JP6142722B2 - 水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体及び水性インキ組成物 - Google Patents

水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体及び水性インキ組成物 Download PDF

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Description

本発明は、水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体(以下単に樹脂微粒子分散体ということがある)及び水性インキ組成物に関する。さらに詳しくは、コア成分とシェル成分の相溶性に優れ、非極性フィルム基材に対して優れた基材密着性、塗膜耐性を発現し、一方でインキの保存安定性、再溶解性、版洗浄性にも優れる樹脂微粒子分散体及び当該樹脂微粒子分散体を用いた水性インキ組成物に関する。
水性インク組成物は、一般的に顔料、顔料分散樹脂、水、保湿剤成分、およびバインダー樹脂により構成されている。このうちバインダー樹脂は、印字物の塗膜物性(基材密着性、耐水性、耐擦性、スクラッチ性など)を向上させる目的で添加されており、優れた印刷適性と塗膜物性を両立できる事から、水溶性樹脂(シェル成分)を乳化剤としてコア成分を乳化重合したコアシェル型の樹脂微粒子分散体が多く使用されている。このような水性インク組成物は、これまで主に紙やダンボールなどの基材を対象として開発されてきたが、近年、省エネ、低コスト、環境負荷低減の観点から、低温乾燥条件下で、オレフィンやPETなどの非極性フィルム基材に対し、優れた塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)を発現する機能が求められており、同時にそれに対応できるバインダー樹脂組成物の開発も求められている。
特許文献1では、シェル成分、コア成分共に、オールアクリルタイプのコアシェル型樹脂微粒子分散体のバインダー樹脂組成物が開示されている。しかしながらこの樹脂微粒子分散体はシェル成分の分散安定性が不十分であり、かつコア成分の粒子核形成も不安定な事から、合成時に発生する凝集物も多く、粒子径の制御も困難である。したがって造膜性が悪く、塗膜耐性が大幅に悪化する。また、組成面でも非極性フィルム基材に対し十分な基材密着性を期待する事はできない。
特許文献2ならびに特許文献3では、水溶性樹脂(シェル成分)、コア成分の組成、分子量、コア成分とシェル成分の比率、粒子径、ガラス転移温度などを規定したコアシェル型樹脂微粒子分散体のバインダー樹脂組成物が開示されている。しかしながら、これらの樹脂微粒子分散体でも非極性フィルム基材に対して十分な基材密着性や耐水摩擦性を発現する事は困難である。
特許文献4ならびに特許文献5では、水溶性樹脂(シェル成分)やコア成分にケト基もしくはアルデヒド基を導入したコアシェル型樹脂微粒子分散体が開示されている。たしかにケト基やアルデヒド基のような架橋基を導入する事で、非極性フィルム基材に対して基材密着性の向上を期待する事ができる。しかしながら、その効果は十分とは言えず、逆に塗膜の造膜が阻害されたり、残留した架橋剤が溶出して、塗膜物性が悪化する場合もある。
特開平02−263811号公報 特開平08−176486号公報 特開2012−116924号公報 特開平07−026196号公報 特開平08−113749号公報
低温乾燥条件下でも、非極性フィルム基材に対して優れた塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性、耐ブロッキング性)を発現し、一方で、インキの保存安定性、再溶解性、版洗浄性にも優れる水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体ならびにそれを用いた水性インキ組成物の提供を目的とする。
すなわち、本発明は水溶性樹脂(A)の存在下、水性媒体中でエチレン性不飽和単量体(b)を重合してなる水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体(B)であって、エチレン性不飽和単量体(b)が、
下記一般式(1)からなるエチレン性不飽和単量体(b−1)を必須成分とする事を特徴とする水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体に関する。
一般式(1)
Figure 0006142722
XはHもしくはCH3 、nは平均付加モル数2〜10
さらに、エチレン性不飽和単量体(a)が、単量体全体に対して
芳香族エチレン性不飽和単量体(a−1)を20〜70重量%、
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a−2)を30〜40重量%
含有する事を特徴とする請求項1記載の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体に関する。
さらに、エチレン性不飽和単量体(b)100重量%中、
芳香族エチレン性不飽和単量体(b−2)を15〜40重量%含有する事を特徴とする上記の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体に関する。
エチレン性不飽和単量体(b)の合計100重量部に対し、水溶性樹脂(A)の量が40〜60重量部である事を特徴とする上記の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体に関する。
水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体(B)の平均粒子径が45〜90nm、ガラス転移温度が−10〜30℃である事を特徴とする上記の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体に関する。
顔料(C)、顔料分散樹脂(D)、水、親水性溶剤(E)及び上記の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体を含有することを特徴とする水性インキ組成物に関する。
水性インキ組成物の最低造膜温度が0℃以下である事を特徴とする上記の水性インキ組成物に関する。
フレキソ印刷またはグラビア印刷に用いられる、上記の水性インキ組成物に関する。
本発明により、低温乾燥条件下でも、非極性フィルム基材に対して優れた基材密着性、耐水摩擦性を発現し、インキの保存安定性、再溶解性、版洗浄性にも優れる水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体及び水性インキ組成物を提供する事ができた。
まず、本発明の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体(B)(以下単に樹脂微粒子分散体ということがある)について説明する。
本発明の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体(B)は、エチレン性不飽和単量体(a)を重合してなる水溶性樹脂(A)の存在下、水性媒体中でエチレン性不飽和単量体(b)を、ラジカル重合開始剤を用いて乳化重合する事によって得ることができる。具体的にコアシェル型樹脂微粒子分散体(B)の製造方法について説明する。まず、反応槽に水性媒体と塩基性化合物、水溶性樹脂(A)を仕込み、昇温して溶解させる。その後、窒素雰囲気下でエチレン性不飽和単量体(b)を滴下しながら、ラジカル重合開始剤を添加する。反応開始後、反応槽の溶液の色が青白くなるので、粒子核の形成が確認できる。エチレン性不飽和単量体の滴下完了後、更に数時間反応させる事で目的の樹脂微粒子分散体を得る事ができる。エチレン性不飽和単量体(b)はそのまま反応槽に滴下しても良いし、水性媒体であらかじめ乳化液にしてから滴下しても構わない。水溶性樹脂(A)は水性媒体中で保護コロイド(シェル成分)として働き、生成する粒子核(コア成分)を安定化する。この方法により得られる樹脂微粒子分散体は、ニュート二アンに近い粘性を有するため印刷適正に大変優れている。樹脂微粒子分散体を合成する際に使用する水溶性樹脂(A)はラジカル開始剤により、溶液重合もしくは塊状重合し、樹脂中のカルボキシル基を塩基性化合物で中和する事で得る事ができる。
