JP6142722B2 - 水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体及び水性インキ組成物 - Google Patents
水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体及び水性インキ組成物 Download PDFInfo
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Description
下記一般式(1)からなるエチレン性不飽和単量体(b−1)を必須成分とする事を特徴とする水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体に関する。
一般式(1)
芳香族エチレン性不飽和単量体(a−1)を20〜70重量%、
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a−2)を30〜40重量%
含有する事を特徴とする請求項1記載の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体に関する。
芳香族エチレン性不飽和単量体(b−2)を15〜40重量%含有する事を特徴とする上記の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体に関する。
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、tーブチルメタクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等のアミド基含有エチレン性不飽和単量体;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシビニルベンゼン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、アリルアルコール等のヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体;
等が挙げられる。
2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1'−アゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリルなどのアゾビス化合物を挙げることができる。
水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの水酸化物塩;
等が挙げられる。
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、tーブチルメタクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシビニルベンゼン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、アリルアルコール等のヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体;
ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アセトアセトキシ(メタ)アクリレート等のケト基含有エチレン性不飽和単量体;
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有エチレン性不飽和単量体;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アルキルエーテル化N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有エチレン性不飽和単量体が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
<FOX式>1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+…+Wi/Tgi+…+Wn/Tgn
〔上記FOX式は、n種の単量体からなる重合体を構成する各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度をTgi(K)とし、各モノマーの質量分率を、Wiとしており、(W1+W2+…+Wi+…Wn=1)である。〕
2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1'−アゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリルなどのアゾビス化合物を挙げることができる。これらは1種類または2種類以上を混合して使用することができる。
アルキルエーテル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンKH−05、KH−10、KH−20、株式会社ADEKA製アデカリアソープSR−10N、SR−20N、花王株式会社製ラテムルPD−104など)、スルフォコハク酸エステル系(市販品としては、例えば、花王株式会社製ラテムルS−120、S−120A、S−180P、S−180A、三洋化成株式会社製エレミノールJS−2など)、アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンH−2855A、H−3855B、H−3855C、H−3856、HS−05、HS−10、HS−20、HS−30、株式会社ADEKA製アデカリアソープSDX−222、SDX−223、SDX−232、SDX−233、SDX−259、SE−10N、SE−20N、など)、(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製アントックスMS−60、MS−2N、三洋化成工業株式会社製エレミノールRS−30など)、リン酸エステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製H−3330PL、株式会社ADEKA製アデカリアソープPP−70など)等のアニオン系反応性乳化剤;
