JP2841005B2 - 内燃機関の蒸発燃料処理制御装置 - Google Patents
内燃機関の蒸発燃料処理制御装置Info
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Description
発燃料を吸気系に放出するパージ手段を備えた内燃機関
における蒸発燃料処理制御に関する。
と、内燃機関の空燃比制御に影響するので、このパージ
の影響を考慮して排気中の酸素濃度に基づく空燃比補正
係数の変動に応じて基本となる燃料噴射量を補正する技
術(特開昭63−57841号公報)が提案されてい
る。
では、蒸発燃料のパージ時を検出し、パージ状態時のみ
基本燃料噴射量の補正がなされるものである。
となる燃料噴射量の補正が行われるが、その後パージカ
ットされた後は、パージの影響はないものとして該補正
を中断している。そのためパージ通路に残溜した蒸発燃
料がパージカット後も少量ながら吸引されることによる
影響については全く考慮さていない。
ットされた場合には特にこのパージ通路内の残溜蒸発燃
料の影響が生じ空燃比制御の応答性や安定性が損なわれ
るおそれがある。
される場合、当初蒸発燃料がパージ弁からパージ通路を
通過するに要する時間だけパージの影響の遅れがあり、
この点についても考慮されていない。
で、その目的とする処はパージとパージカットとの互い
の状態移行時におけるパージ通路中の蒸発燃料の状態を
考慮して空燃比制御を応答性よく安定したものとする蒸
発燃料処理制御装置を供する点にある。
成するために、本発明は、内燃機関の運転状態を検出す
る運転状態検出手段と、燃料系内で発生した蒸発燃料を
吸気系に放出するパージ手段と、前記運転状態検出手段
の検出信号に応じて該内燃機関に供給する燃料噴射量を
演算する演算手段と、前記パージ手段によりパージが行
われているときにパージの影響度合に応じた補正係数に
より前記燃料噴射量を補正する燃料噴射量補正手段とを
備えた蒸発燃料処理制御装置において、前記パージの影
響度合が大きいときにパージカットがなされたときは、
パージカット時から所定時間前記パージカット時の前記
補正係数による前記燃料噴射量補正手段の作動を継続す
る補正継続手段を設けた内燃機関の蒸発燃料処理制御装
置とした。
トされたときは、燃料噴射量補正手段の作動を所定時間
継続することで、パージ通路内の残留蒸発燃料の影響を
考慮して燃料噴射量が制御され応答性が良く安定した空
燃比制御がなされる。
開時には、該パージ再開時からの所定時間前記パージカ
ット状態時の第2の補正係数により第2の燃料噴射量補
正手段を作動させる第2補正作動手段を設けたことで、
パージ再開当初パージ通路を蒸発燃料が通過するに要す
る時間のパージの遅れを考慮して応答性の良い安定した
空燃比制御ができる。
て変化しているときは第2の補正係数を固定することで
必要以上のパージによる補正を防止して安定した空燃比
制御をすることができる。そしてパージ再開時から所定
時間の経過した後は、第2の補正係数をパージカット時
の第2の補正係数まで徐々に減少させるようにすること
で、空燃比制御の安定した追従性を確保することができ
る。
実施例について説明する。図1は、本実施例の内燃機関
における燃料供給制御装置の全体構成図である。
ルボディ3が設けられ、その内部にスロットル弁4が配
され、スロットル弁4にはスロットル弁開度(θTH)
センサ5が設けられ、θTHセンサ5の検出信号は電子
コントロールユニットECU6に入力される。
管2の図示しない吸気弁の少し上流側に燃料噴射弁7が
配設され、燃料噴射弁7は燃料ポンプ8を介して燃料タ
ンク9と接続さている。燃料噴射弁7はECU6によ
り、その開弁時間がデューティ制御されて燃料噴射量が
調整噴射される。
管10を介して吸気管内絶対圧(PBA)センサ11が
設けられ、さらに分岐管10の下流には吸気温(TA)
センサ12が設けられて、その各検出信号はECU6に
入力される。エンジン1の本体に装着されたエンジン水
温(TW)センサ13はエンジン冷却水温TWを検出し
てECU6に出力する。
けられたエンジン回転数(NE)センサ14の検出信号
もECU6に出力される。他方エンジン1の排気ポート
より延出した排気管15には、排気中の酸素濃度を検出
するO2センサ16が設けられ、その検出信号もECU
6に入力される。
気管2との間には蒸発燃料処理(パージ)装置が構成さ
れている。すなわち燃料タンク9の上部は2ウェイバル
ブ20を介して吸着剤22を内蔵するキャニスタ21と
連結され、キャニスタ21から延出するパージ管(パー
ジ通路)23がパージ制御弁24を途中に有してスロッ
