JP2596231B2 - ジェットルームにおける緯入れ制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】 本発明は、緯入れ用メインノズ
ルの噴射作用によって緯糸を射出緯入れするジェットル
ームにおける緯入れ制御装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】 緯入れ用メインノズルから射出される
緯糸の緯入れ開始タイミングは緯入れ状態を左右する一
要因となる。巻付方式の緯糸測長貯留装置を備えたジェ
ットルームでは、緯入れ開始タイミングは緯糸係止ピン
の糸巻付面からの退避タイミングであり、この緯糸係止
ピンの駆動を電磁ソレノイドによって行なう方式のもの
がある。この電磁駆動方式によれば緯入れ開始タイミン
グの任意の変更が可能である。

【０００３】緯入れ開始タイミングの規定には緯入れ用
メインノズルの噴射開始タイミングも関与し、緯糸係止
ピンによる緯糸解舒開始タイミング及び緯入れ用メイン
ノズルの噴射開始タイミングは連動して制御される。こ
のような緯入れ開始タイミングの設定調整は人手に頼っ
ているが、この調整作業は非常に面倒である。すなわ
ち、緯入れ開始タイミングを早めると、経糸開口の開き
具合が不充分な状態のまま緯入れが行われることにな
り、射出された緯糸が経糸と干渉して緯入れミスを生じ
易い。この緯入れミス状態は入口くぐりといわれるもの
であり、開口の遅れた少数本の経糸と正常に開口した残
りの経糸群との間に緯糸が把持される。このような入口
くぐりは通常緯入れ始端側で生じ易い。

【０００４】このような入口くぐり発生を回避するには
緯入れ開始タイミングを遅らせればよいが、所定時期ま
でに緯入れを完了させる必要から緯糸飛走時間が短くな
る。そのため、緯入れ用メインノズルあるいは緯入れ用
補助ノズルの噴射圧を高くしなければならないが、これ
はエア消費量の増加をもたらす。特開平１−１９２８５
０号公報には開口センサによって経糸の実開口量を検出
し、この検出された実開口量に基づいて緯入れ開始タイ
ミングを緯入れ毎に制御する方法が開示されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、この
開口センサは特定領域の経糸の開口動向を検出できるの
みであるが、この開口動向検出によって経糸群全体の実
開口量の把握が行われている。そのため、少数本の経糸
の開口遅れを把握することはできず、入口くぐり発生に
対処し得る緯入れ開始タイミング制御を行うことはでき
ない。

【０００６】本発明は入口くぐりを考慮した適正な緯入
れ開始タイミング設定を自動制御し得る装置を提供する
ことを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】 そのために本発明で
は、緯糸の射出緯入れを許容する状態と許容しない状態
とに電気的に切り換えられる緯入れ開始時期規定手段
と、緯入れ緯糸が開口された経糸のうち上側あるいは下
側の１部経糸の外方を通過して挿入された状態を検出す
る入口くぐり検出手段と、設定された緯入れ開始タイミ
ングに合わせて緯入れ開始時期規定手段を切り換え駆動
する切り換え駆動制御手段とにより緯入れ制御装置を構
成し、前記入口くぐり検出手段からの緯糸の入口くぐり
検出情報に基づいて緯入れ開始タイミングを遅くする方
向に変更設定し得る機能を前記切り換え駆動制御手段に
付与した。

【０００８】

【作用】 巻付方式の緯糸測長装置を備えたジェットル
ームにおける緯入れ開始時期規定手段は緯入れ用メイン
ノズルに接続された電磁切り換えバルブ及び電気的に駆
動される緯糸係止ピンである。エアプール方式の緯糸測
長貯留装置を備えたジェットルームにおける緯入れ開始
時期規定手段は緯入れ用メインノズルに接続された電磁
切り換えバルブ及び電気的に駆動される緯糸グリッパで
ある。緯入れ緯糸が開口された経糸のうち上側あるいは
下側の１部経糸の外方を通過して挿入された状態、つま
り入口くぐりが発生すると織機は停止するが、切り換え
駆動制御手段は入口くぐり検出手段からの緯糸の入口く
ぐり検出情報に基づいて緯入れ開始タイミングを遅くす
る方向に変更設定する。織機運転再開後にはこの変更設
定された緯入れ開始タイミングが用いられ、緯入れ開始
時期規定手段は遅くする方向に変更設定された緯入れ開
始タイミングでもって切り換え駆動される。

