JP2549833B2 - 板材折曲げ加工方法及び装置 - Google Patents

板材折曲げ加工方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばプレスブレ
ーキのごとき折曲げ加工装置による板材の折曲げ加工方
法及び折曲げ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プレスブレーキのごとき板材折曲
げ加工装置において板材の折曲げ加工を行うに際し、自
動化を図るために、板材を自動的に取扱う産業用ロボッ
ト等のごときマニピュレータが開発されている。
【0003】従来のマニピュレータは、一般的には産業
用ロボットより成るものであって、折曲げ加工装置の前
方などの所定の位置に設置されるのが通常である。この
種のマニピュレータ(産業用ロボットと同意義で使用)
は、所定位置に設けられた支柱にアームを上下動自在か
つ旋回自在に設けると共に伸縮回転自在に設けてなり、
このアームの先端部に、板材を把持自在な板材把持装置
を備えてなるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構成のごとき従来
のマニピュレータにおいて、板材把持装置の移動領域を
広くするには、アームを長くしなければならず、全体的
構成が大型化するという問題点があった。また、板材折
曲げ加工装置における折曲げ加工装置に対する板材の位
置決めは、もっぱらマニピュレータによる位置決めによ
るため、板材の位置決め精度を向上するにはマニピュレ
ータを高精度に組立てなければならず、製造価格が極め
て高くなるという問題点があった。
【0005】この発明は、上述のごとき問題点に鑑みて
なされたもので、プレスブレーキのごとき板材折曲げ加
工装置による板材折曲げ加工方法及び板材折曲げ加工装
置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1発明は、板材折曲げ
加工装置に備えた上下の金型によって長方形の板材の4
辺の折曲げ加工を行う方法において、板材折曲げ加工装
置の前側に配置したロボットにおける板材把持装置によ
って前記板材の長辺側を把持し、前記上下の金型の間へ
前記板材の短辺側の複数辺側を供給して複数辺側の折曲
げ加工を行った後、把持部に対向した他の長辺側の折曲
げ加工を行う(a)工程と、前記複数辺側の折曲げ加工
を行った後、前記板材把持装置による把持位置を前記折
曲げ加工を行った辺側に把持し直す(b)工程と、上記
(b)工程の後に、未加工の長辺側を上下の金型の間へ
供給して折曲げ加工を行う(c)工程と、よりなるもの
である。
【0007】第2発明は、板材折曲げ加工装置に備えた
上下の金型によって板材の4辺の折曲げ加工を行う方法
において、板材折曲げ加工装置の前側に配置したロボッ
トにおける板材把持装置によって前記板材の1辺側を把
持し、前記上下の金型の間へ前記板材の他の3辺側の複
数辺側を供給して複数辺側の折曲げ加工を行う(a)工
程と、前記複数辺側の折曲げ加工を行った後、前記板材
把持装置による把持位置を前記折曲げ加工を行った辺側
に把持し直すとき、前記板材を前記上下の金型間に挟持
した状態に保持する(b)工程と、上記(b)工程後
に、板材の未加工の辺側を上下の金型の間へ供給して折
曲げ加工を行う(c)工程と、よりなるものである。
【0008】第3発明は、板材の折曲げ加工を行う上下
の金型と、上下の金型間へ供給された板材の前後方向の
位置決めを行うバックゲージと、当該バックゲージへの
板材の当接を検出すべくバックゲージに備えられた複数
のセンサと、4角形の板材の1辺側を把持して当該板材
の他の3辺側の複数辺側を前記上下の金型の間へ供給可
能かつ前記板材の上下を反転可能のロボットと、ロボッ
トの板材把持装置に把持された板材の一側縁と上記板材
把持装置との左右方向の位置関係を検出するための側方
センサと、を備えてなるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1を参照するに、板材折曲げ加
工装置1は、例えばプレスブレーキ等よりなるものであ
って、この板材折曲げ加工装置1の前側にマニピュレー
