JP2021028379A - オーバーコート用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】オーバーコート後もコロイド結晶の発色性が良好であり、塗膜の追従性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性に優れるオーバーコート用樹脂組成物を提供すること。【解決手段】上記課題は、コロイド結晶層の表面を保護するためのオーバーコート用樹脂組成物であって、水性樹脂微粒子(A)と水とを含有してなり、水性樹脂微粒子(A)は、平均粒子径が60〜300nm、かつガラス転移温度(Tg)が−30〜50℃であるオーバーコート用樹脂組成物によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、コロイド結晶層の表面を保護するためのオーバーコート用樹脂組成物に関する。
フォトニック結晶は、屈折率が異なる物質を光の波長と同程度の間隔で並べたナノ周期構造を持つ人工結晶であり、ブラッグ反射で知られる特定波長の光の反射やフォトニックバンドギャップによる光閉じ込め効果や光増幅効果等、様々な興味深い光学特性を有することから、近年、活発に検討されている。中でもコロイドサイズの粒子が規則的に配列されたコロイド結晶は、比較的簡便に作製できるフォトニック結晶の一つではあるが、コロイド結晶の配列を乱すことなく保持しつつ、コロイド結晶を含有する層(コロイド結晶層)の表面を保護することが難しいという技術的な課題により、大量生産されるまでには至っていない。
特許文献1では、コロイド結晶層を保護する目的で、エラストマー前駆体を含有したコート用樹脂組成物を塗布、乾燥させたコロイド結晶の塗膜が開示されている。しかしながら、このコート用樹脂組成物では、コロイド結晶の空隙部分がエラストマー成分で埋まってしまうため、粒子とマトリクス(充填したポリマー)の屈折率差が小さくなって薄膜で良好な発色を得られないという問題があった。また、樹脂を充填する際に、樹脂組成物中に含まれる溶剤によって、コロイド結晶の粒子配列が一部崩れる他、溶液が基材とコロイド結晶の界面に侵入し、コロイド結晶が基材から剥離してしまうという問題があった。
特許文献2では、コロイド結晶層を保護する目的で、ポリビニルアルコールを含有したコート用樹脂組成物を塗布、乾燥させたコロイド結晶の塗膜が開示されている。しかしながら、この場合もコロイド結晶の空隙部分に樹脂成分が入り込むため、粒子と空隙の屈折率差が低下し、塗膜の発色性が悪化するという問題があった。また、水や溶剤に溶解しやすいため、作製したコロイド結晶の塗膜の耐水性や耐溶剤性も著しく劣るという問題があった。
特許文献3では、コロイド結晶保護用のコート剤として、ゼラチン等、分子サイズの大きな高分子を含有したコート用樹脂組成物が開示されている。これらのコート剤は分子サイズが大きいゆえ、コロイド結晶層の空隙に侵入しにくく、屈折率差低下の抑制に一定の効果を有する。しかしながら、コロイド結晶とオーバーコート層間の接着性や、コート層の造膜による塗膜耐性が不十分なため、作製したコロイド結晶の塗膜の耐性は著しく悪いという問題があった。
したがって、コロイド結晶のオーバーコート後も発色性を良好に保つことができ、コロイド結晶層の表面を保護できる耐性(耐水性や耐溶剤性)の高い材料が求められていた。
特開2006−028202号公報 特開2006−159891号公報 特開2004−233408号公報
本発明が解決しようとする課題は、オーバーコート後もコロイド結晶の発色性が良好であり、塗膜の追従性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性に優れるオーバーコート用樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、コロイド結晶層の表面を保護するためのオーバーコート用樹脂組成物であって、水性樹脂微粒子(A)と水とを含有してなり、水性樹脂微粒子(A)は、平均粒子径が60〜300nm、かつガラス転移温度(Tg)が−30〜50℃であるオーバーコート用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、水性樹脂微粒子(A)の重量平均分子量が、50,000以上である上記オーバーコート用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、水性樹脂微粒子(A)の酸価が、5〜70mgKOH/gである上記オーバーコート用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、コロイド結晶層と架橋を形成し得る上記オーバーコート用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、コロイド結晶層が、コアシェル型樹脂微粒子を含有してなる上記オーバーコート用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、コアシェル型樹脂微粒子中のコア100質量部に対するシェルの質量が、10〜50質量部である上記オーバーコート用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、コアシェル型樹脂微粒子中のコア部のTgが、60℃以上である上記オーバーコート用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、コアシェル型樹脂微粒子中のシェル部のTgが、−50以上20℃未満である上記オーバーコート用樹脂組成物に関する。
本発明により、オーバーコート後もコロイド結晶の発色性が良好であり、塗膜の追従性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性に優れるオーバーコート用樹脂組成物を提供できるようになった。
本発明は、コロイド結晶層の表面を保護するためのオーバーコート用樹脂組成物であって、水性樹脂微粒子(A)と水とを含有してなり、水性樹脂微粒子(A)は、平均粒子径が60〜300nm、かつガラス転移温度(Tg)が−30〜50℃であるオーバーコート用樹脂組成物である。
<水性樹脂微粒子(A)>
まず、本発明に用いる水性樹脂微粒子(A)について説明する。水性樹脂微粒子(A)は、オーバーコート用樹脂組成物中において、樹脂粒子の水分散体の形態で存在し、コロイド結晶の塗膜耐性向上を目的にコロイド結晶層上に塗布され、乾燥していく過程で造膜し、コロイド結晶上にオーバーコート層を形成する。本明細書においては、コロイド結晶層とオーバーコート層を積層してなる上記の塗膜を「コロイド結晶塗膜」と呼称することにする。
水性樹脂微粒子(A)に好ましい樹脂系としては、コロイド結晶層との結着や造膜性、樹脂の透明性や水、溶剤への耐性に優れる点から、アクリル樹脂またはスチレンアクリル樹脂が好ましい。
