JPH0651925B2 - 特殊断面形状を有する繊維 - Google Patents

特殊断面形状を有する繊維

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JPH0651925B2
JPH0651925B2 JP16395685A JP16395685A JPH0651925B2 JP H0651925 B2 JPH0651925 B2 JP H0651925B2 JP 16395685 A JP16395685 A JP 16395685A JP 16395685 A JP16395685 A JP 16395685A JP H0651925 B2 JPH0651925 B2 JP H0651925B2
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【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は特殊な断面形状を有する繊維に関するものであ
り、さらに詳しくは衣料用布帛にすぐれた吸水性、抗ピ
ル性、風合、カサ高性、反発性を与えることのできる疎
水性合成繊維に関するものである。
〔従来技術及びその問題点〕
ポリエステル、ポリアミドに代表される合成繊維からな
る衣料用布帛は木綿、ウール、麻などの天然繊維からな
る衣料用布帛に比べてすぐれた強力特性、寸法安定性、
イージーケアー性を有する反面、抗ピル性、吸水性、吸
湿性が劣り、また製品によつてはカサ高性、反発性、防
汚性等が不足する、また合成繊維特有のワキシーな風合
を与えるなどの問題があり、衣料各種用途で適用に制約
を受けてきた。
特に抗ピル性、吸水性は合成繊維の基本的な問題である
ために数多くの改善技術が提案されている抗ピル性につ
いては、ピルが発生しても切断してピルを落ち易くする
という発想から重合度の低下による繊維の低強力化(例
えば特公昭47-2061号公報)の手段が採用されているが
この方法では抗ピル性は向上できても紡績時のステープ
ルフアイバーの損傷による生産性の悪化、さらには製品
摩耗強力の低下による製品のすり切れといつた問題を招
いてきた。
また繊維の断面形状を異形化例えばT、H、U字形状に
断面化(特公昭47-29042号公報、特開昭52-148221 号公
報等)すれば抗ピル性を向上させうるとの提案がされて
いるが、これらの手段では若干の抗ピル性向上がはかれ
るものの衣料の各種用途で十分な抗ピル性は達成されて
いない状況にある。
また、異形断面化による繊維の強力特性の低下により抗
ピル性を向上させる考え方もあるが(特開昭52-148221
号公膜)、高次加工性、製品強力面の問題を生じる原因
となる。
一方、吸水性については、繊維表面に微細な凹凸穴、ス
ジ状穴を形成させたり(特公昭47-11280 号公報等)、
断面形状を異形化例えばT、H、U字形化(特開昭55-1
22074 号公報等)したり、あるいは両者を組み合わせた
り(特開昭55-107510 号公報等)する提案がされている
が、繊維表面に微細な穴を形成するとフロステイングを
発生しやすくなつたり、或いは染色したときの鮮明性が
低下するといつた問題を招いてきた。また単なる異形断
面化では吸水性向上効果が乏しいといつた状況にある。
ましてや十分な抗ピル性と吸水性を兼ね備え、しかも強
力の低下、フロステイングの発生、鮮明性の低下を招か
ないステープルフアイバーにいたつては技術的に未解決
であるというのが現状である。
〔発明の目的〕
本発明の目的は紡績工程での繊維の損傷が少なく、製品
の摩耗強力低下を招くことなく抗ピル性を与え、かつフ
ロステイングの発生、染色時の鮮明性の低下を招くこと
なく吸水性をも与える新規な断面形状を有する衣料用布
帛用合成繊維の提供にある。
さらに合成繊維特有のワキシーな風合を抑え、優れたカ
サ高性、反発性も与える新規な断面形状を有する衣料布
帛用合成繊維の提供にある。
〔発明の構成〕
前記した本発明の目的は、熱可塑性重合体からなる3本
の直線状断面部A、B、Cから構成された変形断面糸に
