JP7226293B2 - プライマー - Google Patents
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Description
プライマー層が水性樹脂(A)を含有しており、
水性樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)が-60~100℃、重量平均分子量が15,000以上であるプライマーである。
まず本発明に用いられる水性樹脂(A)について説明する。本明細書でいう水性樹脂(A)とは、水性媒体中に分散又は溶解し得る樹脂を指す。ここで水性媒体とは、水性の分散媒または水性の溶媒を指す。例えば、水の他に、水と混和し得る分散媒または溶媒が挙げられる。水性樹脂(A)は、水性媒体中に分散又は溶解した形態をとり、基材等に塗布された後、乾燥すると造膜して、水に不溶なプライマー層を形成する。更に、このプライマー層上にコロイド結晶用樹脂組成物が塗布され、乾燥するとコロイド結晶層が形成される。本明細書においては、プライマー層とコロイド結晶層を積層してなる上記の塗膜をコロイド結晶塗膜と定義する。
スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、ビニルナフタレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)
アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族系エチレン性不飽和体;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、tーブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、または、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、コハク酸β-(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等のカルボキシ基含有エチレン性不飽和単量体;
2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸アンモニウム、ビニルスルホン酸等のスルホ基含有エチレン性不飽和単量体;
(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-プロポキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-ペントキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N-エトキシメチル-N-メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N-ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N-エトキシメチル-N-プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N-ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-N-(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N-ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-N-(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N-ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N-メトキシメチル-N-(ペントキシメチル)メタアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド基含有エチレン性不飽和単量体;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、アリルアルコール等の水酸基含有エチレン性不飽和単量体;
メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリオキシエチレン基含有エチレン性不飽和単量体;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等が挙げられ、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有エチレン性不飽和単量体;
グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体;
ジアセトン(メタ)アクリルアミド、アセトアセトキシ(メタ)アクリレート等のケトン基含有エチレン性不飽和単量体;
