JP3438548B2 - スポット溶接用ロボットハンドおよびこのロボットハンドによるワーク把持方法 - Google Patents

スポット溶接用ロボットハンドおよびこのロボットハンドによるワーク把持方法

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JP3438548B2
JP3438548B2 JP26717097A JP26717097A JP3438548B2 JP 3438548 B2 JP3438548 B2 JP 3438548B2 JP 26717097 A JP26717097 A JP 26717097A JP 26717097 A JP26717097 A JP 26717097A JP 3438548 B2 JP3438548 B2 JP 3438548B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スポット溶接ガ
ンを備えるとともに、ワークを把持するクランプ手段を
備えたスポット溶接用ロボットハンドおよびこのロボッ
トハンドによるワーク把持方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、形状の異
なるワークに対しても、大型化およびコスト高を招くこ
となく把持可能なようにすることを目的としている。
【0003】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、ロボット先端軸に取り付けたハ
ンドベースに、ワークを把持して該ワークのスポット溶
接を行うスポット溶接ガンと、前記ワークをその両側の
面から挟持固定する球面状の挟持部を備えた二つのクラ
ンプ手段とを設け、前記スポット溶接ガンの把持部と前
記二つのクランプ手段の把持部とを含む三つの把持部相
互の位置関係が、三角形の三つの頂点にそれぞれ対応
し、前記スポット溶接ガンにてスポット溶接したワーク
を、前記スポット溶接ガンの把持部と前記二つのクラン
プ手段の把持部の3カ所で把持して、前記ワークを溶接
工程の次工程へ搬送する構成としてある。
【0004】このような構成のスポット溶接用ロボット
ハンドによれば、スポット溶接ガンによりスポット溶接
したワークは、このスポット溶接ガンと球面状の把持部
を備えた二つのクランプ手段との3カ所で把持して次工
程へ搬送される。
【0005】
【0006】
【0007】請求項2の発明は、請求項1の発明の構成
において、二つのクランプ手段は、ワークを把持するワ
ーク把持位置と、スポット溶接ガンによる溶接作業時
に、ワークとの干渉を回避するよう前記ワーク把持位置
より前記スポット溶接ガンから離れた退避位置との間を
移動可能である。
【0008】上記構成によれば、スポット溶接ガンによ
るワークに対する溶接作業時には、二つのクランプ手段
は、スポット溶接ガンから離れた退避位置にあってワー
クとの干渉が回避され、スポット溶接されたワークを把
持する際には、スポット溶接ガンに接近してワーク把持
位置となってスポット溶接ガンとともにワークを把持す
る。
【0009】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明の構成において、スポット溶接ガンおよび二つのクラ
ンプ手段は、ワークを把持する際に、他のクランプ手段
またはスポット溶接ガンとの相対位置が変位可能なよう
に、個別にイコライズ機構を備えている。
【0010】上記構成によれば、スポット溶接ガンおよ
び二つのクランプ手段は、イコライズ機構によって他の
クランプ手段またはスポット溶接ガンとの相対位置が変
化し、ワークの形状または姿勢に容易に追従する。
【0011】請求項4の発明は、請求項3の発明の構成
において、個々のイコライズ機構は、ワークを把持した
状態で他のクランプ手段またはスポット溶接ガンとの相
対位置を固定するブレーキ機構を備えている。
【0012】上記構成によれば、スポット溶接ガンおよ
び二つのクランプ手段によりワークを把持した状態で、
イコライズ機構のブレーキ機構をロックすることで、二
つのクランプ手段とスポット溶接ガンの相対位置が固定
され、ワーク搬送中の把持姿勢が安定する。
【0013】請求項5の発明は、請求項4の発明の構成
において、スポット溶接ガンおよび二つのクランプ手段
に、ブレーキ機構によってイコライズ機構が固定された
ワーク把持状態でのワークの姿勢を検知するエンコーダ
を設け、このエンコーダの検出データに基づいて前記ワ
ークを正規の姿勢となるようロボットの動作を制御する
ようにした。
【0014】上記構成によれば、ブレーキ機構によりイ
コライズ機構が固定されたワーク把持状態でのワークの
