JP2021188042A - 樹脂微粒子、樹脂組成物及びコロイド結晶 - Google Patents

樹脂微粒子、樹脂組成物及びコロイド結晶 Download PDF

Info

Publication number
JP2021188042A
JP2021188042A JP2021085499A JP2021085499A JP2021188042A JP 2021188042 A JP2021188042 A JP 2021188042A JP 2021085499 A JP2021085499 A JP 2021085499A JP 2021085499 A JP2021085499 A JP 2021085499A JP 2021188042 A JP2021188042 A JP 2021188042A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
unsaturated monomer
resin fine
fine particles
shell type
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021085499A
Other languages
English (en)
Inventor
倫孝 間宮
Tomotaka Mamiya
隆明 小池
Takaaki Koike
直樹 岸本
Naoki Kishimoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Publication of JP2021188042A publication Critical patent/JP2021188042A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

【課題】発色性、基材追従性、耐圧痕性に優れるコロイド結晶を形成し、耐候性試験後も良好な膜物性を維持可能なコアシェル型樹脂微粒子、該コアシェル型樹脂微粒子を含有する樹脂組成物、該樹脂組成物から形成されてなるコロイド結晶の提供。【解決手段】上記課題は、コロイド結晶を形成するためのコアシェル型樹脂微粒子であって、前記樹脂微粒子が、エチレン性不飽和単量体(a)の重合体であり、下記一般式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体(a−1)及び下記一般式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体(a−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体由来の構成単位を含むコアシェル型樹脂微粒子により解決することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、コアシェル型樹脂微粒子、樹脂組成物及びコロイド結晶に関する。
フォトニック結晶は、屈折率が異なる物質を光の波長と同程度の間隔で並べたナノ周期構造体である。フォトニック結晶内では、屈折率が周期的に変化し、ブラッグ反射として知られる特定波長の光の反射や、フォトニックバンドギャップを利用した光閉じ込め、高い分波作用等、様々な興味深い光学特性を発現するため、現在、活発に研究が行われている。
フォトニック結晶の一種であるコロイド結晶は、サブミクロンオーダーの高分子ラテックス粒子やシリカ粒子が規則的に配列した構造をもち、比較的簡便に作製できるフォトニック結晶であるが、粒子の配列やその固定化における課題により、大量生産技術が確立されるまでには至っていない。
特許文献1では、造膜性を有するシェルと粒子形状を維持するコアに機能を分離したコアシェル型樹脂微粒子を用いたコロイド結晶が開示されている。このようなコロイド結晶では、加熱により容易に流動するシェルが粒子間隙を埋めるように設計されており、コロイド結晶を安定に固定化するという点に優れる。しかしながら、コアシェル型樹脂微粒子を構成するエチレン性不飽和単量体の性質上、粒子(コア)とマトリクス(シェル)
特許文献2では、ガラス転移点の低いシェルとガラス転移点の高いコアとを有し、コロイド結晶の空隙がシェル部分で完全に埋まらないよう、コアシェル比が調製されたコアシェル型樹脂微粒子からなるコロイド結晶が開示されている。この設計により、発色が比較的良好で安定に固定化されたコロイド結晶が作製可能である。しかしながら、特許文献2に記載のコロイド結晶は、屋外の耐候性の求められる用途に使用した場合、光によりコロイド結晶が容易に光酸化し黒変し、また、シェルの光酸化に伴い基材追従性、耐圧痕性、耐擦傷性が著しく損なわれるため、耐候性が悪い。また、このコアシェル型樹脂微粒子は、非反応性の界面活性剤で合成されているため、遊離した界面活性剤がコロイド結晶中に存在する。従って、湿潤環境下では、コロイド結晶に容易に水が侵入して発色性や基材追従性、耐圧痕性、耐擦傷性が損なわれるため、耐候性が悪い。
特開2000−026551号公報 特開2008−083545号公報
本発明が解決しようとする課題は、発色性、基材追従性、耐圧痕性、耐擦傷性に優れるコロイド結晶を形成し、耐候性試験後も良好な膜物性を維持可能なコアシェル型樹脂微粒子、該コアシェル型樹脂微粒子を含有する樹脂組成物、該樹脂組成物から形成されてなるコロイド結晶を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、コロイド結晶を形成するためのコアシェル型樹脂微粒子であって、
前記樹脂微粒子が、エチレン性不飽和単量体(a)の重合体であり、下記一般式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体(a−1)及び下記一般式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体(a−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体由来の構成単位を含む、コアシェル型樹脂微粒子に関する。
一般式(1):エチレン性不飽和単量体(a−1)
Figure 2021188042

