JP2587284B2 - ハロゲン化銀写真感光材料及びその製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (従来の技術) ハロゲン化銀結晶粒子が可視光および紫外光あるいは
β線、中性子線、γ線などの放射線の照射により潜像を
形成し、更にこれを現像することにより可視像を形成す
るのに有用であることは写真の分野においては公知であ
る。このようなハロゲン化銀としては沃化銀、臭化銀、
塩化銀、沃臭化銀、沃塩化銀、塩臭化銀あるいは沃塩臭
化銀を主体とした様々なハロゲン化銀結晶粒子が使用さ
れている。またこれらハロゲン化銀結晶粒子の形状とし
ても立方体、八面体、十四面体、十二面体のようなレギ
ユラー結晶粒子から、球状、平板状、不定形状などのイ
レギユラー結晶粒子、また粒子内に層状構造や接合構造
を有する多層構造の結晶粒子まで知られている。このよ
うな、粒子のハロゲン組成や形状あるいは構造がハロゲ
ン化銀粒子の諸性質に大きく関与していることはT.H.ジ
エームス(James)著の「ザ・セオリー・オブ・ザ・フ
オトグラフイツク・プロセス」(The Theory of the Ph
otographic Process)第4版マクミラン社、ニユーヨー
ク(Macmillan Co.Ltd.New York)の第1章、第3章の
ハロゲン化銀の性質に関する既述、第3章のハロゲン化
銀の形成に関する記述等から明らかであるばかりでな
く、当業者においても周知のことである。
ハロゲン化銀乳剤のハロゲン組成や粒子の形状、また
粒子サイズや粒子サイズ分布は、その乳剤を用いる写真
感光材料の使用される用途や附与すべき性能により適切
なものが選択・調製される。しかしながら必要とされる
性能を十分に満足するハロゲン化銀粒子を常に得られる
わけではなく、いかにして目的とする性能を十分に満足
し得る乳剤を得るかは、当業者の関心の一致するところ
である。
例えば写真性能に関しては高い感度、低いカブリ、優
れた粒状性、豊富な階調等が期待され、処理性能につい
ては迅速性や安定性が期待され、更には経時安定性や耐
圧力性に優れていることが期待される。
これらの各種のハロゲン化銀の特徴を利用する数多く
の技術が知られている。ハロゲン化銀粒子のコア−シエ
ルの層状構造に関する多くの記載が各種の文献中に存在
する。典型的には、コアはその全表面を異なつたハロゲ
ン化銀の一つまたはそれ以上のシエルで被覆されてい
る。特公昭56-18939号にはコアに臭化銀、シエルに塩化
銀を有する乳剤が臭化銀の高い感光性と塩化銀の急速な
現像性を合わせもつが、混晶型塩臭化銀乳剤では両者の
有利な作用が抑制されると記述されている。また西独国
特許出願公開(OLS)公報3,229,999号には少くとも25モ
ル%の塩化銀含量を有するハロゲン化銀層にこれより塩
化銀含量の少ないハロゲン化銀層を隣接させて生成させ
たコア−シエルハロゲン化銀粒子においてカブリが少な
くかつ圧力性が良好であるという特徴が得られることが
開示されている。
一方、コア−シエル構造と異なる構造を有するハロゲ
ン化銀結晶粒子についてもいくつかの技術が知られてい
る。すなわち米国特許4,094,684号には多面体ヨウ化銀
に塩化銀をエピタキシヤル成長させたハロゲン化銀粒子
を含む乳剤について開示されている。さらに、米国特許
4142900号においては、多面体沃化銀に対して塩臭化銀
を接合させたハロゲン化銀粒子が開示されている。また
アスペクト比8:1より大きな平板状の沃化銀のホスト粒
子に塩化銀をエピタキシヤル成長させた写真乳剤および
その乳剤を用いた写真要素が特開昭59-119344号および
特開昭59-119350号に開示されている。
さらに沃化銀多面体結晶に臭化銀もしくは沃臭化銀を
エピタキシヤル接合させた粒子が特開昭55-163532号
に、また沃化銀多面体結晶に塩沃臭化銀をエピタキシヤ
ル接合させた粒子が特開昭55-149934号に、沃化銀多面
体結晶に(111)面からなる臭化銀または沃臭化銀をエ
ピタキシヤル接合させた粒子の製造方法が特開昭56-271
34号に開示されている。
特開昭55胃ー161229号には、沃化銀含有率15〜40モル
%の沃臭化銀に沃化銀含有率10モル%以下のハロゲン化
銀をエピタキシヤルに接合させた粒子が開示されてい
る。
ホスト粒子のアスペクト比が8:1より大である平板状
のハロゲン化粒子の選ばれた表面部位上に銀塩が配され
ていることを特徴とする粒子が特開昭58-108526号に開
示されている。
さらに、ホスト粒子が(111)面を含むアスペクト比
8:1未満の沃化物を含むハロゲン化銀粒子に、ホスト粒
子より沃化物の少いゲスト結晶をホスト粒子の部位を限
定してエピタキシヤル成長させたハロゲン化銀写真乳剤
が、米国特許4463087号に開示されており、その際接合
箇所の選択性を高める目的で部位指示剤として増感色素
を用いることができることも示されている。
米国特許4471050号では面心立方型結晶構造のハロゲ
ン化銀ホスト粒子とそのホスト粒子のエツジやコーナー
に限定して成長した非同形銀塩から成る乳剤について開
示されている。
更にまた、特公昭58-24772号では、突起状の接合では
ないが沃化銀含有率20モル%以下の沃臭化銀十四面体粒
子の(111)面表面に塩化銀または塩臭化銀を成長させ
た立方体粒子が開示されている。
これらのエピタキシ接合により形成されたハロゲン化
銀粒子は、ホスト粒子及びゲスト粒子の特徴を併せ持つ
ことができ、種々の特徴を有する。たとえば高感度化、
粒状性の改良、カバリングパワーの向上、現像処理性の
改良等に有効である。しかしながら、これらの粒子に
は、下記のような粒子内のハライドの微視的な不均一分
布が存在しており、潜像形成効率の低下をもたらしてい
ることが判明し、これを改善することが必要である。
一般的にハロゲン化銀粒子は、反応容器の中のコロイ
ド水溶液において、銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液とを
反応させることにより製造される。反応容器中にゼラチ
ンのような保護コロイド及びハロゲン塩水溶液を入れ、
攪拌しながら、これに銀塩水溶液をある時間添加するシ
ングルジエツト法や、反応容器中にゼラチン水溶液を入
れ、ハロゲン塩水溶液と銀塩水溶液とをそれぞれある時
間添加するダブルジエツト法が知られている。両者を比
較すると、ダブルジエツト法の方が粒子径分布の狭いハ
ロゲン化銀粒子が得られ、さらに粒子の成長に伴つて、
そのハライド組成を自由に変えることができる。
また、ハロゲン化銀粒子の成長速度は、反応溶液中の
銀イオン(ハロゲンイオン)濃度、ハロゲン化銀溶剤の
濃度、粒子間距離、粒子サイズなどにより大きく変化す
ることが知られている。特に反応容器に添加される銀塩
水溶液とハロゲン塩水溶液によつてつくり出される銀イ
オンあるいはハロゲンイオン濃度の不均一は、各々の濃
度により成長速度が異なり、結果として出き上るハロゲ
ン化銀乳剤に不均一に生ぜしめる。この為には、反応容
器中の銀イオンあるいはハロゲンイオン濃度を均一にす
べく、コロイド水溶液中に供給する銀塩水溶液とハロゲ
ン塩水溶液とを迅速に均一混合して反応させることが必
要である。従来のハロゲン塩水溶液と銀塩水溶液とを反
応容器中のコロイド水溶液の表面に添加する方法では、
各々の反応液の添加位置近傍において、ハロゲンイオン
及び銀イオンの濃度の高い部分が生じ、均一なハロゲン
化銀粒子を製造することは困難であつた。この局部的な
濃度のかたよりを改善する方法として、米国特許341565
0、英国特許1323464、米国特許3692283に開示された技
術等が知られている。これらの方法は、コロイド水溶液
により満たされた反応容器に中太状円筒の壁にスリット
を有する中空の回転する混合器(内部はコロイド水溶液
で満されており、より好ましくは混合器がデイスクによ
つて上下2室に分割されている。)を、その回転軸が鉛
直となるように設け、その上下の開放端からハロゲン塩
水溶液と銀塩水溶液とを供給管を通じて高速回転してい
る混合器内に供給し急速に混合して反応せしめ(上下の
分離デイスクがある場合は、上下2室に供給されたハロ
ゲン塩水溶液と銀塩水溶液は各々各室に満たされたコロ
イド水溶液によつて稀釈され、混合器の出口スリツト付
近で急速に混合して反応せしめ)、混合器の回転により
生ずる遠心力で生成したハロゲン化銀粒子を反応容器中
のコロイド水溶液に排出せしめ成長させる方法である。
一方、特公昭55-10545に、局部的な濃度のかたよりを
改良して不均一な成長を防ごうとする技術が開示されて
いる。この方法は、コロイド水溶液が満たされている反
応器中に、その内部にコロイド水溶液満された混合器の
その開放された下端部から、ハロゲン塩水溶液と銀塩水
溶液とを供給管を通じて、別々に供給し、該反応液を、
混合器に設けられた下部攪拌翼(タービン羽根)によつ
て両反応液を急激に攪拌混合せしめハロゲン化銀を成長