姿勢をエンコーダによって検出し、この検出データに基
づいてロボットが制御されてワークが正規の姿勢に補正
される。
【0015】請求項6の発明は、ワークを把持して該ワ
ークのスポット溶接を行うスポット溶接ガンを、ロボッ
ト先端軸に取り付けたハンドベースに設け、前記スポッ
ト溶接ガンにてワークをスポット溶接した後に、当該溶
接工程の次工程に前記ワークを搬送する際に前記ワーク
を把持するワーク把持方法であって、前記ハンドベース
に、前記ワークをその両側の面から挟持固定する球面状
の挟持部を備えたクランプ手段を二つ設けるとともに、
前記スポット溶接ガンの把持部と前記二つのクランプ手
段の把持部とを含む三つの把持部相互の位置関係を、三
角形の三つの頂点にそれぞれ対応させ、前記三角形の頂
点に位置する3点の把持部にて、前記溶接工程後のワー
クを把持する。
【0016】上記ワーク把持方法によれば、スポット溶
接後のワークを、スポット溶接ガンと球面状の挟持部を
備えた二つのクランプ手段とで、3点支持によって挟持
固定するので、様々な形状のワークを把持して次工程へ
の搬送が可能である。
【0017】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、スポット溶接
ガンによりスポット溶接したワークを次工程へ搬送する
際に、このスポット溶接ガンと球面状の挟持部を備えた
二つのクランプ手段とで三角形の三つの頂点に対応する
3点支持により挟持固定するので、様々な形状のワーク
を把持する際に、スポット溶接ガンもクランプ手段とし
て使用することになり、専用のクランプ手段が一つ不要
となって、ロボットハンドの小型化を図ることができ
る。
【0018】
【0019】請求項2の発明によれば、スポット溶接ガ
ンによるワークに対する溶接作業時には、二つのクラン
プ手段を、スポット溶接ガンから離れた退避位置とする
ことで、ワークとの干渉を回避することができる。
【0020】請求項3の発明によれば、スポット溶接ガ
ンおよび二つのクランプ手段は、ワークを把持する際
に、イコライズ機構によって他のクランプ手段またはス
ポット溶接ガンとの相対位置が変化するので、ワークの
形状または姿勢に容易に追従させることができる。
【0021】請求項4の発明によれば、ワークを把持し
た二つのクランプ手段とスポット溶接ガンの相対位置
を、イコライズ機構のブレーキ機構により固定すること
で、ワークの把持姿勢が安定し、ワークの搬送を確実に
行うことができる。
【0022】請求項5の発明によれば、ブレーキ機構に
よりイコライズ機構が固定されたワーク把持状態でのワ
ークの姿勢をエンコーダによって検出し、この検出デー
タに基づいてロボットが制御されてワークが正規の姿勢
に補正されるようにしたので、把持したワークを治具へ
セットするなどの位置決め精度が要求される作業に有効
である。
【0023】請求項6の発明によれば、スポット溶接後
のワークを、スポット溶接ガンと球面状の挟持部を備え
た二つのクランプ手段との3点支持によって挟持固定す
るので、様々な形状のワークを把持する際に、スポット
溶接ガンもクランプ手段として使用することになり、専
用のクランプ手段が一つ不要となって、ロボットハンド
の小型化を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づき説明する。
【0025】図1は、この発明の実施の一形態を示すス
ポット溶接用ロボットハンドの斜視図である。ロボット
先端軸1と、スポット溶接ガン(以下、単に溶接ガンと
呼ぶ)3に付随の溶接トランス5との間には、ハンドベ
ース7が設けられている。ハンドベース7は、ロボット
先端軸1の先端(下端)が固定される先端軸固定面9
と、先端軸固定面9の溶接ガン3と反対側の端部に図中
で下方に屈曲してその下部側の内面に前記溶接トランス
5の後端が固定されるトランス固定面11と、先端軸固
定面9のトランス固定面11と反対側の端部から左右両
側に突出し、後述するクランプ手段としてのクランプユ
ニット13を保持するクランプ保持アーム15とを備え
ている。
【0026】溶接ガン3は、固定側のガンアーム17と
可動側のガンアーム19とを備え、各ガンアーム17,
19の先端に、電極チップ21,23がそれぞれ設けら
れている。上記各ガンアーム17,19は、基端部が保
持具25,27にそれぞれ装着され、下部側の保持具2
5は、溶接トランス5に取り付けられたブラケット29
の先端に固定され、上部側の保持具27は、前記ブラケ
ット29の先端に設けた支持軸31を中心に回動可能に
支持されている。
【0027】溶接トランス5の上面には、シリンダ取付
ブラケット33が設けられ、このシリンダ取付ブラケッ
