JPH06287809A - 潜在捲縮性ポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents

潜在捲縮性ポリエステル繊維の製造方法

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JPH06287809A
JPH06287809A JP7375093A JP7375093A JPH06287809A JP H06287809 A JPH06287809 A JP H06287809A JP 7375093 A JP7375093 A JP 7375093A JP 7375093 A JP7375093 A JP 7375093A JP H06287809 A JPH06287809 A JP H06287809A
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JP
Japan
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spinning
polyester
yarn
polyester fiber
continuous polymerization
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Pending
Application number
JP7375093A
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English (en)
Inventor
Tamio Yamamoto
民男 山本
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続重合法で製造したポリエステルを直接紡
糸して、優れた捲縮発現能を有する潜在捲縮性ポリエス
テル繊維を安定に製造することのできる方法を提供す
る。 【構成】 連続重合法で製造したポリエステルを直接紡
糸し、異方冷却して中空率が10〜40%の潜在捲縮性
ポリエステル繊維を製造するに際し、ポリマー吐出線速
度を0.5〜3m/分、ドラフト率を400〜4000
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続重合法により製造
したポリエステルを直接紡糸(以下連重直紡と称するこ
とがある)して、優れた捲縮を発現し得る潜在捲縮性ポ
リエステル繊維を安定に製造する方法に関する。さらに
詳しくは、連重直紡法において、異方冷却することによ
って潜在捲縮性ポリエステル繊維を得る際の製糸工程安
定性を向上させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融紡糸法によって繊維に三次元捲縮を
付与する方法は従来から種々提案されている。例えば、
収縮性の異なる二種のポリマーをバイメタル型あるいは
芯成分を偏心させた芯鞘型に複合紡糸する方法がある。
この方法は特殊なポリマーを使うためコストが高く、ま
た紡糸調子が不安定という問題があるが、現在、嵩性能
の要求が厳しくない衛生材料用等として使用されてい
る。また、溶融紡出直後の糸条に冷却用気流を吹きつ
け、断面方向に複屈折度の異方性を付与して三次元捲縮
繊維を得る方法(例えば特公昭38―7511号公報。
以下、異方冷却法と記す。)があり、この方法の改良法
としては特公昭44―20497号公報に記載の方法が
ある。これらの方法によるポリエステル短繊維は高い嵩
性能を有するため、詰綿分野で多量に使用されている
が、紡糸調子の安定性に欠けるという問題を抱えてい
る。特にポリエステル繊維を連続重合直接紡糸法で製造
する場合に紡糸調子が不安定になり易いという問題があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高度
の捲縮性能を有し、嵩性能の優れた三次元的捲縮発現能
を有するポリエステル中空繊維を、連重直紡法において
異方冷却することによって製造する際し、安定した紡糸
調子を維持できる製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため鋭意検討した結果、連続重合法で製造され
たポリエステルは、吐出ノズル周辺に有機物を主成分と
する異物が堆積し易く、一旦チップ化した後に紡糸する
方法に比べて数倍〜十数倍にも達すること、及びかかる
堆積異物は紡出直後糸条に吹きあてる冷却気流の流速が
大きい異方冷却法において紡糸調子を乱すことを知見し
た。かかる知見をもとにしてさらに検討を重ねた結果、
ノズル孔径を大きくしてポリマー吐出線速度を遅くする
と異物堆積量が減少すること、一方ドラフト率を大きく
すると異方冷却効果が増大して潜在捲縮性が大きくなる
ことを見出し本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明の方法は、連続重合法に
より製造したポリエステルを直接紡糸し、異方冷却して
中空率が10〜40%の潜在捲縮性ポリエステル繊維を
製造するに際し、紡糸ノズルから吐出されるポリマーの
吐出線速度を0.5〜3.0m/分、ドラフト率を40
0〜4000とすることを特徴とする潜在捲縮性ポリエ
ステル繊維の製造方法である。
【0006】本発明で用いられるポリエステルは、連続
重合法により製造されたポリエチレンテレフタレートを
主たる対象とするが、テレフタル酸成分に対して15モ
ル%以下、好ましくは10モル%の第3成分が共重合さ
れたポリエステルであってもよい。このましく用いられ
る共重合成分としては、イソフタル酸、5―ナトリウム
スルホイソフタル酸、アシピン酸、ビスフェノールA、
ジエチレングリコール、ネオペンチレングリコール等を
あげることができる。かかるポリエステルの固有粘度
(35℃のオルトクロロフェノール中で測定)は0.3
5〜0.90の範囲にあることが好ましい。なお、艶消
剤、着色剤、帯電防止剤等の添加剤を含んでいても良い
ことは言うまでもない。
【0007】本発明では、上記ポリエステルを一旦チッ
プ化することなく直接中空率が10〜40%となるよう
に溶融紡糸し、次いで異方冷却して潜在捲縮性発現能を
有するポリエステル繊維となすが、この際ノズル径を通
常より大きくしてポリマーの吐出線速度を0.5〜3.