させ、ただちに前記攪拌翼の上方に設けられた上部攪拌
翼により成長したハロゲン化銀粒子を、上方の混合器の
開口部から反応容器中のコロイド水溶液に排出せしめる
技術である。
特開昭57-92523には、同様にこの濃度の不均一を改良
しようとする製造法が開示されている。この方法では、
コロイド水溶液が満たされている反応容器内にその内部
にコロイド水溶液が満たされた混合器に、その開放され
た下端部からハロゲン塩水溶液と銀塩水溶液とを別々に
供給し、該両反応液を前記コロイド水溶液により稀釈し
該反応液を、混合器に設けられた下部攪拌翼によつて両
反応液を急激に攪拌混合せしめ、ただちに該混合器上方
の開放部から成長したハロゲン化銀粒子を反応容器中の
コロイド水溶液に排出せしめる製造法ないし装置におい
て前記コロイド水溶液で稀釈された両反応液を前記攪拌
翼の各翼間の間隙を通すことなく前記混合器の内側壁と
前記攪拌翼の翼片先端部外方に形成された間隙部に通
し、該間隙部において該両反応液を急激に剪断混合して
反応、ハロゲン化銀粒子を生成せしめる製造法及び装置
が開示されている。
しかしながら、これまで述べてきた製造法及び装置で
は、確かに反応容器中の銀イオン及びハロゲンの局部的
な濃度の不均一は完全に解消することはできるが、混合
器内においては依然としてこの濃度の不均一は存在し、
特に銀塩水溶液及びハロゲン塩水溶液を供給するノズル
の近傍及び攪拌翼の下部及び攪拌部分においてかなり大
きな濃度分布が存在する。さらに保護コロイドと共に混
合器に供給されたハロゲン化銀粒子は、このような不均
一な濃度分布をもつた場所を通過し、特に大切なこと
は、ハロゲン化銀粒子は、これらの部分において急速に
成長する。つまりこれらの製造法及び装置においては、
濃度分布は混合器内に存在し、粒子成長はその混合器内
で急速に起る為、濃度分布のない状態でハロゲン化銀を
均一に成長せしめるという目的は達し得ていない。
さらにより完全な混合によるこれらの銀イオン、ハロ
ゲンイオンの濃度の不均一分布を解消すべく、反応容器
と混合器をそれぞれ独立せしめ、混合器に銀塩水溶液と
ハロゲン塩水溶液を供給し急速混合してハロゲン化銀粒
子を成長せしめる試みがなされてきた。例えば特開昭53
-37414及び特公昭48-21045には、反応容器の底からポン
プにより反応容器内の保護コロイド水溶液(ハロゲン化
銀粒子を含む)を循環し、この循環系の途中に混合器を
設け、この混合器に銀塩水溶液及びハロゲン水溶液を供
給し、該混合器で急速に該両水溶液を混合しハロゲン化
銀粒子を成長せしめる製造法及び装置が開示されてい
る。また米国特許3897935号には、反応容器の底からポ
ンプにより反応容器内の保護コロイド水溶液(ハロゲン
化銀粒子を含む)を循環し、この循環系の途中にハロゲ
ン塩水溶液及び銀塩水溶液をポンプにより注入する方法
が開示されている。特開昭53-47397には、反応容器から
ポンプにより反応容器内の保護コロイド水溶液(ハロゲ
ン化銀乳剤を含む)を循環させ、その循環系にまずハロ
ゲン化銀アルカリ金属塩水溶液を注入しそれが均一にな
るまで拡散させしかる後に、この系に銀塩水溶液を注入
し混合して、ハロゲン化銀粒子を形成することを特徴と
する製造法及び装置が開示されている。これ等の方法で
は確かに、循環系に流す反応容器内の水溶液の流量と混
合器の攪拌効率を独立に変化させることができ、より濃
度分布が均一な条件で粒子成長を行うことができるであ
ろうが、結局、保護コロイド水溶液と共に反応容器から
送られてきたハロゲン化銀結晶は銀塩水溶液、ハロゲン
塩水溶液の注入口で急速成長を起す。従つて前に述べた
と同様に混合部あるいは注入口付近の濃度分布を無くす
ることは原理的に不可能であり、つまり濃度分布のない
状態でハロゲン化銀を均一に成長せしめる目的は達し得
ない。
これらの問題を解決するべく本願発明者は特願昭63-7
851号、同63-7852号、同63-7853号、同63-194861号、同
63-194862号及び同63-195778号に於てハロゲン化銀粒子
内のハロゲン分布が完全に均一なハロゲン化銀粒子及び
それを用いた感光材料を開示した。
(発明の目的) ハロゲン化銀ホスト粒子と該ホスト粒子の選択部位上
にエピタキシ接合して形成されているハロゲン化銀ゲス
トからなるハロゲン化銀粒子において該ホスト粒子の微
視的なハライド分布を完全に均一でかつ粒子間のハライ
ド分布が均一にすることにより又粒子内及び粒子間の還
元銀を均一にすることにより、カブリが低く感度が高
く、かつ粒状性、シヤープネス、カバリングパワーが改
良され、また優れた保存性、圧力性を有するハロゲン化
銀写真材料及びその製造法を提供することにある。
(発明の開示) 本発明の目的は下記によつて達成された。すなわち 1) 支持体上に少くとも1層のハロゲン化銀乳剤層を
有するハロゲン化銀写真感光材料において、該ハロゲン
化銀乳剤層の感光性ハロゲン化銀粒子がハロゲン化銀ホ
スト粒子と該ホスト粒子の選択部位上にエピタキシ接合
して形成されているハロゲン化銀ゲストとから成つてお
り、該ハロゲン化銀ホスト粒子のハロゲン組成分布が完
全に均一であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料。
2) ハロゲン化銀ホスト粒子が、該粒子の核形成及び
/又は成長を起させる反応容器中に、あらかじめ調製し
た粒径0.1μm以下の微細なサイズのハロゲン化銀粒子
を添加し、一旦溶解させ消失させた後核形成及び/又は
結晶成長させることにより得られる感光性ハロゲン化銀
粒子であることを特徴とする前記(1)のハロゲン化銀
写真感光材料。
3) ハロゲン化銀ホスト粒子が該粒子の核形成及び/
又は成長を起させる反応容器の外に設けられた混合器に
おいて、水溶性銀塩の水溶液及び水溶性ハライドの水溶
液を混合して形成された粒径0.1μm以下のハロゲン化
銀微細粒子を形成後ただちに該反応容器中に供給し、一
旦溶解させ消失させた後核形成及び/又は結晶成長させ
ることにより、得られる感光性ハロゲン化銀粒子である
ことを特徴とする前記(1)のハロゲン化銀写真感光材
料。
4) 支持体上に少くとも1層のハロゲン化銀乳剤層を
有するハロゲン化銀写真感光材料の製造方法において、
該ハロゲン化銀乳剤層の感光性ハロゲン化銀粒子がハロ
ゲン化銀ホスト粒子と該ホスト粒子の選択部位上にエピ
タキシ接合して形成されるハロゲン化銀ゲストとから成
っており、該ハロゲン化銀ホスト粒子が、該粒子の形成
及び/又は成長を起させる反応容器中にあらかじめ調製
した粒径0.1μm以下の微細なサイズのハロゲン化銀粒
子を添加し、一旦溶解させ消失させた後核形成及び/又
は結晶成長させることにより得られることを特徴とする
ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法。
5) ハロゲン化銀ホスト粒子が該粒子の核形成及び/
又は成長を起させる反応容器の外に設けられた混合器に
おいて水溶性銀塩の水溶液及び水溶性ハライドの水溶液
を混合して形成された粒径0.1μm以下のハロゲン化銀
微細粒子を形成後ただちに該反応容器中に供給し、一旦
溶解させ消失させた後核形成及び/又は結晶成長させる
ことにより得られることを特徴とする前記(4)のハロ
ゲン化銀写真感光材料の製造方法。
本発明のハロゲン化銀粒子は、ハロゲン化銀ホスト粒
子の選択部位にエピタキシイ接合して形成されたハロゲ
ン化銀ゲストを有するいわば複合粒子構造を有する点に
特徴がある。
ここに、ホスト粒子、ゲスト粒子及びエピタキシイ接
合なる要素は当業界で一般的に用いられているのと同じ
意味に於て用いられる。
即ち、ハロゲン化銀ホスト粒子の選択部位、即ち、特
定の結晶面、特定の稜(エッジ)、特定の角(コーナ
ー)特に特定の稜又は角に限定的にハロゲン化銀ゲスト
粒子を形成せしめてなる複合ハロゲン化銀粒子である。
本発明の特徴であるホスト粒子のハロゲン組成分布が
完全にであることの意味を詳細に説明する。
ここでは説明の便宜上、ハロゲン化銀乳剤粒子の一例
として、ここでヨウ臭化銀相をもつ平板状ヨウ臭化銀粒
子について説明する。
ここに言う「完全に均一なヨウ化銀分布」とは、これ
まで取り扱われてきたヨウ化銀分布とは全く異なり、よ
り微視的な分布を言う。ヨウ臭化銀粒子におけるヨウ化
銀分布を測定する手段として、分析電子顕微鏡(Analyt
ical Electron Microscopy)がよく用いられる。例えば
キング(M.A.King)ロバート(M.H.Lorretto)、マター
ナハン(T.J.Maternaghan)及びベリー(F.J.Berry)に
よる「分析電子顕微鏡(analytical electron microscp
y)によるヨード分布の研究(ザ インベスティゲーシ
ョン オブ アイオダイドディストリビューション バ
イ アナリティカル エレクトロン マイクロスコピ
ー)」プローグレス イン ベイシック プリンシプル