タ(ロボット)3が配置してある。なお、マニピュレー
タ3の配置としては、板材折曲げ加工装置1の前方に離
隔して配置することも可能である。また板材折曲げ加工
装置1の側部には、板材Wを収容したマガジン部5が設
けられると共に、折曲げ後の製品Pを次工程に搬送する
搬送装置7が配置されている。上記マガジン部5や搬送
装置7の構成は一般的な構成でよいものであるから、そ
の詳細についての説明は省略する。
【0010】前記板材折曲げ加工装置1は、一般的なプ
レスブレーキと同様に、上部フレーム9を備えると共に
下部フレーム11を備えており、上部フレーム9には上
型13が着脱自在に装着されている。また下部フレーム
11には下型15が装着されている。
【0011】公知のように、上記構成のごとき板材折曲
げ加工装置1においては、上下のフレーム9,11の一
方を昇降作動し、上型13と下型15とを係合すること
により、上型13と下型15との間に介在された板材W
の折曲げ加工を行うものである。
【0012】なお、詳細な図示を省略するが、本実施形
態においては下部フレーム11が昇降するように構成さ
れている。
【0013】さらに板材折曲げ加工装置1には、前後方
向(図2において左右方向:Y軸方向)の板材Wの位置
決めを行うバックゲージ17が前後方向へ移動位置決め
自在に設けられている。このバックゲージ17の複数箇
所には、板材Wの当接を検出するセンサ19が装着して
ある。上記センサ19は、例えば直動形のポテンション
メータのごとく、測定行程が比較的長い線形トランスジ
ューサよりなるものである。
【0014】上記構成により、通常の手段によって予め
位置決めされたバックゲージ17に板材Wを当接して位
置決めするとき、複数箇所の各センサ19の出力が所定
の出力値に一致したか否かを検知することにより、板材
Wの端縁が上下の金型13,15による折曲げ線(以
下、必要により曲げ軸Cと呼称する)と平行であるか否
かを知ることができ、板材Wの正確な位置決めを行うこ
とができる。
【0015】上記センサ19からの出力信号は、上部フ
レーム9に装着された一般的な数値制御装置21に入力
される。この数値制御装置21は、板材折曲げ加工装置
1における各作動部の作動や前記バックゲージ17の作
動および前記マニピュレータ3の作動を制御するもの
で、前記各センサ19からの出力信号が入力されたとき
には、各センサ19の出力値が所望の出力値となるよう
に、マニピュレータ3の作動を制御するものである。
【0016】前記マニピュレータ3は、本実施形態例に
おいては昇降自在な下部フレーム11に一体的に取付け
たベースプレート23に装着されている。
【0017】より詳細には、上記ベースプレート23
は、下型15の長手方向に沿う左右方向(X軸方向)に
延伸してあり、このベースプレート23の前面に第1移
動台25がX軸方向に移動自在に支承されている。この
第1移動台25には、前記ベースプレート23に備えた
X軸方向のラック杆27に噛合したピニオン(図示省
略)が回転自在に設けられていると共に、上記ピニオン
を回転駆動するための第1サーボモータ29が設けられ
ている。なお、第1サーボモータ29がピニオンを回転
駆動するための動力伝達機構は一般的な構成でよいの
で、その詳細については説明を省略する。前記第1サー
ボモータ29は、例えばステッピングモータ等よりなる
ものであって、エンコーダのごとき位置検出装置を備え
ている。
【0018】上記構成により、第1サーボモータ29を
作動することによって第1移動台25をX軸方向に移動
することができ、かつ基準位置に対する第1移動台25
のX軸方向の移動位置を検知することができる。
【0019】図1,図2より明らかなように、前記第1
移動台25には、上部側が前後方向(Y軸方向)に拡大
した扇形状部31が設けてあり、この扇形状部31の上
部には円弧状のラック部材33が設けられている。この
ラック部材33には、ラック部材33に沿ってY軸方向
に移動自在の第2移動台35が支承されている。この第
2移動台35には、ラック部材33に噛合したピニオン
(図示省略)が回転自在に設けられていると共に、上記
ピニオンを回転駆動する第2サーボモータ37が装着さ