アリル(メタ)アクリレート、1-メチルアリル(メタ)アクリレート、2-メチルアリル(メタ)アクリレート、1-ブテニル(メタ)アクリレート、2-ブテニル(メタ)アクリレート、3-ブテニル(メタ)アクリレート、1,3-メチル-3-ブテニル(メタ)アクリレート、2-クロルアリル(メタ)アクリレート、3-クロルアリル(メタ)アクリレート、o-アリルフェニル(メタ)アクリレート、2-(アリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルラクチル(メタ)アクリレート、シトロネリル(メタ)アクリレート、ゲラニル(メタ)アクリレート、ロジニル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルイタコン酸、ビニル(メタ)アクリレート、クロトン酸ビニル、オレイン酸ビニル,リノレン酸ビニル、2-(2’-ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート、ジビニルベンゼン、アジピン酸ジビニル、イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等の2個以上のエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和単量体;
γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ-アクリロキシメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有エチレン性不飽和単量体;
N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アルキルエーテル化N-メチロール(メタ)アクリルアミド等;
のメチロール基含有エチレン性不飽和単量体が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる
ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩系(市販品としては、第一工業製薬株式会社製アクアロンAR-10、AR-20)、
スルフォコハク酸エステル系(市販品としては、例えば、花王株式会社製ラテムルS-120、S-120A、S-180P、S-180A、三洋化成株式会社製エレミノールJS-2等)、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩系もしくはポリオキシエチレンアルキルフェニルエステル硫酸塩系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンHS-10、HS-20、HS-30、BC-10、BC-20、株式会社ADEKA製アデカリアソープSDX-222、SDX-223、SDX-232、SDX-233、SDX-259、SE-10N、SE-20N、等)、(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製アントックスMS-60、MS-2N、三洋化成工業株式会社製エレミノールRS-30等)、リン酸エステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製H-3330PL、株式会社ADEKA製アデカリアソープPP-70等)のアニオン性の反応性乳化剤;
ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル系(市販品としては、第一工業製薬株式会社製アクアロンAN-10、AN-20等)、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンRN-10、RN-20、RN-30、RN-50、株式会社ADEKA製アデカリアソープNE-10、NE-20、NE-30、NE-40等)、(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製RMA-564、RMA-568、RMA-1114)等のノニオン性の反応性乳化剤;
ポリイソシアネートとポリオールの重付加反応により得られるウレタン樹脂であり、親水基の導入により樹脂全体が水溶化された水溶性ポリウレタン樹脂;
多価カルボン酸とポリオールの重縮合反応により得られるポリエステル樹脂であり、親水基の導入により樹脂全体が水溶化された水溶性ポリエステル樹脂;
等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。さらにこれらの樹脂は、ラジカル開始剤により溶液重合もしくは塊状重合で合成しても構わないし、市販品を使用しても構わない。また、必要に応じて前述で述べた塩基性化合物を使用する事ができる。
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール;
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3’-ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA等の
二官能ジオールや、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三官能ジオールと、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等の二塩基酸を反応させてなるポリエステルポリオール;
前述の二官能ジオールとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネートを反応させてなるポリカーボネートポリオール;
水酸基含有ポリブタジエン、酸基含有水添ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有水添ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプロピレン、水酸基含有塩素化ポリエチレン等のポリオレフィンポリオール;