ズ オブ イメージング システムズ、インターナショ
ナル コングレス オブフォトグラフィック サイエン
ス ケルン(Koln)、1986)において、ヨウ臭化銀平板
状粒子におけるヨウ化銀の含有量のトポグラフィーの結
果が記載されている。この研究において用いた電子線照
射用プローブのサイズは50Åであるが、実際には電子の
弾性散乱によって電子線が拡がってしまい、サンプルの
表面に照射される電子線のスポットの径は約300Å位に
なってしまう。従ってこの方法ではそれよりこまかなヨ
ウ化銀分布を測定することはできない。特開昭58-11392
7にも同じ手法を用いてヨウ化銀分布が測定されている
が、用いた電子線スポットのサイズは0.2μであった。
従ってこれらの測定法によっては、より微視的な(10
0Åオーダーかそれ以下の場所的変化)ヨウ化銀分布を
明らかにすることは不可能である。この微視的なヨウ化
銀の分布は、たとえば、ハミルトン(J.F.Hamilton)フ
ォトグラフィック サイエンス アンド エンジニアリ
ング11巻、1967 P.P57や塩沢猛公、日本写真学会35巻、
4号 1972 P.P213に記載の低温での透過型電子顕微鏡
を用いた直接的な方法により観察することができる。す
なわち、乳剤粒子がプリントアウトしないよう完全光下
で取り出したハロゲン化銀粒子を電子顕微鏡観察用のメ
ッシュにのせ、電子線による損傷(プリントアウト等)
を防ぐように液体窒素あるいは液体ヘリウムで試料を冷
却した状態で透過法により観察を行う。
ここで電子顕微鏡の加速電圧は、高い程、鮮明な透過
像が得られるが、粒子厚さ0.25μmまでは200Kvolt、そ
れ以上の粒子厚さに対しては、1000Kvoltが良い。加速
電圧が高い程、照射電子線による粒子の損傷が大きくな
るので液体窒素より液体ヘリウムで試料を冷却した方が
望ましい。
撮影倍率は試料となる粒子サイズによって、適宜変更
し得るが、2万倍から4万倍である。
このようにしてヨウ臭化銀平板状粒子の透過型電子顕
微鏡写真を撮影するとヨウ臭化銀相の部分に非常にこま
かな年輪状の縞模様が観察される。この一例を第5図に
示す。ここで示した平板状粒子は、臭化銀平板粒子をコ
アーとし、さらにヨウ化銀10モル%のヨウ臭化銀のシェ
ルをコアーの外側に形成したものであり、その構造はこ
の透過型電子顕微鏡写真で明確に知ることができる。す
なわち、コアー部は臭化銀であり、当然均一であるか
ら、均一なフラットな像が得られるのみであるが、一方
ヨウ臭化銀相には、非常にこまかな年輪状の縞模様が明
確に確認できる。この縞模様の間隔は非常にこまかく10
0Åのオーダーからそれ以下であり非常に微視的な不均
一性を示していることが解る。この非常にこまかな縞模
様がヨウ化銀分布の不均一性を示すことは種々の方法で
明らかにできるが、より直接的にこの平板状粒子をヨー
ドイオンがハロゲン化銀結晶内を移動できる条件でアニ
ール(annealing)してやると(例えば250℃、3時
間)、この縞模様が全く消失してしまうことから、明ら
かに結論できる。
ここに述べてきた平板状ヨウ臭化銀乳剤粒子のヨウ化
銀分布の不均一性を示す年輪状の縞模様は先に引用し
た、特開昭58-113927に添付されている透過型電子顕微
鏡写真にも明確に観察されるしまた同様に先に引用した
キング等の研究における透過型電顕写真にもはっきりと
示されている。これ等の事実から、これまで、均一なヨ
ウ化銀分布得るべく一定のヨウ化銀含量で調製されたヨ
ウ臭化銀粒子は、その構造の意図とは全く反して、非常
に微視的なヨウ化銀の不均一分布を持っておりこれま
で、それを均一化する技術も開示されておらず、またそ
の製造法も開示されてはいない。本発明はこの微視的な
ヨウ化銀分布を完全に均一にする乳剤とその製造法を開
示するものである。
これまで述べてきたように本発明の「完全に均一なヨ
ウ化銀分布」をもつハロゲン化銀粒子は、冷却型透過型
電子顕微鏡を用いて、粒子の透過像を観察することによ
り、従来のハロゲン化銀粒子と明確に区別することがで
きる。すなわち本発明のヨウ化銀を含むハロゲン化銀粒
子には、ヨウ化銀の微視的な不均一に起因する微視的な
線が線に直交する方向で0.2μm間隔に多くとも2本、
好ましくは1本より好ましくは存在しない。このヨウ化
銀の微視的不均一を示す、年輪状の縞模様を構成する線
は、粒子成長の方向に直交する形で発生し、結果的にこ
れらの線は粒子の中心から同心円状に分布する。例えば
図1に示した平板状粒子の場合、ヨウ化銀の不均一を示
す、年輪状の縞模様を構成する線は、平板粒子の成長方
向に直交する為、結果として粒子のエッヂに平行であ
り、かつ、それらに直交する方向は粒子の中心に向く方
向を持っており、粒子の中心のまわりに同心円状に分布
する。
勿論、粒子成長中に急激にヨウ化銀含量を変化せしめ
れば、その境界線は上記の観察法で、上に述べたと同様
の線として観察されるが、このようなヨウ化銀含量の変
化は単一の線を構成するのみで、ヨウ化銀の微視的不均
に由来する複数の線から構成されるものとは明確に区別
できる。さらにこのようなヨウ化銀含量の変化に由来す
る線は、この線の両側のヨー化銀含量を先に述べた分析
電子顕微鏡で測定すれば明らかに確認することができ
る。このようなヨウ化銀含量の変化による線は本発明で
言う、ヨウ化銀の微視的不均一に由来する線とは、全く
異なり「巨視的なヨウ化銀分布」を示すものである。
また、粒子の成長中にヨウ化銀含量を実質的に連続的
に変化させた場合は、ヨウ化銀含量の急激な変化がない
為、上記の巨視的なヨウ化銀含量の変化を示す線は観察
されず、従ってもし、そこに0.1μm間隔に少くとも3
本以上の線が存在すれば、そえは微視的なヨウ化銀含量
の不均一があるということになる。
かくして本発明のヨウ化銀分布が完全に均一なハロゲ
ン化銀粒子は、冷却形透過型電子顕微鏡を用いて得た粒
子の透過像において、線と直交する方向で0.2μm間隔
に微視的なヨウ化銀分布を示す線を多くとも2本を有す
る粒子であり、好ましくは1本より好ましくはそのよう
な線が存在しないハロゲン化銀粒子であり、かつそのよ
うな粒子が全粒子の少くとも60%、好ましくは少くとも
80%、より好ましくは少くとも90%を占めるハロゲン化
銀粒子である。
これまで均一なヨウ化銀を含むハロゲン化銀粒子と呼
ばれてきたハロゲン化銀粒子は単に粒子成長の際、硝酸
銀と一定の組成の(一定のヨー化物含量)ハロゲン塩混
合物をダブルジエツト法で反応容器に添加したにすぎ
ず、そのような粒子においては巨視的なヨウ化銀分布は
確かに一定であるが、微視的なヨウ化銀分布は均一では
ない。本発明においては、そのような粒子を「一定のハ
ロゲン組成」をもつ粒子と呼び「完全に均一」な本発明
に示す粒子とは明確に区別する。
ここではヨウ臭化銀ハロゲン化銀粒子について説明し
てあるが、微視的なハライド組成分布の問題は、塩臭化
銀、塩ヨウ臭化銀、塩ヨウ化銀等のハロゲン化銀混晶粒
子について全てにあてはまるものである。塩化銀を含む
混晶については、本願発明者は特願昭63-7449号、同63-
7451号に微視的なハライド分布が完全に均一な塩化銀を
含むハロゲン化銀粒子及びそれを用いた感光材料を開示
した。
ハロゲン化銀混晶の微視的なハライド分布の均一性は
さらにX線回折を利用して測定することができる。
X線回折計(デイフラクトメーター)を用いてハロゲ
ン組成を決定するのは当該業者には周知のことである。
この原理を簡単に述べると以下の通りである。X線回
折においてBragg角を測定することで次のBraggの式より
格子定数aが決定できる。
λ:X線の波長 θhkl:(hkl)面からのBragg角 dhkl:(hkl)面からの面間隔 a:格子定数 ところで、T.H.ジエームス(James)著の「ザ・セオリ
ー・オブ・ザ・フオトグラフイツク・プロセス」(The
Theory of the Photographic Process)第4版マクミラ
ン社、ニユーヨーク(Macmillan Co Ltd.New York)の
第一章に沃臭化銀、塩臭化銀、沃塩化銀についてハロゲ
ン組成に対する格子定数aの関係が示されている。この
ような格子定数(ハロゲン組成)が異なるが、回折ピー
ク位置が異なる。従つて、ハロゲン組成分布の均一性の
すぐれた格子定数のばらつきの少ないハロゲン化銀粒子
は回折プロフアイルの半値幅は狭くなる。この回折プロ
フアイルの測定において、線源は強度の大きく単色性の
よいKα線がKβ線より好んで用いられる。なお、Kα
線は二重線なのでRachingerの方法を用いて単一のプロ
フアイルを得て半値幅を求めることが可能である。試料
には、乳剤よりゼラチンを除去した粉末粒子を用いるか
あるいは、ジヤーナル オブ フオトグラフイツク サ
イエンス(Journal of Photographic Science)の1976
年度24巻ページのG.C.フアーネル(G.C.Farnell),R.J.
