JP6126586B2 - Uvインクジェット印刷インキ組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、効果顔料を含むUVインクジェット印刷インキ組成物を目的としている。
従来からのインクジェット印刷インキ組成物には大量の溶媒が含まれていて、そのために、コーティングされる基材はその使用される溶媒に対する耐久性を有していなければならないという難点がもたらされている。さらには、従来からのコーティングは、通常、溶媒を除去し、そのインクジェット印刷インキ組成物の結合剤を架橋させる目的で、熱を加えて乾燥させる。その基材が熱の影響を受けやすい場合には、その乾燥は低温で長時間かけて実施しなければならない。
そのような観点から、UVインクジェット印刷インキ組成物は、この組成物が溶媒をまったく含まないか、またはほんの少量の溶媒しか含まず、UV光を照射することによって乾燥または硬化するという利点を有している。
具体的なUVインクジェット印刷インキ組成物は、インクジェット記録のための光硬化性インキ組成物である。これらの光硬化性インキ組成物のためには、たとえば紙のシートまたはフォイルのような基材の表面に印刷されたインキが、急速に硬化されて、その印刷プロセスを高速度で実施することが可能である必要がある。
US 2010/0036036 A1には、メタリック顔料、重合性化合物、および重合開始剤を含む、インクジェット記録のための光硬化性インキ組成物が開示されているが、そこでのメタリック顔料は、金属または合金層、ならびに樹脂層および酸化ケイ素層から選択される少なくとも1層を含む積層物からなる板状粒子である。
その重合性化合物としては、単官能の重合性化合物および多官能の重合性化合物が挙げられている。US 2010/0036036 A1の教示によれば、硬化させるための各種のエネルギーを供給することによって重合が開始される限りにおいては、これらの重合性化合物には特別な制限はなく、そして、各種の形態のモノマーまたはオリゴマー、直鎖状ポリマー、および樹枝状ポリマーを使用することができる。
US 2007/0249750 A1には、少なくとも光ラジカル重合開始剤およびラジカル重合性化合物を含み、そして着色剤を含まないインキ組成物A、ならびに、少なくとも着色剤およびラジカル重合性化合物を含み、そして光ラジカル重合開始剤を含まないインキ組成物Bを含む、二成分の光硬化性インキ組成物の組合せが開示されている。
EP 1 914 279 A2には、少なくとも色材、重合性化合物、およびラジカル重合光開始剤を含むインキ組成物A、ならびに、少なくともラジカル重合性化合物を含み、色材およびラジカル重合光開始剤を含まないインキ組成物Bを含む、また別な二成分の光硬化性インキ組成物の組合せが開示されているが、ここでそのインキ組成物Aおよび/またはBには増感剤が含まれている。
二成分の光硬化性インキ組成物は、使用者がその二つの成分を所定の比率で混合し、所定の時間内に、そのように混合した二成分の光硬化性インキ組成物を使用しなければならないという欠点を有している。
特にインクジェット印刷インキにおいては、二成分の光硬化性インキを使用するというのは実用的ではない。ほとんどの場合、インクジェット印刷インキは、開封することが不可能な密閉容器に詰めて、顧客に納品される。したがって、顧客にとって、二つの成分を混合するという機会が存在しない。二つの成分が混合可能であるという場合においては、そうして混合したインキは、印刷プロセスが実施されるまでは、重合が開始されないという点で、安定でなければならない。これは極めて厳しい要求であるが、その理由は、インクジェットプリンタにおけるUV硬化プロセスには、通常、ランプによって照射される高エネルギーが含まれているからである。このエネルギーが、それぞれの容器の中に貯蔵されているインキの温度上昇をもたらし、その結果、望ましくない重合が起きる危険性が高くなる。
貯蔵されるそれぞれの成分に別々な二つの容器を使用しようとするまた別な可能性も挙げられるであろう。そうなると、印刷プロセスの間に、複数の成分をかなり適切に混合するために、印字ヘッドにおいて、やっかいな混合技術が必要となってくるであろう。
二成分のUVインクジェット印刷インキを使用しようとすると、これらの欠点があるために、改良されたUVインクジェット印刷インキの必要性が大きく生じている。
上述の従来技術の文書の光硬化性インキ組成物に伴うまた別な欠点は、単官能のモノマーは特に臭気が強く、インキ組成物が硬化する前または硬化中に蒸発するというところにもある。単官能のモノマー性化合物は多くの場合、プリントショップやオフィスのスタッフのような使用者に対して、毒性があり有害である。
印刷インキにおいて効果顔料を使用して、優れた光学的性質を有する、たとえばメタリックな印象もしくは光学的に変化する印象を与える印刷画像を作り出すことを可能とするような要求が存在する。効果顔料は、粒子サイズが大きくなるにつれて、改良された光学的外観を作り出す。残念ながら、効果顔料は、インクジェット印刷インキ組成物の中で、重力のために沈降する傾向がある。インクジェット印刷インキ組成物がペイントまたはラッカーであれば、そのインクジェット印刷インキ組成物は、容易に機械的に撹拌して、効果顔料を分散させることが可能である。効果顔料をプリンタのカートリッジの中で使用する場合、そのインキを撹拌するのは、極めて困難である。
本発明の目的は、効果顔料を含み、各種の成分を混合する必要がない、すぐ使用できるインクジェット印刷インキ組成物を提供することである。
本発明の目的はさらに、印刷インキとして使用することが可能な効果顔料を含むインクジェット印刷インキ組成物を提供することであるが、ここでその効果顔料は分散状態が維持されている。
本発明のまた別な目的は、有害となる可能性が減少されているか、または無い、効果顔料を含むインクジェット印刷インキ組成物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、効果顔料を含む硬化可能な印刷インキ組成物として使用することができる、インクジェット印刷インキ組成物を提供することである。
本発明の目的は、効果顔料を含む一成分の(1K)UVインクジェット印刷インキ組成物を提供することによって解決されるが、
ここでその組成物には、
a)少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリレートモノマー、
b)少なくとも1種の光開始剤、
c)D98<10μmの体積平均粒子サイズ分布を有する効果顔料、
d)場合によっては三官能および/または多官能の(メタ)アクリレートモノマー、
が含まれ、
そしてそのインクジェット印刷インキ組成物の粘度が、DIN 53453(独国工業標準規格)に従い、二重ギャップシリンダ(double gap cylinder)を使用したBrookfield R/Sレオメーターを用いて、150rpm、25℃で10分間測定して、最大で30mPasであり、そしてa)の少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリレートモノマーとd)の三官能および/または多官能の(メタ)アクリレートモノマーを合計した濃度が、(メタ)アクリレートモノマーの全量を基準にして、75〜100重量%の範囲である。
本発明の一成分の(1K)UVインクジェット印刷インキ組成物はすぐ使用することが可能であって、その他のいかなる成分も混ぜ込むことなく、直接使用することができる。
一成分の(1K)UVインクジェット印刷インキ組成物の好ましい実施態様は、従属請求項2〜20に明示されている。
本発明者らは、一成分のUVインクジェット印刷インキ組成物が、単官能の(メタ)アクリレートモノマーを含まないか、または低レベルでしか含まないならば、臭気が極めて低い一成分のUVインクジェット印刷インキ組成物を提供することが可能であるということを見出した。