トルボディ3の直ぐ下流の吸気管2に接続されている。
イドを有したリニア制御弁であり、ECU6からの信号
に応じて制御され開弁量をリニアに変化されせる。以上
のパージ装置は、燃料タンク9内で発生した蒸発燃料
は、所定の設定圧に達すると2ウェイバルブ20の正圧
バルブを開き、キャニスタ21に流入し、キャニスタ2
1内の吸着剤22に吸着される。
号でそのソレノイドが付勢されていない時には閉弁して
いるが、該ソレノイドがデューティ制御信号に応じて付
勢されると、その付勢量に応じた開弁量だけパージ制御
弁24が開弁され、キャニスタ21に一時貯えられてい
た蒸発燃料は、吸気管2内の負圧によりキャニスタ21
に設けられた外気取込口21aから吸入された外気とと
もにパージ制御弁24を経てパージ管23を通って吸気
管2へ吸引される。
燃料タンク9内の負圧が増すと、2ウェイバルブ20の
負圧バルブが開弁し、キャニスタ21に貯えられていた
蒸発燃料は燃料タンク9へ戻される。このようにして燃
料タンク9内に発生した蒸発燃料が大気に放出されるの
を抑止している。
て排気還流路30が形成されており、排気還流路30の
途中にはEGR弁31を備えていて、EGR弁31の弁
開度は弁開度センサ32によって検出されて、その検出
信号はECU6に入力される。
基づいて、O2センサ16が検出する排気中の酸素濃度
に応じたフィードパック制御運転領域やオープンループ
制御運転領域等の種々のエンジンの運転状態を判別する
とともに、エンジン運転状態に応じた式TOUT=Ti
×K1×K02×KEVAP+K2に基づき、燃料噴射
弁7の燃料噴射時間TOUTを演算する。
準値で、エンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAに
応じて設定されたTiマップから読み出され、K02は
排気中の酸素濃度に応じた第1の補正係数であり、フィ
ードバック制御時O2センサ16の検出値に応じて設定
され、フィードバック制御を行わない複数のオープンル
ープ制御運転領域では固定値に設定される係数である。
の燃料噴射量に対する影響を示す第2の補正係数(エバ
ポ補正係数)であり、影響がない場合は1.0でそれ以
外の影響があるときは0〜1.0の間の値をとり、小さ
い値程影響が大きいことになる。
ジンパラナータ信号に応じて演算される補正係数および
補正変数であり、エンジン運転状態に応じた燃料特性、
エンジン加速特性等の諸特性の最適化が図られるような
所定値に決定される。
発燃料の処理制御手順を以下図2ないし図7に示すフロ
ーチャートおよび図8ないし図13に示すグラフに基づ
いて説明する。
および図3にしたがって説明する。図2は、最終的にパ
ージ制御弁24を閉じるか開くかを決定するフローチャ
ートであり、図3はパージ制御弁24が開弁するときの
開弁量すなわちパージデューティ量DFRを決定するフ
ローチャートである。
温TW等の条件から始動モードであるか否かが判別さ
れ、始動モード中はステップ2に進んで初期の段階のパ
ージ補正係数KFRASTを0とし、初期タイマーtm
FRASTをセットし(ステップ3)、さらにタイマー
tmFRをセットして(ステップ4)、パージ制御弁2
4の作動許可フラグF−FRを“0”としてパージ制御
弁24の作動を不許可(パージカット状態)とする(ス
テップ5)。
Tは始動モード中のエンジン水温TWが所定温度以上に
あるときは例えば50秒に、所定温度以下であれば20
0秒にセットされる。
に進み初期タイマーtmFRASTが0になったか否か
が判別され、ステップ3でセットされた所定時間が経過
するまではステップ4、5に進み、パージカット状態と
する。
は、空燃比の安定化と収束性を目的としている。なおエ
ンジン水温TAが低いときは、空燃比のリッチ化を行っ
ているためタイマーセット時間を長くしてパージの影響
を与えないようにしている。
と、ステップ6からステップ7に進んでO2フィードバ
ック中か否かをフラグF−02FBから判別し、フラグ
F−02FBが“0”でO2フィードバック中でないな
らばステップ4、5に進んでパージカットとし、フラグ
F−02FBが“1”でO2フィードバック中ならばス
テップ8に進みフューエルカット中か否かをフラグF−
FCから判別する。
ト中はステップ4、5に進みパージカットとし、フラグ
F−FCが“0”でフューエルカットから燃料噴射状態
に復帰したときはステップ9に進み、前記ステップ4で
セットしたタイマーtmFRが設定時間計時したか否か
を判別し、設定時間が経過するまではステップ5に飛ん
でパージカット状態とし、設定時間の経過を待ってステ
ップ10に進む。
制御による燃料噴射状態に復帰後所定時間パージしない