コアシェル型樹脂微粒子分散体(B)を合成する際に使用する水溶性樹脂(A)は、粒子核への効率的な吸着、分散安定性、インキ中の顔料分散樹脂との相溶性を考慮して、芳香族骨格を有し、カルボキシル基を有するものが好ましい。これらの骨格はエチレン性不飽和単量体(a)として、芳香族エチレン性不飽和単量体(a−1)、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a−2)を使用する事で導入できる。水溶性樹脂(A)は、ラジカル開始剤により、溶液重合もしくは塊状重合し、樹脂中のカルボキシル基を塩基性化合物で中和する事で得る事ができる。
芳香族エチレン性不飽和単量体(a−1)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールメタクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート等があげられる。
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a−2)としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、または、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等があげられる。
エチレン性不飽和単量体(a)として、上記で定めた芳香族エチレン性不飽和単量体(a−1)およびカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a−2)の他に、(a−1)、(a−2)と共重合可能なエチレン性不飽和単量体(a−3)を併用する事ができる。
共重合可能なエチレン性不飽和単量体(a−3)としては、例えば、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、tーブチルメタクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等のアミド基含有エチレン性不飽和単量体;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシビニルベンゼン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、アリルアルコール等のヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体;
等が挙げられる。
また、コア成分とシェル成分をより相溶性させ、塗膜物性を向上させる目的でエチレン性不飽和単量体(a−3)に一般式(1)からなるエチレン性不飽和単量体(b−2)を併用する事も可能である。
ラジカル開始剤には公知の油溶性重合開始剤を使用でき、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物;
2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1'−アゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリルなどのアゾビス化合物を挙げることができる。
中和剤として使用する塩基性化合物には、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンなどのアミン類;
水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの水酸化物塩;
等が挙げられる。
エチレン性不飽和単量体(a)が、単量体全体に対して、芳香族エチレン性不飽和単量体(a−1)を20〜70重量%含有することが好ましく、さらに好ましくは50〜60重量%の範囲である。20重量%未満であると、粒子核への吸着効率が低下し、凝集物が発生しやすくなり、樹脂微粒子分散体が不安定化する。結果としてインキの保存安定性や塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が悪化する場合がある。一方で70重量%を超えた場合にも、水溶性樹脂(A)の分散力が低下するため、凝集物が発生しやすくなり、樹脂微粒子分散体が不安定化する。また、コア成分との相溶性も悪化するため、インキの保存安定性や塗膜物性(基材密着性、塗水摩擦性)に悪影響がでる場合がある。
エチレン性不飽和単量体(a)が、単量体全体に対して、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a−2)を30〜40重量%含有することが好ましい。30重量%未満であると、水溶性樹脂(A)の分散力が低下するため、凝集物が発生しやすくなり、インキの保存安定性、再溶解性、版洗浄性も悪化する場合がある。さらにシェル成分とコア成分との相溶に悪影響を及ぼし、塗膜物性(基材密着性、塗水摩擦性)が不良となる場合がある。一方で40重量%を超えると、塗膜における乾燥不良の発生や、水への溶出成分の増加により、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が悪化する場合がある。
さらに水溶性樹脂(A)の酸価は100〜300mgKOH/gである事が好ましい。水溶性樹脂(A)の酸価が100mgKOH/g未満であると、樹脂微粒子分散体の分散安定性が悪化して、インキの保存安定性が低下したり、シェル成分とコア部分との相溶性が低下してインキ塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が低下してしまう場合がある。一方、300mgKOH/gを超えると、塗膜における、乾燥不良の発生や、水への溶出成分の増加により、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)に悪影響を及ぼす場合がある。ここで言う酸価とは、樹脂1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。
さらに水溶性樹脂(A)の重量平均分子量は5000〜30000である事が好ましく、さらに好ましくは6000〜15000である。重量平均分子量が5000未満であると、樹脂微粒子分散体の分散安定性が低下して、インキの保存安定性が悪化したり、水への溶出成分の増加により塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性、耐ブロッキング性)に悪影響を及ぼす場合がある。一方、重量平均分子量が30000を超えた場合にも、増粘が著しくなり、インキの保存安定性が悪化したり、シェル成分とコア成分との相溶性が阻害され、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)に悪影響を及ぼす場合がある。ここで言う重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の値をいう。
水溶性樹脂(A)の製造方法として、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体について挙げる。反応槽に有機溶剤を仕込み、昇温させる。有機溶剤は、反応時ならびにその後の処理に悪影響が無く、得られた樹脂を溶解するものであれば任意のものを使用する事ができる。昇温後、窒素雰囲気下で、スチレン、(メタ)アクリル酸、アルキル(メタ)アクリレートを滴下しながら、ラジカル開始剤を加えてラジカル重合を行う。ラジカル重合は、公知の重合方法で行うことができ、特に溶液重合で行うのが好ましい。得られた樹脂溶液については、塩基性化合物で中和後、そのままイオン交換水で希釈しても良いし、有機溶剤をイオン交換水に溶剤置換してもかまわない。以上の工程により水溶性樹脂(A)を得る事ができる。
次に本発明で使用するエチレン性不飽和単量体(b)について説明する。本発明のコアシェル型樹脂微粒子分散体(B)は、エチレン性不飽和単量体(b)に、一般式(1)からなるエチレン性不飽和単量体(b−1)を含有している。エチレン性不飽和単量体(b−1)を含有する事で、インキ塗膜の非極性フィルム基材への密着性、塗膜耐性が飛躍的に向上する。また、樹脂分散体の分散安定性にも優れるため、インキの保存安定性も良好である。