本発明において、「二官能の(メタ)アクリレートモノマー」という用語は、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物からなる群より選択される2種の化学種か、またはアクリレートおよびメタクリレートからなる群からの1種の化学種ならびにそれに加えてさらに(それぞれUV光重合で反応することが可能な)1種のビニル基、のいずれかを含むモノマーを意味している。ビニル基が光重合する能力とは、この基が、UVで開始されるラジカル重合を開始させることが可能である必要はないが、既に開始されているラジカル重合に参加することは可能であるということを意味している。
別な言い方をすれば、「二官能」の(メタ)アクリレートという用語は、本発明において使用したとき、1個のビニル基と1個の(メタ)アクリル基を含むモノマーも意味している。
「単官能の(メタ)アクリレートモノマー」という用語は、本発明において、そのモノマーが、1個のアクリレート基か、または1個のメタクリレート基のいずれかを含んでいるということを意味している。そのモノマーには、光重合することが可能なビニル基は一切含まれない。
「三官能の(メタ)アクリレートモノマー」という用語は、本発明において、そのモノマーが、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物からなる群より選択されるn個の基と、UV光重合で反応することが可能な(3−n)個のビニル基を含むことを意味しているが、ここで、nは、1〜3の間の整数であり、好ましくはn=3である。
別な言い方をすれば、「三官能」の(メタ)アクリレートという用語は、本発明において使用したとき、1個または複数のビニル基を含むモノマーも意味してはいるが、ただし、そのモノマーには、少なくとも1個のアクリレート基またはメタクリレート基が含まれている。
「多官能の(メタ)アクリレートモノマー」という用語は、本発明において、それぞれのモノマーが、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物からなる群より選択されるm個の基と、UV光重合で反応することが可能なm個のビニル基を含み、ここで、m=m+mが、4〜10の間の整数であるが、ただし、mは1〜10の間の整数であり、mは0〜9の間の整数である、ということを意味している。
別な言い方をすれば、「多官能」という用語は、本発明において使用したとき、1個または複数のビニル基を含むモノマーも意味しているが、ただし、そのモノマーは、少なくとも1個のアクリレートおよび/またはメタクリレート基を含み、そのモノマーの中のアクリレートおよび/またはメタクリレート基またはビニル基を合計した数が4〜10の間である。
「(メタ)アクリレートモノマー」という用語は、本発明において、すべてのアクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、および/またはアクリレートメタクリレートモノマーを意味していて、アクリレートおよび/またはメタクリレート基の数とは無関係である。
「mPas」という用語は、「mPa・s」を意味している。
「UV」という用語は、「紫外」または「紫外光」を意味している。
「1K UVインクジェット印刷インキ組成物」という用語は、一成分のUVインクジェット印刷インキ組成物を意味している。
「2K UVインクジェット印刷インキ組成物」という用語は、二成分のUVインクジェット印刷インキ組成物を意味している。
「重量%」は、「重量によるパーセント」を意味している。
「微小板状顔料」、「板状顔料」、「微小板状効果顔料」、および「板状効果顔料」という用語は、相互に言い換え可能で使用されている。
本発明者らは、驚くべきことには、反応性モノマーとして、主として二官能または三官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを含むことが可能な、特にUV硬化性インクジェット印刷インキとして有用な、1K UVインクジェット印刷インキ組成物を提供することが可能であるということを見出した。
本発明においては、そのインクジェット印刷インキ組成物の粘度が、DIN 53453(DIN=「Deutsche Industrienorm」、英語では「German Industrial Standards」(独国工業標準規格))に従い、二重ギャップシリンダを使用したBrookfield R/Sレオメーターを用いて、150rpm、25℃で10分間測定して、最大で30mPasである必要がある。
30mPas未満の粘度が、インクジェットプリンタにおいてUVインクジェット印刷インキ組成物を使用するための必要条件である。1K UVインクジェット印刷インキ組成物が30mPasよりも高い粘度を有していると、その高粘度が原因で、印刷プロセスに問題が発生する可能性が高い。
さらに、UVインクジェット印刷インキ組成物には微小板状顔料である効果顔料が含まれているので、これらの効果顔料が、印刷された後にその基材の表面に平行になるよう自己配列して、観察者に対して訴求力のある光学的効果が与えられるようにする必要もある。
本発明者らは、インクジェット印刷インキ組成物の粘度が最大で30mPasであることと、効果顔料がD98<10μmの体積平均粒子サイズ分布を有していることの組み合わせが、何の問題もなく1K UVインクジェット印刷インキ組成物を吐出させることを可能とし、そしてそのインクジェット印刷インキ組成物が印刷された後で効果顔料を自己配列させることを可能とする、素晴らしい組合せであることを見出した。
さらに、本発明者らは、D98<10μmの体積平均粒子サイズ分布を有する効果顔料は、そのサイズが小さいために、顕著な沈降を起こすことがないということも見出した。このことは、有機顔料と比較して密度がより高く、顔料あたりの相対的な重量がより重い金属効果顔料としては、特に驚くべきことであった。効果顔料のサイズを小さくしても、印刷レイアウトにおいて得られる光学的外観が、それにもかかわらず優れているということも判明した。さらに驚くべきことには、効果顔料の粒子サイズを小さくしたことで、プリンタのノズルやチューブやその他の部分での閉塞がなくなるので、このインクジェット印刷インキ組成物を印刷インキとして使用することも可能となる。
(メタ)アクリレートモノマー:
単官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)は、二官能または多官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)よりも、顕著に低い粘度を有している。したがって、当業界においては、単官能の(メタ)アクリレートモノマーが、硬化させたコーティングのポリマーを構築するためのモノマーとして使用されている。粘度が低いために、プリンタ中のUV硬化性印刷インキとして本組成物を容易に使用し、吐出することが可能となる。
驚くべきことには、本発明者らは、インクジェット印刷インキ組成物の総合的な粘度が最大で30mPasであるならば、本発明の目的のために二官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)を使用することが可能であるということを見出した。30mPas以下の粘度であれば、本発明のインクジェット印刷インキ組成物で印刷した後、それが硬化するより前に、効果顔料が自己配列することができるようになる。
本発明の好ましい実施態様においては、そのインクジェット印刷インキ組成物の粘度が、1mPas〜26mPasの間、さらに好ましくは4mPas〜22mPasの間の範囲である。さらに、そのインクジェット印刷インキ組成物の粘度が、7mPas〜18mPas、または10〜15mPasの間の範囲であれば好ましい。
