JP2535442B2 - ポリエステルブロック共重合体 - Google Patents

ポリエステルブロック共重合体

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は新規なポリエステルブロック共重合体に関す
る。さらに詳しくは、耐候性,耐熱性等の耐久性に優
れ、弾性回復性能も良好で、かつカチオン染料によって
容易に染色される、弾性糸の製造に適したポリエステル
ブロック共重合体に関する。
<従来の技術> 芳香族ポリエステルをハード成分とし、脂肪族ポリエ
ーテル又は脂肪族ポリエステルをソフト成分とするポリ
エステルブロック共重合体は、いわゆるポリエステルエ
ラストマーとして種々の用途に使用されていることは周
知のことである。
しかしながら、これらのポリエステルエラストマーは
耐候性及び耐熱性等が不十分で、例えば最も普通に用い
られているポリ(オキシテトラメチレン)グリコールを
ソフト成分とするポリエステルエラストマーは、安定剤
を併用しないかぎりはその安定性が低く、室温下でも1
〜2ケ月で使用不可能な状態になるまで劣化するといっ
た欠点がある。この劣化は、光が照射されているとより
一層促進される。
また、脂肪族ポリエステルをソフト成分とするポリエ
ステルエラストマーは上記のものに比べると安定性は良
好なものの、やはり安定剤を併用しないかぎりは100℃
でも1週間以内にその分子量が低下し、初期の諸特性が
劣化してしまう場合が多い。
したがって、これら従来のポリエステルエラストマー
を実用に供する場合には、紫外線吸収剤,酸化防止剤等
の安定剤を併用することが必須の条件であるが、その安
定効果は小さく、その使用量を多くしないかぎりは長期
間使用中に劣化が起る場合が多い。しかるに、多量の安
定剤が添加された成形物を後加工,後処理すると、逆に
安定剤がブリードアウトしたり溶出するといった問題が
発生する場合が多い。
本発明者らは、従来のポリエステルブロック共重合体
の耐熱性及び耐候性等の耐久性が不十分な要因は、脂肪
族ポリエーテル又はポリエステルからなるソフト成分の
耐酸化安定性及び耐加水分解安定性が不十分なためと考
え、これらの性能の良好なソフト成分を見出すべく鋭意
検討し、先に特定の芳香族ポリエステル成分をソフト成
分とすることを提案した(特願平2−137032号)。しか
しながら、この共重合体を弾性糸として使用する場合、
イオン性の染着座席を有していないため、染色加工を施
すには分散染料を用いる必要があり、得られる染色糸は
洗濯堅牢性に劣るものであった。
<発明が解決しようとする問題点> 本発明は、上記従来技術の有する欠点に鑑み、耐熱
性、耐候性等の耐久性が改善され、かつカチオン染料可
染性を有し、弾性回復性能の良好なポリエステルブロッ
ク共重合体を提供しようとするものである。
<問題点を解決するための手段> 本発明者らは、上記目的を達成するための鋭意検討し
た結果、特定の芳香族ポリエステル成分をソフト成分に
用いるとともに、スルホン酸塩基を含有する化合物を特
定量共重合することによって、弾性回復性能を低下させ
ることなくカチオン染料可染性を付与し得ることを見い
出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、 イソフタル酸及び/又はフタル酸を主たる酸成分と
し、炭素数6〜12の脂肪族α,ω−ジオールを主たるグ
リコール成分とするポリエステル部分(A)と、芳香族
ジカルボン酸を主たる酸成分とし、炭素数2〜4の脂肪
族α,ω−ジオール及び/又は1,4−シクロヘキサンジ
メタノールを主たるグリコール成分とする高融点ポリエ
ステル部分(B)とからなるポリエステルブロック共重
合体であって、スルホン酸塩基を含有する成分が前記ブ
ロック共重合体の全酸成分に対して0.1〜10モル%共重
合されてることを特徴とするポリエステルブロック共重
合体 が提供される。
本発明のポリエステルブロック共重合体を構成する一
つの成分は、炭素数6〜12の脂肪族α,ω−ジオールを
主たるグリコール成分とし、イソフタル酸及び/又はフ
タル酸を主たる酸成分とするポリエステル部分(A)で
ある。ここで脂肪族α,ω−ジオールとはHO(CH2nOH
で表わされるジオール化合物であり、特に炭素数8〜12
のジオールが好ましく用いられる。炭素数が5以下のジ
オールの場合には、ポリエステルブロック共重合体の弾
性回復性能が低下し、本発明の目標とするポリエステル
エラストマーにならなくなる。また、炭素数が6〜7の
ジオールの場合には、比較的低温、例えば0℃近辺での
弾性回復性能が低下する傾向があるのえ、用途によって
は好ましくない場合がある。
