JP2715591B2 - ジェットルームにおける給糸処理装置 - Google Patents

ジェットルームにおける給糸処理装置

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JP2715591B2
JP2715591B2 JP1228580A JP22858089A JP2715591B2 JP 2715591 B2 JP2715591 B2 JP 2715591B2 JP 1228580 A JP1228580 A JP 1228580A JP 22858089 A JP22858089 A JP 22858089A JP 2715591 B2 JP2715591 B2 JP 2715591B2
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雅彦 村田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、巻付方式の緯糸測長貯留装置と緯入れ用メ
インノズルとの間の緯糸切断という給糸ミス発生の場合
に緯糸測長貯留装置から引き出される緯糸先端部を緯入
れ用メインノズルへ挿入する装置に関するものである。
[従来の技術] この種の給糸処理装置が特開昭60−2749号公報、特開
昭64−40638号公報及び特開平1−92452号公報に開示さ
れている。特開昭60−2749号公報の従来装置では巻付方
式の緯糸測長貯留装置と緯入れ用メインノズルとの間に
案内ノズルが配設されていると共に、緯糸測長貯留装置
の糸巻付面の側方に案内吸引管が配設されており、糸巻
付面上の巻付残糸が案内吸引管内に吸引導入されて案内
ノズルへ挿入されるようになっている。
特開昭64−40638号公報の従来装置では糸巻付面上の
巻付残糸を機械的に把持し、この把持体を緯入れ用メイ
ンノズルの入口付近まで移動して把持糸を緯入れ用メイ
ンノズルへ挿入するようになっている。
特開平1−92452号公報の従来装置では緯糸測長貯留
装置と緯入れ用メインノズルとの間に糸送りノズルが配
設されており、糸送りノズルと緯糸測長貯留装置との間
には第1の誘導パイプが誘導位置と退避位置とに切換配
置可能に配設されていると共に、糸送りノズルと緯入れ
用メインノズルとの間には第2の誘導パイプが誘導位置
と退避位置とに切換配置可能に配設されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、特開昭60−2749号公報の従来装置では
緯糸測長貯留装置の糸巻付面上の残糸を引き出すために
案内吸引管を糸巻付面の近傍まで近付けなければならな
いが、案内吸引管の吸引作用だけでは糸巻付面上の巻付
残糸を引き出し排除するのは困難である。
特開昭64−40638号公報の従来装置では糸巻付面上の
巻付残糸を機械的に把持して緯入れ用メインノズルへ挿
入するための機構が非常に複雑であり、機構の複雑化に
伴って処理動作の長時間化も避けられない。
特開平1−92452号公報の従来装置では織機運転時の
通常の緯糸経路位置と給糸処理時の給糸経路位置とが略
同じであり、給糸経路を形成するために一対の誘導パイ
プを緯糸経路上に切換配置しなければならない。糸巻付
管から緯入れ用メインノズルの入口での給糸案内を確実
にするため、第1の誘導パイプ長は糸巻付管と糸送りノ
ズルとの間の緯糸経路長程度、第2の誘導パイプ長は糸
送りノズルと緯入れ用メインノズルとの間の緯糸経路長
程度にする必要があるが、切換配置される誘導パイプの
このような長大化は周辺機器の設置スペースに制約をも
たらし、給糸経路の形成は適切とはいえない。
本発明は機構の複雑化及び処理時間の長時間化を回避
し得る給糸処理装置を提供することを目的とするもので
ある。
[課題を解決するための手段] そのために発明では、緯糸測長貯留装置の糸巻付管か