本発明の好ましい実施態様においては、そのインクジェット印刷インキ組成物には、いかなる蒸発可能な溶媒も含まず、好ましくは溶媒をまったく含まない。しかしながら、少量の溶媒は許容できる。インクジェット印刷インキ組成物中の溶媒の量は、0〜20重量%、たとえば3〜14重量%または5〜9重量%の間の範囲である。本発明のインクジェット印刷インキ組成物が溶媒を含むとすれば、それは低揮発性または不揮発性の溶媒であるのが好ましい。低揮発性溶媒は、ジエチルエーテルに比較して、50より高い蒸発速度と定義される揮発度を有している。揮発性溶媒は、技術的に有利となる可能性があるものの、特定の市場では受け入れられないが、その理由は、溶媒の蒸気がUV乾燥ランプの高熱部分に接触する可能性があり、それが原因で爆発を起こすという固有の危険性があるからである。
二官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)を使用することに伴うまた別な利点は、モノマー1個あたりに、2個のアクリレートおよび/またはメタクリレート基か、または1個の(メタ)アクリレート基と反応性ビニル基の組合せが存在することによって、得られたコーティングが、より迅速に硬化されることである。(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)の反応性は、モノマー1個あたりのアクリレートおよび/またはメタクリレート基の数に従って高くなる。したがって、二官能の(メタ)アクリレートモノマーは、単官能の(メタ)アクリレートモノマーよりも反応性が顕著に高い。本発明のインクジェット印刷インキ組成物の反応性は、本発明のインクジェット印刷インキ組成物に三官能および/または多官能の(メタ)アクリレート(1種または複数)を加えれば、さらに高くすることも可能である。
インクジェット印刷インキ組成物を印刷インキとして使用するのならば、重合の反応速度を高くするということは、顕著な改良である。反応速度が高くなることで、印刷プロセスがさらに加速される、すなわち、単位時間あたりの、印刷および硬化させた製品の数を増大させることができる。
二官能の(メタ)アクリレート(1種または複数)を使用することによって、得られたコーティングの架橋度もまた増大するが、その理由は、モノマー1個あたり2個のアクリレートおよび/またはメタクリレート基、または、存在するとすればビニル基を介して、モノマーを架橋させることができるからである。本発明のインクジェット印刷インキ組成物に対して、たとえばモノマー1個あたり4個〜6個のアクリレートまたはメタクリレート基を有する三官能または多官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)を添加することによっても、架橋度をさらに上げることができる。存在するとすれば各種のビニル基によっても架橋度がさらに高くなる。
三官能および/または多官能の(メタ)アクリレート(1種または複数)モノマーをさらに使用するかどうかは、用途に依存する。三官能および/または多官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)を添加すると、得られるコーティングの表面がより硬くなり、引掻き抵抗性が改良される。しかしながら、それと同時に、得られたコーティングの屈曲性は低下する。
したがって、硬度および/または引掻き抵抗性を向上させたいと望むのならば、先に定義されたような三官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)および/または多官能の(メタ)アクリレート(1種または複数)を添加するのが好ましい。
本発明のインクジェット印刷インキ組成物に対して三官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)を添加することは、比較的に引掻き抵抗性のあるコーティングを得ると同時に、そのコーティングの屈曲性もある程度は維持するために、有利であるということが判明した。
本発明のインクジェット印刷インキ組成物に対して単官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)を添加することも可能であるのは言うまでもないことではあるが、ただし、単官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)は、インクジェット印刷インキ組成物中の(メタ)アクリレートモノマーの全量を基準にして、0〜25重量%の間の範囲の量で添加するものとする。
好ましくは、単官能の(メタ)アクリレートモノマーの量は、それぞれインクジェット印刷インキ組成物中の(メタ)アクリレートモノマーの全量を基準にして、20重量%まで、好ましくは14重量%まで、より好ましくは9重量%までである。
また別な実施態様においては、単官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)の量は、それぞれ、インクジェット印刷インキ組成物中の(メタ)アクリレートモノマーの全量を基準にして、1〜8重量%の間または2〜5重量%の間の範囲である。
また別な好ましい実施態様においては、単官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)の量は、それぞれ、インクジェット印刷インキ組成物中の(メタ)アクリレートモノマーの全量を基準にして、0〜5重量%の間または0〜3重量%の間の範囲である。
本発明の好ましい実施態様においては、そのインクジェット印刷インキ組成物は、いかなる単官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)も含まない。本発明のインクジェット印刷インキ組成物は、(メタ)アクリレートモノマーの点では、二官能および三官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)しか含まないのが好ましい。
本発明のまた別な実施態様においては、少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1種の三官能の(メタ)アクリレートモノマーに対する重量比が、2:1〜12:1(w/w)の間の範囲である。また別な好ましい実施態様においては、その重量比が、2.5:1〜10:1(w/w)の範囲である。
一般的には、その官能性のいかんに関わらず、アクリレートモノマーの方が、メタクリレートモノマーよりも好ましい。
本発明のまた別な実施態様においては、インクジェット印刷インキ組成物中における、少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリレートモノマーおよび任意の各種のさらなる(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)の粘度が、式(I)の条件を満たし、
Figure 0006126586
好ましくは≦26mPas、さらに好ましくは≦22mPas、より好ましくは≦18mPas、より好ましくは≦15mPasであるが、ここで、nは、各種のモノマーを合計した数であり、xは、モノマー混合物の全重量を基準にして、あるモノマーiの量(重量%)であり、そしてηは、25℃におけるモノマーiの粘度である。式(I)は、少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリレートと、さらには場合によっては存在していてもよい、三官能、多官能、および/または単官能の(メタ)アクリレートであってよいその他の各種の(メタ)アクリレートの混合物の粘度を表している。
本発明のまた別な実施態様においては、少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリルモノマーおよび任意の各種のさらなる(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)の表面張力が、19mN/mより高い、より好ましくは24mN/mより高い、さらに好ましくは30mN/mより高い。そのような二官能の(メタ)アクリルモノマーは、驚くべきことには、改良されたリーフィング効果を効果顔料に与えることが可能である。
