JP2002266163A - ポリエステル異型断面糸 - Google Patents

ポリエステル異型断面糸

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JP2002266163A
JP2002266163A JP2001059752A JP2001059752A JP2002266163A JP 2002266163 A JP2002266163 A JP 2002266163A JP 2001059752 A JP2001059752 A JP 2001059752A JP 2001059752 A JP2001059752 A JP 2001059752A JP 2002266163 A JP2002266163 A JP 2002266163A
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polyester
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cross
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Tomoaki Tashiro
智秋 田代
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗野なキシミ感を呈しながらも絹光沢、ソフ
ト感、軽量感が良好であり、特に膨らみ感に優れたシル
キー調布帛を得ることができるポリエステル異形断面糸
を提供する。 【解決手段】 繊維横断面形状が、三角形状部分(A)
と該三角形状の一つの頂点から延出している突出部
(B)とからなる形状を有し、L1/L2が0.7〜
3.0の範囲、h2/h1が3.0〜10.0の範囲で
ある単繊維で構成される異形断面糸であって、該構成単
繊維のうち少なくとも30%が捲縮率4〜25%の捲縮
を有するポリエステル異形断面糸とする。ここで、L1
は三角形状部分と突出部との連結点から突出部他端まで
の距離、L2は三角形状部分と突出部との連結点と、該
連結点に対する三角形状部分の対辺との間の距離、h1
は突出部の幅、h2は三角形状部分と突出部との連結点
に対する三角形状部分の対辺の長さを示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光沢と感触に優れ
たポリエステル異型断面糸に関する。さらに詳しくは、
優れたキシミ感を呈し、しかも膨らみ感や柔軟性にも優
れたシルキー調布帛を得ることができるポリエステル異
型断面糸に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成繊維、特にポリエステル繊維
をシルキー様の風合に近づけるべく、繊維の横断面形状
を異型断面とすることは多数提案されている。例えば、
三角形状にして光沢を向上したもの、マルチローバルに
してドライ感を向上したもの、茸状にしてドライ感やキ
シミ感を向上したものなどが提案されている。また、こ
のような異型断面糸を用いて異収縮混繊糸を形成し、布
帛に膨らみ感や柔軟性(ソフト感)を付与することも提
案されている。しかしながら、このような従来のシルキ
ー調ポリエステル繊維は、絹の中でもどちらかといえば
家蚕糸風合に似せたものが多く、野蚕絹、中でも柞蚕絹
に分類される絹織編物が有する粗野なキシミ感の点では
未だ不十分であり、また膨らみ感、柔軟性、軽量感とい
った特性を同時に満足できるものでもない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術を鑑みなされたもので、その目的は、粗野なキシミ感
を呈しながらも絹光沢、膨らみ感、ソフト感、軽量感に
優れたシルキー調布帛を得ることができるポリエステル
異形断面糸を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、上記課題は、「繊維横断面形状が、三角形状部分
(A)と該三角形状の一つの頂点から延出している突出
部(B)とからなる形状を有し、下記式(1)及び
(2)を共に満足する単繊維で構成される異形断面糸で
あって、該構成単繊維のうち少なくとも30%が捲縮率
4〜25%の捲縮を有していることを特徴とするポリエ
ステル異形断面糸」により達成できることが見出され
た。 (1)0.7≦L1/L2≦3.0 (2)3.0≦h2/h1≦10.0 L1:三角形状部分と突出部との連結点から突出部他端
までの距離 L2:三角形状部分と突出部との連結点と、該連結点に
対する三角形状部分の対辺との間の距離 h1:突出部の幅 h2:三角形状部分と突出部との連結点に対する三角形
状部分の対辺の長さ
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル異形断面糸
を構成するポリエステルは、エチレンテレフタレート単
位を繰返し単位とするポリエチレンテレフタレートが好
ましく使用されるが、必要に応じて第3成分を少量(通
常は全繰返し単位を基準として15モル%以下、好まし
くは10モル%以下、特に好ましくは5モル%以下)共
重合した共重合ポリエステルでもよく、また、艶消し
剤、その他の添加剤を加えてもよい。なかでも、下記式
で表される有機スルホン酸金属塩を0.5〜2.5重量
%(ポリエステル重量基準)、好ましくは0.8〜1.
