JP2020093392A - 構造色を発色する印刷物の製造方法およびインクセット - Google Patents

構造色を発色する印刷物の製造方法およびインクセット Download PDF

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Abstract

【課題】虹彩色の構造色による加飾を効果的に行うことが可能な、印刷物の製造方法を提供する。【解決手段】上記課題を解決した本発明は、L*a*b*表色系のL値が48.5以上の色を下地色として決定する工程、基材に、前記下地色を発色する下地インクをインクジェット印刷する工程、および前記印刷された下地インクの上に、コロイド粒子を含有する構造色インクを印刷する工程を包含する、構造色を発色する印刷物の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、構造色を発色する印刷物の製造方法に関する。本発明はまた、当該製造方法の実施に好適なインクセットに関する。
コロイド粒子が規則的に配列したコロイド結晶膜は、Bragg回折により、その格子定数に対応した波長の光を反射することが知られている。このコロイド結晶膜に可視光を反射させた場合には、単色の構造色または虹彩色の構造色を発色させることが可能であることも知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献2には、この現象を利用して、構造色を発色可能なインクジェットインクが提案されている。具体的には、特許文献2には、構造色を観察可能な粒子構造体を形成可能な粒子と、ピニング剤と、を含有する、インクジェット法による画像形成用の組成物が開示されている。特許文献2では、当該組成物は、青色、緑色、または赤色の単色のインクとして構成することが提案されている。また、特許文献2では、当該組成物は、基材に直接インクジェット法により塗布されている。
特許第5541620号公報 特開2017−186454号公報
しかしながら本発明者が鋭意検討した結果、従来技術のように構造色を発色可能なインクを基材に直接塗布する場合には、その加飾表現は、基材を構成する材料の色(この色は、基材表面の色となる)によって制限され、その結果、その加飾表現はかなり限られたものとなるという問題があることを見出した。これに加えて、本発明者が鋭意検討した結果、基材を構成する材料の色によっては、構造色が虹彩色にならない場合があるという問題があることを見出した。
そこで、本発明は、虹彩色の構造色による加飾を効果的に行うことが可能な、印刷物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の構造色を発色する印刷物の製造方法は、L表色系のL値が48.5以上の色を下地色として決定する工程、基材に、前記下地色を発色する下地インクをインクジェット印刷する工程、および前記印刷された下地インクの上に、コロイド粒子を含有する構造色インクを印刷する工程を包含する。
本発明のインクセットは、L表色系のL値が48.5以上の色を発色するインクジェット用下地インクと、コロイド粒子を含有する構造色インクとを含む。
本発明によれば、虹彩色の構造色による加飾を効果的に行うことができる。
本発明の構造色を発色する印刷物の製造方法は、L表色系のL値が48.5以上の色を下地色として決定する工程(以下、「下地色決定工程」ともいう)、基材に、当該下地色を発色する下地インクをインクジェット印刷する工程(以下、「下地印刷工程」ともいう)、および当該印刷された下地インクの上に、コロイド粒子を含有する構造色インクを印刷する工程(以下、「構造色印刷工程」ともいう)、を包含する。
まず、下地色決定工程について説明する。本発明者の検討により、下地色のL表色系のL値が48.5未満の場合には、下地の上に構造色インクを印刷すると、構造色が単色となり、虹彩色が得られないことを見出した。すなわち、下地色のL表色系のL値が48.5以上の場合に、下地の上に構造色インクを印刷すると、虹彩色の構造色が得られることを見出した。そこで、本発明の製造方法においては、まず、下地色決定工程として、L表色系のL値が48.5以上の色を下地色として決定する。
表色系は、国際照明委員会(CIE)が規定する表色系である。L値は、明度を表す指標であり、0〜100の間の値を取る。L値は、公知の測色計を用いて測定することができる。虹彩色がより鮮明に現れることから、下地色のL表色系のL値は、70以上であることが好ましく、80以上であることがより好ましい。
下地色の色相は、L表色系のL値が48.5以上である限り特に制限はなく、白色であっても、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトイエロー、ライトグレー等の白色以外の色であってもよい。下地色は、単色に限られず、L表色系のL値が48.5以上の色を2色以上選択してもよい。
