JP2003160648A - ポリトリメチレンテレフタレート組成物 - Google Patents
ポリトリメチレンテレフタレート組成物Info
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Abstract
チレンテレフタレート単位からなる極限粘度が0.5d
l/g以上のポリトリメチレンテレフタレート組成物で
あって、下記の(a)、(b)の条件を満たすことを特
徴とするポリトリメチレンテレフタレート組成物。 (a)環状ダイマーの含有量が2重量%以下であること (b)260℃で30分間溶融状態で保持した後の環状
ダイマー含有量が2重量%以下であること 【効果】 本発明により得られたPTT組成物は、再溶
融しても環状ダイマーに代表されるオリゴマーの増加が
少なく、オリゴマーが原因となる紡糸工程での糸切れや
毛羽の発生や、加工段階でのオリゴマー析出による染色
斑等の問題が抑制されており、紡糸から加工までの工程
安定性を格段によくすることができる。
Description
テレフタレート組成物及びその製造方法に関する。更に
詳しくは、重合過程で生成するオリゴマー、とりわけ環
状ダイマーの含有量が少なく、紡糸等の溶融成形しても
溶融段階で環状ダイマーが増加しにくいポリトリメチレ
ンテレフタレート組成物に関する。
コールエステルと1,3−プロパンジオール(トリメチ
レングリコールともいう。以下、1,3−プロパンジオ
ールを「PDO」と略記する。)とを溶融重合、又は一
旦溶融重合して得られたプレポリマーを更に固相重合し
てポリトリメチレンテレフタレート(以下「PTT」と
略記する)を合成することができる。PTTを溶融紡糸
して得られるポリトリメチレンテレフタレート繊維は、
従来にない驚くべきほどのソフトな風合いやドレープ
性、優れたストレッチ性、低温染色性、耐候性等の、ポ
リエチレンテレフタレート繊維(以下、ポリエチレンテ
レフタレートを「PET」と略記する)やナイロン6繊
維等の既存の合成繊維では得られない多くの特徴を兼ね
備えている。
オリゴマーを生成し、そのオリゴマーが紡糸過程や加工
段階で様々な問題を起こすことがわかってきた。例え
ば、紡糸過程においては長時間紡糸を行うと、オリゴマ
ーが昇華して紡口周辺に析出し、それが吐出された繊維
に付着して糸切れや毛羽の原因となる。また加工段階で
は、熱セット段階でテンター内に蓄積して汚れの原因に
なったり、染色液中に溶けだして染色斑や廃液処理を困
難にする原因となる。またひどい場合には、装置に蓄積
したオリゴマーが熱や静電気によって着火し、火災の原
因ともなる。
は、PTTに対して約2.5〜3.5重量%含まれる。
また、そのオリゴマーは、下記の構造で示すような環状
オリゴマー(1)と線状オリゴマー(2)の混合物であ
ることが知られているが、その約90重量%は環状ダイ
マー(式(2)において、qが1に相当する構造を有す
る)である。環状ダイマーは特に高い昇華性、熱水溶解
性を有するので、上記に示したような様々な問題を引き
起こす主たる原因物質となる。
ート(以下「PET」と略記する)にもこのようなオリ
ゴマーが存在することは古くから知られている。しかし
ながら、PETの場合は、その存在量は1重量%程度で
あること、更にはオリゴマーは環状3量体が大部分で、
PTT環状ダイマーよりも分子量が大きいため昇華性や
水への溶解性が小さい。従って、製造工程における問題
の程度はPTTの場合がはるかに深刻である。
リゴマーを減らす試みは既に知られており、最も有効な
方法は固相重合することである(特開平8−31117
7号公報)。この特許文献では、200℃近傍で、真空
中で数時間固相重合すると、オリゴマーの含有量は1重
量%以下になることが記載されている。しかしながら、
本発明者らの検討によれば、固相重合したオリゴマー量
が1重量%未満のPTTを用いても再度溶融するとオリ
ゴマーは増加し、溶融時の滞留時間が長くなると、2.