(一般式(1)中、Xは水素原子又はメチル基を表す。)
一般式(2):エチレン性不飽和単量体(a−2)
Figure 2021188042

(一般式(2)中、Y及びZは各々独立して水素原子又はメチル基を表す。)
本発明は、前記エチレン性不飽和単量体(a−1)及び前記エチレン性不飽和単量体(a−2)の合計の含有量が、コアシェル型樹脂微粒子の全質量を基準として、1.0〜40質量%である、請求項1に記載のコアシェル型樹脂微粒子に関する。
本発明は、平均粒子径が150〜350nmである、上記コアシェル型樹脂微粒子に関する。
本発明は、コアのガラス転移点が60℃以上であり、シェルのガラス転移点が−60〜40℃である、上記コアシェル型樹脂微粒子に関する。
本発明は、屈折率が1.45以上である、上記コアシェル型樹脂微粒子に関する。
本発明は、シェルの含有量が、コアの全質量を基準として10〜300質量%の範囲である、上記コアシェル型樹脂微粒子に関する。
本発明は、上記コアシェル型樹脂微粒子の製造方法であって、反応性乳化剤を用いてエチレン性不飽和単量体(a)を重合する工程を含む、コアシェル型樹脂微粒子の製造方法に関する。
本発明は、上記コアシェル型樹脂微粒子と無彩黒色微粒子とを含有する、樹脂組成物に関する。
本発明は、上記樹脂組成物から形成されてなる、コロイド結晶に関する。
本発明は、基材上に、上記コロイド結晶からなるコロイド結晶層を備える積層体に関する。
本発明により、発色性、基材追従性、耐圧痕性、耐擦傷性に優れるコロイド結晶を形成し、耐候性試験後も良好な膜物性を維持可能なコアシェル型樹脂微粒子、該コアシェル型樹脂微粒子を含有する樹脂組成物、該樹脂組成物から形成されてなるコロイド結晶を提供することができる。
<コアシェル型樹脂微粒子>
本発明のコアシェル型樹脂微粒子は、コア(内層)とシェル(外層)の構造からなり、コロイド結晶を形成するためのものである。該コアシェル型樹脂微粒子を含む組成物を基材等に塗布すると、規則的に配列されたコロイド結晶を形成することができる。
該コアシェル型樹脂微粒子は、エチレン性不飽和単量体(a)の重合体であり、下記一般式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体(a−1)及び下記一般式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体(a−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体由来の構成単位を含むことを特徴とする。
コアシェル型樹脂微粒子が、上記特定のエチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有することで光に対する安定性が良好となる。さらに、耐光性に寄与する骨格が、ポリマー鎖に共有結合されているために、水等による耐光性骨格の溶出が抑えられるため、対候性が良好となる。したがって、該コアシェル型樹脂微粒子から形成されてなるコロイド結晶は、耐候性試験後も良好な発色性、基材追従性、耐圧痕性、耐擦傷性を示す。
[エチレン性不飽和単量体(a−1)、(a−2)]
コアシェル型樹脂微粒子は、エチレン性不飽和単量体(a)の重合体であり、下記一般式で表されるエチレン性不飽和単量体(a−1)又は下記一般式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体(a−2)に由来する構成単位を含む。より具体的には、エチレン性不飽和単量体(a−1)又はエチレン性不飽和単量体(a−2)の少なくともいずれか一方を含むエチレン性不飽和単量体(a)を重合した重合体であり、好ましくはアクリル樹脂又はスチレンアクリル樹脂である。
一般式(1):エチレン性不飽和単量体(a−1)
Figure 2021188042