ら引き出される緯糸を緯入れ用メインノズルへ導入する
通常の緯糸経路とは別に前記糸巻付管の出口よりも下流
側の所定位置で前記通常の緯糸経路側を開放するように
して移動不能に位置決め設定された給糸経路を持つ緯糸
移送手段と、緯糸測長貯留装置上の巻糸を排除して緯糸
移送手段へ受け渡す巻糸受け渡し手段と、緯糸移送手段
によって緯入れ用メインノズル側へ移送された緯糸の先
端部を切り揃える切断手段と、緯糸移送手段によって移
送された緯糸を前記給糸経路から前記通常の緯糸経路へ
移送案内する補助移送手段とにより給糸処理装置を構成
した。
[作用] 緯糸測長貯留装置と緯入れ用メインノズルとの間で糸
切れが生じた場合、緯糸測長貯留装置の糸巻付面上の巻
糸が巻糸受け渡し手段によって排除されると共に、緯糸
移送手段へと受け渡される。緯糸移送手段へ受け渡され
た給糸経路上を緯入れ用メインノズル側へ移送されると
共に、補助移送手段によって前記給糸経路上から緯入れ
用メインノズルに連なる通常の緯糸経路上へ移送案内さ
れる。緯入れ用メインノズルの入口へ移送案内される緯
糸の先端部は切断手段によって切り揃えられ、不要な緯
糸先端部を排除した状態で緯入れ用メインノズルへの挿
入が行われる。
[実施例] 以下、本発明を具体化した一実施例を図面に基づいて
説明する。
回転可能に支持された保持ブラケット1の基端部には
緯糸解舒用モータ2がギヤ機構を介して作動連結されて
おり、保持ブラケット1の先端に装着された緯糸チーズ
3が緯糸解舒用モータ2の作動によって緯糸解舒方向へ
回動するようになっている。
緯糸チーズ3の基端側周面の近傍には緯糸解舒用ブロ
ーノズル4が配設されており、図示しない圧力エア供給
タンクの圧力エアが二方弁型の電磁バルブV1を介して緯
糸解舒用ブローノズル4へ供給される。緯糸解舒用ブロ
ーノズル4の噴射軸線は緯糸チーズ3の基端側周面に向
けて緯糸チーズ3の軸線と略交差し、かつ緯糸チーズ3
の周面に対して浅い角度を成すように方向設定されてい
る。これにより緯糸解舒用ブローノズル4からの噴射エ
アは緯糸チーズ3の周面を基端側から先端側へ掃過して
いく。
緯糸チーズ3の前方には公知の巻付方式の緯糸測長貯
留装置5が設置されており、その糸巻付管5aが機台駆動
モータ(図示略)とは別のモータMにより回転駆動され
る。糸巻付管5aの回転に伴って糸巻付管5aから繰り出さ
れる緯糸はカバー6に支持された電磁ソレノイド7によ
って駆動される係止ピン7aの出没によって糸巻付面5bか
らの引き出しを制御される。糸巻付管5aに連通する緯糸
導入口5c側には緯糸導入ダクト8が取付けられており、
緯糸導入ダクト8の側部に設けられた導入口8aには透過
式光電センサからなる糸切れセンサ9が設置されてい
る。又、緯糸導入ダクト8には緯糸挿入用ブローノズル
10が緯糸導入口5cを指向するように接続されており、前
記圧力エア供給タンクの圧力エアが二方弁型の電磁バル
ブV2を介して緯糸挿入用ブローノズル10へ供給される。
緯糸挿入用ブローノズル10からの噴射空気流は緯糸測長
貯留装置5の導入口5cに連通する糸巻付管5aを経由して
スレイ(図示略)上の緯入れ用メインノズル11側まで到
達する。
緯糸チーズ3と緯糸測長貯留装置5との間には円錐形
状の緯糸案内管12が介在されており、その大径開口側が
緯糸チーズ3側に向けられていると共に、小径開口が緯
糸導入ダクト8の導入口8aに対向設定されている。これ
により緯糸解舒用ブローノズル4からの噴射空気流はほ
ぼ全て緯糸案内管12内へ導入され、緯糸案内管12内へ導
入された噴射空気流は緯糸導入ダクト8内へ導入され
る。
カバー6の上部内面には巻糸センサ13が糸巻付面5bと
対向するように設置されており、糸巻付面5b上の巻糸の
量が巻糸センサ13によって検出されるようになってい
る。カバー6の上部外面には正逆転可能なモータ14が設
置されており、その駆動軸には巻糸排除用アーム14aが