表面張力は、ISO 6889に従い、Wilhelmyのプレート法で、Kruess Tensiometer K100を用いて測定することができる。
さらに、少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリルモノマーおよび任意の各種のさらなる(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)が、それぞれ、350g/mol未満、より好ましくは290g/mol未満の分子質量を有しているのが好ましい。
本発明のまた別な実施態様においては、少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリルモノマーが、式(II)を有しているが、
−B (II)
ここで、Bは、1〜20個のC原子を有し、O、SまたはNHを含んでいてもよい、直鎖状、分岐状、または環状の脂肪族または芳香族残基であり、z=2、E=アクリレートまたはメタクリレートまたはビニルであるが、ただし、その二官能の(メタ)アクリレートモノマーには、少なくとも1個のアクリレートまたはメタクリレート基が含まれている。
本発明のまた別な実施態様においては、少なくとも1種の三官能または多官能の(メタ)アクリルモノマーが、式(III)を有しているが、
−B (III)
ここで、Bは、1〜20個のC原子を有し、O、SまたはNHを含んでいてもよい、直鎖状、分岐状、または環状の脂肪族または芳香族残基であり、y=3〜10、E=アクリレートまたはメタクリレートまたはビニルであるが、ただし、その三官能または多官能の(メタ)アクリレートモノマーには、少なくとも1個のアクリレートまたはメタクリレート基が含まれている。好ましいyは3〜6である。
本発明のまた別な実施態様においては、式(II)および/または式(III)におけるBが、1〜12個のC原子、好ましくは2〜6個のC原子を有し、O、SまたはNHを含んでいてもよい、直鎖状、分岐状または環状の脂肪族または芳香族残基である。
本発明においては、UVインクジェット印刷インキ組成物が、少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリレートモノマーを含んでいることが必要である。
この二官能の(メタ)アクリレートモノマーに加えて、先に説明したように、単官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)および/または三官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)および/または多官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)を、本発明のインクジェット印刷インキ組成物に添加して、各種の(メタ)アクリレートモノマーの混合物を使用するようにすることもできる。
本発明のまた別な実施態様においては、(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)の全重量を基準にした、二官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)の量は、50〜100重量%の間、好ましくは60〜95重量%の間、さらに好ましくは65〜90重量%の間、さらに好ましくは70〜90重量%の間の範囲であるが、それぞれ、全部の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)を合計した重量を基準にしたものである。
本発明のまた別な実施態様においては、(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)の全重量を基準にした、三官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)の量は、5〜40重量%の間、好ましくは10〜35重量%の間、さらに好ましくは10〜30重量%の間の範囲であるが、それぞれ、全部の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)を合計した重量を基準にしたものである。
本発明のまた別な実施態様においては、(メタ)アクリレートモノマーの全重量を基準にした、多官能のアクリレートモノマーの量は、0〜30重量%の間、好ましくは0〜20重量%の間、さらに好ましくは2〜15重量%の間の範囲であるが、それぞれ、全部の(メタ)アクリレートモノマーを合計した重量を基準にしたものである。
本発明のまた別な実施態様に従えば、そのインクジェット印刷インキ組成物の粘度は、DIN 53453に従い、二重ギャップシリンダを使用したBrookfield R/Sレオメーターを用いて、150rpm、25℃で10分間測定して、1〜30mPasの間、好ましくは4〜24mPasの間、より好ましくは8〜20mPasの間の範囲である。
(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)の粘度も同様にして、DIN 53453に従い、二重ギャップシリンダを使用したBrookfield R/Sレオメーターを用いて、150rpm、25℃で10分間測定する。
二官能の(メタ)アクリレートモノマーの粘度は、好ましくは1mPas〜15mPasの範囲、より好ましくは2mPas〜12mPasの間、さらに好ましくは4mPas〜10mPasの間である。
三官能の(メタ)アクリレートモノマーの粘度は、30mPas〜100mPas、さらに好ましくは30mPas〜70mPasの間の範囲である。
多官能の(メタ)アクリレートモノマーの粘度は、100mPas〜500mPasの間、好ましくは100mPas〜200mPasの間の範囲であるのが好ましい。
本発明の好ましい実施態様においては、その二官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)は以下のものからなる群より選択される:エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリルオキシプロパン、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアクリレート、およびそれらの混合物。
この群の中でより好ましいモノマーは、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアクリレート、およびプロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ならびにそれらの混合物である。
三官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)は、好ましくは、以下のものからなる群より選択される:トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、プロポキシル化グリセロールトリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、およびそれらの混合物。
この群の中でより好ましいモノマーは、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ならびにそれらの混合物である。
多官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)は、好ましくは、以下のものからなる群より選択される:ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ−ペンタエリスリトールペンタアクリレート、およびそれらの混合物。