植物由来の油を原料としたひまし油ポリオール等が挙げられる。
2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジクロロ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1,5-テトラヒドロナフタレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート;
イソホロンジイソシアネート、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環族系ポリイソシアネートなどが挙げられる。
エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブチレンジオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6-ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロール酪酸、2,2-ジメチロールペンタン酸等のジメチロールアルカン酸や、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシ安息香酸などが挙げられる。
等が挙げられる。
本発明のプライマーは、水と水性樹脂(A)を含有しており、基材に塗布、乾燥することで造膜し、プライマー層を形成する。コロイド結晶の規則的な配列等、コロイド結晶塗膜の諸物性に悪影響を及ぼさない範囲であれば、基材に対する塗工性や造膜性や架橋によるプライマー層の各種耐性向上等の目的で、無彩黒色微粒子や親水性溶剤、架橋剤などの添加剤を使用することができる。
エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ペンチレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のグリコール系溶剤;
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;
N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、ε-カプロラクタム等のラクタム系溶剤;
ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、出光製エクアミドM-100、エクアミドB-100等のアミド系溶剤
等が挙げられる。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
本明細書におけるコロイド結晶層用樹脂組成物は、樹脂微粒子(B)および水を含有しており、プライマー層上に塗布されて、移流集積現象により樹脂微粒子(B)が規則配列してコロイド結晶層を形成する。得られたコロイド結晶層は、ブラッグ反射由来の構造色を発現し、粒子径の制御により、周期間隔も制御でき、様々な色を発色させることができる。コロイド結晶層用樹脂組成物は、乾燥時の粒子配列やコロイド結晶塗膜の諸物性に悪影響を及ぼさない範囲であれば、塗工性やコロイド結晶塗膜の発色性、各種耐性を向上させる目的で、無彩黒色微粒子や親水性溶剤、架橋剤等の添加剤を使用することができる。使用できる無彩黒色微粒子や親水性溶剤、架橋剤は、先述のプライマーで例示したものが挙げられる。
~150℃である事がより好ましい。Tgが60℃以上であることにより、コア部形状が熱や溶剤の影響で変形する恐れが少なくなる。したがって、発色性や耐溶剤性により優れるコロイド結晶塗膜を得ることができる。
プライマー層を形成させるため、基材上に水性樹脂(A)を含有するプライマーを塗布する。塗布方式としては、インクジェットやスプレー、ディッピングやスピンコート等、版を使用しない印刷方式、オフセットグラビアコーター、グラビアコーター、ドクターコーター、バーコーター、ブレードコーター、フレキソコーター、ロールコーターなどの有版の印刷方式、どちらを採用しても構わない。
本明細書における使用可能な基材としては、従来既知のものを任意に用いることができる。例えば、ポリ塩化ビニルシート、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルムの様な熱可塑性樹脂基材や、アルミニウム箔の様な金属基材、ガラス基材、コート紙基材などにも使用可能である。中でも従来のコロイド結晶塗膜では容易に剥離して固定化が困難とされてきたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等の非極性フィルム基材に対し、本発明のプライマーは、コロイド結晶の発色性に悪影響を及ぼすことなく、優れた基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性を発現する。基材は印刷媒体の表面が滑らかであっても、凹凸のついたものであっても良いし、透明、半透明、不透明のいずれであっても良い。コロイド結晶塗膜の発色をより明瞭にするため、黒色等に予め着色された基材を用いる事も可能である。また、上記これらの基材の2種以上を互いに張り合わせたものでも良い。
基材上に前述したプライマー層を形成させた後、樹脂微粒子(B)と水を含有してなるコロイド結晶層用樹脂組成物を塗布する。塗布方式としては、特に限定は無く、前述したプライマーの塗布方法で例示した方式を採用することができる。