等のアニオン性非反応性乳化剤;
等のノニオン性非反応性乳化剤;
等が挙げられる。
水溶性樹脂としては、例えば、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(市販品としては例えば、ISP社製K−30、K−60、K−90など)、ポリエチレングリコール、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、マレイン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルピロリドン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、ビニルピロリドン−スチレン共重合体、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(東ソー株式会社製 ポリナスPS−1、ポリナスPS―5など)、スチレンスルホン酸−マレイン酸共重合体、ポリイタコン酸、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエステル、カルボキシビニルポリマー等の水溶性のビニル系共重合体;
ポリイソシアネートとポリオールの重付加反応により得られるウレタン樹脂であり、親水基の導入により樹脂全体が水溶化された水溶性ポリウレタン樹脂;
多価カルボン酸とポリオールの重縮合反応により得られるポリエステル樹脂であり、親水基の導入により樹脂全体が水溶化された水溶性ポリエステル樹脂;
メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、エチルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボシキメチルスセルロース、アルカリ金属カルボキシメチルセルロース、アルカリ金属セルロース硫酸塩、セルロースグラフト重合体等のセルロース誘導体;
ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸等のポリペプチド類;
等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
で挙げたエチレン不飽和単量体などが挙げられる。
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のグリコール系溶剤;
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;
N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、ε-カプロラクタム等のラクタム系溶剤;
ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、出光製エクアミドM−100、エクアミドB−100等のアミド系溶剤
が挙げられる。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
樹脂微粒子分散体がケト基を含有している場合には、ヒドラジド化合物をケト基に対してヒドラジド基が等モルになるよう添加するのが好ましい。
[製造例1]
攪拌器、温度計、2つの滴下ロート、還流器を備えた別の反応容器に、メチルイソブチルケトン94.0部を仕込み、攪拌しながら、窒素還流下で温度100℃まで昇温した。次に、2つの滴下ロートにおいて、一方からは、スチレン55.0部、アクリル酸30.0部、ラウリルメタクリレート15.0部を3時間かけて滴下した。もう一方からは、ジメチル2,2‘−アゾビスイソブチレート10.0部をメチルイソブチルケトン12.0部に溶解させ、4時間かけてそれを滴下した。滴下完了後、更に10時間反応させて水溶性樹脂(A)を得た。冷却後、得られた水溶性樹脂(A)溶液に25%アンモニア水28.3部部を加えて中和した。更にイオン交換水を加えて、加熱しながら溶剤置換をおこない、水溶性樹脂(A)の水溶液を得た。最後にイオン交換水により、水溶性樹脂(A)溶液の固形分を35.0%に調整した。水溶性樹脂(A)の酸価は212、重量平均分子量は12800であった。
[製造例2〜11]
表1に示す配合組成で、製造例1と同様の方法で水溶性樹脂(A)溶液を調製した。中和剤である25%アンモニア水を、水溶性樹脂(A)のカルボキシル基に対してアンモニアが等モルになるように添加した。さらに製造例1と同様の操作をおこない、固形分35%の水溶樹脂(A)水溶液を調製した。水溶性樹脂(A)については、酸価ならびに重量平均分子量を評価した。
樹脂1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウム
のミリグラム数。乾燥させた水溶性樹脂(A)について、JIS K2501に記載の方法に従い、水酸化カリウム・エタノール溶液で電位差滴定をおこない算出した。
[重量平均分子量]
重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の値。乾燥させた水溶性樹脂(A)をテトラヒドロフランに溶解させ、0.1%の溶液を調製し、東ソー製HLC−8320−GPC(カラム番号M−0053 分子量測定範囲約2千〜約400万)により重量平均分子量を測定した。