取付けられている。糸巻付面5bは複数の分割片から形成
されており、巻糸排除用アーム14aはカバー6上のスリ
ット6a及び分割片間の間隙を通って第1図の実線で示す
待機位置と鎖線位置との間を切換配置可能である。
カバー6の下部には巻糸排除部6bが凹設されており、
巻糸排除部6bの前側には給糸管15が配設接続されている
と共に、巻糸排除部6bの後側には移送用ブローノズル16
が給糸管15の入口を指向するように配設されている。移
送用ブローノズル16は電磁バルブV3を介して前記圧力エ
ア供給タンクに接続されている。
給糸管15の出口は緯入れ用メインノズル11の入口11a
の手前に対応する位置付近に設定されており、給糸管15
の上面にはスリット15aが入口から出口にかけて設けら
れている。給糸管15の前後中間部には糸ガイド形成体17
が立設支持されており、糸ガイド形成体17の上部には糸
ガイド孔17aが設けられていると共に、糸ガイド孔17aと
給糸管15のスリット15aとがスリット17bによって接続さ
れている。
給糸管15の出口の延長方向には直線状のダスト管18及
びアングル状のダスト管19が配設されており、ダスト管
19の出口の延長方向にはダストボックス20が設置されて
いる。ダスト管19のアングル部にはブローノズル21がダ
ストボックス20を指向するように配設されており、ブロ
ーノズル21は二方弁型の電磁バルブV4を介して前記圧力
エア供給タンクに接続されている。両ダスト管18,19と
の間にはカッター22が介在されており、カッター22はエ
アシリンダ23に作動連結されている。エアシリンダ23は
三方弁型の電磁バルブV5を介して圧力エア供給タンクに
接続されており、エアシリンダ23の出没動作によってカ
ッター22が切断動作を行なう。
給糸管15とダスト管18との間の間隙の下方にはエアシ
リンダ24が上向きに配設されており、その駆動ロッドの
先端には移送ガイド24aが取付けられている。エアシリ
ンダ24は三方弁型の電磁バルブV6を介して前記圧力エア
供給タンクに接続されている。移送ガイド24aはエアシ
リンダ24の出没作動によって第2図の待機位置と第6図
の鎖線で示す糸通し位置とに切換配置可能であり、移送
ガイド24aには糸受け凹部24bが設けられている。移送ガ
イド24aの側面にはリミットスイッチ式の緯糸検出器25
が設置されており、その検知レバー25aが給糸管15と移
送ガイド24aとの間に延設されていると共に、給糸管15
の配設方向に見て検知レバー25aが糸受け凹部24bの領域
と常には重合するように設定されている。
緯入れ用メインノズル11の入口11aには光電センサ型
の糸切れセンサ26が設置されており、緯入れ用メインノ
ズル11の先端上部には固定刃11bが緯入れ用メインノズ
ル11の先端から若干突出するように止着されている。緯
入れ用メインノズル11の直下にはブローノズル27が設置
されており、その噴射方向が緯入れ用メインノズル11の
噴射経路を指向するように設定されている。緯入れ用メ
インノズル11の直上には緯糸導入ダクト28が設置されて
おり、その導入口28aが緯入れ用メインノズル11の噴射
経路を挟んでブローノズル27の噴射口と対向する位置に
設定されていると共に、出口28bが緯入れ用メインノズ
ル11の後方を指向する位置に設定されている。出口28b
の後方にはエアガイド29が設置されており、エアガイド
29のテーパ状の内部通路には透過式の光電センサからな
る緯糸検出器30が取付けられている。エアガイド29の後
方には吸引パイプ31が設置されており、吸引パイプ31の
出口側は図示しないダストボックスに向けて湾曲されて
いると共に、この湾曲部にはブローノズル32がダストボ
ックスを指向するように接続されている。
緯入れ用メインノズル11、ブローノズル27、緯糸導入
ダクト28、エアガイド29及び吸引パイプ31はいずれもス
