロキシエトキシ
ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩,2,6−ジカルボキシナフタレン−4−スル
ホン酸テトラブチルホスホニウム塩,α−テトラ
ブチルホスホニウムスルホコハク酸等をあげるこ
とができる。上記スルホン酸ホスホニウム塩は1
種のみを単独で用いても2種以上併用してもよ
い。 上記スルホン酸ホスホニウム塩をポリエステル
に共重合するには、前述したポリエステルの合成
が完了する以前の任意の段階で、好ましくは第1
段の反応が終了する以前の任意の段階で添加すれ
ばよい。スルホン酸ホスホニウム塩をポリエステ
ルに共重合させる割合は、ポリエステルを構成す
る二官能性カルボン酸成分(スルホン酸塩を除
く)に対して0.5〜10モル%の範囲が好ましい。
共重合割合が0.5モル%より少いと、得られる共
重合ポリエステルのカチオン染料に対する染色性
が不充分になる傾向があり、10モル%より多くな
るとカチオン染色性は最早著しい向上を示さず、
かえつてポリエステルの物性が低下し、本発明の
目的を達成し難くなる。 本発明においては上記したスルホン酸ホスホニ
ウム塩を下記一般式() R5OH ……() で表わされるアルコールと予め加熱処理する必要
がある。式中、R5は炭素数1〜20のアルキル基
を示し、なかでも炭素数1〜10のアルキル基であ
るのが好ましい。かかるアルコールの好ましい具
体例としては、メチルアルコール,エチルアルコ
ール,n−プロピルアルコール,イソプロピルア
ルコール,n−ブチルアルコール,t−ブチルア
ルコール,イソブチルアルコール,sec−ブチル
アルコール,n−アミルアルコール,イソアミル
アルコール,t−アミルアルコール,n−ヘキシ
ルアルコール,シクロヘキサノール,n−オクチ
ルアルコール,t−オクチルアルコール,カプリ
ルアルコール,n−デシルアルコール等をあげる
ことができる。これらは1種を単独で使用して
も、また2種以上を併用してもよい。 上記スルホン酸ホスホニウム塩とアルコールと
を加熱する際のアルコールの使用量は、広い範囲
をとり得るが、アルコールの量があまりに少いと
本発明の効果が充分には発現し難くなり、また逆
にあまりに多くすると加熱エネルギーの損失が多
くなる等で不経済になる。従つてスルホン酸ホス
ホニウム塩とアルコールとの割合は重量比でスル
ホン酸ホスホニウム塩/アルコール=1/20〜
20/1の範囲であるのが好ましく、なかでもスル
ホン酸ホスホニウム塩/アルコール=1/10〜
10/1の範囲が特に好ましい。 加熱方法は任意の方法が適用されるが、通常不
活性気体雰囲気下、例えば窒素雰囲気下で行なう
のが好ましい。加熱温度及び加熱時間は、通常40
℃〜スルホン酸ホスホニウム塩とアルコールとの
混合物の沸点の温度範囲で5分間以上加熱するの
が好ましい。なお、使用するアルコールの炭素数
が増加するに従つて、スルホン酸ホスホニウム塩
とアルコールとの混合物の沸点も上昇するが、加
熱温度があまり高いと使用するアルコールの分解
等が起るので、加熱温度は300℃以下、より好ま
しくは280℃以下で行うのがよい。 本発明の方法においては、上記の如く予めアル
コールと加熱処理したスルホン酸ホスホニウム塩
を前記したようにポリエステルの合成が完了する
以前の任意の段階で添加し、しかる後にポリエス
テルの合成を完了する。スルホン酸ホスホニウム
塩の添加方法は任意でよいが、なかでも使用した
アルコールを除去するか又は除去せずに、対象と
するポリエステルを構成するグリコール主成分と
同じグリコールを使用して溶液又はスラリーにな
して添加するのが特に好ましい。 <発明の効果> 本発明によれば、スルホン酸ホスホニウム塩の
存在に起因する溶融成形中、更には重合反応中の
ポリマー着色や重合度低下が著しく抑制されるた
め、高白度・高重合度のカチオン可染ポリエステ
ル成形物を工業的に得ることが可能になる。ま
た、耐熱性の向上に対応して耐光性も向上してい
る。 このようにして得られたスルホン酸ホスホニウ
ム塩共重合の共重合ポリエステルは、従来のスル
ホン酸金属塩共重合の共重合ポリエステルに対比
して次のような利点を有する。 (1) スルホン酸金属塩の金属イオンに比べて、ス
ルホン酸ホスホニウム塩のホスホニウム塩の方
がバルキーであるためか、カチオン染料の拡散
速度が大きく、そのためスルホン酸ホスホニウ
ム塩の場合にはより少量の使用でスルホン酸金
属塩と同程度のカチオン染色性が得られる。 (2) スルホン酸金属塩に固有の増粘作用が起らな
いため、高重合度ポリマーの溶融紡糸を通常の
紡糸方法によつて容易に行なうことができ、高
強度のカチオン染料可染型ポリエステル成形物
が容易に得られる。 (3) 更に、本発明によれば金属塩の代りにホスホ