ジエンキンス(R.J.Jenkins)およびL.R.ソルマン(L.
R.Solman)による方法を用いて、50%グリセリン溶液に
20分間浸漬して乾膜中のゼラチンにより粒子表面にかか
つていた圧力を除去すると、塗布された乳剤膜が使用で
きる。回折プロフアイルの角度を正確に求めるには回折
角既知のSi粉末あるいはNaCl粉末をサンプルに混合させ
る方法が用いられる。さらに回折角および回折プロフア
イルの線幅を精度よく測定するには高指数面からの回折
角の大きい回折プロフアイルを用いることがよいことが
知られている。従つて本特許においては銅ターゲツトの
Kα線で(420)面の回折プロフアイルを回折角(Bragg
の角の2倍)71°から77°の領域において測定した。
X線回折測定は、粉沫よりも塗布された乳剤膜の法が
測定精度が良く、後述する実施例においても、塗布され
た乳剤膜で測定した。
ところで、本特許記述の試料の形態のように外的な応
力による歪みがない系の回折プロフアイルの半値幅は、
ハロゲン組成分布のみで決定されるのではなく、それ以
外は回折計の光学系による半値幅と試料の結晶子(クリ
スタリツト)の大きさによる半値幅も含んでいる。従つ
てハロゲン組成分布に起因する半値幅を得るには、前二
者による半値幅の寄与を差し引く必要がある。回折計の
光学系による半値幅は歪みのかかつていない(格子定数
のばらつきのない)25μm以上の粒度の単結晶の回折プ
ロフアイルの半値幅として得ることができる。このよう
な試料としては25〜44μm(500メツシユ オン 350メ
ツシユ アンダー)のα−石英を800℃でアニールした
ものが使用することが理学電機株式会社によるX線回折
の手引改訂再版二章八節に記述されている。Si粒子やSi
単結晶ウエフアー等でも用いることが可能である。光学
系による半値幅は回折角依存性があるので、数点の回折
プロフアイルについて半値幅を求める必要がある。必要
に応じて外挿内挿を行い、測定している系の回折角につ
いての光学系による半値幅が得られる。そして、結晶子
の大きさによる半値幅は次式で記述される。
β :結晶子の大きさによる半値幅(°) K :定数(一般に0.9) D :結晶子の大きさ(Å) λ :X線の波長(Å) θ :Bragg角 測定された回折プロフアイルの半値幅からこのように
して求めた光学系による半値幅と結晶子の大きさによる
半値幅を差し引くと、ハロゲン組成分布による半値幅が
得られる。今測定したい混晶粒子の光学系による半値幅
と結晶子の大きさによる半値幅は、この着目している粒
子と同一の結晶子の大きさを有するハロゲン組成分布均
一(格子定数一定)のハロゲン化銀粒子の回折プロフア
イルの半値幅と等価である。一般に、外的な応力による
歪みが存在しない場合、格子欠陥のない粒子ではこの粒
子の大きさ(辺長、等体積球相当径等)には結晶子の大
きさと一致する。このことはデイフラクトメーターでは
なく写真法ではあるが回折線幅より求めたAgBrの結晶子
の大きさと粒子の大きさが一致することがブリテイツシ
ユ ジヤーナル オブ アプライド フイジツクス(Br
itish Journal of Applied Physics)の1965年16巻323
ページでF.W.ウイレツツ(F.W.Willets)によつて報告
されている。この報告は写真法で半値幅ではなくプロフ
アイルの標準偏差を用いてシエラー定数として1.44を選
んでいる。我々の測定系では、デイフラクトメーターを
用いており、Si単結晶を用いて求めた光学系による半値
幅を差し引いた半値幅より求めた結晶子の大きさと粒子
の大きさがバランスト ダブル ジエツトで調製された
AgBr粒子において良好に一致することを見出している。
すなわち、混晶乳剤粒子の光学系による半値幅と結晶
子の大きさによる半値幅は、混晶乳剤粒子と同一粒子サ
イズのAgBr粒子、AgCl粒子、AgI粒子の回折プロフアイ
ルの半値幅として得ることができる。
混晶乳剤粒子のハロゲン組成分布のみによる半値幅
は、測定された回折プロフアイルの半値幅より着目して
いる粒子と同一粒子サイズのAgBr粒子、AgCl粒子、AgI
粒子の回折プロフアイルの半値幅を差し引くことによつ
て得られる。
本発明による微視的なハロゲン組成が均一であるハロ
ゲン化銀乳剤粒子の前記の方法によるX線回折のプロフ
アイルの好ましい半値幅を塩臭化銀については、第1図
に、ヨウ臭化銀については第2図に示した。第1図及び
第2図において、各ハロゲン組成の粒子の均一性は各格
子のX線回折の半値幅から、同一粒子サイズの純塩化銀
あるいは純臭化銀の半値幅を差しひいた値で示される。
本発明の粒子は、曲線Aで示される半値幅以下、好まし
くは曲線Bで示される半値幅より小さい半値幅を有する
ものである。
次に本発明のハロゲン化銀ホスト粒子の製造法につい
て述べる。
特願昭63-195778号に示されているように、核形成及
び/又は結晶成長を起させる反応容器の外に設けられた
混合器において、水溶性銀塩の水溶液及び水溶性ハライ
ドの水溶液を混合して形成された微粒子をただちに該反
応容器中に供給することにより、ハロゲン化銀コア粒子
の核形成及び/又は結晶成長を行う。(以下A法と呼
ぶ) 特願昭63-195778号に示されている粒子形成法のシス
テムを第3図に示す。
第3図では、まず反応容器1は保護コロイド水溶液2
を含有している。保護コロイド水溶液は、回転シヤフト
にとりつけられたプロペラ3によつて攪拌混合される。
反応容器外の混合器7に銀塩水溶液、ハロゲン塩水溶
液、及び保護コロイド水溶液を各々添加系、4、5及び
6にて導入する。(この際、保護コロイド水溶液は、ハ
ロゲン塩水溶液及び/または銀塩水溶液にまぜて添加し
てもよい。)混合器内でこれらの溶液を急速かつ強力に
混合して、ただちに系8によつて反応容器1に導入す
る。第4図に混合器7の詳細を図示する。この混合器7
はその中に反応室10が設けられ、その反応室10の中に回
転シヤフト11にとりつけられた攪拌翼9が設けられてい
る。銀塩水溶液、ハロゲン塩水溶液及び保護コロイド水
溶液は三つの導入口(4、5、もう一つの導入口は図面
から省略した。)から反応室10に添加される。回転シヤ
フトを高速で回転する(1000r.p.m以上、好ましくは200
0r.p.m以上、より好ましくは3000r.p.m以上)ことによ
り、急速かつ強力に混合し生成した極く微細な粒子を含
む溶液は、ただちに外部への排出口8から排出される。
かくして混合器で反応して生成した極く微細な粒子は反
応容器に導入された後、その粒子サイズが微細である
為、容易に溶解し再び銀イオンとハロゲンイオンとな
り、均一な核形成及び/又は粒子成長を起せしめる。こ
の極く微細な粒子のハライド組成は目的とするハロゲン
化銀粒子のハライド組成と同一にしておく。反応容器内
に導入された極微粒子は、反応容器内の攪拌によつて、
反応容器内にばらまかれ、かつ個々の微細粒子から、目
的のハライド組成のハロゲンイオンと銀イオンが放出さ
れる。ここで混合器で発生した粒子は極く微細であり、
その粒子数は非常に多く、そのように非常に多数の粒子
から、各々銀イオン及びハロゲンイオン(混晶成長の場
合、目的のハロゲンイオン組成になつている。)が放出
され、かつそれが反応容器中の保護コロイド全体に亘つ
て起る為、全く均一な粒子成長を起すことができる。大
切なことは銀イオン及びハロゲンイオンは、水溶液とし
ては、pAg調節用以外は決して反応容器に添加しないこ
と及び反応容器内の保護コロイド容器を混合器に循環し
ないことである。ここにおいて従来の方法とは全く異な
り、この方法がハロゲン化銀粒子の均一成長において驚
くべき効果を挙げることができる。
混合器で形成された微粒子は、その溶解度が粒子サイ
ズが微細である故非常に高く、反応容器に添加されると
溶解し、再び銀イオン及びハロゲンイオンとなり、反応
容器に既にある粒子に沈積し粒子成長を起すがその際、
微粒子はその溶解度が高い故に微粒子同志でいわゆるオ
ストワルド熟成を起して、その粒子サイズが増大してし
まう。微粒子サイズが大きくなつてしまうと、それだけ
溶解度が低下し、反応容器中での溶解が遅くなり、粒子
成長の速度が著しく低下しある程度には最早溶解するこ
となく、逆にそれ自身が核となつて成長を起してしま
う。
本発明においては前記特願昭63-7851号、同63-195778
号と同様に以下の三つの技術によつてこの問題を解決し
た。
混合器で微粒子を形成した後、ただちにそれを反応
容器に添加する。
本発明においては反応容器のごく近くに混合器を設け
かつ混合器内の添加液の滞留時間を短かくすることによ
り、従つて生成した微粒子をただちに反応容器に添加す
ることによりこのオストワルド熟成が起らないようにし
た。具体的には混合器に添加された液の滞留時間tは過
給であらわされる。
v:混合器の反応室の体積(ml) a:硝酸銀溶液の添加量(ml/min) b:ハロゲン塩溶液の添加量(ml/min) c:保護コロイド溶液の添加量(ml/min) 本発明の製造法においてはtは10分以下、好ましくは
5分以下、より好ましくは1分以下、さらに好ましくは
20秒以下である。かくして混合器で得られた微粒子はそ
の粒子サイズが増大することなく、ただちに反応容器に
