JPH07286046A - ポリエステルチップの処理方法およびポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents

ポリエステルチップの処理方法およびポリエステル繊維の製造方法

Info

Publication number
JPH07286046A
JPH07286046A JP8183094A JP8183094A JPH07286046A JP H07286046 A JPH07286046 A JP H07286046A JP 8183094 A JP8183094 A JP 8183094A JP 8183094 A JP8183094 A JP 8183094A JP H07286046 A JPH07286046 A JP H07286046A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
acid
chips
amorphous polyester
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8183094A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironori Yamada
裕憲 山田
Shigeru Morioka
茂 森岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP8183094A priority Critical patent/JPH07286046A/ja
Publication of JPH07286046A publication Critical patent/JPH07286046A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 非晶性ポリエステルチップを加熱された水ま
たは水蒸気と接触せしめることを特徴とするポリエステ
ルチップの処理方法。 【効果】 本発明の方法により処理されたポリエステル
チップを溶融紡糸すると、口金孔周辺に堆積する異物の
量が著しく低減し、ベンディングの発生が実質的に抑制
されしかもラップ率も低い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルチップの
処理方法およびポリエステル繊維の製造方法に関し、更
に詳しくは、溶融紡糸時に口金孔周辺に堆積する異物が
極めて低減され、ベンディングの発生が抑制されたポリ
エステルに変換し得るポリエステルチップの処理方法お
よび該方法により得られたポリエステルチップからポリ
エステル繊維を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレートは多くの優れた特性を有しているため、種々の
用途、特に繊維、フイルムに広く利用されている。かか
るポリエステルは、通常テレフタル酸とエチレングリコ
ールとをエステル化反応せしめる方法、テレフタル酸ジ
アルキルとエチレングコリールとをエステル交換反応せ
しめる方法、またはテレフタル酸とエチレンオキサイド
とを反応せしめる方法などで、テレフタル酸のエチレン
グリコールエステルおよび/またはその低重合体を生成
せしめ、次いでこの生成物を減圧下加熱して所定の重合
度になるまで重縮合反応せしめることによって製造され
ている。
【0003】かくして製造されたポリエステルは、通
常、反応釜からプレート状あるいはストランド状に押し
出され、適切な冷媒、例えば水、空気などで冷却し、適
切な大きさに切断して粒状(チップ)に成形される。
【0004】この粒状ポリエステル(チップ)は、乾燥
処理が行われた後、押出機により溶融状態とし、紡糸ノ
ズルまたはスリットから繊維状またはフイルム状に押出
し、次いで延伸して実用に供される。
【0005】上記重縮合反応は、触媒を使用することに
よって円滑に進行し、且つ商品価値のあるポリエステル
が得られる。しかも、使用される触媒の種類によって反
応速度、得られるポリエステルの品質が大きく左右され
る。
【0006】従来より、重縮合触媒としてアンチモン化
合物あるいはゲルマニウム化合物が、優れた重縮合反応
促進効果を有し、また比較的色調の良好なポリエステル
が得られる等の理由から、最も広く使用されている。し
かしながら、かかる化合物を触媒として使用して得られ
るポリエステルは、成形性、特に長期間にわたる紡糸性
に劣る欠点がある。即ち、重縮合触媒としてアンチモン
化合物を使用して得たポリエステルを溶融紡糸すると、
紡糸開始後、時間の経過に伴い紡糸孔外周辺においてア
ンチモン化合物が昇華し、その結果口金異物が堆積しポ
リマー流の曲り現象(以下ベンディングと称す)が発生
すると共に、紡糸、延伸時にラップが多発するようにな
り、遂には紡糸自体が不能となる。このため、ベンディ
ングが発生すると紡糸口金の交換が必要により、生産が