水性樹脂微粒子(A)は、乳化重合のように水性媒体中でエチレン性不飽和単量体を重合する方法や、非水系にて重合をおこなった後、脱溶剤しながら水相に転相する、転相乳化法等、任意の方法で調製することができるが、工程数が少なく、低粘度且つ、高固形分、より高分子量の水性樹脂を得られる点から、乳化重合で得ることがより好ましい。
水性樹脂微粒子(A)がアクリル樹脂もしくはスチレンアクリル樹脂の場合、エチレン性不飽和単量体(a)をラジカル重合することで、目的の樹脂を得ることができる。
水性樹脂微粒子(A)の合成に使用できるエチレン性不飽和単量体(a)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族系エチレン性不飽和体;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tーブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、または、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等のカルボキシ基含有エチレン性不飽和単量体;
2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸アンモニウム、ビニルスルホン酸等のスルホ基含有エチレン性不飽和単量体;
(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド基含有エチレン性不飽和単量体;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシビニルベンゼン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、アリルアルコール等の水酸基含有エチレン性不飽和単量体;
メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリオキシエチレン基含有エチレン性不飽和単量体;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等が挙げられ、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有エチレン性不飽和単量体;
グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体;
ジアセトン(メタ)アクリルアミド、アセトアセトキシ(メタ)アクリレート等のケトン基含有エチレン性不飽和単量体;
アリル(メタ)アクリレート、1−メチルアリル(メタ)アクリレート、2−メチルアリル(メタ)アクリレート、1−ブテニル(メタ)アクリレート、2−ブテニル(メタ)アクリレート、3−ブテニル(メタ)アクリレート、1,3−メチル−3−ブテニル(メタ)アクリレート、2−クロルアリル(メタ)アクリレート、3−クロルアリル(メタ)アクリレート、o−アリルフェニル(メタ)アクリレート、2−(アリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルラクチル(メタ)アクリレート、シトロネリル(メタ)アクリレート、ゲラニル(メタ)アクリレート、ロジニル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルイタコン酸、ビニル(メタ)アクリレート、クロトン酸ビニル、オレイン酸ビニル,リノレン酸ビニル、2−(2’−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート、ジビニルベンゼン、アジピン酸ジビニル、イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等の2個以上のエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和単量体;
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有エチレン性不飽和単量体;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アルキルエーテル化N−メチロール(メタ)アクリルアミド等;
のメチロール基含有エチレン性不飽和単量体が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる
本明細書における水性樹脂微粒子(A)を得るに際して用いられるラジカル重合開始剤としては、公知の油溶性重合開始剤や水溶性重合開始剤を使用することができる。
油溶性重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリル等のアゾビス化合物を挙げることができる。これらは1種類または2種類以上を混合して使用することができる。
乳化重合においては水溶性重合開始剤を使用することが好ましく、例えば、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム(KPS)、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド等、従来既知のものを好適に使用することができる。
また、乳化重合を行うに際して、所望により重合開始剤とともに還元剤を併用することができる。これにより、乳化重合速度を促進したり、低温において乳化重合を行ったりすることが容易になる。
このような還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、エルソルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラート等の金属塩等の還元性有機化合物、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物、塩化第一鉄、ロンガリット、二酸化チオ尿素等を例示できる。これら還元剤は、エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、0.05〜5.0質量部の量を用いるのが好ましい。なお、前記した重合開始剤によらずとも、光化学反応や、放射線照射等によっても重合を行うことができる。重合温度は各重合開始剤の重合開始温度以上とする。例えば、過酸化物系重合開始剤では、通常80℃程度とすればよい。重合時間は特に制限されないが、通常2〜24時間である。
さらに必要に応じて、緩衝剤として、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等が、また、連鎖移動剤としてのオクチルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、ステアリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類が適量使用できる。
水性樹脂微粒子(A)の水媒体中での分散安定性をより高めるため、中和剤として塩基性化合物を使用することもできる。塩基性化合物としては、例えば、アンモニア水、ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。