単官能の(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)は、1K UVインクジェット印刷インキ組成物の中に存在させるとすれば、好ましくは、以下のものからなる群より選択される:(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、(2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メトキシジエチレングリコールモノアクリレート、アクリロイルモルホリン、ラウリルアクリレート、イソデシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、オキシエチル化フェノールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−(2−エトキシ−エトキシ)エチルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、およびそれらの混合物。
この群の中でより好ましいモノマーは、テトラヒドロフルフリルアクリレートおよびフェノキシエチルアクリレート、ならびにそれらの混合物である。
本発明のまた別な実施態様においては、その効果顔料が、微小板状の金属効果顔料である。
金属効果顔料が本発明の1K UVインクジェット印刷インキ組成物の中で使用可能であるということに、本発明者らは驚いた。そのインクジェット印刷インキ組成物は、UV光を用いた照射により硬化される。しかしながら、金属効果顔料、特にアルミニウム効果顔料は鏡面様であって、高い反射率を有し、その結果、入射したUV光を反射する。UV光の部分的な反射とは無関係に、そのインクジェット印刷インキ組成物は、確実に硬化されるということが判明した。理論に拘束されることを望む訳ではないが、インクジェット印刷インキ組成物の中に含まれる金属効果顔料が有する「欠点」は、UV照射による硬化が損なわれることになると予想されることであろうが、その欠点は、当業界において使用されている単官能の(メタ)アクリレートモノマーに比較して、高い化学的な反応性を有する二官能の(メタ)アクリレートモノマーを使用することによって、補われると考えられる。
効果顔料:
効果顔料は、微小板状または板状の顔料であって、たとえば微小板状の金属効果顔料または干渉顔料、たとえば、真珠光沢顔料が挙げられる。微小板状金属効果顔料が特に好ましい。
効果顔料は、微小板様の構造を特徴としていて、それによって、入射光を反射させたり、および/または入射光を屈折させたりすることが可能となる。金属効果顔料は小さな鏡のような機能を果たして、そのメタリックな微小板状の表面で入射光を反射させる。真珠光沢顔料は、少なくとも部分的に透明であって、そのために、入射光の一部が、顔料の表面、または真珠光沢顔料の構造を構成している層で反射され、入射光の別な一部が、層状構造のところで屈折されて、顔料の中を通過する。その結果として、干渉が起きて、その真珠光沢顔料が、視角に応じて色の変化を示す。
訴求力のある光学効果を得るためには、その板状顔料が、塗布されたインクジェット印刷インキ組成物、たとえばラッカー、ペイント、印刷インキなどの中で、基材の表面に平行になるように自己配列しなければならない。その場合、入射光は、先に説明したような各種の板状顔料によって、協調的に反射および/または屈折される。その板状顔料が配列していない、すなわちその効果顔料の表面が統計的な配列をとっていると、入射光はすべての方向に散乱されて、見る者に不快感を与える。
微小板状金属効果顔料は、メタリック粒子を機械的に造形することによって、たとえばボールミルまたはアトリションミルの中でメタリック粒子を磨砕することによって、得ることができる。磨砕にかけるメタリック粒子は、慣用される方法で、融解した金属をアトマイズすることによって得ることができる。別な方法として、金属フォイルを使用し、それをさらに微粉砕することもまた可能である。
さらに別な方法として、剥離コーティングを被覆した平坦な基材の上に、蒸発させた金属を物理的蒸着させることによって得られた、微小板状金属効果顔料を使用することもまた可能である。蒸着された金属のシートまたはフォイルをその平坦な基材から剥離させ、次いで微粉砕する。これらの顔料は、一般的には、PVD顔料と呼ばれている。
金属効果顔料は、以下のものからなる群より選択される金属で作られているのが好ましい:アルミニウム、鉄、銅、クロム、亜鉛、スズ、黄銅、青銅、鉛、銀、金、それらの合金、およびそれらの混合物。アルミニウム効果顔料、銅効果顔料、および青銅効果顔料が特に好ましい。最も好ましい実施態様においては、その金属効果顔料はアルミニウム効果顔料である。
微小板状金属効果顔料は、たとえばボールミル磨砕法のような機械的な造形法か、または物理的蒸着法のいずれかによって得られる。その後で、所望の小さなサイズにするために、追加の工程でそれらを微粉砕しなければならない。これについては、US 20100279083 A1に詳しく記載されている(この特許を参考として引用し、本明細書に組み入れたものとする)。
所望の小さなサイズの真珠光沢顔料は、WO 2011/000491 A2に従って得ることができる(この特許を参考として引用し、本明細書に組み入れたものとする)。
金属効果顔料は、腐食抑制剤またはバリヤーコートを用いて処理する必要があるが、それらは、金属効果顔料の表面に付着して、その金属効果顔料を酸化および/または腐食から保護する。
金属効果顔料の被包は、金属顔料の表面による重合反応の触媒作用を防止するために、特に必要である。金属効果顔料の表面は、触媒的に活性で、モノマーのUVにより誘発される重合を促進させる可能性があり、そのため、従来からの顔料を用いて顔料処理されたインキに比較して、顔料処理されたインクジェット印刷インキの貯蔵寿命を大幅に縮める可能性がある。
好ましい実施態様においては、腐食抑制添加剤を用いて金属効果顔料をコーティングする。この添加剤の最も好ましい例は、リン含有添加剤、たとえば、リン酸誘導体、ホスホン酸誘導体、またはホスフィン酸誘導体、またはそれらの混合物である。
そのような添加剤は金属顔料の表面と化学結合を形成するが、通常は、それらの有機残基とは架橋しない。
他の好ましい実施態様においては、その金属効果顔料が、三次元的に架橋されたコーティング、たとえば、有機ポリマーコーティングまたは金属酸化物またはそれらの混合物で被包されている。
そのようなコーティングがバリヤーコートとして機能して、上述の望ましくない欠陥を防止する。
三次元的に架橋されたコーティングは、また、添加剤の処理と組み合わせて、金属効果顔料の表面を安定化させることもできる。
そのような、三次元的に架橋された有機ポリマーコーティングの被包は、アクリレートおよび/またはメタクリレートコーティングであってよい。
本発明のまた別な実施態様においては、その金属効果顔料は、保護作用を有する金属酸化物のコーティング、たとえば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素および/または酸化セリウムを用いて被包される。
保護作用を有する無機コーティングは、好ましくは酸化ケイ素、最も好ましくは二酸化ケイ素である。酸化ケイ素、好ましくは二酸化ケイ素は、水ガラスを使用して顔料の表面に適用することができる。さらに好ましい実施態様においては、酸化ケイ素、好ましくは二酸化ケイ素を、ゾル−ゲル技術を使用して適用するが、ここでは、ケイ素テトラアルコキシド(そのアルコキシは好ましくはメトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシである)を加水分解させて、酸化ケイ素、水酸化ケイ素および/または酸化ケイ素水和物を顔料の表面上に析出させるのが好ましい。