著しく阻害される。
【0007】一方、特開平3−174441号公報に
は、射出成形時の金型汚れが発生しにくいポリエチレン
テレフタレートを得る手段として固有粘度が0.50d
l/g以上であるとともに密度が1.37g/cm2以上
であるポリエチレンテレフタレートを、1〜150℃の
水と触媒させて環状三量体などのオリゴマーを除する処
理方法が提案されているが、本発明を開示ないし示唆す
るものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶融
紡糸したときにベンディングの発生が実質的に抑制さ
れ、かつラップの発生が少ないポリエステルに変換し得
るポリエステルチップの処理方法を提供することであ
る。本発明の他の目的は、上記処理方法により得られた
ポリエステルチップを溶融紡糸してポリエステル繊維を
製造する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための具体的な手段】本発明によれ
ば、第1に、非晶性ポリエステルチップを加熱された水
または水蒸気と接触せしめることを特徴とするポリエス
テルチップの処理方法が提供される。さらに本発明によ
れば、上記処理方法で得られたポリエステルチップを溶
融紡糸することを特徴とするポリエステル繊維の製造方
法が提供される。
【0010】以下、本発明を詳述するが、それにより本
発明の別の目的、構成それに基づく利点および効果が明
らかとなろう。
【0011】本発明におけるポリエステルは、代表的に
は、テレフタル酸成分を主成分とするジカルボン酸成分
およびエチレングリコール成分を主成分とするグリコー
ル成分からなるポリエステルである。
【0012】このようなポリエステルにおいて、テレフ
タル酸成分はジカルボン酸成分中に80モル%以上占め
ることが好ましい。テレフタル酸成分以外に含むことの
できるジカルボン酸成分としては、例えばイソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、アジピン酸、セ
バシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸および
5−ナトリウムスルホイソフタル酸の如き芳香族、脂肪
族、脂環族のジカルボン酸成分をあげることができる。
【0013】エチレングリコール成分はジオール成分中
に80モル%以上占めることが好ましい。エチレングコ
リール成分以外に含むことのできるジオール成分として
は、トリメチレングコリール、テトラメチレングコリー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペン
チルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS
の如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物および
ポリオキシアルキレングリコール等をあげることができ
る。
【0014】本発明におけるポリエステルは、ジカルボ
ン酸成分およびジオール成分以外の多官能性カルボン酸
成分を全カルボン酸成分に対して20モル%以下の少量
の範囲で含むことができる。このような多官能性カルボ
ン酸成分としてβ−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−
オキシ安息香酸などを挙げることができる。
【0015】本発明におけるポリエステルは各種の方法
よって調製され得る。例えばポリエチレンテレフタレー
トはエステル化反応またはエステル交換反応によるテレ
フタル酸のグリコールエステルおよび/またはその低重
合体を生成される第1段階の反応と第1段階の反応生成
物をアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物などの重縮
合触媒の存在下に、減圧、加熱して所望の重合度になる
までの重縮合反応させる第2段階の反応によって調製さ
れ得る。
【0016】上記第1段階の反応は、テレフタル酸とエ
チレングコリールとを直接エステル化反応させる方法、
テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の低級アルキ
ルエステルとエチレングコリールとをエステル交換反応
させる方法、テレフタル酸とエレチンオキサイドとを反
応させる方法などにより行うことができる。
【0017】重縮合反応させる第2段階の反応は、通
常、重縮合触媒が用いられる。重縮合触媒としては、三
酸化アンチモン、五酸化アンチモン、三塩化アンチモ
ン、酢酸アンチモン、アンチモングリコレートなどのア
ンチモン化合物;結晶性二酸化ゲルマニウム、非晶性二
酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲ
ルマニウムテトラn−ブトキシドなどのゲルマニウム化
合物;チタニウムテトラブトキシドなどのチタン化合