レイ上に装着されており、スレイの揺動に伴って一体的
に揺動する。これら各部材11,27,28,29,31の揺動領域の
後方には緯糸引取モータ33が設置されており、緯糸引取
モータ33に作動連結された駆動ローラ34の直上にはエア
シリンダ35が下向きに配設されている。その駆動ロッド
には被動ローラ36が駆動ローラ34に対向して回転可能に
支持されており、エアシリンダ35の突出作動により駆動
ローラ34に押接可能である。
緯入れ用メインノズル11及びブローノズル27,32はい
ずれも二方弁型の電磁バルブV7,V8,V9を介して前記圧力
エア供給タンクに接続されており、エアシリンダ35は三
方弁型の電磁バルブV10を介して圧力エア供給タンクに
接続されている。第7図に示すように各電磁バルブV1
V10、モータ2,14,33,M及び電磁ソレノイド7は織機制御
コンピュータとは別の制御コンピュータCの指令制御を
受ける。制御コンピュータCは糸切れセンサ9,26、緯糸
検出器25,30及び巻糸センサ13からの検出信号に応答し
て電磁バルブV1〜V10の開閉制御を行なうと共に、モー
タ2,14,33,M及び電磁ソレノイド7の制御を行なう。
第9図は給糸処理プログラムを示すフローチャートで
あり、以下、このフローチャートに従って給糸処理作業
を説明する。
第1,2図は織機運転時の緯糸Yの緯糸経路を表し、緯
糸Yは糸ガイド形成体17の糸ガイド孔17aを経由する。
緯糸チーズ3と緯入れ用メインノズル11との間で緯糸Y
が切断すると、糸切れセンサ9又は26がこの糸切れを検
出し、給糸ミス検出信号が制御コンピュータCに送られ
る。制御コンピュータCはこの給糸ミス検出信号に応答
して機台停止信号を織機制御コンピュータに送り、織機
制御コンピュータは機台停止指令を発する。これにより
スレイ上の緯入れ用メインノズル11が織布の織前位置付
近に停止する。機台停止後、織機制御用コンピュータは
所定量の機台逆転を指令し、緯入れ用メインノズル11が
揺動領域の最後退位置(糸通し位置)へ移動配置され
る。
制御コンピュータCは機台停止信号発信に続いて電磁
バルブV3,V4の開放を指令する。これによりブローノズ
ル16,21が噴射し、巻糸排除部6bから給糸管15を経由し
てダスト管18,19にわたる空気流が発生する。
緯糸測長貯留装置5と緯入れ用メインノズル11との間
で糸切れが生じた場合、糸切れセンサ9は緯糸有りを検
出し、制御コンピュータCはこの検出情報に基づいて巻
糸センサ13からの巻糸量検出情報に基づいてモータMの
作動遂行の選択を判断する。巻糸量が所定量に達してい
る場合には制御コンピュータCは電磁ソレノイド7の励
磁を指令し、巻糸量が所定量に達していない場合には制
御コンピュータCはモータMの作動を指令する。モータ
Mの回転により糸巻付管5aが回転し、糸巻付面5b上に緯
糸が巻かれる。この巻糸量が所定量に達すると制御コン
ピュータCはモータMの作動停止を指令すると共に、電
磁ソレノイド7の励磁を指令し、係止ピン7aが糸巻付面
5bから離間する。
係止ピン7aが糸巻付面5bから離間した後、制御コンピ
ュータCはモータ14の正逆作動を指令し、巻糸排除用ア
ーム14aが第1図の実線で示す待機位置から鎖線で示す
位置へ回動すると共に、待機位置へ復帰する。これによ
り糸巻付面5b上の巻糸が糸巻付面5bから巻糸排除部6b上
に排除される。巻糸排除部6b上に排除された緯糸Y1は移
送用ブローノズル16からの噴射流によって給糸管15内へ
吹き入れられ、緯糸Y1の先端部が給糸管15内の空気流に
よってダスト管18,19内へ導入される。
次いで、制御コンピュータCは電磁バルブV6の開放を
指令し、第6図に示すように移送ガイド24aが実線で示
す待機位置から鎖線で示す糸通し位置へ上動配置され
る。ブローノズル21の噴射作用によってダストボックス
20側へ引っ張られている緯糸Y1は移送ガイド24aの上動
