JP2555136B2 - 微細孔ポリエステル繊維の製造法 - Google Patents

微細孔ポリエステル繊維の製造法

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【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、微細孔ポリエステル繊維の製造法に関し、
更に詳しくは、シルキー調の織編物を与えることができ
る微細孔ポリエステル繊維の製造法に関する。
(従来技術) シルキー調の表面タッチ(ドライ感)やキシミ感を呈
する織編物が得られるポリエステル繊維として、特開昭
56−20638号公報においては、繊維表面に繊維軸方向に
配列した微細孔が形成されている微細孔ポリエステル繊
維が提案されている。
かかるポリエステル繊維は、有機スルホン酸金属塩が
配合されているポリエステルを溶融紡糸して得られる未
延伸糸を、延伸倍率3.4以上で延伸し、次いでアルカリ
減量処理を施して繊維表面に繊維軸方向に配列した微細
孔を形成することによって得られる。
確かに、この様にして得られるポリエステル繊維を用
いて得られる織編物は、シルキー調の表面タッチやキシ
ミ感を呈することができる。
しかしながら、かかる微細孔ポリエステル繊維は、従
来のポリエステル繊維において汎用されている円形又は
三角形の断面形状では充分なキシミ感を呈することがで
きず、しかも洗濯等によってフィブリル化が起り易いた
め、実用に供することはできなかった。
この様な微細孔ポリエステル繊維においても、その断
面形状を偏平化することによって、呈するキシミ感を改
善することができるが、フィブリル化の現象がより一層
顕著になってくる欠点がある。
他方、フィブリル化の現象を有機カルボン酸塩の配合
量の低減によって防止せんとすると、得られる織編物は
シルキー調の表面タッチやキシミ感を呈することができ
なくなる。
(発明の目的) 本発明の目的は、フィブリル化現象を著しく低減で
き、且つ優れたシルキー調の表面タッチやキシミ感を呈
する織編物を与えることができる微細孔ポリエステル繊
維の製造法を提供することにある。
(構成) 本発明者等は、前記目的を達成すべく検討した結果、
有機スルホン酸金属塩が配合されているポリエステル繊
維であって、特定の繊維構造を有する繊維にアルカリ減
量処理を施して得られる微細孔ポリエステル繊維は、そ
の断面形状が円形又は三角形の如何を問わず充分なキシ
ミ感を呈することができ、耐フィブリル性も著しく向上
することを見い出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、下記一般式 RSO3M で表わされる有機スルホン酸金属塩が配合されているポ
リエステルで構成され、且つ下記(i)〜(ii)の繊維
特性を同時に満足する繊維を、アルカリ減量処理するこ
とによって繊維軸方向に配列した微細孔を形成すること
を特徴とする微細孔ポリエステル繊維の製造法である。
(i) (100)面の結晶サイズ(X);40Å≦X (ii) 非晶部配向度(△na);0.03≦△na≦0.09 本発明においては、有機スルホン酸金属塩が配合され
ているポリエステルで構成され、通常の衣料用ポリエス
テル繊維に比較して、結晶サイズが大きく且つ非晶部配
向度(△na)が低い繊維をアルカリ減量処理することが
肝要である。
かかる有機スルホン酸金属塩としては、下記一般式で
表わされるものである。
RSO3M 上記一般式において、Rがアルキル基又はアルキルア
リール基であるときは、直鎖状あるいは分岐した側鎖を
有してもよい。特にポリエステルとの相溶性の面からR
がアルキル基である有機スルホン酸金属塩が好ましい。
MはNa,K,Li等のアルカリ金属、Mg,Ca等のアルカリ土類
金属などが挙げられる。なかでもNa,Kが好ましい。なお
有機スルホン酸金属塩の使用に際しては、単一の化合物
である必要はなく、各種のアルキル基あるいはアルキル