ニウム塩を使用するので、重縮合反応中に副生
する異物量が少く、成形時、特に紡糸時のパツ
ク圧上昇や得られる糸品位の低下が小さいとい
う効果が得られる。 (4) 上記(2),(3)に関連して、本発明の方法によつ
て得られる共重合ポリエステルは曳糸性に極め
て優れており、引取り速度が3000m/分以上、
特に5000m/分以上の超高速においても紡糸が
可能である。また、1デニール以下の極細繊維
の紡糸が可能である。 (5) 更に、本発明の共重合ポリエステルより得ら
れる繊維は、耐熱性に優れているので、高温に
おける仮撚加工においても、強度低下や融着の
問題を生ずることがなく、優れた加工糸を与え
ることができる。 (6) スルホン酸金属塩を共重合した共重合ポリエ
ステルが極めて静電気が発生し易いのとは逆
に、本発明の共重合ポリエステルは優れた制電
性を呈する。 (7) 更に、本発明の共重合ポリエステルはホスホ
ニウム塩を含有するために難燃性と抗菌性に優
れる。 なお、本発明の共重合ポリエステルには必要に
応じて任意の添加剤、例えば触媒,着色防止剤,
耐熱剤,難燃剤,酸化防止剤,艷消剤,着色剤,
無機微粒子等が含まれていてもよい。 <実施例> 以下に実施例をあげて更に説明する。実施例中
の部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。
ポリマーの極限粘度[η]は35℃のオルソクロル
フエノール溶液で測定した値から求め、軟化点
(SP)はペネレーシヨン法で測定した、ポリマー
の色相はハンター型色差計によるL値とb値で示
した。L値は値が大きくなるほど白度の良好なこ
とを示し、b値は+側に大なるほど黄味の強いこ
とを示す。 ポリマーのカルボキシル基末端数は、試料をベ
ンジルアルコールに加熱溶解し、水酸化ナトリウ
ム溶液で滴定して求めた。カルボキシル基末端数
が大きいほど熱分解がより多く起こつていること
を示す。 実施例 1 テレフタル酸ジメチル100部,エチレングリコ
ール60部,酢酸マンガン4水塩0.03部(テレフタ
ル酸ジメチルに対して0.024モル%)及び整色剤
として酢酸コバルト4水塩0.009部(テレフタル
酸ジメチルに対して0.007モル%)をエステル交
換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下3時間かけて
140℃から220℃まで昇温して生成するメチルアル
コールを系外に留去しながらエステル交換反応さ
せた。続いて得られた生成物に、3,5−ジカル
ボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニ
ウムを等量のメチルアルコールに沸騰温度にて溶
解後冷却し、室温に長時間放置して得た再結晶品
を20%加熱エチレングリコール溶液にして26部
(テレフタル酸ジメチルに対して2.0モル%)添加
し、220℃で20分間撹拌した後、安定剤として正
リン酸の56%水溶液0.03部(テレフタル酸ジメチ
ルに対して0.033モル%)を添加し、同時に過剰
エチレングリコールの昇温追出しを開始した。10
分後重縮合触媒として三酸化アンチモン0.04部
(テレフタル酸ジメチルに対して0.027モル%)を
添加した。内温が240℃に到達した時点でエチレ
ングリコールの追出しを終了し、反応生成物を重
合缶に移した。次いで昇温しながら内温が260℃
になるまで常圧反応させた後、1時間かけて760
mmHgから1mmHgまで減圧し、同時に1時間30分
かけて内温を280℃まで昇温した。1mmHg以下の
減圧下、重合温度280℃で更に2時間重合した。
得られたポリマーの[η],SP(軟化点),色相,
カルボキシル基末端数を第1表に示した。 このポリマーより溶融紡糸した繊維はカチオン
染料Chthilon CD−FRLH/Cathilon Blue CD
−FBLH=1/1(保土谷化学(株)製)を2%owf含
む染浴(助剤として芒硝3g/,酢酸0.3g/
を含む)で120℃で60分間染色して鮮明な濃青
色に染色された(染料吸尽率98%以上)。 比較例 1 実施例1において3,5−ジカルボキシベンゼ
ンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩に施し
たメチルアルコール加熱処理を施さない以外は実
施例1と同様に行なつた。得られたポリマーは着
色が激しいのみならず重合度が低く、実用に供し
得ないものであつた。結果を第1表に示す。 実施例 2 実施例1において3,5−ジカルボキシベンゼ
ンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩に施し
たメチルアルコール加熱処理に代えて、該ホスホ