下地色決定工程は、例えば、次のようにして実施することができる。一例として、所望の色のインクジェット用インクを選択し、実際に紙等の基材に印刷を行い、測色計を用いてL表色系のL値を測定する。L値が48.5以上であった場合には、当該色を下地色として決定し、当該インクジェット用インクを下地インクとして選択する。別の例として、種々のインクジェットインクのL値が少なくとも記載された色見本を用意し、この色見本の中から、L値が48.5以上である所望の色を選択する。なお、所望の色のL表色系のL値が既知である、またはL値が48.5以上であることが自明である場合には、L表色系のL値の測定は、省略してもよい。
次に、下地印刷工程について説明する。当該工程では、基材に、上記下地色を発色する下地インクをインクジェット印刷する。
基材は、虹彩色の構造色を発色できないものが虹彩色の構造色を発色できるようになることから、その表面が、L表色系のL値が48.5未満の色を有することが好ましい。あるいは、基材は、無色透明であることが好ましい。しかしながら、別の色調を与える、より鮮やかな虹彩色を得る等の利点があるため、基材の表面の色のL表色系のL値が48.5以上であってもよい。
基材の形状は、インクジェット印刷が可能である限り特に制限はなく、シート状、フィルム状、板状等であってよく、特定のデザインを有する成形体であってもよい。
基材の材質は、インクジェット印刷が可能な限り特に制限はなく、その例としては、樹脂、紙、ガラス、セラミックス、金属等が挙げられる。樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリメタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル樹脂;ポリカーボネート;ポリ塩化ビニル;ポリウレタン;ポリスチレン;ポリイミド;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体等が挙げられる。紙の例としては、アート紙、コート紙、キャスト紙、上質紙、合成紙、インクジェット用紙等が挙げられる。金属の例としては、アルミニウム、銅、鉄、銀、ステンレス合金、真鍮等が挙げられる。
下地インクには、上記の下地色決定工程で選択された、L表色系のL値が48.5以上の色を発色するものが用いられる。そのため、下地インクは、色材(例、顔料、染料等)を含有する。下地インクは、インクジェット印刷されるものであるため、インクジェット用インクである。下地インクは、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク、水性インクジェットインク、溶剤系インクジェットインク等であってよく、好ましくは、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクおよび溶剤系インクジェットインクである。下地インクとして公知のインクジェットインクを使用してよい。下地インクが活性エネルギー線硬化型インクジェットインクである場合には、当該インクは、典型的には、重合性化合物、光重合開始剤、色材等を含有する。下地インクが水性インクジェットインクである場合には、当該インクは、典型的には、水、水溶性有機溶剤、色材、樹脂微粒子等を含有する。下地インクが溶剤系インクジェットインクである場合には、当該インクは、典型的には、有機溶剤、色材、バインダ樹脂等を含有する。
下地インクに、プライマーとしての機能を有するものを用いてもよい。このようなインクは、公知のものであってよく、公知の無色のインクジェット用プライマーインクに色材を適宜添加したものであってもよい。下地インクがプライマーとしての機能を有する場合には、後工程に用いられる構造色インクと基材との密着性が悪い場合でも、基材に対する構造色インクの印刷が可能となる。
基材への下地インクを用いたインクジェット印刷は、公知のインクジェット記録装置を用いて、公知方法に従って行うことができる。具体的に例えば、下地インクが活性エネルギー線硬化型インクジェットインクであった場合には、インクジェット方式で基材上へ下地インクを吐出して塗布し、活性エネルギー線を照射することにより、印刷を行うことができる。下地インクが水性インクジェットインクおよび溶剤系インクジェットインクであった場合には、インクジェット方式で基材上へ下地インクを吐出して塗布し、乾燥することにより、印刷を行うことができる。
このインクジェット印刷は、通常、少なくとも構造色インクにより虹彩色を発色させる領域に行われる。それぞれがL表色系のL値が48.5以上である2色以上の下地インクを用いて、模様、文字等を印刷してもよい。構造色インクにより虹彩色を発色させない箇所には、L表色系のL値が48.5未満の色で印刷を施してもよい。
次に、構造色印刷工程について説明する。当該工程では、印刷された下地インクの上に、コロイド粒子を含有する構造色インクを印刷する。
構造色インクは、コロイド粒子を必須成分として含有する。コロイド粒子は、球状粒子であっても非球状粒子であってもよく、好ましくは球状粒子である。具体的には、コロイド粒子のアスペクト比(即ち、長径/短経で表される比)は、1.0以上1.20以下が好ましく、1.0以上1.10以下がより好ましい。コロイド粒子は、中空構造を有していてもよい。