おいて、直線状断面部Aに対して他の2本の直線状断面
部B、Cが直線状断面部Aの先端部から内側に入つた部
分の同一側面に接合され、かつ直線状断面部B、Cの外
側面が直線状断面部Aの先端部と直線状断面部B、Cの
外側面からなる接線の内側にある特殊断面形状を有する
繊維によつて達成できる。
本発明の第1の特徴は第1図に示すように3本の直線状
断面部A、BおよびCが接合されておりそのうちの直線
状断面部Aの各先端部から内側に入つた部分に、同一方
向に他の2本の直線状断面部B、Cが接合されている特
殊断面( 形状断面:以下π断面と称す)形状を有する合成繊維で
あつて、しかも第1図で示すL/Lの比が0.3から
1.5の範囲にあり、接線S、Sの内側に直線状断面
部BとCであることである。ここで、Lは直線状断面
部Aの断面部の長さ、Lは直線状断面部Aの外側面か
ら直線状断面部B、Cの先端部までの長さ、S、S
は直線状断面部Aの直線状断面部B、Cのそれぞれに近
い側の先端部と直線状断面部B、C夫々の接線を示す。
本発明のπ断面形状にすることによつて強力を低下させ
ることなく抗ピル性を向上させることが可能になる。
該π断面形状を有する繊維、特に短繊維であるステープ
ルフアイバーの抗ピル性が良好である理由については紡
績糸毛羽の滑脱抵抗が高く、毛羽曲げ剛性の高さにある
と推定されるが、従来から知られているT、H、U断面
について検討を試みたところ、実施例においても詳述す
るとおり、十分な抗ピル性向上効果は得られず、該π断
面形状特有の効果と考えられる。また、該π断面形状に
おいて前述のL/Lの比が0.3未満あるいは1.5より
大きくなると大巾な抗ピル性向上ははかれない。
この理由については0.3未満の場合断面が第4図に示し
たように脚部間が開いて偏平断面のごとき形状になり、
また1.5より大きい場合は第5図に示したように直線状
断面部B、Cが重なつて一体化した形状に近づくためと
考えられる。さらに好ましいL/Lの範囲は0.5〜
1.2の範囲である。
直線状断面部Aに対して他の2本の直線状断面部B、C
を直線状断面部Aの内側に接合せず、先端部に接合した
場合、または、直線状断面部Aの先端と直線状断面部
B、Cの直線状断面部A先端と接していない側のそれぞ
れの先端の接線S、Sの外側に直線状断面部B、C
の一部が出てしまう場合には、紡績工程を通過させるの
に必須のケン縮付与時にそれぞれの接合部分に応力が集
中して断面にひび割れを生じ、抗ピル性および吸水性向
上効果を失なう原因となる。加えて紡績工程での物理的
作用および製品によつては採用されるアルカリ、酸によ
る化学処理作用でひび割れを発生する原因となる。
また直線状断面部Aはできる限りストレートであること
が好ましく、U断面の如き湾曲状になるとこの場合もケ
ン縮付与時の応力が湾曲部に集中し断面のひび割れの原
因となり、特に衣料用途で必要とされる単繊維の繊度が
3〜4以下の場合顕著となる。
さらに直線状断面部Aの中心線Xと直線状断面部B、C
の中心線Y、Yがまじわつてなす角度θ、θ
角度が30゜以下になると抗ピル性および吸水性とも向上
効果が小さくなる。θ、θの角度が120゜以上とな
るような断面を形成する場合は紡糸の段階でスリツト状
断面部B、Cの先端部が接合して中空断面化しやすくな
り好ましくない。θ、θのさらに好ましい範囲は50
〜100゜である。
本発明は直線状断面部A、BおよびCで形成される各接
点間の距離Wは3〜30μ、深さHは3μ以上の範囲にあ
ることが好ましい。
W、Hがそれぞれ3μより小さくなると十分な吸水性が
得られなくなる。またWが30μを越えると光沢にギラ
ツキ感が強くなるとともに紡績糸にしたとき各繊維のス
リツト状断面B、Cが他の繊維の溝部にはまりやすくな
り紡績糸自体のカサ高性、圧縮弾性特性が失われ、布帛
にしたときに芯のある硬い布帛となる。Wのさらに好ま
しい範囲は5〜20μである。
Hの上限は特に限定されるものではないがHが深すぎる
と吸水性はすぐれていても疎水性合成繊維の特徴である
速乾性が低下するおそれがあるのでHも30μ以下にす
るのが望ましい。