ニウム塩を等量のイソプロピルアルコールに混合
して、沸騰温度下2時間の加熱処理を行なう以外
は実施例1と同様に行なつた。結果を第1表に示
した。 実施例 3 実施例2においてカチオン染料可染化剤として
使用した3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン
酸テトラブチルホスホニウム塩に代えて3,5−
ジカルボキシベンゼンスルホン酸ブチルトリフエ
ニルホスホニウム塩を使用する以外は実施例2と
同様に行なつた。結果は第1表に示した通りであ
つた。 実施例 4 実施例2においてカチオン染料可染化剤として
使用した3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン
酸テトラブチルホスホニウム塩に代えて3,5−
ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸テトラブチ
ルホスホニウム塩を使用すると共に該ホスホニウ
ム塩を予め等量のイソプロピルアルコールに混合
して沸騰温度した2時間の加熱処理を施し、且つ
その添加時間をエステル交換反応開始前に変更す
る以外は実施例2と同様に行なつた。結果は第1
表に示す通りであつた。 比較例 2 実施例4において3,5−ジカルボメトキシベ
ンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩に
施したイソプロピルアルコールとの加熱処理を行
なわない以外は実施例4と同様に行なつた。結果
は第1表の通りであつた。 実施例 5 実施例1において3,5−ジカルボキシベンゼ
ンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩に施し
たメチルアルコールを加熱処理に代えて、該ホス
ホニウム塩をt−オクチルアルコールと重量比
3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラ
ブチルホスホニウム塩/t−オクチルアルコール
=1/2で混合し、120℃の温度下2時間の加熱
処理を施す以外は実施例1と同様に行なつた。結
果を第1表に示した。 実施例 6〜11 実施例2においてカチオン染料可染化剤として
使用した3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン
酸テトラブチルホスホニウム塩に代えて第2表記
載のスルホン酸ホスホニウム塩を使用する以外は
実施例2と同様に行つた。結果を第2表に示す。 比較例 3〜8 (実施例6〜11にそれぞれ対応する比較例) 実施例6〜11においてスルホン酸ホスホニウム
塩に施したイソプロピルアルコール加熱処理を施
さない以外は実施例6〜11と同様に行つた。得ら
れたポリマーはいずれも着色が激しいのみならず
重合度が低く、実用に供し得ないものであつた。
なかでも比較例4(実施例7に対応)および比較
例5(実施例8に対応)のエステル形成性官能基
を1つしか持たないスルホン酸ホスホニウム塩を
使用した場合には、これらが末端停止剤として作
用することと相俟つて、重合度の上昇がほとんど
認められなかつた([η]0.3以下)。
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 テレフタル酸を主とする二官能性カルボン酸
    又はそのエステル形成性誘導体、少なくとも一種
    のアルキレングリコール又はそのエステル形成性
    誘導体及び下記一般式() [式中、Aは芳香族基又は脂肪族基、X1はエ
    ステル形成性官能基、X2はX1と同一又は異なる
    エステル形成性官能基又は水素原子、R1,R2
    R3及びR4は水素原子、アルキル基、アリール基
    及びヒドロキシルアルキル基より選ばれた同一又
    は異なる基] で表わされるスルホン酸ホスホニウム塩を反応さ
    せて共重合ポリエステルを製造するに当り、該ス
    ルホン酸ホスホニウム塩を下記一般式() R5OH ……() [式中、R5は炭素数1〜20のアルキル基を示
    す。] で表わされるアルコールと予め加熱処理すること
    を特徴とする共重合ポリエステルの製造法。 2 スルホン酸ホスホニウム塩の加熱処理に使用
    するアルコール量が、重量比でスルホン酸ホスホ
    ニウム塩/アルコール=1/20〜20/1で且つ加
    熱温度が40℃〜スルホン酸ホスホニウム塩とアル
    コールとの混合物の沸点の範囲である特許請求の
    範囲第1項記載の共重合ポリエステルの製造法。
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