なお、ここでいう「主たる」とは、少なくとも70モル
%、好ましくは80モル%以上が上記構成成分からなり、
かつ、上記以外の成分からなる酸成分及び/又はグリコ
ール成分の和が全カルボン酸成分に対して30モル%以
下、好ましくは20モル%以下であることをいう。
本発明のブロック共重合体を構成するもう一つの成分
は、炭素数2〜4の脂肪族α,ω−ジオール及び/又は
1,4−シクロヘキサンジメタノールを主たるグリコール
成分とし、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とする高
融点ポリエステル部分(B)であり、ここでいう「高融
点」とは上記高融点ポリエステル部分を構成する成分単
独からなるポリエステル(B′)の融点が180℃以上、
好ましくは200℃以上であることをいう。また、「主た
る」とは、前記と同様に他成分を全カルボン酸成分に対
して30モル%以下、好ましくは20モル%以下共重合して
も良いことを意味する。
かかる高融点ポリエステル部分に用いられる芳香族ジ
カルボン酸としては、例えばテレフタル酸,2,6−ナフタ
レンジカルボン酸,4,4′−ジフェニルジカルボン酸等が
例示され、脂肪族α,ω−ジオールとしては、エチレン
グリコール,トリメチレングリコール,テトラメチレン
グリコールがあげられる。なかでも、結晶性が良く結晶
化速度も早くなるといった特徴を有するので、ポリ(テ
トラメチレンテレフタレート)部分、ポリ(テトラメチ
レン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)部分、及
びポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト)部分等が好ましく用いられる。
本発明のブロック共重合体は、上記のポリエステル部
分(A)と高融点ポリエステル部分(B)とからなる
が、その割合は目的によって任意に変えることができ
る。すなわち、一般に弾性回復性能を付与するにはA:B
を75:25〜30:70の範囲にすればよいが、特にゴム弾性を
望む場合にはA部分が多い75:25〜50:50とするのが望ま
しい(但し重量比)。
以上に説明した本発明のポリエステルブロック共重合
体は、さらに、ブロック共重合体を構成する全酸成分に
対して0.1〜10モル%の、スルホン酸塩基を含有する成
分が共重合されていることが肝要であり、該共重合成分
は前記高融点ポリエステル部分(B)とポリエステル部
分(A)のいずれか一方に共重合されていてもよいし、
両方に共重合されていてもよい。すなわち、共重合量が
上記範囲内にあれば、どちらに共重合されていてもよい
のである。スルホン酸塩基を含有する成分の共重合量が
0.1モル%未満の場合には、アニオン性の染着座席の量
が少なすぎて充分に染色することができない。一方、10
モル%を越える場合には、染色性はほとんど飽和して染
色性の向上は認められないばかりか、該スルホン酸塩基
を含有する成分が主として高融点ポリエステル成分
(B)に共重合されている場合には、融点が低くなって
耐熱性が低下したり結晶性が低下して弾性回復性能が低
下したりするし、逆に主としてポリエステル部分(A)
に共重合されている場合には、スルホン酸塩基同士のイ
オン会合によりポリエステル部分(A)の分子鎖の自由
運動が束縛されて、弾性回復性能を初めとする弾性性能
は低下する傾向があり好ましくない。
本発明で用いられる上記スルホン酸塩基を含有する共
重合成分は、特に限定する必要はないが、下記一般式
(I)で表わされるものが望ましい。
式中、Z1は芳香族基又は脂肪族基を示し、なかでも芳
香族基が好ましい。また、A1は水酸基又はカルボキシル
基を示し、A2は水素原子,水酸基又はカルボキシル基を
示し、なかでも水酸基又はカルボキシル基が好ましい。
Mは、金属,第4級ホスホニウム又は第4級アンモニウ
ムを示し、金属の場合には、Na,Li,K,Ti,Ca,Zn,Mg,Mn,C
u,Fe,Al等が好ましく、特にNa,Li,Kが好ましい。Mが第
4級ホスホニウム又は第4級アンモニウムの場合には、
PR1R2R3R4又はNR1R2R3R4で表わされ、R1,R2,R3及びR4
アルキル基及びアリール基から選ばれた同一又は異なる
基いずれでもよい。また、nは正の整数である。
かかる一般式(I)で表わされる共重合成分のうち、
スルホン酸金属塩としては、例えば5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸,5−リチウムスルホイソフタル酸等を挙
げることができ、これらは単独で用いても、また2種以
上を併用してもよい。
また、スルホン酸第4級ホスホニウム塩としては、例