本発明は溶融紡糸して得られる疎水性合成繊維、即ち、
ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等に適用で
きる技術であるが特にエチレンテレフタレートを主たる
繰返し単位とするポリエステルに適用した場合にポリエ
ステル繊維の優れた寸法安定性、強力特性、染色特性と
も相まつて巾広い用途での展開が可能となる。したがつ
て、少なくとも85モル%以上がエチレンテレフタレー
トからなり固有粘度が0.55以上、強度4.0g/d以上、
強伸度積100以上、屈曲強度1500回以上のポリエステ
ル繊維、特に短繊維であることが好ましい。
本発明のポリエチレンテレフタレート繊維はイソフタル
酸、アジピン酸、アゼライン酸、トリメリット酸、5−
ソジユウムスルホイソフタール酸などのジカルボン酸お
よびその誘導体、ジエチレングリコール、ポリエチレン
グリコールなどのジオールあるいはその他の共重合成分
の1種以上を全共重合成分量として15モル%を越えな
い範囲で含んでいてもよい。共重合成分が15モル%を
越えるとポリエチレンテレフタレート繊維のすぐれた寸
法安定性が損われ好ましくない。
また、O−クロロフエノール25℃中で求めた固有粘度
が0.55より低くなると紡糸時にシヤープなπ断面形状を
保持させにくくなるとともに、低分子量化による強伸度
低下および屈曲強度低下が大きくなり、紡績工程での繊
維の損傷を招き生産性が低下し、さらには衣料として着
用したときの摩耗力低下、フロステイングの発生などの
原因となりうる。固有粘度が0.60以上がさらに好ましい
範囲である。固有粘度の上限は特に制限されるものでは
ないが、ポリマ生産時の生産性、紡糸工程での製糸性等
を考慮すると0.70以下であるのが望ましい。
強度が4.0g/dより低く、強度を伸度を乗算して求め
た強伸度積が100より低く、屈曲強度が1500より低い
いずれの場合も紡績工程での繊維の損傷の増加、および
衣料用布帛の摩耗強力低下、フロステイングが発生しや
すい。強度4.5g/d以上、強伸度積150以上、屈曲
強度2000回以上がさらに好ましい範囲である。
本発明のπ断面形状を有する合成繊維は好適にはステー
プルフアイバーであるが、紡績糸を作るにあたり紡績工
程の良好な通過性を与えるためにステープルフアイバー
はケン縮数として10〜20山/25mm、ケン縮度として10
〜20%のケン縮が付与されていることが好ましい。ステ
ープルフアイバーの繊度、繊維長については用途によつ
てそれぞれ異なるが、通常の衣料用途に用いられるステ
ープルフアイバーの繊度、繊維長が採用でき繊度の好ま
しい範囲としては0.5〜5である。
繊度が0.5より小さくなると、直線状断面部A、Bお
よびCで構成される構部の深さH、各接点間の距離巾W
を3μ以上に維持することは難しく、吸水性が低下する
とともに抗ピル性向上効果も低下する。
繊度が5を越えると製品のタツチがドライタツチから
ザラザラしたタツチに変化するとともに光沢もパール状
光沢からギラツイた光沢に変化する傾向があるので好ま
しくない。
以下に本発明のπ断面形状を有する合成繊維を得るため
の製造法の一例を示す。
すなわち、本発明の第2図に示す如く、3本の直線状ス
リツトが接合されておりその内の1本のスリツトaに対
してそのスリツトaの先端部より内側でかつ同一方向に
接合された他の2本のスリツトb、cを有するπ字型形
状のノズル孔を用いて紡糸、延伸、ケン縮付与、切断す
ることによつて製造が可能である。更に詳しく述べる
と、π字型ノズル孔の形状としては、第2図に示すとお
り左右対称であることが好ましい。
ポリマのまがりやねじれが生じることなく安定して吐出
させるためにはスリツトaに対してスリツトb、cが接
合されてなす角度dは30゜〜120゜の範囲で設定してよ
いが、吐出ポリマの安定性の点で90゜に設定するのが最
も好ましい。
次にノズル孔の規格としてはl/lの比が0.3〜1.5
の範囲を外れると本発明で規定する断面形状のステープ
ルフアイバーは得られない。
また各スリツト巾X、X、Xについては0.05〜0.