【０００９】

【実施例】 以下、本発明を具体化した一実施例を図１
〜図５に基づいて説明する。１は巻付方式の緯糸測長貯
留装置であり、緯糸測長貯留装置１の糸巻付面１ａ上へ
の糸巻付及び糸巻付面１ａからの緯糸引出し解舒は電磁
ソレノイド２の係止ピン２ａの出没動作によって制御さ
れる。電磁ソレノイド２の励消磁は制御コンピュータＣ
₁ の指令制御によって行なわれ、制御コンピュータＣ₁
は緯糸解舒検出器３からの緯糸解舒検出情報に基づいて
電磁ソレノイド２の励消磁を制御する。又、制御コンピ
ュータＣ₁ は糸巻付面１ａに緯糸を巻き付けるための糸
巻付管１ｂを回転駆動するための巻付モータ３１の作動
を制御する。

【００１０】緯入れ用メインノズル４の噴射作用によっ
て糸巻付面１ａから引出し射出された緯糸Ｙは複数の緯
入れ用補助ノズル群５，６，７，８のリレー噴射へと受
け継がれ、緯入れが良好に行われた場合には所定の機台
回転角度範囲にて緯糸Ｙが緯糸到達検出器９によって検
出される。緯糸到達検出器９からの糸有無検出信号は制
御コンピューターＣ₁ に入力され、制御コンピューター
Ｃ₁ は糸有無検出信号に基づいて織機の運転継続及び停
止のいずれかを選択する。緯入れが正常に行われた場合
には制御コンピュータＣ₁ は機台モータ３３の作動継続
及び電磁カッター３０の励消磁制御を遂行する。緯入れ
ミスが発生した場合には機台モータ３３の作動及び電磁
カッター３０の励消磁制御を直ちに停止し、緯入れミス
を生じた緯糸と後続緯糸とが切断されることなく接続維
持される。

【００１１】緯入れ用メインノズル４における緯入れ用
圧力エア噴射は電磁バルブＶ₁ の励消磁により制御さ
れ、緯入れ用補助ノズル群５〜８における緯入れ用圧力
エア噴射は電磁バルブＶ₂ ，Ｖ₃ ，Ｖ₄ ，Ｖ₅ の励消磁
により制御される。電磁バルブＶ₁ は圧力エア供給タン
ク１０に接続されており、電磁バルブＶ₂ 〜Ｖ₅ は圧力
エア供給タンク１１に接続されている。各圧力エア供給
タンク１０，１１は電気式圧力制御弁１２，１３を介し
て元圧タンク１４に接続されている。

【００１２】各電磁バルブＶ₁ 〜Ｖ₅ の励消磁制御は制
御コンピュータＣ₁ からの指令により行われ、制御コン
ピュータＣ₁ はロータリーエンコーダ１５からの機台回
転角度検出信号に基づいて電磁バルブＶ₁ 〜Ｖ₅ の励消
磁を指令する。圧力エア供給タンク１０，１１には圧力
検出器１６，１７が接続されており、圧力検出器１６，
１７からの圧力検出情報は制御コンピュータＣ₂ に入力
される。制御コンピュータＣ₂ は圧力検出器１６，１７
からの圧力情報に基づいて圧力制御弁１２，１３のフィ
ードバック制御を行なう。

【００１３】緯入れ用メインノズル４の直下にはブロー
ノズル１８が設置されており、直上には緯糸導入ダクト
１９が対向設置されている。緯糸導入ダクト１９の出口
の後方にはエアガイド２０が設置されており、エアガイ
ド２０内には透過式光電センサ型の緯糸検出器２１が取
りつけられている。エアガイド２０の後方には吸引パイ
プ２２が設置されており、吸引パイプ２２の出口側が図
示しないダストボックスに向けて湾曲されているととも
に、この湾曲部にはブローノズル２３が接続されてい
る。