添加される。
混合器で強力かつ効率のよい攪拌を行なう。
ジエームス(T.H.James)ザ セオリー オブ ザ
フオトグラフイツク プロセス p.p.93には「オストワ
ルド熟成と並んでもう一つの形態は凝集(coalescenc
e)である。コアレツセンス熟成ではその前には遠く離
れていた結晶が直接、接触、ゆ着してより大きな結晶が
生成するので粒子サイズが突然変化する。オストワルド
熟成とコアレツセンス熟成の両方とも沈積の終了後のみ
でなく、沈積中にも起る。」ここに述べられているコア
レツセンス熟成は特に粒子サイズが非常に小さいときに
起り易く、特に攪拌が不充分である場合起り易い。極端
な場合は、粗大な塊状の粒子を作ることすらある。本発
明においては第2図に示すように密閉型の混合器を用い
ている為、反応室の攪拌翼を高い回転数で回転させるこ
とができ従来のような開放型の反応容器ではできなかつ
た(開放型では、高回転で攪拌翼を回転させると遠心力
で液がふりとばされ、発泡の問題もからんで、実用でき
ない。)強力かつ効率のよい攪拌混合を行うことができ
上記のコアレツセンス熟成を防止でき、結果として非常
に粒子サイズの小さい微粒子を得ることができる。本発
明においては攪拌翼の回転数は1000r.p.m以上、好まし
くは2000r.p.m以上、より好ましくは3000r.p.m以上であ
る。
保護コロイド水溶液の混合器への注入 前述のコアレツセンス熟成はハロゲン化銀微粒子の保
護コロイドによつて顕著に防ぐことができる。本発明に
おいては保護コロイド水溶液の混合器への添加は下記の
方法による。
保護コロイド水溶液を単独で混合器に注入する。
保護コロイドの濃度は0.2重量%以上、好ましくは0.5
重量%がよく、流量は、硝酸銀溶液とハロゲン塩水溶液
の流量の和の少くとも20%、好ましくは少くとも50%、
より好ましくは100%以上である。
ハロゲン塩水溶液に保護コロイドを含有せしめる。
保護コロイドの濃度は、0.2重量%以上好ましくは0.5
重量%以上である。
硝酸銀水溶液に保護コロイドを含有せしめる。
保護コロイドの濃度は0.2重量%以上、好ましくは0.5
重量%以上である。ゼラチンを用いる場合、銀イオンと
ゼラチンでゼラチン銀を作り、光分解及び熱分解して銀
コロイドを生成する為、硝酸銀溶液と保護コロイド溶液
は使用直前に混合する方がよい。
また、上記の〜の方法は、各々単独で用いてもよ
いしそれぞれ組み合せてもよく、また、同時に三つを用
いてもよい。
本発明においては前記特願昭63-7852、同63-7853、同
63-194861、同63-194862で開示れるように、あらかじめ
調製した微細なサイズの粒子を有する微粒子ハロゲン化
銀乳剤を反応容器に添加して核形成及び/又は粒子成長
を行う方法も用いることができる(以下、「B法」)こ
の際、あらかじめ調製された乳剤の粒子サイズが小さい
方が良いことは前記と同様である。本方法においても、
核形成及び/又は粒子成長が起る反応容器には、反応容
器内の乳剤のpAg調節用以外は反応容器に水溶性銀塩の
水溶液及び水溶性ハライドの水溶液を全く添加しない。
この予め調製された乳剤は反応容器に添加するに先立
ち、予め水洗及び/又は固化しておいてもよい。
A法における混合器の温度は40℃以下好ましくは35℃
以下、反応容器の濃度は、50℃以上、好ましくは60℃以
上、さらに好ましくは70℃以上である。
B法においてはあらかじめ調製する微粒子乳剤の粒子
形成温度は40℃以下、好ましくは35℃以下であり、微粒
子乳剤を添加する反応容器の温度は50℃以上、好ましく
は60℃以上さらに好ましくは70℃以上である。
本発明において用いられる微細なサイズのハロゲン化
銀の粒子サイズは粒子をメツシユにのせそのまま透過型
電顕によつて確認でき、倍率は2万倍から4万倍がよ
い。本発明の微粒子のサイズは0.1μm以下、好ましく
は0.06μm以下、より好ましくは0.03μm以下である。
本発明によつて得られるホスト粒子乳剤のハライド組
成は、ヨウ臭化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、塩ヨウ化
銀、のいずれでもよく、本発明によれば、ハライドの微
視的な分布が均一な、すなわち「完全に均一」なハロゲ
ン化銀混晶粒子が得られることは、特願昭63-195778、
同63-7851、同63-7852、同63-7853、同63-7451、同63-7
449に述べられている通りであり、これは全てのハライ
ド組成において得られるものである。
さらに本発明の方法は、純臭化銀、純塩化銀の製造に
おいても、非常に有効である。従来の製造方法によれ
ば、反応容器内の銀イオン及びハロゲンイオンの局所的
な分布の存在が不可避であり、反応容器内のハロゲン化
銀粒子は、そのような局所的な不均一部分を透過するこ
とで他の均一部分とは異つた環境におかれることとな
り、それによつて成長の不均一性を生ずることは勿論、
例えば、銀イオンの高濃度部分では還元銀あるいはカブ
リ銀が生成されてしまう。従つて臭化銀、塩化銀におい
ては、確かにハライドの不均一分布はあり得ないが前に
述べた別の不均一性を生じてしまう。この問題点は、本
発明の方法によれば、完全に解決できる。
本方法において、ハロゲン化銀溶剤を反応容器に添加
して使用すれば、さらに高い微粒子の溶解速度及びさら
に高い反応容器内の粒子の成長速度を得ることができ
る。
ハロゲン化銀溶剤としては、水溶性臭化物、水溶性塩
化物、チオシアン酸塩、アンモニア、チオエーテル、チ
オ尿素類などを挙げることができる。
例えばチオシアン酸塩(米国特許第2,222,264号、同
第2,448,534号、同第3,320,069号など)、アンモニア、
チオエーテル化合物(例えば米国特許第3,271,157号、
同第3,574,628号、同第3,704,130号、同第4,297,439
号、同第4,276,347号など)、チオン化合物(例えば特
開昭53-144319号、同53-82408号、同55-77737号な
ど)、アミン化合物(例えば特開昭54-100717号など)
チオ尿素誘導体(例えば特開昭55-2982号)イミダゾー
ル類(例えば特開昭54-100717号)、置換メルカプトテ
トラゾール(例えば特開昭57-202531号)などを挙げる
ことができる。
得られた完全に均一なハロゲン化銀乳剤粒子に特に制
限はないが、0.3μm以上であることが好ましく、さら
に0.8μm以上、特に1.4μm以上であることが好まし
い。本発明によるハロゲン化銀粒子の形は六面体、八面
体、十二面体、十四面体、二十四面体、四十八面体のよ
うな規則的な結晶形(成長晶粒子)を有するものでもよ
くまた球状、じやがいも状などの不規則な結晶形のもの
でもよく、さらに双晶面を1枚以上もつ種々の形体の粒
子、なかでも平行な双晶面を2枚あるいは3枚有する六
角形平板粒子及び三角形平板状双晶粒子であつてもよ
い。
ハロゲン化銀粒子形成又は物理熟成の過程において、
カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム
塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその錯塩、鉄塩又は鉄
錯塩などを共存させてもよい。
本発明に於いてホスト粒子上に、ゲスト粒子をエピタ
キシイ接合させる方法に特に制限はなく公知の方法をい
ずれも用いることができる。
例えばホスト粒子、親水性コロイド及び必要によりハ
ロゲンイオンを含有する反応容器中に、ホスト粒子のハ
ロゲン組成とは異なる組成のハロゲン化物水溶液と銀塩
水溶液を同時添加して、ホスト粒子の特定の稜又は角
に、ホスト粒子とは異なる組成のゲスト粒子をエピタキ
シイ接合させる方法、上記反応容器中に別途調製した微
粒子ハロゲン化銀を添加する方法、前記の如く形成され
たゲスト粒子上に、さらに該ゲスト粒子とは異なるハロ
ゲン化銀を同時添加法でエピタキシイ接合する方法、一
旦、ゲスト粒子をエピタキシイ接合した後、該ゲスト粒
子をハロゲン変換法(コンバーシヨン法)でハロゲン組
成を変化せしめる方法、ホスト粒子、親水性コロイド及
び水溶性銀塩を有する反応容器中に、ハロゲン化物水溶
液を添加することによりホスト粒子の特定の稜又は角に
ホスト粒子とは異なる組成のゲスト粒子を形成せしめる
方法等がある。
又、ホスト粒子上にゲスト粒子をエピタキシイ接合さ
せる際に、当業界で局部支配物質(sitedirector)とし
て知られている化合物を存在させることにより、特定の
部位へのエピキタシイ接合を促進することができる。
局部支配物質としては、水溶性沃化物又は分光増感色
素が好ましく、特に分光増感色素を局部支配物質として
用いることにより、効果的にエピタキシイ接合を促進す
ることができる。
かかる目的で用いられる分光増感色素の量は特に制限
はないが、ホスト粒子表面の単分子吸着被覆量の15%以
上、特に70%以上であることが好ましい。
かかる目的で用いられる分光増感色素の種類は、後述
するゲスト粒子形成後に分光増感の目的で用いられる分
光増感色素と同一でも異つていてもよい。分光増感色素
についてはさらに後述する。
局部支配物質によるエピタキシー接合の詳細に関して
