JP3227463B2 - 織機のヘルド - Google Patents
織機のヘルドInfo
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Description
さらに詳細には、縦糸をより容易に通過させ、同時に、
隣接する縦糸を隣接するヘルドにより容易かつ円滑に通
過させることができる縦糸アイを有するヘルドに関す
る。
ルドは、通常、織機のヘルドフレーム上に両端部が支持
された帯鋼で形成される。ヘルドは、その主平面が縦糸
の経路に平行になるように支持される。縦糸はヘルドで
案内されなければならないので、ヘルドは縦糸アイを備
えているが、該縦糸アイは、縦糸がヘルドフレーム上に
張られた直後にヘルドが不正確に配設されるために問題
を生じることが多い。ヘルドと縦糸との正しい関係は垂
直関係である。
ことができないので、縦糸が縦糸アイの領域を通過でき
るようにするには、ヘルドが該領域で変形されなければ
ならない。
ing or rotation)、および引き離し
(crossed or corrugated)(オ
フセット)の2種類がある。ねじれ形式のものでは、帯
鋼の面に対する縦糸アイ部のねじれは、通常、ヘルドの
中心軸の周りで25°ないし30°だけねじられた平面
内に縦糸アイ部があるように行われる。いわゆる引き離
し変形モードでは、縦糸アイを形成する対向するレッグ
が引き離され、縦糸が通過できるようになっている。
る。ねじれ形式は、縦糸アイでの比較的良好な縦糸支持
を縦糸に与えて縦糸を保持する効果を有する。しかし、
縦糸アイの開口の上部付近から底部付近に至るまで対を
なす縦糸レッグがねじられた平面内にあるために、この
対をなす縦糸アイのレッグは縦糸アイの開口の上部付近
から底部付近迄著しく側方へ突き出ることになり、隣接
する縦糸は、このねじれた部分の突き出たレッグの縁上
の広い領域上を滑らなければならない。したがって、製
織率が増加するにつれて、これが問題となる。
方向の中央部で対をなすレッグを反対方向に側方へと引
き離しているので、レッグが側方へ突出する距離は、縦
糸アイの上下方向の中央部で最も大きく、同中央部から
離れるに従って小さくなる。従って、引き離しモードに
おける縦糸もレッグの縁上で滑らなければならないが、
その領域はねじれモードの領域と比べてずっと短い。し
かし、縦糸の迂回路の高さは、縦糸の振れが突然発生す
るように、幾分より高くなっている。さらに、縦糸アイ
のレッグをそのように引き離すことによって、縦糸アイ
の開口の上部と底部において両レッグが鋭角をなして交
わることとなり縦糸に充分な支持は与えられず、縦糸を
はさみつけるて糸切れを起こす傾向がある。
アイを通る縦糸と隣接する縦糸の両方に対して十分円滑
な通路を提供するために、隣接する縦糸は最初の平面か
らある量だけヘルドをねじらなければならない。
は、まず縦糸アイの領域をねじり、次いで、縦糸アイを
形成する対向するレッグを再び変形して通過する縦糸と
平行関係に戻ることによって形成されるヘルドを開示し
ている。縦糸が通過できるように、縦糸アイの領域にお
いて大きなねじれが行われ、その結果、レッグが更に変
形して平行位置に戻ったときに、縦糸アイの開口の上部
から底部にわたってレッグが比較的大量に側部に突出す
ることになる。従って、縦糸アイを通過する縦糸に隣接
する縦糸が広い領域にわたってレッグに接して損傷を受
けるおそれがある。また、このように、縦糸アイの領域
で大きなねじれが行われることによって、生産工程にお
いて困難を伴うと共に、使用中に縦糸アイの部分で材料
の劣化を生ずるおそれがある。
アイ部分での横レッグが引き離されるように配置され、
次いでヘルドを縦糸アイの領域で変形することを開示し
ている。このヘルドでは、縦糸アイがねじれだけを行
い、かつ、勾配付きセグメントが側部で突き出た場合と
同様な欠点が生じ、したがって、隣接する縦糸が損傷を