れている。この第2サーボモータ37は、第1サーボモ
ータ29同様にエンコーダのごとき位置検出装置を備え
ているものである。
【0020】上記構成により、第2サーボモータ37を
駆動することによって、第2移動台35はラック部材3
3に沿って円弧状にY軸方向に移動される。上記第2移
動台35のY軸方向の位置は、第2サーボモータ37に
備えた位置検出装置によって検知される。
【0021】図1,図2より明らかなように、前記第2
移動台35には、第2移動台35の移動方向に対して直
交する上下のZ軸方向に移動自在な昇降支柱39が支承
されている。この昇降支柱39には上下方向のラックが
形成してある。このラックと噛合したピニオン(図示省
略)が前記第2移動台35に回転自在に支承されてお
り、かつこのピニオンを回転駆動する第3サーボモータ
41が第2移動台35に装着されている。この第3サー
ボモータ41は第1サーボモータ29同様に位置検知装
置を備えているものである。
【0022】上記構成により、昇降支柱39は、第3サ
ーボモータ41の駆動によって上下動され、かつ上下動
位置は位置検知装置によって検知されることが理解され
よう。
【0023】前記昇降支柱39の上部には、Y軸方向に
延伸したアーム43が適宜に固定してある。このアーム
43の先端部には、板材Wの一側縁部を把持自在な板材
把持装置45が装着してある。より詳細には、図1,図
2に示されるように、板材把持装置45は、X軸と平行
なB軸を中心として上下方向に回動自在に設けられてい
ると共に、上記B軸と直交するA軸を中心として旋回自
在に設けられている。
【0024】上記A軸を中心として板材把持装置45を
旋回するための第4サーボモータ47およびB軸を中心
として板材把持装置45を上下に回動するための第5サ
ーボモータ49が前記アーム43に装着されている。上
記第4,第5のサーボモータ47,49は、前述の第1
サーボモータ29同様に位置検知装置を備えているもの
である。なお、第4サーボモータ47によって板材把持
装置45をA軸回りに旋回するための動力伝達機構や、
第5サーボモータ49によって上下に回動するための動
力伝達機構は種々の構成を採ることができるものであ
り、この構成に特徴を有するものではないので、その詳
細については説明を省略する。
【0025】図3,図4に詳細に示されるように、前記
板材把持装置45は、板材Wを把持するための上部ジョ
ー51と下部ジョー53とを備えてなるものである。上
部ジョー51および下部ジョー53は、板材Wを把持す
る板材把持部54を巾広く形成してほぼT字形状に形成
してある。上記各ジョー51,53は、前記B軸回りに
回動自在な回動スリーブ55に旋回自在に支承されてい
るものである。
【0026】より詳細には、回動スリーブ55は、図3
より明らかなように、前記アーム43の先端部に形成さ
れたクレビス状の凹部57内に位置している。この回動
スリーブ55の両側には前記B軸と軸心が一致したスタ
ッブシャフト57が設けられている。すなわち、回動ス
リーブ55は、上記各スタッブシャフト57を介するこ
とにより、アーム43の先端部に回動自在に支承されて
いるものである。なお、一方のスタッブシャフト57に
はチェンスプロケット等(図示省略)が設けられ、前記
第5サーボモータ49から動力を受けるように構成され
ている。
【0027】図4に詳細に示されるように、前記回動ス
リーブ55内には、前記B軸と直交する方向の回転筒5
9が複数の軸承61を介して回転自在に支承されてい
る。この回転筒59の軸心は前記A軸に一致してあり、
この回転筒59の上端部に前記下部ジョー53が一体的
に取付けてある。回転筒59にはベベルギヤ63が一体
的に取付けてあり、前記第4サーボモータ47からの動
力を受けるように構成してある。
【0028】上記回転筒59の内部には、例えばエアー
シリンダ等よりなる直線運動形のアクチュエータ65が
設けられている。より詳細には、上記アクチュエータ6
5におけるシリンダ67が上下動自在に設けられてお
り、このシリンダ67の上部に前記上部ジョー51が一
体的に取付けてある。上記シリンダ67の内部は区画壁
部69によって上下二段の圧力室71A,71Bに区画