[実施例1]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、水68.9部と反応性乳化剤として、第一工業製薬製アクアロンKH-10の20%水溶液を0.25部仕込み、別途、スチレン18.0部、メチルメタクリレート25.0部、2-エチルヘキシルアクリレート16.0部、n-ブチルアクリレート38.0部、アクリル酸2.0部、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン1.0部、アクアロンKH-10の20%水溶液4.8部、水40.4部をあらかじめ混合、撹拌して調製したエチレン性不飽和単量体の乳化液のうちの3%を反応容器に添加した。反応容器の内温を80℃に昇温して十分に窒素置換した後、開始剤として過硫酸カリウムの5%水溶液2.0部を添加して乳化重合を開始した。内温を80℃に保ちながらエチレン性不飽和単量体の乳化液の残りと過硫酸カリウムの5%水溶液2.0部を3時間かけて滴下し、更に4時間反応させて、水性樹脂(A)として樹脂微粒子の水分散体を得た。反応完了後、25%アンモニア水1.9部添加して中和し、水を加えて樹脂微粒子水分散体の最終固形分を40.0質量%に調整した。樹脂の酸価は15.6mgKOH/g、水酸基価は0mgKOH/g、Tgは-6.9℃であった。更に重量平均分子量を測定するため、テトラヒドロフラン(THF)への溶解を試みたが、樹脂が高分子量化して不溶であったため、重量平均分子量は100万を超えるものとみなした。得られた樹脂微粒水分散体にn-プロピルアルコールを2.0部添加して、プライマーを調製した。
表1に示す配合組成に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、樹脂微粒子の水分散体をそれぞれ合成した。反応後、樹脂中のカルボキシ基と当モルになるように25%アンモニア水を添加して中和した後、水を添加して最終固形分を40.0質量%に調整した。得られた樹脂微粒子水分散体にn-プロピルアルコールを2.0部添加してプライマーを調製した。尚、実施例6については、乳化剤を反応性の低分子乳化剤KH-10(第一工業製薬製)から非反応性の低分子乳化剤ハイテノールLA-10(第一工業製薬製ポリオキシエチレンラウリル硫酸アンモニウム)に変更した。また、実施例7では、合成後、更にアジピン酸ジヒドラドを3.0部添加した。得られた樹脂について、実施例1と同様に、酸価、水酸基価、Tg、重量平均分子量を測定した。尚、表1中の数値は、特に断りがない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
攪拌器、温度計、2つの滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、水185.0部、高分子乳化剤としてJONCRYL67(BASF社製スチレンアクリル樹脂 Mw12500、酸価213mgKOH/g)42.9部、25%アンモニア水11.1部を仕込み、攪拌しながら昇温し、高分子乳化剤を溶解させた。更に窒素還流下で温度80℃まで昇温した後、2つの滴下ロートにおいて、一方からは、スチレン14.0部、n-ブチルメタクリレート15.0部、2-エチルヘキシルアクリレート30.0部、シクロヘキシルアクリレート10.0部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート1.0部の混合液を2時間かけて滴下した。もう一方からは、過硫酸アンモニウム20%水溶液3.6部を2時間かけて滴下した。滴下完了後、更に5時間反応させ、水性樹脂(A)として、樹脂微粒子の水分散体を得た。反応完了後、水を添加して樹脂微粒子分散体の最終固形分を40.0質量%に調整した。得られた樹脂の酸価は63.9mgKOH/g、水酸基価は3.0mgKOH/g、Tgは-1.3℃、重量平均分子量は320,000であった。調製した上記の樹脂微粒子の水分散体にn-プロピルアルコールを2.0部添加して、プライマーを得た。
JONCRYL67の添加量を53.8部、25%アンモニア水を13.9部に変更する以外は、実施例12と同様の方法で樹脂微粒子の分散体を得た。反応完了後、水を添加して樹脂微粒子分散体の固形分を40.0質量%に調整した。得られた樹脂の酸価は74.6mgKOH/g、水酸基価は2.8mgKOH/g、Tgは3.5℃、重量平均分子量は280,000であった。更にn-プロピルアルコールを2.0部添加して、プライマーを得た。
攪拌器、温度計、還流器を備えた反応容器に、ポリオールとして、PTG-2000SN;保土谷化学工業社製ポリテトラメチレングリコール(官能基数2、水酸基価57.0、分子量2000)19.6部、P-2011;クラレ社製3-メチル-1,5ペンタンジオール/アジピン酸/テレフタル酸系ポリエステルポリオール(官能基数2、水酸基価55.0、分子量2000)20.3部、C-2090;クラレ製ポリカーボネートポリオール(官能基数2、水酸基価56.0、分子量2000)91.6部、ジメチロールブタン酸19.7部、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネート48.8部、溶媒としてメチルエチルケトン40.0部、ジプロピレングリコールジメチルエーテル10.0部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら78℃まで昇温させた。