コロイド粒子の平均粒子径は、構造色インクが塗膜形成した際に虹彩色の構造色を発色できる限り特に制限はないが、好ましくは100nm以上500nm以下である。平均粒子径が大きいと、印刷された構造色インクの塗膜がより強く白濁する傾向にある。よって、より鮮やかな虹彩色の構造色を得るためには、コロイド粒子の平均粒子径は、100nm以上300nm以下であることがより好ましく、150nm以上250nm以下であることがさらに好ましい。なお、コロイド粒子の平均粒子径は、コロイド粒子の走査型電子顕微鏡写真を撮影し、得られた画像中から任意に選定した少なくとも100個の粒子の粒子径を測定し、その平均値を計算することにより、求めることができる。なお、粒子が非球状粒子である場合には、その長径と短経の平均値を粒子径とすることができる。
コロイド粒子は、下記式:
単分散度(単位:%)=([粒子径の標準偏差]/[平均粒子径])×100
で表される単分散度が20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることがより好ましい。コロイド粒子がこのような単分散度を有することにより、コロイド粒子の粒径の均一性が極めて高くなる。その結果、コロイド粒子が、構造色を発色する規則的な配列構造をとり易くなり、構造色のより高い発色を得ることができる。なお、粒子径の標準偏差は、コロイド粒子の走査型電子顕微鏡写真を撮影し、得られた画像中から任意に選定した少なくとも300個の粒子の粒度分布を求め、その標準偏差を計算することにより、求めることができる。
コロイド粒子を構成する材料は、構造色インクが塗膜形成した際に虹彩色の構造色を発色できる限り特に制限はない。コロイド粒子を構成する材料は、例えば、有機材料、無機材料、有機−無機複合材料である。有機材料の例としては、ポリスチレン、ポリスチレン誘導体、アクリル樹脂(例、ポリメタクリル酸メチル)等の有機高分子材料などが挙げられる。無機材料の例としては、シリカ(酸化ケイ素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、チタニア(酸化チタン)、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの材料は1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。コロイド粒子は、多層構造を有していてもよく、例えば、シリカ微粒子等の無機微粒子を酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等で被覆した複合材料であってもよい。有機−無機複合材料の例としては、ポリスチレン粒子、アクリル樹脂粒子等の樹脂微粒子を酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等で覆ったコアシェル型の有機−無機複合粒子が挙げられる。コロイド粒子を構成する材料としては、容易に単分散粒子を合成することができることから、シリカ、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルが好ましい。
構造色インク中のコロイド粒子の含有量は、構造色インクが塗膜形成した際に虹彩色の構造色を発色できる限り特に制限はなく、インクの種類に応じて適宜決定すればよい。
構造色インクは、活性エネルギー線硬化型インク、水性インク、溶剤系インク等であってよい。これらのうち、塗膜厚さを大きくすることが容易であり、かつコロイド粒子を固定化することが容易であることから、活性エネルギー線硬化型インクが好ましい。また、構造色インクは、インクジェット用インクであってもよく、それ以外の印刷方式のインクであってもよい。
構造色インクが活性エネルギー線硬化型インク(特に、活性エネルギー線硬化型インク、水性インク、溶剤系インク)である場合には、当該インクは、典型的には、重合性化合物、光重合開始剤、コロイド粒子等を含有する。
活性エネルギー線の例としては、紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線、LED光線、イオンビーム等が挙げられる。なかでも、紫外線が好ましい。
重合性化合物は、活性エネルギー線が照射された際に重合開始剤により、重合する成分である。重合性化合物としては、公知の活性エネルギー線硬化型インクに使用可能な公知のものを特に制限なく使用することができる。重合性化合物は、典型的には、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する。重合性化合物は、反応性が高いことから、好ましくは(メタ)アクリレート化合物である。重合性化合物は、モノマーであってもオリゴマーであってもよい。活性エネルギー線硬化型インク中にコロイド粒子を安定して分散させる観点から、重合性化合物は、親水性の重合性化合物であることが好ましい。