アリール基を有する有機スルホン酸金属塩の混合物であ
ってもよい。
このような有機スルホン酸金属塩としては具体的に
は、ステアリルスルホン酸ソーダ,オクチルスルホン酸
ソーダ,ドデシルスルホン酸ソーダあるいは炭素数の平
均が14であるアルキルスルホン酸ソーダの混合物などが
好ましいものとして挙げられる。
かかる有機スルホン酸金属塩の配合量はポリエステル
に対して0.8〜1.2重量%とすることが好ましい。配合量
が0.8重量%未満であれば、得られる微細孔ポリエステ
ル繊維の呈するドライ感,キシミ感が不足する傾向があ
り、配合量が1.2重量%を越えると、得られる微細孔ポ
リエステル繊維は洗濯等によってフィブリル化し易くな
る傾向がある。
本発明において、アルカリ減量処理を施す繊維は、こ
の様な有機スルホン酸金属塩が配合されているポリエス
テルからなり、且つ下記(i)(ii)の繊維特性を同時
に満足するものであることが必要である。
(i) (100)面の結晶サイズ(X);40Å以上 (ii) 非晶部配向度(△na);0.03〜0.09 かかる繊維構造を有する有機スルホン酸金属塩配合ポ
リエステル繊維を、後述するアルカリ減量処理を施すこ
とによって、初めてフィブリル化の懸念がなく且つ良好
なキシミ感を呈する微細孔ポリエステル繊維を得ること
ができる。
この様にして得られる微細孔繊維が耐フィブリル性及
び呈するキシミ感を共に向上できる詳細な理由は不明で
あるが次の様に推察される。
(イ) 耐フィブリル性 前記(i)(ii)を同時に満足する繊維においては、
結晶部と結晶部との間の非晶部における分子鎖間の交絡
性が向上しているため、洗濯等における摩擦力に対抗で
きる。
(ロ) キシミ感 アルカリ減量処理によってキシミ感を呈するに好適な
寸法の微細孔が繊維表面に多く形成される。
ここで、結晶サイズ(X)が40Å未満、或いは非晶部
配向度(△na)が0.09を越える繊維では、得られる微細
孔ポリエステル繊維は洗濯等によってフィブリル化が発
生し易く且つ充分なキシミ感を呈することができなく、
△naが0.03未満の繊維では、織編工程で変形を受け易く
なるため、最終的に得られるお織編物の品位が低下す
る。
また、かかる繊維が下記(iii)〜(iv)の繊維特性
を同時に満足するものであることが、均斉で且つソフト
感を有するシルキー調の織編物を得ることができ好まし
い。
(iii) 複屈折率(△n);0.05<△n (iv) 沸水収縮率(BWS);BWS<15% ここで、△nが0.05以下或いはBWSが15%以上であれ
ば、均染性の低下或いは収縮斑が発生し易くなる傾向に
ある。
かかる繊維特性において、特に△nが0.08〜0.14及び
BWSが5〜10%であることが好ましい。
この様な繊維構造を有する繊維の製造方法を図を用い
て説明する。
図は本発明で用いる繊維の製造方法を示す略線図であ
る。
図において、前述した有機スルホン酸金属塩が配合さ
れているポリエステルを紡糸口金(1)から溶融吐出
し、冷却装置(3)から吹き出す冷却風によって冷却固
化せしめた後、油剤付与装置(4)で給油してから第1
ゴデットローラ(5)に引取り、引続きゴデットローラ
(6)を通過させてからワインダー(7)に巻取る。
この際、285〜300℃に保持されている溶融ポリマーを
290〜300℃に加熱されている防止口金から、口金面下10
mmの位置で250〜300℃に加熱されている雰囲気中に吐出
し、引続き口金面下少なくとも90mmの地点から60cm以上
の長さにわたって冷却風を吹付けて冷却固化させた後、
ドラフト率150〜400で4500m/分以上(好ましくは4500〜
6000m/分)で引取ることによって、結晶サイズが40Å以
上で且つ非晶部配向度が0.03〜0.09のポリエステル繊維
を工業的に得ることができる。
更に、前記紡糸条件を調整して得られる繊維の△nを
0.12以下に且つヤング率(E)を400<E<1200Kg/mm2
とすることが好ましい。
また、第1図において、第1ゴデットローラ(5)と