えば、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブ
チルホスホニウム塩,3,5−ジカルボキシベンゼンスルホ
ン酸エチルトリブチルホスホニウム塩,3,5−ジカルボキ
シベンゼンスルホン酸ベンジルトリブチルホスホニウム
塩,3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸フェニルトリ
ブチルホスホニウム塩,3,5−ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸テトラフェニルホスホニウム塩,3,5−ジカルボキ
シベンゼンスルホン酸エチルトリフェニルホスホニウム
塩,3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ブチルトリフ
ェニルホスホニウム塩,3,5−ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸ベンジルトリフェニルホスホニウム塩,3−カルボ
キシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩,3
−カルボキシベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホ
ニウム塩,2,6−ジカルボキシナフタレン−4−スルホン
酸テトラブチルホスホニウム塩,α−テトラブチルホス
ホニウムスルホコハク酸等を挙げることができる。これ
らスルホン酸第4級ホスホニウム塩も、1種のみを単独
で用いても2種以上併用してもよい。
また、スルホン酸第4級アンモニウム塩としては、例
えば3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラメチ
ルアンモニウム塩,3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン
酸テトラエチルアンモニウム塩,3,5−ジカルボキシベン
ゼンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩、3,5−ジ
カルボキシベンゼンスルホン酸ブチルトリエチルアンモ
ニウム塩,3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ベンジ
ルトリエチルアンモニウム塩,3,5−ジカルボキシベンゼ
ンスルホン酸フェニルトリエチルアンモニウム塩,3,5−
ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラフェニルアンモ
ニウム塩,4−ヒドロキシエトキシベンゼンスルホン酸テ
トラエチルアンモニウム塩,2,6−ジカルボキシナフタレ
ン−4−スルホン酸テトラエチルアンモニウム塩などを
挙げることができる。これらスルホン酸第4級アンモニ
ウム塩も、1種のみを単独で用いても2種以上を併用し
てもよい。
また、これらスルホン酸塩化合物は、金属塩,ホスホ
ニウム塩,アンモニウム塩のいずれかのみを用いても、
併用して用いてもよいが、特に金属塩及び/又はホスホ
ニウム塩を用いるのが好ましい。
以上に述べた本発明のブロック共重合体は、例えば、
前述のポリエステル部分(A)あるいは高融点ポリエス
テル部分(B)の夫々単独からなる高分子量ポリエステ
ル(A′)及び(B′)をエステル交換反応せしめる
(再分配反応せしめる)に当り、前記高分子量ポリエス
テル(A′)及び(B′)の少なくとも一方に予め一般
式(I)で表わされる成分を共重合しておくことによ
り、容易に得ることができる。なお、一般式(I)で表
わされる成分が共重合された高分子量ポリエステル
(A′)又は(B′)を得るには、従来公知の方法をそ
のまま採用すればよく、その際、反応の種類(エステル
交換反応後重縮合反応せしめるか、又はエステル化反応
後重縮合反応せしめるか等)によって、必要ならばその
反応に適合した一般式(I)で表わされる共重合成分の
エステル形成性誘導体を用いればよい。かかる誘導体と
しては、一般式(I)中のA1,A2が−OHの時は−OOCR′
(R′は低級アルキル基又はフェニル基)、−CCOOHの
時は−COOR′又は−COO−(CH2 bOH(R′は上記と同
じ、bは2以上の整数)が好ましく用いられる。また、
ポリエステルの種類によっては、その製造時一般式
(I)で表わされるスルホン酸金属塩の反応系への溶解
性が不足して共重合され難い場合があるが、その場合に
は、第4級ホスホニウム塩を併用又は単独で使用するこ
とが好ましい。
次に、再分配反応せしめる方法としては、前記2種の