そこに、チタンジイソプロポキシビズ(エチルアセトアセテート)を触媒として0.02部添加し、6時間反応させ、両末端がイソシアネート基のウレタンプレポリマーを得た。中和剤としてトリエチルアミン13.5部を添加した後、水を400部、鎖延長剤としてエチレンジアミンを2.4部添加して、減圧条件可下で脱溶剤しながら、水相へ転相をおこなった。水媒体中でイソシアネート基の鎖延長反応を促進させた後、最終固形分30.0質量%のウレタン樹脂の水分散体(水性樹脂(A))を調製した。得られた樹脂について、実施例1と同様に酸価、水酸基価、Tg、重量平均分子量を測定したところ、酸価は37.4mgKOH/g、水酸基価は0mgKOH/g、Tgは94.0℃、重量平均分子量は32100であった。調製した上記の樹脂水分散体にジエチレングリコールモノブチルエーテルを1.0部、n-プロピルアルコールを2.0部添加して、プライマーを得た。
表2に示す配合組成に変更した以外は、実施例14と同様の方法により、水性樹脂(A)として、固形分30.0質量%のウレタン樹脂の水分散体をそれぞれ調製した。得られた樹脂について、実施例1と同様に、酸価、水酸基価、Tg、重量平均分子量を測定した。更に、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを1.0部、n-プロピルアルコールを2.0部添加してプライマーを得た。尚、表2中の数値は、特に断りがない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
攪拌器、温度計、還流器を備えた反応容器に、固形のオレフィン樹脂として、アウローレン350S(日本製紙社製;無水マレイン酸変性ポリプロピレン-ポリエチレン共重合体)100部、トルエン100部、低分子乳化剤としてノイゲンTDS-120(第一工業製薬製ポリオキシエチレントリドデシルエーテル HLB14.8)30.0部を加え、100℃まで昇温して樹脂を溶解させた。完全に溶解したのを確認後、中和剤として、ジメチルアミノエタノール5.0部、水600.0部を添加した。その後、減圧条件可下で脱溶剤を行いながら、水相への転相をおこない、最終固形分が30.0質量%のオレフィン樹脂の水分散体(水性樹脂(A))を得た。実施例1と同様に、樹脂の酸価、水酸基価、Tg、重量平均分子量を測定したところ、酸価は24.0mgKOH/g、水酸基価は0mgKOH/g、Tgは-20℃、重量平均分子量は48000であった。上記の樹脂水分散体にn-プロピルアルコールを2.0部、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを1.0部添加して、プライマーを得た。
JIS K2501に記載の方法に従い、水酸化カリウム・エタノール溶液で電位差滴定をおこない算出した。滴定には平沼産業社製:自動滴定装置COM-1600を使用した。
JIS K0070に記載の方法に従い、水酸化カリウム・エタノール溶液で電位差滴定をおこない算出した。滴定には平沼産業社製:自動滴定装置COM-1600を使用した。
[重量平均分子量]
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の値。乾燥させた樹脂をテトラヒドロフランに溶解させ、0.2%溶液を調製し、以下の装置ならびに測定条件により重量平均分子量を測定した。高分子量化により、樹脂が不溶で測定が困難なものについては重量平均分子量を100万を超えるものとみなした。
装置:HLC-8320-GPCシステム(東ソー社製)
カラム;TSKgel-SuperMultiporeHZ-M0021488
4.6 mmI.D.×15 cm×3本
溶出溶媒;テトラヒドロフラン
標準物質;ポリスチレン(東ソー社製)
流速;0.6mL/分、試料溶液使用量;10μL、カラム温度;40℃。
ガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量計 TAインスツルメント社製)により測定した。乾固した樹脂サンプル約2mgをアルミニウムパン上で秤量し、該アルミニウムパンをDSC測定ホルダーにセットし、5℃/分の昇温条件にて得られるチャートの吸熱ピークを読み取り、ガラス転移温度(Tg)を得た。
[製造例1]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、水68.9部を仕込み、別途、スチレン85.0部、ベンジルメタクリレート5.0部、2-エチルヘキシルアクリレート7.0部、アクリル酸2.0部、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン1.0部、アクアロンKH-10の20%水溶液5.0部、水40.4部をあらかじめ混合、撹拌して調製したエチレン性不飽和単量体の乳化液のうちの3%を更に加えた。内温を70℃に昇温して十分に窒素置換した後、開始剤として過硫酸カリウムの5%水溶液2.0部を添加して乳化重合を開始した。内温を80℃に上げて温度を保ちながらエチレン性不飽和単量体の乳化液の残りと過硫酸カリウムの5%水溶液2.0部を3時間かけて滴下し、更に4時間反応させて最終固形分45.0質量%の樹脂微粒子の水分散体を得た。得られた樹脂微粒子の平均粒子径とCv値を測定したところ、平均粒子径は201nm、変動係数Cvは25.8%であった。水性樹脂(A)と同様にDSC測定をおこなったところ、Tgは76.9℃であった。