のは、空燃比の収束性を目的とし、復帰時にO2フィー
ドバック制御の初期化がなされるため空燃比が安定する
までパージを禁止している。
排気還流中か否かをフラグF−EGRから判別し、
“1”が立って排気還流中のときはステップ11に進
み、エンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAとから
マップ検索によりEGR量に応じたパージ補正係数KF
REGRを決定する。
ており、エンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAを
それぞれ所定間隔で選択した格子点で表をつくり、パー
ジ補正係数KFREGR0.85の領域とその周囲の
0.95の領域を予め設計しておく。該マップからエン
ジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAの組み合わせか
ら領域が決定され、その領域の値がパージ補正係数KF
REGRとされる。
1)、ステップ12に進んでパージ補正係数KFREG
Rは1.0とされ、パージ補正は行われないようにす
る。そしてステップ13において、パージ制御弁24の
開度を定めるパージデューティ量DFRのマップ値DF
RMAPをエンジン回耘数NEと吸気管内絶対圧PBA
とからマップ検索により決定する。
所定水温TWFR1DLと比較し、低いとステップ19
に飛び、高いとステップ15に進む。高水温でステップ
15に進んだときは、さらに吸気温TAを所定吸気温T
AFRIDLと比較し、低いとステップ19に飛び、高
いとステップ15に進みエンジンがアイドル状態にある
か否かを判別する。
ステップ17に進んだときは、前記ステップ13でマッ
プ検索したパージデューティマップ値DFRMAPを所
定量DFRIDLと比較して、小さいときはこの所定量
EFRIDLをパージデューティマップ値として(ステ
ップ18)パージできるようにするもので、所定量DF
RIDL程度ではパージしても影響がない。
が、その他の運転状態のときはステップ13で設定され
たパージデューティマップ値のままステップ19に進
む。
プ値DFRMAPが0より大きいか否かを判別し、0の
ときはステップ5に飛んでパージせず、0より大きいと
きはステップ20に進みエンジン水温TWを所定水温T
WFRと比較して低いときはステップ5に飛んでパージ
せず、高いときはステップ21に進み、吸気温TAを所
定吸気温TAFRと比較して、低いときはステップ5に
飛んでパージせず、高いときにステップ22に進み、パ
ージ作動許可クラプF−FRを“1”としてパージを許
可する。
マップ値DFRMAPが設定され、パージの許可・不許
可が決定される。
ィ量DFRの決定ルーチンを図3および図4に示し説明
する。
に“1”が立っているか否かを判別し、パージカット中
(F−FR≠1)は、ステップ32に進み、今回の初期
パージ補正係数KFRASTnに前回値KFRAST
n−1を入れて値を固定し、カウンタCFRADDをセ
ットし(ステップ33)、DFRXを0に設定しておき
(ステップ34)、今回はじめてパージが許可されたか
否かをチェックするフラグF−FRADDを“0”とし
(ステップ35)、パージデューティ量DFRとして0
を入れておく(ステップ36)。
と、ステップ31からステップ37に進み前回のパージ
作動許可フラグF−FRの状態を判別し、前回F−FR
=0で今回はじめてパージ許可されたときはステップ3
8に進みフラグF−FRADDに“1”を立てステップ
39に進み、前回もパージ許可状態であればそのままス
テップ37からステップ39に進みフラグF−FRAD
Dは“0”の状態にある。
APを所定値KEVAPFRと比較して、KEVAPF
Rより大きいときはステップ40に進み、前回の初期パ
ージ補正係数KFRASTn−1に所定の加算分DKF
RASTを加算して今回の初期パージ補正係数KFRA
STnとし、毎回段階的に値を大きくしてパージ量を徐
々に増加させていく。そしてKFRASTが1より大き
くなったときは(ステップ42)、今回のKFRAST
を1にして(ステップ43)、最大値が1となるように
している。
きはステップステップ39からステップ41に進んで、
今回の初期パージ補正係数KFRASTnに前回の初期
パージ補正係数KFRASTn−1を入れて値を固定す
る。
が大きくてパージの燃料噴射量に対する影響が小さいと
きは、徐々にパージ量を上げていくが、影響が大きいと
きは、パージ量の増加を抑えるようにしている。
がってパージデューティ量DFRの演算を行う。DFR
=DFRMAP×KFRAST×KFREGR×KFR
TW×KFRPA