は、さらにジヤーナル・オブアプライド・フイジクス
(Journal of Applied Physics)35巻No.7,1964年7月2
165〜2169頁、特開昭58-108526号公報、同59-133540号
公報の記載を参考にすることができる。
本発明のゲスト粒子の組成は、ホスト粒子の組成と異
なつていることが好ましい。ゲスト粒子のハロゲン化銀
としては、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀及びホスト粒子と
はヨウ化銀含量の異なる沃臭化銀が好ましい。沃臭化銀
の場合は、沃化銀の含量が10モル%以下である場合が特
に好ましい。
本発明においてゲストを形成する銀塩は好ましくはハ
ロゲン化銀であるがさらにチオシアン酸銀、燐酸銀、シ
アン化銀及び炭酸銀を用いることができる。
本発明に於けるホスト粒子とゲスト粒子の量的関係に
特に制限はないが、ホスト粒子に対してゲスト粒子が0.
01〜50モル%、特に0.2〜30モル%であることが好まし
い。
本発明のエピキタシイ接合を有するハロゲン化銀粒子
の製法に関しては、さらに、かかる技術に関する公知文
献に於ける製法を参考にすることができる。たとえば米
国特許第4,094,684号、同4,142,900号、同4,439,353
号、特開昭59-119,350号、同59-162540号、同55-149,93
3号、同55-149,934号、同55-161,229号、同56-110926
号、同56-16124号、同56-27134号、同55-123532号、同5
6-1040号、同55-124139号などの記載を参考にすること
ができる。
本発明の乳剤は通常、分光増感される。
本発明に用いられる分光増感色素としては通常メチン
色素が用いられるが、これにはシアニン色素、メロシア
ニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、
ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリ
ル色素およびヘミオキソノール色素が包含される。これ
らの色素類には、塩基性異節環核としてシアニン色素類
に通常利用される核のいずれをも適用できる。すなわ
ち、ピロリン核、オキサゾリン核、チアゾリン核、ピロ
ール核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール
核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピリジン核な
ど;これらの核に脂環式炭化水素環が融合した核;及び
これらの核に芳香族炭化水素環が融合した核、即ち、イ
ンドレニン核、ベンズインドレニン核、インドール核、
ベンズオキサオドール核、ナフトオキサドール核、ベン
ゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾ
ール核、ベンズイミダゾール核、キノリン核などが適用
できる。これらの核は炭素原子上に置換されていてもよ
い。
メロシアニン色素または複合メロシアニン色素にはケ
トメチレン構造を有する核として、ピラゾリン−5−オ
ン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−
2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジオン核、ローダ
ニン核、チオバルビツール酸核などの5〜6員異節環核
を適用することができる。
ハロゲン化銀乳剤調製中に添加される増感色素の量
は、添加剤の種類やハロゲン化銀量などによって一義的
に述べることはできないが、従来の方法にて添加される
量とほぼ同等量用いることができる。
すなわち、好ましい増感色素の添加量はハロゲン化銀
1モルあたり0.001〜100mmolであり、さらに好ましくは
0.01〜10mmolである。
増感色素は化学熟成後、又は化学熟成前に添加され
る。本発明のハロゲン化銀粒子に対しては最も好ましく
は増感色素は化学熟成中又は化学熟成以前(例えば粒子
形成時、物理熟成時)に添加される。
増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない
色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であっ
て、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。例え
ば、含窒素異節環基で置換されたアミノスチル化合物
(例えば米国特許2,933,390号、同3,635,721号に記載の
もの)、芳香族有機酸ホルムアルデヒド縮合物(たとえ
ば米国特許3,743,510号に記載のもの)、カドミウム
塩、アザインデン化合物などを含んでもよい。米国特許
3,615,613号、同3,615,641号、同3,617,295号、同3,63
5,721号に記載の組合せは特に有用である。
ハロゲン化銀乳剤は、通常は化学増感される。化学増
感のためには、例えばH.フリーゼル(H.Frieser)編、
ディー・グルンドラーゲル・デル・フォトグラフィシェ
ン・プロツエセ・ミット・ジルベルハロゲニデン(Die
Grundlagen der Photographishen Prozesse mit Silber
haolgeniden)(アカデミッシェ フェルラグスゲゼル
シャクト 1968)675〜734頁に記載の方法を用いること
ができる。
すなわち、活性ゼラチンや銀と反応し得る硫黄を含む
化合物(例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素類、メルカプト
化合物類、ローダニン類)を用いる硫黄増感法;還元性
物質(例えば、第一すず塩、アミン類、ヒトラジン誘導
体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物)を用
いる還元増感法;貴金属化合物(例えば、金錯塩のほ
か、Pt、Ir、Pdなどの周期律表VIII族の金属の錯塩)を
用いる貴金属増法などを単独または組合せて用いること
ができる。
本発明に用いられる写真乳剤には、感光材料の製造工
程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防止し、ある
いは写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含
有させることができる。すなわち、アゾール類たとえば
ベンゾチアゾリウム塩、ニトリインダゾール類、トリア
ゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベンズイミダゾール
類(特にニトロ−またはハロゲン置換体);ヘテロ環メ
ルカプト化合物類たとえばメルカプトチアゾール類、メ
ルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベンズイミダ
ゾール類、メルカプトチアジアゾール類、メルカプトテ
トラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプトテト
ラゾール)、メルカプトピリミジン類;カルボキシル基
やスルホン基などの水溶性基を有する上記のヘテロ環メ
ルカプト化合物類;チオケト化合物たとえばオキサゾリ
ンチオン;アザインデン類たとえばテトラアザインデン
類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザイ
ンデン類;ベンゼンチオスルホン酸類;ベンゼンスルフ
ィン酸;などのようなカブリ防止剤または安定剤として
知られた多くの化合物を加えることができる。
これらカブリ防止剤または安定剤の添加時期は通常、
化学増感を施した後に行なわれるが、より好ましくは化
学熟成の途中又は化学熟成の開始以前の時期の中から選
ぶことができる。すなわちハロゲン化銀乳剤粒子形成過
程において、銀塩溶液の添加中でも、添加後から化学熟
成開始までの間でも、化学熟成の途中(化学熟成期間
中、好ましくは開始から50%までの時間内に、より好ま
しくは20%までの時間内)でもよい。
本発明の乳剤は乳剤層が1層または2層以上を問わず
任意の層構成の写真感光材料に用いることができる。
本発明の乳剤を用いたハロゲン化銀多層カラー写真感
光材料は青色、緑色および赤色光を別々に記録するため
のバインダー及びハロゲン化銀粒子を含有する乳剤層を
重ね合わせた多層構造を有し、各乳剤層は少なくとも高
感度層及び低感度層の二層から成る。特に実用的な層構
成としては下記のものが挙げられる。
(1) BH/BL/GH/GL/RH/RL/S (2) BH/BM/BL/GH/GM/GL/RH/RM/RL/S の層構成や米国特許4184876号に記載の (3) BH/BL/GH/RH/GL/RL/S RD-22534、特開昭59-177551、同59-177552などに記載
の (4) BH/GH/RH/BL/GL/RL/S の層構成である。
ここに、Bは青色感性層、Gは緑色感性層、Rは赤色
感性層を、Hは最高感度層、Mは中間度層、Lは低感度