エチレン性不飽和単量体(b−1)は、水酸基含有のエチレン性不飽和単量体にε-カプロラクトンを開環付加重合する事により得る事ができる。ε-カプロラクトンの平均付加モル数は2〜10の範囲が最適である。平均付加モル数が2未満であると、樹脂分散体の合成が不安定になると同時に非極性基材への密着性も低下する。一方で付加モル数が10を超えた場合にも、ポリカプロラクトンユニットとアクリル樹脂との相溶性が悪化して塗膜耐性が逆に低下してしまう。
エチレン性不飽和単量体(b−1)は、市販品を使用しても構わない。市販品としては、ダイセル社製、FM−2D(2-ヒドロキシエチルメタクリレートのラクトン変性物・平均付加モル数2)、FM−3(2-ヒドロキシエチルメタクリレートのラクトン変性物・平均付加モル数3)、FM−4(2-ヒドロキシエチルメタクリレートのラクトン変性物・平均付加モル数4)、FM−5(2-ヒドロキシエチルメタクリレートのラクトン変性物・平均付加モル数5)、FA−2D(2-ヒドロキシエチルアクリレートのラクトン変性物・平均付加モル数2)、FA−5(2-ヒドロキシエチルアクリレートのラクトン変性物・平均付加モル数5)、FA−10L(2-ヒドロキシエチルアクリレートのラクトン変性物・平均付加モル数10)等が挙げられる。
エチレン性不飽和単量体(b)100重量%中、エチレン性不飽和単量体(b−1)は5〜60重量%である事が好ましく、さらに好ましくは10〜50重量%の範囲である。エチレン性不飽和単量体(b−1)が5重量%未満であると、ポリカプロラクトンユニット導入の効果が薄れ、非極性基材への密着性が不十分になる場合がある。一方で、60重量%を超えると、アクリルユニットとポリカプロラクトンユニットとの相溶性が低下して塗膜物性が逆に低下してしまう場合がある。
また、エチレン性不飽和単量体(b)は、芳香族エチレン性不飽和単量体(b−2)を含有する事が好ましい。芳香族エチレン性不飽和単量体(b−2)を導入する事で、造膜時のシェル成分とコア成分の相溶性が向上し、より均質な塗膜を形成する。したがって非極性フィルム基材に対してより優れた塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)を発現する事ができる。
エチレン性不飽和単量体(b)100重量%中、芳香族エチレン性不飽和単量体(b−2)は15〜40重量%である事が好ましい。15重量%未満であると粒子核形成が不安定化して粒子径制御に悪影響を及ぼす上、シェル成分とコア成分の相溶が悪化して不均質な塗膜を形成するため、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が悪化してしまう。一方、40重量%を超えた場合にもシェル成分とコア成分の相溶が悪化するため塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が低下する。
芳香族エチレン性不飽和単量体(b−2)としては、上記芳香族エチレン性不飽和単量体(a−1)で例示した単量体を使用することができる。
エチレン性不飽和単量体(b)は、一般式1のエチレン性不飽和単量体(b−1)および芳香族エチレン性不飽和単量体(b−2)の他に、(b−1)、(b−2)共重合可能なエチレン性不飽和単量体(b−3)を併用する事ができる。
共重合可能なエチレン性不飽和単量体(b−3)としては、例えば、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、tーブチルメタクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等のアミド基含有エチレン性不飽和単量体;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシビニルベンゼン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、アリルアルコール等のヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体;
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、または、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体;
アリル(メタ)アクリレート、1−メチルアリル(メタ)アクリレート、2−メチルアリル(メタ)アクリレート、1−ブテニル(メタ)アクリレート、2−ブテニル(メタ)アクリレート、3−ブテニル(メタ)アクリレート、1,3−メチル−3−ブテニル(メタ)アクリレート、2−クロルアリル(メタ)アクリレート、3−クロルアリル(メタ)アクリレート、o−アリルフェニル(メタ)アクリレート、2−(アリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルラクチル(メタ)アクリレート、シトロネリル(メタ)アクリレート、ゲラニル(メタ)アクリレート、ロジニル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルイタコン酸、ビニル(メタ)アクリレート、クロトン酸ビニル、オレイン酸ビニル,リノレン酸ビニル、2−(2’−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート、ジビニルベンゼン、アジピン酸ジビニル、イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等の2個以上のエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和単量体;
グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体;
ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アセトアセトキシ(メタ)アクリレート等のケト基含有エチレン性不飽和単量体;
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有エチレン性不飽和単量体;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アルキルエーテル化N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有エチレン性不飽和単量体が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
上記で示した共重合可能なエチレン性不飽和単量体(b−3)の中でも、ケト基含有エチレン性不飽和単量体を併用する事で、塗膜の基材密着性、耐水摩擦性を相乗効果によりさらに向上させる事ができる。エチレン性不飽和単量体由来のケト基が、インキ組成物中のヒドラジド化合物と反応して、乾燥時にケト・ヒドラジド架橋を形成する。
エチレン性不飽和単量体(b)100重量%中、ケト基含有エチレン性不飽和単量体は1〜3重量%である事が好ましい。1重量%未満であると、塗膜物性において、架橋の効果が確認できない場合がある。一方で3重量%を超えた場合には、シェル成分とコア成分の相溶性が悪くなり、逆に塗膜物性に悪影響を及ぼす場合がある。また、再溶解性や版洗浄性にも悪影響を及ぼす場合がある。コア成分とシェル成分との優れた相溶性、ケト・ヒドラジド架橋の効果を両立する上で、本発明のコアシェル型樹脂微粒子分散体の組成に最適なケト基含有エチレン性不飽和単量体の導入量は1〜3重量%の範囲が最適と言える。
コアシェル型樹脂微粒子分散体(B)の合成時に用いられる水溶性樹脂(A)の量は、エチレン性不飽和単量体(b)の合計100重量部に対し、40〜60重量部である事が好ましい。40重量部未満であると、樹脂微粒子分散体の合成時において、粒子核が不安定となり、凝集物が発生し、インキの保存安定性に悪影響を及ぼす場合がある。また、造膜時にコア部とシェル部の相溶が阻害されるので、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)も悪化する恐れがある。一方、60重量部を越えると、乾燥不良が発生し、水への溶出成分が増加するため、耐水摩擦性が大幅に低下する。