【００１４】緯入れ用メインノズル４、ブローノズル１
８、緯糸導入ダクト１９、エアガイド２０及び吸引パイ
プ２２はいずれもスレイ上に装着されており、スレイの
揺動に伴って一体に揺動する。これら各部材４，１８，
１９，２０，２２の揺動領域の後方には緯糸引き取りモ
ータ２４が設置されており、その上方にはエアシリンダ
２５が設置されている。緯糸引き取りモータ２４には駆
動ローラ２６が作動連結されており、エアシリンダ２５
の駆動ロッドには被動ローラ２７が取りつけられてい
る。被動ローラ２７はエアシリンダ２５の突出動作によ
って駆動ローラ２６に圧接される。ブローノズル１８，
２３及びエアシリンダ２５はそれぞれ電磁バルブＶ_6,Ｖ
_7,Ｖ₈ を介して図示しない圧力エア供給タンクに接続さ
れている。電磁バルブＶ₆ 〜Ｖ₈ 及び緯糸引き取りモー
タ２４は制御コンピュータＣ₃ の指令制御を受ける。

【００１５】ブローノズル１８と緯糸導入ダクト１９と
の対向領域の後方にはイメージセンサ型の入口くぐり検
出器２８が設置されている。入口くぐり検出器２８は緯
入れミス発生の際の緯入れミス処理における緯糸導入ダ
クト１９の導入口近傍の緯糸存在状態を検出し、この検
出情報が制御コンピュータＣ₁ に送られる。制御コンピ
ュータＣ₁ はこの検出情報から入口くぐり発生を把握す
ると共に記憶し、図３〜図５のフローチャートで示す緯
入れ制御に用いる。

【００１６】制御コンピュータＣ₁ には緯糸解舒開始時
期Ｔｐ，Ｔｍ及びそれらの許容上下限値が初期値として
入力設定されている。一方の緯糸解舒開始時期Ｔｐは電
磁ソレノイド２の励磁開始タイミングであり、他方の緯
糸解舒開始時期Ｔｍは電磁バルブＶ₁ の励磁開始タイミ
ングを表す。緯糸解舒開始時期Ｔｐは緯糸解舒開始時期
Ｔｍよりも僅かに遅くしてある。

【００１７】制御コンピュータＣ₁ には初期化スイッチ
２９が接続されており、初期化スイッチ２９のＯＮ操作
によって制御コンピュータＣ₁ は緯糸解舒開始時期Ｔ
ｐ，Ｔｍの初期値を電磁ソレノイド２及び電磁バルブＶ
₁ の励磁開始時期とする。この初期化スイッチ２９はワ
ープビームを交換したときに使用される。緯入れされた
緯糸の先端が緯糸到達検出器９の設置位置まで到達しな
いという緯入れミスが発生した場合、制御コンピュータ
Ｃ₁ は電磁バルブＶ₁ 〜Ｖ₅ の励消磁制御、電磁カッタ
ー３０の励消磁制御、電磁ソレノイド２の励消磁制御及
び巻付モータ３１の作動を停止する。

【００１８】これと同時に制御コンピュータＣ₃ が電磁
バルブＶ₆ を所定時間励磁し、ブローノズル１８が所定
時間噴射する。この所定時間噴射作用によって緯入れミ
スの緯糸に後続する緯糸の緯入れ阻止が行われる。図２
に示すようにブローノズル１８の緯入れ阻止作用により
後続緯糸Ｙ₂ が緯糸導入ダクト１９内へ噴き入れられ、
ローラ対２６，２７間の把持領域へ導かれる。後続緯糸
Ｙ₂ がローラ対２６，２７の把持領域を通過してエアガ
イド２０内に到達すると、緯糸検出器２１がこの後続緯
糸Ｙ₂ の到達を検出する。

【００１９】緯糸検出器２１が糸有りを検出しない場合
には警報装置３２が作動する。機台モータ３３の作動、
電磁ソレノイド２の励消磁制御及び巻付モータ３１の作
動の各停止指令は電磁バルブＶ₆ の励磁指令と略同時に
行われ、機台は慣性で停止するまでの間にブローノズル
１８の緯入れ阻止作用が行われる。機台は筬打ち直前で
停止し、その後、機台モータ３３が所定量スロー逆転し
て経糸Ｔが最大開口を形成する。この最大開口形成によ
り織布の織前からのミス糸除去が可能となる。