ト33には、ガン加圧シリンダ35がピン37を介して
回動可能に装着されている。ガン加圧シリンダ35のピ
ストンロッド39は、上部側の保持具27に設けたブラ
ケット41にピン43を介して回動可能に装着され、ガ
ン加圧シリンダ35の動作により、ガンアーム19が支
持軸31を中心として矢印A方向に回動し、電極チップ
21,23相互でスポット溶接を行うとともに、ワーク
Wを挟持固定して把持する機能も備えている。
【0028】ハンドベース7のクランプ保持アーム15
の先端は下方に屈曲した屈曲部45を有し、この屈曲部
45にはヒンジ47を支点として揺動可能な揺動片49
が設けられている。屈曲部45は、揺動片49の上端が
挿入されるスリット51が形成されるともに、トランス
固定面11側の下端角部がR状に形成され、揺動片49
が図1の状態からトランス固定面11側に揺動変位可能
となっている。
【0029】上記屈曲部45のR状に形成された側の上
端部にはアクチュエータ取付ブラケット53が設けら
れ、この取付ブラケット53には、スイングアチュエー
タ55がピン56を介して回動可能に装着されている。
このスイングアクチュエータ55のピストンロッド57
の先端は、揺動片49のトランス固定面11側に突出し
て設けられているブラケット59にピン61を介して回
動可能に装着され、スイングアクチュエータ55の動作
により揺動片49が矢印B方向に揺動する。
【0030】揺動片49の下端には、クランプアクチュ
エータ63が装着され、クランプアクチュエータ63
は、一対のクランプアーム65を、先端部の相互に対向
する側に設けたクランプチップ67が相互に接近離反移
動するべく駆動する。クランプチップ67は、先端面が
球面状に形成され、この球面状部分によってワークWを
挟持固定し、前述したワークWを把持する機能を備えた
電極チップ21,23とともに、球面状の挟持部を構成
する。この電極チップ21,23と2カ所のクランプチ
ップ67とからなる三つの把持部(挟持部)は、相互の
位置関係が、三角形の三つの頂点にそれぞれ対応してい
る。
【0031】図2は、クランプアクチュエータ63の内
部構造を示す断面図で、このクランプアクチュエータ6
3は、ボディ69内に、中央位置にて左右方向に摺動可
能な第1ピストン71と、第1ピストン71の外周に設
けられて第1ピストン71と同方向に相対移動可能な第
2ピストン73とを収容している。一対のクランプアー
ム65は、基端部にて相互に対向する方向に突出する突
出部65aを備えている。この突出部65aに、前記第
1ピストン71の図中で左側の端部が軸75を介して連
結し、第1ピストン71の移動によって支持軸77を中
心にクランプアーム65が回動する。第2ピストン73
のクランプアーム65側の端部に装着された押圧片79
は、クランプアーム65の後端側に設けたサイドローラ
80に接触可能な状態となっている。
【0032】第1ピストン71の後端とキャップ81と
の間には、第1圧力室83が形成され、第2ピストン7
3の外周とボディ69との間には、第2圧力室85が形
成されている。
【0033】図2の状態から、第2圧力室85にエア口
87を通してエアが供給され、かつ第1圧力室83から
エアがエア口89を通して排出されると、第1ピストン
71が図中で右方向に移動すると同時に、第2ピストン
73が図中で左方向に移動し、これによりクランプアー
ム65は、図3に示すように、先端部のクランプチップ
67相互が接近するよう移動してワークWを把持可能な
状態となる。
【0034】逆に、図3の状態から、第1圧力室83に
エア口89を通してエアが供給され、かつ第2圧力室8
5からエアがエア口87を通して排出されると、上記は
逆に、第1ピストン71が図中で左方向に移動すると同
時に、第2ピストン73が図中で右方向に移動し、これ
によりクランプアーム65は、クランプチップ67相互
が離反する方向に移動してワークWを把持不能な図2に
示す状態に戻る。
【0035】上記した構成のスポット溶接用ロボットハ
ンドにおいては、溶接ガン3によってスポット溶接した
ワークWを、二つのクランプユニット13と、溶接ガン
3との3ヶ所にて把持し、次工程へ搬送する。スポット
溶接を行う際には、図1の状態からスイングアクチュエ
ータ55を駆動させ、そのピストンロッド57を図1中
で上方に後退させることで、揺動片49,クランプアク
チュエータ63およびクランプアーム65などからなる
クランプユニット13を後方側にスイング移動させ、こ
れによりクランプユニット13が邪魔になることなく溶
接作業を行うことができる。
【0036】スポット溶接後は、スイングアクチュエー
タ55を、ピストンロッド57が下方に進出するよう駆
動させ、クランプユニット13を図1の状態となるよう