樹脂微粒子(B)の分散体を500倍に水希釈し、該希釈液約5mlを動的光散乱測定法(測定装置はナノトラックUPA(株)マイクロトラックベル社製)により測定をおこなった。この時得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)のピークを平均粒子径とした。同時に下記式より粒子径の均斉度を表す変動係数Cv値を算出した。
Cv値 %=粒子径の標準偏差/平均粒子径×100
表3に示す配合組成に変更した以外は、製造例1と同様の方法により、最終固形分45.0質量%の樹脂微粒子の水分散体をそれぞれ調製した。得られた樹脂微粒子について、製造例1と同様に平均粒子径とCv値、Tgを測定した。尚、表3中の数値は、特に断りがない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、水95.0部と別途、スチレン97.0部、アクリル酸2.0部、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.0部、第一工業製薬製アクアロンKH-10の20%水溶液を5.0部、水39.1部を混合、撹拌して調製した一段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液のうちの1.5%を更に加えた。反応容器の内温を70℃に昇温して十分に窒素置換した後、開始剤として、過硫酸カリウムの2.5%水溶液5.7部を添加して重合を開始した。内温を80℃に上げて温度を維持しながら一段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液の残りと過硫酸カリウムの2.5%水溶液4.0部を2時間かけて滴下しながら反応させ、コア粒子を合成した。生成したコア粒子の平均粒子径は205nmであった。一段目の滴下完了から30分後、別途、メチルメタクリレート15.0部、n-ブチルアクリレート26.1部、アクリル酸0.9部、アクアロンKH-10の20%水溶液2.1部、水16.8部を混合、撹拌して調製した二段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液の滴下を開始した。内温を80℃に保ちながら二段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液と過硫酸カリウムの2.5%水溶液2.1部を2時間かけて滴下しながら反応を更に進め、コアシェル型の樹脂微粒子(B)の水分散体を得た。得られたコアシェル型樹脂微粒子の水分散体の最終固形分は45.0質量%、平均粒子径253nm、Cv値は25.7%であった。水性樹脂(A)と同様にDSC測定を行ったところ、コア部のTgは100.1℃、シェル部のTgは-12.5℃であった。
表4、5に示す配合組成に変更した以外は、製造例4と同様の方法により、コアシェル型の樹脂微粒子(B)の水分散体をそれぞれ調製した。合成の際、エチレン性不飽和単量体の乳化液は、乳化液中のエチレン性不飽和単量体の濃度が69.0質量%、乳化剤の濃度が0.69質量%になる様、水を添加して調製した。合成後、水の添加や減圧ストリッピングによる脱水等により樹脂微粒子の水分散体の最終固形分は45.0%に調整した。尚、製造例10、11については、反応槽に分割して仕込む一段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液量を1.5%から其々、3.0%、1.0%に変更した。得られたコアシェル型樹脂微粒子は製造例4と同様に、平均粒子径、Cv値、Tgの測定を行った。尚、表4、5中の数値は、特に断りがない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
[製造例19]
製造例1の樹脂微粒子(B)の水分散体100部に、無彩黒色微粒子としてオリエント化学工業社製BONJET BLACK CW-1(表面変性カーボンブラック 平均粒子径62nm 顔料分20.0%)2.3部を添加して撹拌し、コロイド結晶層用樹脂組成物を調製した。
表6、7に示す配合組成に変更した以外は、製造例19と同様の方法によりコロイド結晶層用樹脂組成物をそれぞれ調製した。尚、表6、7中の数値は、特に断りがない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
[製造例37]
二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(フタムラ製FOR、膜厚20.0μm)のコロナ処理面に実施例1のプライマーを乾燥換算で膜厚が3μmになるようにバーコーターで塗工した後、オーブンで80℃・3分の条件で乾燥させてプライマー塗工物を作製した。更にプライマー層上に製造例19のコロイド結晶層用樹脂組成物を乾燥換算で膜厚が7μmになるようにバーコーターで塗工し、50℃・3分の条件で乾燥させて、目的のコロイド結晶塗膜を得た。処理PETフィルム(東洋紡社製E5100 膜厚12.0μm)、Al板(膜厚200μm)、コート紙基材(MS光沢紙 黒色 膜厚160μm)においても、同様の方法でコロイド結晶塗膜を作製した。
表8~10に示すプライマーとコロイド結晶層用樹脂組成物の組み合わせで、製造例37と同様の方法により、各種基材でコロイド結晶塗膜を作製した。
作製したコロイド結晶塗膜について、経時での発色性、基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性を評価した。表8~10にその結果を示す。