親水性の重合性化合物の例としては、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。なかでも、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、およびポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。親水性の重合性化合物がポリエチレングリコール鎖またはポリプロピレングリコール鎖を有する場合には、エチレングリコール鎖長およびプロピレングリコール鎖長が異なる種々の化合物(例えば、テトラエチレングリコール鎖を有するポリエチレングリコール#200ジアクリレート、ノナエチレングリコール鎖を有するポリエチレングリコール#400ジアクリレートなど)を利用することができ、鎖長によって親水性を制御することができる。そして、コロイド粒子の配列状態をより効率よく制御することができる。また、適度な親水性を有することから、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレートも好ましい。上記の親水性モノマーは1種類を単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
重合性化合物は、単官能であってもよく、二官能以上であってもよい。硬化性の観点から、重合性化合物として、その少なくとも一部に、二官能性のものを用いることが好ましい。活性エネルギー線硬化型インク中の重合性化合物の含有量は、30質量%以上75質量%以下が好ましい。
光重合開始剤は、活性エネルギー線が照射された際にラジカルを発生して、上述の重合性化合物の重合を開始させる成分である。光重合開始剤としては、公知の活性エネルギー線硬化型インクに使用可能な公知のものを特に制限なく使用することができる。光重合開始剤の例としては、アシルホスフィンオキサイド系開始剤、α−アミノアルキルフェノン系開始剤、チオキサントン系開始剤、アリールアルキルケトン系開始剤、オキシムケトン系開始剤、アシルホスホナート系開始剤、チオ安息香酸S−フェニル系開始剤、チタノセン系開始剤、芳香族ケトン系開始剤、ベンジル系開始剤、キノン誘導体系開始剤、ケトクマリン系開始剤などが挙げられる。活性エネルギー線硬化型インク中の光重合開始剤の含有量は、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
活性エネルギー線硬化型インク中のコロイド粒子の含有量は、構造色インクが塗膜形成した際に虹彩色の構造色を発色できる限り特に制限はない。活性エネルギー線硬化型インク中のコロイド粒子の含有量は、好ましくは20質量%以上65質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上60質量%以下であり、さらに好ましく40質量%以上60質量%以下である。
活性エネルギー線硬化型インクは、上記の成分以外にも重合促進剤、界面活性剤、pH調整剤、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有していてもよい。
構造色インクが水性インク(特に、水性インクジェットインク)である場合には、当該インクは、典型的には、水、水溶性有機溶剤、コロイド粒子、樹脂微粒子等を含有する。
水としては、イオン交換水が好ましい。水性インク中の水の含有量は、40質量%以上80質量%以下が好ましい。
水溶性有機溶剤としては、水性インクの水溶性有機溶剤として公知のものを特に制限なく用いることができる。その例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチルー1,3−ヘキサンジオール等のジオール類;トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のモノオール類などが挙げられる。水性インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、10質量%以上55質量%以下が好ましい。
樹脂微粒子は、コロイド粒子を基材に定着させるための成分である。樹脂微粒子としては、水性インクに使用可能な公知のものを特に制限なく使用することができる。樹脂微粒子を構成する樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フルオロオレフィン樹脂、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂などが挙げられる。水性インク中の樹脂微粒子の含有量は、3質量%以上15質量%以下が好ましい。
水性インク中のコロイド粒子の含有量は、構造色インクが塗膜形成した際に虹彩色の構造色を発色できる限り特に制限はない。水性インク中のコロイド粒子の含有量は、好ましくは1質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上40質量%以下であり、さらに好ましく5質量%以上30質量%以下である。
水性インクは、界面活性剤、防腐剤、防カビ剤、増粘剤、消泡剤、pH調整剤、防錆剤等の添加剤を含有していてもよい。
構造色インクが溶剤系インク(特に、溶剤系インクジェットインク)である場合には、当該インクは、典型的には、親水性有機溶剤、コロイド粒子、バインダ樹脂等を含有する。
親水性有機溶剤は、溶剤系インク中、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上含有される。親水性有機溶剤としては、公知の溶剤系インクに使用可能な公知のものを特に制限なく使用することができる。親水性有機溶剤は、好ましくは、下記式(1)で表される溶剤(以下、「溶剤(1)」ともいう)と、非プロトン性極性溶剤とを含む。