受けるおそれがある。
発展と製織率の増大のために、前記の問題が効率の低減
と共に深刻化し、したがって、コストが増大し、糸処理
工程がより非効率的になり、また利益が少なくなってい
る。前記の縦糸アイの設計を有するタイプのヘルドは、
これらの問題の大部分の原因になっている。
前記の現行のヘルドの前述の欠点を解消することであ
る。知られているヘルド縦糸アイのタイプのある種の特
性の新規の組合せと、さらに重要なこととして、後述の
ように、縦糸アイのレッグの新規の配向を追加すること
によって、問題が解決される。
ルドのアイ通過を可能にし、縦糸ができるだけ問題なく
ヘルドのアイを通過できるようにすることである。隣接
する縦糸も、できるだけ容易にヘルドを滑ることができ
る。織機が高速であるため、シェドが変わるとき、隣接
する縦糸はヘルドの外側上を高速度で通過するので、後
者の特徴は極めて重要である。
した構成を有する。
引き離しなどの2つの知られているヘルドの縦糸アイの
タイプの組合せによって、縦糸アイの部分がねじられ、
次いで縦糸アイの一対のレッグが引き離され、その上で
前記一対のレッグはねじり戻されて縦糸の経路に平行な
方向、即ち、ヘルドの主平面に対して平行な平面に戻る
ことが不可欠であるという重要な利点を提供することが
できる。即ち、本発明では、共通の平面内にあって中央
軸をもち間隔をおいて対向する両端部を備え所定の厚さ
を有すると共に前記両端部間に縦糸アイの部分を有する
板の前記縦糸アイの部分を前記両端部に対して前記中央
軸のまわりにねじり、次いで縦糸アイの一対のレッグを
互いに引き離し、前記一対のレッグを前記共通の平面内
にある板の部分の板の部分の厚さの0.5 から1.5 の範囲
の距離だけ互いに離れて位置させている。その上で前記
一対のレッグをねじり戻して前記一対のレッグを互いに
平行に、かつ、縦糸の経路に平行に配置している。以上
の通り、本発明ではヘルドの板のねじりとレッグの引き
離しの双方が行われるので、ねじりが従来の場合の約半
分に低減されると共に、レッグの引き離しも同様に従来
の場合の約半分になる。このようにして、縦糸アイのね
じりにレッグの引き離しが追加的に与えられることにな
る。この組合せの利点は、前記の通り、ねじりとレッグ
の引き離しの各々に関して、変形が従来使用されている
ものの約半分になり、製作が容易で材料も少ないという
ことである。また、以上のようなねじりが行われる結果
として、縦糸アイの頂部と底部において縦糸アイを通過
する縦糸に良好な支持が与えられる。同時に、隣接する
縦糸の条件が改善される。即ち、隣接する縦糸が通過し
なければならない迂回路は、レッグの変形がわずかであ
るために著しく短くなる。したがって、隣接する縦糸に
生ずる応力はずっと少なくなる。また、板の面内でヘル
ドをねじろうとするヘルドに対する圧力は小さくなり、
これによって、縦糸アイ内にある縦糸からの大量の応力
が除去される。
イのレッグに関する。本発明によれば、一対のレッグ
は、互いに引き離された上更にねじり戻されて互いに平
行をなし、かつ、縦糸の経路に平行に配置されている。
したがって、隣接する縦糸は、レッグの縁上を通過せ
ず、その外部表面上に接することができる。ヘルドの大
きさもさらに低減される。したがって、ヘルドをねじる
傾向はさらに低減する。さらに、全体の幅を小さくする
ことが可能であるので、ヘルドをヘルドフレーム上によ
り密に配置することができ、微細かつ密な製織時に好都
合である。
がねじられた上、縦糸アイの一対のレッグは互いに引き
離され、同一対のレッグは、共通の平面内の板の部分の
厚さの0.5 から1.5 の範囲の距離だけ離れているので、
円滑に縦糸が通過する縦糸アイが提供される。
示されている。
4は、図を分かりやすくするために、織機のヘルドフレ
ームにヘルドを取り付けるために提供される対向するフ
ック端部なしで示されている。図3(c)に示されるヘ