によって糸受け凹部24b上に乗り、緯糸検出器25の検知
レバー25aがON方向へ回動する。制御コンピュータCは
このON信号に応答して電磁バルブV7の開放を指令し、緯
入れ用メインノズル11が噴射する。これにより緯入れ用
メインノズル11の入口11aには吸引流が生じ、入口11aの
近傍に配置された移送ガイド24a上の緯糸Y1が緯入れ用
メインノズル11の作用を受ける。
制御コンピュータCは前記ON信号に応答して電磁バル
ブV5の開閉を指令し、カッター22が切断動作を行なう。
この切断動作により緯糸Y1の先端部が切り揃えられると
共に、ブローノズル21の噴射作用から解放され、切り揃
えられた緯糸Y1の先端部が緯入れ用メインノズル11の吸
引作用によって緯入れ用メインノズル11内へ吸引導入さ
れる。緯入れ用メインノズル11内へ導入された緯糸Y1
緯入れ用メインノズル11から吹き出し、緯入れ用メイン
ノズル11の強力な吹き出し力によって緯糸Y1に付与され
る張力によって緯糸Y1が給糸管15からスリット15aを通
って糸ガイド孔17aへ移行する。
巻糸排除部6bからダスト管19への移送に失敗したよう
な場合には緯糸検出器25はONせず、制御コンピュータC
には緯糸検出器25のON信号が入力しない。これにより制
御コンピュータCは緯糸移送失敗と判定し、電磁バルブ
V6の閉成及び電磁ソレノイド7の消磁を指令する。これ
により移送ガイド24aが待機位置へ復帰し、係止ピン7a
が糸巻付面5bに係合する。そして、制御コンピュータC
は糸通し失敗回数が設定回数Nに達しない場合には緯糸
測長貯留装置5上における予備巻から以後の処理動作を
再び遂行し、糸通し失敗回数が設定回数Nに達した場合
には警報装置37の警報を指令する。
制御コンピュータCは糸通し失敗回数が設定回数Nに
達した場合には警報装置37の警報を指令するが、巻糸排
除用アーム14aの排除動作が糸巻付面5bからの巻糸排除
の確実性を高める。又、巻糸排除部6b上へ排除された緯
糸Y1は移送用ブローノズル16の噴射作用によって給糸管
15内を移送されるが、緯糸Y1が密集状態で給糸管15内を
通過してゆくためにスリット15aからの飛び出しがな
く、巻糸排除部6bからダスト管19への緯糸移送の成功率
は極めて高い。従って、緯入れ用メインノズル11への糸
通し成功の前提となる巻糸の排除及び緯入れ用メインノ
ズル11側への移送が電磁ソレノイド7の励磁、モータ14
の正逆作動及び電磁バルブV3の開放という比較的簡単な
制御によって達成される。
給糸管15からダスト管19へ通された緯糸Y1は移送ガイ
ド24aによって緯入れ用メインノズル11の入口11aの近傍
まで案内されるが、ブローノズル21の噴射作用を受けつ
つ入口11aの近傍へ案内される緯糸Y1は最適の糸通し位
置へ確実に移送配置される。最適の糸通し位置へ移送配
置された緯糸Y1はカッター22によって所定長に切り揃え
られ、緯糸Y1の余分な先端部がダストボックス20へ排出
される。従って、緯入れ用メインノズル11への緯糸Y1
挿入の確実性は高く、移送ガイド24aによる移送作用及
びカッター22による切断が給糸管15内の効率のよい搬送
作用とあいまって緯入れ用メインノズル11への糸通しの
確実性を保障する。
このような糸通しの確実性を高める移送ガイド24a及
びカッター22の駆動はエアシリンダ24,23という最も単
純なリニアアクチュエータであり、機構の簡素化及び駆
動制御の簡素化が容易である。このような簡素化によっ
て駆動の確実性及び処理時間の短縮化を図ることができ
る。
通常運転時の緯入れ用メインノズル11の噴射作用によ
って緯糸測長貯留装置5から引き出される緯糸は糸ガイ
ド孔17aを通過してゆくが、巻糸の解舒作用によって緯
糸は糸ガイド孔17a内で引き出し解舒方向(第4図にお
いて左回り)へ旋回する。しかしながら、第4図に示す
ように糸ガイド孔17aとスリット17bとの接続部における