2重量%添加したポリエステルは、アルカリ減量処理す
ると繊維表面に繊維軸方向に配列した微細孔を形成する
ことができ、ドライ感及びキシミ感が向上して極めて柞
蚕絹に類似した布帛が得られるので好ましい。 RSO3M (但し、Rは炭素数3〜30のアルキル基又は炭素数7
〜40のアリール基もしくはアルキルアリール基、Mは
アルカリ金属又はアルカリ土類金属を示す。)
【0006】上記式において、Rがアルキル基又はアル
キルアリール基であるときは、該アルキルは直鎖状でも
分岐した側鎖を有していてもよい。特にポリエステルと
の相溶性の点からRがアルキル基であるアルキルスルホ
ン酸金属塩が好ましい。Mはナトリウム、カリウム、リ
チウム等のアルカリ金属、又はカルシウム、マグネシウ
ム等のアルカリ土類金属であり、なかでもナトリウム、
カリウムが好ましい。
【0007】このような有機スルホン酸金属塩として
は、具体的には、ステアリルスルホン酸ナトリウム、オ
クチルスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナト
リウム等が挙げられる。
【0008】次に、本発明における単繊維の横断面形状
は、三角形状部分(A)と該三角形状の一つの頂点から
延出している偏平状の突出部(B)とからなる形状であ
って、前記式(1)及び(2)の関係を共に満足する異
形断面繊維で構成されるポリエステル異形断面糸である
ことが肝要である。
【0009】ここで突出部(B)の延出している位置が
三角形状の頂点と異なり、例えば三角形状の辺の中央か
ら延出している場合には安定に製糸することが困難にな
り、また、突出部が複数の頂点から延出している場合に
は安定に製糸することが困難になるだけでなく、得られ
る布帛の風合いも野蚕調でなくなるので好ましくない。
また、突出部の形状が偏平状でない場合、例えば丸断面
のような形状では得られる布帛のキシミ感が低下するの
で好ましくない。なお、ここでいう偏平状とは、厚さが
全体に亘って均一である必要はなく、一部が他の部分よ
りも厚くなっていてもよい。要するに、後述する突出部
の長さ(L1)と幅(h1)の比(L1/h1)が2以
上、特に5以上であればよい。この比が2未満の場合に
は偏平状とはいえず、得られる布帛のキシミ感およびや
わらかさが欠けることとなるので好ましくない。
【0010】突出部(B)の三角形状部分(A)からの
延出方向は、該頂角を挟む三角形状の2辺を延長した線
で挟まれる角内に有ることが好ましく、特に頂角の二等
分線方向が最も好ましい。
【0011】部分(A)の形状は、略三角形であれば特
に限定する必要はなく任意であり、頂点が丸くなってい
ても、辺が外にふくらんでいても、あるいは内に凹んで
いてもよい。さらには、正三角形、二等辺三角形、不等
辺三角形のいずれの形状でもよい。これに対して、部分
(A)の形状が三角形以外の例えば丸状や六角形状のよ
うな形状である場合には、得られる布帛のキシミ感が不
十分となり本発明の目的を達成できなくなる。なお、三
角形状部分(A)には中空部が存在していてもよく、中
空部が存在する場合には膨らみ感がより向上するので好
ましい。しかし、中空率があまりに大きくなりすぎると
安定製糸性が低下する傾向にあるので、該三角形状部分
(A)に対する中空率は15%以下、好ましくは3〜1
0%の範囲とするのが適当である。
【0012】次に前記式(1)は、三角形状部分(A)
の大きさと偏平状突出部(B)の長さとの関係を規定す
るもので、得られる布帛のキシミ感、ソフト感および膨
らみ感を総合的に達成するために重要であって、特にL
1/L2が1.5〜2.5の範囲内にあることが好まし
い。この値が0.7未満の場合には得られる布帛のキシ
ミ感およびソフト感を総合的に達成することが困難にな
る。一方、上記値が3.0を超える場合には安定に製糸
することが難しくなると同時に得られる布帛の膨らみ感