FRMAPに初期パージ補正係数KFRAST,EGR
パージ補正係数KFREGR、水温パージ補正係数KF
RTW、大気圧パージ補正係数KFRPAを乗算してパ
ージデューティ量DFRを求める。
して予め値が設定されたテーブルを用いテーブル検索で
求められ、該テーブルはエンジン水温が高くなる程KF
RTWが1.0に近づきパージ量を増加するように設定
されている。
予め値が設定されたテーブルを用いテーブル検索で求め
られるもので、平地で1.0を示し大気圧が低くなる程
すなわち平地より高度を上げていくにしたがいパージし
にくい状態になるので、係数値を大きくしてパージ量を
増すように設定されている。
されるとステップ45に進み、今回はじめてパージ許可
となったか否かをフラグF−FRADDから判別し、今
回はじめてでなければDFRは前記演算された値でステ
ップ51に飛び、今回はじめてのときは、ステップ46
に進んで別の演算を行なう。
n−1に加算分DFRADDを加えて今回のDFRXn
を求める。ここでDFRXn−1は当初前記ステップ3
4で0とされており、それに加える加算分DFRADD
は、図4のルーチンで求まり、これについては後記す
る。
で求めたDFRと今回のDFRXnとを比較し、DFR
Xnが小さいときは、ステップ48に進んでDFRに今
回のDFRXnを入れる。DFRXnがDFRより小さ
い間はステップ48を通り、前回のDFRXn−1にD
FRADDを加えて除々に増加してDFRに近づいてい
くところのDFRXnがDFRに設定され、ステップ5
1に進む。
テップ47からステップ49に進んで、DFRXを0に
戻し、フラグF−FRADDを“0”にしステップ51
に進む。したがって以後はステップ45からステップ5
1に飛んで、パージ初期の特別な演算は行わず、ステッ
プ44で求めたDFRが用いられる。
FRLMTHを越えるときは、上限値DFRLMTHを
DFRに設定し(ステップ53)、DFRが下限値DF
RLMTLを下回るときは(ステップ52)、下限値D
FRLMTLをDFRに設定し(ステップ54)、DF
Rの上下限値を設定するものである。
され、このDFRに基づきパージ制御弁24が制御され
て所定のパージ量が吸気管に供給される。
FRASTの増加の様子をエバポ補正係数KEVAPと
パージデューティ量DFRと対比させて示した図9に基
づき簡単に説明する。エンジン始動後パージが始まる前
は、KFRASTは0、KEVAPは1.0、パージは
不許可でDFRは0である。
48を繰り返してDFRが除々に増加し、対応してKE
VAPは1.0より減少していく。そしてKEVAPは
当初所定値KEVAPFRより大きいのでステップ40
を繰り返しKFRASTは除々に増加していく。すなわ
ちパージ量も除々に増加していくことになる。
になりKEVAPは増加するが、KFRASTはステッ
プ32により前回値に固定され、またパージが再開する
と、再び増加を始める。
APFRを下回る程になりパージの影響が大きくなった
ときは、ステップ41によりKFRASTは前回値に固
定されパージ量を必要以上に増加させないようにし、パ
ージの影響がそれ程でもなくなったときに(KEVAP
>KEVAPFR)、再びKFRASTは増加して最終
的に1.0となる。
度なのか判断しがたいので、空燃比のオーバーリッチに
なりドラバビリティを損なう可能性がある。特に発進時
の吸入空気量の少ない領域でのパージの影響度合は大き
いので、前記の如くパージ量を除々に増す方法を採用し
て運転状態に対応するようにしているものである。
加える加算分DFRADDの決定手順を図4のルーチン
にしたがって説明する。ステップ61ではエンジン回転
数NEを所定値NFRADDと比較し、ステップ62で
は車速Vを所定値VFRADDと比較し、低エンジン回
転で低車速のときはタイマーtmFRADDをセットし
て(ステップ63)ステップ64に進み、それ以外の状
態のときは、タイマーをセットせずステップ64に飛
ぶ。
が0になったか否かを判別し0になるまではステップ6
5に進み、前記ステップ33でセットされたカウンタC
FRADDが0になったか否かが判別される。
ットされなかったときは、ステップ64からステップ6
6に飛び、加算分DFRADDに割りと大きな値DFR
ADD1が入る。 したがって発進時以外のシフトチェ
ンジのようなときは加算分DFRADDが大きくパージ
デューティ量DFRの増加は急である。
がセットされ(ステップ63)、タイムアップするまで
(ステップ64)、カウンタCFRADDを監視して
(ステップ65)、当初CFRADDは0でないのでス
テップ67に進んでCFRADDをデクリメントし、0
になるまでDFRADDには0を入れ(ステップ6