ルドの主平面18に対するねじれ角度15は比較的大き
く、通常25°ないし30°である。したがって、図3
(c)に示すように、縦糸アイのレッグ17および1
7′は、ヘルドの主平面18に対して大きな角度をなし
ており、レッグ17および17′は縦糸アイの開口の上
部付近から底部付近までこの角度を保っている。従っ
て、レッグ17および17′は縦糸アイの開口の上部付
近から底部付近まで等しい距離だけ著しく側方へ突き出
している。このような構造では、隣接する縦糸は、広い
領域において2つの縦糸アイのレッグ17および17′
の縁19および19′上を滑らなければならない。しか
し、支持部13が大きく拡大されているので、当該の縦
糸アイを通る縦糸10は縦糸アイにおける支持部13で
良好な支持を得る。
4を示す。図3(a)は、ヘルドの対向する端部におい
て典型的なものであるヘルド14の非ねじれ領域を示
す。図3(b)は、主平面18に対してわずかにねじら
れた縦糸アイ領域の上端を示し、縦糸アイの対向する側
の下端でも同様である。
の両方を主平面18に対して最大限にねじられた縦糸ア
イ12の中心を通って取った断面図である。図3(c)
に明瞭に示されているように、ヘルド14に隣接して走
る縦糸は、2つの著しく突き出た縁19および19′と
接触する際にひどく損傷される恐れがある。両方のレッ
グ17および17′のねじれは、通常平面18に対して
25°ないし30°の範囲のねじれ角度を15によって
決定される。
する従来のヘルド24の遠近法図である。2つの縦糸ア
イのレッグ27および27′の上下方向の中央の部分が
大きい量26だけ引き離され(オフセットされ)(図6
(b)に示す)、縦糸20が円滑に通過できるようにな
っている。
遠近法図であり、図6(a)はヘルド24の典型的な非
ねじれ領域を示し、図6(b)は縦糸アイ22の中心に
沿って取った図である。この縦糸アイ22の形式の縁1
9および19′は横方向に突出することはないが、2つ
の縦糸アイのレッグ27および27′を引き離して、縦
糸アイを通過する縦糸がうまく通過するようにしなけれ
ばならず、従って、隣接するヘルドまたは縦糸が2つの
レッグ27および27′によって影響を受けることにな
る。さらに、前記のようにレッグ27および27′の上
下方向の中央の部分が引き離されているので、図5に示
すように、縦糸アイ22の頂部と底部の両方に位置する
サポート23が極めて狭く、それによって、縦糸がこの
領域に容易にはさみこまれて糸切れの問題が発生する恐
れがあることを明確に示している。
ヘルド4を示すが、同ヘルド4は、織機のヘルドフレー
ムにヘルドを取り付けるために共通の平面内にあり中央
軸を有すると共に所定の厚さを有し間隔をおいて対向す
る上下の両端部を持つ板を備え、そのフック端部は省略
されている。縦糸1は、板の間隔をおいて対向する上下
の両端部間に設けられ以下説明するようにねじられた縦
糸アイの部分の符号3で示す部分で良好な支持を受け
て、縦糸アイのねじれ領域を自由に通過することができ
る。縦糸アイの部分は、板の前記両端部に対してねじら
れており、縦糸アイのレッグ7および7′の部分は、ヘ
ルドの板の共通の平面8(縦糸の経路の方向)に対して
比較的少量5(図9(b)を参照)だけ前記板の中央軸
のまわりにねじられている。かつ、両レッグ7及び7′
は少量6だけ平面8に対し垂直をなす方向に引き離され
(オフセットされ)て小量の間隔6だけ離れている(図
9(c)参照)。また、縦糸アイのレッグ7および7′
の2つの側面9および9′は、ヘルド4の板の第1の平
面8(縦糸の経路の方向)に平行をなし、かつ該平面8
の両側にあるようねじり戻されている(図9(a)〜図
9(c)参照)。レッグ7および7′は、ねじられて平
面8に平行な平面に戻る前に、ヘルド4の前記板の厚さ
の半分から最大で1.5倍に対応する距離だけ離されて