高屈折率の金属酸化物、たとえば酸化鉄、酸化チタン、酸化スズ、酸化クロム、酸化亜鉛、またはそれらの混合物のコーティングを適用することもまた可能である。
好ましくは、酸化ケイ素および/または酸化アルミニウムの低屈折率のコーティングを最初に適用する。本発明のまた別な実施態様においては、高屈折率の金属酸化物コーティング、好ましくは酸化鉄および/または酸化チタンを、最初の酸化ケイ素コーティングの上に適用する。
本発明のまた別な実施態様においては、その高屈折率の金属酸化物、たとえば酸化鉄および/または酸化チタンを、さらに、酸化セリウムコーティングと、好ましくはさらに最表の酸化ケイ素コーティング(有機化学的に修飾されていてもよい)によってコーティングする。別な方法として、有機化学的に修飾されていてもよいその酸化ケイ素コーティングを、直接的に、すなわち酸化セリウムコーティングを適用することなく、高屈折率の金属酸化物、たとえば酸化鉄および/または酸化チタンの表面に適用してもよい。
本発明のまた別な実施態様においては、その金属効果顔料を、高屈折率−低屈折率、または低屈折率−高屈折率の金属酸化物の層を用いて交互にコーティングする。
1.8未満、好ましくは1.5〜1.6の範囲の屈折率を有する金属酸化物が、本発明における低屈折率金属酸化物である。1.8を超える、好ましくは2.0〜2.7の間の範囲の屈折率を有する金属酸化物が、本発明における高屈折率金属酸化物である。
最表層、好ましくは酸化ケイ素、特に二酸化ケイ素の上に適用することが可能な有機化学的修飾は、好ましくはシランコーティングであるが、ここで適用されるシランは、化学的な反応性を有していても、あるいは非反応性であってもよい。
好ましい実施態様においては、そのシラン(1種または複数)が、化学的な反応性がある。そのシラン(1種または複数)が、アクリレートおよびメタクリレート基の少なくとも一つを含んでいるのが好ましい。
化学的な反応性があるシランは、以下のものからなる群より選択することができる:アクリルオキシメチルジメチルメトキシシラン、アクリルオキシメチルメチルジメトキシシラン、アクリルオキシメチルトリメトキシシラン、メタクリルオキシメチルジメチルメトキシシラン、メタクリルオキシメチルメチルジメトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリメトキシシラン、アクリルオキシメチルジメチルエトキシシラン、アクリルオキシメチルメチルジエトキシシラン、アクリルオキシメチルトリエトキシシラン、メタクリルオキシメチルジメチルエトキシシラン、メタクリルオキシメチルメチルジエトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリエトキシシラン、およびそれらの混合物。
微小板状金属効果顔料の外側表面の上に、アクリレートおよび/またはメタクリレート基(1種または複数)を含有するシランを適用するのが有利であるが、その理由は、これらの基が、本発明の1K UVインクジェット印刷インキ組成物の中のモノマーのアクリレートおよび/またはメタクリレート基と容易に反応することができるからである。その結果、その微小板状金属効果顔料が、硬化されたコーティングの中で、重合されたアクリレートおよび/またはメタクリレートモノマーと共有結合的に結合し、一体化される。
言うまでもないことであるが、化学的な反応性がある、アクリレートおよびメタクリレートと異なった有機官能基、たとえばビニル、エポキシ、アミノ、ヒドロキシルなどを含むシランを適用することもまた可能である。好ましい実施態様においては、シランの化学的な反応性がある有機官能基は、本発明のインクジェット印刷インキ組成物の中で使用されている(メタ)アクリレートモノマーに対して反応性がある。
効果顔料のリーフィング挙動を改良するためには、疎水性シラン、たとえばC8〜C24のアルキル基、好ましくはC10〜C18のアルキル基を有するアルキルシランを用いて効果顔料をコーティングするのも好ましい。リーフィング効果の重要性については、後で説明する。
本発明の好ましい実施態様においては、その効果顔料を、化学的な反応性がある有機官能基、たとえばアクリレートまたはメタクリレートを有するシランを用い、さらにはC8〜C24のアルキル基、好ましくはC10〜C18のアルキル基を有するアルキルシランを用いてコーティングする。
そうして得られたコーティングは、引掻き抵抗性、耐湿性、および機械的安定性を有しているが、その理由は、微小板状金属効果顔料が、重合したアクリレートおよび/またはメタクリレートモノマーと化学的に結合して、その中に組み込まれているからである。
微小板状金属効果顔料に代えて、真珠光沢顔料のような干渉顔料を使用することも可能であり、本発明の一部である。
真珠光沢顔料は透明な微小板状顔料であって、それにおいては、微小板状透明基材、たとえば、天然もしくは合成マイカ、ガラス微小板、二酸化ケイ素微小板、および/または酸化アルミニウム微小板の上に、高屈折率を有する金属酸化物が適用されている。高屈折率の金属酸化物は、先に挙げた材料と同じであって、たとえば酸化鉄および/または酸化チタンである。
低屈折率の微小板状基材の上に、高屈折率と低屈折率の金属酸化物が交互になるような層を適用することが可能である。その低屈折率の金属酸化物は、先に金属効果顔料に関して挙げたものと同じである。
微小板状金属効果顔料に関して先に挙げた説明はすべて、それぞれ真珠光沢顔料に対してもあてはまる。
本発明においては、その効果顔料(微小板状金属顔料および/または真珠光沢顔料であってよい)が、D98<10μmの体積平均粒子サイズ分布を有している。
98<10μmということは、全部の粒子の98%が、示された数値未満である、すなわち本発明の場合では10μm未満であるということを意味している。別な言い方をすれば、全部の粒子の2%が示された数字より大きい。
本発明のまた別な実施態様においては、その効果顔料が、D98<8μmを有しているが、このことは、全部の粒子の98%が、8μm未満の直径を有しているということを意味している。
好ましい実施態様においては、その効果顔料が、D90<8μmを有している。このことは、全部の粒子の90%が、8μm未満の粒子サイズを有し、10%が8μmを超える粒子サイズを有しているということを意味している。本発明においては、同時に、全部の粒子の98%が、10μm未満のサイズを有している。
本発明のまた別な好ましい実施態様においては、その効果顔料が、少なくとも0.3μm、好ましくは少なくとも0.8μmのD10値を有している。別な言い方をすれば、全部の顔料の10%が、それぞれ1μm未満または2μm未満の粒子サイズを有している。
また別な好ましい実施態様においては、その効果顔料が、1〜4μm、より好ましくは1.5〜3μmの範囲のD50値を有している。
効果顔料の粒子サイズ、すなわち直径は、CILAS 1064装置を使用したレーザー粒度測定法によって測定することができる。
本発明のインクジェット印刷インキ組成物において使用する効果顔料は、500:1〜10:1、たとえば250:1〜50:1の範囲のアスペクト比(その板状効果顔料の直径の板状効果顔料の厚みに対する比率)を有しているのが好ましい。好適なアスペクト比は、150:1〜70:1の範囲である。
本発明のまた別な好ましい実施態様においては、その効果顔料(微小板状金属顔料および/または真珠光沢顔料であってよい)が、リーフィング顔料である。
「リーフィング」は、顔料が、適用されたコーティング膜、たとえばラッカーの膜、ペイントの膜、またはインキの膜の、表面または表面の近傍で配列するということを意味している。リーフィング顔料を含むコーティングは、顔料がそのコーティングの表面または表面の近傍で配列しているので、特に輝度の高い光学的外観を与える。