各基材上で作製したコロイド結晶塗膜の反射スペクトルを、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製V-770D、積分球ユニットISN-923)を用いて波長250~850nmの範囲を測定した。各波長における反射率は、反射率が既知の標準白板(ラブスフェア社製SRS-99-010)をリファレンスとして用いて測定した相対反射率である。得られた反射スペクトルについて、構造色に由来する反射率の最大値と構造色によらないベースラインの反射率の差分(△R)を算出した。△Rが大きいなるほど、発色性に優れることを示す。
更に作製したコロイド結晶塗膜を40℃で3日静置し、静置前後における比較から反△Rの変化(低下率)を評価した。△Rが低下するほど、コロイド結晶塗膜が退色していることを示す。
評価基準は以下の通りである。
◎;△Rが15%以上であり、経時後で△Rが変化していない。(極めて良好)
○;△Rが15%以上であり、経時後の低下率が5%未満。(良好)
△;△Rが15%以上であり、経時後の低下率が5%以上、30%未満。(不良)
×;△Rが15%未満である、または、△Rが15%以上であり、経時後の低下率が30%以上。(極めて不良)
処理OPPフィルム、処理PETフィルムおよび紙基材上で作製したコロイド結晶塗膜の試験片(5cm×5cm)を20回揉んでコロイド結晶塗膜の外観の変化を観察した。Al板上で作成したコロイド結晶塗膜は、板を15回、180度に繰り返し折り曲げて同様に外観変化を確認した。評価基準は下記の通り。
◎;剥がれや傷が無く、発色に変化無し。(極めて良好)
○;僅かに剥がれが有るが、発色に変化なし。(試験片全体で剥がれた面積が5%未満)(良好)
△;剥がれが有るが、発色に変化なし。(試験片全体で剥がれた面積が5%以上)(不良)
×;剥がれが有り、退色している。(極めて不良)
各基材上で作製したコロイド結晶塗膜(5cm×5cm)にセロハンテープ(ニチバン社製18mm幅)を貼り付け、垂直方向にゆっくりと剥離して、テープをつけた部分全体に対して、剥がれた面積の割合から基材密着性を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎;剥がれが全くない。(極めて良好)
○;剥がれがややある(剥がれた面積が15%未満)(良好)
△;剥がれがある(剥がれた面積が15%以上、25%未満)(不良)
×;剥がれが著しい(剥がれた面積が25%以上)(極めて不良)
処理OPPおよび処理PET上で作製したコロイド結晶塗膜の試験片(5cm×5cm)を指の腹で20往復擦り、剥がれや傷のつき易さを観察した。評価基準は以下の通りである。
◎;傷や剥がれが全くない。(極めて良好)
○;わずかに剥がれがある(擦った箇所全体のうち、剥がれた面積が10%未満)(良好)
△;剥がれがある(擦った箇所全体のうち、剥がれた面積が10%以上、20%未満)(不良)
×;剥がれがある(擦った箇所全体のうち、剥がれた面積が20%以上)(極めて不良)
処理OPPおよび処理PET上で作製したコロイド結晶塗膜の試験片(5cm×5cm)について、水または20%エタノール水溶液を浸漬させた綿棒で20往復コロイド結晶塗膜を擦り、傷や剥がれのつき易さを観察した。評価基準は以下の通りである。
◎;傷や剥がれが全くない
○;わずかに剥がれがある(擦った箇所全体のうち、剥がれた面積が10%未満)
△;剥がれがある(擦った箇所全体のうち、剥がれた面積が10%以上、20%未満)
×;剥がれがある(擦った箇所全体のうち、剥がれた面積が20%以上)
処理OPP上で作製したコロイド結晶塗膜の試験片に上から水またはエタノールを垂らした後、50℃・3分で再乾燥して、前述の発色性評価と同様に反射スペクトルを測定した。試験前後での反射光スペクトの比較から反射率の最大値の変化(低下率)を評価した。反射率の最大値が低下するほど、コロイド結晶塗膜が退色していることを示す。評価基準は以下の通りである。
◎;反射率の最大値が変化していない。(極めて良好)
○;反射率の最大値がやや低下している。(低下率が15%未満)(良好)
△;反射率の最大値が低下している。(低下率が15%以上、30%未満)(不良)
×;反射率の最大値が大幅に低下している。(低下率が30%以上)(極めて不良)
Claims (7)
- コロイド結晶層を基材に固定するためのプライマーであって、水性樹脂(A)を含有しており、水性樹脂(A)は、ガラス転移温度(Tg)が-60~100℃、水酸基価が25mgKOH/g未満、酸価が5~70mgKOH/g、および重量平均分子量が15,000以上であり、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基、ケトン基、及びヒドラジド基からなる群より選ばれる一種以上の基を有するアクリル樹脂またはウレタン樹脂である、プライマー。
- 非反応性の低分子乳化剤を含有しない請求項1記載のプライマー。
- コロイド結晶層が、コアシェル型樹脂微粒子を含有してなる請求項1または2記載のプライマー。
- コアシェル型樹脂微粒子中のコア100質量部に対するシェルの質量が、10~50質量部である請求項3記載のプライマー。
- コアシェル型樹脂微粒子中のコア部のTgが、60℃以上である請求項3または4記載のプライマー。
- コアシェル型樹脂微粒子中のシェル部のTgが、-50以上20℃未満である請求項3~5いずれか記載のプライマー。
- 基材が、非極性フィルムである請求項1~6いずれか記載のプライマー。
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