物;などを例示することができる。
【0018】本発明の処理方法においては、アンチモン
化合物および/またはゲルマニウム化合物を用いて調製
されたポリエステルについてより効果的である。
【0019】本発明の処理方法においては、重縮合反応
を行った後、生成したポリエステルを溶融状態で反応釜
より押出し、適切な冷媒で、例えば水で急速に冷却し、
引き続き適当な大きさのチップ状に切断する。チップの
形は、直方体、シリンダー状、サイコロ状であることが
できる。
【0020】このようにして得られるポリエステルチッ
プは非晶状態である。本発明の処理方法においては、こ
の非晶ポリエステルチップと加熱された水ないし水蒸気
と接触せしめる処理を行う。
【0021】このような非晶状態のポリエステルチップ
を加熱された水ないし水蒸気と接触せしめることによ
り、水分子がポリエステルチップに容易に拡散すると共
に、口金異物の原因物質であるアンチモン化合物で例示
される重縮合触媒が該チップから一部抽出除去され、一
部の残存アンチモン化合物は非昇華性のアンチモン化合
物に変化するものと考えられる。
【0022】非晶性ポリエステルチップの密度は室温に
おいて1.37g/cm2未満であることが好ましい。
【0023】非晶性ポリエステルチップを処理するにあ
たって使用する水あるいは水蒸気の温度は好ましくは8
0〜150℃、特に好ましくは80〜100℃である。
あまり高温の水蒸気の使用はポリエステルの重合度が低
下することがある。
【0024】処理時間は、本発明の目的の達成およびポ
リエステルの分解の防止の観点から、水または水蒸気の
温度が80〜90℃のとき4〜24時間、90〜120
℃のとき4〜12時間、120〜150℃のとき0.5
〜3時間程度とするのが好ましい。
【0025】本発明においては、溶融紡糸時にアンチモ
ン化合物で例示される重縮合触媒が昇華するのを抑制す
る目的で非晶ポリエステルチップは安息香酸、p−オキ
シ安息香酸、m−オキシ安息香酸、サリチル酸、2,3
−ジオキシ安息香酸、2,4−ジオキシ安息香酸、2,5
−ジオキシ安息香酸、2,6−ジオキシ安息香酸、3,4
−ジオキシ安息香酸、3,5−ジオキシ安息香酸、1,
2,3−トリオキシ安息香酸、2,3,5−トリオキシ安
息香酸、2,4,5−トリオキシ安息香酸、3,4,5−ト
リオキシ安息香酸、2,3,6−トリオキシ安息香酸、
2,4,6−トリオキシ安息香酸、o−クロル安息香酸、
m−クロル安息香酸、p−クロル安息香酸、o−トルイ
ル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、テレフタル酸
モノメチル、イソフタル酸モノメチル、フタル酸モノメ
チル、フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、無水
トリメリット酸等の芳香族カルボン酸;
【0026】ピロリン酸、トリリン酸、トリメタリン
酸、テトラメタリン酸、ピロリン酸ナトリウム、ピロリ
ン酸アンモニウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸カ
ルシウム、ピロリン酸チタン、ピロリン酸水素カリウ
ム、ピロリン酸水素ナトリウム、ピロリン酸マグネシウ
ム、ピロリン酸マンガン、メタリン酸アンモニウム、メ
タリン酸カリウム、メタリン酸カルシウム、メタリン酸
ナトリウム、メタリン酸マンガン等;のポリリン酸化合
物;
【0027】または下記一般式(1)
【0028】
【化2】
【0029】(ここで、Aはエステル形成性官能基を有
さない有機基を示し、R1、R2、R3およびR4は、同一
または異なって、アルキル基、置換アルキル基、アリー
ル基または置換アリール基を示し、nは正の整数であ
る)で表わされる化合物の有効量を含むことができる。
【0030】上記一般式(1)において、スルホネート
アニオンの具体例としては、フェニルスルホネート、ブ
チルフェニルスルホネート、オクタデシルフェニルスル
ホネート、ジブチルフェニルスルホネート等の(置換)
フェニルスルホネート類;ナフチルスルホネート、ジイ
ソプルピルナフチルスルホネート、ジブチルナフチルス
ルホネート、ナフタレンジスルホネート等のナフチルス
ルホネート類;ブチルスルホネート、オクチルスルホネ
ート、ラウリルスルホネート、ヘキサデシルスルホネー
ト等のアルキルスルホネート類;等があげられる。
【0031】一方、一般式(1)において、ホスホニウ
ムカチオンの具体例としては、テトラメチルホスホニウ
ム、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニ
ウム、トリエチルメチルホスホニウム、トリブチルメチ
ルホスホニウム、トリブチルエチルホスホニウム、トリ
メチルブチルホスホニウム、トリメチルオクチルホスホ
ニウム、トリメチルラウリルホスホニウム、トリメチル
ステアリルホスホニウム、トリエチルオクチルホスホニ