8)、パージデューティ量DFRを0のまま固定する。
ステップ69に進み、カウンタCFRADDをセットし
なおしDFRADDに小さな値DFRADD0を入れ
(ステップ70)、パージデューティ量DFRを小さな
増加分だけ増加させる。
ので次回はステップ67,68に進み、DFRは固定さ
れるが、CFRADDが0となるとステップ69,70
によりDFRはもう一段増加する。
るまで、これを繰り返してDFRを除々に増加し、その
増加は急ではないが、所定時間が経過してタイムアップ
したのちはステップ66により増加を急にすることがで
きる。
図10にしたがって説明する。始動後発進時のDFRの
動き(実線)をみると、パージデューティ算出値DFR
(二点鎖線)が演算されても、ステップ33でセットさ
れたカウンタCFRADDが“0”になるまでは加算分
DFRADDが0で(ステップ68)、最終的なDFR
は0に固定されてパージは行われず、CFRADDが0
になったところで加算分DFRADD0(ステップ7
0)だけ増加し、以後一段の増加分が割りと小さいDF
RADD0で段階状に除々に増加する。
にパージが再開する場合は、破線で示すようにDFR
は、一段の増加分が割りと大きいDFRADD1(ステ
ップ66)で階段状ではあるが大きい傾斜で増加し、目
標のパージデューティ算出値(一点鎖線)に達する。
のであったが、次に燃料噴射弁7の制御におけるパージ
の影響を示すエバポ補正係数KEVAPの変化を図5な
いし図7のフローチャートにしたがって説明する。
インルーチンであり、まずステップ81で始動モード中
と判断したときは、ステップ82に進みエバポ補正係数
KEVAPに1.0を入れパージの影響はないものと
し、さらにKEVAPの学習値KEVAPREFにも
1.0を入れておく(ステップ83)。
進み今回パージ許可されているか否かをフラグF−FR
から判別し、パージ許可されていない場合(F−FR≠
1)は、ステップ85に進み、パージ許可されていれば
(F−FR=1)ステップ92に進む。
に進むとフラグF−K02EVH,F−K02EVLを
“0”とし、次に前回パージ許可されていたかを判別し
(ステップ86)、前回パージ許可されていればステッ
プ87に進んで学習値KEVAPREFに前回のエバポ
補正係数KEVAPn−1を入れてステップ88に進
む。
習値KEVAPREFはそのままにステップ86からス
テップ88に進む。すなわち学習値KEVAPREF
は、始動モードで1.0とされているか(ステップ8
3)もしくはパージ許可からパージ不許可になる直前の
KEVAPの値が記憶される。
Cをセットし、次のステップ89でタイマーtmEVA
DDが0となっているか否かを判別する。タイマーtm
EVDECの計時は、後記するパージ許可時のステップ
98で判別されるもので、タイマーtmEVADDはパ
ージ許可時にステップ93,94でセットされるもので
ある。
0となっているときは、ステップ90に進んで前回KE
VAPn−1を今回KEVAPnに入れてエバポ補正係
数KEVAPを固定し、タイマーtmEVADDが0ま
たは0となったときはステップ91に進み前回KEVA
Pn−1に増加分DKEVADDを加算して今回KEV
APnとしエバポ補正係数KEVAPを一段増加させ
る。
されてパージ不許可とされたときは、タイマーtmEV
ADDが0となるまでは、エバポ補正係数KEVAPは
従前の値のまま固定されて(ステップ90)パージの影
響による燃料噴射量の補正をパージカット後も継続して
行い、タイマーtmEVADDが0になった後はエバポ
補正係数KEVAPを段階的に増加させて(ステップ9
1)、パージの影響のないKEVAP=1にまで達する
ようにしている。
内に残留する蒸発燃料の影響を考慮したものである。ス
テップ90,91からはステップ103に飛ぶ。
ときまたはされているときは、ステップ92に進み、エ
バポ補正係数KEVAPが所定値KEVADDと比較さ
れ、パージの影響が大きいか否かが判別される。
響が大きいときは(KEVAP<KEVADD)、ステ
ップ93に進みタイマーtmEVADDがセットされて
ステップ95に進み、パージの影響が小さいときは(K
EVAP>KEVADD)、ステップ94に進みタイマ
ーtmEVADDを0としステップ95に進む。このタ
イマーtmEVADDの計時は前記ステップ89で判別
される。
習値KEVAPREFが1.0か1.0より小さいかが
判別され、1.0のときはステップ96に進み後記する
エバポ補正係数KEVAPの演算に入り、1.0より小
さいときはステップ97に進み今回はじめてパージ許可
となったか否かを前記フラグF−FRADDから判別