(一般式(1)中、Xは水素原子又はメチル基を表す。)
一般式(2):エチレン性不飽和単量体(a−2)
Figure 2021188042

(一般式(2)中、Y及びZは各々独立して水素原子又はメチル基を表す。)
前記一般式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体(a−1)としては、例えば、2−[2−ヒドロキシ−5−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール)、2−[2−ヒドロキシ−5−[2−(アクリロイルオキシ)エチル]フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール)が挙げられる。
前記一般式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体(a−2)としては、例えば、メタクリル酸1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル、アクリル酸1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル、メタクリル酸2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、アクリル酸2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルが挙げられる。
コアシェル型樹脂微粒子は、一般式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体(a−1)及び一般式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体(a−2)に由来する構成単位を両方含むことが好ましい。すなわち、エチレン性不飽和単量体(a)は、エチレン性不飽和単量体(a−1)及びエチレン性不飽和単量体(a−2)を両方含有することが好ましい。
エチレン性不飽和単量体(a−1)は、紫外線吸収剤であるベンゾトリアゾール骨格を有しており、光を効率的に吸収し迅速に熱エネルギーへ変換するため、コロイド結晶の耐光性及び耐候性が向上し、耐候性試験後の発色性、基材追従性、耐圧痕性、及び耐擦傷性が良化する。
一方で、エチレン性不飽和単量体(a−2)は、光安定剤であるヒンダードアミン骨格を有しており、光エネルギーにより発生したラジカル活性種を補足し失活させるため、コロイド結晶の耐光性及び耐候性が向上する。また、エチレン性不飽和単量体(a−2)は、耐熱安定剤としての効果もあり、コロイド結晶の耐光性及び耐候性が向上し、耐候性試験後の発色性、基材追従性、耐圧痕性、及び耐擦傷性が良化する。
したがって、両単量体を含有することで、紫外線吸収骨格と、光安定化骨格の相乗効果が発揮され、コロイド結晶の耐光性及び耐候性がより一層向上し、耐候性試験後の発色性、基材追従性、耐圧痕性、及び耐擦傷性が良化する。
なお、エチレン性不飽和単量体(a−1)及びエチレン性不飽和単量体(a−2)のような耐光性骨格を有する単量体が共重合されていることにより、水等による耐光性骨格の溶出が抑えられるため、コロイド結晶の耐候性が良好となる。
前記エチレン性不飽和単量体(a−1)及び前記エチレン性不飽和単量体(a−2)の合計の含有量は、エチレン性不飽和単量体(a)の全質量を基準として、好ましくは1.0〜40質量%である。含有量が1.0質量%以上であると、十分な耐候性(耐光性)を発現するため、耐候性試験後の発色性や基材追従性、耐圧痕性、耐擦傷性が良好なコロイド結晶を得ることができる。含有量が40質量%以下であると、コアシェル型樹脂微粒子の造膜性が良好となり、基材追従性、耐圧痕性、耐擦傷性に優れたコロイド結晶を得ることができる。
[エチレン性不飽和単量体(a−3)]
また、重合体を形成するエチレン性不飽和単量体(a)は、エチレン性不飽和単量体(a−1)又はエチレン性不飽和単量体(a−2)と共重合可能な、その他のエチレン性不飽和単量体(a−3)を含むことができる。
このようなその他のエチレン性不飽和単量体(a−3)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族系エチレン性不飽和単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tーブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、又は、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等のカルボキシ基含有エチレン性不飽和単量体;2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸アンモニウム、ビニルスルホン酸等のスルホ基含有エチレン性不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド基含有エチレン性不飽和単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシビニルベンゼン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、アリルアルコール等の水酸基含有エチレン性不飽和単量体;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリオキシエチレン基含有エチレン性不飽和単量体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等が挙げられ、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有エチレン性不飽和単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体;ジアセトン(メタ)アクリルアミド、アセトアセトキシ(メタ)アクリレート等のケトン基含有エチレン性不飽和単量体;アリル(メタ)アクリレート、1−メチルアリル(メタ)アクリレート、2−メチルアリル(メタ)アクリレート、1−ブテニル(メタ)アクリレート、2−ブテニル(メタ)アクリレート、3−ブテニル(メタ)アクリレート、1,3−メチル−3−ブテニル(メタ)アクリレート、2−クロルアリル(メタ)アクリレート、3−クロルアリル(メタ)アクリレート、o−アリルフェニル(メタ)アクリレート、2−(アリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルラクチル(メタ)アクリレート、シトロネリル(メタ)アクリレート、ゲラニル(メタ)アクリレート、ロジニル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルイタコン酸、ビニル(メタ)アクリレート、クロトン酸ビニル、オレイン酸ビニル,リノレン酸ビニル、2−(2’−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート、ジビニルベンゼン、アジピン酸ジビニル、イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等の2個以上のエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和単量体;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有エチレン性不飽和単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アルキルエーテル化N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有エチレン性不飽和単量体;が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
これらの単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
芳香族系エチレン性不飽和単量体(ただし、エチレン性不飽和単量体(a−1)を除く)を用いる場合、その含有量は、コアシェル型樹脂微粒子の全質量を基準として、好ましくは30質量%以下である。芳香族系エチレン性不飽和単量体(ただし、エチレン性不飽和単量体(a−1)を除く)の含有量が30質量%以下であると、コロイド結晶が過剰に光を吸収することが抑制され、耐候性が向上する。したがって、耐候性試験後のコロイド結晶の発色性、基材追従性、及び耐圧痕性の悪化を抑制することができる。
また、エチレン性不飽和単量体(a−3)は、コロイド結晶内に架橋を形成する目的で反応性基を有していてもよい。コロイド結晶内に架橋を形成することで、コロイド結晶の耐圧痕性、耐擦傷性が更に良化する。
コロイド結晶内に架橋を導入する方法としては、コアシェル型樹脂微粒子の反応性基同士を反応させる方法、多官能の架橋剤を介してコアシェル型樹脂微粒子の反応性基同士を反応させる方法、により導入することができる。
エチレン性不飽和単量体(a−3)が有していてもよい反応性基としては、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基、ケトン基、ヒドラジド基等が挙げられ、より好ましくはケトン基である。特に、反応性基がケトン基であり、架橋剤がヒドラジド架橋剤である場合、ケトン・ヒドラジド架橋を形成することができる。ケトン・ヒドラジド架橋は、コロイド結晶の諸物性に悪影響を及ぼさず、水の揮発により低温且つ短時間で架橋を形成できる点から好適に用いられ、加熱によりダメージを受けやすいフィルム基材を用いる場合に有効である。また、ケトン基は親水性が高いため、ケトン基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合組成に用いると、ケトン基はコアシェル型樹脂微粒子の外側、すなわち水媒体との界面付近に導入され、ヒドラジド架橋剤と効率的に架橋を形成できると考えられる。