前方へスイング移動させる。この状態で、クランプアク
チュエータ63を図2の状態から図3の状態となるよう
駆動して、クランプチップ67にてワークWを挟持固定
するとともに、溶接ガン3においても、ガン加圧シリン
ダ35の動作により、ガンアーム19がガンアーム17
から離れた状態から、下方に移動して電極チップ21,
23相互でワークWを挟持固定する。
【0037】上記二つのクランプユニット13は、クラ
ンプチップ67の先端が球面状であり、溶接ガン3につ
いても電極チップ21,23は先端が球面状となってお
り、これらの3点でワークWを把持するので、ワークの
形状に合ったゲージを使用する場合のように、ワーク毎
にゲージを変更するような作業が不要であり、ワークの
形状に対して柔軟に対応でき、汎用性が高いものとなっ
ている。また、溶接ガン3をクランプ手段の一つとして
使用しているので、専用のクランプ手段を三つ設ける場
合に比べ、ロボットハンドの小型化およびコスト低下が
達成される。
【0038】図4は、この発明の他の実施の形態を示す
スポット溶接用ロボットハンドの斜視図、図5は同側面
図である。このスポット溶接用ロボットハンドは、前記
図1のものと同様に、ロボット先端軸91と、溶接ガン
93に付随の溶接トランス95との間に、ハンドベース
97が設けられている。ハンドベース97は、ロボット
先端軸91の先端(下端)が固定される先端軸固定面9
9と、先端軸固定面99の溶接ガン93と反対側の端部
に図中で下方に屈曲してその下部側の内面に前記溶接ト
ランス95の後端が装着されるトランス固定面111
と、先端軸固定面99のトランス固定面111と反対側
の端部から左右両側に突出し、後述するクランプ手段と
してのクランプユニット113を保持するクランプユニ
ット保持片115とを備えている。
【0039】溶接ガン93は、固定側のガンアーム11
7および可動側のガンアーム119の先端に、電極チッ
プ121,123がそれぞれ設けられ、各ガンアーム1
17,119は、基端部が保持具125,127にそれ
ぞれ装着されている。上部側の保持具127は、溶接ト
ランス95に取り付けたブラケット129の先端に設け
た図示しない支持軸を中心に、下部側の保持具125に
対して回動可能に支持され、これによりガンアーム11
9はガンアーム117に対して接近離反する方向に移動
可能となる。この保持具127と下部側の保持具125
は、ガンアーム117,119先端の電極チップ12
1,123によってワークWを把持した状態で、相互に
一体となって回動可能であり、この回動機構によって、
ワークを把持する際に、他のクランプ手段との相対位置
が変位可能なように機能するイコライズ機構を構成す
る。上記した保持具125,127の回動位置は、ブラ
ケット129の先端に設けたロータリエンコーダ131
によって検出可能であり、このロータリエンコーダ13
1には、ガンアーム117,119を適宜の回動位置に
て固定するブレーキ機構が設けられている。
【0040】可動側のガンアーム119を駆動するガン
加圧シリンダ133は、下部側の保持具125から斜め
上方に突出した支持片135の先端に、ブラケット13
7を介して連結されるとともに、ピストンロッド139
の先端が、上部側の保持具127に設けたブラケット1
41にピン143を介して回動可能に連結されている。
【0041】クランプユニット保持片115には、ヒン
ジ147を支点として揺動可能な揺動片149が設けら
れている。クランプユニット保持片115は、揺動片1
49の基端が挿入されるスリット151が形成されると
もに、トランス固定面111側の先端角部がR状に形成
され、揺動片149が図4の状態からトランス固定面1
11側に回動変位可能となっている。
【0042】上記揺動片149の先端角部のトランス固
定面111側にはブラケット153が突出して形成さ
れ、一方先端軸固定面99のトランス固定面側端部の左
右幅方向両端には、左右に突出したアクチュエータ取付
ブラケット155が設けられている。このアクチュエー
タ取付ブラケット155に、スイングアチュエータ15
7がピン159を介して回動可能に装着され、スイング
アクチュエータ157のピストンロッド161の先端
は、前記ブラケット153にピン163を介して回動可
能に装着され、これによりスイングアクチュエータ15
7の動作により揺動片149を含むクランプユニット1
13全体が、図4における一方のクランプユニット11
3周辺の平面図である図6に示すように、ヒンジ147
を中心として矢印C方向に揺動する。
【0043】クランプユニット113は、フレーム16
5を備え、このフレーム165は、上下に延長される中