0m/分、好ましくは0.8〜2.5m/分とし、且つ
ドラフト率を400〜4000好ましくは500〜35
00とすることが大切である。ここでドラフト率とは、
ポリマー吐出線速度に対する巻取り速度の比率をいう。
【0008】吐出線速度が0.5m/未満では、ノズル
周辺の異物堆積は極めて少なくなるものの、曵糸性が急
激に悪化して安定した紡糸調子が維持できなくなる。一
方3.0m/分を越える場合には、異物の堆積抑制効果
が不充分となって、やはり紡糸調子は悪化する。
【0009】またドラフト率が400未満の場合には、
異方冷却を行なっても充分な断面異方性が発現しないた
め、捲縮発現能が低下するため好ましくない。逆に40
00を越える場合には、断面異方性は良好となるもの
の、紡糸安定性が低下して断糸し易くなるため好ましく
ない。
【0010】なお本発明の方法は、上記の如く中空率が
10〜40%の中空繊維を対象とするものであり、中空
率が10%未満では上記要件を満たしても断面異方性が
不充分となって優れた捲縮を発現させることは困難とな
るし、40%越える場合には詰綿等として使用する際に
中空つぶれか発生し易くなるため好ましくない。
【0011】また異方冷却するには、例えば特公昭44
―20497号公報、特公昭56―29007号公報等
に記載されている方法を採用すればよく、特にノズル直
下10〜30mmの位置で0.5m/秒以上の流速を有
する10〜40℃の冷却風を吐出糸条の片側から吹きつ
けることが好ましく、冷却風を糸条に吹き付ける角度は
糸条の進行方向に対して直角±45度の範囲内にあれば
良いが特にほぼ垂直な方向が望ましい。冷却風の媒体
は、吐出糸条に対して実質的に不活性な気体であれば特
に限定する必要はないが、経済的には空気が好適であ
る。
【0012】かくして得られた断面異方性を有するポリ
エステル未延伸糸は、通常100℃以下、好ましくは6
0〜95℃の温度で最大延伸倍率の70%以上で延伸す
る。次いで、延伸後の糸条は弱い機械捲縮を付与する
か、または機械捲縮を付与することなく弛緩熱処理して
捲縮を発現させる。捲縮発現処理に際しては、糸条を構
成する各単繊維を極力無拘束状態にする方法が好まし
く、また弛緩熱処理温度は100〜200℃が好まし
い。捲縮発現処理はトウ状、ステープル状等いかなる状
態で行なってもよいが、ステープル状での処理が最も捲
縮発現しやすい。
【0013】
【発明の作用効果】従来、連続重合により製造されたポ
リエステルは、製造コスト低減のため、一旦チップ化す
ることなく直接溶融紡糸することが一般的に実施されて
いる。しかしながら、かかるポリエステルを溶融紡糸す
る際には、その詳細な理由は不明であるが、吐出ノズル
周辺に有機物を主成分とする異物が堆積し易く、かかる
異物が特に異方冷却法による潜在捲縮性中空繊維の製糸
安定性を悪化させる原因となっている。
【0014】本発明はこのような不利益を克服したもの
で、ポリマー吐出線速度を下げることによって繊維表面
から異物堆積の原因となる有機物等のにじみ出しや昇華
の量が抑制され、異物堆積に起因する製糸性低下が改善
されるのである。また、ポリマー吐出線速度を下げると
異方冷却効果が不充分となり易いが、これはドラフト率
を400以上と大きくすることによって冷却効果が改善
され、優れた捲縮を発現し得るようになるのである。
【0015】したがって、本発明の方法によれば、優れ
た捲縮性能を発現し得るポリエステル中空繊維を安定し
た紡糸調子を維持して効率よく製造することができ、ふ
とんやぬいぐるみ等の詰め綿として好適な製品を提供す
ることができる。
【0016】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実
施例における異物堆積割合は、7日間紡糸後口金を取外
して300個のノズルについて周辺に異物が堆積してい
るかどうかを顕微鏡下で観察し、次式より求めた。 異物堆積割合(%)=(異物堆積ノズル数)/300×
100
【0017】
【実施例1〜3、比較例1〜3】連続重合法によって製
造された固有粘度が0.60の溶融ポリエチレンテレフ
タレートを紡糸工程に送り、図1(a)に示されたノズ