本発明のインクジェット印刷インキ組成物において使用する効果顔料のリーフィング挙動は、効果顔料、特に金属効果顔料が重力のために沈降する傾向に拮抗する。したがって、リーフィング効果は、優れた光学効果を作り出すだけではなく、特に印刷インキのインクジェット印刷インキ組成物を最適化させて、効果顔料、特に金属効果顔料が沈降するのを妨げることもする。
効果顔料がリーフィング性であるか非リーフィング性であるかどうかの性質は、その顔料の表面を修飾することによって調節することができる。たとえば顔料の表面にステアリン酸を適用したとすると、効果顔料のリーフィング挙動が誘発される。顔料の表面にオレイン酸を適用したとすると、非リーフィング顔料が得られる。コーティング媒体の上または表面の近傍に浮くリーフィング顔料とは対照的に、非リーフィング顔料は、それら自体、コーティング媒体の内部で配列する。
脂肪酸に加えて、有機リン酸および/またはホスホン酸のような添加剤を使用しても、リーフィング挙動を誘発させることが可能である。これらの添加剤は、腐食抑制添加剤としても機能する。
金属効果顔料、特にアルミニウム効果顔料は、固有の高い化学的反応性をすでに有している(メタ)アクリレートモノマー、特に二官能、三官能および/または多官能の(メタ)アクリレートモノマーの重合では、触媒として働く可能性がある。(メタ)アクリレートモノマーがあまりにも早く重合することを防止する目的で、効果顔料、特に金属効果顔料、特にアルミニウム効果顔料の表面を、顔料表面の重合触媒能を妨げる添加剤を用いてコーティングしておくのが好ましい。
有機リン酸またはホスホン酸は、C4〜C20の脂肪族で直鎖状または分岐状のリン酸またはホスホン酸からなる群より選択するのが好ましい。WO 2009/083176 A1に記載されているような、C4〜C20の脂肪族で直鎖状または分岐状のリン酸またはホスホン酸からなる群より選択される有機リン酸またはホスホン酸を用いて、効果顔料をコーティングするのが好ましい(この特許を参考として引用し、本明細書に組み入れたものとする)。
これらの実施態様においては、そのリン含有添加剤には、少なくとも1種のホスフィン酸、ホスフィン酸エステル、ホスホン酸、ホスホン酸エステル、リン酸、および/またはリン酸エステル、またはそれらの混合物が含まれる。
リン酸またはリン酸エステルは次の一般式(IV)を有し:
(O)P(OR)(OR)(OR) (IV)
ホスホン酸またはホスホン酸エステルは次の一般式(V)を有し:
(O)PR(OR)(OR) (V)
そしてホスフィン酸またはホスフィン酸エステルは次の一般式(VI)を有するが:
(O)PR(OR) (VI)
ここで、R、R、およびRは、互いに独立して、H、または4〜30個のCを有し、場合によってはたとえばO、S、および/またはNのようなヘテロ原子を含む有機残基であり、RおよびRは、独立して、4〜30個のCを有し、場合によってはたとえばO、S、および/またはNのようなヘテロ原子を含む有機残基である。
有機残基R、R、R、RまたはRはすべて、互いに独立して、分岐状または直鎖状のアルキル、アリール、アルキルアリール、またはアリールアルキルである。
有機残基が、場合によってはたとえばO、S、および/またはNのようなヘテロ原子を含む、4〜24個のC、好ましくは6〜18個のCを有する、直鎖状または分岐状のアルキルであるのが好ましい。
特に有用なのは、好ましくは6〜24個のC、さらに好ましくは6〜18個のCのアルキル残基を有するアルキルホスホン酸である。
、R、およびRがHであるならば、それぞれ、式(IV)はリン酸を表し、式(V)はホスホン酸を表し、そして式(VI)はホスフィン酸を表す。
本発明の好ましい実施態様においては、そのリン含有添加剤が、50〜150mgKOH/gリン含有添加剤の範囲の酸価を有する。酸価が70〜120mgKOH/gリン含有添加剤の範囲であれば、さらに好ましい。
本発明のまた別な実施態様においては、そのリン含有添加剤が、65〜120mgKOH/gリン含有添加剤の範囲のアミン価を有する。アミン価が80〜100mgKOH/gリン含有添加剤の範囲であれば、さらに好ましい。
本発明の好ましい実施態様においては、そのリン含有添加剤が、50〜150mgKOH/gの範囲の酸価と、65〜100mgKOH/gの範囲のアミン価を有する。酸価が70〜120mgKOH/gの範囲で、かつアミン価が80〜100mgKOH/gの範囲であれば、さらに好ましい。
これらの添加剤は、効果顔料のリーフィング挙動を誘発することに加えて、効果顔料の表面上の保護コーティングとして、特に金属効果顔料によって引き起こされる望ましくない重合プロセスが触媒的に誘発されるのを防止するのに役立つ。
本発明のまた別な好ましい実施態様においては、そのリーフィング誘発性添加剤が、たとえばミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリリック酸(stearylic acid)、アラキニック酸(arachinic acid)、ベヘン酸、セロチン酸(serotine acid)、およびそれらの混合物のような飽和脂肪酸からなる群より選択される。
メタリック粒子が、たとえばボールミル中で磨砕されて機械的に平坦化される場合には、これらの脂肪酸および/または有機ホスホン酸および/またはリン酸エステルを、潤滑剤として使用することもできる。潤滑剤を添加することによって、機械的平坦化の際の粒子の冷間圧接が回避される。たとえばボールミル中での磨砕のような機械的平坦化の際に、金属の重量を基準にして、好ましくは約1%〜20重量%、より好ましくは2%〜10重量%、極めて好ましくは3%〜5重量%の潤滑剤を使用する。
本発明の特に好ましい実施態様は、以下のものを含む1K UV硬化性インクジェット印刷インキである:
a)少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリレートモノマー、
b)少なくとも1種の光開始剤、
c)PVD法によって調製され、D98<10μmの体積平均粒子サイズ分布を有し、少なくとも部分的に、SiO2、または次の一般式(IV)を有するリン酸もしくはリン酸エステル:
(O)P(OR)(OR)(OR) (IV)
または、次の一般式(V)を有するホスホン酸もしくはホスホン酸エステル:
(O)PR(OR)(OR) (V)
または、次の一般式(VI)を有するホスフィン酸もしくはホスフィン酸エステル:
(O)PR(OR) (VI)
[式中、R、R、およびRは、互いに独立して、H、または4〜30個のCを有し、場合によってはたとえばO、S、および/またはNのようなヘテロ原子を含む有機残基であり、RおよびRは、独立して、4〜30個のCを有し、場合によってはたとえばO、S、および/またはNのようなヘテロ原子を含む有機残基である]
からなる群からのリン含有添加剤を用いてコーティングされた金属効果顔料、
d)場合によっては三官能および/または多官能の(メタ)アクリレートモノマー。
そのインクジェット印刷インキ組成物の粘度は、DIN 53453(独国工業標準規格)に従い、二重ギャップシリンダを使用したBrookfield R/Sレオメーターを用いて、150rpm、25℃で10分間測定して、最大で25mPasであり、そしてa)の少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリレートモノマーとd)の三官能および/または多官能の(メタ)アクリレートモノマーを合計した濃度が、(メタ)アクリレートモノマーの全量を基準にして、75〜100重量%の範囲である。
このインクジェット印刷インキが、まったく含まないかまたはほんの少量(全部の(メタ)アクリレートモノマーを合計した量を基準にして3重量%まで)しか含まないのが、最も好ましい。
光開始剤:
広く各種の光開始剤を使用することが可能である。これに関しては、特別な制限はない。
