JP2826974B2 - 耐食性デュプレックスステンレス鋼 - Google Patents
耐食性デュプレックスステンレス鋼Info
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- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/18—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
- C22C38/40—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性デュプレックス
ステンレス鋼に係るもので、詳しくは、オーステナイト
及びフェライトの2相生地組織でなり、応力腐食割れ
(stress corrosion cracking : SCC)及び孔食(pittin
g) に対する耐食性の高いデュプレックスステンレス鋼
に関する。一層詳しくは、海水の冷却水用の熱交換器、
海水/淡水化設備用のタンク及び配管材、火力発電所用
の脱硫設備材、精油配管、化学製品工場設備、廃水処理
施設、高強度を要するプロペラシャフト、パルプ及び製
紙工場用耐食材料に利用し得るステンレス鋼に関するも
のである。
ステンレス鋼に係るもので、詳しくは、オーステナイト
及びフェライトの2相生地組織でなり、応力腐食割れ
(stress corrosion cracking : SCC)及び孔食(pittin
g) に対する耐食性の高いデュプレックスステンレス鋼
に関する。一層詳しくは、海水の冷却水用の熱交換器、
海水/淡水化設備用のタンク及び配管材、火力発電所用
の脱硫設備材、精油配管、化学製品工場設備、廃水処理
施設、高強度を要するプロペラシャフト、パルプ及び製
紙工場用耐食材料に利用し得るステンレス鋼に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、ステンレス鋼は他の合金に比べ、
比較的耐食性が良好であるが、塩素イオン(Cl- ) に対
する応力腐食、孔食及び隙間腐食にはそれ程の効果を奏
しないため、高濃度の塩素イオンを含む環境ではチタン
合金またはニッケル生地の超合金(superalloy)を使用し
ていた。しかし、それらチタン合金及び超合金はステン
レス鋼に比べ高価であり、生産量が限定されているの
で、ステンレス鋼の合金元素を調節しステンレス鋼の耐
食性を向上させる研究が行われていた。
比較的耐食性が良好であるが、塩素イオン(Cl- ) に対
する応力腐食、孔食及び隙間腐食にはそれ程の効果を奏
しないため、高濃度の塩素イオンを含む環境ではチタン
合金またはニッケル生地の超合金(superalloy)を使用し
ていた。しかし、それらチタン合金及び超合金はステン
レス鋼に比べ高価であり、生産量が限定されているの
で、ステンレス鋼の合金元素を調節しステンレス鋼の耐
食性を向上させる研究が行われていた。
【0003】例えば、オーステナイト生地のAISI3
04(韓国三美特殊鋼(株))に2〜3重量%のモリブ
デンを添加したAISI316(韓国三美特殊鋼
(株))や、窒素を多量に含有するAISI317LM
N( Creusot-Loire Industrie社;フランス) のような
ステンレス鋼は、通常の耐食性は良好であるが、塩素イ
オンを含有する溶液の環境下で引張応力が存在すると
き、応力腐食割れに対する耐性が低下していた。
04(韓国三美特殊鋼(株))に2〜3重量%のモリブ
デンを添加したAISI316(韓国三美特殊鋼
(株))や、窒素を多量に含有するAISI317LM
N( Creusot-Loire Industrie社;フランス) のような
ステンレス鋼は、通常の耐食性は良好であるが、塩素イ
オンを含有する溶液の環境下で引張応力が存在すると
き、応力腐食割れに対する耐性が低下していた。
【0004】このような欠点を補完するためオーステナ
イト及びフェライトの二相でなるデュプレックスステン
レス鋼が開発されている。
イト及びフェライトの二相でなるデュプレックスステン
レス鋼が開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このデュプレ
ックスステンレス鋼は使用中、溶接等により加熱される
と、耐食性が低下するという欠点がある。即ち、デュプ
レックスステンレス鋼のフェライト相が時効により変態
されクロム及びモリブデンの濃縮されたシグマ相になる
ためである。
ックスステンレス鋼は使用中、溶接等により加熱される
と、耐食性が低下するという欠点がある。即ち、デュプ
レックスステンレス鋼のフェライト相が時効により変態
されクロム及びモリブデンの濃縮されたシグマ相になる
ためである。
【0006】また、米国特許 4,500,351号明細書記載の
ケストデュプレックスステンレス鋼においては、1M-Na
Cl溶液中、50〜78℃下の陽極分極実験の結果、孔食は生
成されなかったが、10% FeCl3・6H2O 以上になると、
47.5℃で隙間腐食が生成したと報告されている。このよ
うな従来のデュプレックスステンレス鋼においては、使
用中に修繕作業等により加熱されると耐食性が急に低下
したり、又は、ある温度以上になると隙間腐食が生成さ
れるので、耐食性デュプレックスステンレス鋼として安
心して広範囲に使用することができないという問題点が
あった。
ケストデュプレックスステンレス鋼においては、1M-Na
Cl溶液中、50〜78℃下の陽極分極実験の結果、孔食は生
成されなかったが、10% FeCl3・6H2O 以上になると、
47.5℃で隙間腐食が生成したと報告されている。このよ
うな従来のデュプレックスステンレス鋼においては、使
用中に修繕作業等により加熱されると耐食性が急に低下
したり、又は、ある温度以上になると隙間腐食が生成さ
れるので、耐食性デュプレックスステンレス鋼として安
心して広範囲に使用することができないという問題点が
あった。
【0007】本発明は、このような従来の問題点を解決
するために、時効熱処理の影響を抑え、塩素イオンを含
有した環境下でも応力腐食割れや孔食に対して優れた抵
抗性を有する耐食性デュプレックスステンレス鋼を提供
することを目的とする。
するために、時効熱処理の影響を抑え、塩素イオンを含
有した環境下でも応力腐食割れや孔食に対して優れた抵
抗性を有する耐食性デュプレックスステンレス鋼を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】このため、請求
項1に係る発明では、クロム20〜28重量%、ニッケ
ル5〜9重量%、モリブデン4〜6重量%、炭素0.2
0重量%以下、珪素0.5〜2.0重量%、マンガン
3.5重量%以下、窒素0.2〜0.5重量%、及び残
部鉄を含んで構成されることを特徴とする。