も欠けることとなるので好ましくない。
【0013】また、前記式(2)は、三角形状部分
(A)の大きさと偏平状突出部(B)の幅との関係を規
定するもので、得られる布帛のふくらみ感を達成するた
めに重要であり、特にh2/h1が4.0〜7.0の範
囲内にあることが好ましい。この値が3.0未満の場合
には得られる布帛の膨らみ感が不十分となり、一方、1
0.0を超える場合には紡糸時の吐出安定性が低下し、
安定に製糸することが困難になるので好ましくない。
【0014】これに加えて、本発明のポリエステル異形
断面糸は、その構成単繊維のうち少なくとも30%が捲
縮率4〜25%の捲縮を有していることが必要である。
【0015】上記捲縮率が4%未満の場合には得られる
本発明の目的とする高い膨らみ感、ソフト感、軽量感を
達成できなくなる。一方、25%を越えるとこれを布帛
などとする際、製織性が低下する。特に好ましい捲縮率
の範囲は7〜25%である。
【0016】さらに上記捲縮を有している単繊維の割合
が30%未満では本発明の目的とする高い膨らみ感、ソ
フト感、軽量感が得られない。より好ましい割合は50
%以上である。
【0017】なお、本発明のポリエステル異形断面糸
は、単繊維繊度が1.5〜5.0dtex、糸条の総繊
度が50〜170dtexであることが好ましく、また
沸水収縮率は5.0〜10.0%の範囲が適当である。
但し、上記異形断面糸が、捲縮を有している単繊維(以
下、捲縮単繊維という)と捲縮を有していない単繊維
(以下、非捲縮単繊維という)とが混在した糸である場
合、両者が同じ繊度、沸水収縮率である必要はなく、こ
れらの特性を任意に選択することで膨らみ感、ソフト
感、軽量感を容易にコントロールすることができる。
【0018】次に、図面を参照しながら本発明をさらに
詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明のポリエステル異型断面糸
の単繊維の横断面形状を説明するための模式図である。
図1において、三角形状部分(A)の外周と偏平状突出
部点の外周とが交わる2点間の中点Oを三角形状部分と
偏平状突出部との連結点とする。この連結点から突出部
の他端までの距離を突出部の長さL1とし、また該連結
点から三角形状部分(A)の対辺までの距離をL2とす
る。なお、該対辺が外側に膨らんでいたり内側に凹んで
いる場合には、連結点以外の三角形状の2頂点を結ぶ直
線に平行で該対辺に接する直線までの距離をL2とす
る。
【0020】次に、突出部(B)の延出方向に垂直な方
向における偏平状突出部の最大幅を突出部(B)の幅h
1とし、前記対辺に垂直な直線で該三角形状部分(A)
に接する2直線の間隔を対辺の長さh2とする。
【0021】図1には略左右対称の断面形状を図示して
いるが、本発明の異型断面糸は必ずしもこれに限定され
るものではなく、左右非対称のものであっても構わな
い。
【0022】図2は、本発明の異型断面糸を製造するに
用いられる紡糸口金の吐出孔形状を示す模式図である
が、これに限定されるものではない。
【0023】次に、本発明のポリエステル異型断面糸の
製造方法について説明する。
【0024】本発明の異形断面糸は、前述のポリエステ
ルを、上記吐出孔を有する紡糸口金から例えば260〜
300℃で溶融紡出し、さらに必要に応じて該紡出糸条
を延伸することによって製造することができる。
【0025】この際、本発明においては上記異形断面糸
の構成単繊維の少なくとも30%に捲縮を付与する必要
がある。その方法としては、例えば、紡糸時に異方冷却
により潜在捲縮を付与する方法、押込み捲縮やギア捲縮
で機械捲縮を付与する方法、仮撚加工により捲縮を付与
する方法などがあげられる。
【0026】本発明においては、特に異方冷却法により
捲縮を付与する方法が、本発明の異形断面形状を活用で
きる点で最も適している。すなわち、前述の異形断面形