コアシェル型樹脂微粒子がケトン基を含む場合、ケトン基の好ましい含有量は、コアシェル型樹脂微粒子の質量を基準として、0.05〜0.3mmol/gの範囲である。0.05〜0.3mmol/gの範囲で導入することにより、シェルの融着が阻害されない状態で架橋が形成されるため、コロイド結晶の耐圧痕性、耐擦傷性がより向上する。
コアシェル型樹脂微粒子の製造方法は特に制限されず、乳化重合のように水性媒体中でエチレン性不飽和単量体(a)を重合する方法や、非水系で重合を行った後に脱溶剤しながら水相に転相する転相乳化が挙げられるが、高分子量、低粘度、且つ高固形分濃度化が可能である点から、乳化重合を用いることが好ましい。また、乳化重合では、一段目と二段目とで単量体の組成を変えて滴下する二段重合、又は、三段以上の多段で単量体の組成を変えて滴下する多段重合のいずれを用いてもよい。
上記二段重合としては、具体的にば、下記に示す二段滴下の乳化重合により調製できる。
(1)まず、反応槽に水性媒体と乳化剤とを仕込み、昇温する。その後、窒素雰囲気下でコアを形成する一段目のエチレン性不飽和単量体(a)の乳化液を滴下しながら、ラジカル重合開始剤を添加する。反応開始後、滴下量にしたがって粒子は徐々に成長してコア粒子を形成する。
(2)次いで、一段目の滴下が完了し、発熱が落ちついたところで、シェルを形成する二段目のエチレン性不飽和単量体(a)の乳化液の滴下を開始する。その際、追加の開始剤を添加してもよい。滴下された二段目のエチレン性不飽和単量体は、一旦コア粒子に分配されるが、重合が進むにつれてコア粒子の外層に重合体として析出していき、シェル層を形成する。
[ラジカル重合開始剤]
コアシェル型樹脂微粒子の製造に用いられるラジカル重合開始剤としては、公知の油溶性重合開始剤や水溶性重合開始剤を使用することができ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
油溶性重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリル等のアゾビス化合物;を挙げることができる。
乳化重合においては水溶性重合開始剤を使用することが好ましく、例えば、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム(KPS)、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライドのような従来既知のものを好適に使用することができる。
[乳化剤]
コアシェル型樹脂微粒子の製造には、一般的に、乳化剤が用いられ、乳化剤を用いることで、コアシェル型樹脂微粒子の安定性や単分散性を向上させることができる。乳化剤としては、アニオン性又はノニオン性のものが挙げられ、好ましくはアニオン性乳化剤である。
これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
乳化剤としては、例えば、アニオン性反応性乳化剤、アニオン性非反応性乳化剤、ノニオン系反応性乳化剤、ノニオン性非反応性乳化剤が挙げられる。ここで反応性乳化剤とは、上述のエチレン性不飽和単量体と重合可能なものを指す。より詳細には、エチレン性不飽和結合と重合反応し得る反応性基を有するものを意味する。ここで、反応性基としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基等のアルケニル基や(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。反応性乳化剤を使用することにより、コロイド結晶の粒子配列、耐候性(耐湿性)に悪影響を及ぼす遊離の乳化剤成分が低減されるため、コロイド結晶の発色性や耐候性試験後の発色性、基材追従性及び耐圧痕性、耐擦傷性が一層良好となるため好ましい。
アニオン性反応性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類(例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンKH−05、KH−10、KH−20、株式会社ADEKA製アデカリアソープSR−10N、SR−20N、花王製ラテムルPD−104);ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩類(例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンAR−10、AR−20);スルフォコハク酸エステル類(例えば、花王株式会社製ラテムルS−120、S−120A、S−180P、S−180A、三洋化成株式会社製エレミノールJS−2);ポリオキシエチレンノニルフロベニルフェニルエーテル硫酸塩類(市例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンHS−10、HS−20、HS−30、BC−10、BC−20、株式会社ADEKA製アデカリアソープSDX−222、SDX−223、SDX−232、SDX−233、SDX−259、SE−10N、SE−20N);(メタ)アクリレート硫酸エステル類(例えば、日本乳化剤株式会社製アントックスMS−60、MS−2N、三洋化成工業株式会社製エレミノールRS−30);リン酸エステル類(例えば、第一工業製薬株式会社製H−3330PL、株式会社ADEKA製アデカリアソープPP−70);が挙げられる。
アニオン性非反応性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類(例えば、第一工業製薬製ハイテノールLA−10、LA−12、LA−16);ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩類(例えば、第一工業製薬株式会社製ハイテノールNF−08、NF13、NF17);オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類;が挙げられる。
ノニオン性反応性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類(例えば、株式会社ADEKA製アデカリアソープER−10、ER−20、ER−30、ER−40、花王株式会社製ラテムルPD−420、PD−430、PD−450);ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル類(例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンAN−10、AN−20);ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル類(例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50、株式会社ADEKA製アデカリアソープNE−10、NE−20、NE−30、NE−40);(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製RMA−564、RMA−568、RMA−1114);が挙げられる。
ノニオン性非反応性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類(市販品としては、第一工業製薬株式会社製ノイゲンTDS−120等);ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル類(市販品としては、第一工業製薬株式会社製ノイゲンEA−87、EA−137、EA−157);ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;が挙げられる。
[その他成分]
コアシェル型樹脂微粒子の製造では、必要に応じて還元剤、緩衝材、連鎖移動剤、中和剤を使用することができる。
還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、エルソルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラート等の金属塩のような還元性有機化合物;チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムのような還元性無機化合物;塩化第一鉄、ロンガリット、二酸化チオ尿素が挙げられる。還元剤の配合量は、エチレン性不飽和単量体の全質量を基準として、好ましくは0.05〜5.0質量%である。なお、前記したラジカル重合開始剤によらずとも、光化学反応や、放射線照射等によっても重合を行うことができる。重合温度は各重合開始剤の重合開始温度以上であればよく、例えば、過酸化物系重合開始剤では、通常80℃程度である。重合時間は特に制限されないが、通常2〜24時間である。
緩衝剤としては、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。また、連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、ステアリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類等が挙げられる。