12mmの範囲にあるのが好ましい。0.05mmより狭くなると
ポリマ中の異物および分解物でノズルづまりを発生しや
すくなる。0.12mmより大きくなるとドラフト率の増加を
招いて糸斑の増大、糸切れの発生の原因となるとともに
断面形状をシヤープに保ちにくくなる。
スリツトaとスリツトb、cのスリツト巾については同
一に設定してもよいし、0.05〜0.12mmの範囲で変更した
ものであつてもよい。但しスリツトb、cのスリツト巾
は吐出ポリマのねじれやまがりを防止するために同一に
設定することが好ましい。
次にスリツトaに対するスリツトb、cの接合位置はス
リツトaの先端部より少なくとも0.1mm以上内側に接合
することが好ましい。0.1mmより小さくすると吐出時の
ポリマのバラス効果によつて先端部より内側に接合され
た本発明の断面形状を有する繊維を得ることが困難とな
る。
スリツトb、cの間隔は最も狭い部分においても少なく
とも0.2mm以上にしてスリツトb、cから吐出されるポ
リマの融着を防止する。
またスリツトb、cで構成される溝の深さhは少なくと
も0.3mm以上にすることによつて紡糸条件、特に温度を
変更しても安定した目標の溝の深さをえることができ
る。
さらにπ型ノズル孔としては、第3図に示すとおりスリ
ツトb、cの先端部の直径がスリツト巾より大きくスリ
ツト巾の2倍より小さい円弧状部を設けることによつて
ノズル孔からのポリマ吐出圧の変動をおさえ曲がりやね
じれを防止することができる。
上記ノズル孔を有する口金を用いて紡糸するときの条件
としては通常に採用される条件が採用可能であるが紡出
糸の糸切れ、糸斑の減少をはかるため、ドラフト率は4
00以下で紡糸温度はポリマの軟化点よりも少なくとも
30℃以上高くしてポリマを紡出し、ポリマは口金面か
ら少なくとも30mm以内で空温の雰囲気中に紡出するこ
とが好ましい。冷却風は口金面から少なくとも100mm
以内の位置から20cm以上の長さを有する冷却装置で8
0m/min以下の風速で水平に吹きつけることが望まし
い。本発明の繊維は短繊維とすることで一層その効果を
発揮するが、その場合延伸、ケン縮付与、熱セツト、乾
燥は通常条件を採用できる。
〔発明の効果〕
本発明で得られる繊維が短繊維の場合はこの短繊維単独
で紡績糸を構成して衣料用布帛に使用してもよいし、他
の断面形状、例えば一般に採用される丸断面の合成繊維
からなる短繊維と混紡してもよい。この場合布帛の吸水
性、抗ピル性の保持の点から本発明の短繊維を80%以
上混紡することが望ましい。単繊維繊度2〜5dの本発
明の短繊維を50%以上混紡した合成繊維100%の紡
績糸からなる布帛は麻ライクな風合とともに優れた抗ピ
ル性、吸水性を与える。また0.5〜2本発明の短繊維
を50%以上混紡した合成繊維100%の紡績からなる
布帛はシルクライクな光沢と風合を与える。
また、本発明のステープルフアイバーは、木綿、羊毛、
麻などの天然繊維、レーヨンなどの化学繊維と20〜8
0%の範囲で混紡して使用することによつて従来の丸断
面の疎水性合成繊では達成できなかつた各種の用途への
進出を可能にするとともに既進出用途においても著しい
性能向上効果をもたらす。
木綿、ウールとの混紡においてその効果は著しく、特に
木綿との混紡品では、従来単糸編物の肌着、スポーツ用
編地は、ポリエステル、ポリアミド繊維の短繊維を混紡
すると編地の強力特性、寸法安定性、速乾性、向上の点
で優れるが、抗ピル性、着用および洗濯時の防汚性、吸
水性の点で木綿100%品に劣り、また風合面でも木綿
特有のドライなタツチが得られず従来ほとんど合成繊維
からなる短繊維は使用されていないが本発明の短繊維を
使用することによつて、抗ピル性、吸水性は木綿100
%の製品以上になり、しかもさわやかなドライタツチと
断面効果による防汚性向上をはかることができる。更