状の単繊維では、偏平突出部(B)が三角形状部分
(A)よりも早く冷却されることで、異方冷却効果を得
ることができ、繊維に高い捲縮性能を付与することがで
きるのである。
【0027】上記の原理を利用してより高い捲縮を発現
させるためには、吐出孔の配列は図3のような円周配列
よりも、図4のような並列の配列とした紡糸口金から溶
融ポリマーを突出させ、さらに同図に示すように偏平突
出部(B)側から冷却風を当てることが好ましい。これ
により、偏平突出部(B)がより早く冷却され、高い異
方冷却効果が得られる。
【0028】上記の異方冷却を施した紡出糸条には、例
えば、さらに油剤を付与し、必要に応じてインターレー
ス付与装置でインターレースを付与した後、室温に設定
した一対の引取ローラーを介して未延伸糸を一旦ワイン
ダーに捲き取る。次いで、得られた未延伸糸を、延伸速
度600〜1400m/分で、80〜110℃に加熱し
た予熱ローラーおよび170〜220℃に設定した非接
触式ヒータを経て、1.5〜3.0倍の延伸倍率で延伸
し、さらに必要に応じてインターレースを付与すること
により本発明の異形断面糸が得られる。
【0029】また、捲縮単繊維と非捲縮単繊維が混在す
るポリエステル異形断面糸は、例えば、図5に示すよう
な2つの紡糸装置を用い、一方は異方冷却効果が得やす
いように図4の紡糸口金から溶融ポリマーを突出させ、
かつ偏平突出部(B)側から冷却風を当てて断面異方性
が大きく捲縮を発現できる糸条を紡糸し、他方は図3の
紡糸口金から溶融ポリマーを吐出させ、冷却風量を落と
すなどして断面異方性が小さく捲縮を発現しない糸条を
紡糸し、それぞれ油剤を付与し、両方を合糸した後、イ
ンターレースを付与して巻き取ることにより未延伸糸を
得、さらに上記のように延伸を行う方法によって製造す
ることができる。
【0030】また、図3または図4の単独の紡糸口金か
ら紡糸したものであっても、冷却風量を調整してやるこ
とによって、一部の単繊維だけが急冷されて断面異方性
を有するようにでき、捲縮単繊維と非捲縮単繊維が混在
した異形断面糸を製造することができる。
【0031】さらに、冷却を強化して高い潜在捲縮能を
付与した捲縮単繊維と、非捲縮単繊維とを混在させて異
形断面糸とした場合、これに熱処理を施して捲縮単繊維
に高い捲縮を発現させ、その際非捲縮単繊維がそれに引
っ張られるかたちで異形断面糸表面に張り出したループ
を形成する異形断面糸とすることができる。そして、か
かる異形断面糸からは表面タッチのまた異なる布帛を製
造することができる。
【0032】さらに、本発明においては上記のような異
方冷却をせずに紡糸、さらに必要に応じてさらに延伸し
た2本の異形断面糸条に、一方には仮撚加工を施し、他
方はそのまま仮撚加工を施さずに巻き取り、さらに両者
を引き揃えてインターレースを付与することによって
も、捲縮単繊維と非捲縮単繊維とが混在する異形断面糸
を得ることができる。
【0033】以上に説明した本発明の異型断面糸を用い
て布帛を製造するには、必要に応じて適度な撚りを施
し、所望の組織に織編すればよい。得られた布帛には、
必要に応じてアルカリ減量処理などを施してもよく、こ
れによりさらにソフトな風合のものが得られる。
【0034】また、捲縮の発現は布帛となした後でもよ
い。つまり、前述のような潜在捲縮を有する異形断面糸
の場合、製編織は捲縮を発現させずに行った方が成形性
がよく、布帛とした後、一般に行われる精練、染色など
で捲縮を発現させても良い。
【0035】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるも
のではない。
【0036】[実施例1]固有粘度(35℃のオルソク
ロロフェノール溶液で測定)が0.63のポリエチレン
テレフタレートを、図2(a)に示す吐出孔を図4に示
す並列型に配列した紡糸口金(吐出孔数24ホール)か
