JP4113074B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents
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Description
中でも、ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、近年、従来のポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル繊維にはなかったソフトな風合い、優れた弾性回復性、易染性といった特性から注目されている。一般に、ポリエチレンテレフタレートでは環状3量体の増加が問題となっており、その抑制方法が種々検討されているのに対し、ポリトリメチレンテレフタレートは、重縮合時にオリゴマーである環状ダイマーが生成しやすい。この環状ダイマーは、製糸工程で紡糸口金付近に異物として付着し、糸切れを引き起こしたりするほか、製織、製編時にオリゴマーが析出して加工安定性を低下させる問題を有している。このような問題を解決するために、特許文献1(特開平8−311177号公報)では、ポリトリメチレンテレフタレートを減圧下で固相重合を行なうことにより、オリゴマー含有量を1重量%以下にしたポリトリメチレンテレフタレート樹脂が提案されている。この方法を用いれば、確かにポリトリメチレンテレフタレート中の環状ダイマー量は大幅に低減できるが、溶融成形のための再溶融時に環状ダイマーが再生してくるため、根本的な改質には至っていない。一方、特許文献2(特許第3056563号公報)では、固相重合されたポリエチレンテレフタレートのペレットをリン酸水溶液と接触させることによって、再生する環状オリゴマー量を低減させることが提案されているが、ポリトリメチレンテレフタレートについては言及されていない。
ここで、テレフタル酸のエステル形成性誘導体をトリメチレングリコールとエステル交換反応した後、重合させる方法を採用する場合、エステル交換反応触媒として、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物などの、通常のポリエステルのエステル交換反応触媒として用いられる触媒を併用してもよいが、通常は上述のチタン化合物をエステル交換反応触媒および重合触媒の両方の役割で用いる方法が好ましく採用される。
ここで、リン酸系化合物溶液としては、リン酸および/または亜リン酸の溶液である。また、溶媒は、ポリエステルが溶解、および変性などしない溶媒であれば何でも良く、水のほか、メタノール、エタノールなどのアルコール化合物、エチレングリコール、トリメチレングリコールなどのグリコール化合物、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン化合物などが挙げられるが、それらの中でも水が好ましい。
該リン酸系化合物溶液の好ましい濃度は、5〜5,000重量ppmの範囲であり、10〜1,000重量ppmの範囲が更に好ましい。
また、接触時間は、通常、5〜120分、好ましくは10〜60分程度である。
環状ダイマーの増加量が40%以下にするには、上述のとおり、ポリエステルをリン酸系化合物溶液中で撹拌しながら接触させる、もしくは、リン酸系化合物溶液を循環させながらポリエステルと接触させ、接触時間を長めにとる方法などが挙げられる。
本発明のポリエステル繊維を製造する際において、紡糸時に使用する口金の形状について制限は無く、円形、異形、中実、中空などのいずれも採用することができる。
なお、固有粘度、環状ダイマー量、ポリエステルの環状ダイマー生成速度、環状ダイマー増加量については、下記記載の方法により測定した。
(1)固有粘度:
ポリエステルポリマーの固有粘度は、オルトクロロフェノール溶液について、35℃において測定した粘度の値から求めた。
(2)環状ダイマー量
Waters社製486型液体クロマトグラフにWaters社製GPCカラム TSKgel G2000H8を2本接続した装置を用い、展開溶剤としてクロロホルムを使用し、サンプル1mgをヘキサフルオロイソプロパノール1mlに溶解してクロロホルムで10mlに希釈したサンプルを注入して、標準の環状ダイマーの検量線からポリマー中の重量百分率を求めた。
(3)ポリエステルの環状ダイマー生成速度
ポリエステルチップを窒素雰囲気下中、260℃で再溶融させ、20分間保持した後、再溶融前後での環状ダイマー量を分析し、生成速度を求めた。
(4)環状ダイマー増加量
ポリエステルチップを溶融紡糸し、ポリエステルチップと得られた繊維中の環状ダイマー量を分析し、溶融紡糸時の環状ダイマー増加量の百分率を求めた。
テレフタル酸ジメチル100部とトリメチレングリコール70.5部との混合物に、テトラ−n−ブチルチタネート0.053部を撹拌機、精留塔およびメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、140℃から徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを系外に留出させながら、エステル交換反応を行った。反応開始後3時間で内温は210℃に達した。
次いで、得られた反応生成物を撹拌機およびグリコール留出コンデンサーを設けた別の反応器に移し、210℃から265℃に徐々に昇温すると共に、常圧から70Paの高真空に圧力を下げながら重合反応を行った。反応系の溶融粘度をトレースしつつ、固有粘度が0.65となる時点で重合反応を打ち切った。
溶融ポリマーを反応器底部よりストランド状に冷却水中に押し出し、ストランドカッターを用いて切断してチップ化した。
得られたポリエステルチップは、0.1%リン酸水溶液に重量比1:1の割合でチップを浸漬し、25℃で30分間撹拌後濾過し、24時間60℃で乾燥した。
得られたチップは、さらに120℃で4時間乾燥した後、得られたチップを孔径0.27mmの円形紡糸孔を36個備えた紡糸口金を有する押出紡糸機を用いて260℃で溶融し、吐出量34g/分、引取速度2400m/分で紡糸し、得られた未延伸糸を、60℃の加熱ローラーと160℃のプレートヒーターとを有する延伸処理機に供し、延伸倍率1.7倍で延伸処理し83dtex/36フィラメントの延伸糸を得た。得られたポリエステルチップおよび繊維の結果を表1に示す。
リン酸水溶液の代わりに、亜リン酸水溶液を使用したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
リン酸水溶液処理することなしに繊維を製造したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
リン酸水溶液の代わりに蒸留水用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
Claims (4)
- チタン化合物を重合触媒として用い重合したトリメチレンテレフタレートを繰り返し単位とするポリエステルを、1〜10,000重量ppmの濃度範囲の、リン酸および/または亜リン酸からなるリン酸系化合物の溶液と接触させることを特徴とするポリエステルの製造方法。
- リン酸系化合物の溶液と接触前のポリエステルが、固相重合されたポリエステルである請求項1記載のポリエステルの製造方法。
- リン酸系化合物の溶液とポリエステルを接触させる際の温度が10〜60℃、接触時間が5〜120分である請求項1または2に記載のポリエステルの製造方法。
- リン酸系化合物の溶液に用いられる溶媒が水である請求項1〜3いずれかに記載のポリエステルの製造方法。
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