中和剤としては、塩基性化合物が挙げられる。塩基性化合物としては、例えば、アンモニア水、ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのような各種有機アミン;水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤;有機酸、鉱酸が挙げられる。
[コアシェル型微粒子の性状]
コアシェル型樹脂微粒子の平均粒子径は、好ましくは150〜350nmである。平均粒子径が150nm以上であると、コロイド結晶の可視光領域での発色性が良好になるため好ましい。平均粒子径が400nm以下であると、コロイド結晶の可視光領域での発色性が良好になるとともに、粒子による散乱が抑えられ、発色性が良好となる。
該平均粒子径は、動的光散乱法(測定装置はナノトラックUPA(株)マイクロトラックベル社製)により測定することができ、得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)のピークを平均粒子径とする。
また、球状微粒子における平均粒子径の変動係数(Cv値)は、30%以下であることが好ましい。変動係数は、粒子径の均斉度を表す数値であり、下記式により算出することができる。
式: 変動係数Cv値(%)=粒子径の標準偏差/平均粒子径×100
[式において、標準偏差と平均粒子径の単位は同一である]
変動係数が30%以下であることにより、粒子配列の規則性が良化し、コロイド結晶の発色性がより良好になる。
コアシェル型樹脂微粒子の屈折率は、好ましくは1.45以上であり、より好ましくは1.45〜3.00であり、さらに好ましくは1.45〜2.00である。屈折率が1.45以上であると、コロイド結晶の発色性が良好になるため好ましい。
コアシェル型樹脂微粒子のコアのガラス転移点(Tg)は、好ましくは60℃以上であり、より好ましくは60℃〜250℃の範囲である。ガラス転移点が上記の範囲であることにより、コアの形状が熱により過剰に融着されることが抑制され、粒子間の空隙がシェルで埋まりにくくなる。したがって、空隙が十分に存在しこの空隙部分に空気が入り込むことで、コロイド結晶の発色性がより一層良好になる。
コアシェル型樹脂微粒子のシェルのTgは、好ましくは−60〜40℃の範囲であり、より好ましくは−30〜20℃の範囲である。シェルが−60℃以上であると、塗膜乾燥時にシェルが過剰に融着されることが抑制され、粒子間の空隙がシェルで埋まりにくくなる。したがって、空隙が十分に存在しこの空隙部分に空気が入り込むことで、コロイド結晶の発色が良好になる。さらに、シェルが−60℃以上であると、コアシェル型樹脂微粒子間並びに、コアシェル型樹脂微粒子と基材など、シェルが結着している部分の強度が担保され、コロイド結晶の基材追従性及び耐圧痕性が良化するため好ましい。
一方、シェルのTgが40℃以下であると、シェルの融着が十分に促進され、コアシェル型樹脂微粒子間並びに、コアシェル型微粒子と基材など、其々の結着がより強固になり、コロイド結晶の基材追従性及び耐圧痕性が良化するため好ましい。
コアシェル型樹脂微粒子において、シェルの含有量はコアの全質量を基準として、好ましくは10〜300質量%の範囲であり、より好ましくは10〜150質量%の範囲である。シェルの含有量が10質量%以上であると、塗膜乾燥時にシェルの融着が十分に進み、コアシェル微粒子間並びに、コアシェル粒子と基材間、其々の結着がより強固なものとなり、基材追従性、耐圧痕性及び耐擦傷性に優れるコロイド結晶が得られるため好ましい。
シェルの含有量は、発色性の観点から、好ましくは10〜150質量%の範囲であり、より好ましくは、50質量%以下である。シェルの含有量が150質量%以下であると、シェルが熱や溶剤により過剰に融着されることが抑制され十分な空隙部が得られるため好ましい。コロイド結晶において、コアシェル型樹脂微粒子の空隙部分に空気が存在すると、粒子とマトリクスの屈折率差が大きくなるため、コロイド結晶の発色性が良化する。
一方、シェルの含有量は、耐擦傷性の観点から、好ましくは50〜300質量%の範囲であり、より好ましくは、50〜200質量%の範囲である。シェルの含有量が50質量%以上であると、塗膜乾燥時にシェルの融着がより一層進み、コアシェル型樹脂微粒子間並びに、コアシェル型樹脂微粒子と基材間、其々の結着がより強固なものとなり、耐擦傷性に優れるコロイド結晶が得られる。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、コアシェル型樹脂微粒子と無彩黒色微粒子とを含有し、基材上に塗布されてコロイド結晶を形成するものである。樹脂組成物は、塗工性や膜耐性を向上させる目的で、親水性溶剤及び架橋剤を含有しても良い。
[親水性溶剤]
親水性溶剤としては、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノールのような一価のアルコール溶剤;エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールのようなグリコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル系溶剤;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、ε−カプロラクタムのようなラクタム系溶剤;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、出光製エクアミドM
−100、エクアミドB−100のようなアミド系溶剤;が挙げられる。
これらは1種類又は2種以上を併用して用いることができる。
親水性溶剤として好ましくは、コアシェル型樹脂微粒子の形状に悪影響を与えず、コロイド結晶の発色性を維持可能な、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノールのような一価のアルコール溶剤である。
[架橋剤]
樹脂組成物が架橋剤を含むことで、コアシェル型樹脂微粒子間に化学架橋を形成することができ、膜耐性を向上させることができる。樹脂組成物に配合してもよい架橋剤としては特に制限されず、例えば、樹脂の活性カルボニル基と反応してケト−ヒドラジド架橋を形成するヒドラジノ基を2つ以上有するヒドラジド化合物(ポリヒドラジド)、樹脂の水酸基やアミノ基と反応してウレタン結合やウレア結合を形成するイソシアネート化合物、カルボキシ基やアミノ基等と反応するエポキシ化合物が挙げられ、用途に応じて適宜選択することができる。
より詳細には、コアシェル型樹脂微粒子がカルボキシ基を有する場合は、エポキシ架橋剤を介して架橋を形成することができる。また、例えば、コアシェル型樹脂微粒子が水酸基を有する場合は、ポリイソシアネート架橋剤を介して架橋を形成することができる。また、例えば、コアシェル型樹脂微粒子がケトン基を有する場合、ヒドラジド架橋剤を介して架橋することができる。
架橋剤としては、上述のとおり、ケトン・ヒドラジド架橋を形成するために、ヒドラジド架橋剤を用いることが好ましい。ヒドラジド架橋剤としては、例えば、アジピン酸ジヒドラジド、多官能のヒドラジド基が変性された水溶性樹脂が挙げられる。
また、樹脂組成物は、発色に影響を与えない範囲であれば、各種添加剤を含有してもよく、例えば、レベリング剤、増粘剤、防腐剤を配合することができる。
<コロイド結晶、積層体>
本発明のコロイド結晶は、樹脂組成物により形成され、樹脂組成物を基材上に塗布した後、必要に応じて塗布物を乾燥して形成することができる。また、本発明の積層体は、基材上に該コロイド結晶からなるコロイド結晶層を備えるものである。
樹脂組成物の塗布方法としては特に制限されず、例えば、インクジェット法、スプレー法、ディッピング法、スピンコート法のような版を使用しない印刷方式;オフセットグラビアコーター、グラビアコーター、ドクターコーター、バーコーター、ブレードコーター、フレキソコーター、ロールコーターのような版を使用する印刷方式;が挙げられ、適宜選択することができる。
乾燥方法は特に制限されず、例えば、加熱乾燥法、熱風乾燥法、赤外線乾燥法、マイクロ波乾燥法、ドラム乾燥法といった公知の方法から適宜選択できる。乾燥方法は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、基材へのダメージを軽減し効率よく乾燥させる観点から、熱風乾燥法を用いることが好ましい。乾燥温度は、好ましくは25〜80℃の範囲である。
生産性とコロイド結晶の発色性との観点から、樹脂組成物は、コロイド結晶の厚みが5〜20μmの範囲になるように塗布することが好ましい。
[基材]
樹脂組成物を塗布する基材は特に制限されず、公知の基材から選択することができ、例えば、ポリ塩化ビニルシート、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ナイロン(Ny)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルムのような熱可塑性樹脂基材;アルミニウム箔のような金属基材;ガラス基材;コート紙基材;が挙げられ、これら基材を、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を積層したものを用いてもよい。
基材は、表面が平滑であってもよく凹凸を有していてもよい。また、透明、半透明、不透明のいずれであってもよく、コロイド結晶の発色をより明瞭にするため予め黒色等に着色されたものであってもよい。さらに基材は、樹脂組成物の塗工性を改善する目的で、コロナ処理やプラズマ処理が施されていてもよく、プライマー層を有していてもよい。