項1に係る発明では、クロム20〜28重量%、ニッケ
ル5〜9重量%、モリブデン4〜6重量%、炭素0.2
0重量%以下、珪素0.5〜2.0重量%、マンガン
3.5重量%以下、窒素0.2〜0.5重量%、及び残
部鉄を含んで構成されることを特徴とする。
【0009】また、時効熱処理による影響を減らし耐食
性を向上させるため、請求項2に係る発明では、チタン
1.5 重量%以下、タングステン3重量%以下、銅2重量
%以下及びバナジウム2重量%以下の元素群から少なく
とも一つ以上追加含有することを特徴とする。
性を向上させるため、請求項2に係る発明では、チタン
1.5 重量%以下、タングステン3重量%以下、銅2重量
%以下及びバナジウム2重量%以下の元素群から少なく
とも一つ以上追加含有することを特徴とする。
【0010】また、熱間加工性を向上させるため、請求
項3に係る発明では、マグネシウム0.001〜0.1
重量%、カルシウム0.001〜0.1重量%、及びア
ルミニウム0.001〜0.2重量%の元素群から少な
くとも一つ以上追加含有することを特徴とする。
項3に係る発明では、マグネシウム0.001〜0.1
重量%、カルシウム0.001〜0.1重量%、及びア
ルミニウム0.001〜0.2重量%の元素群から少な
くとも一つ以上追加含有することを特徴とする。
【0011】本発明に係るデュプレックスステンレス鋼
は、従来のステンレス鋼に比べ、塩素イオンを含む溶液
中の臨界孔食温度が95〜90℃程度に高く、陽極分極試験
の結果、不動態区域が1,000mV 以上に極めて高く、孔食
が殆ど生成されない優秀な耐食性を有するので、チタン
合金またはニッケル生地の超合金と代替して使用するこ
とができる。
は、従来のステンレス鋼に比べ、塩素イオンを含む溶液
中の臨界孔食温度が95〜90℃程度に高く、陽極分極試験
の結果、不動態区域が1,000mV 以上に極めて高く、孔食
が殆ど生成されない優秀な耐食性を有するので、チタン
合金またはニッケル生地の超合金と代替して使用するこ
とができる。
【0012】そして、本発明に係るステンレス鋼は、時
効熱処理後の腐食速度が殆ど増加しないので、時効熱処
理の影響が少ないという長所がある。このように、時効
熱処理の影響が少ない理由は、オーステナイト及びフェ
ライトの相比率が適宜に調節された結果であると推測さ
れ、チタンが追加含有される場合は、時効熱処理により
チタン化合物が形成され、フェライトからシグマ+オー
ステナイト(II)への変態が遅延されるためであると推測
される。
効熱処理後の腐食速度が殆ど増加しないので、時効熱処
理の影響が少ないという長所がある。このように、時効
熱処理の影響が少ない理由は、オーステナイト及びフェ
ライトの相比率が適宜に調節された結果であると推測さ
れ、チタンが追加含有される場合は、時効熱処理により
チタン化合物が形成され、フェライトからシグマ+オー
ステナイト(II)への変態が遅延されるためであると推測
される。
【0013】また、本発明に係る合金はフェライト含有
が40〜50%の場合、耐食性が最大になる。フェライト含
有が40〜50%付近で耐食性が最大になる理由は、低い応
力または中間の応力下で機械的に硬いフェライト相が塩
化物環境下でオーステナイト相に対し陽極に作用するの
で、該オーステナイト相が陰極になり、フェライト相の
溶解する間、割れを遅延させるためである。また、オー
ステナイト相は、応力分担がフェライト相よりも低く、
高温下の熱膨張係数が大きいため、冷却時の収縮が大き
くなって相界面外方側に圧縮残留応力を生成して割れを
抑制し、生地組織に分布された各相が割れの伝播を抑制
するため、相比率がフェライト50%付近で最大の耐食性
を有すると判断される。
が40〜50%の場合、耐食性が最大になる。フェライト含
有が40〜50%付近で耐食性が最大になる理由は、低い応
力または中間の応力下で機械的に硬いフェライト相が塩
化物環境下でオーステナイト相に対し陽極に作用するの
で、該オーステナイト相が陰極になり、フェライト相の
溶解する間、割れを遅延させるためである。また、オー
ステナイト相は、応力分担がフェライト相よりも低く、
高温下の熱膨張係数が大きいため、冷却時の収縮が大き
くなって相界面外方側に圧縮残留応力を生成して割れを
抑制し、生地組織に分布された各相が割れの伝播を抑制
するため、相比率がフェライト50%付近で最大の耐食性
を有すると判断される。
【0014】以下、本発明に係る耐食性デュプレックス
ステンレス鋼の各組成元素の役割及びその成分限定理由
を詳細に説明する。 (a) クロム クロムは、フェライトを安定化する元素として最も重要
な耐食作用を行う。本発明に係る合金においては、オー
ステナイト−フェライトの二相の組織を得るため、炭
素、窒素、ニッケル、モリブデン、珪素及びマンガンの
バランスを考慮し、20%以上のクロムを含有している。
しかし、オーステナイト−フェライトの相比率と機械的
性質及びコストとの面からクロムを28%以上含有させる
ことは好ましくない。
ステンレス鋼の各組成元素の役割及びその成分限定理由
を詳細に説明する。 (a) クロム クロムは、フェライトを安定化する元素として最も重要
な耐食作用を行う。本発明に係る合金においては、オー
ステナイト−フェライトの二相の組織を得るため、炭
素、窒素、ニッケル、モリブデン、珪素及びマンガンの
バランスを考慮し、20%以上のクロムを含有している。
しかし、オーステナイト−フェライトの相比率と機械的
性質及びコストとの面からクロムを28%以上含有させる
ことは好ましくない。
【0015】(b) ニッケル ニッケルは、強力なオーステナイト安定化用元素であっ
て、耐食の面から5%以上含有することが好ましく、他
の成分とのバランス、オーステナイト−フェライトの相
比率及び製造原価のため、含有上限値を9%に制限する
のが好ましい。
て、耐食の面から5%以上含有することが好ましく、他
の成分とのバランス、オーステナイト−フェライトの相
比率及び製造原価のため、含有上限値を9%に制限する
のが好ましい。
【0016】 (c) モリブデン モリブデンは、フェライトの安定化用元素としてステン
レス鋼の耐食性を左右する主要元素の一つであるが、加
工性と熱処理による相安定性のため、含有上限値を6%
に制限し、4〜6%とするのが好ましい。 (d) 炭素 炭素は、強力なオーステナイト安定化用元素であるが、
重要な元素の耐食性及び熱加工性を低下させるので、0.
20%以下に含有量を制限するのが好ましく、含有量を0.
03%以下に制限することが最適である。
レス鋼の耐食性を左右する主要元素の一つであるが、加
工性と熱処理による相安定性のため、含有上限値を6%
に制限し、4〜6%とするのが好ましい。 (d) 炭素 炭素は、強力なオーステナイト安定化用元素であるが、
重要な元素の耐食性及び熱加工性を低下させるので、0.