されており、各圧力室71A,71Bには、ピストンロ
ッド73に取付けた各ピストン75が嵌合してあると共
に、ピストンロッド73に穿設された流体路が接続して
ある。上記ピストンロッド73の下部は、前記回動スリ
ーブ55に一体的に取付けたロッドホルダ77に一体的
に取付けてある。
【0029】前記上部ジョー51と下部ジョー53との
相対的な回動を規制するために、上部ジョー51と下部
ジョー53は、リンク機構79を介して互に連結してあ
る。すなわち、図4より明らかなように、上部ジョー5
1に基部を枢支した第1リンク81の先端部と、基部を
下部ジョー53に枢着した第2リンク83の先端部と
を、ピン85を介して枢支連結してある。
【0030】上述のごとき構成により、アクチュエータ
65の作動によって上部ジョー51を上下動することが
でき、下部ジョー53との間に板材Wを把持することが
できる。上記アクチュエータ65は、上下に圧力室71
A,71Bを備えるものであるから、小径であっても、
比較的大きな把持力を得ることができるものである。
【0031】また、第4サーボモータ47の駆動によっ
て上下のジョー51,53をA軸回りに旋回することが
でき、図3に示すように、板材把持部54をアーム43
の長手方向および両側方に突出した状態に位置決めする
ことができる。したがって、上記板材把持部54がアー
ム43の側方に突出した状態にあるときに、回動スリー
ブ55をB軸回りに回動することにより、板材把持部5
4に把持された板材Wの上下が反転されるものである。
【0032】再び図1を参照するに、前記下部フレーム
11あるいはベースプレート23の一側部には、板材W
を一時的に把持自在な補助把持装置87が装着してある
と共に、サイドゲージ装置89が適宜のブラケットを介
して装着されている。
【0033】上記補助把持装置87は、板材Wを把持す
るための上部ジョー91と下部ジョー93を備えてお
り、上記上部ジョー91の上下動は、前記板材把持装置
45におけるアクチュエータ65と同様のアクチュエー
タ(図示省略)によって行われるものである。従って、
上部ジョー91を上下動する構成の詳細については説明
を省略する。
【0034】前記サイドゲージ装置89は、マニピュレ
ータ3と板材把持装置45に把持された板材Wの一側縁
との位置関係を検知するときに使用されるもので、側方
センサ95を備えている。この側方センサ95は、前記
バックゲージ17に備えられたセンサ9と同様に、直動
形のポテンションメータのごとき線形トランスジューサ
よりなるものである。この側方センサ95の出力値は前
記数値制御装置21に入力されるものである。
【0035】したがって、板材把持装置45に把持され
た板材Wの一側縁が側方センサ95に当接され、この側
方センサ95の出力値が所定の出力値であるときに、マ
ニピュレータ3のX軸方向の位置を第1サーボモータ2
9に備えられた位置検出装置の検出値を数値制御装置2
1に読込む。そして、板材Wを把持せずに板材把持装置
45を側方センサ95に当接し、側方センサ95の出力
値が前記所定の出力値になったときの板材把持装置45
の左右方向(X軸方向)の基準位置の位置検出値と比較
することにより、板材把持装置45に把持された板材W
の一側縁とマニピュレータ3とのX軸方向の位置的関係
を知ることができる。よって、サイドゲージ装置89を
基準として、上下型13,15に対して板材WのX軸方
向の位置決めを正確に行うことができる。
【0036】以上のごとき構成により、図5に模型的に
示すように、板材把持装置45が長方形の板材Wの長辺
の1つであるS辺側を把持した状態にあるとき、A軸を
中心として板材把持装置45を旋回することにより、他
の3辺側T,U,V又は複数辺側を、上下の金型13,
15による折曲げ加工位置を示す曲げ軸Cに対して位置
決めすることができる。したがって、1辺側Sを把持
し、把持し直すことなく他の3辺側T,U,Vの複数辺
側(例えばV,T)を上下の金型13,15間へ供給位
置決めしての折曲げ加工が連続的に行われ得ることが理
解されよう。
【0037】また、図5に示されるように、板材把持装
置45をアーム43の側方に突出した状態において、B