本発明の積層体は、コロイド結晶の塗膜耐性向上を目的として、コロイド結晶層上にさらにオーバーコート層を有していてもよい。オーバーコート層としては特に制限されず、公知の材料から用途に応じて適宜選択することができる。オーバーコート層の厚みは、好ましくは2〜20μmの範囲である。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。実施例において、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」をそれぞれ意味する。
<平均粒子径及び変動係数Cv値>
平均粒子径は、試料を500倍に水で希釈し、該希釈液約5mlを動的光散乱測定法で測定を行った。測定装置は、ナノトラックUPA((株)マイクロトラックベル社製)を用いた。得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)のピークを平均粒子径とした。また、下記式より粒子径の均斉度を表す変動係数Cv値を算出した。
式: 変動係数Cv値(%)=粒子径の標準偏差/平均粒子径×100
[式において、標準偏差と平均粒子径の単位は同一である]
<ガラス転移点(Tg)>
ガラス転移点は、DSC(示差走査熱量計、TAインスツルメント社製)により測定した。具体的には、樹脂を乾固したサンプル約2mgをアルミニウムパン上で秤量し、該アルミニウムパンをDSC測定ホルダーにセットし、5℃/分の昇温条件にて得られるDSC曲線の吸熱側へのベースラインシフト(変曲点)を読み取り、ガラス転移点を得た。
<屈折率>
屈折率は、多波長アッベ屈折率計DR−M2(ATAGO社製)により測定した。樹脂微粒子の分散体を100℃で3時間乾固して膜厚20μmの樹脂フィルムを作成し、測定を行った。なお、干渉フィルターはλ=589nmのものを使用し、中間液にはブロモナフタレンを使用した。
<樹脂微粒子の調製>
(実施例1)樹脂微粒子分散体1
撹拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、水95.6部を仕込んだ。次いで、RUVA−093(大塚化学製 2−[2−ヒドロキシ−5−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール)10.0部、スチレン87.0部、アクリル酸2.0部、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン1.0部、アクアロンAR−10(第一工業製薬製 アニオン性反応性乳化剤)1.0部、水39.3部を混合撹拌して調製したエチレン性不飽和単量体の乳化液のうち5.0%を反応容器に添加した。
反応容器の内温を70℃に昇温して窒素置換を十分行った後、開始剤として過硫酸カリウムの2.5%水溶液5.7部を添加して乳化重合を開始した。内温を80℃に上げて温度を保ちながら、一段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液の残分と過硫酸カリウムの2.5%水溶液4.0部とを2時間かけて滴下しながら反応させ、コア粒子を合成した。
一段目の滴下完了から20分後、別途、メチルメタクリレート15.3部、n−ブチルアクリレート26.8部、アクリル酸0.9部、AR−10を0.4部、イオン交換水16.9部を混合撹拌して調製した二段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液の滴下を開始した。
内温を80℃に保ちながら、二段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液と過硫酸カリウムの2.5%水溶液1.7部とを2時間かけて滴下しながら反応させ、シェルを合成した。
次いで、水を添加して固形分濃度を45.0%に調整し、樹脂微粒子分散体1を得た。
得られた樹脂微粒子分散体1の平均粒子径は225nm、Cv値は25.9%であった。コアのTgは97.6℃、シェルのTgは−12.7℃であった。屈折率は、1.56であった。
(実施例2〜5、13、14、28、29、比較例1〜4)樹脂微粒子分散体2〜5、13、14、28、29、37〜40
表1〜表3に示す配合組成に変更した以外は、実施例1と同様の方法で樹脂微粒子分散体2〜5、13、14、28、29、37〜40をそれぞれ得た。
なお、実施例13及び14は、反応容器に仕込むエチレン性不飽和単量体の乳化液の量を、5.0%から8.0%及び7.5%にそれぞれ変更した。
(実施例6)樹脂微粒子分散体6
撹拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、水95.6部を仕込んだ。次いで、メチルメタクリレート50.0部、シクロヘキシルメタクリレート47.0部、アクリル酸2.0部、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン1.0部、アクアロンAR−10 1.0部、水39.3部を混合撹拌して調製したエチレン性不飽和単量体の乳化液のうち5.0%を反応容器に添加した。
反応容器の内温を70℃に昇温して窒素置換を十分行った後、開始剤として過硫酸カリウムの2.5%水溶液5.7部を添加して乳化重合を開始した。内温を80℃に上げて温度を保ちながら、一段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液の残分と過硫酸カリウムの2.5%水溶液4.0部とを2時間かけて滴下しながら反応させ、コア粒子を合成した。
一段目の滴下完了から20分後、25%アンモニア水を1.9部添加し、コア粒子を中和した。その後、アデカスタブLA−82(ADEKA製 メタクリル酸1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2.9部、メチルメタクリレート13.3部、n−ブチルアクリレート26.8部、アクアロンAR−10を0.4部、イオン交換水16.9部を混合撹拌して調製した二段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液の滴下を開始した。
内温を80℃に保ちながら、二段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液と過硫酸カリウムの2.5%水溶液1.7部とを2時間かけて滴下しながら反応させ、シェルを合成した。
次いで、水を添加して固形分濃度を45.0%に調整し、樹脂微粒子分散体6を得た。
得られた樹脂微粒子分散体6の平均粒子径は228nm、Cv値は27.2%であった。コアのTgは85.4℃、シェルのTgは−12.5℃であった。屈折率は、1.48であった。
(実施例7〜12、15〜27、30〜36)樹脂微粒子分散体7〜12、15〜27、30〜36
表1〜表3に示す配合組成に変更した以外は、実施例6と同様の方法で樹脂微粒子分散体7〜12、15〜27、30〜36をそれぞれ得た。
なお、実施例15及び16は、反応容器に仕込むエチレン性不飽和単量体の乳化液の量を、5.0%から3.0%及び2.0%にそれぞれ変更した
(比較例5)樹脂微粒子分散体41
撹拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、水95.6部を仕込んだ。次いで、RUVA−093を10.0部、メチルメタクリレート87.0部、アクリル酸2.0部、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン1.0部、アクアロンAR−10を1.0部、水39.3部を混合撹拌して調製したエチレン性不飽和単量体の乳化液のうち5.0%を反応容器に添加した。
反応容器の内温を70℃に昇温して窒素置換を十分行った後、開始剤として過硫酸カリウムの2.5%水溶液5.7部を添加して乳化重合を開始した。内温を80℃に上げて温度を保ちながら、エチレン性不飽和単量体の乳化液の残分と、過硫酸カリウムの2.5%水溶液4.0部とを2時間かけて滴下して反応を進め、樹脂微粒子を合成した。
次いで、水を添加して固形分濃度を39.4%に調整し、樹脂微粒子分散体41を得た。
得られた樹脂微粒子分散体41の平均粒子径は197nm、Cv値は26.9%であった。Tgは102.0℃であった。屈折率は、1.49であった。
(実施例X−1)樹脂微粒子分散体X−1
撹拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、水95.6部を仕込んだ。
次いで、RUVA−093を10.0部、メチルメタクリレート40.0部、シクロヘキシルメタクリレート47.0部、アクリル酸2.0部、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン1.0部、アクアロンAR−10を1.0部、水39.3部を混合撹拌して調製したエチレン性不飽和単量体の乳化液のうち5.0%を反応容器に添加した。
反応容器の内温を70℃に昇温して窒素置換を十分行った後、開始剤として過硫酸カリウムの2.5%水溶液5.7部を添加して乳化重合を開始した。内温を80℃に上げて温度を保ちながら、一段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液の残分と過硫酸カリウムの2.5%水溶液4.0部とを2時間かけて滴下しながら反応させ、コア粒子を合成した。
一段目の滴下完了から20分後、25%アンモニア水を1.9部添加し、コア粒子を中和した。その後、RUVA−093を32.0部、アデカスタブLA−82を9.3部、メチルメタクリレート10.6部、n−ブチルアクリレート85.8部、アクアロンAR−10を0.4部、イオン交換水16.9部を混合撹拌して調製した二段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液の滴下を開始した。