20%以下に含有量を制限するのが好ましく、含有量を0.
03%以下に制限することが最適である。
【0017】 (e) 珪素 珪素は、フェライト安定化用元素として溶解精錬のと
き、脱酸効果を発揮し耐酸化性を増加させるが、過量添
加すると靱性及び展性を低下させるため、0.5 〜2.0 %
が好ましく、耐食性の面では1.0 %以下が好ましい。 (f) 窒素 窒素は、強力なオーステナイト安定化用元素であって、
耐食性の面で重要な元素の一つである。特に、モリブデ
ンと一緒に存在すると不動態皮膜の特性を改善する効果
を奏する。且つ、耐食性を向上させるために炭素含有量
を減らすとき窒素を添加すると機械的性質が補償される
利点がある。他の成分とのバランス及びオーステナイト
−フェライト相比率を考慮し、添加量を0.5%以下と
することが好ましく、耐食性の面で0.2%以上が好ま
しい。
き、脱酸効果を発揮し耐酸化性を増加させるが、過量添
加すると靱性及び展性を低下させるため、0.5 〜2.0 %
が好ましく、耐食性の面では1.0 %以下が好ましい。 (f) 窒素 窒素は、強力なオーステナイト安定化用元素であって、
耐食性の面で重要な元素の一つである。特に、モリブデ
ンと一緒に存在すると不動態皮膜の特性を改善する効果
を奏する。且つ、耐食性を向上させるために炭素含有量
を減らすとき窒素を添加すると機械的性質が補償される
利点がある。他の成分とのバランス及びオーステナイト
−フェライト相比率を考慮し、添加量を0.5%以下と
することが好ましく、耐食性の面で0.2%以上が好ま
しい。
【0018】(g) 銅 銅は、オーステナイト安定化用元素として生地組織を強
化し、強度を向上させる役割をするが、過量添加する
と、塩化物環境下で耐食性を低下させる。また、硫酸の
含有された環境下で耐食性が増加するので添加量を2%
以下とすることが好ましい。
化し、強度を向上させる役割をするが、過量添加する
と、塩化物環境下で耐食性を低下させる。また、硫酸の
含有された環境下で耐食性が増加するので添加量を2%
以下とすることが好ましい。
【0019】(h) チタン チタンは、溶解精錬の際、脱酸効果を奏する元素として
腐食に対する耐食性を向上させるため、炭素量との関係
を考慮して添加する。時効熱処理後の塩化イオンを包含
した環境下での耐食性向上のため1.5 %以下とし、好ま
しくは0.5 〜1.5 %添加する。本発明に係る合金試片
は、次のように製造することができる。即ち、窒素の影
響を考慮したクロム当量とニッケル当量とを計算し、所
望のフェライト含量を予測した後、純粋な市販の電解鉄
(純度99.9%) 、クロム (純度99.6%) 、モリブデン
(純度99.8%) 、ニッケル (純度99.9%) 、Fe-Si 及び
Fe-Cr-Nを主材料とし、高周波誘導溶解炉を用い、窒素
ガス雰囲気下でマグネシア坩堝で溶解し、充分に予熱し
た砂型または金型に溶湯を注入してインゴットを製造す
る。
腐食に対する耐食性を向上させるため、炭素量との関係
を考慮して添加する。時効熱処理後の塩化イオンを包含
した環境下での耐食性向上のため1.5 %以下とし、好ま
しくは0.5 〜1.5 %添加する。本発明に係る合金試片
は、次のように製造することができる。即ち、窒素の影
響を考慮したクロム当量とニッケル当量とを計算し、所
望のフェライト含量を予測した後、純粋な市販の電解鉄
(純度99.9%) 、クロム (純度99.6%) 、モリブデン
(純度99.8%) 、ニッケル (純度99.9%) 、Fe-Si 及び
Fe-Cr-Nを主材料とし、高周波誘導溶解炉を用い、窒素
ガス雰囲気下でマグネシア坩堝で溶解し、充分に予熱し
た砂型または金型に溶湯を注入してインゴットを製造す
る。
【0020】使用するクロム当量Creqとニッケル当量Ni
eqとは、次の式(1)及び(2)により計算される。 Creq=Cr+1.5 Si+Mo+Nb−4.99 (%) (1) Nieq=Ni+30C + 0.5Mn+26(N−0.02)+2.77 (%) (2) また、熱間圧延を行う鍛練材の場合は、インゴットを製
造して延削または機械加工をした後、1050〜1230℃で1
インチ当り1時間の間ソーキング(soaking)を行い、熱
間圧延をして水冷する。この場合、熱間圧延仕上温度が
低いと、シグマ相が析出して割れが発生するおそれがあ
るので、熱間圧延仕上温度は最小1000℃が好ましい。熱
間圧延のとき表面に生成された酸化物を除去するため、
66℃の10%HNO3+3%HF溶液で酸洗いをした後、1〜2
mm厚さまで冷間圧延を行う。本発明に係るステンレス鋼
の鋳造品または熱間圧延材が最適の性質を有するように
するためには、合金成分に従い、1100〜1150℃で厚さ1m
m 当り1〜2分の間焼鈍し処理を行うことが望ましい。
この焼鈍しにより生成された表面の酸化物は66℃の10%
HNO3+3%HF溶液で再び酸洗いをする。
eqとは、次の式(1)及び(2)により計算される。 Creq=Cr+1.5 Si+Mo+Nb−4.99 (%) (1) Nieq=Ni+30C + 0.5Mn+26(N−0.02)+2.77 (%) (2) また、熱間圧延を行う鍛練材の場合は、インゴットを製
造して延削または機械加工をした後、1050〜1230℃で1
インチ当り1時間の間ソーキング(soaking)を行い、熱
間圧延をして水冷する。この場合、熱間圧延仕上温度が
低いと、シグマ相が析出して割れが発生するおそれがあ
るので、熱間圧延仕上温度は最小1000℃が好ましい。熱
間圧延のとき表面に生成された酸化物を除去するため、
66℃の10%HNO3+3%HF溶液で酸洗いをした後、1〜2
mm厚さまで冷間圧延を行う。本発明に係るステンレス鋼
の鋳造品または熱間圧延材が最適の性質を有するように
するためには、合金成分に従い、1100〜1150℃で厚さ1m
m 当り1〜2分の間焼鈍し処理を行うことが望ましい。
この焼鈍しにより生成された表面の酸化物は66℃の10%
HNO3+3%HF溶液で再び酸洗いをする。
【0021】本発明に係るステンレス鋼の応力腐食割れ
に対する耐性はASTM(AmericanSociety for Testing
and Materials)G36−75に記載された一定延伸率
法(constant extension rate test)により応力腐食割れ