ポリエステルを触媒の存在下、溶融混合せしめる方法が
一般的であるが、この際、「どこまで反応させるか」及
び「如何にしてその状態で反応を停止させるか」の二点
が重要なポイントとなる。前者の点については、どのよ
うな特性を有するポリマーが得たいかによって適宜変更
することができるが、そのための反応条件は、用いるポ
リエステル(A′)、高融点ポリエステル(B′)の種
類,量,分子量等によりことなり、また、撹拌状況,温
度,触媒等種々の因子によっても異なってくるので、一
義的に定めることは困難である。したがって、実際に
は、使用するポリマー,組成,装置等が定まった後、目
的とするポリエステルブロック共重合体の得られる反応
条件を見出すこととなる。
なお、この再分配反応せしめる際には、得られるポリ
エステルブロック共重合体の融点が、用いた高融点ポリ
エステル(B′)の融点より2〜40℃低くなるまで反応
せしめることが肝要である。融点の低下が2℃未満の場
合にあっては、再分配反応が十分進行しておらず、得ら
れるポリマーはブロック共重合体というよりもポリエス
テル(A′)と高融点ポリエステル(B′)との混合物
としての特性を示し、十分な弾性回復性能を示さなくな
る。一方、融点低下が40℃以上の場合には、エステル交
換反応が進行しすぎて、得られるブロック共重合体の高
融点ポリエステル部分(B)の長さが短くなりすぎ、結
晶性が低下するとともに弾性回復性能が不十分となっ
て、実質的にはランダム共重合体と同等になるので望ま
しくない。好ましくは、得られたポリマーを繊維となし
た際の50%伸長弾性回復率が80%以上となるよう反応さ
せるのが望ましい。
次に、「如何にして再分配反応を停止させるか」につ
いては、反応後のブロック共重合体を直ちに成形する場
合には必ずしも問題とはならないが、例えば一度チップ
となした後再度溶融して成形物となす場合には、再溶融
時に再分配反応が更に進行してブロック共重合体の性質
が変わるので、再分配反応を停止さてておくことが望ま
しい。この反応を停止させる方法としては、触媒を失活
させる方法が一般的であり、例えばエステル交換反応触
媒としてチタン又はスズ触媒を用い、リン酸,亜リン
酸,ホスフォン酸,ホスフィン酸及びこれらの誘導体を
添加して触媒能を失活させる方法が採用できる。
なお、この触媒能を失活させる方法は、温度が260℃
以上になるとその効果は低減するので(260℃以上にな
ると触媒活性は完全には停止できない)、高融点ポリエ
ステル(B′)の融点が260℃を越える場合には、あら
かじめ溶媒、可塑剤等を用いて低温での反応及び成形が
可能となるようにしておくことが望ましい。
かくして得られるポリエステルブロック共重合体の固
有粘度(オルトフェノール中35℃下測定)は、0.4以上
好ましくは0.6以上とすることが望ましく、前記再分配
反応時に使用するポリエステル(A′)及び(B′)と
して固有粘度の高いものを用い、かつ再分配反応時に両
ポリマーが分解して重合度を低下させない条件で反応さ
せることにより容易に達成できる。すなわち、例えば再
分配反応時の反応温度をあまりに高くしすぎると熱分解
が起るし、反応雰囲気中に水分、グリコール成分等が共
存すると加水分解,グリコール分解等が起って、得られ
るブロック共重合体の固有粘度は低下するので望ましく
ない。
かくして得られる本発明のブロック共重合体は、必要
に応じてスルホン酸塩基の対イオン(カチオン)を、後
処理により他のカチオンと交換してもよい。すなわち、
例えばスルホン酸金属塩の共重合されたブロック共重合
体を製造した後、第4級ホスホニウムカチオンを含有す
る処理剤で処理してイオン交換することにより、スルホ
ン酸第4級ホスホニウム塩の共重合されたブロック共重
合体を得ることができる。
なお、本発明のポリエステルブロック共重合体は分岐
剤,難燃性を付与するためのリン化合物、その他の共重
合成分が共重合されていてもよく、また、顔料,染料,
充填剤,難燃剤,安定剤等が含有されていてもよい。
<発明の効果> 本発明のポリエステルブロック共重合体は、従来より
繁用されているポリテトラメチレングリコールと芳香族
ポリエステルとからなるポリエーテルエステルブロック
共重合体に比し、耐酸化性(長期耐熱性,耐光性等)が
極めて優れている。また、脂肪族ポリエステルをソフト
成分とするポリエステルブロック共重合体と比べると耐
加水分解性に優れている。更に、本発明のポリエステル
ブロック共重合体から得られる弾性糸は、カチオン染料
に対する染色性が良好であるといった特徴を有する。
したがって、安定剤を併用しなくとも弾性性能な耐久
性が向上するとともに染色の堅牢性も向上するといった
点を生かして、ファッション性を有した弾性織編物への