[製造例12]
空気導入管、温度計、冷却管、攪拌装置を備えた4つロフラスコに2−ヒドロキシエチルメタクリレート200部、ε−カプロラクトン175.6部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.5部、モノブチルスズトリス−2−エチルヘキサネート0.1部を入れ、空気を通じながら100℃で10時間反応させた。ε−カプロラクトンの反応率は99%、得られたポリカプロラクトン変性エチレン性不飽和単量体の数平均分子量は1850であった。(GPCでポリスチレン換算、平均付加モル数は15)
[実施例1]
攪拌器、温度計、2つの滴下ロート、還流器を備えた別の反応容器に、イオン交換水91.8部と製造例1で調製した水溶性樹脂(A)溶液114.3部仕込み、攪拌しながら、窒素還流下で温度80℃まで昇温した。次に、2つの滴下ロートにおいて、一方からは、ダイセル社製プラクセルFM2D( 2−ヒドロキシエチルメタクリレートのラクトン変性物・平均付加モル数2) 20.0部、プラクセルFM5( 2−ヒドロキシエチルメタクリレートのラクトン変性物・平均付加モル数5) 10.0部、スチレン30.0部、n−ブチルアクリレート40.0部を2時間かけて滴下した。もう一方からは、過硫酸アンモニウム20%水溶液4.0部を2時間かけて滴下した。滴下完了後、更に4時間反応させて樹脂微粒子分散体を得た。イオン交換水により、樹脂微粒子分散体の固形分を45%に調整した。得られた樹脂微粒子分散体のガラス転移温度(Tg)は8℃、平均粒子径は84nmであった。また、樹脂微粒子分散体1kg当たりの合成時における凝集物の発生量は0.05gであった。
表2、表3に示す配合組成で、実施例1と同様の方法で樹脂微粒子分散体を調製した。実施例15で使用したプラクセルFA10Lは、あらかじめ溶剤のトルエンを減圧除去して使用した。尚、比較例1ならびに2で使用したプラクセルFM−1(ダイセル社製 2-ヒドロキシエチルメタクリレートのラクトン変性物・平均付加モル数1)、製造例12のエチレン性不飽和単量体は上記のエチレン性不飽和単量体(b−1)に該当しない。実施例5、10、11については、合成後、架橋剤のアジピン酸ジヒドラジドを、樹脂微粒子分散体中におけるケト基に対してヒドラジド基が等モルになるように添加した。実施例1と同様に樹脂微粒子分散体の固形分は全て45.0%に調整した。さらに、得られた樹脂微粒子分散体について、平均粒子径、凝集物の有無について評価した。ガラス転移温度(Tg)についてはエチレン性不飽和単量体の組成から、先述のFOXの式により算出した。
樹脂微粒子分散体を500倍に水希釈し、該希釈液約5mlを動的光散乱測定法(測定装置はマイクロトラック(株)日機装製)により測定をおこなった。この時、得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)における体積平均粒子径を平均粒子径とした。
樹脂微粒子分散体を180メッシュ(100μm)のろ布で濾過し、合成時に発生する樹脂微粒子分散体1kg当たりの凝集物量を測定した。評価基準は以下の通りである。
○:0.1g未満である
△:0.1g以上、0.5g未満である
×:0.5g以上である
[製造例13]
攪拌器、温度計、2つの滴下ロート、還流器を備えた別の反応容器に、メチルイソブチルケトン94部を仕込み、攪拌しながら、窒素還流下で温度100℃まで昇温した。次に、2つの滴下ロートにおいて、一方からは、スチレン55.0部、メタクリル酸30.0部、エチルアクリレート15.0部を3時間かけて滴下した。もう一方からは、ジメチル2,2‘−アゾビスイソブチレート9.0部をメチルイソブチルケトン10部に溶解させ、4時間かけてそれを滴下した。滴下完了後、更に10時間反応させて反応を完了した。冷却後、得られた顔料分散樹脂(D)溶液に25%アンモニア水19.5部を加えて中和した。更にイオン交換水を加えて、加熱しながら溶剤置換をおこない、水溶性樹脂(A)の水溶液を得た。最後にイオン交換水をさらに加えて、水溶性樹脂(A)溶液の固形分を30.0%に調整した。顔料分散樹脂(D)の酸価は179、重量平均分子量は10500であった。
表4に示す配合組成で、製造例12と同様の方法で、製造例13〜18の顔料分散樹脂(D)水溶液を調製した。中和剤として25%アンモニア水を、顔料分散樹脂(D)のカルボキシル基に対して、アンモニアが等モルになるように添加し、さらに製造例12と同様の操作をおこない、固形分30.0%の顔料分散樹脂(D)水溶液を調製した。また、市販の固形樹脂を顔料分散剤として使用する場合には、イオン交換水ならびに25%アンモニア水(顔料分散樹脂(D)のカルボキシル基とアンモニアが等モル)を添加し、加熱、撹拌しながら水溶化させ、固形分を30%に調整した。表5に使用した市販の固形樹脂の概要を示す。(製造例20および21)顔料分散樹脂(D)については、水溶性樹脂(A)と同様の方法で酸価ならびに重量平均分子量を評価した。
<濃縮白顔料分散液の製造>
顔料[タイペークCR80 石原産業社製]67.5部、製造例12の顔料分散剤水溶液(固形分30%)21.3部、イオン交換水5.8部、表面調整剤[サーフィノール420 日信化学工業製]0.4部をペイントコンディショナーにて2時間分散し、濃縮白顔料分散液を得た。
表6に示す配合組成で、製造例22と同様の方法で濃縮白顔料分散液を調製した。
<濃縮藍顔料分散液の製造>
顔料[リオノールブルーFG7330 トーヨーカラー社製]35.9部、製造例12の顔料分散剤水溶液(固形分30%)21.5部、イオン交換水39.7部、表面調整剤[サーフィノール420 日信化学工業製]0.4部をペイントコンディショナーにて2時間分散し、濃縮藍顔料分散液を得た。
表7に示す配合組成で、製造例31と同様の方法で濃縮藍顔料分散液を調製した。