コアシェル型樹脂微粒子分散体(B)の平均粒子径は45〜90nmの範囲である事が好ましい。平均粒子径が45nm未満であると、インキ組成物中における樹脂微粒子分散体の安定性が低下してインキの保存安定性、再溶解性、版洗浄性に悪影響を及ぼす場合がある。一方、90nmを越えると乾燥時における造膜が不十分となり、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が悪化する場合がある。ここで言う平均粒子径とは樹脂微粒子水分散体の水希釈液にレーザー光を照射して、その散乱光から粒子のブラウン運動を検出する動的光散乱法により測定した体積平均粒子径の値である。
コアシェル型樹脂微粒子分散体(B)のガラス転移温度(Tg)は−10〜30℃の範囲である事が好ましい。ガラス温度が−10℃未満であると、塗膜強度が低下して塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が悪化する場合がある。一方でガラス転移温度が30℃を超えた場合にも、低温乾燥下における分子鎖の運動が阻害されるため、造膜やコア成分とシェル成分の相溶が不十分となり、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が悪化する場合がある。
上記のガラス転移温度とは下のFOXの式より計算した理論値の事をさす。
<FOX式>1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+…+Wi/Tgi+…+Wn/Tgn
〔上記FOX式は、n種の単量体からなる重合体を構成する各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度をTgi(K)とし、各モノマーの質量分率を、Wiとしており、(W1+W2+…+Wi+…Wn=1)である。〕
樹脂微粒子分散体の合成時に用いられる水性媒体としては、水が挙げられる。また、親水性の有機溶剤も本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
本発明で使用するコアシェル型樹脂微粒子分散体(B)を得るに際して用いられる重合開始剤としては、ラジカル重合を開始する能力を有するものであれば特に制限はなく、公知の油溶性重合開始剤や水溶性重合開始剤を使用することができる。
油溶性重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物;
2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1'−アゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリルなどのアゾビス化合物を挙げることができる。これらは1種類または2種類以上を混合して使用することができる。
本発明においては水溶性重合開始剤を使用することが好ましく、例えば、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム(KPS)、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライドなど、従来既知のものを好適に使用することができる。
また、乳化重合を行うに際して、所望により重合開始剤とともに還元剤を併用することができる。これにより、乳化重合速度を促進したり、低温において乳化重合を行ったりすることが容易になる。
このような還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、エルソルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラートなどの金属塩等の還元性有機化合物、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムなどの還元性無機化合物、塩化第一鉄、ロンガリット、二酸化チオ尿素などを例示できる。これら還元剤は、エチレン性不飽和単量体100重量部に対して、0.05〜5.0重量部の量を用いるのが好ましい。なお、前記した重合開始剤によらずとも、光化学反応や、放射線照射等によっても重合を行うことができる。重合温度は各重合開始剤の重合開始温度以上とする。例えば、過酸化物系重合開始剤では、通常80℃程度とすればよい。重合時間は特に制限されないが、通常2〜24時間である。
さらに必要に応じて、緩衝剤として、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどが、また、連鎖移動剤としてのオクチルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、ステアリルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類が適量使用できる。
本発明で使用する樹脂微粒子分散体をラジカル重合により得るに際しては、前記した水溶性樹脂(A)とともに、必要に応じ界面活性剤を併用することができる。
界面活性剤としては例えば、
アルキルエーテル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンKH−05、KH−10、KH−20、株式会社ADEKA製アデカリアソープSR−10N、SR−20N、花王株式会社製ラテムルPD−104など)、スルフォコハク酸エステル系(市販品としては、例えば、花王株式会社製ラテムルS−120、S−120A、S−180P、S−180A、三洋化成株式会社製エレミノールJS−2など)、アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンH−2855A、H−3855B、H−3855C、H−3856、HS−05、HS−10、HS−20、HS−30、株式会社ADEKA製アデカリアソープSDX−222、SDX−223、SDX−232、SDX−233、SDX−259、SE−10N、SE−20N、など)、(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製アントックスMS−60、MS−2N、三洋化成工業株式会社製エレミノールRS−30など)、リン酸エステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製H−3330PL、株式会社ADEKA製アデカリアソープPP−70など)等のアニオン系反応性乳化剤;
アルキルエーテル系(市販品としては、例えば、株式会社ADEKA製アデカリアソープER−10、ER−20、ER−30、ER−40、花王株式会社製ラテムルPD−420、PD−430、PD−450など)、アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50、株式会社ADEKA製アデカリアソープNE−10、NE−20、NE−30、NE−40など)、(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製RMA−564、RMA−568、RMA−1114など)等のノニオン系反応性乳化剤;
オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類、ポリエキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類、モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩およびその誘導体類、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩類
等のアニオン性非反応性乳化剤;
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル
等のノニオン性非反応性乳化剤;
等が挙げられる。
次に本発明の水性インキ組成物について説明する。本発明の水性インキ組成物は、コアシェル型樹脂微粒子分散体(B)の他に、顔料(C)、顔料分散樹脂(D)、親水性溶剤(E)および水を含有する。