第2ゴデットローラ(6)との間で1.4倍以下で延伸
し、第2ゴデットローラを加熱ローラとして熱処理を施
してから巻取る方法も好ましい。
かかる方法における延伸倍率及び熱処理温度は、得ら
れる繊維が下記(a)〜(d)の繊維特性を同時に満足
する様に調整することが好ましい。
(a)複屈折率(△n);0.1≦△n (b)10%伸長時の強度(S10);2.0g/de≦S10 (c)沸水収縮率(BWS);5%≦BWS (d)熱応力ピーク温度(ST);100℃以上(特に110〜
130℃) ここで、STが100℃未満であれば、得られる織編物の
風合が硬いものとなる傾向がある。
このようにして得られた繊維をアルカリ減量処理し繊
維表面に繊維軸方向に配列した微細孔を形成する。
かかるアルカリ減量処理方法としては、得られた繊維
を糸状又は布帛状でアルカリ性化合物の水溶液に浸漬処
理する方法が好ましい。アルカリ性化合物としては、水
酸化ナトリウム,水酸化カリウム,テトラメチレンアン
モニウムハイドロオキサイド,炭酸ナトリウム,炭酸カ
リウムなどが用いられる。なかでも水酸化ナトリウム,
水酸化カリウムが好ましい。このようなアルカリ性化合
物の水溶液の濃度は、アルカリ性化合物の種類,処理方
法等によって異なるが、通常0.01〜40重量%の範囲で行
なわれ、特に3〜30重量%の範囲が好ましい。処理温度
は常温〜100℃程度の範囲が好ましく、処理時間は1分
〜4時間の範囲で通常行なわれる。
このようなアルカリ減量処理によって、ポリエステル
中に配合されている有機スルホン酸金属塩の少なくとも
一部が溶出されて繊維表面に微細孔が形成される。有機
スルホン酸金属塩の溶出量はその配合量等によって異な
るが、配合量の少なくとも10%程度を溶出させることが
好ましい。
かくして、繊維表面に繊維軸方向に配列した微細孔が
形成される。かかる微細孔において、最頻度微細孔が巾
(繊維軸に対して直交する方向)0.7〜2μで且つ長さ
(繊維軸方向)/巾の比7〜15のものであることが好ま
しい。
ここで、最頻度微細孔の巾が0.7μ未満或いは長さ/
巾の比が7未満であれば、かかる微細孔ポリエステル繊
維の呈するシルキー調のドライ感やキシミ感が低下する
傾向にあり、巾が2μを越えるもの或いは長さ/巾の比
が15をこえるものは、シルキー調のドライ感やキシミ感
或いは耐フィブリル性が低下する傾向にある。
尚、染色鮮明性を改善すべく繊維表面に多数の微細孔
を形成することも知られているが、かかる目的で形成さ
れる微細孔は、特開昭58−104215号公報あるいは特開昭
59−130363号公報において示されているごとく、最頻度
微細孔の巾が0.1〜0.3μのものであり、このような極め
て微細な微細孔ではシルキー調のドライ感,キシミ感を
呈することができない。
このようにして得られる微細孔ポリエステル繊維の断
面形状は通常の衣料用ポリエステル繊維で採用されてい
る如何なるものであってもよく、特に三角形とすること
が好ましい。また、断面形状が偏平である微細孔ポリエ
ステル繊維であっても、本発明の製造法によって得られ
る微細孔ポリエステル繊維は充分な耐フィブリル性を呈
することができる。
尚、本発明で対象とするポリエステルは、テレフタル
酸を主たる酸成分とし、少なくとも1種のグリコール、
好ましくはエチレングリコール,トリメチレングリコー
ル,テトラメチレングリコールから選ばれた少なくとも
1種のアルキレングリコールを主たるグリコール成分と
するポリエステルである。
前記ポリエステルのテレフタル酸成分の一部を他の二
官能性カルボン酸成分で置換えたポリエステルであって
もよく、更にはグリコール成分の一部を主成分以外の上
記グリコール、若しくは他のジオール成分で置換えたポ
リエステルであってもよい。
ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボ
ン酸としては、例えばイソフタル酸,ナフタレンジカル
ボン酸,ジフェニルジカルボン酸,ジフェノキシエタン