5〜3.5重量%程度の固相重合前の含有量まで戻るこ
とが明らかとなった。重合過程で生成するオリゴマー、
とりわけ環状ダイマーの含有量が少なく、紡糸等の溶融
成形しても環状ダイマーが増加しにくいPTTを得るこ
とができれば、紡糸や加工段階でのオリゴマー由来の上
記問題は解決されるが、これまでにそのような検討はな
されていなかった。
に、本発明者らは環状ダイマーの生成プロセスを詳細に
解析した結果、分子末端の水酸基酸素の不対電子が分子
内部のエステル基のカルボニル炭素を攻撃して生成する
ことを突き止めた。この時重合で用いた触媒がエステル
基のカルボニル酸素に配位しカルボニル炭素の求電子性
を向上するために、分子末端の水酸基酸素の求核攻撃性
を高め、環状ダイマーが生成しやすくなることを見出し
た。
配位した触媒を失活させることができれば、環状ダイマ
ーの生成を抑制できると考え、更に詳細に検討した結
果、本発明に到達した。すなわち、本発明の第一は、繰
り返し単位の80重量%以上がトリメチレンテレフタレ
ート単位からなる極限粘度が0.5dl/g以上のポリ
トリメチレンテレフタレート組成物であって、下記の
(a)、(b)の条件を満たすことを特徴とするポリト
リメチレンテレフタレート組成物であり、 (a)環状ダイマーの含有量が2重量%以下であること (b)260℃で30分間溶融状態で保持した後の環状
ダイマー含有量が2重量%以下であること 本発明の第二は、触媒を用いた溶融重合又は溶融重合後
に固相重合を行うことによって得られた、繰り返し単位
の80重量%以上がトリメチレンテレフタレート単位か
らなる極限粘度が0.5dl/g以上のポリトリメチレ
ンテレフタレート組成物に残存する触媒の重縮合能力の
一部又は全部を失活させることを特徴とするポリトリメ
チレンテレフタレート組成物の処理方法である。
返し単位の80重量%以上がトリメチレンテレフタレー
ト単位からなる、極限粘度が0.5dl/g以上のPT
Tである。極限粘度が0.5dl/g未満の場合は、得
られる繊維の強度が低い。極限粘度の上限については特
に制限はないが、2dl/gを越える場合は、溶融粘度
が高すぎるためにギアポンプでの計量がスムーズに行な
うことが困難となるので、好ましくは0.7〜1.5d
l/g、特に好ましくは0.8〜1.35dl/gであ
り、最も好ましくは紡糸安定性と繊維強度の高さから
0.85〜1.2dl/gである。
ノマーとしては、テレフタル酸及びPDO以外に、繰り
返し単位の20重量%未満で他のモノマーを共重合して
もよい。共重合するモノマーとしては、テレフタル酸も
しくはその低級アルコールエステル、PDO以外であれ
ば、ジオール、ジカルボン酸、ジカルボン酸エステル、
ジカルボン酸アミド、オキシカルボン酸等、特に制限は
ない。エステル形成性モノマーの具体例としては、エチ
レングリコール、1,2−プロパンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等のジオール、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタ
ル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウ
ムスルホテレフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル
酸4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、2−ナトリウムスルホ−4−ヒドロキシ安息香
酸、5−スルホイソフタル酸テトラブチルホスホニウム
等のジカルボン酸及びそのメタノール等の低級アルコー
ルエステル、オキシ酢酸、オキシ安息香酸等のオキシカ
ルボン酸及びそのメタノール等の低級アルコールエステ
ル、更には分子量が200〜100000のポリエチレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリ
オールであってもよい。必要に応じて2種類以上のエス
テル形成性モノマーを共重合させてもよい。
えば、PDOのダイマー(ビス(3−ヒドロキシプロピ
ル)エーテル:以下「BPE」と略記する)が共重合さ
れていてもよい。BPEは、重合過程でPDOやPTT
分子末端の3−ヒドロキシプロピル基が更にPDOと反
応して生成し、そのままPTTに共重合され、PTTの
耐光性や耐熱性を低下させるが、適度に共重合されると
染料吸尽率や紡糸安定性を高める効果ある。従って、適
度にBPEは共重合されることが好ましく、BPEの共
重合比率としては0.01〜2重量%、好ましくは、
0.04〜1.2重量%である。
含有量は、紡糸過程や加工段階での環状ダイマーによる
問題を避けるためには、PTT組成物重量に対して2重
量%以下であることが必要である。より好ましくは1.