し、はじめてでなければ(F−FRADD≠1)ステッ
プ96に飛び、はじめてのときは(F−FRADD=
1)ステップ98に進む。
DECが0となったか否かを判別し、0になるまではス
テップ99に進んでエバポ補正係数KEVAPを前回の
KEVAPn−1に固定し、タイマーtmEVDECが
0になるとステップ100に進んで今度は前回のKEV
APn−1から減小分DKEVDECを減算した値を今
回のKEVAPnに入れ、エバポ補正係数KEVAPを
一段減小させる。
1に進み今回のKEVAPnを前記学習値KEVAPR
EFと比較して、KEVAPnの方が大きい間はそのま
まステップ103に進み、KEVAPnが学習値KEV
APREFを下回るときはステップ102に進み学習値
KEVAPREFをKEVAPnとしてステップ103
に進む。
ージ許可されたときは、ステップ88でセットされたタ
イマーtmEVECが0となるまではエバポ補正係数K
EVAPは従前の値KEVAPn−1(当初は1.0)
のまますなわち1.0に固定され(ステップ99)、パ
ージによる燃料噴射量の補正は行わず、タイマーtmE
VDECが0になった後はエバポ補正係数KEVAPを
段階的に減小させて(ステップ100)、除々にパージ
の影響が現われるようにし、前のパージ状態のKEVA
Pを記憶する学習値KEVAPREFになるまでKEV
APは減小して適当な時間経過後はじめてパージ量に対
応する燃料噴射量の補正が行われる。
路23には蒸発燃料はなくパージ制御弁24の開弁によ
り蒸発燃料がパージ管23を通って吸気管2に至っては
じめてパージの影響が現われるので、この時間遅れを考
慮したものである。
係数KEVAPの変化を図11および図12にパージデ
ューティ量DFRと対比して示している。図11は、パ
ージ許可からパージ不許可に移行するときの変化を示し
ており、パージ許可時にKEVAPが所定値KEVAD
Dより小さくパージの影響が大きい場合(実線)、タイ
マーtmEVADDがセットされ(ステップ93)、パ
ージ不許可に移行したときはタイマーtmEVADDが
タイマアップするまでKEVAPは固定され(ステップ
90)、パージ不許可後も燃料噴射量の補正が継続して
行われる。
3に残留した濃度の濃い蒸発燃料が燃料噴射量に影響を
与えるので、パージ終了直前のKEVAPにエバポ補正
係数を固定して所定時間補正を継続しパージカット時の
空燃比制御を安定させている。そして残留蒸発燃料の影
響がなくなった所定時間経過後はエバポ補正係数KEV
APを除々に増加させ(ステップ91)、空燃比制御の
安定した追従性を確保している。
大きくパージの影響が小さい場合(破線)は、タイマー
tmEVADDはセットせず(ステップ94)、パージ
不許可への移行時にはKEVAPを固定することなく、
除々に増加させ(ステップ90)、必要以上に補正する
ことを避けている。
行するとの変化を示しており、パージカット時にタイマ
ーtmEVDECがセットされ(ステップ88)、パー
ジ許可に移行したときは、タイマーtmEVDECがタ
イムアップするまでKEVAPは1.0に固定して(ス
テップ99)パージ再開から所定時間は燃料噴射量のパ
ージによる補正を行わない。
ージ通路23を通り吸気管2に至りパージの影響が出始
めるまでの所定時間は燃料噴射量のパージによる補正は
行わずパージ再開時に安定した空燃比制御ができる。
ので、エバポ補正係数KEVAPを1.0から除々に減
小させ(ステップ100)、かつ前のパージ状態のKE
VAPまで減小させて空燃比制御の安定した追従性を確
保している。
おけるエバポ補正係数KEVAPの算出サブルーチンに
ついて図6に示し説明する。まずステップ111で前記
排気中の酸素濃度に応じた第1の補正係数であるK02
のパージの影響を考慮した上側閾値K02EVHと下側
閾値K02EVLをK02の学習値KEVAPREFに
それぞれDK02EVHを加算、DK02EVLを減算
して設定している。なお学習値KEVAPREFは運転
状態に応じて種々の値を有している。
値KEVAPREFと比較し、K02が大きいときはさ
らに上側閾値K02EVHと比較し(ステップ11
3)、上側閾値K02EVHよりさらに大きいときはフ
ラグF−K02EVHに“1”を立てステップ119に
進み、上側閾値K02EVHより小さければステップ1
17に進む。
きは、ステップ112からステップ115に進みさらに
下側閾値K02EVLと比較し、下側閾値K02EVL
よりさらに小さいときはフラグF−K02EVLに
“1”を立てステップ119に進み、下側閾値K02E
VLより大きければステップ117に進む。
K02EVLとの間にあるときはステップ117に進