ウム、トリブチルオクチルホスホニウムなどの脂肪族ホ
スホニウム;トリフェニルメチルホスホニウム、トリフ
ェニルエチルホスホニウム、トリエチルベンジルホスホ
ニウム、トリブチルベンジルホスホニウム等の芳香族ホ
スホニウム;その他、トリ(3−ヒドロキシプロピル)
メチルホスホニウム、トリ(2−シアノエチル)メチル
ホスホニウム、トリブチル(2−ヒドロキシエチル)ホ
スホニウム等、水酸基、シアノ基などの置換基を有する
ホスホニウムをあげることができる。
【0032】上記一般式(1)で表わされる化合物は単
独であるいは混合して用いることができる。
【0033】このような化合物を非晶性ポリエステルチ
ップに存在させることにより、本発明の方法により処理
されたポリエステルチップを溶融防止する際に、アンチ
モン化合物などの重縮合触媒成分の昇華が抑制されて、
溶融紡糸時における口金異物の堆積が一層抑制され良好
な結果をもたらす。
【0034】通常、このような化合物はポリエステルの
全酸成分に対して0.01〜1モル%程度の割合で配合
される。かかる化合物は前述したポリエステルの調製が
完了する以前の任意の段階で、好ましくは第1段の反応
が終了した段階で添加することができる。
【0035】以上詳述した方法によって得られたポリエ
ステルを、繊維、フイルムなどに成形するには、それ自
体公知の乾燥装置、製膜装置、紡糸装置を用い、通常の
製膜、紡糸条件を何らの制限なく採用することができ
る。
【0036】例えば、本発明の方法で処理されたポリエ
ステルから繊維を製造する場合は、チップを160℃で
4時間乾燥した後、500〜2,500m/分の速度で
溶融紡糸し、延伸、熱処理する方法、1,500〜5,0
00m/分の速度で溶融紡糸し、延伸と仮撚加工とを同
時にまたは続いて行う方法、5,000m/分以上の高
速で溶融紡糸し、用途によっては延伸工程を省略する方
法など任意の製糸条件を採用することができる。
【0037】
【作用】本発明の処理方法により、加熱した水または水
蒸気で接触処理したポリエステルチップと処理前のポリ
エステルチップのオリゴマー成分を分析すると環状三量
体総量にはあまり差を認められない。しかし、処理した
チップのモノマー量が減少し、同時に処理後のチップを
溶融紡糸した時の触媒成分の昇華量(口金面異物)も減
少する。特に、有機カルボン酸、例えば安息香酸を添加
したポリエステルを処理すると、モノマー成分の量およ
び触媒成分の昇華量は極めて少ない。
【0038】このことは、非晶性ポリエステルチップの
水または水蒸気による加熱処理により昇華性の触媒成分
が水または水蒸気によってポリエステルチップ中から一
部抽出除去されることあるいは残留触媒成分が非昇華性
化合物に変化することを意味している。特に安息香酸な
どを添加したポリエステルは昇華性の触媒成分が安息香
酸との反応によって、水または水蒸気に抽出されやすい
低分子量の有機化合物となるため、容易に本発明の処理
によってポリエステルチップ中から除去されるものと考
えられる。
【0039】その結果、本発明の方法で処理されたポリ
エステルは、紡糸時発生する口金面異物が減少し、更に
溶融紡糸時の重合度低下が抑制され、また得られるポリ
エステル繊維の白度も向上し、製糸性および品質に優れ
たポリエステル繊維が得られる。
【0040】
【実施例】以下に実施例をあげて更に説明する。実施例
中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
各物性の測定、評価方法は下記に従った。 (1)固有粘度[η] 35℃のオルソクロルフェノール溶液で測定した値から
求めた。 (2)色相 ハンター型色差計によるL値とb値で示した。L値は値
が大きくなるほど白度の良好なことを示し、b値は+側
に大なるほど黄味の強いことを示す。
【0041】(3)オリゴマー ポリマーからサンプリングし、これをフルオロイソプロ
パノール/クロロホルム(50/50)混合溶媒に溶解
し、さらにクロロホルムで希釈し、ミリポアフィルター
で濾過した濾液をウォーターズ社のALC/GPX74
4を用いて、オリゴマーの含有量を定量した。
【0042】(4)紡糸性 直径0.3mmの紡糸孔30個を有する紡糸口金を使用
して吐出量80g/min、紡糸温度284℃、巻取速
度1200m/minで7日間溶融紡糸したときの、紡
糸孔外周辺の異物の高さおよびその間のベンディングの
発生状態で示し、また延伸性は、上記のようにして得た
未延伸糸を延伸温度85℃、延伸倍率3.5倍、延伸速
度1100m/minで延伸して150デニール/30
フィラメント25kg巻にした際のラップ率で示した。
【0043】[実施例1〜5、比較例1、2]テレフタ
ル酸ジメチル100部、エチレングリコール60部、酢
酸マンガン4水塩0.03部(テレフタル酸ジメチルに
対して0.024モル%)、製色剤として酢酸コバルト
4水塩0.009部(テレフタル酸ジメチルに対して0.