試験を行って検証した。即ち、42%MgCl2 を注入し154
℃にした容器に合金試片を入れ、破断時間を測定し、破
断時間が長い程耐食性が大きいと評価した。
に対する耐性はASTM(AmericanSociety for Testing
and Materials)G36−75に記載された一定延伸率
法(constant extension rate test)により応力腐食割れ
試験を行って検証した。即ち、42%MgCl2 を注入し154
℃にした容器に合金試片を入れ、破断時間を測定し、破
断時間が長い程耐食性が大きいと評価した。
【0022】また、孔食や隙間腐食に対する耐性は、重
量減量試験と陽極分極試験とにより検証した。重量減量
試験は、ASTMG48に記載された方法またはこれを
応用して行った。例えば、50℃の10重量% FeCl3・6H2O
溶液に試料を24時間浸漬した後の重量の減少によって腐
食速度を評価し、重量の減少が少ない程耐食性が大きい
ものであると評価する。
量減量試験と陽極分極試験とにより検証した。重量減量
試験は、ASTMG48に記載された方法またはこれを
応用して行った。例えば、50℃の10重量% FeCl3・6H2O
溶液に試料を24時間浸漬した後の重量の減少によって腐
食速度を評価し、重量の減少が少ない程耐食性が大きい
ものであると評価する。
【0023】また、陽極分極試験は、一定温度下で 0.5
N-HCl + 1N-NaCl混合溶液または22%NaCl容液を試験溶
液に用い、ポテンシオスタット(potentiostat)を利用し
て電位を腐食電位から陽極方向に走査しながら電位−電
流曲線を求め、その曲線から臨界電流密度、不動態電流
密度、孔食発生電位を評価する。臨界電流密度及び不動
態電流密度が小さい程耐食性が大きく、孔食発生電位が
高い程抵抗が大きいので、曲線が左側に移動するほど、
耐食性が大きいものであると判断する。
N-HCl + 1N-NaCl混合溶液または22%NaCl容液を試験溶
液に用い、ポテンシオスタット(potentiostat)を利用し
て電位を腐食電位から陽極方向に走査しながら電位−電
流曲線を求め、その曲線から臨界電流密度、不動態電流
密度、孔食発生電位を評価する。臨界電流密度及び不動
態電流密度が小さい程耐食性が大きく、孔食発生電位が
高い程抵抗が大きいので、曲線が左側に移動するほど、
耐食性が大きいものであると判断する。
【0024】
ステンレス鋼の製造 本実施例の合金1〜30を表1に記載した組成により、市
販の純粋な電解鉄、クロム、ニッケル、モリブデン、Fe
-Si 及びFe-Cr-N を主材料とし、窒素雰囲気で高周波誘
導溶解炉を用いて、それぞれ12kgずつ製造した。このと
き、気泡発生部分をラジオグラフィーで確認し、除去し
た。次いで、インゴットを1150℃で30分間ソーキングし
た後、熱間圧延仕上温度を1100℃にし、3mmの厚さまで
熱間圧延を行った。熱間圧延により表面に生成された酸
化物を除去するため66℃の10%HNO3+3%HF溶液で酸洗
いを施した。その後、1mmの厚さに冷間圧延を行って11
00〜1150℃で5分間焼鈍しをし、そのとき表面上に生成
した酸化物を前述と同様の方法で除去した。
販の純粋な電解鉄、クロム、ニッケル、モリブデン、Fe
-Si 及びFe-Cr-N を主材料とし、窒素雰囲気で高周波誘
導溶解炉を用いて、それぞれ12kgずつ製造した。このと
き、気泡発生部分をラジオグラフィーで確認し、除去し
た。次いで、インゴットを1150℃で30分間ソーキングし
た後、熱間圧延仕上温度を1100℃にし、3mmの厚さまで
熱間圧延を行った。熱間圧延により表面に生成された酸
化物を除去するため66℃の10%HNO3+3%HF溶液で酸洗
いを施した。その後、1mmの厚さに冷間圧延を行って11
00〜1150℃で5分間焼鈍しをし、そのとき表面上に生成
した酸化物を前述と同様の方法で除去した。
【0025】
【表1】
【0026】応力腐食割れ試験 本実施例で製造した合金1〜12に対し、ASTMG−3
6−75により一定延伸率法で応力腐食割れ試験を行っ
た。試験条件はクロス−ヘッド(cross-head)速度が4.41
×10-6cm/secで、初期変形率は1.35×10-5cm/secであっ
た。合金はSiC研磨紙 120番〜 600番により研磨し、ア
セトンで脱脂した後、蒸留水で洗浄して乾燥し、最終の
研磨方向は圧延方向と平行になるようにした。1l の容
器に42%MgCl2 を入れて154 ℃に維持し、本実施例で製
造した合金1〜12を入れて破断時間を測定した。比較合
金として、市販のAISI304(韓国三美特殊鋼
(株))を使用した。図1に合金1〜6、図2(A)に
合金7〜9、図2(B)に合金10〜12の応力腐食割れ試
験の結果を示す。本実施例の合金1〜12は、比較合金の
AISI304に比べ、応力腐食割れに対する抵抗が極
めて高いことがわかる。
6−75により一定延伸率法で応力腐食割れ試験を行っ
た。試験条件はクロス−ヘッド(cross-head)速度が4.41
×10-6cm/secで、初期変形率は1.35×10-5cm/secであっ
た。合金はSiC研磨紙 120番〜 600番により研磨し、ア
セトンで脱脂した後、蒸留水で洗浄して乾燥し、最終の
研磨方向は圧延方向と平行になるようにした。1l の容
器に42%MgCl2 を入れて154 ℃に維持し、本実施例で製
造した合金1〜12を入れて破断時間を測定した。比較合
金として、市販のAISI304(韓国三美特殊鋼
(株))を使用した。図1に合金1〜6、図2(A)に
合金7〜9、図2(B)に合金10〜12の応力腐食割れ試
験の結果を示す。本実施例の合金1〜12は、比較合金の
AISI304に比べ、応力腐食割れに対する抵抗が極
めて高いことがわかる。
【0027】孔食実験と重量減量実験 本実施例で製造された合金1〜6に対しASTMG48
により重量減量実験を行った。50℃の10重量% FeCl3・
6H2O溶液に各合金1〜6を24時間浸漬し、重さの減少に
より腐食速度を評価した。比較合金として、市販のAI
SI316L(韓国三美特殊鋼(株))及びSUSM3
29(韓国三美特殊鋼(株))を使用した。図3に示し
たように、合金1〜6のステンレス鋼はAISI316