み、今回K02が学習値KEVAPREFに対して反転
したか否かを判別し、反転したときはステップ118に
進んで、フラグF−K02EVHとF−K02EVLを
“0”としステップ119に進み、反転していないとき
はステップ117から直接ステップ119に飛びフラグ
は変更しない。
02がKREFに対し反転しないとフラグは“0”とな
らない。
グF−K02EVLとF−K02EVHに“1”が立っ
ているか否かを判別しており、いずれも“1”が立って
いない場合は、ステップ121に進んで今回のエバポ補
正係数KEVAPnを前回のKEVAPn−1に固定す
る。すなわちK02がKREFに対して反転後、上下の
閾値内にあるときはKEVAPnは従前値に固定され
る。
回ってフラグF−K02EVLに“1”が立ったときは
ステップ119からステップ122に飛びパージデュー
ティ量DFRが0か否かを判別し、0のときは前記ステ
ップ121に飛びKEVAPを固定するが、0でなくパ
ージしているときはステップ123に進んで今回のK0
2nと前回のK02n−1とを比較して、今回のK02
nの方が小さいときすなわちK02が増々減小し学習値
KEVAPREF(前記所定領域)より離れる方向に変
化しているときはステップ124に進み、前回のKEV
An−1からDKEVAPMを減算して今回のKEVA
Pnとしパージによる補正を強化する。
り大きく学習値KREFに近づく方向に変化していると
きはステップ123からステップ121に飛びエバポ補
正係数KEVAPを前回KEVAPn−1に固定する。
すなわちK02が学習値KREFに近づく方向(回復方
向)に変化しているときは、必要以上のパージによる補
正を行わないようにして空燃比制御の安定化を図ってい
る。
“1”が立ってステップ120からステップ125に進
んだときは、パージデューティ量DFRが0か否かを判
別し、0のときはステップ121に飛び、0でないとき
はステップ126に進み今回のK02nと前回のK02
n−1とを比較してK02が増々増加し学習値KEVA
PREFより離れる方向に変化しているときはステップ
127に進み、前回のKEVAPn−1にDKEVAP
を加算して今回のKEVAPnとしてパージによる補正
を強化しているが、K02が減小し学習値KREFに近
づく方向に変化しているときは、ステップ121に飛び
エバポ補正係数KEVAPを固定して必要以上の補正を
行わないようにしている。
正係数KEVAPの動きの一例を示したもので、パージ
カットからパージ許可に移行した場合でK02が減小し
ているとき、K02が下側閾値K02EVLを下回ると
フラグF−K02EVLに“1”が立ち(ステップ11
6)、KEVAPは除々に減小していく(ステップ12
4)。しかしK02が増加して学習値KREFに向って
いるときはKEVAPは固定されて(ステップ121)
変化しない。
越え反転するとフラグF−K02EVLは“0”となり
(ステップ118)、またさらにK02が増加して上側
閾値K02EVHを越えるとフラグF−K02EVHに
“1”が立ち(ステップ114)、KEVAPは今度は
除々に増加していく(ステップ127)。
いる状態でK02が減少して学習値KREFに向ってい
るときはKEVAPは固定されて(ステップ121)、
変化していない。このようにK02が学習値KREFに
向う回復状態にあるときはパージによる補正を必要以上
に行わず空燃比制御の安定化を図っている。
103ではエバポ補正係数KEVAPの上下限値を設定
しており、そのサブルーチンを図7に示し簡単に説明す
る。今回のKEVAPnが1.0より大きいか否かを判
別し(ステップ131)、大きいときはステップ133
に飛んでKEVAPnに1.0を入れて上限値とし、
1.0より小さいときは下限値KEVLMTLと比較し
(ステップ132)、下限値KEVLMTLよりも小さ
いときは、ステップ134に飛んで下限値KEVLMT
LをKEVAPに入れて、上下限値を設定している。例
えばパージ通路中のペーパ濃度を直接検知する濃度セン
サーを設けて、その出力に応じて燃焼量を補正してもよ
い。
をK02に応じて求めていたが、他に例えばパージ通路
中の蒸発燃料の濃度を直接検知する濃度センサを設け
て、その出力に応じて燃料噴射量を補正するようにして
もよい。
濃いことが推定されるような場合にパージカットとなっ
たときは、パージカット時の補正係数による燃料噴射量
の補正を所定時間継続することで、パージ通路に残留し
た蒸発燃料の影響を考慮した燃料噴射量制御が可能で、
パージカット時の空燃比制御を安定させることができ
る。
所定時間経過後は、第2の補正係数を徐々に増加させる