ジカルボン酸,β−ヒドロキシエトキシ安息香酸,p−オ
キシ安息香酸,5−ナトリウムスルホイソフタル酸,アジ
ピン酸,セバシン酸,1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
の如き芳香族,脂肪族,脂環族の二官能性カルボン酸を
挙げることができる。また、上記グリコール以外のジオ
ール化合物としては、例えばシクロヘキサン−1,4−ジ
メタノール,ネオペンチルグリコール,ビスフェノール
A,ビスフェノールSの如き脂肪族,脂環族,芳香族のジ
オール化合物およびポリオキシアルキレングリコール等
を挙げることができる。
かかるポリエステルは任意の方法によって合成したも
のでよい。例えばポリエチレンテレフタレートについて
説明すれば、通常、テレフタル酸とエチレングリコール
とを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチ
ルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレ
ングリコールとをエステル交換反応させるか又はテレフ
タル酸とエチレンオキサイドをと反応させるかしてテレ
フタル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体
を生成させる第1段階の反応と、第1段階の反応生成物
を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応さ
せる第2段階の反応によって製造される。
このようなポリエステルに有機スルホン酸金属塩を配
合するには、ポリエステルの溶融紡糸工程において溶融
吐出以前の任意の段階、例えばポリエステル製造の原料
に予め添加しても、第1段反応時又はこれに続く第2段
の重縮合反応時に添加することも可能であり、また重縮
合反応後に得られるポリマーと有機スルホン酸金属塩と
を、例えば溶融押出機を用いて溶融混合する方法、溶融
成形機の出口以前の段階でポリマーに添加し混合する方
法などを採用することも可能である。
また、本発明によれば、有機スルホン酸金属塩が配合
され且つ洗濯等による摩擦に対抗し得る繊維構造を有す
るポリエステル繊維にアルカリ減量処理を施し、繊維表
面に繊維軸方向に配列されたキシミ感を呈するに好適な
多数の微細孔を形成することができるため、得られる微
細孔ポリエステル繊維はシルキー調の表面タッチやキシ
ミ感を呈することができ、しかも耐フィブリル性が向上
されているのである。
(発明の効果) 本発明によれば、従来の微細孔ポリエステル繊維で
は、充分なシルキー調の風合を呈することができなく且
つフィブリル化の懸念により展開できなかった、シルキ
ー調の織編物分野へ展開できるようになった。
(実施例) 以下実施例をあげて更に説明する。
実施例中の部及び%は、重量部及び重量%を示しフィ
ブリル性,繊維構造について以下の方法で測定した。
<フィブリル性(ミキサー法)> 測定繊維を5mm程度にカットし、水と共に市販のミキ
サーで5時間かきまぜ、取り出したサンプルを顕微鏡で
観察し、5段階評価[良好(5:フィブリル発生なし)〜
不良(1:全面にフィブリル発生)]を行った。
<キシミ感,ドライ感> 織編物を5段階で官能評価した[5(良好)〜1(不
良)]。
<非晶部配向度(△na)> 非晶部配向度(△na)は下記の式から求めた。
ここで、△n;複屈折率 Xv:結晶化度(密度法) fc;結晶部配向度(X線屈折法) △nc0;固有極限値0.212(ポリエステル) <結晶サイズ(X)> X線広角解析法によって測定した強度分布曲線におい
て、(010)(100)の半価巾を求め、シェラーの式を用
いて結晶サイズを算出した。
実施例1 ジメチルテレフタレート197部,エチレングリコール1
24部及び酢酸カルシウム0.118部を精留塔付ガラスフラ
スコへ入れ、常法に従ってエステル交換反応を行い、理
論量のメタノール留出後、反応生成物を精留塔付重縮合