軸回りに回動することにより、板材Wの上下が反転され
ることが理解されよう。すなわち、板材Wの各辺側の折
曲げ加工を行うとき、正曲げ及び逆曲げも連続的に行い
得るものである。
【0038】上述のごとく板材Wの短辺側T,V及び長
辺側Uの複数辺側の折曲げ加工を行った後、長辺のS辺
側の折曲げを行うには、図6,図7に示されるように、
上下の金型13,15の間に板材Wの長辺のU辺側が挟
持された状態にあるときに、図8,図9に示すように、
板材把持装置45を、既に折曲げ加工を行った短辺のT
辺側あるいはV辺側に移行して、板材Wを把持し直す。
そして、板材Wの長辺のS辺側を前記曲げ軸Cに位置決
めすることにより、上記S辺側の折曲げを容易に行うこ
とができる。
【0039】なお、板材Wの寸法が比較的小さく、上下
の金型13,15間に板材Wを挟持した状態においての
把持し直しが困難な場合には、上記板材を補助把持装置
87の位置に移動し、この補助把持装置87によって板
材Wを一時的に把持することにより、板材Wの把持し直
しを容易に行うことができる。
【0040】前述のごとく、板材把持装置45によって
板材Wを把持し、板材Wの各辺側の折曲げ加工を行うと
きには、先ず、サイドゲージ装置89に備えられた側方
センサ95に板材Wの一側縁を接触せしめて、側方セン
サ95の出力が所定位置になったときのマニピュレータ
3のX軸方向の位置を読み込み、板材Wの一側縁とマニ
ピュレータ3とのX軸方向の位置的関係を検知する。そ
して、X軸方向の位置決めは、サイドゲージ装置89を
基準として行う。
【0041】板材WのY軸方向(前後方向)の位置決め
は、バックゲージ17を予め位置決めし、このバックゲ
ージ17に備えられた複数のセンサ19に板材Wを接触
せしめ、各センサ19の検出値がそれぞれ所望の検出値
となるように、マニピュレータ3をY軸方向に移動する
と共に、A軸回りに板材把持装置45を適宜に旋回する
ことによって行われる。
【0042】すなわち、板材WがX軸方向およびY軸方
向に正確に位置決めされた後に、折曲げ加工が行われる
のである。
【0043】折曲げ加工終了後の板材Wは、マニピュレ
ータ3によって搬送装置7の位置に移送され、次に、搬
送装置7により製品Pとして次工程に搬送される。
【0044】
【発明の効果】以上のごとき実施形態の説明より理解さ
れるように、第1発明は、板材折曲げ加工装置(1)に
備えた上下の金型(13,15)によって長方形の板材
(W)の4辺(S,T,U,V)の折曲げ加工を行う方
法において、板材折曲げ加工装置(1)の前側に配置し
たロボットにおける板材把持装置(45)によって前記
板材(W)の長辺側(S)を把持し、前記上下の金型
(13,15)の間へ前記板材(W)の短辺側(T,
V)の複数辺側を供給して複数辺側の折曲げ加工を行っ
た後、把持部に対向した他の長辺側(U)の折曲げ加工
を行う(a)工程と、前記複数辺側の折曲げ加工を行っ
た後、前記板材把持装置(45)による把持位置を折曲
げ加工を行った辺側に把持し直す(b)工程と、上記
(b)工程の後に、未加工の長辺側を上下の金型(1
3,15)の間へ供給して折曲げ加工を行う(c)工程
とよりなるものである。
【0045】すなわち、第1発明は、長方形の板材Wの
折曲げ加工を行うとき、ロボットの板材把持装置45に
よって上記板材Wの長辺側の一辺を把持して、板材Wの
短辺側の折曲げ加工を行った後に、他の長辺側の折曲げ
加工を行ない、その後に前記板材把持装置45の把持位
置を把持し直して残りの長辺側の折曲げ加工を行う加工
方法である。
【0046】この折曲げ加工方法によれば、折曲げ加工
装置1には長辺側の長さに対応した上下の金型13,1
5を装着し、この上下の金型13,15によって短辺側
の折曲げ加工を行った後に、長辺側の折曲げ加工を行う
とき、短辺側の折曲げ部分と金型13,15とが干渉す
るようなことがないものである。したがって、短辺側の
長さに対応した金型を準備する必要がなく、金型の段取
りが容易であると共に、長方形の板材の4辺の折曲げ加
工を能率よく行うことができるものである。
【0047】第2発明は、板材折曲げ装置(1)に備え
た上下の金型(13,15)によって板材(W)の4辺
(S,T,U,V)の折曲げ加工を行う方法において、