樹脂微粒子分散体は水性インキ組成物100重量%中、固形分換算で5〜40重量%使用するのが好ましく、10〜30重量%使用するのがより好ましい。樹脂微粒子水分散体が固形分換算で重量5%未満であると、印刷適正が悪化したり、基材と顔料、もしくは顔料同士の結着が不十分となるため、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が低下する場合がある。一方、樹脂微粒子分散体が固形分換算で40重量%を超えると、インキ組成物の粘度が著しく上昇し、インキの保存安定性に悪影響を及ぼしたり、塗膜における乾燥不良の発生により、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が低下する場合がある。
顔料(C)としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無彩色の顔料または有彩色の有機顔料が使用できる。有機顔料としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系有機顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系有機顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系有機顔料、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系有機顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロンエローなどのキノフタロン系有機顔料、イソインドリンエローなどのイソインドリン系有機顔料、その他の顔料として、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86 93、109、110、117、120、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が挙げられる。
カーボンブラックの具体例としては、デグサ社製「Special Black350、250、100、550、5、4、4A、6」「PrintexU、V、140U、140V、95、90、85、80、75、55、45、40、P、60、L6、L、300、30、3、35、25、A、G」、キャボット社製「REGAL400R、660R、330R、250R」「MOGUL E、L」、三菱化学社製「MA7、8、11、77、100、100R、100S、220、230」「#2700、#2650、#2600、#200、#2350、#2300、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#900、#850、#750、#650、#52、#50、#47、#45、#45L、#44、#40、#33、#332、#30、#25、#20、#10、#5、CF9、#95、#260」等が挙げられる。
酸化チタンの具体例としては、石原産業社製「タイペークCR−50、50−2、57、80、90、93、95、953、97、60、60−2、63、67、58、58−2、85」「タイペークR−820,830、930、550、630、680、670、580、780、780−2、850、855」「タイペークA−100、220」「タイペークW−10」「タイペークPF−740、744」「TTO−55(A)、55(B)、55(C)、55(D)、55(S)、55(N)、51(A)、51(C)」「TTO−S−1、2」「TTO−M−1、2」、テイカ社製「チタニックスJR−301、403、405、600A、605、600E、603、805、806、701、800、808」「チタニックスJA−1、C、3、4、5」、デュポン社製「タイピュアR−900、902、960、706、931」などが挙げられる。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの有機顔料は、水性インキ組成物100重量%中、5〜30重量%の割合で配合する事が好ましい。また、白の酸化チタンの場合は通常10〜60重量%の割合で配合することが好ましい。
顔料分散に使用する顔料分散樹脂(D)としては、インキの安定性を維持し、顔料分散能を有するものであれば任意の水溶性樹脂を用いる事ができる。
水溶性樹脂としては、例えば、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(市販品としては例えば、ISP社製K−30、K−60、K−90など)、ポリエチレングリコール、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、マレイン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルピロリドン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、ビニルピロリドン−スチレン共重合体、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(東ソー株式会社製 ポリナスPS−1、ポリナスPS―5など)、スチレンスルホン酸−マレイン酸共重合体、ポリイタコン酸、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエステル、カルボキシビニルポリマー等の水溶性のビニル系共重合体;
ポリイソシアネートとポリオールの重付加反応により得られるウレタン樹脂であり、親水基の導入により樹脂全体が水溶化された水溶性ポリウレタン樹脂;
多価カルボン酸とポリオールの重縮合反応により得られるポリエステル樹脂であり、親水基の導入により樹脂全体が水溶化された水溶性ポリエステル樹脂;
メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、エチルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボシキメチルスセルロース、アルカリ金属カルボキシメチルセルロース、アルカリ金属セルロース硫酸塩、セルロースグラフト重合体等のセルロース誘導体;
ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸等のポリペプチド類;
等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
上記で挙げた水溶性樹脂の中でも、優れた顔料吸着能と分散安定性の観点から、顔料分散樹脂(D)は、メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、マレイン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体である事が好ましい。さらにこれらの樹脂は、ラジカル開始剤により溶液重合もしくは塊状重合で合成しても構わないし、市販品を使用しても構わない。また、必要に応じて先述で述べた塩基性化合物を使用する事ができる。
市販品としては、例えば、BASF社製JONCRYL67、JONCRYL678、JONCRYL586、JONCRYL611、JONCRYL683、JONCRYL690、JONCRYL57J、JONCRYL60J、JONCRYL61J、 JONCRYL62J、JONCRYL63J、JONCRYLHPD−96J、JONCRYL501J、JONCRYLPDX-6102B、ビックケミー社製DISPERBYK、DISPERBYK180、DISPERBYK187、DISPERBYK190、DISPERBYK191、DISPERBYK194、DISPERBYK2010、DISPERBYK2015、DISPERBYK2090、DISPERBYK2091、DISPERBYK2095、DISPERBYK2155、ゼネカ社製SOLSPERS41000、サートマー社製、SMA1000H、SMA1440H、SMA2000H、SMA3000H、SMA17352H等が挙げられる。