[実施例21]
実施例1で得られたコアシェル型樹脂微粒子水分散体(B)40.2部に対して、製造例21の濃縮白顔料分散液47.5部、ケミパールW500 5部、親水性溶剤としてN-プロパノール部3.5部、ジエチレングリコールモノエチルエーテル2部、イオン交換水3.8部を加えた後、混練して白色水性インキ組成物を得た。
表8および表9に示す配合組成で、実施例21と同様の方法で調製し、白色水性インキ組成物を得た。
実施例1で得られたコアシェル型樹脂微粒子水分散体(B)40.9部に対して、製造例30の濃縮藍顔料分散液41.6部、ケミパールW500 4.5部、親水性溶剤としてN-プロパノール部3.0部、イオン交換水10部を加えた後、混練して藍色水性インキ組成物を得た。
表10および表11に示す配合組成で、実施例41と同様の方法で調製し、藍色水性インキ組成物を得た。
最低造膜温度(MFT)は、300μのアプリケーターで水性インキ組成物をガラス板に塗工したものを熱勾配試験機(理学工業社製)にかけて測定した。
上記で調製した水性インキ組成物について、インキ物性として、保存安定性、再溶解性、版洗浄性を評価した。水性インキ組成物を、フレキシプルーフ100(アニロックスローラー80線/cm)を用いて、処理OPP(2軸延伸ポリプロピレンフィルム)基材ならびに処理PET(ポリエチレンテレフタレートフィルム)基材に塗工した。塗工後、基材をオーブンで60℃・1分ほど加熱処理して評価用塗膜を得た。これを用いて、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)を評価した。表12〜表15にその結果を示す。
水性インキ組成物について、40℃・1週間の条件下での粘度の経時変化を評価した。粘度はザーンカップ(No.4)を使用して測定した。
評価基準は以下の通りである。(実用可能レベルは○以上)
◎;インキの粘度変化が±10%未満である
○;インキの粘度変化が±10%以上、±15%未満である
△;インキの粘度変化が±15%以上、±20%未満である
×;インキの粘度変化が±20%以上である
水性インキ組成物を、処理OPP上にバーコーター(No.8)で塗工して室温で15分静置した。
静置後、塗工面にインキを垂らし、経時で拭き取りながら、インキが再溶解するまでの時間を測定した。評価基準は以下の通りである。(実用可能レベルは○以上)
◎;30秒以内に再溶解する
○;60秒以内に再溶解する
△;120秒以内に再溶解する
×;120秒以上経過しても再溶解しない
フレキシプルーフ100版について、インキ塗工後に各種溶剤を用いて版洗浄性を評価した。
評価基準は以下の通りである。(実用可能レベルは△以上)
○;アルコール溶剤もしくはマジックリン(花王社製)で洗浄可能である。
△;マジックリン(花王社製)で洗浄可能である。
×;アルコール溶剤もしくはマジックリン(花王社製)で洗浄できない。
評価用塗膜にセロハンテープ(ニチバン社製18mm幅)を貼り付け、垂直方向に剥離試験をおこない、インキの剥がれた面積の割合から基材密着性について評価した。
評価基準は以下の通りである。(実用可能レベルは○以上)
◎;インキの剥がれがない
○;インキの剥がれがややある(10%未満)
△;インキの剥がれがある(10%以上、50%未満)
×;インキの剥がれがかなりある(50%以上)
評価用塗膜を1分間水に浸漬させた。浸漬後、摩擦子にカナキン(JIS L 0803)を用い、水をたらした塗膜表面を学振試験機(テスター産業社製)により、荷重500gで500往復させた。インキの剥がれた面積の割合から耐水摩擦性について評価した。評価基準は以下の通りである。(実用可能レベルは○以上)
◎;インキの剥がれがない
○;インキの剥がれがややある(5%未満)
△;インキの剥がれがある(5%以上、30%未満)
×;インキの剥がれがかなりある(30%以上)
Claims (8)
- エチレン性不飽和単量体(a)が、単量体全体に対して
芳香族エチレン性不飽和単量体(a−1)を20〜70重量%、
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a−2)を30〜40重量%
含有する事を特徴とする請求項1記載の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体。
- エチレン性不飽和単量体(b)100重量%中、
芳香族エチレン性不飽和単量体(b−2)を15〜40重量%含有する事を特徴とする請求項1又は2記載の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体。 - エチレン性不飽和単量体(b)の合計100重量部に対し、水溶性樹脂(A)の量が40〜60重量部である事を特徴とする請求項1〜3いずれか記載の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体。
- コアシェル型樹脂微粒子分散体(B)の平均粒子径が45〜90nm、ガラス転移温度が−10〜30℃である請求項1〜4いずれか記載の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体。
- 顔料(C)、顔料分散樹脂(D)、水、親水性溶剤(E)及び請求項1〜5いずれか記載の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体を含有することを特徴とする水性インキ組成物。
- 水性インキ組成物の最低造膜温度が0℃以下である事を特徴とする請求項6記載の水性インキ組成物。
- フレキソ印刷またはグラビア印刷に用いられる、請求項6または7記載の水性インキ組成物。
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