5重量%以下であり、更に好ましくは1重量%以下であ
る。更に必要に応じて、本発明のPTT組成物には、各
種の添加剤、例えば、酸化チタン等の艶消し剤、熱安定
剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤などを共重
合、または混合してもよい。特に、艶消し剤として用い
る酸化チタンを用いる場合は、PTT組成物重量当たり
0.01〜3重量%が好ましい。特に、本発明の製造方
法において、末端カルボキシル基量の低下、熱安定性、
溶融安定性やポリマーの白度を高める方法としては、上
記の好ましい触媒量、反応温度を適用すると同時に、熱
安定剤や着色抑制剤を用いることが特に好ましい。
化合物やヒンダードフェノール系酸化防止剤が好まし
い。例えば、5価または3価のリン化合物としては、ト
リメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ
ブチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリ
メチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリフ
ェニルホスファイト、リン酸、亜リン酸等が挙げられ、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ペンタエ
リスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス
{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジ
メチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリス(4−te
rt−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンゼ
ン)イソフタル酸、トリエチルグリコール−ビス[3−
(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−
ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチ
レン−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−
3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]が挙げられる。
1〜0.5重量%、好ましくは0.02〜0.1重量%
添加することができる。尚、この範囲であっても触媒量
との量比の関係で、熱安定剤が多くなると、重縮合反応
や固相重合反応の速度を低下させる場合があるので、量
比を適宜実験の上設定することが好ましい。このような
量比の決定は当業者であれば、何ら困難なく行うことが
できる。また、着色抑制剤としては、酢酸コバルト、蟻
酸コバルト等のコバルト化合物、市販の蛍光増白剤が挙
げられ、PTT組成物に対し0.0001〜0.1重量
%添加することもできる。
分間溶融状態で保持した後の環状ダイマー含有量が2重
量%以下であることが必要である。この条件を満たすこ
とで、PTT組成物を再溶融する、溶融紡糸、溶融製
膜、射出成形、押出成形、ブロー成形等の成形段階で環
状ダイマーの増加量は著しく低減できる。好ましくは、
1.8重量%以下であり、更に好ましくは1.5重量%
以下であり、更に好ましくは1.1重量%以下である。
造方法について説明する。本発明のPTT組成物は、触
媒を用いた溶融重合又は溶融重合後に固相重合を行うこ
とによって得られた、繰り返し単位の80重量%以上が
トリメチレンテレフタレート単位からなる、極限粘度が
0.5dl/g以上のポリトリメチレンテレフタレート
組成物に残存する触媒の重縮合能力の一部又は全部を失
活させることにより製造できる。まずはじめに、触媒を
用いた溶融重合は、テレフタル酸及び/又はその低級ア
ルコールエステルとPDOを反応させてテレフタル酸の
PDOエステル及び/又はそのオリゴマーを生成させ、
それを重縮合反応させる方法である。本発明で用いるテ
レフタル酸、テレフタル酸の低級アルコールエステル、
PDOは、市販のもの、あるいはPTTやPTT製品か