ら溶融紡出し、温度20℃の冷却風を1.2m/sec
で紡糸口金から50cmの位置で、該紡出糸条の平面突
起部(B)側から当てて冷却固化させた後油剤を付与
し、次いでインターレースを付与した後に1400m/
分の速度で引き取り、さらにこれを巻き取った。得られ
た未延伸糸を、予熱ローラー温度87℃、熱セットヒー
ター(非接触式)温度200℃、延伸倍率2.3倍、延
伸速度800m/分で延伸した後、インターレースを付
与して90dtex/24フィラメントの延伸糸を得
た。
【0037】得られた延伸糸を経糸及び緯糸に用い、羽
二重に製織し、常法にしたがって精練、熱セット、アル
カリ減量加工(減量率15%)、染色を施して無地の染
め織物を得た。評価結果を表1に示す。
【0038】なお、各評価項目は、極めて良好(優)、
良好(良)、不良(不可)の三段階にランク付けした。
【0039】[実施例2]上記と同じポリエチレンテレ
フタレートを、図5に示すような紡糸装置を用い、一方
は図2(a)に示す吐出孔を図4に示すような並列型配
列とした紡糸口金(12ホール)から溶融紡出し、温度
20℃の冷却風を1.2m/secで紡糸口金面から5
0mmの位置で紡出糸条の平面突起部(B)側から当て
て冷却固化させた後油剤を付与し、もう一方は図2
(a)に示す吐出孔を図3に示すような円周配列型の配
列とした紡糸口金(12ホール)から溶融紡出し、温度
20℃の冷却風を0.2m/secで紡糸口金面から9
0mmの位置で当てて冷却固化させた後油剤を付与し、
これらの糸条を合糸して1400m/分の速度で引き取
り、次いでインターレースを付与した後にこれを巻き取
った。得られた未延伸糸を、予熱ローラー温度87℃、
熱セットヒーター(非接触式)温度200℃、延伸倍率
2.3倍、延伸速度800m/分で延伸した後、インタ
ーレースを付与して90dtex/24フィラメントの
延伸糸を得た。
【0040】さらに上記延伸糸を実施例1と同様にして
製織し、精練、熱セット、アルカリ減量加工、染色を施
して織物を得た。評価結果を表1に示す。
【0041】[実施例3〜4、比較例1〜6]横断面形
状が表1に示すような形状となるように紡糸口金を変更
し、さらに冷却風の速度を表1に示すようにした以外は
実施例2と同様にして延伸糸を得た。
【0042】さらにこの延伸糸を実施例1と同様にして
製織し、精練、熱セット、アルカリ減量加工、染色を施
して織物を得た。評価結果を表1に示す。
【0043】捲縮度の高い実施例2では、非捲縮単繊維
が繊維表面にループ状に張り出しているものがあり、絹
光沢、キシミ感、膨らみ感、ソフト感、軽量感は実施例
1と同様に優れており、それでいて実施例1とは表面タ
ッチの異なる織物が得られた。
【0044】[実施例5]固有粘度0.63のポリエチ
レンテレフタレートを、炭素数が8〜20で平均炭素数
が14であるアルキルスルホン酸ナトリウムを0.6重
量%含有した固有粘度0.61のポリエチレンテレフタ
レートとした以外は、実施例1と同様にして、延伸糸を
得た。
【0045】さらにこの延伸糸を実施例1と同様にして
製織し、精練、熱セット、アルカリ減量加工、染色を施
して織物を得た。得られた織物は、絹光沢、膨らみ感、
ソフト感、軽量感は実施例1と同様に優れており、キシ
ミ感は実施例1〜5および後述する実施例6のなかで最
も優れていた。
【0046】[実施例6]図2(a)に示す吐出孔を有
する紡糸口金を、図2(c)に示す紡糸孔を有する紡糸
口金に変えて紡糸を行った以外は、実施例1と同様にし
て、延伸糸を得た。
【0047】さらにこの延伸糸を実施例1と同様にして
製織し、精練、熱セット、アルカリ減量加工、染色を施
して織物を得た。得られた織物は、絹光沢、キシミ感、
膨らみ感、ソフト感は実施例1と同様に優れており、軽
量感は実施例1〜6のなかで最も優れていた。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明のポリエステル異型断面糸から