内温を80℃に保ちながら、二段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液と過硫酸カリウムの2.5%水溶液1.7部とを2時間かけて滴下しながら反応させ、シェルを合成した。
次いで、水を添加して固形分濃度を45.0%に調整し、樹脂微粒子分散体X−1を得た。得られた樹脂微粒子分散体X−1の平均粒子径は227nm、Cv値は23.1%であった。コアのTgは82.7℃、シェルのTgは−15.9℃であった。屈折率は、1.51であった。
(実施例X−2)樹脂微粒子分散体X−2
表3に示す配合組成に変更した以外は、実施例X−1と同様の方法で樹脂微粒子分散体X−2を得た。
得られた樹脂微粒子分散体を表1〜表3に示す。表1〜表3中の数値は特に断りのない限り質量部を表し、空欄は0質量部を表す。
Figure 2021188042
Figure 2021188042
Figure 2021188042
表1〜表3中の略称を以下に示す。
RUVA−093:大塚化学製 2−[2−ヒドロキシ−5−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール
アデカスタブLA−82:ADEKA製 メタクリル酸1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル
アデカスタブLA−87:ADEKA製 メタクリル酸2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル
アクアロンAR−10:アニオン性の反応性乳化剤(ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩類、第一工業製薬株式会社製)
ハイテノールNF−08:アニオン性の非反応性乳化剤(ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩類、第一工業製薬株式会社製)
アクアロンAN−10:ノニオン性の反応性乳化剤(ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル類、第一工業製薬株式会社製)
ノイゲンEA−87:ノニオン性の非反応性乳化剤(ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル類、第一工業製薬株式会社製)
<樹脂組成物の製造>
(実施例37)樹脂組成物1
樹脂微粒子分散体1 10.0部に、黒色微粒子分散体1としてオリエント化学工業社製BONJET BLACK CW−1(表面変性カーボンブラック 平均粒子径62nm 顔料分20.0%)0.38部を添加して撹拌し、樹脂組成物1を得た。
(実施例38〜73、比較例6〜10)樹脂組成物2〜42
表4〜表5に示す配合組成に変更した以外は、実施例37と同様の方法で樹脂組成物2〜42を得た。
(実施例Y−1)樹脂組成物Y−1
樹脂微粒子分散体X−1 10.0部に、黒色微粒子分散体1としてオリエント化学工業社製BONJET BLACK CW−1 0.38部を添加して撹拌し、樹脂組成物Y−1を得た。
(実施例Y−2)樹脂組成物Y−2
表5に示す配合組成に変更した以外は、実施例Y−1と同様の方法で樹脂組成物Y−2を得た。
<樹脂組成物の評価>
得られた樹脂組成物について積層体を作製し以下の評価を行った。結果を表4〜表5に示す。
[コロイド結晶層を備える積層体の作製]
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)基材(フタムラ製FOR、厚み20.0μm)のコロナ処理面に下記条件でプラズマ処理を施し、樹脂組成物を乾燥後厚みが7μmになるようにバーコーターで塗工し50℃で5分間乾燥させてコロイド結晶層を備える積層体を作製した。
(プラズマ処理条件)
装置:真空デバイス社製PIB−20
雰囲気ガス:空気
雰囲気ガス圧:20Pa
放電電流:20mA
処理時間:1分間
[発色性]
コロイド結晶について、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製V−770D、積分球ユニットISN−923)を用いて、波長250〜850nmの範囲で反射スペクトルを測定した。各波長における反射率は、反射率が既知の標準白板(ラブスフェア社製SRS−99−010)をリファレンスとして用いて測定した相対反射率である。得られた反射スペクトルについて、構造色に由来する反射率の最大値と構造色によらないベースラインの反射率の差分(△R)を算出した。△Rが大きいほど発色性に優れている。得られた△R及び△Rの低下率から、以下の基準で評価した。
S;△Rが30%以上(非常に良好)
A;△Rが20%以上、30%未満(良好)
B;△Rが10%以上、20%未満(使用可)
C;△Rが10%未満、又は構造色に由来する反射率のピークが判別不能(使用不可)
[基材追従性]
積層体を5cm×5cmの試験片に切り出し、180度・5回折り曲げを行った。折り曲げ後のコロイド結晶の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
S:剥がれや傷がない(非常に良好)
A:剥がれや傷の面積が試験片の5%未満(良好)
B:剥がれや傷の面積が試験片の5%以上、10%未満(使用可)
C:剥がれや傷の面積が試験片の10%以上(使用不可)
[耐圧痕性]
積層体を5cm×5cmの試験片に切り出し、指の腹を30回押し付けた後のコロイド結晶の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
S:剥がれや傷がない(非常に良好)
A:剥がれや傷の面積が圧痕した領域の5%未満(良好)
B:剥がれや傷の面積が圧痕した領域の5%以上、10%未満(使用可)
C:剥がれや傷の面積が圧痕した領域の10%以上(使用不可)
[耐擦傷性]
積層体を5cm×5cmの試験片に切り出し、指の腹で50回擦った後コロイド結晶の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
S:剥がれや傷がない(非常に良好)
A:剥がれや傷の面積が摩擦した領域の5%未満(良好)
B:剥がれや傷の面積が摩擦した領域の5%以上、10%未満(使用可)
C:剥がれや傷の面積が摩擦した領域の10%以上(使用不可)
[耐候性試験]
下記条件下において、積層体のコロイド結晶面に、キセノンウェザオメーター(アトラス社製)を使用して20MJ照射を行った。照射後、後述の試験により耐候性を評価した。
(耐候性試験条件)
試験サイクル:連続照射(光照射のみ)
放射照度(制御波長):110W/m At300〜400nm
フィルター組み合わせ:ボロシリケイト(内側)、ソーダライム(外側)
ブラックパネル温度(制御センサ):89±3℃
槽内湿度:75±5%
[耐候性試験後の発色性]
耐候性試験後のコロイド結晶について、発色性評価と同様にして、反射スペクトルを測定した。耐候性試験前後での反射スペクトルを比較して、反射率の最大値の変化率(低下率)を算出した。低下率が大きいほど、コロイド結晶が退色していることを表す。得られた低下率から、以下の基準で評価した。
S;反射率の最大値の変化率が2%未満(非常に良好)
A;反射率の最大値の変化率が2%以上、10%未満(良好)
B;反射率の最大値の変化率が10%以上、30%未満(使用可)
C;反射率の最大値の変化率が30%以上(使用不可)
[耐候性試験後の追従性]
耐候性試験後の積層体から、5cm×5cmで試験片を切り出し、180度・5回折り曲げを行った。折り曲げ後のコロイド結晶の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
S:剥がれや傷がない(非常に良好)
A:剥がれや傷の面積が試験片の5%未満(良好)
B:剥がれや傷の面積が試験片の5%以上、10%未満(使用可)
C:剥がれや傷の面積が試験片の10%以上(使用不可)
[耐候性試験後の耐圧痕性]
耐候性試験後の積層体から、5cm×5cmの試験片に切り出し、指の腹を30回押し付けた後のコロイド結晶の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
S:剥がれや傷がない(非常に良好)
A:剥がれや傷の面積が圧痕した領域の5%未満(良好)
B:剥がれや傷の面積が圧痕した領域の5%以上、10%未満(使用可)
C:剥がれや傷の面積が圧痕した領域の10%以上(使用不可)
[耐候試験後の耐擦傷性]
積層体を5cm×5cmの試験片に切り出し、指の腹で50回擦った後コロイド
結晶の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
S:剥がれや傷がない(非常に良好)
A:剥がれや傷の面積が摩擦した領域の5%未満(良好)
B:剥がれや傷の面積が摩擦した領域の5%以上、10%未満(使用可)
C:剥がれや傷の面積が摩擦した領域の10%以上(使用不可)
Figure 2021188042
Figure 2021188042
表4〜表5中の略称を以下に示す。
黒色微粒子分散体1:カーボンブラック分散体(オリエント化学工業社製 BONJET
BLACK CW−1(表面変性カーボンブラック、平均粒子径63nm、固形分濃度20%))
本発明のコロイド結晶は、いずれも良好な発色性を示し、基材追従性、耐圧痕性、耐擦傷性にも優れていた。さらに、耐候性試験後の発色性や基材追従性、耐圧痕性、耐擦傷性も良好であった。特に、コアのガラス転移点が60℃以上であり、シェルのガラス転移点が−60〜40℃であるコアシェル型樹脂微粒子からなるコロイド結晶は、発色性と基材追従性、耐圧痕性、耐擦傷性がより優れていた。
一方で、比較例のコロイド結晶は、基材追従性、耐圧痕性、耐擦傷性、又は、耐候性試験後の発色性や基材追従性、耐圧痕性、耐擦傷性のいずれかが劣っていた。