らを回収されたものでもよく、好ましくは純度95%以
上、更に好ましくは98%以上である。
酸の低級アルコールエステルに対するPDOの仕込み比
率はモル比で0.8〜3であることが好ましい。仕込み
比率が0.8未満では、エステル交換反応が進行しにく
く、また、仕込み比率が3より大きくなると融点が低く
なる他、得られたポリマーの白度が低下する傾向があ
る。好ましくは、1.4〜2.5であり、更に好ましく
は、1.5〜2.3である。
あり、例えば、チタンテトラブトキシド、チタンテトラ
イソプロポキシドに代表されるチタンアルコキサイド、
非晶性酸化チタン沈殿物、非晶性酸化チタン/シリカ共
沈殿物、非晶性ジルコニア沈殿物等の金属酸化物、酢酸
カルシウム、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸アンチ
モン等の金属カルボン酸塩等を全カルボン酸成分モノマ
ーに対して0.01〜0.2重量%、好ましくは0.0
5〜0.12重量%用いることが反応速度、ポリマーの
白度、熱安定性を兼ね備えることから好ましい。反応温
度としては200〜250℃程度で、副生する水やメタ
ノール等のアルコールを留去しながら反応を行うことが
できる。反応時間は通常2〜10時間、好ましくは2〜
4時間である。こうして得られた反応物は、テレフタル
酸のPDOエステル及び/又はそのオリゴマーである。
以上のエステル化反応、エステル交換反応は、必要に応
じて2つ以上の反応釜に分けて順次連続的に行ってもよ
い。PTT組成物は、こうして得られたテレフタル酸の
PDOエステル及び/又はそのオリゴマーを更に重縮合
することにより製造することができる。
テトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシドに代
表されるチタンアルコキサイド、非晶性酸化チタン沈殿
物、非晶性酸化チタン/シリカ共沈殿物、非晶性ジルコ
ニア沈殿物等の金属酸化物を全カルボン酸成分モノマー
に対して0.01〜0.2重量%、好ましくは、0.0
3〜0.015重量%添加する。この重縮合触媒は、エ
ステル化反応やエステル交換反応で用いた触媒をそのま
ま使用することもできるし、新たに追加してもよい。こ
れらの触媒の内、チタン系の触媒はエステル化反応、エ
ステル交換反応、重縮合反応のいずれにも有効な触媒で
あるので、エステル交換反応や重縮合反応段階で添加し
ておくと、重縮合反応前に新たに添加することなく、あ
るいは添加するにしても少量で重縮合反応を行うことが
できる点で最も好ましい触媒である。
ステル化反応やエステル交換反応で生成した反応系内に
残存する水やアルコールを効率的に排出させるために、
減圧中で重縮合することが好ましく、適用する真空度と
しては、0.0001〜2torr、好ましくは0.0
1〜0.7torrである。PTTに共重合を行う場合
は重合の任意の段階で、コモノマーを添加することがで
きる。こうして得られたPTT組成物を更に固相重合を
することもできる。固相重合は得られたPTT組成物を
ペレット化した後、窒素、アルゴン等の不活性ガス下、
あるいは少なくとも5torr以下の真空中で190〜
220℃、好ましくは、重合速度と熱分解を両立できる
観点から200〜210℃で範囲で3〜200時間反応
させて行うることができる。このような固相重合を行う
ことは、環状ダイマー量を1.5重量%以下、更には
1.2重量%以下にすることが可能であり、また重合度
を高くすることができるので、より好ましい重合方法で
ある。
られたPTT組成物に含まれる触媒の重縮合能力の一部
又は全部を失活させることにより製造できる。触媒の失
活方法として最も簡便な方法は、極性化合物とPTT組
成物を接触させる方法である。接触方法としては特に制
限はなく、この処理によって触媒の部分的あるいは完全
失活が認められればよい。例えば、PTT組成物を極性
化合物雰囲気に入れる方法、溶融状態、固体状態、溶液
状態、分散状態のPTT組成物の中に極性化合物を注入
や投入する方法等が挙げられる。触媒の重縮合能力を失
活させるためには、PTT組成物と極性化合物が反応す
るときの温度は50℃以上が好ましく、好ましくは70
℃以上、更に好ましくは150℃以上である。この時極