層、Sは支持体を表わし、保護層、フィルター層、中間
層、ハレーション防止層、下引層等の非感光性層の記録
は省略してある。
このうち好ましい層構成は(1)、(2)又は(4)
である。
また、特開昭61-34541号に記載の (5) BH/BL/CL/GH/GL/RH/RL/S (6) BH/BL/GH/GL/CL/RH/RL/S などの層構成も好ましい。
ここで、CLは重層効果付与層で、他は前記の通りであ
る。
又、同一感色性の高感度層と低感度層が逆転して配置
していてもよい。
本発明のハロゲン化銀乳剤は前記の如くカラー感光材
料に適用することができるが、乳剤層が1層および多層
を問わずそれ以外の感光材料、たとえばX−レイ用感光
材料、黒白撮影用感光材料、製版用感光材料、印画紙等
にも同様に適用することが出来る。
本発明のハロゲン化銀乳剤の種々の添加剤、たとえば
バインダー、化学増感剤、分光増感剤、安定剤、ゼラチ
ン硬化剤、界面活性剤、帯電防止剤、ポリマーラテック
ス、マット剤、カラーカプラー、紫外線吸収剤、退色防
止剤、染料及びこれらの乳剤を用いた感光材料の支持
体、塗布方法、露光方法、現像処理方法等については特
に制限はなく、たとえばリサーチ・ディスクロージャー
176巻、アイテム17643(RD-17643)、同187巻、アイテ
ム18716(RD-18716)及び同225巻、アイテム22534(RD-
22534)の記載を参考にすることができる。
これらリサーチ・ディスクロージャーの記載を以下の
一覧表に示した。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。
実施例1 (1) ホスト乳剤の調製 ヨウ臭化銀微粒子乳剤 1−A 0.026Mの臭化カリウムを含有する2.0重量%のゼラチ
ン溶液2.6lに、それを攪拌しながらダブルジエツト法で
1.2Mの硝酸銀溶液と、1.08Mの臭化カリウムと0.12Mのヨ
ウ化カリウムを含むハロゲン塩水溶液を各1200mlを15分
間かけて添加した。この間ゼラチン溶液は35℃に保たれ
た。
この後乳剤を、常法のフロキユレーシヨン法で洗浄
し、ゼラチン30gを加え、溶解した後、pH6.5、pAg8.6に
調製した。得られたヨウ臭化銀微粒子(ヨウ化銀含量10
%)は、平均粒子サイズは0.07μmであつた。
平板状臭化銀核粒子 1−B 0.08Mの臭化カリウムを含有する0.8重量%のゼラチン
溶液1.3lにそれを攪拌しながら、ダブルジエツト法で2.
0Mの硝酸銀溶液と2.0Mの臭化カリウウ溶液とを150cc添
加する。この間ゼラチン溶液は30℃に保たれた。添加後
70℃に昇温しゼラチンが30g添加された。その後30分間
熟成された。
このようにして形成した核となる臭化銀平板状粒子
(以後種晶と呼ぶ)を常法のフロキユレーシヨン法によ
り洗浄し、40℃においてpH6.0、pAg7.5になるように調
製した。得られた平板状粒子の平均投影面積円相当径は
0.4μmであつた。
平板状ヨウ臭化銀乳剤 1−C〈比較乳剤〉 上記種晶の十分の一が、3重量%のゼラチンを含む、
溶液1中に溶解され、温度75℃、pBr1.1に保たれた。
その後3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオールを1g添加
し、ただちに80分間で150gの硝酸銀を含む水溶液とヨウ
化カリウムを10M%含む臭化カリウム溶液を等モル加速
された流量(終了時の流量が開始時の10倍)でダブルジ
エツトで添加した。
この後、乳剤を35℃まで冷却し、常法のフロキユレー
シヨン法で洗浄し、40℃においてpH6.5、pAg7.8になる
ように調整した。この粒子は平均等投影面積円相当直径
が2.2μmであり、平均の厚みは0.3μmであつた。
平板状ヨウ臭化銀乳剤 1−D〈本発明〉 種晶乳剤1−Bの十分の一が、3重量%のゼラチンを
含む溶液1中に溶解され、温度75℃、pBr1.1に保たれ
た。その後3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオールを2g添
加しただちに溶解した微粒子乳剤1−Aをポンプで添加
した。添加速度は、乳剤1−Cの場合と同じになるよう
乳剤を80分間ポンプで注入した。(硝酸銀量に換算して
総添加量が150g、かつ終了時の終了が開始時の流量の10
倍になるよう)この後、乳剤を乳剤1−Cと同様に水洗
し、40℃においてpH6.5、pAg7.8に調整した。この平均
状粒子の平均等影面積円相当直径が2.2μmであり平均
の粒子厚みは0.3μmであつた。
平板状ヨウ臭化銀乳剤 1−E〈本発明〉 下記以外は、乳剤1−C、1−Dと同様に調製した。
ここでは種晶の粒子成長を、反応容器のそばに設けた強
力かつ効率の酔い混合器に、80分間で150gの硝酸銀を含
む水溶液とヨウ化カリウムを10モル%含む、硝酸銀と等
モルの臭化カリウム溶液と3重量%のゼラチン水溶液25
0ccを、加速された流量で(終了時の流量が開始時の10
倍)トリプルジエツトで添加した。混合器で攪拌され反
応して生成した極微粒子は、混合器から、ただちに反応
容器に連続的に導入された。この間混合器の温度は35℃
に保たれた。
この後、乳剤を乳剤1−Cと同様に水洗し、40℃にお
いてpH6.5、pAg7.8に調整した。この平板状粒子の平均
等影面積円相当径が2.2μmであり、平均粒子厚みは0.3
μmであった。この透過型電子顕微鏡写真を第6図に示
す。
乳剤1−C、1−D、1−Eの粒子をそれぞれサンプ
リングして液体チツ素で冷却した状態で、200kvolt透過
型電子顕微鏡によりその透過像を観察した。その結果乳
剤1−においては明確な年輪状の縞模様が観察された
が、本発明の1−D、1−Eにおいてはその縞模様が全
く観察されず、本発明によつて完全に均一なヨウ化銀分
布を持つた平板状ヨウ臭化銀乳剤が得られたことが解つ
た。
(2) ホスト粒子上への塩化銀のエピタキシヤル成長 特開昭59-133540号の実施例3を参考にして4モル%
のAgClをホスト粒子1−C、1−D、1−E上に沈着さ
せた。但し、局部支配物質としては、アンヒドロ−5−
クロロ−9−エチル−5−フエニル−3,3′−ビス(3
−スルホプロピル)オキサカルボシアニンヒドロキシド
トリエチルアミン塩を使用した。
(3) 化学増感 上記の乳剤を50℃に保ちチオ硫酸ナトリウム3×10-5
mol/Agmolと塩化金酸カリウム4×10-3mol/Agmolを添加
し化学増感した。化学増感終了後4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを7×10-3mol/mo
lAg加えた後、3g/m2の銀量になるようにポリエチレンテ
レフタレート支持体上に塗布した。
このサンプルには、ゼラチン塗布量1.0g/m2の保護層
を設けてある。
(4) 4800゜Kのタングステン高原でウエツジを通して1/10秒
露光した後、下記現像液D−1で現像(20℃4分間)
し、定着液F−1で定着した後、水洗、乾燥した。
〔現像液D−1〕 1−フエニル−3−ピラゾリドン 0.5g ハイドロキノン 20.0g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 2.0g 亜硫酸カリウム 60.0g ホウ酸 4.0g 炭酸カリウム 20.0g 臭化ナトリウム 5.0g ジエチレングリコール 30.0g 水を加えて1とする。(pHは10.0に調整する。) 〔定着液F−1〕 チオ硫酸アンモニウム 200.0g 亜硫酸ナトリウム(無水) 20.0g 硼酸 8.0g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.1g 硫酸アルミニウム 15.0g 硫酸 2.0g 氷酢酸 22.0g 水を加えて1とする。(pHは4.2に調整する。) センシトメトリーの結果を表1に示す。
表−1に示すように本発明の乳剤は、比較乳剤に比べ
て、感度が高い。
実施例2 (1) ホスト乳剤の調製 ヨウ臭化銀八面体乳剤 2−A〈比較〉 0.05Mの臭化カリウムを含有する3重量%のゼラチン
溶液1.2lにそれを攪拌しながら3,6−ジチアオクタン−
1,8−ジオール3gを添加し、75℃に保つた反応容器に0.2
4M硝酸銀溶液100mlとヨウ化カリウム0.024M及び臭化カ
リウム0.22Mの両者を含むハライド溶液100mlを10分間で
ダブルジエツトで添加した。続いて1M硝酸銀溶液と、ヨ
ウ化カリウム0.1M及び臭化カリウム0.9Mの両者を含むハ
ライド溶液を各々800mlを80分間でダブルジエツトで添
加した。このとき電位は0mV(対SCE)に保つた。この
後、乳剤を35℃に冷却し、常法のフロキユレーシヨン法
により水洗し、ゼラチン70gを加えてpH6.2、pAg7.9に調
整した。得られた乳剤粒子は平均投影面積円相当径1.5
μmの八面体ヨウ臭化銀乳剤であつた(ヨウ化含有率10
モル%) ヨウ臭化銀八面体乳剤 2−B〈本発明〉 0.05Mの臭化カリウムを含有する1.5重量%のゼラチン
溶液1.2lにそれを攪拌しながら3,6−ジチオクタン−1,8
−ジオールを5g添加し、反応容器を75℃に保つた。続い