心部165aと、中心部165aの上下両端に先端軸固
定面99と平行に延長される上部アーム165bおよび
下部アーム165cとを備えている。上部アーム165
bおよび下部アーム165cの揺動片149側に突出し
た部分には、2本のガイドロッド167の上下両端が連
結固定され、ガイドロッド167は、揺動片149に対
し上下方向に摺動可能に支持されている。ガイドロッド
167の揺動片149に対して上部側および下部側に
は、スプリング169および171がそれぞれ介装さ
れ、これら各スプリング169,171相互の弾性力に
より、揺動片149に対するクランプユニット113全
体の上下方向位置が、図4に示す位置にて弾性的に保持
されている。このように、クランプユニット113が上
下方向に移動可能に弾性的に保持される構造が、ワーク
を把持する際に、他のクランプ手段との相対位置が変位
可能なように機能するイコライズ機構に相当する。
【0044】揺動片149先端のブラケット153と反
対側の端部には、中心部165aの側部に形成したガイ
ドレール173に沿って上下方向に移動可能な、ブレー
キ機構を備えたリニアエンコーダ175が設けられてい
る。
【0045】フレーム165における上部アーム165
bの揺動片149と反対側に突出した部分の先端には、
クランプアクチュエータ177が装着されている。クラ
ンプアクチュエータ177のピストンロッド179の先
端にはクランプチップ181が形成され、下部アーム1
65cの揺動片149と反対側に突出した端部には、上
記クランプチップ181とでワークWを挟持固定するク
ランプチップ183が設けられている。
【0046】上記図4に示したようなスポット溶接用ロ
ボットハンドにおいては、前記図1のものと同様に、溶
接ガン93によってスポット溶接したワークWを、二つ
のクランプユニット113と、溶接ガン93との3ヶ所
にて把持し、次工程へ搬送する。スポット溶接を行う際
には、スイングアクチュエータ157を駆動させ、揺動
片149を含むクランプユニット113を、図4の状態
および図6の実線で示す状態から、図6の二点鎖線で示
す状態となるようピストンロッドト161を後退させ
て、後方側にスイング移動させ、これによりクランプユ
ニット113が邪魔になることなく溶接作業を行うこと
ができる。
【0047】スポット溶接後は、スイングアクチュエー
タ157を、ピストンロッド161が進出するよう駆動
させ、クランプユニット113を図4および図6の実線
で示すの状態となるよう前方へスイング移動させる。こ
の状態で、クランプアクチュエータ177を駆動して、
クランプチップ181,183にてワークWを挟持固定
するとともに、溶接ガン93においても、ガン加圧シリ
ンダ133の動作により、ガンアーム119がガンアー
ム117から離れた状態から、下方に回動して電極チッ
プ121,123相互でワークWを挟持固定する。
【0048】上記二つのクランプユニット113は、図
1のものと同様に、クランプチップ181,183の先
端が球面状であり、溶接ガン93についても電極チップ
121,123は先端が球面状となっており、これらの
3点でワークWを把持するので、ワークの形状に合った
ゲージを使用する場合のように、ワーク毎にゲージを変
更するような作業が不要であり、ワークの形状に対して
柔軟に対応でき、汎用性が高いものとなっている。ま
た、溶接ガン93をクランプ手段として使用しているの
で、専用のクランプ手段を三つ設ける場合に比べロボッ
トハンドの小型化およびコスト低下が達成される。
【0049】さらに、上記図4のスポット溶接用ロボッ
トハンドにおいては、溶接ガン93が、ロータリエンコ
ーダ131を備えた図示しない支持軸を中心に、ガン加
圧シリンダ133とともに回動可能であると同時に、ク
ランプユニット113については揺動片149に対して
ガイドロッド167が上下に移動可能であるので、図7
に示すように、ワークWがクランク状に屈曲形成された
ものであっても、把持が可能であり、極めて汎用性が高
いものとなる。
【0050】ワークWを把持した状態では、ロータリエ
ンコーダ131およびリニアエンコーダ175のブレー
キ機構を作動させることで、その把持姿勢が維持され、
ワークを搬送する際においての把持が確実なものとな
る。
【0051】また、図8に示すように、把持されている
ワークWの姿勢が、正規の水平状態に対し、傾いている
ような場合には、ロータリエンコーダ131およびリニ
アエンコーダ175が、その傾きを検知し、ロボットに
フィードバックすることで、図9に示すように傾きが補
正されて水平状態とすることが可能である。これによ
り、ワークWを治具へセットするなど位置決め精度が要