性化合物は液体、気体、臨界点以上の流体であってもよ
い。処理時間も特に制限はないが、処理時間が長くなる
ほど、PTTの加溶媒分解が起こり分子量の低下が起こ
るので、できるだけ短時間に処理することが好ましい。
通常は60分以内であり、より好ましくは30分以内で
ある。
硫黄等のヘテロ原子を有するものであり、より好ましく
は水素結合が可能な化合物である。このような化合物の
具体例としては、水、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、PDO、1,4−ブタンジオール、エチレング
リコール、グリセリン、エタノールアミン等のアルコー
ル、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェー
ト、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイ
ト、トリフェニルホスファイト、リン酸、亜リン酸等の
リン化合物、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、化水素、硫酸
等の酸、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、
エチレンジアミン、トリエチルアミン、エチレンイミ
ン、アミン等のアミンが挙げられるが、特に好ましく
は、取り扱い性や無毒の観点から水が好ましい。こうし
た極性化合物とPTT組成物を接触させる時の両化合物
の比率としては、特に制限はなく、通常は重量比で10
0000/1〜0.01/1であればよい。
り詳細に説明するが、言うまでもなく本発明は実施例な
どにより何ら限定されるものでない。尚、実施例中の主
な測定値は以下の方法で測定した。 (1)極限粘度 この極限粘度[η]は、オストワルド粘度管を用い、3
5℃、o−クロロフェノールを用いて比粘度ηspと濃
度C(g/100ml)の比ηsp/Cを濃度ゼロに外
挿し、以下の式に従って求めた。 [η]=lim(ηsp/C) C→0
OH5mlの混合物に溶解させた後、更にクロロホルム
5mlを加え、その後アセトニトリルを約80ml加え
た。この時析出した不溶物をろ別し、溶液を全て集め
た。この溶液にアセトニトリルを添加し、200mlの
溶液とした。この溶液を高速液体クロマトグラフィーを
用いて分析し、環状オリゴマー量を測定した。カラム
は、μBond asphere 15μ C−18−
100A 3.9×190mm(ウォータース社製)を
用い、移動相としては水/アセトニトリル(容積比30
/70)を用い、検出器としては紫外線242nmの波
長を用いた。温度は45℃、流量は1.5ml/min
である。
ら溶封し、その後260℃のオイルバスに入れて30分
間放置した。処理後、冷却し試料を取り出して各種の分
析を行った。 (4)紡糸実験 PTT組成物を130℃で乾燥後、水分率を50ppm
以下とし、押出機を用いて260℃押出し、1600m
/minで巻き取った。溶融時の滞留時間は約10分で
あった。巻き取られた未延伸糸を55℃のホットロー
ル、140℃のホットプレートを通しながら、伸度が4
0%に成るように熱延伸を行い、84dtex/36f
のフィラメントを得た。
(6.7モル)、PDO:144g(15モル)、チタ
ンブトキシド0.78gを板状の羽根を備えた3lのオ
ートクレーブに仕込み、220℃でメタノールを留去し
ながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応率
は95%であった。エステル交換反応終了後、次いで、
触媒としてチタンテトラブトキシド0.52g、熱安定
剤としてトリメチルホスフェート0.65gを添加し、
30分攪拌後、PDOを留去しながら、0.1〜0.5
torrの真空度で260℃、4時間重縮合反応を行っ
た。反応後、得られたポリマーを反応釜底部からロープ
状に押出し、切断して25mg/個のペレットを得た。
こうして得られたペレットを205℃、窒素気流下で3
0時間固相重合を行い、極限粘度0.92dl/g、環
状ダイマー含有量1.0のPTT組成物を得た。
た様々な極性化合物100g中に入れ、表1に示した温
度と時間で熱処理を行った。こうして処理されたPTT