さらに樹脂微粒子分散体との相溶性の観点から、顔料分散樹脂(D)は、芳香族エチレン性不飽和単量体(d−1)、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(d−2)を含むエチレン性不飽和単量体(d)を重合してなる水溶性樹脂であり、エチレン性不飽和単量体(d)の合計100重量%中、芳香族エチレン性不飽和単量体(d−1)を20〜70重量%、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(d−2)を10〜40重量%含有する事が好ましい。芳香族エチレン性不飽和単量体(d−1)が20重量%未満であると、造膜時に樹脂微粒子分散体との相溶性が低下して塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が低下する場合がある。また顔料への吸着効率が低下してインキ物性も悪化する恐れがある。一方で70重量%を超えた場合にも、樹脂微粒子分散体との相溶性が低下して塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が低下する場合がある。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(d−2)が10重量%未満であると、造膜時に樹脂微粒子分散体との相溶性が低下して膜物性が低下する場合がある。一方で40重量%を超えると、乾燥不良が発生し、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が低下する場合がある。上記の組成の顔料分散樹脂(D)は、本発明の樹脂微粒子分散体との相溶に優れており、低温乾燥下においても、均質な塗膜を形成する。したがって、組み合わせて使用する事でさらにインキ塗膜物性の向上を期待する事ができる。
芳香族エチレン性不飽和単量体(d−1)としては、上記の芳香族エチレン性不飽和単量体(a−1)
で挙げたエチレン不飽和単量体などが挙げられる。
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(d−2)としては、上記のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a−2)で挙げたエチレン不飽和単量体などが挙げられる。
顔料分散樹脂(D)は、顔料100重量部に対し、固形分換算で10〜60重量部の範囲で使用する事が好ましい。顔料分散樹脂が顔料100重量部に対して10重量部未満であると顔料分散安定性が低下して、インキ組成物の分散安定性、保存安定性が悪化する場合がある。一方、顔料分散樹脂が顔料100重量部に対して60重量部を超えるとインキ組成物の粘度が著しく上昇し、インキの保存安定性に悪影響を及ぼす場合がある。また、塗膜の乾燥不良の発生や水への溶出成分が増加するため、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)についても低下する場合がある。
さらに本発明の水性インキ組成物は、基材への濡れ性、インキの乾燥性を制御する目的で、親水性溶剤(E)を含有している。
水性インキ組成物100重量%中、親水性溶剤(E)は1〜10重量%含有していることが好ましく、より好ましくは2〜5重量%の範囲内である。親水性溶剤(E)が1重量%未満であると、印刷適性が悪化して塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が低下する場合がある。一方、親水性溶剤(E)の含有量が10重量%を超えると、塗膜の乾燥不良が発生し、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が低下してしまう場合がある。
親水性溶剤(E)としては、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノールなどの一価のアルコール溶剤;
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のグリコール系溶剤;
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;
N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、ε-カプロラクタム等のラクタム系溶剤;
ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、出光製エクアミドM−100、エクアミドB−100等のアミド系溶剤
が挙げられる。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
本発明の水性インキ組成物には、基材への密着性向上やケト・ヒドラジド架橋の形成を目的として水溶性のヒドラジド化合物を適宜、併用する事ができる。水溶性のヒドラジド化合物としては、例えば、アジピン酸ジヒドラジドや、多官能のヒドラジド基が変性された水溶性樹脂などが挙げられる。
樹脂微粒子分散体がケト基を含有している場合には、ヒドラジド化合物をケト基に対してヒドラジド基が等モルになるよう添加するのが好ましい。
また、基材への密着性をさらに向上させる目的で、本発明の水性インキ組成物は、インキの保存安定性や樹脂同士の相溶性に悪影響を及ぼさない範囲で、カルボジイミド基やケト基などの反応性基を含有する樹脂微粒子分散体(以下反応性樹脂微粒子分散体ということがある)を併用する事もできる。市販の反応性基含有樹脂微粒子分散体としては、例えば、日清紡社製、カルボジライトE−02、E−03A、SV−02、V−02、V−02−L2、V−04BASF社製、アクロナールYJ2716D、YJ2720D、YJ2727DN、YJ2741D、YJ2746DS、DSM社製、NEOCRYLA−1127、A−1125、A−1120、A−1131等が挙げられる。
上記の併用する反応性樹脂微粒子分散体の添加量は、水性インキ組成物100重量%中、固形分換算で0.5〜15重量%程度使用するのが好ましい。
また、本発明の水性インキ組成物には、塗膜の耐摩擦性を向上させる目的で市販のワックス微粒子分散体を使用する事ができる。ワックス樹脂微粒子分散体としては、例えば、三井化学社製、ケミパールW100、W200、W300、W310、W306、W400、W401、W4005、W410、W500、WF640、W700、W800、W900、W950、WH201、WP100などが挙げられる。
ワックス微粒子分散体の添加量は、塗膜物性における耐摩擦性向上と色相への悪影響のバランスを考慮して、水性インキ組成物100重量%中、固形分換算で1〜5重量%程度使用するのが好ましい。
また。本発明の水性インキ組成物は、基材へのレベリング性を調節する目的で各種表面調整剤を使用する事ができる。表面調整剤としては例えば、日信化学社製、サーフィノール104E,104H、104A、104PA,104PG−50、104S、420、440、465、485、SE,SE−F、PSA−336、61、2502、ダイノール604、607、ビックケミー社製BYK−381、3441、302、307、325、331、333、342、345、346、347、348、349、378、3455等が挙げられるがこれらに限らない。
表面調整剤の添加量は、塗膜物性への悪影響のバランスを考慮して、水性インキ組成物100重量%中、固形分換算で0〜1重量%程度使用するのが好ましい。
本発明の水性インキ組成物の最低造膜温度(MFT)は0℃以下である事が好ましい。0℃を超える場合には、乾燥時の造膜性が不十分となり塗膜物性が低下する場合がある。
本発明の水性インキ組成物は、低温乾燥条件下においても、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエチレンテレフタラートなどの非極性フィルム基材に優れた基材密着性を有し、良好な耐水摩擦性を発現するため、これまで非極性フィルム基材などの基材拡張が困難であった水性のフレキソ印刷、グラビア印刷への展開が可能である。また、上質紙などの浸透性基材やアート紙、コート紙など、従来の基材に対しても塗膜物性向上の目的で使用する事ができる。
水性インキ組成物の乾燥工程であるが、基材に悪影響を及ぼさない範囲であれば任意の温度をかける事が可能である。水性フレキソ印刷においては、40〜100℃の低温乾燥で1〜200秒の範囲で処理する事が一般的である。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を表す。