O−(RO)−H・・・・・(1)
(式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐状のアルキル基であり、Rは、炭素数2または3のアルキレン基である。nは1〜7の整数であり、好ましくは2または3である。)
溶剤(1)の例としては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。溶剤系インクジェットインク中の溶剤(1)の含有量は、35質量%以上90質量%以下が好ましい。
非プロトン性極性溶剤の例としては、ピロリドンおよびその誘導体、ラクトン化合物、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。なかでも、ラクトン化合物が好ましい。ラクトン化合物の例としては、α−エチルラクトン、α−アセトラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、ζ−エナンチオラクトン、η−カプリロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−ノナラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、2−ブチル−2−エチルプロピオラクトン、α,α−ジエチルプロピオラクトン等が挙げられる。溶剤系インクジェットインク中の非プロトン性極性溶剤の含有量は、5質量%以上30質量%以下が好ましい。
バインダ樹脂は、コロイド粒子を基材に定着させるための成分である。バインダ樹脂としては、公知の溶剤系インクジェットインクに使用可能な公知のものを特に制限なく使用することができる。バインダ樹脂の例としては、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ロジン変性樹脂、フェノール樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロースアセテートブチレート等の繊維系樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体樹脂等が挙げられる。溶剤系インク中のバインダ樹脂の含有量は、0.5質量%以上15質量%以下が好ましい。
溶剤系インク中のコロイド粒子の含有量は、構造色インクが塗膜形成した際に虹彩色の構造色を発色できる限り特に制限はない。溶剤系インク中のコロイド粒子の含有量は、好ましくは1質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上40質量%以下であり、さらに好ましく5質量%以上30質量%以下である。
溶剤系インクは、高分子分散剤、界面活性剤、可塑剤、帯電防止剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の添加剤を含有していてもよい。
印刷された下地インク上への構造色インクによる印刷方法には特に制限はなく、インクジェット印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、転写印刷等であってよい。また、公知の塗布装置を用いた方法を採用してよい。具体的に例えば、構造色インクが活性エネルギー線硬化型インクであった場合には、公知の印刷装置(例、インクジェット記録装置等)または公知の塗布装置(例、ディスペンサ、バーコーター、スピンコーター等)を用いて下地インク上へ構造色インクを塗布し、活性エネルギー線(例、紫外線等)を照射することにより、印刷を行うことができる。構造色インクが水性インクおよび溶剤系インクであった場合には、公知の印刷装置または公知の塗布装置を用いて下地インク上への構造色インクを塗布し、乾燥することにより、印刷を行うことができる。
印刷により形成される構造色インクの塗膜厚さが小さすぎると、構造色が発色し難くなる。そのため、構造色インクの塗膜厚さは、1.0mm以上であることが好ましく、1.3mm以上であることがより好ましい。一方、構造色インクの塗膜厚さが大きすぎても、構造色が発色し難くなる。そのため、構造色インクの塗膜厚さは、3.0mm以下であることが好ましく、2.5mm以下であることがより好ましい。
本発明は、別の側面から、L表色系のL値が48.5以上の色を発色するインクジェット用下地インクと、コロイド粒子を含有する構造色インクと、を含むインクセットである。本発明のインクセットによれば、上記の構造色を発色する印刷物の製造方法の実施が容易である。
下地インクおよび構造色インクの構成は、好ましい構成も含め、上述の刷物の製造方法で用いられる下地インクおよび構造色インクと同じである。従って、本発明のインクセットにおいても、当該下地インクが、L表色系のL値が70以上である色を発色することが好ましい。また、当該コロイド粒子の平均粒子径が150nm以上250nm以下であることが好ましい。また、当該構造色インクが、活性エネルギー線硬化型インクであることが好ましい。このとき、構造色インク中のコロイド粒子の含有量が、40質量%以上60質量%以下であることが好ましい。