水性樹脂微粒子(A)を得る際、粒子の分散安定性を向上させる目的で、調製時に乳化剤を使用することができる。オーバーコート層からの遊離成分を少なくし、塗膜耐性を上げる点から、重合後に残留しにくい反応性乳化剤を使用することがより好ましい。これらは、1種類又は2種類以上を併用して用いることができる。
使用できる乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンKH−05、KH−10、KH−20、株式会社ADEKA製アデカリアソープSR−10N、SR−20N、花王製ラテムルPD−104等)、
ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩系(市販品としては、第一工業製薬株式会社製アクアロンAR−10、AR−20)、
スルフォコハク酸エステル系(市販品としては、例えば、花王株式会社製ラテムルS−120、S−120A、S−180P、S−180A、三洋化成株式会社製エレミノールJS−2等)、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩系もしくはポリオキシエチレンアルキルフェニルエステル硫酸塩系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンHS−10、HS−20、HS−30、BC−10、BC−20、株式会社ADEKA製アデカリアソープSDX−222、SDX−223、SDX−232、SDX−233、SDX−259、SE−10N、SE−20N、等)、(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製アントックスMS−60、MS−2N、三洋化成工業株式会社製エレミノールRS−30等)、リン酸エステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製H−3330PL、株式会社ADEKA製アデカリアソープPP−70等)のアニオン性の反応性乳化剤;
オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類、ポリエキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類(市販品としては、例えば、第一工業製薬製ハイテノールLA−10、LA−12、LA−16等)のアニオン性の非反応性乳化剤;
ポリオキシエチレンアルキルエーテル系(市販品としては、例えば、株式会社ADEKA製アデカリアソープER−10、ER−20、ER−30、ER−40、花王株式会社製ラテムルPD−420、PD−430、PD−450等)、
ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル系(市販品としては、第一工業製薬株式会社製アクアロンAN−10、AN−20等)、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50、株式会社ADEKA製アデカリアソープNE−10、NE−20、NE−30、NE−40等)、(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製RMA−564、RMA−568、RMA−1114)等のノニオン性の反応性乳化剤;
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(市販品としては、第一工業製薬株式会社製ノイゲンTDS−120等)等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類のノニオン性の非反応性乳化剤;等が挙げられる。
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、マレイン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルピロリドン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、ビニルピロリドン−スチレン共重合体、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(東ソー株式会社製 ポリナスPS−1、ポリナスPS−5等)、スチレンスルホン酸−マレイン酸共重合体、ポリイタコン酸、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエステル、カルボキシビニルポリマー等の水溶性のビニル系共重合体;
ポリイソシアネートとポリオールの重付加反応により得られるウレタン樹脂であり、親水基の導入により樹脂全体が水溶化された水溶性ポリウレタン樹脂;
多価カルボン酸とポリオールの重縮合反応により得られるポリエステル樹脂であり、親水基の導入により樹脂全体が水溶化された水溶性ポリエステル樹脂;
等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。さらにこれらの樹脂は、ラジカル開始剤により溶液重合もしくは塊状重合で合成しても構わないし、市販品を使用しても構わない。また、必要に応じて前述で述べた塩基性化合物を使用する事ができる。
乳化剤の市販品としては、例えば、BASF社製JONCRYL67、JONCRYL678、JONCRYL586、JONCRYL611JONCRYL683、JONCRYL690、JONCRYL57J、JONCRYL60JJONCRYL61J、 JONCRYL62J、JONCRYL63J、JONCRYLHPD−96J、JONCRYL501J、JONCRYLPDX−6102B、ビックケミー社製DISPERBYK180、DISPERBYK187、DISPERBYK190、DISPERBYK191、DISPERBYK194、DISPERBYK2010、DISPERBYK2015、DISPERBYK2090、DISPERBYK2091、DISPERBYK2095、DISPERBYK2155、サートマー社製、SMA1000H、SMA1440H、SMA2000H、SMA3000H、SMA17352H等が挙げられる。
水性樹脂微粒子(A)の平均粒子径は60〜300nmの範囲である。平均粒子径が60nm以上であると、オーバーコート層の樹脂成分がコロイド結晶の表層で留まるため、コロイド結晶の空隙部に樹脂が必要以上に浸透せず、発色に悪影響を及ぼさない。一方、300nm以下であると、十分な造膜性を有する上、コロイド結晶層への結着性にも優れる。したがって、オーバーコート後の発色性が良好で、追従性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤に優れるコロイド結晶塗膜が得られる。