L合金よりも耐食性が優秀であり、特に市販の二相ステ
ンレスのSUSM329よりは格段に耐食性が大きいこ
とがわかる。
により重量減量実験を行った。50℃の10重量% FeCl3・
6H2O溶液に各合金1〜6を24時間浸漬し、重さの減少に
より腐食速度を評価した。比較合金として、市販のAI
SI316L(韓国三美特殊鋼(株))及びSUSM3
29(韓国三美特殊鋼(株))を使用した。図3に示し
たように、合金1〜6のステンレス鋼はAISI316
L合金よりも耐食性が優秀であり、特に市販の二相ステ
ンレスのSUSM329よりは格段に耐食性が大きいこ
とがわかる。
【0028】孔食実験:0.5N-HCl+1N-NaCl 試験溶液中
の陽極分極試験 本実施例で製造した合金1〜6、19、20及び22〜30に対
し、50℃、0.5N-HCl+1N-NaCl の混合溶液を使用し、ポ
テンシオスタットを用いて電位を腐食電位から陽極方向
に走査しながら電位−電流曲線を求めた。比較合金とし
て市販のAISI316L及びSUSM329を使用
し、その結果を表2と図4とに示した。合金6を除いた
本実施例の合金は全て広い不動態領域を示しているが、
AISI316L及びSUSM329は孔食が甚だしく
発生し、電位の増加により急激に腐食されている。試験
後の合金1〜6の表面を観察した結果、不動態皮膜の破
壊は見られなかった。本実施例の合金は高価なチタンの
陽極分極抵抗性と同様な抵抗性を示している。
の陽極分極試験 本実施例で製造した合金1〜6、19、20及び22〜30に対
し、50℃、0.5N-HCl+1N-NaCl の混合溶液を使用し、ポ
テンシオスタットを用いて電位を腐食電位から陽極方向
に走査しながら電位−電流曲線を求めた。比較合金とし
て市販のAISI316L及びSUSM329を使用
し、その結果を表2と図4とに示した。合金6を除いた
本実施例の合金は全て広い不動態領域を示しているが、
AISI316L及びSUSM329は孔食が甚だしく
発生し、電位の増加により急激に腐食されている。試験
後の合金1〜6の表面を観察した結果、不動態皮膜の破
壊は見られなかった。本実施例の合金は高価なチタンの
陽極分極抵抗性と同様な抵抗性を示している。
【0029】
【表2】
【0030】孔食実験:ASTMD−1141−52規
定による人工海水試験溶液中の陽極分極試験 本実施例で製造した合金25〜27に対し、ASTMD−1
141−52規定により人工海水を製造して試験溶液に
使用した。比較合金として、市販のステンレス鋼AIS
I304及びAISI316を用い、結果を表3に示
す。
定による人工海水試験溶液中の陽極分極試験 本実施例で製造した合金25〜27に対し、ASTMD−1
141−52規定により人工海水を製造して試験溶液に
使用した。比較合金として、市販のステンレス鋼AIS
I304及びAISI316を用い、結果を表3に示
す。
【0031】
【表3】
【0032】機械的性質及び耐食性 本実施例で製造した合金13〜17のクロム当量/ニッケル
当量はそれぞれ25.96/19.2、 22.26/18.21 、 26.13
/21.98 、 26.22/21.56 、 26.23/22.65 である。50
℃、0.5N-HCl+1N-NaCl の溶液で陽極分極試験を行い、
得られた曲線から耐食性に関するデータを求めた。合金
13〜17と市販の二相ステンレス鋼SUS329J1との
機械的性質及び耐食性の試験結果を表4に示した。
当量はそれぞれ25.96/19.2、 22.26/18.21 、 26.13
/21.98 、 26.22/21.56 、 26.23/22.65 である。50
℃、0.5N-HCl+1N-NaCl の溶液で陽極分極試験を行い、
得られた曲線から耐食性に関するデータを求めた。合金
13〜17と市販の二相ステンレス鋼SUS329J1との
機械的性質及び耐食性の試験結果を表4に示した。
【0033】
【表4】
【0034】上記表4に示したように、本実施例の合金
は市販の合金SUS329J1よりも機械的性質と、塩
化物イオンを含む溶液中での耐食性とが極めて良好であ
ることが分かる。 時効熱処理の影響 1. 本実施例に係る合金の時効熱処理を確認するた
め、本実施例で製造した合金13及び15をそれぞれBaCl2
+NaClの混合溶液中700 〜950 ℃で熱処理し、各合金の
組織観察、フェライト含有測定、腐食試験(ASTM2
62 PRACTICE C)及び孔食試験(50℃、0.5N-HCl+1N
-NaCl 溶液中の陽極分極試験)を行い、表5にその結果
を示した。
は市販の合金SUS329J1よりも機械的性質と、塩
化物イオンを含む溶液中での耐食性とが極めて良好であ
ることが分かる。 時効熱処理の影響 1. 本実施例に係る合金の時効熱処理を確認するた
め、本実施例で製造した合金13及び15をそれぞれBaCl2
+NaClの混合溶液中700 〜950 ℃で熱処理し、各合金の
組織観察、フェライト含有測定、腐食試験(ASTM2
62 PRACTICE C)及び孔食試験(50℃、0.5N-HCl+1N
-NaCl 溶液中の陽極分極試験)を行い、表5にその結果
を示した。
【0035】合金のフェライト含量は、光学顕微鏡で撮
影した写真から分析して測定した結果、850 ℃及び900
℃でフェライト含量が15%程度であった。時効時間(10
分〜3時間)は、フェライト含量には影響が無いものと
みられる。腐食試験の結果、700 ℃で腐食速度が最高
で、時効温度が上昇するほど腐食速度は減少した。この
ように温度の上昇に従い腐食速度が減少するのは、生地
組織のクロムが容易に再拡散されないためであると考え
られる。陽極分極試験前後に合金表面を観察した結果、
孔食の開始はフェライト相で開始され、オーステナイ
ト、フェライトの区分なしに伝播していた。
影した写真から分析して測定した結果、850 ℃及び900
℃でフェライト含量が15%程度であった。時効時間(10
分〜3時間)は、フェライト含量には影響が無いものと
みられる。腐食試験の結果、700 ℃で腐食速度が最高
で、時効温度が上昇するほど腐食速度は減少した。この
ように温度の上昇に従い腐食速度が減少するのは、生地
組織のクロムが容易に再拡散されないためであると考え
られる。陽極分極試験前後に合金表面を観察した結果、