て反応容器に、ヨウ臭化銀微粒子乳剤1−A40g(硝酸銀
で4gに相当する銀を含む)に水を270ml添加して溶解し
た乳剤を10分間で添加した。続いて微粒子乳剤1−Aを
1360g(硝酸銀で136gに相当する銀を含む)を80分間で
ポンプで反応容器に添加した。この後乳剤2−Aと同様
に水洗して同じpH、pAgに調節した。得られた乳剤粒子
は平均投影面積円相当径が1.5μmの八面体ヨウ臭化銀
乳剤であつた。(ヨウ化銀含有率10モル%) ヨウ臭化銀八面体乳剤 2−C〈本発明〉 0.05Mの臭化カリウムを含有する1.5重量%のゼラチン
溶液1.2lにそれを攪拌しながら0.5%3,6−ジチアオクタ
ン−1,8−ジオールを3g添加し、反応容器を75℃に保つ
た。反応容器のそばに設けられた混合器に0.24Mの硝酸
銀水溶液100ml及び0.22Mの臭化カリウムと0.024Mのヨウ
化カリウムを含むハロゲン塩水溶液100ml及び2重量%
のゼラチン水溶液200mlを10分間かけてトリプルジエツ
ト法で添加した。混合器の温度は30℃で攪拌翼の回転数
は2000r.p.mであつた。得られた微粒子は直接法透過型
電子顕微鏡で2万倍の倍率で確認したところ0.02μmで
あつた。混合器で生成した微粒子は連続的に75℃に保た
れた反応容器に導入された。得られたヨウ臭化銀八面体
核粒子(ヨウ化銀含有25モル%)は0.5μmであつた。
ひき続き75℃において乳剤1−Bと全く同様に粒子成長
を行い、さらに水洗して同じpH、pAgの乳剤を得た。得
られた乳剤粒子は平均投影面積円相当径1.5μmの八面
体ヨウ臭化銀乳剤であつた。(ヨウ化含有率10モル%) 得られたヨウ化銀10モル%を含むヨウ臭化銀八面体乳
剤2−A、2−B、2−Cのヨウ化銀分布を調べる為、
前に述べたKα線を用いて(420)面のX線回折を測定
した。試料は各乳剤を3gAg/m2でトリアセテートフイル
ム支持体上に塗布したものを用い、その際同一サイズの
純臭化銀乳剤の塗布物も測定に加えた。
X線回折プロフアイルの半値巾を結果を表−2に示
す。
表−2の中でCで示した半値巾が真のハロゲン分布を
あらわすものであり、本発明の乳剤2−B、2−Cは比
較乳剤2−Aに比べその半値巾が1/2以下であり非常に
均一であることが解る。
(2) ホスト粒子上への塩化銀エピタキシヤル成長 ホスト乳剤に増感色素Iを60℃170mg/molAgを添加し
て20分後温度を40℃にし、塩化ナトリウムを0.2g添加し
た後、塩化ナトリウムを3.6g含む溶液60mlと硝酸銀2gを
含む溶液60mlを4分間でダブルジエツトで反応容器に添
加した。その後45℃においてチオ硫酸ナトリウム7×10
-5mol/Agmolと塩化金酸カリウム6×10-3mol/molAgを添
加して最適に化学増感した後下記の化合物を 加えて、下塗層を有するトリアセチルセルロースフイル
ム支持体上に塗布した。
カプラー トリクレジルフオスフエート 安定剤 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a−7−
テトラザインデン 塗布助剤 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム (2) 保護層 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナ
トリウム塩 ゼラチン これらの試料にセンシトメトリー用露光を与え、次の
カラー現像処理を行つた。
処理済の試料を緑色フイルターで濃度測定した。得ら
れた写真性能の結果を第4表に示した。
ここで用いた現像処理は下記の条件で38℃で行つた。
1.カラー現像 …2分45秒 2.漂 白 …6分30秒 3.水 洗 …3分15秒 4.定 着 …6分30秒 5.水 洗 …3分15秒 6.安 定 …3分15秒 各工程に用いた処理液組成は下記のものである。
カラー現像液 ニトリロ三酢酸ナトリウム 1.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g 炭酸ナトリウム 30.0g 臭化カリ 1.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4g 4−(N−エチル−N−βヒドロキシエチルアミノ)−
2−メチルアニリン硫酸塩 4.5g 水を加えて 1 漂白液 臭化アンモニウム 160.0g アンモニア水(28%) 25.0ml エチレンジアミン−四酢酸ナトリウム塩 130g 氷酢酸 14ml 水を加えて 1 定着液 テトラポリリン酸ナトリウム 2.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g チオ硫酸アンモニウム(70%) 175.0ml 重亜硫酸ナトリウム 4.6g 水を加えた 1 安定液 ホルマリン 8.0ml 水を加えて 1 写真性能の結果を表3に示す。
表−3から解るように本発明の乳剤1−B、1−Cは
比較乳剤1−Aに比べて感度が高い。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はハロゲン化銀粒子の均一性を表わす
X線回折であり、そのたて軸はX線回折プロフアイルの
半値巾を表わし、横軸はハロゲン化銀粒子のハロゲン組
成を表わす。 第3図は本発明の方法を模式的に表わしたものである。 1:反応容器 2:保護コロイド水溶液 3:プロペラ 4:ハロゲン塩水溶液添加系 5:銀塩水溶液添加系 6:保護コロイド添加系 7:混合器 第4図は本発明における混合器の詳細図である。4、
5、7は第3図と各々同義である。 8:反応容器への導入系 9:攪拌翼 10:反応室 11:回転シヤフト 第5図は従来の沃臭化銀平板状ハロゲン化銀粒子の結晶
構造を表す電子写真顕微鏡写真である。倍率は4万倍で
ある。 第6図は本発明の実施例1で調製したホスト乳剤1−E
の結晶構造を表す電子写真顕微鏡写真である。倍率は3
7,000倍である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀
    乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該
    ハロゲン化銀乳剤層の感光性ハロゲン化銀粒子がハロゲ
    ン化銀ホスト粒子と該ホスト粒子の選択部位上にエピタ
    キシ接合して形成されているハロゲン化銀ゲストとから
    成っており、該ハロゲン化銀ホスト粒子のハロゲン組成
    分布が完全に均一であることを特徴とするハロゲン化銀
    写真感光材料。
  2. 【請求項2】ハロゲン化銀ホスト粒子が、該粒子の核形
    成及び/又は結晶成長を起させる反応容器中に、あらか
    じめ調製した粒径0.1μm以下の微細なサイズのハロゲ
    ン化銀粒子を添加し、一旦溶解させ消失させた後核形成
    及び/又は結晶成長させることにより得られる感光性ハ
    ロゲン化銀粒子であることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】ハロゲン化銀ホスト粒子が、該粒子の核形
    成及び/又は結晶成長を起させる反応容器の外に設けら
    れた混合器において、水溶性銀塩の水溶液及び水溶性ハ
    ライドの水溶液を混合して形成された粒径0.1μm以下
    のハロゲン化銀微細粒子を形成後ただちに該反応容器中
    に供給し、一旦溶解させ消失させた後核形成及び/又は
    結晶成長させることにより、得られる感光性ハロゲン化
    銀粒子であることを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀
    乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料の製造方法に
    おいて、該ハロゲン化銀乳剤層の感光性ハロゲン化銀粒
    子がハロゲン化銀ホスト粒子と該ホスト粒子の選択部位
    上にエピタキシ接合して形成されるハロゲン化銀ゲスト
    とから成っており、該ハロゲン化銀ホスト粒子が、該粒
    子の核形成及び/又は結晶成長を起させる反応容器中に
    あらかじめ調製した粒径0.1μm以下の微細なサイズの
    ハロゲン化銀粒子を添加し、一旦溶解させ消失させた後
    核形成及び/又は結晶成長させることにより得られるこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の製造方法。
  5. 【請求項5】ハロゲン化銀ホスト粒子が、該粒子の核形
    成及び/又は結晶成長を起させる反応容器の外に設けら
    れた混合器において水溶性銀塩の水溶液及び水溶性ハラ
    イドの水溶液を混合して形成された粒径0.1μm以下の
    ハロゲン化銀微細粒子を形成後ただちに該反応容器中に
    供給し、一旦溶解させ消失させた後核形成及び/又は結
    晶成長させることにより得られることを特徴とする特許
    請求の範囲第4項に記載のハロゲン化銀写真感光材料の
    製造方法。
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