水性樹脂微粒子(A)のガラス転移温度(Tg)は−30〜50℃の範囲であり、更に−10℃〜30℃の範囲である事が好ましい。Tgが−30℃以上であると、オーバーコート層の樹脂成分がコロイド結晶層の空隙部へ侵入しないため、コロイド結晶塗膜の発色が優れたものとなる。また塗膜強度も向上するため、コロイド結晶塗膜の耐ラビング性も良好なものとなる。一方で、Tgが50℃以下であると、水性樹脂微粒子(A)の造膜性が十分に確保されるため、オーバーコート層のコロイド結晶層への結着性が良化する。したがって、コロイド結晶塗膜の発色性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性により優れたものとなる。
上記のガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量計)を用いて求めた値である。
水性樹脂微粒子(A)の重量平均分子量は、50,000以上であることが好ましく、更に100,000以上であることが好ましい。また、1,000,000以下であることが好ましい。重量平均分子量が50,000以上であると事により、オーバーコート層の樹脂がコロイド結晶の空隙をより埋めにくくなるため、コロイド結晶塗膜の発色性がより優れたものとなる。更にオーバーコート層の塗膜強度やコロイド結晶層への結着力も向上するため、発色性、追従性、耐ラビング性、耐摩擦性、耐水性、耐溶剤性により優れたコロイド結晶塗膜が得られる。ここで言う重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の値である。
更に水性樹脂微粒子(A)はカルボキシ基を有しており、酸価が5〜70mgKOH/gであることが好ましい。酸価が上記の範囲である事により、コロイド結晶層上に塗工するオーバーコート用樹脂組成物の濡れ性が十分に確保され、ムラが少なく均質なオーバーコート層が得られる。また、オーバーコート層中の成分が水に再溶解してコロイド結晶に悪影響を及ぼす可能性も無い。カルボキシ基由来の水素結合もオーバーコート層とコロイド結晶層間の結着性向上に寄与する。したがって、コロイド結晶塗膜の追従性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性がより向上する。
<オーバーコート用樹脂組成物>
本発明のオーバーコート用樹脂組成物は、水と水性樹脂微粒子(A)を含有しており、コロイド結晶上に塗布、乾燥することで造膜し、オーバーコート層を形成する。コロイド結晶の諸物性に悪影響を及ぼさない範囲であれば、塗膜の造膜性や各種耐性を向上させる目的で、親水性溶剤や架橋剤等の添加剤を使用することができる。
本明細書における親水性溶剤としては、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール等の一価のアルコール溶剤;
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のグリコール系溶剤;
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;
N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等のラクタム系溶剤;
ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、出光製エクアミドM−100、エクアミドB−100等のアミド系溶剤等が挙げられる。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
本発明のオーバーコート用樹脂組成物は、コロイド結晶と架橋を形成することが好ましい。架橋の形成により、オーバーコート層とコロイド結晶の結着がより強化され、コロイド結晶塗膜の追従性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性が更に向上する。例えば、水性樹脂微粒子(A)と樹脂微粒子(B)に反応性基を導入しておき、直接反応させたり、多官能の架橋剤を介して反応させる等して形成することができる。
水性樹脂微粒子(A)に導入できる反応性基としては、エポキシ基やカルボキシ基(エポキシ架橋剤を介しての架橋)、水酸基(イソシアネート架橋剤を介しての架橋)、ケトン・ヒドラジド架橋を形成するケトン基、ヒドラジド基等が挙げられるが、コロイド結晶の諸物性に悪影響を及ぼさず、水の揮発により低温且つ短時間で架橋を形成できる点からケトン基もしくはヒドラジド基であることが好ましい。ケトン・ヒドラジド架橋はフィルム基材など高温乾燥でダメージを受けやすい基材には好適である。ケトン・ヒドラジド架橋を形成させる方法としては、例えば、水性樹脂微粒子(A)とコロイド結晶を構成する樹脂微粒子(B)に、予めケトン基を導入しておき、更に水媒体中に架橋剤のヒドラジド化合物を添加すれば、乾燥時にヒドラジド化合物を介してオーバーコート層とコロイド結晶層の間で架橋が形成できる。
水性樹脂微粒子(A)にケトン基を導入する方法としては、任意の方法が挙げられるが、例えば、エチレン性不飽和単量体(a)に前述したケトン基含有エチレン性不飽和単量体を含有させ、共重合することで樹脂微粒子にケトン基を導入することができる。ケトン基含有エチレン性不飽和単量体は親水性の高い骨格であるため、ケトン基は樹脂粒子のより外側、水性媒体との界面付近に導入される。
ケトン基又の導入量は、水性樹脂微粒子(A)の固形分に対して、0.05〜0.3mmol/gの範囲であることが好ましい。0.05〜0.3mmol/gの範囲で導入することにより、水性樹脂微粒子(A)の融着が阻害されない状態で架橋が形成されるため、より塗膜強度に優れるオーバーコート層が形成される。更にコロイド結晶との結着も良好であるため、コロイド結晶塗膜の追従性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性がより向上する。
ケトン・ヒドラジド架橋を形成する目的で使用できる架橋剤と言えば、例えば、アジピン酸ジヒドラジド、多官能のヒドラジド基が変性された水溶性樹脂等が挙げられる。
<コロイド結晶層用樹脂組成物>
本明細書におけるコロイド結晶層用樹脂組成物は、樹脂微粒子(B)を含有しており、基材上に塗布されてコロイド結晶層を形成するための樹脂組成物を意味する。コロイド結晶層用樹脂組成物より得られたコロイド結晶層は、ブラッグ反射由来の構造色を発現し、粒子径を制御により、周期間隔も制御でき、様々な色を発色させることができる。コロイド結晶層用樹脂組成物は、乾燥時の粒子配列やコロイド結晶塗膜の諸物性に悪影響を及ぼさない範囲であれば、発色性や塗工性、塗膜耐性を向上させる目的で、無彩黒色微粒子、親水性溶剤や架橋剤等の添加剤を使用することができる。使用できる親水性溶剤ならびに架橋剤としては、オーバーコート用樹脂組成物で例示したものが挙げられる。