用フラスコへ移し、安定財としてトリメチルホスフェー
ト0.112部,重縮合触媒として酸化アンチモン0.079部を
加え、温度280℃,常圧で30分反応させ、次いで30mmHg
の減圧下で15分反応させた後、一旦常圧にもどし、炭素
数8〜20で平均炭素数が14であるアルキルスルホン酸ソ
ーダの混合物を2部添加した後、系内を徐々に減圧し、
撹拌下80分間反応させた。最終内温280℃,最終内圧は
0.32mmHgであり、得られたポリマーの極限粘度は0.655
であった。反応終了後ポリマーを常法に従いチップ化
し、乾燥した。
次いで、得られたチップを下記に示す条件で第1図に
示す方法によって溶融紡糸した。
紡糸口金温度;295℃ ポリマー温度;290℃ 口金下10mmの温度;280〜290℃ 冷却条件 冷却開始位置;口金下90mm 冷却風吹き出し長;60cm 冷却風量;0.3m/sec 紡糸ドラフト;185 紡糸引取速度[第1ゴデットローラ(5)の周速];第
1表No.1 尚、この際に第1ゴデットローラ(5)と第2ゴデッ
トローラ(6)との間で実質的な延伸は行わなかった。
更に、得られた糸条を生機密度40本/時の平織物を作
成し常法によりヒットセット後3.5%の水酸化ナトリウ
ム水溶液で沸騰温度にて第1表No.1に示す減量率で処理
した。
その後、前記アルカリ減量処理を施した織物を染色し
てから160℃にてファイナルセットを行って仕上げた。
この織物の呈するドライ感,キシミ感とミキサー法(5
時間)によるフィブリル性を、アルキルスルホン酸ソー
ダの添加量,紡糸引取速度及び減量率と共に第1表に示
した。
ドライ感,キシミ感及びフィブリル性は共に4点以上
が合格である。
尚、No.9は紡糸後に通常の延伸機で3.5倍に延伸し
た。
第1表から明らかなように、No.1〜5及びNo.7は本発
明の製造法によって得られた微細孔ポリエステル繊維は
良好なシルキー調のドライ感,キシミ感を呈することが
できかつ耐フィブリル性も良好であった。
他方、No.6はアルカリ減量を施さなかったもの、No.8
〜9はアルカリ減量処理を施す繊維の△na及び/又は結
晶サイズ(X)が本発明で規定する範囲を外れるもので
あるため、最終的に得られる織物のドライ感,キシミ
感,あるいは耐フィブリル性が劣るものであった。
実施例2 実施例1のNo.1において、第1図の第1ゴデットロー
ラ(5)と第2ゴデットローラ(6)との間で第2表に
示す延伸倍率で延伸し、第2ゴデットローラを第2表に
示す温度で熱セットした他は、実施例1のNo.1と同様に
行い、結果を第2表に併せて示した。
また、微細孔形成剤の種類,添加量,紡糸引取速度,
延伸倍率,熱セット温度,及び減量率を第2表の如く変
更し、結果を第2表に併せて示した。
第2表において、No.1,No.3〜5は本発明の製造法で
得られた微細孔ポリエステル繊維であって、シルキー調
のドライ感,キシミ感を呈することができ且つ耐フィブ
リル性も良好である。
他方、アルカリ減量処理を施す繊維が本発明で規定す
る結晶サイズ(X)及び/又は△naを外れるNo.2及びN
o.6〜10では、最終的に得られる織物の呈するドライ
感,キシミ感或いは耐フィブリル性が劣るものである。
【図面の簡単な説明】
図は本発明で用いる繊維の製造方法を示す略線図であ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式 RSO3M で表わされる有機スルホン酸金属塩が配合されているポ
    リエステルで構成され、且つ下記(i)〜(ii)の繊維
    特性を同時に満足する繊維を、アルカリ減量処理するこ
    とによって繊維軸方向に配列した微細孔を形成すること
    を特徴とする微細孔ポリエステル繊維の製造法。 (i) (100)面の結晶サイズ(X);40Å≦X (ii) 非晶部配向度(△na);0.03≦△na≦0.09
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