<水溶性樹脂(A)の製造>
[製造例1]
攪拌器、温度計、2つの滴下ロート、還流器を備えた別の反応容器に、メチルイソブチルケトン94.0部を仕込み、攪拌しながら、窒素還流下で温度100℃まで昇温した。次に、2つの滴下ロートにおいて、一方からは、スチレン55.0部、アクリル酸30.0部、ラウリルメタクリレート15.0部を3時間かけて滴下した。もう一方からは、ジメチル2,2‘−アゾビスイソブチレート10.0部をメチルイソブチルケトン12.0部に溶解させ、4時間かけてそれを滴下した。滴下完了後、更に10時間反応させて水溶性樹脂(A)を得た。冷却後、得られた水溶性樹脂(A)溶液に25%アンモニア水28.3部部を加えて中和した。更にイオン交換水を加えて、加熱しながら溶剤置換をおこない、水溶性樹脂(A)の水溶液を得た。最後にイオン交換水により、水溶性樹脂(A)溶液の固形分を35.0%に調整した。水溶性樹脂(A)の酸価は212、重量平均分子量は12800であった。
[製造例2〜11]
表1に示す配合組成で、製造例1と同様の方法で水溶性樹脂(A)溶液を調製した。中和剤である25%アンモニア水を、水溶性樹脂(A)のカルボキシル基に対してアンモニアが等モルになるように添加した。さらに製造例1と同様の操作をおこない、固形分35%の水溶樹脂(A)水溶液を調製した。水溶性樹脂(A)については、酸価ならびに重量平均分子量を評価した。
[酸価]
樹脂1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウム
のミリグラム数。乾燥させた水溶性樹脂(A)について、JIS K2501に記載の方法に従い、水酸化カリウム・エタノール溶液で電位差滴定をおこない算出した。
[重量平均分子量]
重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の値。乾燥させた水溶性樹脂(A)をテトラヒドロフランに溶解させ、0.1%の溶液を調製し、東ソー製HLC−8320−GPC(カラム番号M−0053 分子量測定範囲約2千〜約400万)により重量平均分子量を測定した。
Figure 0006142722
<ポリカプロラクトン変性エチレン性不飽和単量体の製造>
[製造例12]
空気導入管、温度計、冷却管、攪拌装置を備えた4つロフラスコに2−ヒドロキシエチルメタクリレート200部、ε−カプロラクトン175.6部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.5部、モノブチルスズトリス−2−エチルヘキサネート0.1部を入れ、空気を通じながら100℃で10時間反応させた。ε−カプロラクトンの反応率は99%、得られたポリカプロラクトン変性エチレン性不飽和単量体の数平均分子量は1850であった。(GPCでポリスチレン換算、平均付加モル数は15)
<コアシェル型樹脂微粒子分散体(B)の製造>
[実施例1]
攪拌器、温度計、2つの滴下ロート、還流器を備えた別の反応容器に、イオン交換水91.8部と製造例1で調製した水溶性樹脂(A)溶液114.3部仕込み、攪拌しながら、窒素還流下で温度80℃まで昇温した。次に、2つの滴下ロートにおいて、一方からは、ダイセル社製プラクセルFM2D( 2−ヒドロキシエチルメタクリレートのラクトン変性物・平均付加モル数2) 20.0部、プラクセルFM5( 2−ヒドロキシエチルメタクリレートのラクトン変性物・平均付加モル数5) 10.0部、スチレン30.0部、n−ブチルアクリレート40.0部を2時間かけて滴下した。もう一方からは、過硫酸アンモニウム20%水溶液4.0部を2時間かけて滴下した。滴下完了後、更に4時間反応させて樹脂微粒子分散体を得た。イオン交換水により、樹脂微粒子分散体の固形分を45%に調整した。得られた樹脂微粒子分散体のガラス転移温度(Tg)は8℃、平均粒子径は84nmであった。また、樹脂微粒子分散体1kg当たりの合成時における凝集物の発生量は0.05gであった。
[実施例2〜20および比較例1〜4]
表2、表3に示す配合組成で、実施例1と同様の方法で樹脂微粒子分散体を調製した。実施例15で使用したプラクセルFA10Lは、あらかじめ溶剤のトルエンを減圧除去して使用した。尚、比較例1ならびに2で使用したプラクセルFM−1(ダイセル社製 2-ヒドロキシエチルメタクリレートのラクトン変性物・平均付加モル数1)、製造例12のエチレン性不飽和単量体は上記のエチレン性不飽和単量体(b−1)に該当しない。実施例5、10、11については、合成後、架橋剤のアジピン酸ジヒドラジドを、樹脂微粒子分散体中におけるケト基に対してヒドラジド基が等モルになるように添加した。実施例1と同様に樹脂微粒子分散体の固形分は全て45.0%に調整した。さらに、得られた樹脂微粒子分散体について、平均粒子径、凝集物の有無について評価した。ガラス転移温度(Tg)についてはエチレン性不飽和単量体の組成から、先述のFOXの式により算出した。
[平均粒子径]
樹脂微粒子分散体を500倍に水希釈し、該希釈液約5mlを動的光散乱測定法(測定装置はマイクロトラック(株)日機装製)により測定をおこなった。この時、得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)における体積平均粒子径を平均粒子径とした。
[凝集物の有無]
樹脂微粒子分散体を180メッシュ(100μm)のろ布で濾過し、合成時に発生する樹脂微粒子分散体1kg当たりの凝集物量を測定した。評価基準は以下の通りである。
○:0.1g未満である
△:0.1g以上、0.5g未満である
×:0.5g以上である
Figure 0006142722
Figure 0006142722
<水性インキ組成物の製造>
<顔料分散樹脂(D)の製造>
[製造例13]
攪拌器、温度計、2つの滴下ロート、還流器を備えた別の反応容器に、メチルイソブチルケトン94部を仕込み、攪拌しながら、窒素還流下で温度100℃まで昇温した。次に、2つの滴下ロートにおいて、一方からは、スチレン55.0部、メタクリル酸30.0部、エチルアクリレート15.0部を3時間かけて滴下した。もう一方からは、ジメチル2,2‘−アゾビスイソブチレート9.0部をメチルイソブチルケトン10部に溶解させ、4時間かけてそれを滴下した。滴下完了後、更に10時間反応させて反応を完了した。冷却後、得られた顔料分散樹脂(D)溶液に25%アンモニア水19.5部を加えて中和した。更にイオン交換水を加えて、加熱しながら溶剤置換をおこない、水溶性樹脂(A)の水溶液を得た。最後にイオン交換水をさらに加えて、水溶性樹脂(A)溶液の固形分を30.0%に調整した。顔料分散樹脂(D)の酸価は179、重量平均分子量は10500であった。
[製造例14〜19]
表4に示す配合組成で、製造例12と同様の方法で、製造例13〜18の顔料分散樹脂(D)水溶液を調製した。中和剤として25%アンモニア水を、顔料分散樹脂(D)のカルボキシル基に対して、アンモニアが等モルになるように添加し、さらに製造例12と同様の操作をおこない、固形分30.0%の顔料分散樹脂(D)水溶液を調製した。また、市販の固形樹脂を顔料分散剤として使用する場合には、イオン交換水ならびに25%アンモニア水(顔料分散樹脂(D)のカルボキシル基とアンモニアが等モル)を添加し、加熱、撹拌しながら水溶化させ、固形分を30%に調整した。表5に使用した市販の固形樹脂の概要を示す。(製造例20および21)顔料分散樹脂(D)については、水溶性樹脂(A)と同様の方法で酸価ならびに重量平均分子量を評価した。
Figure 0006142722
Figure 0006142722
<濃縮顔料分散液の製造>
[製造例22]
<濃縮白顔料分散液の製造>
顔料[タイペークCR80 石原産業社製]67.5部、製造例12の顔料分散剤水溶液(固形分30%)21.3部、イオン交換水5.8部、表面調整剤[サーフィノール420 日信化学工業製]0.4部をペイントコンディショナーにて2時間分散し、濃縮白顔料分散液を得た。
[製造例23〜30]
表6に示す配合組成で、製造例22と同様の方法で濃縮白顔料分散液を調製した。
Figure 0006142722
[製造例31]
<濃縮藍顔料分散液の製造>