樹脂微粒子(B)は、例えば、下記の方法により製造することができる。まず、反応槽に水性媒体と乳化剤を仕込み、所定の温度まで昇温する。一方、滴下槽には水と乳化剤とエチレン性不飽和単量体(b)を仕込み、撹拌してエチレン性不飽和単量体(b)の乳化液を調製する。その後、窒素雰囲気下、反応槽に調製した乳化液を滴下しながら、ラジカル重合開始剤を添加する。反応開始後、ポリマーの粒子核が生成し、粒子は徐々に成長して、目的の樹脂微粒子(B)が得られる。
樹脂微粒子(B)に使用できるエチレン性不飽和単量体(b)としては、前述の水性樹脂微粒子(A)で例示したエチレン性不飽和単量体(a)を使用することができる。
樹脂微粒子(B)の平均粒子径は180〜330nmの範囲であることが好ましい。上記の範囲である事により、コロイド結晶層の可視光領域での発色が明瞭となり、コロイド結晶塗膜の発色も優れたものとなる。
樹脂微粒子(B)はオーバーコート層と架橋を形成する反応性基を有することが好ましい。樹脂微粒子(B)が反応性基を有する事により、前述したオーバーコート層とコロイド結晶層の間で架橋が可能となる。
樹脂微粒子(B)に導入可能な反応性基としては、水性樹脂微粒子(A)で例示した反応性基が挙げられるが、コロイド結晶の規則的配列に悪影響を及さず、比較的低温で架橋を形成する点からケトン・ヒドラジド架橋を形成するケトン基であることが好ましい。樹脂微粒子(B)へのケトン基の導入方法としては、先述した水性樹脂微粒子(A)と同様の方法で導入する事が可能である。
樹脂微粒子(B)のケトン基導入量は、樹脂微粒子(B)の固形分に対して、0.05〜0.3mmol/gの範囲であることが好ましい。上記の範囲である事により、耐水性を悪化させない範囲で、樹脂微粒子(B)間、コロイド結晶層−オーバーコート層間の結着が強化できるため、コロイド結晶塗膜の追従性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性がより向上する。
樹脂微粒子(B)はコアシェル型構造の樹脂微粒子である事が更に好ましい。コアシェル型樹脂微粒子はコアならびシェルが水に不溶なポリマーであり、互いに相溶しないコア部(内層)とシェル部(外層)の構造からなる。コア部は球状形状の維持、シェル部は流動性を有して結着部位として機能する。コアシェル型樹脂微粒子(B)は、基材上に塗布され、乾燥が進むにつれて、規則的に配列して積層してコロイド結晶を形成する。その際、コアシェル粒子間の接触部分でシェル部同士が融着し、空隙が水媒体から空気に置換されたコロイド結晶を形成する。更にシェル部は、オーバーコート層の樹脂とも融着するため、強固にコロイド結晶が固定化された塗膜が形成される。またコロイド結晶中に後述する無彩黒色微粒子を含有する場合、シェル部が無彩黒色微粒子を結着し、欠落を抑制する効果も有している。したがって、コロイド結晶塗膜の追従性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性がより向上する。
コアシェル型樹脂微粒子の製造法は、下記の二段滴下の乳化重合により、調製される。まず、反応槽に水性媒体と乳化剤を仕込み、所定の温度まで昇温する。窒素雰囲気下、反応槽にコア部を形成する一段目のエチレン性不飽和単量体(bc)の乳化液を滴下しながら、ラジカル重合開始剤を添加する。反応開始後、粒子核が徐々に成長してコア粒子を形成する。一段目の滴下が完了した後、時間を空けてシェル部を形成する二段目のエチレン性不飽和単量体(bs)の乳化液の滴下を開始する。滴下された二段目のエチレン性不飽和単量体(bs)は、一旦コア粒子に分配されるが、重合が進むにつれてコア粒子の外層にポリマーとして析出し、シェル層を形成する。上記の工程により、目的のコアシェル型微粒子を調製することができる。
コアシェル型樹脂微粒子のコア100質量部に対するシェルの質量は10〜50質量部であることが好ましい。上記の範囲である事により、コロイド結晶の空隙部分がシェル部の融着で埋まる恐れが無い一方、シェルの融着は十分に進み、コアシェル微粒子間、コアシェル微粒子とオーバーコート層間、其々の結着がより強固なものとなる。したがって、発色性、追従性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性に優れるコロイド結晶塗膜が得られる。
コアシェル型樹脂微粒子のコア部のTgは60℃以上であることが好ましく、60℃
〜150℃である事がより好ましい。Tgが60℃以上であることにより、コア部形状が熱や溶剤の影響で変形する恐れが少なくなる。したがって、発色性や耐溶剤性により優れるコロイド結晶塗膜を得ることができる。
コアシェル型樹脂微粒子のシェル部のTgは−50以上20℃未満であることが好ましい。上記の範囲である事により、コロイド結晶の空隙部分がシェル部の融着で埋まる恐れが無い一方、シェルの融着は十分に進み、コアシェル微粒子間、コアシェル微粒子とオーバーコート層間、其々の結着がより強固なものとなる。したがって、追従性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性に優れる塗膜が得られる。
更にコアシェル型樹脂微粒子のシェルには水性樹脂微粒子(A)と架橋を形成する反応性基を有していることが好ましい。導入できる反応性基としては水性樹脂(A)で例示した反応性基が挙げられる。シェル部の架橋の形成と、先述したシェル部の融着の相乗効果により、コロイド結晶層とオーバーコート層の結着がより強化され、コロイド結晶塗膜の追従性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性がより向上する。
無彩黒色微粒子には、カーボンブラックや黒色染料で着色した樹脂微粒子など任意の黒色微粒子を使用することができる。着色成分が水や溶剤に溶出しにくいこと、着色剤の耐久性に優れることから、カーボンブラックを使用する事がより好ましい。カーボンブラックは、各種分散剤によって水中に分散されたタイプを使用しても構わないし、自己分散タイプのものでも構わないが、分散剤成分による微粒子配列への影響がない点から自己分散タイプのカーボンブラックを使用する事が更に好ましい。
使用できるカーボンブラック水分散体は調製しても構わないし、市販されているものを使用しても構わない。市販品としては、市販品としては、例えば、ライオン社製ライオンペーストシリーズ(W−310A等)、オリエント化学製CWシリーズ(CW−1、CW−2、CW−3等)が挙げられる。
<コロイド結晶層の形成方法>
基材上に樹脂微粒子(B)と水を含有してなるコロイド結晶層用樹脂組成物を塗布する。塗布方式としては、インクジェットやスプレー、ディッピングやスピンコート等、版を使用しない印刷方式、オフセットグラビアコーター、グラビアコーター、ドクターコーター、バーコーター、ブレードコーター、フレキソコーター、ロールコーター等の有版の印刷方式、どちらを採用しても構わない。
コロイド結晶層用樹脂組成物を基材上に塗布した後、塗布物を乾燥してコロイド結晶層を形成させる。その際、乾燥方法に特に制限はなく、オーバーコート用樹脂組成物の塗布物の乾燥で例示した乾燥方法を適宜採用することができる。規則配列への影響と生産性を鑑み、乾燥温度は25〜80℃の範囲であることが好ましい。コロイド結晶層の良好な発色を担保し、且つ短時間で効率的に生産する事を踏まえ、コアシェル型樹脂微粒子(B)の分散液は乾燥後のコロイド結晶層の膜厚が5〜20μmの範囲になるように塗布することが好ましい。