左右の角部の高さ位置に差を持たせることによって糸ガ
イド孔17aからスリット17bへの糸抜けが防止される。従
って、糸ガイド孔17aは、バルーニングを抑制して緯糸
測長貯留装置5と緯入れ用メインノズル11との間の緯糸
経路上の緯糸と、給糸経路を構成する給糸管15との干渉
を防止し、糸ガイド孔17aの存在によって給糸経路の設
定が容易となる。このような容易化をもたらす糸ガイド
孔17aは定位置にあるが、スリット17bの存在によって給
糸管15内と糸ガイド孔17aとの間の糸移動が緯入れ用メ
インノズル11の噴射作用によって行われる。即ち、特別
の移動機構を用いることなく給糸経路から通常の緯糸経
路への緯糸の切換配置が簡単に行われ、機構の複雑化を
回避しつつ給糸処理のための適正な給糸経路の設定が達
成される。
緯入れ用メインノズル11内へ導入された緯糸Y1の先端
部は緯入れ用メインノズル11から吹き出されるが、電磁
バルブV7の開放によるブローノズル27の噴射作用により
緯糸導入ダクト28の導入口28a内へ強制挿入される。そ
して、緯糸Y1の先端部は緯糸導入ダクト28の出口28bか
らエアガイド29に向けて吹き出され、エアガイド29を通
って吸引パイプ31内へ吹き入れられ、電磁バルブV9の開
放によるブローノズル32の噴射作用へと受け渡される。
緯糸Y1の先端部が吸引パイプ31内の緯糸検出器30の位
置まで到達した場合、制御コンピュータCは緯糸検出器
30からの緯糸有検出情報に基づいて以後の給糸ミス処理
を引き続き行なう。緯入れ用メインノズル11への糸通し
に失敗したような場合には緯糸Y1の先端部は緯糸検出器
30の位置まで到達しないが、制御コンピュータCは緯糸
検出器30からの緯糸有検出情報を設定時間以内に得られ
ない場合には電磁バルブV4,V7,V8,V9の閉成及び電磁ソ
レノイド7の消磁を指令し、緯入れ用メインノズル11及
びブローノズル21,27,32の噴射が停止すると共に、係止
ピン7aが糸巻付面5bに係合する。そして、制御コンピュ
ータCは警報装置37の警報を指令する。
吸引パイプ31までの糸通しに成功した場合、制御コン
ピュータCは緯糸検出器30からの緯糸有検出情報に基づ
いて電磁バルブV4,V7,V8の閉成及び電磁ソレノイド7の
消磁を指令し、緯入れ用メインノズル11及びブローノズ
ル21,27からの噴射が停止すると共に、係止ピン7aが糸
巻付面5bに係合する。次いで、電磁バルブV10の開放を
指令し、エアシリンダ35が突出作動する。これにより被
動ローラ36が駆動ローラ34に接合し、緯糸Y1が両ローラ
34,36間に把持される。
両ローラ34,36の接合後、制御コンピュータCはモー
タMの作動を指令し、糸巻付管5aが回転する。これによ
り緯糸測長貯留装置5の糸巻付面5b上に緯糸Yが巻付け
られてゆき、その予備巻量が所定量に達すると制御コン
ピュータCは巻糸センサ13からの予備巻情報に基づいて
モータMの作動停止を指令する。この予備巻後、制御コ
ンピュータCは緯糸引取モータ33の作動を指令する。こ
れにより緯糸Y1が両ローラ34,36によって引き取られ、
この引き取り張力によって緯糸Y1が緯入れ用メインノズ
ル11上の固定刃11bによって切断分離される。この切断
片は両ローラ34,36によって引き取られると共に、ブロ
ーノズル32により図示しないダストボックスへと排出さ
れる。
緯糸Y1の切断片がすべてエアガイド29を通過すると、
緯糸検出器30が緯糸無を検出し、これに応じて制御コン
ピュータCが緯糸引取モータ33の作動停止を指令すると
共に、電磁バルブV10の閉成を指令する。これにより緯
糸引取モータ33の作動が停止し、エアシリンダ35が没入
作動して被動ローラ36が駆動ローラ34から離間する。次
いで、制御コンピュータCは電磁バルブV9の閉成を指令
し、ブローノズル32からのエア噴射が停止する。以後、