ことによりパージ状態からパージカットへの移行時の燃
料噴射量制御を滑らかに行い空燃比制御の安定した追従
性が得られる。
2の補正係数により所定時間燃料噴射量の補正を行うの
で、蒸発燃料がパージ通路を通ってパージの影が出始め
るまでの時間安定した空燃比制御ができる。
後は、前のパージ状態の第2の補正係数まで第2の補正
係数を徐々に減少させることでパージ再開時の空燃比制
御の安定した追従性が得られる。
ない所定領域内に向って変化しているときは第2の補正
係数を固定することで必要以上のパージによる補正を防
止し、空燃比制御の安定化を図ることができる。
供給制御装置の全体構成図である。
ンのフローチャートである。
ローチャートである。
定ルーチンを示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
である。
すフローチャートである。
VAP およびパージデューティ量DFR の変化を示す図であ
る。
量DFR の変化を示す図である。
のエバポ補正係数KEVAP とパージデューティ量DFR の変
化を示す図である。
のエバポ補正係数KEVAP とパージデューティ量DFR の変
化を示す図である。
変化の一例を示す図である。
…スロットル弁、5…θTHセンサ、6…ECU 、7…
燃料噴射弁、8…燃料ポンプ、9…燃料タンク、10…分
岐管、11… PBAセンサ、12… TA センサ、13… TW セン
サ、14… NE 、15…排気管、16…O2センサ、20…2ウェ
イバルブ、21…キャニスタ、22…吸着剤、23…パージ
管、24…パージ制御弁、30…排気還流路、31…EGR
弁、32…弁開度センサ。
Claims (6)
- 【請求項1】 内燃機関の運転状態を検出する運転状態
検出手段と、 燃料系内で発生した蒸発燃料を吸気系に放出するパージ
手段と、 前記運転状態検出手段の検出信号に応じて該内燃機関に
供給する燃料噴射量を演算する演算手段と、 前記パージ手段によりパージが行われているときにパー
ジの影響度合に応じた補正係数により前記燃料噴射量を
補正する燃料噴射量補正手段とを備えた蒸発燃料処理制
御装置において、 前記パージの影響度合が大きいときにパージカットがな
されたときは、パージカット時から所定時間前記パージ
カット時の前記補正係数による前記燃料噴射量補正手段
の作動を継続する補正継続手段を設けたことを特徴とす
る内燃機関の蒸発燃料処理制御装置。 - 【請求項2】 内燃機関の運転状態を検出する運転状態
検出手段と、 燃料系内で発生した蒸発燃料を吸気系に放出するパージ
手段と、 前記運転状態検出手段の検出信号に応じて該内燃機関に
供給する燃料噴射量を演算する演算手段と、 排気中の酸素濃度に応じた第1の補正係数により前記燃
料噴射量を補正する第1の燃料噴射量補正手段と、 前記パージ手段によりパージが行われているときに前記
第1の補正係数に応じた第2の補正係数により前記燃料
噴射量を補正する第2の燃料噴射量補正手段とを備えた
蒸発燃料処理制御装置において、 前記第2の補正係数が所定値以下にあるときにパージカ
ットがなされたときは、パージカット時から所定時間前
記パージカット時の第2の補正係数による前記第2の燃
料噴射量補正手段の作動を継続する補正継続手段を設け
たことを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理制御装置。 - 【請求項3】 前記所定時間の経過後、前記第2の補正
係数を徐々に増加させて前記第2の燃料噴射量補正手段
を作動させる第1補正作動手段を設けたことを特徴とす
る請求項2記載の内燃機関の蒸発燃料処理制御装置。 - 【請求項4】 前記パージカット状態からのパージ再開
時には、該パージ再開時からの所定時間前記パージカッ
ト状態時の第2の補正係数により第2の燃料噴射量補正
手段を作動させる第2補正作動手段を設けたことを特徴
とする請求項2または3記載の内燃機関の蒸発燃料処理
制御装置。 - 【請求項5】 前記パージ再開時からの所定時間の経過
後、前記第2の補正係数を前記パージカット時の第2の
補正係数まで徐々に減少させるよう前記第2の燃料噴射
量補正手段を作動させる第3補正作動手段を設けたこと
を特徴とする請求項4記載の内燃機関の蒸発燃料処理制
御装置。 - 【請求項6】 前記第1の補正係数が所定領域外から所
定領域内へ向って変化している場合は、前記第2の補正
係数を前回値に固定して前記第2の燃料噴射量補正手段
の作動を保持する保持手段を設けたことを特徴とする請
求項2記載の内燃機関の蒸発燃料処理制御装置。
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