に、木綿との混紡品では単糸の変化組織が一般に採用さ
れるシーツ地、比較的甘ヨリ糸の採用される秋冬物など
は、単糸編物と全く同様の問題があり採用される機会が
少なかつたが、本発明の繊維の使用によつて展開が可能
となる。
ウールとの混紡品の場合も従来の合成繊維ステープルで
は起毛織編地、単糸の織編地、横編物などでは抗ピル
性、カサ高性、反発性が不足するなどの問題があり特に
秋冬物用途では合成繊維の短繊維が使用されることは少
ない。本発明の短繊維はウールとの混紡においても優れ
た抗ピル性を示すとともに、3本のスリツト状断面部に
よつて形成される溝部を有するため紡績糸において1本
の繊維が占有する面積が大きくなるために優れたカサ高
性を有する布帛を得ることができる。また繊維の曲げ剛
性も高くなるため布帛の反発性を高めることが可能であ
る。
以下に実施例により本発明を更に詳しく説明する。
なお、実施例中の物性は次のように測定した。
A.屈曲強度 F.Dillmanの屈曲摩耗強度測定器を用い、単繊維に与え
る荷重を200mg/デニールとし、屈曲速度を60回/
分で屈曲摩耗させて単繊維が切断するまでの回数を表示
した。
B.捲縮数、捲縮度 捲縮測定器を用い、捲縮数は単繊維に2mg/デニールの
荷重をかけて25mm当りの捲縮数を測定する。捲縮度は
同じ2mg/デニールをかけて単繊維の長さ(l)を測
定し、次いで300mg/デニールの荷重を30秒かけて
単繊維の長さ(l)を測定し、{l-l0)/l0}×100から
捲縮度(%)を算出した。
C.抗ピル性 ICI法5時間で判定した。
D.吸水高さ バイレツク法で長さ12cm×巾1cmの短冊状サンプルの
下端を20±2゜Cの蒸留水中に浸漬し10分後の吸水
高さを測定した。
E.抗フロスト性 アピランスリテンシヨンテスタを用い、2枚のサンプル
片を荷重750g下で直径3cmの円状に接触させ、10
分間回転擦過させた後、変色程度を変退色グレースケー
ルで1〜5級の等級判定をした。
実施例1 固有粘度0.66のポリエチレンテレフタレートを表1に示
す3種のノズル孔を夫々100ホールを有する口金を用
いて紡糸温度296℃吐出量55g/minで紡糸しそれを1
100m/minの速度でドラムにまきとり未延伸糸を得た。
それぞれの未延伸糸を集束し延伸糸換算で約2.5万Dの
サブトウとし、さらにサブトウを4本合わせて10万D
として95℃の液浴で3.1倍に延伸し、引続いて190
℃の熱ドラム上で8秒間定長で熱処理したあとケン縮付
与、80℃で乾燥後38mmにカツトして短繊維とした。
得られたI、IIのπ断面形状の短繊維は表2に示すπ断
面形状値と特性を有していた。なおIIの口金を用い繊維
は紡糸時断面部b、cが融着するものが発生し約35%
が中空化した。
さらに比較用原綿として表3に示す従来よく知られた丸
断面を有する短繊維IVを用いて夫々単独で紡績した短繊
維100%の綿番手30の紡績糸を作り引続いて単糸
使いインタロツクニツトを作製した。編地は続いて一般
にポリエステル100%で採用される条件で精練、染
色、仕上げセツトを実施した。
なお染色前にアルカリ減量しないもの、アルカリ減量1
5%したものをそれぞれ準備した。得られた編地の特性
を表3に示す。
以上の結果のとおり、丸断面短繊維IV使い編地に比べて
π断面短繊維使い編地は抗フロスト性低下なく吸水性、
抗ピル性が向上する結果が得られたが、特に本発明のπ
断面短繊維II使いの場合には、本発明のI、IIIに比べ
一段とすぐれた結果がえられた。
実施例2 実施例1で得たπ断面短繊維IIと比較用丸断面短繊維が
それぞれ65%である木綿との混紡糸(綿番手30
糸)を作り引続いて単糸使いインタロツクニツトを作製
した。編地は一般にポリエステル・木綿混で採用される
条件で漂白、染色仕上げセツトを実施した。
得られた編物の特性を表4に示す。