求される場合に、特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態を示すスポット溶接用
ロボットハンドの斜視図である。
【図2】図1のロボットハンドに使用されるクランプア
クチュエータの内部構造を示す断面図である。
【図3】図2のクランプアクチュエータのワークを把持
可能な状態を示す断面図である。
【図4】この発明の他の実施の形態を示すスポット溶接
用ロボットハンドの斜視図である。
【図5】図4のスポット溶接用ロボットハンドの側面図
である。
【図6】図4における一方のクランプユニット周辺の平
面図である。
【図7】図4のスポット溶接用ロボットハンドにおい
て、他の形状のワークを把持している状態を示す側面図
である。
【図8】図4のスポット溶接用ロボットハンドにおい
て、ワークが傾いた状態で把持されている状態を示す側
面図である。
【図9】図4のスポット溶接用ロボットハンドにおい
て、ワークが正規の水平状態で把持されている状態を示
す側面図である。
【符号の説明】
1,91 ロボット先端軸 3,93 スポット溶接ガン 7,97 ハンドベース 13,113 クランプユニット(クランプ手段) 21,23,121,123 電極チップ(把持部) 67,181,183 クランプチップ(球面状の挟持
部) 131 ロータリエンコーダ 175 リニアエンコーダ W ワーク

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロボット先端軸に取り付けたハンドベー
    スに、ワークを把持して該ワークのスポット溶接を行う
    スポット溶接ガンと、前記ワークをその両側の面から挟
    持固定する球面状の挟持部を備えた二つのクランプ手段
    とを設け、前記スポット溶接ガンの把持部と前記二つの
    クランプ手段の把持部とを含む三つの把持部相互の位置
    関係が、三角形の三つの頂点にそれぞれ対応し、前記ス
    ポット溶接ガンにてスポット溶接したワークを、前記ス
    ポット溶接ガンの把持部と前記二つのクランプ手段の把
    持部の3カ所で把持して、前記ワークを溶接工程の次工
    程へ搬送することを特徴とするスポット溶接用ロボット
    ハンド。
  2. 【請求項2】 二つのクランプ手段は、ワークを把持す
    るワーク把持位置と、スポット溶接ガンによる溶接作業
    時に、ワークとの干渉を回避するよう前記ワーク把持位
    置より前記スポット溶接ガンから離れた退避位置との間
    を移動可能であることを特徴とする請求項1記載のスポ
    ット溶接用ロボットハンド。
  3. 【請求項3】 スポット溶接ガンおよび二つのクランプ
    手段は、ワークを把持する際に、他のクランプ手段また
    はスポット溶接ガンとの相対位置が変位可能なように、
    個別にイコライズ機構を備えていることを特徴とする請
    求項1または2記載のスポット溶接用ロボットハンド。
  4. 【請求項4】 個々のイコライズ機構は、ワークを把持
    した状態で他のクランプ手段またはスポット溶接ガン
    の相対位置を固定するブレーキ機構を備えていることを
    特徴とする請求項3記載のスポット溶接用ロボットハン
    ド。
  5. 【請求項5】 スポット溶接ガンおよび二つのクランプ
    手段に、ブレーキ機構によってイコライズ機構が固定さ
    れたワーク把持状態でのワークの姿勢を検知するエンコ
    ーダを設け、このエンコーダの検出データに基づいて前
    記ワークを正規の姿勢となるようロボットの動作を制御
    するようにしたことを特徴とする請求項4記載のスポッ
    ト溶接用ロボットハンド。
  6. 【請求項6】 ワークを把持して該ワークのスポット溶
    接を行うスポット溶接ガンを、ロボット先端軸に取り付
    けたハンドベースに設け、前記スポット溶接ガンにてワ
    ークをスポット溶接した後に、当該溶接工程の次工程に
    前記ワークを搬送する際に前記ワークを把持するワーク
    把持方法であって、前記ハンドベース に、前記ワークを
    その両側の面から挟持固定する球面状の挟持部を備えた
    クランプ手段を二つ設けるとともに、前記スポット溶接
    ガンの把持部と前記二つのクランプ手段の把持部とを含
    む三つの把持部相互の位置関係を、三角形の三つの頂点
    にそれぞれ対応させ、前記三角形の頂点に位置する3点
    の把持部にて、前記溶接工程後のワークを把持すること
    を特徴とするロボットハンドによるワーク把持方法。
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