ル300個有する口金を用いて、280℃で吐出し、
1,200m/分で捲取り、単糸繊度が14デニールの
未延伸糸を得た。紡出糸条の冷却は口金面下20mmの
位置で20℃の冷却用空気を4.0m/秒の流速で糸条
の進行方向に対して垂直な方向から吹きつけることによ
り行なった。この際、ノズルの吐出断面積の異なる口金
を使って、7日間紡糸した。得られた未延伸糸を集束し
てトウにし、70℃の水浴中で最高延伸倍率の約92%
まで延伸し、15万デニールの延伸トウとなし、該トウ
をクリンパーに通して6山/25mmの機械捲縮を付与
し、140℃の雰囲気中で弛緩熱処理し、64mmの長
さに切断した。得られたステープルファイバーはJIS
―L1060に従って捲縮数を測定し、表1の結果を得
た。
【0018】
【表1】
【0019】
【実施例4〜7、比較例4〜5】実施例1〜4と同様の
方法で図1(b)に示された形状のノスル孔を160個
有する口金を通して282℃で吐出した。紡出糸条の冷
却は口金面下20mmの位置で20℃の冷却用空気を
3.0m/秒の流速で糸条の進行方向に対して垂直な方
向から吹きつけて行なった。吐出量は300g/分と
し、ノズルの吐出断面積の異なる2種類の口金を使い、
捲取速度を変えて7日間紡糸した。得られた未延伸糸を
集束してトウにし、70℃の水浴中で最高延伸倍率の約
90%まで延伸した。得られた延伸後のトウデニールを
15万デニールの延伸トウとなし、クリンパーに通して
5山/25mmの機械捲縮を付与し、140℃の雰囲気
中で弛緩熱処理を行ない、64mmの長さに切断し、得
られたステープルファイバーについて、JIS―L10
60に従って捲縮数を測定した。得られた結果を表2に
示す。
【0020】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明を実施するための代
表的なノズル形状の平面拡大図である。
【図2】(a)及び(b)は、それぞれ図1のノズル
(a)及び(b)から紡出して得た繊維の断面拡大図で
ある。
【符号の説明】
1 ポリマー吐出用スリット 2 キャナル H 中空部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続重合法により製造したポリエステル
    を直接紡糸し、異方冷却して中空率が10〜40%の潜
    在捲縮性ポリエステル繊維を製造するに際し、紡糸ノズ
    ルから吐出されるポリマーの吐出線速度を0.5〜3.
    0m/分、ドラフト率を400〜4000とすることを
    特徴とする潜在捲縮性ポリエステル繊維の製造方法。
JP7375093A 1993-03-31 1993-03-31 潜在捲縮性ポリエステル繊維の製造方法 Pending JPH06287809A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5739204A (en) * 1995-03-14 1998-04-14 Degussa Aktiengesellschaft Heat-curable coating material
US5997980A (en) * 1997-02-20 1999-12-07 Teijin Limited Hollow polyester fibers and textile articles comprising same
JP2002266163A (ja) * 2001-03-05 2002-09-18 Teijin Ltd ポリエステル異型断面糸
KR100490790B1 (ko) * 1997-08-11 2005-09-12 주식회사 휴비스 모세관냉각장치를이용한단성분중공자발권축섬유의제조방법
JP2009144271A (ja) * 2007-12-12 2009-07-02 Teijin Fibers Ltd 中空ポリエステルマルチフィラメントとその製造方法
CN108239795A (zh) * 2016-12-23 2018-07-03 东丽纤维研究所(中国)有限公司 一种中空立体卷曲长纤维

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