顔料[リオノールブルーFG7330 トーヨーカラー社製]35.9部、製造例12の顔料分散剤水溶液(固形分30%)21.5部、イオン交換水39.7部、表面調整剤[サーフィノール420 日信化学工業製]0.4部をペイントコンディショナーにて2時間分散し、濃縮藍顔料分散液を得た。
[製造例32〜39]
表7に示す配合組成で、製造例31と同様の方法で濃縮藍顔料分散液を調製した。
Figure 0006142722
<水性インキ組成物の調製>
[実施例21]
実施例1で得られたコアシェル型樹脂微粒子水分散体(B)40.2部に対して、製造例21の濃縮白顔料分散液47.5部、ケミパールW500 5部、親水性溶剤としてN-プロパノール部3.5部、ジエチレングリコールモノエチルエーテル2部、イオン交換水3.8部を加えた後、混練して白色水性インキ組成物を得た。
[実施例22〜40および比較例5〜8]
表8および表9に示す配合組成で、実施例21と同様の方法で調製し、白色水性インキ組成物を得た。
Figure 0006142722
Figure 0006142722
[実施例41]
実施例1で得られたコアシェル型樹脂微粒子水分散体(B)40.9部に対して、製造例30の濃縮藍顔料分散液41.6部、ケミパールW500 4.5部、親水性溶剤としてN-プロパノール部3.0部、イオン交換水10部を加えた後、混練して藍色水性インキ組成物を得た。
[実施例42〜60および比較例9〜12]
表10および表11に示す配合組成で、実施例41と同様の方法で調製し、藍色水性インキ組成物を得た。
[最低造膜温度]
最低造膜温度(MFT)は、300μのアプリケーターで水性インキ組成物をガラス板に塗工したものを熱勾配試験機(理学工業社製)にかけて測定した。
Figure 0006142722
Figure 0006142722
<水性インキ組成物の評価>
上記で調製した水性インキ組成物について、インキ物性として、保存安定性、再溶解性、版洗浄性を評価した。水性インキ組成物を、フレキシプルーフ100(アニロックスローラー80線/cm)を用いて、処理OPP(2軸延伸ポリプロピレンフィルム)基材ならびに処理PET(ポリエチレンテレフタレートフィルム)基材に塗工した。塗工後、基材をオーブンで60℃・1分ほど加熱処理して評価用塗膜を得た。これを用いて、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)を評価した。表12〜表15にその結果を示す。
[保存安定性]
水性インキ組成物について、40℃・1週間の条件下での粘度の経時変化を評価した。粘度はザーンカップ(No.4)を使用して測定した。
評価基準は以下の通りである。(実用可能レベルは○以上)
◎;インキの粘度変化が±10%未満である
○;インキの粘度変化が±10%以上、±15%未満である
△;インキの粘度変化が±15%以上、±20%未満である
×;インキの粘度変化が±20%以上である
[再溶解性]
水性インキ組成物を、処理OPP上にバーコーター(No.8)で塗工して室温で15分静置した。
静置後、塗工面にインキを垂らし、経時で拭き取りながら、インキが再溶解するまでの時間を測定した。評価基準は以下の通りである。(実用可能レベルは○以上)
◎;30秒以内に再溶解する
○;60秒以内に再溶解する
△;120秒以内に再溶解する
×;120秒以上経過しても再溶解しない
[版洗浄性]
フレキシプルーフ100版について、インキ塗工後に各種溶剤を用いて版洗浄性を評価した。
評価基準は以下の通りである。(実用可能レベルは△以上)
○;アルコール溶剤もしくはマジックリン(花王社製)で洗浄可能である。
△;マジックリン(花王社製)で洗浄可能である。
×;アルコール溶剤もしくはマジックリン(花王社製)で洗浄できない。
[基材密着性]
評価用塗膜にセロハンテープ(ニチバン社製18mm幅)を貼り付け、垂直方向に剥離試験をおこない、インキの剥がれた面積の割合から基材密着性について評価した。
評価基準は以下の通りである。(実用可能レベルは○以上)
◎;インキの剥がれがない
○;インキの剥がれがややある(10%未満)
△;インキの剥がれがある(10%以上、50%未満)
×;インキの剥がれがかなりある(50%以上)
[耐水摩擦性]
評価用塗膜を1分間水に浸漬させた。浸漬後、摩擦子にカナキン(JIS L 0803)を用い、水をたらした塗膜表面を学振試験機(テスター産業社製)により、荷重500gで500往復させた。インキの剥がれた面積の割合から耐水摩擦性について評価した。評価基準は以下の通りである。(実用可能レベルは○以上)
◎;インキの剥がれがない
○;インキの剥がれがややある(5%未満)
△;インキの剥がれがある(5%以上、30%未満)
×;インキの剥がれがかなりある(30%以上)
Figure 0006142722
Figure 0006142722
Figure 0006142722
Figure 0006142722
表12および表14に示すように、実施例1〜20のコアシェル型樹脂微粒子分散体を使用した白色水性インキ組成物(実施例21〜40)ならびに藍色水性インキ組成物(実施例41〜60)はインキ物性(保存安定性、再溶解性、版洗浄性)が良好であり、処理OPP、処理PET基材に対して、低温乾燥で、優れた基材密着性、耐水摩擦性を発現する事が確認された。これらは全ての項目において、実用上可能なレベルを満たしている。一方、比較例1〜4のコアシェル型樹脂微粒子分散体を使用した白色水性インキ組成物(比較例5〜8)ならびに藍色水性インキ組成物(比較例9〜12)において、比較例5、6、9、10は、インキ物性、塗膜物性、全てにおいて不良であり、比較例7、8、11、12においてもインキ物性は良好であったが塗膜物性は悪い結果となった。

Claims (8)

  1. エチレン性不飽和単量体(a)を重合してなる水溶性樹脂(A)の存在下、水性媒体中でエチレン性不飽和単量体(b)を重合してなる水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体(B)であって、
    エチレン性不飽和単量体(b)が
    下記一般式(1)からなるエチレン性不飽和単量体(b−1)を必須成分とする事を特徴とする水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体。
    一般式(1)
    Figure 0006142722
    XはHもしくはCH3 nは2〜10
  2. エチレン性不飽和単量体(a)が、単量体全体に対して
    芳香族エチレン性不飽和単量体(a−1)を20〜70重量%、
    カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a−2)を30〜40重量%
    含有する事を特徴とする請求項1記載の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体。
  3. エチレン性不飽和単量体(b)100重量%中、
    芳香族エチレン性不飽和単量体(b−)を15〜40重量%含有する事を特徴とする請求項1又は2記載の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体。
  4. エチレン性不飽和単量体(b)の合計100重量部に対し、水溶性樹脂(A)の量が40〜60重量部である事を特徴とする請求項1〜3いずれか記載の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体。
  5. コアシェル型樹脂微粒子分散体(B)の平均粒子径が45〜90nm、ガラス転移温度が−10〜30℃である請求項1〜4いずれか記載の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体。
  6. 顔料(C)、顔料分散樹脂(D)、水、親水性溶剤(E)及び請求項1〜5いずれか記載の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体を含有することを特徴とする水性インキ組成物。
  7. 水性インキ組成物の最低造膜温度が0℃以下である事を特徴とする請求項6記載の水性インキ組成物。
  8. フレキソ印刷またはグラビア印刷に用いられる、請求項6または7記載の水性インキ組成物。
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