【００２０】制御コンピュータＣ₃ は緯糸検出器２１か
らの糸有り情報に基づいて電磁バルブＶ₇ ，Ｖ₈ を励磁
する。この励磁指令によりブローノズル２３が噴射する
とともに、ローラ対２６，２７が後続緯糸Ｙ₂ を把持す
る。次いで制御コンピュータＣ₃ は緯糸引き取りモータ
２４を作動する。この作動によって後続緯糸Ｙ₂ がロー
ラ対２６，２７によって引き取られ、織前Ｗ₁ 上に筬打
ちされているミス糸Ｙ ₁ ，Ｙ₃ ，Ｙ₄ が経糸開口内から
引き出されていく。

【００２１】ミス糸Ｙ₁ ，Ｙ₃ ，Ｙ₄ が全てエアガイド
２０を通過すると、制御コンピュータＣ₃ は緯糸検出器
２１からの糸無検出情報に基づいて引き取りモータ２４
の作動停止及び電磁バルブＶ₇ ，Ｖ₈ の消磁を指令す
る。緯入れミスの状態としては図２に示すように緯糸Ｙ
₁ が経糸開口内に正常に挿入された場合にも係わらずエ
ンドミスが生じた場合、及びミス糸Ｙ₃ （又はＹ₄ ）が
経糸開口内へ正常に挿入されず、入口くぐりを生じた場
合がある。

【００２２】通常のエンドミスの場合には、ミス糸Ｙ₁
はローラ対２６，２７の引き取り作用によって図２に示
す経路上で緊張する。上側の経糸群Ｔ₁ のうちの少数本
の経糸Ｔ₁₁の開口形成の遅れによって入口くぐりを起こ
したミス糸Ｙ₃ は緯糸導入ダクト１９の導入口近傍でミ
ス糸Ｙ₁ よりも上方に位置する。又、下側経糸群Ｔ₂ の
うちの少数本の経糸Ｔ₂₁の開口遅れによって入口くぐり
を起こしたミス糸Ｙ₄ は緯糸導入ダクト１９の導入口近
傍でミス糸Ｙ₁ よりも下方に位置する。

【００２３】これら各ミス糸Ｙ_1,Ｙ_3,Ｙ₄ の位置は入口
くぐり検出器２８によって識別される。制御コンピュー
タＣ₁ は入口くぐり検出器２８からの識別情報に基づい
て入口くぐり発生回数ｎをカウントする。緯糸解舒開始
時期Ｔｐ，Ｔｍの初期化後、所定時間Ｈ₁ が経過する
と、制御コンピュータＣ₁ は入口くぐり発生回数ｎが所
定回数Ｎに達したか否かを判断する。入口くぐり発生回
数ｎが所定回数Ｎ₁ に達している場合には制御コンピュ
ータＣ₁ は緯糸解舒開始時期をＴｐ，Ｔｍから（Ｔｐ＋
Δｐ），（Ｔｍ＋ΔＴｍ）に変更設定する。この変更設
定によって制御コンピュータＣ₁ は電磁ソレノイド２の
励磁開始タイミングを（Ｔｐ＋ΔＴｐ）、電磁バルブＶ
₁ の励磁開始タイミングを（Ｔｍ＋ΔＴｍ）として緯入
れ制御する。このような緯入れ解舒開始時期の変更設定
によって緯入れ開始時期が遅らされ、緯糸の射出緯入れ
は以前よりも遅れて行われる。経糸開口はこの緯入れ開
始遅れ分だけ以前よりも大きく開いており、少数本の経
糸の開口遅れに起因する入口くぐりの発生は減少する。

【００２４】所定時間Ｈ₁ の間に入口くぐり発生回数ｎ
が所定回数Ｎに達していない場合、かつ緯糸解舒開始時
期Ｔｐ，Ｔｍを以前に早めたことがない場合、制御コン
ピュータＣ₁ は緯糸解舒開始時期をＴｐ，Ｔｍから（Ｔ
ｐ−ΔＴｐ），（Ｔｍ−ΔＴｍ）へ変更設定する。この
変更設定によって電磁ソレノイド２の励磁開始タイミン
グ及び電磁バルブＶ₁ の励磁開始タイミングが早められ
る。緯入れ開始時期を早めれば緯糸先端を緯入れ末端側
の所定位置に所定時期までに到達させる時間的余裕が増
え、緯入れ用メインノズル４及び緯入れ用補助ノズル群
５〜８における噴射圧を低減することができる。すなわ
ち、圧力エアの消費量を低減することができる。