本発明のπ断面短繊維使い編地は木綿以上の吸水高さを
有し、かつ、抗ピル性、抗フロスト性ともすぐれた結果
を示した。
なお編地の風合も丸断面短繊維使い編地に比べて木綿に
似たドライでさわやかなタツチを与えた。
実施例3 実施例と同じポリエチレンテレフタレートポリマを実施
例1に記載したπ孔(II)と比較用のH孔、U孔をそれ
ぞれ100ホール有する口金を用いて紡糸温度295
℃、吐出量106gで紡糸し、それを1100m/minの速度
でドラムに巻取り、未延伸糸を得た。それぞれの未延伸
糸を集束し、延伸糸換算で約2.5万Dのサブトウとし、
さらにサブトウを4本合わせて10万Dとして95℃の
液浴で3.2倍に延伸し、引続いてケン縮付与した後12
0℃で20分間弛緩状態で熱処理後76〜102mmの範囲に
なるようにバリアブルにカツトした。
なおH断面両側の凹部の巾は3μ以上有ているが深さは
3μ以下であつた。
またU断面は凹部の深さ巾とも3μ以上であつたが得ら
れた形状はブーメラン型に近いものであつた。
表5の3種の短繊維を紡績してメートル番手で1/48
の紡績糸を得た。
該紡績糸を用いて天竺組織の編地を作製し通常のポリエ
チレンテレフタレートに用いられる条件で精練、染色、
仕上げセツトを行なつた。
得られた編地は表6に示したように、π断面形状を有す
る短繊維を用いた編地は抗ピル性の点で最もすぐれると
ともに極めて麻に類似したタツチを与えた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のπ断面繊維の1例の拡大図、第2、3
図は本発明のπ断面繊維を得るための口金の例の拡大図
である。 第4図および第5図は本発明外の繊維の糸断面である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性重合体からなる3本の直線状断面
    部A、B、Cから構成された変形断面糸において、直線
    状断面部Aに対して他の2本の直線状断面部B、Cが直
    線状断面部Aの先端部から内側に入つた部分の同一側面
    に接合され、かつ直線状断面部B、Cの外側面が直線状
    断面部Aの先端部と直線状断面部B、Cの外側面からな
    る接線の内側にある特殊断面形状を有する繊維。
  2. 【請求項2】直線状断面部Aの長さLと直線状断面部
    Aの外側面から直線状断面部B、Cの先端部までの長さ
    が次式の関係にある特許請求の範囲第(1)項記載の
    特殊断面形状を有する繊維。 0.3≦L/L≦1.5
  3. 【請求項3】直線状断面部B、Cの先端部の共通接線の
    各接点間の距離Wと直線状断面部B、Cで形成される溝
    の深さHが下記式の関係にある特許請求の範囲第(1)項
    または第(2)項記載の特殊断面形状を有する繊維。 W≧3(μ)、H≧3(μ)
  4. 【請求項4】熱可塑性重合体が少なくとも85モル%以
    上がエチレンテレフタレートである特許請求の範囲第
    (1)項記載の特殊断面形状を有する繊維。
  5. 【請求項5】固有粘度が0.55以上、強度4.0g/d以
    上、強伸度積100以上でかつ屈曲強度が1500回以
    上である特許請求の範囲第(1)項〜第(4)項のいずれか1
    項記載の特殊断面形状を有する繊維。
  6. 【請求項6】繊維が短繊維である特許請求の範囲第(1)
    項〜第(5)項のいずれか1項記載の特殊断面形状を有す
    る繊維。
JP16395685A 1985-07-26 1985-07-26 特殊断面形状を有する繊維 Expired - Fee Related JPH0651925B2 (ja)

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