<基材>
本明細書における使用可能な基材としては、従来既知のものを任意に用いることができる。例えば、ポリ塩化ビニルシート、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルムの様な熱可塑性樹脂基材や、アルミニウム箔の様な金属基材、ガラス基材、コート紙基材などにも使用可能である。基材は印刷媒体の表面が滑らかであっても、凹凸のついたものであっても良いし、透明、半透明、不透明のいずれであっても良い。コロイド結晶塗膜の発色をより明瞭にするため、黒色等に予め着色された基材を用いる事も可能である。また、上記これらの基材の2種以上を互いに張り合わせたものでも良い。
<オーバーコート層の形成方法>
コロイド結晶の塗膜耐性を更に上げる目的で、コロイド結晶層上にオーバーコート用樹脂組成物を塗布する。塗布方式としては、特に限定は無く、前述したコロイド結晶用樹脂組成物の塗布方法で例示した方式を採用することができる。
オーバーコート用樹脂組成物をコロイド結晶層上に塗布した後、塗布物を乾燥して造膜させ、オーバーコート層を形成させる。その際、乾燥方法に特に制限はなく、例えば加熱乾燥法、熱風乾燥法、赤外線乾燥法、マイクロ波乾燥法、ドラム乾燥法等、従来既知の方法を挙げることができる。上記の乾燥法は単独で用いても、複数を併用してもよいが、基材へのダメージを軽減し効率よく乾燥させるため、熱風乾燥法を用いることが好ましい。乾燥温度は50〜120℃の範囲であることが好ましい。オーバーコート層の機能を効果的に発現させ、且つ短時間で効率的に生産する観点から、オーバーコート用樹脂組成物は、乾燥後のオーバーコート層の膜厚が2〜20μmの範囲になるように塗布することが好ましい。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。例中、「部」とは「質量部」を、「%」とは「質量%」をそれぞれ意味する。
[平均粒子径およびCv値]
分散体を500倍に水で希釈し、該希釈液約5mlを動的光散乱測定法(測定装置はナノトラックUPA(株)マイクロトラックベル社製)により測定をおこなった。得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)のピークを平均粒子径とした。同時に下記式より粒子径の均斉度を表す変動係数Cv値を算出した。
Cv値(%)=粒子径の標準偏差/平均粒子径×100
[ガラス転移温度(Tg)]
ガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量計TAインスツルメント社製)により測定した。樹脂微粒子分散体を乾固したサンプル約2mgをアルミニウムパン上で秤量し、該アルミニウムパンをDSC測定ホルダーにセットし、5℃/分の昇温条件にて得られるチャートの吸熱ピークを読み取り、ガラス転移温度(Tg)を得た。
[酸価]
JIS K2501に記載の方法に従い、水酸化カリウム・エタノール溶液で電位差滴定をおこない算出した。滴定には平沼産業社製:自動滴定装置COM−1600を使用した。
[重量平均分子量]
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の値。乾燥させた樹脂をテトラヒドロフランに溶解させ、0.2%溶液を調製し、以下の装置ならびに測定条件により重量平均分子量を測定した。高分子量化により、樹脂微粒子が不溶で測定が困難なものについては、重量平均分子量が100万を超えるものとみなした。
装置:HLC−8320−GPCシステム(東ソー社製)
カラム;TSKgel−SuperMultiporeHZ−M0021488
4.6 mmI.D.×15cm×3本
溶出溶媒;テトラヒドロフラン
標準物質;ポリスチレン(東ソー社製)
流速;0.6mL/分、試料溶液使用量;10μL、カラム温度;40℃。
[実施例1]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、水68.9部を仕込み、別途、スチレン5.0部、メチルメタクリレート45.0部、n−ブチルメタクリレート5.0部、2−エチルヘキシルアクリレート5.0部、n−ブチルアクリレート36.0部、メタクリル酸2.0部、アクリル酸1.0部、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン1.0部、KH−10(第一工業製薬製重合性界面活性剤)の20%水溶液5.0部、水40.4部をあらかじめ混合、撹拌して調製したエチレン性不飽和単量体の乳化液のうちの3%を反応容器に添加した。反応容器の内温を70℃に昇温して窒素置換を十分行った後、開始剤として過硫酸カリウムの5%水溶液2.0部を添加して乳化重合を開始した。内温を80℃に上げて温度を保ちながらエチレン性不飽和単量体の乳化液の残りと過硫酸カリウムの5%水溶液2.0部を3時間かけて滴下し、更に4時間反応させて水性樹脂微粒子(A)の水分散体を得た。反応完了後、25%のアンモニア水1.9部添加して中和し、水を添加して最終固形分を43.0質量%に調整した。得られた水性樹脂微粒子(A)の平均粒子径は185nm、Tgは13.0℃、酸価は20.8mgKOH/g、重量平均分子量は樹脂が高分子量化して不溶であったため100万を超えるものとみなした。上記の樹脂微粒子(A)の水分散体にイソプロピルアルコールを2.0部添加して、オーバーコート用樹脂組成物を調製した。
[実施例2〜10、比較例1〜4]
表1、2に示す配合組成で、実施例1と同様の方法により、水性樹脂微粒子(A)の水分散体を調製した。反応完了後、25%のアンモニア水を樹脂中のカルボキシ基に対して、当モルになるように添加して中和し、更に水を加えて最終固形分を43.0%に調整した。得られた水性樹脂微粒子(A)について、実施例1と同様に、平均粒子径、Tg、重量平均分子量を測定した。上記の樹脂微粒子(A)の水分散体にイソプロピルアルコールを2.0部添加して、目的のオーバーコート用樹脂組成物を調製した。
尚、実施例3、実施例10、比較例1では、反応容器に仕込むエチレン性不飽和単量体の乳化液量を3%から1.5%、5.2%、1.1%にそれぞれ変更した。実施例2、比較例2では、別途、反応容器にKH−10(第一工業製薬製重合性界面活性剤)の20%水溶液を其々、1.0部、1.3部仕込んだ。実施例9、10では合成後の樹脂微粒子(A)の水分散体にアジピン酸ジヒドラジドを其々、1.0部、1.5部添加した。尚、表1、2中の数値は、特に断りがない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
<樹脂微粒子(B)水分散体の調製>