007モル%)をエステル交換缶に仕込み、窒素ガス雰
囲気下3時間かけて140℃から220℃まで昇温して
生成するメタノールを系外に留去しながらエステル交換
反応させた。その後220℃で20分間攪拌した後、安
定剤として正リン酸の56%水溶液0.03部(テレフ
タル酸ジメチルに対して0.033モル%)を添加し、
同時に過剰エチレングリコールの昇温追出しを開始し
た。10分後重縮合触媒として三酸化アンチモン0.0
4部(テレフタル酸ジメチルに対して0.027モル
%)および安息香酸の表1に示す量を添加した。内温が
240℃に到達した時点でエチレングリコールの追出し
を終了し反応生成物を重合缶に移した。
【0044】次いで昇温しながら常圧反応させた後、1
時間かけて760mmHgから1mmHgまで減圧し、
同時に1時間30分かけて内温を280℃まで昇温し
た。1mmHg以下の減圧下、重合温度280℃で更に
2時間重合した時点で窒素ガスで真空を破って重合反応
を終了し、窒素ガス加圧下に280℃でポリマーの吐出
を行ない、水で急冷し、切断することにより非晶性のポ
リエステルチップを得た。
【0045】このようにして得られたチップを表1に示
す条件で水または水蒸気と接触させた後、チップを風
乾、更に160℃で6時間、加熱した空気で循環熱処理
を行った。得られたポリマーの品質および製糸性の評価
結果を表1および表2に示した。
【0046】[比較例3、4]実施例1において得られ
た非晶性のチップについて160℃で4〜6時間加熱し
た空気でチップを乾燥、結晶化した。このチップを表1
に示す条件で水蒸気と接触させた後は、実施例1を繰り
返した。この結果を表1および表2に示した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明の方法によ処理されたポリエステ
ルチップを溶融紡糸すると、口金孔周辺に堆積する異物
の量が著しく低減し、ベンディングの発生が実質的に抑
制されしかもラップ率も低い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/92 K // C08L 67:02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶性ポリエステルチップを加熱された
    水または水蒸気と接触せしめることを特徴とするポリエ
    ステルチップの処理方法。
  2. 【請求項2】 加熱された水または水蒸気の温度が80
    〜150℃である請求項1の処理方法。
  3. 【請求項3】 非晶性ポリエステルチップが、アンチモ
    ン化合物または/およびゲルマニウム化合物を触媒とし
    て用いた重縮合反応により生成したポリエステルを溶融
    押出し後、急冷して形成されたものである請求項1また
    は2のいずれかに記載の処理方法。
  4. 【請求項4】 非晶性ポリエステルが、テレフタル酸成
    分を主成分とするジカルボン酸成分およびエチレングリ
    コール成分を主成分とするグリコール成分からなる非晶
    性ポリエステルである請求項1〜3のいずれかに記載の
    処理方法。
  5. 【請求項5】 非晶性ポリエステルの密度が1.37g
    /cm3未満である請求項1〜4のいずれかに記載の処
    理方法。
  6. 【請求項6】 非晶性ポリエステルチップが芳香族カル
    ボン酸、ポリリン酸化合物および下記式(1) 【化1】 (ここで、Aはエステル形成性官能基を有さない有機基
    を示し、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なっ
    て、アルキル基、置換アルキル基、アリール基または置
    換アリール基を示し、nは正の整数である。)で表わさ
    れる化合物からなる化合物群から選択される少なくとも
    1種を含む請求項1〜5のいずれかに記載の処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の処
    理方法によって処理されたポリエステルチップを溶融紡
    糸することを特徴とするポリエステル繊維の製造方法。
JP8183094A 1994-04-20 1994-04-20 ポリエステルチップの処理方法およびポリエステル繊維の製造方法 Pending JPH07286046A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8183094A JPH07286046A (ja) 1994-04-20 1994-04-20 ポリエステルチップの処理方法およびポリエステル繊維の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8183094A JPH07286046A (ja) 1994-04-20 1994-04-20 ポリエステルチップの処理方法およびポリエステル繊維の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07286046A true JPH07286046A (ja) 1995-10-31