機台が起動位置へ回転移行し、機台再起動に備える。
緯糸チーズ3と緯糸測長貯留装置5との間で糸切れが
生じた場合、糸切れセンサ9が緯糸無しを検出し、制御
コンピュータCはこの検出情報に基づいて緯糸チーズ3
からの緯糸先端部の引き出し及び緯糸測長貯留装置5へ
の糸通しのプログラムを遂行する。即ち、電磁バルブ
V1,V2,V3を開放してブローノズル4,10を噴射すると共
に、緯糸解舒用モータ2を作動して緯糸チーズ3を回転
させる。これにより緯糸チーズ3上の緯糸先端部が緯糸
チーズ3の周面から緯糸案内管12内へ向けて引き剥がさ
れ、緯糸挿入用ブローノズル10からの噴射により緯糸測
長貯留装置5の導入口5cへ挿入される。導入口5cへ挿入
された緯糸先端部は糸巻付管5aから吹き出すが、緯糸チ
ーズ3の周面からの緯糸先端部の引き剥がしに失敗した
ような場合には糸切れセンサ9が緯糸有を検出すること
はない。糸切れセンサ9が設定時間内に緯糸有を検出し
なかった場合には制御コンピュータCは緯糸解舒用モー
タ2の作動停止及び電磁バルブV1,V2,V3,V4の閉成を指
令し、緯糸チーズ3の回転が停止すると共に、ブローノ
ズル4,10,16,21の噴射が停止する。そして、制御コンピ
ュータCは警報装置37の警報を指令する。
緯糸測長貯留装置5への糸通しに成功した場合、制御
コンピュータCは緯糸解舒用モータ2の作動停止及び電
磁バルブV1の閉成を指令し、次いでモータMの作動を指
令する。緯糸測長貯留装置5に通された緯糸はブローノ
ズル10の噴射作用によって糸巻付管5aから吹き出し、こ
の吹き出し状態で糸巻付面5b上に巻き付けられる。巻糸
量が所定量に達すると制御コンピュータCは電磁バルブ
V2の開放を指令し、前記と同様に巻糸排除動作以後の給
糸処理を遂行する。
本発明は勿論前記実施例にのみ限定されるものではな
く、例えば第10〜13図に示す実施例も可能である。
第10図の実施例では給糸管15が緯糸測長貯留装置5及
び緯入れ用メインノズル11よりも上方に配設されてお
り、巻糸排除用アーム14aが実線で示す待機位置と鎖線
で示す受け渡し位置との間で切換配置可能となってい
る。従って、糸巻付面5b上の巻糸が巻糸排除用アーム14
aによって給糸管15内の移送用ブローノズル16の噴射作
用へと直接受け渡され、給糸管15内における緯糸移送が
確実である。
又、ダクト管18,19内へ導入された緯糸を緯入れ用メ
インノズル11の入口11aへ案内する補助移送手段がモー
タ38及び移送アーム38aによって構成されており、移送
アーム38aの先端部の糸引掛け部38bが緯入れ用メインノ
ズル11の入口11a内へ進入可能となっている。従って、
緯入れ用メインノズル11への糸通しが一層確実となる。
第11図の実施例では補助移送手段としてスリット39a
付きのノズル39が用いられており、ノズル39は電磁バル
ブV1を介して圧力エア供給タンクに接続されている。緯
入れ用メインノズル11の入口11aの近傍に配置されたノ
ズル39の噴射口39bは入口11aを指向し、ノズル394内に
通された緯糸Y1がノズル39の噴射によって緯入れ用メイ
ンノズル11内へ確実に挿入される。
又、ダスト管18の入口に固定刃40を取付けておけばノ
ズル39の噴射作用による糸張力によって緯糸Y1が固定刃
40によって切断され、機構が一層簡素となる。
第12,13図の実施例ではモータ41によって周回駆動さ
れる無端状のベルト42上に緯糸移送アーム43が取付けら
れており、緯糸測長貯留装置5のカバー6の上部には巻
糸排除用ブローノズル44が糸巻付面5bを指向するように
配設されていると共に、カバー6の下部には誘導パイプ
45が配設されている。誘導パイプ45の出口の直下には吸
引パイプ46が対向配設されており、吸引パイプ46はブロ
ワ47に接続されている。誘導パイプ45の出口と吸引パイ
プ46の入口とは緯糸移送アーム43の糸引掛部43aの周回