以上説明した本発明によれば、虹彩色の構造色による加飾を効果的に行うことが可能である。具体的には、L表色系のL値が48.5以上の色の中から色を選択することができ、幅広い加飾表現を行うことができる。また、下地色との組み合わせにより、基材の表面の色によらず虹彩色の構造色を発色する印刷物を得ることができる。したがって、基材の表面の色が虹彩色の構造色が得られないような色であっても、下地色との組み合わせにより虹彩色の構造色を発色する印刷物を得ることが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
〔下地インクの準備〕
色調の異なる市販のインクジェットインクを用意した。このインクジェットインクを用いて、市販のインクジェットプリンタ(ローランドディー.ジー.社製「LEF−200」)を用いてアクリル押出板(三菱レーヨン社製「アクリライトEX」)上に画像を形成し、この画像のL表色系のL値を、測色計(x−Rite社製「i1−Pro2」)を用いて測定した。この測定において、光源はD50、光学幾何条件は45°/0°とした。
〔構造色インクの調製〕
Omnirad TPO−H(IGM Resins社製:ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド)を5質量%含んだポリエチレングリコール#200ジアクリレートと、平均粒子径が200nmのシリカ粒子とを、50:50の質量比で混合して構造色インクを調製した。具体的には、シリカ粒子をポリエチレングリコール#200ジアクリレートに添加し、ミキサー(Thinky社製「ARE−310」)を用いて回転数2000rpmで、シリカ粒子の凝集体が見られなくなるまで撹拌した。その後、超音波分散機(アズワン社製「ASU−6M」)を用いて、周波数40kHの超音波を5分間照射することにより、構造色インクを紫外線硬化型インクジェットインクとして調製した。
〔印刷および評価〕
市販のUVインクジェットプリンタ(ローランドディー.ジー.社製「LEF−200」)を用いて、アクリル押出板(三菱レーヨン社製「アクリライトEX」)上にまず上記準備した下地インクを印刷し、さらに上記調製した構造色インクを、バーコーターを用いて印刷した下地インク上に、硬化後の塗膜厚さが1.5mm〜2.0mmとなるように塗布し、紫外線を照射して画像を得た。得られた画像における構造色の発色を目視により評価した。結果を表1に示す。
Figure 2020093392
表1の結果が示すように、下地色のL表色系のL値が48.5以上である場合に、白濁感のある虹彩色の構造色が得られた。よって、本発明の印刷物の製造方法およびインクセットによれば、虹彩色の構造色による加飾を効果的に行うことが可能であることがわかる。また、L値が高いほど虹彩色の発色が鮮やかな傾向が見られた。このことから、より鮮やかな虹彩色の構造色を得るには、下地色のL表色系のL値を70以上とすることが有利であることがわかる。

Claims (12)

  1. 表色系のL値が48.5以上の色を下地色として決定する工程、
    基材に、前記下地色を発色する下地インクをインクジェット印刷する工程、および
    前記印刷された下地インクの上に、コロイド粒子を含有する構造色インクを印刷する工程、
    を包含する、構造色を発色する印刷物の製造方法。
  2. 前記下地色のL表色系のL値が70以上である、請求項1に記載の印刷物の製造方法。
  3. 前記基材の表面が、L表色系のL値が48.5未満の色を有する、または前記基材が無色透明である、請求項1または2に記載の印刷物の製造方法。
  4. 前記コロイド粒子の平均粒子径が150nm以上250nm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷物の製造方法。
  5. 前記構造色インクが、活性エネルギー線硬化型インクである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷物の製造方法。
  6. 前記構造色インク中のコロイド粒子の含有量が、40質量%以上60質量%以下である、請求項5に記載の印刷物の製造方法。
  7. 前記構造色インクの印刷後の塗膜厚さが1.0mm以上3.0mm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷物の製造方法。
  8. 表色系のL値が48.5以上の色を発色するインクジェット用下地インクと、
    コロイド粒子を含有する構造色インクと、
    を含む、インクセット。
  9. 前記下地インクが、L表色系のL値が70以上である色を発色する、請求項8に記載のインクセット。
  10. 前記コロイド粒子の平均粒子径が150nm以上250nm以下である、請求項8または9に記載のインクセット。
  11. 前記構造色インクが、活性エネルギー線硬化型インクである、請求項8〜10のいずれか1項に記載のインクセット。
  12. 前記構造色インク中のコロイド粒子の含有量が、40質量%以上60質量%以下である、請求項11に記載のインクセット。
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