【００２５】緯糸解舒開始時期Ｔｐ，Ｔｍの変更設定
後、制御コンピュータＣ₂ は圧力エア供給タンク１０，
１１における圧力Ｐｍ，Ｐｓを変更設定する。圧力Ｐ
ｍ，Ｐｓは緯入れ末端側の所定位置への緯糸先端到達時
期を左右する。又、制御コンピュータＣ₁ は電磁バルブ
Ｖ₂ 〜Ｖ₅ の励消磁タイミング〔Ａｓｉ，Ｂｓｉ〕を変
更設定する。Ａｓｉは電磁バルブＶｉ（ｉ＝２〜５）の
励磁開始タイミングを表し、Ｂｓｉは電磁バルブＶｉの
消磁タイミングを表す。

【００２６】以後、織機の運転が再開されるが、この再
開の際に初期化スイッチ２９のＯＮ操作を行わなければ
制御コンピュータＣ₁ は緯糸解舒開始時期（Ｔｐ＋ΔＴ
ｐ）又は（Ｔｐ−ΔＴｐ）、及び（Ｔｍ＋ΔＴｍ）又は
（Ｔｍ−ΔＴｍ）を用いる。所定時間Ｈ₁ 経過後に入口
くぐり発生回数ｎが所定値Ｎに達していない場合、かつ
以前に緯糸解舒開始時期Ｔｐ，Ｔｍを早めたことがある
場合、この変更設定によって入口くぐりが多発した場合
には緯糸解舒開始位置Ｔｐ，Ｔｍ、圧力Ｐｍ，Ｐｓ及び
励消磁タイミング〔Ａｓｉ，Ｂｓｉ〕の変更設定を行う
ことなく入口くぐり発生回数をリセットして再びカウン
トを開始する。

【００２７】以上のような緯入れ制御によって圧力エア
の浪費をもたらすことなく入口くぐり発生を抑制するこ
とができ、しかも入口くぐり発生状況に影響を与える経
糸種類に関係なく適正な緯入れ制御条件の設定が容易に
行なわれる。本発明はもちろん前記実施例にのみ限定さ
れるものではなく、例えば図６〜図８のフローチャート
で示す緯入れ制御プログラムの実施も可能である。この
実施例では入口くぐりが発生する毎に入口くぐり発生回
数ｎをカウントするとともに、緯糸解舒開始時期をＴ
ｐ，Ｔｍから（Ｔｐ＋ΔＴｐ），（Ｔｍ＋ΔＴｍ）に変
更し、さらに圧力Ｐｍ，Ｐｓ及び励消磁タイミング〔Ａ
ｓｉ，Ｂｓｉ〕を変更設定する。そして、待ち時間Ｈ₂
がリセットされる。

【００２８】入口くぐりが待ち時間Ｈ₂ の経過中に発生
しない場合には、以前に緯糸解舒開始時期Ｔｐ，Ｔｍを
早める方向へ変更したか否かに基づく設定値変更は前記
実施例と同様に行われる。この実施例における待ち時間
Ｈ₂ は前記実施例における所定時間Ｈ₁ よりも小さくし
てある。従って、緯入れ開始解舒時期の変更制御及び設
定圧力変更制御は前記実施例よりもきめ細かに行われる
ことになり、緯入れ制御はさらに精度良く行われる。

【００２９】図６〜図８に示す緯入れ制御は本来の製織
段階に移る前の試織段階に特に適しており、図９〜図１
４のフローチャートで示す緯入れ制御プログラムは試織
段階及び製織段階のいずれにも適するように前記両実施
例の緯入れ制御プログラムを組み合わせたものである。
すなわち、試織段階では図６〜図８の緯入れ制御プログ
ラムが用いられ、製織段階では図３〜図５の緯入れ制御
プログラムが用いられる。試織段階から製織段階への移
行は待ち時間Ｈ₂ の所定回のサイクル中連続して入口く
ぐりが発生しなかった場合に行われる。