[製造例1]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、水68.9部を仕込み、別途、スチレン85.0部、ベンジルメタクリレート5.0部、2−エチルヘキシルアクリレート7.0部、アクリル酸2.0部、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン1.0部、アクアロンKH−10の20%水溶液5.0部、水40.4部をあらかじめ混合、撹拌して調製したエチレン性不飽和単量体の乳化液のうちの3%を更に加えた。内温を70℃に昇温して十分に窒素置換した後、開始剤として過硫酸カリウムの5%水溶液2.0部を添加して乳化重合を開始した。内温を80℃に上げて温度を保ちながらエチレン性不飽和単量体の乳化液の残りと過硫酸カリウムの5%水溶液2.0部を3時間かけて滴下し、更に4時間反応させて最終固形分45.0質量%の樹脂微粒子の水分散体を得た。得られた樹脂微粒子の平均粒子径とCv値を測定したところ、平均粒子径は201nm、変動係数Cvは25.8%であった。水性樹脂微粒子(A)と同様にDSC測定をおこなったところ、Tgは76.9℃であった。
[平均粒子径]
樹脂微粒子(B)の分散体を500倍に水希釈し、該希釈液約5mlを動的光散乱測定法(測定装置はナノトラックUPA(株)マイクロトラックベル社製)により測定をおこなった。この時得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)のピークを平均粒子径とした。同時に下記式より粒子径の均斉度を表す変動係数Cv値を算出した。
Cv値 %=粒子径の標準偏差/平均粒子径×100
[製造例2、3]
表3に示す配合組成に変更した以外は、製造例1と同様の方法により、最終固形分45.0質量%の樹脂微粒子の水分散体をそれぞれ調製した。得られた樹脂微粒子について、製造例1と同様に、平均粒子径、Cv値、Tgを測定した。尚、表3中の数値は、特に断りがない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
[製造例4]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、水95.0部と別途、スチレン97.0部、アクリル酸2.0部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.0部、第一工業製薬製アクアロンKH−10の20%水溶液を5.0部、水39.1部を混合、撹拌して調製した一段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液のうちの1.5%を更に加えた。反応容器の内温を70℃に昇温して十分に窒素置換した後、開始剤として、過硫酸カリウムの2.5%水溶液5.7部を添加して重合を開始した。内温を80℃に上げて温度を維持しながら一段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液の残りと過硫酸カリウムの2.5%水溶液4.0部を2時間かけて滴下しながら反応させ、コア粒子を合成した。生成したコア粒子の平均粒子径は205nmであった。一段目の滴下完了から20分後、別途、メチルメタクリレート15.0部、n−ブチルアクリレート26.1部、アクリル酸0.9部、アクアロンKH−10の20%水溶液2.1部、水16.8部を混合、撹拌して調製した二段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液の滴下を開始した。内温を80℃に保ちながら二段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液と過硫酸カリウムの2.5%水溶液2.1部を2時間かけて滴下しながら反応を更に進め、最終固形分45.0質量%のコアシェル型の樹脂微粒子(B)の水分散体を得た。得られたコアシェル型樹脂微粒子について、平均粒子径、Cv値、Tgを測定したところ、平均粒子径は253nm、Cv値は25.7%、コア部のTgは100.1℃、シェル部のTgは−12.5℃であった。
[製造例5〜18]
表4、5に示す配合組成に変更した以外は、製造例4と同様の方法により、コアシェル型の樹脂微粒子(B)の水分散体をそれぞれ調製した。合成の際、エチレン性不飽和単量体の乳化液は、乳化液中のエチレン性不飽和単量体の濃度が69.0質量%、乳化剤の濃度が0.69質量%になる様、水を添加して調製した。合成後、水の添加や減圧ストリッピングによる脱水等により樹脂微粒子の水分散体の最終固形分は45.0%に調整した。尚、製造例10、11については、反応槽に分割して仕込む一段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液量を1.5%から3.0%、1.0%にそれぞれ変更した。得られたコアシェル型樹脂微粒子は製造例4と同様に、平均粒子径、Cv値、Tgの測定を行った。尚、表4、5中の数値は、特に断りがない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
<コロイド結晶層用樹脂組成物の調製>
[製造例19]
製造例1の樹脂微粒子(B)の水分散体100部に、無彩黒色微粒子としてオリエント化学工業社製BONJET BLACK CW−1(表面変性カーボンブラック 平均粒子径62nm 顔料分20.0%)2.3部を添加して撹拌し、コロイド結晶層用樹脂組成物を調製した。
[製造例20〜36]
表6、7に示す配合組成に変更した以外は、製造例19と同様の方法によりコロイド結晶層用樹脂組成物をそれぞれ調製した。尚、表6、7中の数値は、特に断りがない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
<コロイド結晶塗膜の作製>
[製造例37]
二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(フタムラ製FOR 膜厚20.0μm)のコロナ処理面に、真空デバイス社製PIB−20を用いて、プラズマ処理を施した。処理条件は下記の通り。
雰囲気ガス:空気
雰囲気ガス圧:20Pa
放電電流:20mA
処理時間:1分間
その後、プラズマ処理を施した表面上に製造例19のコロイド結晶層用樹脂組成物を乾燥膜厚が7μmになるようにバーコーターで塗工し、50℃・3分の条件で乾燥させて、コロイド結晶層を得た。更にコロイド結晶層上に、実施例1で調製したオーバーコート用樹脂組成物を乾燥換算で膜厚が7μmになるようにバーコーターで塗工し、70℃・2分の条件で乾燥させて、目的のコロイド結晶塗膜を得た。処理PETフィルム(東洋紡社製E5100 膜厚12.0μm)においても、上記と同様の方法により、コロイド結晶塗膜を作製した。
[製造例38〜61、比較製造例1〜7]
表8〜10で示す組み合わせで、製造例37と同様にしてコロイド結晶塗膜を作製した。尚、比較製造例5には、オーバーコート用樹脂組成物として、SYLGARD184溶液(東レダウ社製シリコーンエラストマー前駆体 主剤A液(固形分99.6%):架橋剤B液(固形分76.2%)=10:1(質量比))、比較製造例6には、ポリビニルアルコール20%水溶液(クラレ社製ポバール22−88)、比較製造例7にはゼラチン2%水溶液(ナカライテスク社製ゼラチン)を用いた。