孔食の開始はフェライト相で開始され、オーステナイ
ト、フェライトの区分なしに伝播していた。
【0036】2. 本実施例で製造した合金18をCaCl2
+NaClの混合溶液で550 、650 、750 、850 、950 ℃に
て、それぞれ10分、30分、60分、 180分の時効熱処理を
した。その後、合金組織を観察してフェライト含量を測
定し、ASTM262 PRACTICE Cにより腐食試験を行
った。650 ℃で時効熱処理したときの腐食速度が最高で
あった。ASTMG48により浸漬実験をして孔食速度
を測定し、50℃、0.5N-HCl+1N-NaCl 溶液で陽極分極試
験を行った。その結果を表6に示した。
+NaClの混合溶液で550 、650 、750 、850 、950 ℃に
て、それぞれ10分、30分、60分、 180分の時効熱処理を
した。その後、合金組織を観察してフェライト含量を測
定し、ASTM262 PRACTICE Cにより腐食試験を行
った。650 ℃で時効熱処理したときの腐食速度が最高で
あった。ASTMG48により浸漬実験をして孔食速度
を測定し、50℃、0.5N-HCl+1N-NaCl 溶液で陽極分極試
験を行った。その結果を表6に示した。
【0037】3. 本実施例で製造した合金19、20を時
効熱処理した。時効熱処理はCaCl2+NaCl混合溶液で550
、650 、750 、850 、950 ℃にて、それぞれ10分、30
分、180 分の間行った。時効熱処理をした後、合金組織
を観察してフェライト含量を測定し、腐食試験、孔食試
験を行った。合金19で腐食速度の最も高い時効熱処理温
度は850 ℃であった。結果を表6に示した。
効熱処理した。時効熱処理はCaCl2+NaCl混合溶液で550
、650 、750 、850 、950 ℃にて、それぞれ10分、30
分、180 分の間行った。時効熱処理をした後、合金組織
を観察してフェライト含量を測定し、腐食試験、孔食試
験を行った。合金19で腐食速度の最も高い時効熱処理温
度は850 ℃であった。結果を表6に示した。
【0038】4. 本実施例で製造した合金22〜24を時
効熱処理した。即ち、CaCl2 +NaCl混合溶液で550 、65
0 、750 、850 、950 ℃にて、それぞれ10分、30分、18
0 分の時効熱処理をした後、合金のフェライト含量を測
定し、腐食試験、孔食試験を行った。合金22〜24の全て
で、腐食速度の最も速い時効熱処理温度は750 ℃であっ
た。結果を表5に示した。
効熱処理した。即ち、CaCl2 +NaCl混合溶液で550 、65
0 、750 、850 、950 ℃にて、それぞれ10分、30分、18
0 分の時効熱処理をした後、合金のフェライト含量を測
定し、腐食試験、孔食試験を行った。合金22〜24の全て
で、腐食速度の最も速い時効熱処理温度は750 ℃であっ
た。結果を表5に示した。
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】冷間加工の影響 市販の純粋電解鉄、クロム、ニッケル、モリブデン、Fe
-Si 及びFe-Cr-N を主材料とし、窒素雰囲気下で高周波
誘導溶解炉を用いて、表1に示した組成の本実施例合金
21を12kgずつ製造した。このとき、気泡発生部分は、ラ
ジオグラフィーで確認して除去した。それらインゴット
を1200℃で30分間ソーキングした後、熱間圧延仕上温度
1100℃で、3mmの厚さまで熱間圧延を行った。熱間圧延
により表面に生成された酸化物を除去するため66℃の10
%HNO3+3%HF溶液で酸洗いをした。その後、1150℃で
10分間の熱処理を行い、常温まで急冷して、厚さの減少
率がそれぞれ、0%、10%、30%、60%の冷間加工を行
った後、1000℃で再結晶処理を行った。合金21のクロム
当量/ニッケル当量値は22.76 /24.90 であった。
-Si 及びFe-Cr-N を主材料とし、窒素雰囲気下で高周波
誘導溶解炉を用いて、表1に示した組成の本実施例合金
21を12kgずつ製造した。このとき、気泡発生部分は、ラ
ジオグラフィーで確認して除去した。それらインゴット
を1200℃で30分間ソーキングした後、熱間圧延仕上温度
1100℃で、3mmの厚さまで熱間圧延を行った。熱間圧延
により表面に生成された酸化物を除去するため66℃の10
%HNO3+3%HF溶液で酸洗いをした。その後、1150℃で
10分間の熱処理を行い、常温まで急冷して、厚さの減少
率がそれぞれ、0%、10%、30%、60%の冷間加工を行
った後、1000℃で再結晶処理を行った。合金21のクロム
当量/ニッケル当量値は22.76 /24.90 であった。
【0042】合金21をCaCl2 +NaCl混合塩で650 、750
、850 、950 ℃で、それぞれ10分、30分、60分、180
分の時効熱処理をした。腐食試験(ASTM基準262
PRACTICE C)、陽極分極試験(50℃、0.5N-HCl+1N-N
aCl 溶液、走査速度20mV/min)を行った。腐食速度は
時効温度が750 ℃で最も速く、950 ℃で最も遅かった。
X線回折分析結果、850 ℃、950 ℃で時効熱処理した合
金からはシグマ相が検出された。
、850 、950 ℃で、それぞれ10分、30分、60分、180
分の時効熱処理をした。腐食試験(ASTM基準262
PRACTICE C)、陽極分極試験(50℃、0.5N-HCl+1N-N
aCl 溶液、走査速度20mV/min)を行った。腐食速度は
時効温度が750 ℃で最も速く、950 ℃で最も遅かった。
X線回折分析結果、850 ℃、950 ℃で時効熱処理した合
金からはシグマ相が検出された。
【0043】冷間加工と熱処理とを行ったとき、加工率
が大きいほど粒子の大きさは減少された。このような結
晶粒子による腐食速度を観察すると、650 ℃、750 ℃で
粒子の大きさが最大のとき腐食速度も最高であり、粒子
が小さくなるほど腐食速度も減少した。これは粒子の大
きさが粗大になるほど鋭敏化度が増加するからである。
陽極分極試験で、時効熱処理を行わない場合は、加工熱
処理により粒子の大きさが少なくなる程腐食速度が増加
し、時効熱処理を行った場合( 例えば、650 ℃、30分)
は、粒子の大きさが最小の場合に最も優秀な陽極分極抵