組成物は、260℃、30分間再溶融しても、環状ダイ
マーの増加量は低レベルであった。尚、実施例1のPT
T組成物の溶融紡糸を行ったところ、得られた繊維中に
含まれる環状ダイマー量は1.2重量%、極限粘度は
0.86dl/gであった。また、極性化合物処理した
PTT組成物を更に205℃で10時間固相重合しても
極限粘度は0.02dl/g程度しか上がらなかった。
一方、極性化合物処理しない場合は、0.2dl/g程
度上がった。このことは、極性化合物処理が触媒の重縮
合能力を部分的に失活させていることを示すものであ
る。
分の再溶融試験を行ったところ、再溶融後の環状ダイマ
ー量は、実施例対比高く、2重量%を大きく越えるもの
であった。こうして得られたPTT組成物の溶融紡糸を
行ったところ、得られた繊維中に含まれる環状ダイマー
量は1.8重量%、極限粘度は0.86dl/gであっ
た。
合反応を行った後、ポリマーを取り出す前に、更にトリ
メチルホスフェート2.0gを添加し約5分間反応させ
た後、同様のペレット化を行った。その後、205℃、
窒素気流下で50時間固相重合を行い、極限粘度0.9
5dl/g、環状ダイマー含有量0.8のPTT組成物
を得た。このPTT組成物を260℃、30分間再溶融
しても、環状ダイマーの含有量は、1.7重量%であっ
た。
融紡糸を行ったところ、得られた繊維中に含まれる環状
ダイマー量は1.1重量%、極限粘度は0.88dl/
gであった。得られたPTT組成物を更に205℃で1
0時間固相重合しても極限粘度は0.01dl/g程度
しか上がらなかった。一方、重縮合反応後トリメチルホ
スフェートを添加しない場合は、0.2dl/g程度上
がった。このことは、重縮合反応後のトリメチルホスフ
ェート添加は、触媒を部分的に失活させていることを示
すものである。
再溶融しても環状ダイマーに代表されるオリゴマーの増
加が少なく、オリゴマーが原因となる紡糸工程での糸切
れや毛羽の発生や、加工段階でのオリゴマー析出による
染色斑等の問題が抑制されており、紡糸から加工までの
工程安定性を格段によくすることができる。もちろん、
このようなオリゴマー問題は繊維のみでなく、フィルム
や成形体製造においても起こるので、本発明は、これら
の製造にも適用可能であり、品質、工程性の両方の観点
から極めて重要な発明である。
Claims (7)
- 【請求項1】 繰り返し単位の80重量%以上がトリメ
チレンテレフタレート単位からなる極限粘度が0.5d
l/g以上のポリトリメチレンテレフタレート組成物で
あって、下記の(a)、(b)の条件を満たすことを特
徴とするポリトリメチレンテレフタレート組成物。 (a)環状ダイマーの含有量が2重量%以下であること (b)260℃で30分間溶融状態で保持した後の環状
ダイマー含有量が2重量%以下であること - 【請求項2】 環状ダイマーの含有量が1.5重量%以
下であることを特徴とする請求項1記載のポリトリメチ
レンテレフタレート組成物。 - 【請求項3】 触媒を用いた溶融重合又は溶融重合後に
固相重合を行うことによって得られた、繰り返し単位の
80重量%以上がトリメチレンテレフタレート単位から
なる極限粘度が0.5dl/g以上のポリトリメチレン
テレフタレート組成物に残存する触媒の重縮合能力の一
部又は全部を失活させることを特徴とするポリトリメチ
レンテレフタレート組成物の処理方法。 - 【請求項4】 触媒の重縮合能力を失活させる方法が少
なくとも50℃以上の極性化合物と該樹脂組成物を接触
させる方法であることを特徴とする請求項3記載のポリ
トリメチレンテレフタレート組成物の処理方法。 - 【請求項5】 極性化合物が水、アルコール、リン化合
物、酸、アミンの中から選ばれた少なくとも1種である
ことを特徴とする請求項4記載のポリトリメチレンテレ
フタレート組成物の処理方法。 - 【請求項6】 請求項1又は2のいずれかに記載された
ポリトリメチレンテレフタレート組成物からなること特
徴とする成形体。 - 【請求項7】 成形体が繊維であることを特徴とする請
求項6記載の成形体。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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