軌跡を挟む位置に設定されている。糸巻付面5b上の巻糸
は巻糸排除用ブローノズル44の噴射作用によって誘導パ
イプ45に向けて排除され、誘導パイプ45へ排除された緯
糸Y1はブロワ47の作動によって吸引パイプ46内へ吸引導
入される。そして、モータ41の作動によって周回する糸
引掛部43aが緯糸Y1を引っ掛けてダクト管18,19側へ移送
し、、緯糸Y1がダクト管18,19側の吸引作用へと受け渡
される。なお、糸ガイド48は下側開放となっている。
ブローノズル44の噴射作用によって巻糸排除を行なう
構成は機械的な排除機構よりも更に簡素であり、ベルト
駆動による緯糸移送は噴射エア方式よりも一層確実であ
る。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明は、巻糸受け渡し手段によ
って緯糸測長貯留装置上の巻糸を排除して緯糸移送手段
へ受け渡し、緯糸移送手段によって緯入れ用メインノズ
ル側へ移送された緯糸の先端部を切り揃えると共に、補
助移送手段によって緯糸を緯入れ用メインノズルの入口
へ移送案内するようにしたので、緯糸測長貯留装置側か
ら緯入れ用メインノズル側への緯糸移送が確実となるば
かりでなく、特に、緯糸移送手段はその給糸経路が予め
設定された一定位置から変位しないので、給糸経路が変
位する緯糸移送手段を備える場合と異なり、当該給糸経
路を変位させるための機構や変位のための許容スペース
を設ける必要がなく、給糸処理時間の短縮に繋がる機構
の簡素化及び動作の簡素化を図りつつ適正な給糸経路を
設定し得るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1〜9図は本発明を具体化した一実施例を示し、第1
図は織機運転時の緯糸案内状態を示す平断面図、第2図
は第1図と同一状態の側断面図、第3図は第2図のA−
A線拡大断面図、第4図は第2図のB−B線拡大断面
図、第5図は糸巻付面から巻糸を排除した状態を示す側
断面図、第6図は給糸経路に沿って緯糸を移送した状態
を示す側断面図、第7図は緯糸先端部を引き取りローラ
対の接合位置まで通した状態を示す側断面図、第8図は
ブロック図、第9図(a)〜(e)は給糸処理プログラ
ムを示すフローチャート、第10図は別例を示す側断面
図、第11図は別例を示す要部拡大側断面図、第12,13図
はさらに別例を示し、第12図は平断面図、第13図は側断
面図である。 巻糸受け渡し手段を構成するモータ14及び巻糸排除用ア
ーム14a、緯糸移送手段を構成する給糸管15及び移送用
ブローノズル16、切断手段としてのカッター22、補助移
送手段を構成するエアシリンダ24及び移送ガイド24a、
緯糸Y1

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緯糸チーズから引き出される緯糸を巻付方
    式の緯糸測長貯留装置にて測長貯留すると共に、この測
    長貯留された緯糸を緯入れ用メインノズルから射出緯入
    れするジェットルームにおいて、 緯糸測長貯留装置の糸巻付管から引き出される緯糸を緯
    入れ用メインノズルへ導入する通常の緯糸経路とは別に
    前記糸巻付管の出口よりも下流側の所定位置で前記通常
    の緯糸経路側を開放するようにして移動不能に位置決め
    設定された給糸経路を持つ緯糸移送手段と、 緯糸測長貯留装置上の巻糸を排除して緯糸移送手段へ受
    け渡す巻糸受け渡し手段と、 緯糸移送手段によって緯入れ用メインノズル側へ移送さ
    れた緯糸の先端部を切り揃える切断手段と、 緯糸移送手段によって移送された緯糸を前記給糸経路か
    ら前記通常の緯糸経路へ移送案内する補助移送手段とに
    より構成したジェットルームにおける給糸処理装置。
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