板材折曲げ加工装置(1)の前側に配置したロボットに
おける板材把持装置(45)によって前記板材(W)の
1辺側(S)を把持し、前記上下の金型(13,15)
の間へ前記板材(W)の他の3辺側(T,U,V)の複
数辺側を供給して複数辺側の折曲げ加工を行う(a)工
程と、前記複数辺側(T,U,V)の折曲げ加工を行っ
た後、前記板材把持装置(45)による把持位置を折曲
げ加工を行った辺側に把持し直すとき、前記板材(W)
を前記上下の金型(13,15)間に挟持した状態に保
持する(b)工程と、上記(b)工程後に、板材(W)
の未加工の辺側を上下の金型(13,15)の間へ供給
して折曲げ加工を行う(c)工程とよりなるものであ
る。
【0048】第2発明においては、(b)工程より明ら
かなように、ロボットの板材把持装置45による把持位
置を把持し直すとき、板材Wを上下の金型13,15間
に挾持した状態に保持するものであるから、上下の金型
13,15による板材Wの折曲げ加工中にロボットの板
材把持装置45を把持し直す位置側へ移動することが可
能であり、板材Wの把持し直しを能率よく行うことがで
きるものである。
【0049】実施態様においては、板材(W)の4辺側
(S,T,U,V)の折曲げ加工を行うとき、板材
(W)の上下の反転を行う工程を有する板材折曲げ加工
方法であるから、板材Wの各辺の折曲げ加工を行うと
き、正曲げ,逆曲げに拘りなく連続的に折曲げ加工を行
うことができるものである。
【0050】また、別の実施態様においては、ロボット
における板材把持装置(45)によって板材(W)を把
持した後、左右方向の側方センサ(95)に板材(W)
の一側縁を当接したときの前記板材把持装置(45)の
左右方向の位置を検知して、前記板材(W)の一側縁と
前記板材把持装置(45)との位置関係を検知する工程
を有する板材折曲げ加工方法であるから、上下の金型に
対して板材の左右方向の位置決めを正確に行うことがで
きるものである。
【0051】第3発明は、板材(W)の折曲げ加工を行
う上下の金型(13,15)と、上下の金型(13,1
5)間へ供給された板材(W)の前後方向の位置決めを
行うバックゲージ(17)と、当該バックゲージ(1
7)への板材(W)の当接を検出すべくバックゲージ
(17)に備えられた複数のセンサ(19)と、4角形
の板材(W)の1辺側(S)を把持して当該板材(W)
の他の3辺側(T,U,V)の複数辺側を前記上下の金
型(13,15)の間へ供給可能かつ前記板材(W)の
上下を反転可能のロボット(3)と、ロボット(3)の
板材把持装置(45)に把持された板材(W)の一側縁
と上記板材把持装置(45)との左右方向の位置関係を
検出するための側方センサ(95)を備えてなるもので
あるから、ロボット3によって板材Wの位置決めを行う
とき、バックゲージ17の複数のセンサ19に板材Wが
当接するようにロボット3を制御して位置決めすること
ができ、板材Wの前後方向の位置決めを正確に行うこと
ができるものである。
【0052】また、ロボット3によって板材Wの1辺側
を把持して、他の複数辺側の正曲げ,逆曲げを連続的に
行うことができ、ロボットを効率よく使用できると共
に、能率向上を図ることができるものである。
【0053】さらに、前記構成によれば、ロボットの板
材把持装置によって板材Wの把持し直しを行った後、板
材の一側縁と上記板材把持装置との左右方向の位置的関
係を知ることができるので、上下の金型に対して板材の
左右方向の位置決めを行うとき、把持し直しを行った後
であっても正確な位置決めを行うことができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装置の斜視図である。
【図2】同側面図である。
【図3】図2における矢印II部の拡大平面図で、1部
断面してある。
【図4】図3におけるIV−IV線に沿った断面図であ
る。
【図5】主要部の運動を模型的に示した平面図である。
【図6】作用状態を示す説明図である。
【図7】作用状態を示す説明図である。
【図8】作用状態を示す説明図である。