いて、縦糸10が縦糸アイを円滑に通過できるようにな
っている。
視図であり、図9(a)〜図9(c)に対応する断面IX
a−IXa、IXb−IXbおよびIXc−IXcが示されてい
る。図9(a)はヘルド4の典型的な非ねじれ領域を示
し、図9(b)は平面8に対して角度5だけ板の中央軸
まわりにねじられた縦糸アイの上端部領域(下端領域も
同様)を示す。図9(c)は、縦糸アイ自体を通る断面
図であり、両レッグ7および7′は、ねじられた上更に
互いに引き離される(オフセットされる)ことによっ
て、距離6だけ互いに離れている。本発明では、引き離
しの形成に続いて、レッグ7および7′が再び縦糸の経
路(前記平面8)に平行になるようにねじり戻され、こ
れによって、2つの外部側面9および9′が前記平面8
に平行にかつその両側に離れて配置されている。
る板の間隔をおいて対向する両端部に対して同両端部間
に設けられた縦糸アイの部分がねじられ、次いで縦糸ア
イの部分の一対のレッグを互いに引き離し、その上で両
レッグの面をねじり戻して両レッグを互いに平行をな
し、かつ、縦糸の経路に平行に配置しているために、縦
糸アイを通過する縦糸が、最終位置の頂部および底部で
大きな通過開口部と良好な支持を共に提供されることで
ある。これに加えて、2つのレッグ双方の横方向のかた
よりも非常に小さく、隣接する縦糸に損傷を与える恐れ
がある横縁が外側に突き出ることもない。
ドの細部は、本発明の範囲を限定するものではない。た
とえば、縦糸アイの形状、ねじれ角度、および横方向の
かたよりは、例えば2つのレッグ7および7′が図7お
よび8に示した真っすぐなセグメントでなく円形とする
等の異なるように実施することを選択することもでき
る。
既知の方法で生産することができる。本発明によるヘル
ドの他の利点は、縦糸アイの部分のねじり操作および一
対のレッグの引き離し操作と同レッグが最終的にねじら
れて元に戻ることが共に比較的小さな角度と小さな間隔
で実行でき、生産工程中のヘルドに対する損傷が事実上
なくなることである。本発明では、たとえば、打ち抜き
(スタンピング)工程中の冷間変形によって、ねじれと
次の戻りねじれおよび引き離しを実現することができ
る。ヘルドに用いられる材料は、焼入れ鋼でも繊維強化
プラスチックでもよい。
遠近法図である。
同様な遠近法図である。
れぞれ図2の線IIIa−IIIa、IIIb−IIIbおよびIIIc−II
Icに沿って取った断面図である。
ルドの遠近法図である。
同様な遠近法図である。
に図5の線VIa−VIaおよびVIb−VIbに沿って取った
断面図である。
ねじられかつ引き離されたヘルドのアイ部を有する本発
明に係るヘルドの遠近法図である。
図7と同様な遠近法図である。
れぞれ図8の線IXa −IXa 、IXb −IXb およびIXc−IX
cに沿って取った断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 共通の平面内にあって中央軸をもち間隔
をおいて対向する両端部を備え所定の厚さを有すると共
に前記両端部間に縦糸アイの部分を有する板であって、
縦糸アイは一対のレッグを具備し、前記縦糸アイの部分
を前記両端部に対して前記中央軸のまわりにねじり、次
いで前記一対のレッグを互いに引き離し、前記一対のレ
ッグを前記共通の平面内にある板の部分の厚さの0.5 か
ら1.5の範囲の距離だけ互いに離れて位置させ、その上
で前記一対のレッグをねじり戻して前記一対のレッグを
互いに平行に、かつ縦糸の経路に平行に配置したことを
特徴とする織機のヘルド。 - 【請求項2】 前記板が焼入れ鋼であることを特徴とす
る請求項1に記載の織機のヘルド。 - 【請求項3】 前記板が繊維強化プラスチックであるこ
とを特徴とする請求項1に記載の織機のヘルド。
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