は、粗野なキシミ感を呈すると同時に、絹光沢、柔軟
性、軽量感が良好であり、特に断面形状による効果と捲
縮による効果の両方により極めて優れた膨らみ感を有す
るシルキー調の布帛を得ることができ、その工業的価値
は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエステル異型断面糸の横断面形状
の一例を示す模式図である。
【図2】本発明のポリエステル異型断面糸を製造するに
使用される紡糸口金吐出孔の一例を示す模式図である。
【図3】本発明のポリエステル異型断面糸を製造するに
使用される紡糸口金のポリマー吐出面における吐出孔の
配列(円周配列型)の一例を示す模式図である。
【図4】本発明のポリエステル異型断面糸を製造するに
使用される紡糸口金のポリマー吐出面における吐出孔の
配列(並列型)の一例を示す模式図である。
【図5】本発明のポリエステル異形断面糸の製造する紡
糸装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 紡糸口金 2 冷却装置 3 紡糸糸条 4 油剤付与装置 5 引き取りローラー 6 引き取りローラー 7 インターレース装置 8 巻取りワインダー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維横断面形状が、三角形状部分(A)
    と該三角形状の一つの頂点から延出している突出部
    (B)とからなる形状を有し、下記式(1)及び(2)
    を共に満足する単繊維で構成される異形断面糸であっ
    て、該構成単繊維のうち少なくとも30%が捲縮率4〜
    25%の捲縮を有していることを特徴とするポリエステ
    ル異形断面糸。 (1)0.7≦L1/L2≦3.0 (2)3.0≦h2/h1≦10.0 L1:三角形状部分と突出部との連結点から突出部他端
    までの距離 L2:三角形状部分と突出部との連結点と、該連結点に
    対する三角形状部分の対辺との間の距離 h1:突出部の幅 h2:三角形状部分と突出部との連結点に対する三角形
    状部分の対辺の長さ
  2. 【請求項2】 該三角形状部分(A)に中空部を有する
    請求項1記載のポリエステル異型断面糸。
  3. 【請求項3】 ポリエステル異形断面糸を構成するポリ
    エステル中に、下記一般式で表される有機スルホン酸金
    属塩を0.5〜2.5重量%(ポリエステル重量に対し
    て)含有する請求項1または2記載のポリエステル異形
    断面糸。 RSO3M (但し、Rは炭素数3〜30のアルキル基又は炭素数7
    〜40のアリール基もしくはアルキルアリール基、Mは
    アルカリ金属又はアルカリ土類金属を示す。)
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Citations (5)

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JPS5620612A (en) * 1979-07-26 1981-02-26 Teijin Ltd Hollow fiber and its preparation
JPS6147807A (ja) * 1984-08-09 1986-03-08 Teijin Ltd 捲縮多孔中空繊維及びその製造方法
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JPH01239159A (ja) * 1988-03-16 1989-09-25 Teijin Ltd 微細孔ポリエステル繊維の製造法
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