【図9】作用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 板材折曲げ加工装置 13 上型 15 下型 17 バックゲージ 19 センサ 45 板材把持装置 51 上部ジョー 53 下部ジョー 95 側方センサ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板材折曲げ加工装置(1)に備えた上下
    の金型(13,15)によって長方形の板材(W)の4
    辺(S,T,U,V)の折曲げ加工を行う方法におい
    て、次の各工程よりなることを特徴とする板材折曲げ加
    工方法。 (a) 板材折曲げ加工装置(1)の前側に配置したロ
    ボットにおける板材把持装置(45)によって前記板材
    (W)の長辺側(S)を把持し、前記上下の金型(1
    3,15)の間へ前記板材(W)の短辺側(T,V)の
    複数辺側を供給して複数辺側の折曲げ加工を行った後、
    把持部に対向した他の長辺側(U)の折曲げ加工を行う
    工程。 (b) 前記複数辺側の折曲げ加工を行った後、前記板
    材把持装置(45)による把持位置を折曲げ加工を行っ
    た辺側に把持し直す工程。 (c) 上記(b)工程の後に、未加工の長辺側を上下
    の金型(13,15)間へ供給して折曲げ加工を行う工
    程。
  2. 【請求項2】 板材折曲げ加工装置(1)に備えた上下
    の金型(13,15)によって板材(W)の4辺(S,
    T,U,V)の折曲げ加工を行う方法において、次の各
    工程よりなることを特徴とする板材折曲げ加工方法。 (a) 板材折曲げ加工装置(1)の前側に配置したロ
    ボットにおける板材把持装置(45)によって前記板材
    (W)の1辺側(S)を把持し、前記上下の金型(1
    3,15)の間へ前記板材(W)の他の3辺側(T,
    U,V)の複数辺側を供給して複数辺側の折曲げ加工を
    行う工程、 (b) 前記複数辺側の折曲げ加工を行った後、前記板
    材把持装置(45)による把持位置を前記折曲げ加工を
    行った辺側に把持し直すとき、前記板材(W)を前記上
    下の金型(13,15)間に挟持した状態に保持する工
    程、 (c) 上記(b)工程後に、板材(W)の未加工の辺
    側を上下の金型(13,15)間へ供給して折曲げ加工
    を行う工程、
  3. 【請求項3】 板材(W)の4辺側(S,T,U,V)
    の折曲げ加工を行うとき、板材(W)の上下の反転を行
    う工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載
    の板材折曲げ加工方法。
  4. 【請求項4】 ロボットにおける板材把持装置(45)
    によって板材(W)を把持した後、左右方向の側方セン
    サ(95)に板材(W)の一側縁を当接したときの前記
    板材把持装置(45)の左右方向の位置を検知して、前
    記板材(W)の一側縁と前記板材把持装置(45)との
    位置関係を検知する工程を有することを特徴とする請求
    項1又は2記載の板材折曲げ加工方法。
  5. 【請求項5】 板材(W)の折曲げ加工を行う上下の金
    型(13,15)と、上下の金型(13,15)間へ供
    給された板材(W)の前後方向の位置決めを行うバック
    ゲージ(17)と、当該バックゲージ(17)への板材
    (W)の当接を検出すべくバックゲージ(17)に備え
    られた複数のセンサ(19)と、4角形の板材(W)の
    1辺側(S)を把持して当該板材(W)の他の3辺側
    (T,U,V)の複数辺側を前記上下の金型(13,1
    5)の間へ供給可能かつ前記板材(W)の上下を反転可
    能のロボット(3)と、ロボット(3)の板材把持装置
    (45)に把持された板材(W)の一側縁と上記板材把
    持装置(45)との左右方向の位置関係を検出するため
    の側方センサ(95)と、を備えていることを特徴とす
    る板材折曲げ加工装置。
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