【００３０】入口くぐり検出方式としては図１５に示す
実施例も可能である。この実施例では複数の緯糸飛走検
出器３４が織幅領域内に等間隔に配設されており、緯糸
先端の飛走タイミングがこれら緯糸飛走検出器３４によ
って検出される。図１６のグラフにおける曲線Ｄ₁ は正
常に緯入れされた場合の緯糸飛走状態を表し、曲線Ｄ₂
はエンドミス発生の場合の緯糸飛走状態を表す。曲線Ｄ
₃ は入口くぐり発生の場合の緯糸飛走状態を表す。曲線
Ｄ₁ ，Ｄ₂ ，Ｄ₃ で表されるこれら各緯糸飛走状態は緯
糸飛走検出器３４からの飛走検出情報に基づいて把握で
き、エンドミスと入口くぐりとの識別が可能である。

【００３１】さらに本発明はエアプール方式の緯糸測長
貯留装置を備えたジェットルームにも適用可能であり、
この場合の緯入れ開始時期規定手段はエアプールパイプ
と緯入れ用メインノズルとの間に介在された緯糸グリッ
パ及び緯入れ用メインノズルに接続された電磁バルブと
なる。

【００３２】

【発明の効果】 以上詳述したように本発明は、緯入れ
緯糸が開口された経糸のうち上側あるいは下側の１部経
糸の外方を通過して挿入された状態を検出する入口くぐ
り検出手段からの緯糸の入口くぐり検出情報に基づいて
緯入れ開始タイミングを遅くする方向に変更設定し得る
ようにしたので、入口くぐり発生という実際の緯入れミ
ス発生状況に即した緯入れ制御ができ、圧力エアの浪費
を抑制しつつ入口くぐり発生を防止し得るという優れた
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明を具体化した一実施例を示す緯入れ装
置と緯入れ制御回路との組合せ図である。

【図２】 エンドミス及び入口くぐり発生状態を表す要
部拡大正断面図である。

【図３】 第一実施例の緯入れ制御プログラムを表すフ
ローチャートである。

【図４】 第一実施例の緯入れ制御プログラムを表すフ
ローチャートである。

【図５】 第一実施例の緯入れ制御プログラムを表すフ
ローチャートである。

【図６】 緯入れ制御プログラムの第二の実施例を表す
フローチャートである。

【図７】 緯入れ制御プログラムの第二の実施例を表す
フローチャートである。

【図８】 緯入れ制御プログラムの第二の実施例を表す
フローチャートである。

【図９】 緯入れ制御プログラムの第三の実施例を表す
フローチャートである。

【図１０】 緯入れ制御プログラムの第三の実施例を表
すフローチャートである。

【図１１】 緯入れ制御プログラムの第三の実施例を表
すフローチャートである。

【図１２】 緯入れ制御プログラムの第三の実施例を表
すフローチャートである。

【図１３】 緯入れ制御プログラムの第三の実施例を表
すフローチャートである。

【図１４】 緯入れ制御プログラムの第三の実施例を表
すフローチャートである。

【図１５】 入口くぐり検出手段の別例を表す緯入れ制
御回路と緯入れ装置との組合せ図である。

【図１６】 緯糸飛走状態を表すグラフである。

【符号の説明】

２…緯入れ開始時期規定手段となる電磁ソレノイド、２
８…入口くぐり検出器、３４Ａ，３４Ｂ，３４Ｃ…入口
くぐり検出手段の別例となる緯糸飛走検出器、Ｖ₁ …緯
入れ開始時期規定手段となる電磁バルブ、Ｃ₁ …切り換
え駆動制御手段としての制御コンピュータ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 緯入れ用メインノズルの噴射作用によっ
   て緯糸を射出緯入れするジェットルームにおいて、 緯糸の射出緯入れを許容する状態と許容しない状態とに
   電気的に切り換えられる緯入れ開始時期規定手段と、緯入れ緯糸が開口された経糸のうち上側あるいは下側の
   １部経糸の外方を通過して挿入された状態を検出する 入
   口くぐり検出手段と、 設定された緯入れ開始タイミングに合わせて緯入れ開始
   時期規定手段を切り換え駆動する切り換え駆動制御手段
   とからなり、前記 入口くぐり検出手段からの緯糸の入口くぐり検出情
   報に基づいて緯入れ開始タイミングを遅くする方向に変
   更設定し得る機能を前記切り換え駆動制御手段に付与し
   たジェットルームにおける緯入れ制御装置。