抗を表した。
が大きいほど粒子の大きさは減少された。このような結
晶粒子による腐食速度を観察すると、650 ℃、750 ℃で
粒子の大きさが最大のとき腐食速度も最高であり、粒子
が小さくなるほど腐食速度も減少した。これは粒子の大
きさが粗大になるほど鋭敏化度が増加するからである。
陽極分極試験で、時効熱処理を行わない場合は、加工熱
処理により粒子の大きさが少なくなる程腐食速度が増加
し、時効熱処理を行った場合( 例えば、650 ℃、30分)
は、粒子の大きさが最小の場合に最も優秀な陽極分極抵
抗を表した。
【0044】次に、本実施例の合金2、3、4、5、6
に対し、冷間加工効果に対する試験を行った。即ち、本
実施例で製造した焼鈍合金に対し、厚さの減少率が、
0、10、30、40、50、60%の冷間加工を加えた後、応力
腐食割れ試験(42% MgCl2、ASTMG36−75)、
機械的強度試験を行った。応力腐食割れ抵抗性に及ぼす
冷間加工の影響に関しては、オーステナイトの量が多い
合金2は、冷間加工量が増加するほど耐食性も増加し、
フェライト量の多い他の合金は冷間加工量が増加するほ
ど耐食性が減少した。このような傾向は、外部から加え
られた応力は軟質のオーステナイトを加工硬化させる役
割をし、その加工硬化されたオーステナイトが転位の移
動を妨害して割れの伝播を抑制するためと思われる。こ
れに対し、フェライトが多くなると、外部から加えた応
力がフェライト内部を変形させ、割れの伝播を促進する
ようになるものと考えられる。
に対し、冷間加工効果に対する試験を行った。即ち、本
実施例で製造した焼鈍合金に対し、厚さの減少率が、
0、10、30、40、50、60%の冷間加工を加えた後、応力
腐食割れ試験(42% MgCl2、ASTMG36−75)、
機械的強度試験を行った。応力腐食割れ抵抗性に及ぼす
冷間加工の影響に関しては、オーステナイトの量が多い
合金2は、冷間加工量が増加するほど耐食性も増加し、
フェライト量の多い他の合金は冷間加工量が増加するほ
ど耐食性が減少した。このような傾向は、外部から加え
られた応力は軟質のオーステナイトを加工硬化させる役
割をし、その加工硬化されたオーステナイトが転位の移
動を妨害して割れの伝播を抑制するためと思われる。こ
れに対し、フェライトが多くなると、外部から加えた応
力がフェライト内部を変形させ、割れの伝播を促進する
ようになるものと考えられる。
【0045】本実施例の合金4に対し、冷間加工を行
い、機械的性質を測定した結果、0%加工材の場合、降
伏強度が50kg/mm2 、引張強度75kg/mm2 、ビッカース
硬度280 で、60%加工材の場合、降伏強度が100kg /mm
2 、引張強度120kg /mm2 、ビッカース硬度395 であっ
た。 〔実施例2〕 ステンレス鋼の製造 市販の純粋電解鉄、クロム、ニッケル、モリブデン、Fe
-Si 及びFe-Cr-N を材料とし、表7に示した組成により
真空下の高周波誘導溶解炉を用い、合金31〜47をそれぞ
れ30kgずつ製造した。それらのインゴットを1250℃で30
分間ソーキングした後、4mmの厚さまで熱間圧延した。
熱間圧延により表面に生成された酸化物を除去するため
66℃の10%HNO3+3%HF溶液で酸洗いを施した。その
後、1mmの厚さに冷間圧延を行い、1125℃で5分間焼鈍
しをして水冷した。焼鈍しにより表面上に生じた酸化物
を上記と同様に除去した。
い、機械的性質を測定した結果、0%加工材の場合、降
伏強度が50kg/mm2 、引張強度75kg/mm2 、ビッカース
硬度280 で、60%加工材の場合、降伏強度が100kg /mm
2 、引張強度120kg /mm2 、ビッカース硬度395 であっ
た。 〔実施例2〕 ステンレス鋼の製造 市販の純粋電解鉄、クロム、ニッケル、モリブデン、Fe
-Si 及びFe-Cr-N を材料とし、表7に示した組成により
真空下の高周波誘導溶解炉を用い、合金31〜47をそれぞ
れ30kgずつ製造した。それらのインゴットを1250℃で30
分間ソーキングした後、4mmの厚さまで熱間圧延した。
熱間圧延により表面に生成された酸化物を除去するため
66℃の10%HNO3+3%HF溶液で酸洗いを施した。その
後、1mmの厚さに冷間圧延を行い、1125℃で5分間焼鈍
しをして水冷した。焼鈍しにより表面上に生じた酸化物
を上記と同様に除去した。
【0046】
【表7】
【0047】本実施例で製造した合金と比較すると、ホ
ウ素、アルミニウム、カルシウム、マグネシウムまたは
それらの組合せを含有する合金38〜42は、熱間圧延時に
インゴットの両方側隅部に表れるエッジ割れの発生が大
幅に減少しており、熱間加工性が向上していることがわ
かる。。 耐食性特性比較 本実施例で製造した合金中31及び37に対し、6 %FeCl3
(ASTMG48)と、7%H2SO4 +3%HCl +1%Fe
Cl3 +1%CuCl2 とをそれぞれ浸漬溶液に使用し、臨界
孔食温度を測定した。合金試片を浸漬溶液の温度を5℃
ずつ上昇させながらそれぞれ24時間浸漬させ、重量の減
少を測定して孔食発生温度を求め、その結果を表8に表
示した。
ウ素、アルミニウム、カルシウム、マグネシウムまたは
それらの組合せを含有する合金38〜42は、熱間圧延時に
インゴットの両方側隅部に表れるエッジ割れの発生が大
幅に減少しており、熱間加工性が向上していることがわ
かる。。 耐食性特性比較 本実施例で製造した合金中31及び37に対し、6 %FeCl3
(ASTMG48)と、7%H2SO4 +3%HCl +1%Fe
Cl3 +1%CuCl2 とをそれぞれ浸漬溶液に使用し、臨界
孔食温度を測定した。合金試片を浸漬溶液の温度を5℃
ずつ上昇させながらそれぞれ24時間浸漬させ、重量の減
少を測定して孔食発生温度を求め、その結果を表8に表
示した。
【0048】また、70℃、0.5N-HCl+1N-NaCl 及び80
℃、22% NaCl を試験溶液とし、ポテンシオスタットを
利用し、電位を腐食電位から陽極方向に走査しながら電
位−電流曲線を求めた。比較合金としては市販のオース
テナイト鋼SAF2507を使用し、結果を表8、図5
及び図6に示した。本実施例の合金31及び37は、低い不
動態電流密度を維持しながら酸素発生電位(1V 以上)
まで安定な不動態を表したが、比較合金は低い電位で孔