<コロイド結晶塗膜の評価>
前述で作製したコロイド結晶塗膜を用い、オーバーコート後の発色性、追従性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性を評価した。表10〜12にその結果を示す。
[発色性]
各基材上で作製したコロイド結晶塗膜の反射スペクトルを、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製V−770D、積分球ユニットISN−923)を用いて波長250〜850nmの範囲を測定した。各波長における反射率は、反射率が既知の標準白板(ラブスフェア社製SRS−99−010)をリファレンスとして用いて測定した相対反射率である。得られた反射スペクトルについて、構造色に由来する反射率の最大値と構造色によらないベースラインの反射率の差分(△R)を算出した。△Rが大きくなるほど、発色性に優れることを示す。オーバーコート前のコロイド結晶層についても同様に△Rを求め、オーバーコートによる△Rの変化(低下率)を評価した。△Rが低下するほど、コロイド結晶塗膜が退色していることを示す。
評価基準は以下の通りである。
◎;△Rが15%以上であり、△Rが変化していない。(極めて良好)
○;△Rが15%以上であり、オーバーコート後の低下率が5%未満。(良好)
△;△Rが15%以上であり、オーバーコート後の低下率が5%以上、30%未満。(不良)
×;△Rが15%未満である、または、△Rが15%以上であり、オーバーコート後の低下率が30%以上。(極めて不良)
[追従性]
処理OPPフィルムおよび処理PETフィルム上で作製したコロイド結晶塗膜の試験片(5cm×5cm)を10回、180度に折り曲げ、傷や剥がれを観察した。
◎;剥がれや傷が無く、発色に変化無し。(極めて良好)
○;僅かに剥がれが有るが、発色に変化なし。(試験片全体で剥がれた面積が5%未満)(良好)
△;剥がれがやや有るが、発色に変化なし。(試験片全体で剥がれた面積が5%以上、10%未満)(不良)
×;剥がれも有り、退色している箇所がある。(試験片全体で剥がれた面積が10%以上)(極めて不良)
[耐摩擦性]
処理OPPフィルムおよび処理PETフィルムで作製したコロイド結晶塗膜の試験片(5cm×5cm)を指の腹で15往復擦り、傷や剥がれのつき易さを観察した。評価基準は以下の通りである。
◎;傷や剥がれが全くない。(極めて良好)
○;わずかに傷や剥がれがある(擦った箇所全体のうち、剥がれた面積が10%未満)(良好)
△;傷や剥がれがある(擦った箇所全体のうち、剥がれた面積が10%以上、20%未満)(不良)
×;傷や剥がれがある(擦った箇所全体のうち、剥がれた面積が20%以上)(極めて不良)
[ラビング耐性]
処理OPPフィルムおよび処理PETフィルム上で作製したコロイド結晶塗膜の試験片(5cm×5cm)について、水またはエタノール溶液を浸漬させた綿棒で15往復、試験片を擦り、傷や剥がれのつき易さを観察した。評価基準は以下の通りである。
◎;傷や剥がれが全くない。(極めて良好)
○;わずかに剥がれがある(擦った箇所全体のうち、剥がれた面積が10%未満)(良好)
△;剥がれがある(擦った箇所全体のうち、剥がれた面積が10%以上、20%未満)(不良)
×;剥がれがある(擦った箇所全体のうち、剥がれた面積が20%以上)(極めて不良)
[耐水性および耐溶剤性]
処理OPPフィルムおよび処理PETフィルム上で作製したコロイド結晶塗膜の試験片に、水またはエタノールをオーバーコートを施した表面上に滴下した後、50℃・3分間乾燥して、前述の発色性評価と同様に反射スペクトルを測定した。滴下前後での反射スペクトルの比較から反射率の最大値の変化を評価した。反射率の最大値が低下するほど、コロイド結晶塗膜が退色していることを示す。
評価基準は以下の通りである。
◎;反射率の最大値が変化していない。(極めて良好)
○;反射率の最大値がやや低下している。(低下率が10%未満)(良好)
△;反射率の最大値が低下している。(低下率が10%以上、30%未満)(不良)
×;反射率の最大値が大幅に低下している。(低下率が30%以上)(極めて不良)
表10の略語を以下に示す。
SYLGARD184溶液;東レダウ社製シリコーンエラストマー前駆体溶液 主剤A液(固形分99.6%):架橋剤B液(固形分76.2%)=10:1(質量比)
PVA水溶液;ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製ポバール22−88固形分20.0%)
ゼラチン水溶液;ゼラチン2%水溶液(ナカライテスク社製ゼラチン)
実施例1〜10のオーバーコート用樹脂組成物を用いたコロイド結晶塗膜は、オーバーコート後も鮮やかな構造色由来の発色性を維持し、追従性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性等の各種塗膜耐性も大変優れることがわかった。一方、比較例1〜4のオーバーコート用樹脂組成物、SYLGARD184溶液、PVA水溶液、ゼラチン水溶液をオーバーコートしたコロイド結晶塗膜については、オーバーコート後の発色性、追従性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性のいずれかが著しく劣っており、実用レベルには至らない結果となった。以上の事から本実施形態のオーバーコート用樹脂組成物の優位性が証明された。
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Claims (8)

  1. コロイド結晶層の表面を保護するためのオーバーコート用樹脂組成物であって、水性樹脂微粒子(A)と水とを含有してなり、水性樹脂微粒子(A)は、平均粒子径が60〜300nm、かつガラス転移温度(Tg)が−30〜50℃であるオーバーコート用樹脂組成物。
  2. 水性樹脂微粒子(A)の重量平均分子量が、50,000以上である請求項1記載のオーバーコート用樹脂組成物。
  3. 水性樹脂微粒子(A)の酸価が、5〜70mgKOH/gである請求項1又は2記載のオーバーコート用樹脂組成物。
  4. コロイド結晶層と架橋を形成し得る請求項1〜3いずれか記載のオーバーコート用樹脂組成物。
  5. コロイド結晶層が、コアシェル型樹脂微粒子を含有してなる請求項1〜4いずれか記載のオーバーコート用樹脂組成物。
  6. コアシェル型樹脂微粒子中のコア100質量部に対するシェルの質量が、10〜50質量部である請求項5記載のオーバーコート用樹脂組成物。
  7. コアシェル型樹脂微粒子中のコア部のTgが、60℃以上である請求項5または6記載のオーバーコート用樹脂組成物。
  8. コアシェル型樹脂微粒子中のシェル部のTgが、−50以上20℃未満である請求項5〜7いずれか記載のオーバーコート用樹脂組成物。
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