Family

ID=13757398

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8183094A Pending JPH07286046A (ja) 1994-04-20 1994-04-20 ポリエステルチップの処理方法およびポリエステル繊維の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07286046A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008016114A1 (en) 2006-08-02 2008-02-07 Mitsubishi Chemical Corporation Polyester resin particle and method for producing the same
JP2008056918A (ja) * 2006-08-02 2008-03-13 Mitsubishi Chemicals Corp ポリエステル樹脂の製造方法、結晶化ポリエステルプレポリマーペレット及びポリエステル樹脂ペレット
CN103668537A (zh) * 2012-09-13 2014-03-26 东华大学 一种军用型生物质聚酯纤维及其制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008016114A1 (en) 2006-08-02 2008-02-07 Mitsubishi Chemical Corporation Polyester resin particle and method for producing the same
JP2008056918A (ja) * 2006-08-02 2008-03-13 Mitsubishi Chemicals Corp ポリエステル樹脂の製造方法、結晶化ポリエステルプレポリマーペレット及びポリエステル樹脂ペレット
US8329857B2 (en) 2006-08-02 2012-12-11 Mitsubishi Chemical Corporation Polyester resin particle and method for producing the same
CN103668537A (zh) * 2012-09-13 2014-03-26 东华大学 一种军用型生物质聚酯纤维及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0909775B1 (en) Catalyst for producing polyester, process for producing the same, and process for producing polyester by using the same
US6479619B1 (en) Sulfoisophthalic acid solution process therewith
US4668732A (en) Polyester composition and process for producing the same
JP4112353B2 (ja) ポリエステル繊維及びその製造方法
JP3597932B2 (ja) ポリエステル組成物
JPH083428A (ja) 耐加水分解性芳香族ポリエステルおよび繊維
JP3482436B2 (ja) ポリエステルチップの処理方法およびポリエステル繊維の製造方法
JPH07286046A (ja) ポリエステルチップの処理方法およびポリエステル繊維の製造方法
JP2915208B2 (ja) ポリエステルの製造法
JP3651242B2 (ja) 成形加工性に優れたポリエステルおよびその製造方法
JP2000063504A (ja) ポリエステルの製造方法
JP4059360B2 (ja) 繊維用ポリエステルの製造方法及びそれに用いる繊維用ポリエステル重合触媒、並びに繊維用ポリエステル重合触媒の製造方法
JP4000867B2 (ja) ポリエステル組成物の製造方法
JPS5946257B2 (ja) ポリエステルの製造法
JP2818098B2 (ja) ポリエステルの製造方法
JPS5942690B2 (ja) ポリエステルの製造法
JPH06509386A (ja) ポリエステルの製造方法およびその使用
JPS5946256B2 (ja) ポリエステルの製造法
JPS6142728B2 (ja)
JP2003160648A (ja) ポリトリメチレンテレフタレート組成物
JP4336493B2 (ja) ポリエステルチップの製造方法
JP3137759B2 (ja) ポリエステルの製造法
JPS608695B2 (ja) ポリエステルの製造法
JP2003155335A (ja) ポリトリメチレンテレフタレート組成物及びその製造方法
JPS6026138B2 (ja) ポリエステルの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020520