食が発生し、電流密度が急激に増加した。
℃、22% NaCl を試験溶液とし、ポテンシオスタットを
利用し、電位を腐食電位から陽極方向に走査しながら電
位−電流曲線を求めた。比較合金としては市販のオース
テナイト鋼SAF2507を使用し、結果を表8、図5
及び図6に示した。本実施例の合金31及び37は、低い不
動態電流密度を維持しながら酸素発生電位(1V 以上)
まで安定な不動態を表したが、比較合金は低い電位で孔
食が発生し、電流密度が急激に増加した。
【0049】
【表8】
【0050】時効熱処理の影響 時効熱処理に及ぼすチタンの影響を究明するため、本実
施例で製造した合金31〜33及び37を800 ℃で1時間の時
効熱処理をした後、腐食実験(Huey実験) を行った。腐
食速度はそれぞれ、131 、667 、635 、159 mg/m2hrで
あった。その結果、適量のチタンが添加された合金31
は、添加されない合金32、33に比べ、時効熱処理後の腐
食抵抗が優れていることがわかる。また、本実施例の合
金は、比較合金よりも時効熱処理による影響を受けにく
いということが、図7〜9により確認される。
施例で製造した合金31〜33及び37を800 ℃で1時間の時
効熱処理をした後、腐食実験(Huey実験) を行った。腐
食速度はそれぞれ、131 、667 、635 、159 mg/m2hrで
あった。その結果、適量のチタンが添加された合金31
は、添加されない合金32、33に比べ、時効熱処理後の腐
食抵抗が優れていることがわかる。また、本実施例の合
金は、比較合金よりも時効熱処理による影響を受けにく
いということが、図7〜9により確認される。
【0051】本実施例で製造した合金37、43〜47を、80
℃、10%の硫酸溶液及び25℃、10%の塩酸溶液にそれぞ
れ24時間浸漬させながら腐食速度を測定し、その結果を
表9に示した。銅を添加すると酸溶液中の耐食性が向上
された。
℃、10%の硫酸溶液及び25℃、10%の塩酸溶液にそれぞ
れ24時間浸漬させながら腐食速度を測定し、その結果を
表9に示した。銅を添加すると酸溶液中の耐食性が向上
された。
【0052】
【表9】
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明係る耐食性
デュプレックスステンレス鋼は、従来のデュプレックス
ステンレス鋼よりも耐食性が優れているため、海水冷却
水用の熱交換器または脱硫設備等の耐食材に安心して使
用することができるという効果がある。
デュプレックスステンレス鋼は、従来のデュプレックス
ステンレス鋼よりも耐食性が優れているため、海水冷却
水用の熱交換器または脱硫設備等の耐食材に安心して使
用することができるという効果がある。
【0054】また、従来のチタン合金またはニッケル生
地の超合金材に代替し得る廉価な耐食性デュプレックス
ステンレス鋼を供給することができるという効果があ
る。
地の超合金材に代替し得る廉価な耐食性デュプレックス
ステンレス鋼を供給することができるという効果があ
る。
【図1】 本発明の一実施例である合金試片のフェライ
ト含有量変化に従う42%MgCl2 沸騰溶液中の応力腐食割
れ試験結果を表すグラフ
ト含有量変化に従う42%MgCl2 沸騰溶液中の応力腐食割
れ試験結果を表すグラフ
【図2】 本発明の一実施例である合金試片と比較合金
との42%MgCl2 沸騰溶液中の応力腐食割れ試験結果を表
すグラフ
との42%MgCl2 沸騰溶液中の応力腐食割れ試験結果を表
すグラフ
【図3】 本発明の一実施例である合金試片と比較合金
との孔食試験(浸漬試験)結果を表すグラフ
との孔食試験(浸漬試験)結果を表すグラフ
【図4】 本発明の一実施例である合金試片と比較合金
との孔食試験(陽極分極試験)結果を表すグラフ
との孔食試験(陽極分極試験)結果を表すグラフ
【図5】 本発明の一実施例である合金試片と比較合金
との孔食試験(陽極分極試験:70℃、0.5N-HCl+1N-NaC
l )結果を表すグラフ
との孔食試験(陽極分極試験:70℃、0.5N-HCl+1N-NaC
l )結果を表すグラフ
【図6】 本発明の一実施例である合金試片と比較合金
との孔食試験(陽極分極試験:80℃、22% NaCl)結果を
表すグラフ
との孔食試験(陽極分極試験:80℃、22% NaCl)結果を
表すグラフ
【図7】 本発明の一実施例である合金試片の時効熱処
理に従う孔食試験(陽極分極試験:50℃、0.5N-HCl+1N
-NaCl )結果を表すグラフ
理に従う孔食試験(陽極分極試験:50℃、0.5N-HCl+1N
-NaCl )結果を表すグラフ
【図8】 本発明の一実施例である合金試片の時効熱処
理に従う孔食試験(陽極分極試験:50℃、0.5N-HCl+1N
-NaCl )結果を表すグラフ
理に従う孔食試験(陽極分極試験:50℃、0.5N-HCl+1N
-NaCl )結果を表すグラフ
【図9】 UR52N+ステンレス鋼の時効熱処理後の
孔食試験(陽極分極試験:50℃、0.5N-HCl+1N-NaCl )
結果を表すグラフ
孔食試験(陽極分極試験:50℃、0.5N-HCl+1N-NaCl )
結果を表すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 - 38/60
Claims (3)
- 【請求項1】クロム20〜28重量%、ニッケル5〜9
重量%、モリブデン4〜6重量%、炭素0.20重量%
以下、珪素0.5〜2.0重量%、マンガン3.5重量
%以下、窒素0.2〜0.5重量%、及び残部鉄を含ん
で構成されることを特徴とする耐食性デュプレックスス
テンレス鋼。 - 【請求項2】チタン1.5重量%以下、タングステン3
重量%以下、銅2重量%以下、及びバナジウム2重量%
以下の元素群から少なくとも一つ以上追加含有すること
を特徴とする請求項1記載の耐食性デュプレックスステ
ンレス鋼。 - 【請求項3】マグネシウム0.001〜0.1重量%、
カルシウム0.001〜0.1重量%、及びアルミニウ
ム0.001〜0.2重量%の元素群から少なくとも一
つ以上追加含有することを特徴とする請求項1記載の耐
食性デュプレックスステンレス鋼。
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