Claims (10)

  1. コロイド結晶を形成するためのコアシェル型樹脂微粒子であって、
    前記樹脂微粒子が、エチレン性不飽和単量体(a)の重合体であり、下記一般式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体(a−1)及び下記一般式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体(a−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体由来の構成単位を含む、コアシェル型樹脂微粒子。
    一般式(1):エチレン性不飽和単量体(a−1)
    Figure 2021188042

    (一般式(1)中、Xは水素原子又はメチル基を表す。)

    一般式(2):エチレン性不飽和単量体(a−2)
    Figure 2021188042

    (一般式(2)中、Y及びZは各々独立して水素原子又はメチル基を表す。)
  2. 前記エチレン性不飽和単量体(a−1)及び前記エチレン性不飽和単量体(a−2)の合計の含有量が、コアシェル型樹脂微粒子の全質量を基準として、1.0〜40質量%である、請求項1に記載のコアシェル型樹脂微粒子。
  3. 平均粒子径が150〜350nmである、請求項1又は2に記載のコアシェル型樹脂微粒子。
  4. コアのガラス転移点が60℃以上であり、シェルのガラス転移点が−60〜40℃である、請求項1〜3いずれか1項に記載のコアシェル型樹脂微粒子。
  5. 屈折率が1.45以上である、請求項1〜4いずれか1項に記載のコアシェル型樹脂微粒子。
  6. シェルの含有量が、コアの全質量を基準として10〜300質量%の範囲である、請求項1〜5いずれか1項に記載のコアシェル型樹脂微粒子。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載のコアシェル型樹脂微粒子の製造方法であって、反応性乳化剤を用いてエチレン性不飽和単量体(a)を重合する工程を含む、コアシェル型樹脂微粒子の製造方法。
  8. 請求項1〜6いずれか1項に記載のコアシェル型樹脂微粒子と無彩黒色微粒子とを含有する、樹脂組成物。
  9. 請求項8に記載の樹脂組成物から形成されてなる、コロイド結晶。
  10. 基材上に、請求項9に記載のコロイド結晶からなるコロイド結晶層を備える積層体。
JP2021085499A 2020-05-29 2021-05-20 樹脂微粒子、樹脂組成物及びコロイド結晶 Pending JP2021188042A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020094520 2020-05-29
JP2020094520 2020-05-29

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021188042A true JP2021188042A (ja) 2021-12-13

Family

ID=78850266

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021085499A Pending JP2021188042A (ja) 2020-05-29 2021-05-20 樹脂微粒子、樹脂組成物及びコロイド結晶

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021188042A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5581815B2 (ja) 水性インクジェットインキ用バインダー樹脂組成物、およびそれを用いたインクジェットインキ
JP7472487B2 (ja) 樹脂微粒子、樹脂組成物およびコロイド結晶
US9777162B2 (en) Waterborne curable resin composition
JP2010280830A (ja) 水性インクジェットインキ用バインダー樹脂組成物、およびそれを用いたインクジェットインキ
JP2021169585A (ja) 構造色材料、構造色形成用塗料及び塗膜
JP6149586B2 (ja) 水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体及び水性インキ組成物
JP6142721B2 (ja) 水性インキ用バインダー樹脂組成物及び水性インキ組成物
JP5935464B2 (ja) 樹脂微粒子
JP6142722B2 (ja) 水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体及び水性インキ組成物
JP2018044056A (ja) 易接着層形成用樹脂組成物及び易接着性材料
JP7392565B2 (ja) オーバーコート用樹脂組成物、コロイド結晶塗膜及び積層体
JP2019116535A (ja) 樹脂粒子分散体
JP2021188042A (ja) 樹脂微粒子、樹脂組成物及びコロイド結晶
JP2022058134A (ja) 粘着シート
JP7415802B2 (ja) プライマー及び積層体
TWI841148B (zh) 膠體結晶用組成物、以及積層體
JP2022022096A (ja) 積層体、及び積層体の製造方法
JP2022034316A (ja) カーボンナノチューブ分散体、およびそれを用いた塗料
JP7472755B2 (ja) 積層体
JP6014244B2 (ja) 架橋微粒子の分散体およびその製造方法
JP2024135663A (ja) コロイド結晶用組成物及び印刷物
JP2022022095A (ja) コロイド結晶用組成物、積層体、及び積層体の製造方法
JP2024086079A (ja) 積層体及び積層体の製造方法
JP2023074179A (ja) 積層体
JP2022016065A (ja) 食品包装シート用コート剤および食品包装シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240215