展開が可能となるもので、その効果は極めて大きい。<
実施例> 以下、実施例により本発明を更に詳述する。
なお、固有粘度は、オルトクロロフェノール中35℃で
測定した。
実施例1 ジメチルイソフタレートとテトラブチルホスホニウム
5−スルホイソフタル酸ジメチル(ジメチルイソフタレ
ートに対し4モル%)と1,10−デカンジオール及びエチ
レングリコールとを、チタニウムテトラブトキサイド
(ジメチルイソフタレートに対して40ミルモル%)を触
媒としてエステル交換反応させた後、260℃高真空下常
法により重合させて固有粘度1.05のポリエステル
(A′)を得た。得られたポリエステルを加水分解後ガ
スクロマトグラフィーでグリコール成分の共重合比を測
定したところ、1,10−デカンジオール:エチレングリコ
ール=81:19(モル比)であった。
一方、ジメチルテレフタレートとテトラメチレングリ
コールとを、チタニウムテトラブトキサイド(ジメチル
テレフタレートに対して40ミルモル%)を触媒として、
上記と同様にエステル交換させた後重合させて、固有粘
度0.91,融点225℃のポリエステル(高融点ポリエステル
(B′))を得た。
次に、ポリエステル(B′)35重量部を250℃で溶融
後、ポリエステル(A′)65重量部を添加して、1mmHg
以下の高真空下250℃で40分間撹拌反応させ、内部がや
や透明になった時点で亜リン酸(チタンに対して1.5モ
ル倍)を添加した。
得られたブロック共重合体の固有粘度は1.10であり、
融点は193℃(示差走査熱量計にて、昇温速度20℃/分
で測定し、吸熱ピーク温度を求めた)であった。
このポリマーを乾燥後、260℃で溶融し、3ホールの
ノズルを持つキャップより吐出量3.9g/分でポリマーを
押し出した。この吐出糸を、2ケのゴデットロールを介
して1500m/分の速度で捲きとり、弾性糸を得た。この弾
性糸の物性を第1表に示す。
なお、弾性性能は、弾性糸を120℃の熱風乾燥器中15
日間保持した前後の、50%伸長回復率で評価した。この
結果から、弾性性能の耐熱性が非常に優れていることが
わかる。
また、この弾性糸を筒編となした後、カチオン染料Ca
thilon CD−FRLH/Cathilon Blue CD−FBLH=1/1(保土
谷化学(株)製)を2%owf含む染浴(助剤として芒硝3
g/,酢酸0.3g/を含む)で120℃下60分間染色したと
ころ、極めて鮮明な濃青色に染色されていた。
比較例1 ジメチルテレフタレート37.1部,テトラメチレングリ
コール23.9部,数平均分子量2000のポリテトラメチレン
グリコール60.7部及びテトラブチルチタネート0.03部を
反応器に仕込み、内温190℃でエステル交換反応を行っ
た。
理論量の約70%のメタノールが留出した時点でテトラ
ブチルホスホニウム5−スルホイソフタル酸2.5重量部
(2.6モル%/ジメチルテレフタレート)を添加し、昇
温しながら減圧に引き始めた。約30分かけて30mmHgと
し、更に30分かけて3mmHgとし、以後1mmHg以下の真空で
内温245℃以下240分間反応を行った。このポリマーを実
施例1と同様に紡糸しカチオン染料で染色した。このと
きの糸特性を第2表に示す。
実施例2〜14,比較例2〜4 チタニウムテトラブロキサイドを触媒(全ジカルボン
酸成分に対して40ミルモル%)として調整した第3表記
載のポリエステル(A′)及びポリエステル(B′)
を、第3表記載の条件の下で溶融混合し、実施例1と同
様に、内部がやや透明になった時点でリン酸を添加して
ポリエステルブロック共重合体を得た。
得られたポリマーの特性を実施例1と同様に評価した
結果を第3表に示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソフタル酸及び/又はフタル酸を主たる
    酸成分とし、炭素数6〜12の脂肪族α,ω−ジオールを
    主たるグリコール成分とするポリエステル部分(A)
    と、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、炭素数2
    〜4の脂肪族α,ω−ジオール及び/又は1,4−シクロ
    ヘキサンジメタノールを主たるグリコール成分とする高
    融点ポリエステル部分(B)とからなるポリエステルブ
    ロック共重合体であって、スルホン酸塩基を含有する成
    分が前記ブロック共重合体の全酸成分に対して0.1〜10
    モル%共重合されていることを特徴とするポリエステル
    ブロック共重合体。
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