たとえば、ベンジルジメチルケタール、アルファ−ヒドロキシアルキルフェノン、アルファ−アミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキシド、オキシムエステル、チオキサントン、アルファ−ジカルボニル、アントラキノン、または市販されている光開始剤、たとえば、BASF、Germanyから入手可能なIrgacure(登録商標)およびDarocur(登録商標)の商標で販売されているものなどを使用することができる。
本発明のまた別な実施態様に従えば、その少なくとも1種の光開始剤にはベンゾフェノン誘導体が含まれる。
そのベンゾフェノン誘導体は、ジメチルヒドロキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−メチル−4−(メチルチオ)−2−モルホリノプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−フェニルアセトフェノン、および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンからなる群より選択されるのが好ましい。
光開始剤の混合物を使用するのが特に好ましい。特に好ましい混合物には、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシド、ジメチルヒドロキシアセトフェノンおよびフェニル−ビス−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシドが含まれる。
さらなる成分:
本発明のまた別な態様においては、そのインクジェット印刷インキ組成物に、さらに、たとえば次のような添加剤が含まれる:沈降防止添加剤、消泡剤、防腐剤、耐光安定剤、架橋剤、流動性向上剤、スリップ添加剤、粘度降下剤、pH調節剤など。
インクジェット印刷インキ組成物に対して、効果顔料、特に金属効果顔料、特にアルミニウム効果顔料の場合にその表面に結合する、添加剤、特に沈降防止添加剤および/またはリーフィング添加剤を添加するのが特に好ましい。
本発明のまた別な実施態様においては、そのインクジェット印刷インキ組成物には、シリコーンをベースとする消泡剤が含まれない。さらに、そのインクジェット印刷インキ組成物が、シリコーンをベースとする界面活性剤を含んでいないのが好ましい。
シリコーンをベースとする添加剤は、効果顔料のリーフィング挙動を抑制する傾向があり、そうなると、効果顔料、特に金属効果顔料が、インクジェット印刷インキ組成物、特に印刷インキの中で沈降する傾向が強くなる。したがって、本発明のインクジェット印刷インキ組成物には、シリコーンベースの添加剤を添加することは避けるのが好ましい。
一般的には、本発明のインクジェット印刷インキ組成物が、界面活性剤をまったく含まないか、またはほんの少量の界面活性剤しか含まず、その結果として、効果顔料のリーフィング挙動が損なわれないようにするのが好ましい。界面活性剤の量は、インクジェット印刷インキ組成物の全重量を基準にして、好ましくは0重量%〜2.0重量%の間、より好ましくは0.1〜1.0重量%の間の範囲とする。
インクジェット記録システム:
本発明はさらに、インクジェットプリンタにおいて、本発明で開示された本発明のインクジェット印刷インキを使用することを含む、インクジェット記録方法も目的としている。
本発明によるインクジェット記録方法の好ましい実施態様には、記録媒体およびインクジェット記録装置が含まれていて、前述の1K UVインクジェット印刷インキ組成物が、インクジェットプリンタから吐出されて、記録媒体に付着し、その記録媒体の上に印刷表面を形成し、次いで、その印刷表面に、光として紫外線を照射する。
好ましい実施態様におけるインクジェット記録方法においては、インクジェット記録装置を用いて、インクジェット記録のための光硬化可能なインキ組成物が記録媒体の上に吐出される。その実施態様において使用されるインクジェット記録装置には、インキの液滴を吐出して、その液滴が記録媒体に付着して情報を記録することが可能でありさえすれば、特別な制限はない。
インクジェット記録装置の記録システムは、たとえば、以下のようなシステムが挙げられる:ノズルとそのノズルの前方に配置した加速電極の間に強い電場を印可し、次いで記録のために、そのノズルからインキの液滴を吐出させ、偏向電極に印刷情報の信号を与え、その間にインキの液滴を偏向電極の間で移動させるシステム;インキの液滴を偏向させることなく、印刷情報の信号に従ってインキの液滴を吐出させるシステム(静電引力システム);小型のポンプによってインキの溶液に圧力を加え、水晶振動子などを使用してノズルを機械的に振動させて、インキの液滴を強制的に吐出させるシステム;インキの溶液に対して、圧電素子が、圧力と印刷情報の信号を同時に加えて、記録のためにインキの液滴を吐出させるシステム(圧電システム);または、微小電極を用いて、印刷情報の信号に従ってインキの溶液を加熱して泡を発生させ、記録のためにインキの液滴を吐出させるシステム(サーマルジェットシステム)。
インクジェット記録装置には、インクジェット記録ヘッド部、本体、トレイ、ヘッド駆動機構、キャリッジ、キャリッジの側面に搭載された紫外線照射ユニットなどが含まれる。
特に好ましい実施態様においては、そのインクジェット記録装置には、少なくとも4種のインキチャンネル(シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラック)、ならびに場合によってはさらなるチャンネル(白および/または淡色のマゼンタおよび/またはスポットカラー)が含まれていて、フルカラー印刷が可能なように構成されている。これらのインキチャンネルの少なくとも一つに、本発明によるインクジェット記録のための1K UVインクジェット印刷インキ組成物が充填される。さらに、そのインクジェット記録装置には、その内部に、たとえば、インクジェット記録ヘッド部のインキ吐出のタイミングを調節し、ヘッド駆動機構をスキャンするための、専用制御盤が備えられている。
紫外線の照射は、インクジェット記録装置の中のキャリッジの側面に搭載された紫外線照射ユニットによって実施することができる。照射光の波長には特別な制限はないが、好ましくは350nm〜450nmである。光の線量は、好ましくは10mJ/cm〜20000mJ/cm、より好ましくは50mJ/cm〜15000mJ/cmの範囲である。この線量の範囲内の紫外光で、記録媒体の上に形成された、インクジェット記録のための光硬化可能なインキ組成物の印刷表面を十分に硬化させることができる。
さらに、紫外線の照射は、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプなどからの光ガイドを用いて、印刷表面に光を誘導することによって実施してもよい。光源、たとえば、市販されているランプ、たとえばFusion Systemから入手可能なHランプ、Dランプ、またはVランプを使用することができる。さらに、たとえば紫外光発生ダイオード(紫外LED)または紫外光発生半導体レーザーのような紫外光発生半導体素子も、紫外線の照射を実施するための光源として使用することができる。
紫外線の照射は、先に例示したように、インクジェット記録装置の内部で実施してもよいし、あるいは紫外線照射ユニットを有さないインクジェット記録装置を用いて印刷表面を形成した後に、外部の紫外線照射ユニットを使用して実施してもよい。
実施態様のインクジェット記録方法においては、インクジェット記録装置を使用することによって、その上にインキ組成物を付着させることが可能である限りにおいて、いかなる記録媒体も使用することができる。記録媒体の例には、たとえば、金属、ガラスおよびプラスチックのような非吸収性の記録媒体も含まれる。
好ましい記録媒体は、吸収性の記録媒体、たとえば、紙、皮革、木材、または織物および布地である。紙の記録媒体の例は、コート紙、たとえば、模造皮紙、写真用紙、壁紙である。
木材の例は、合板、ベニヤ、または木材生産プレートである。
織物の例は、カーペット、幕材料、たとえば広告用の幕、またはカーテンである。
そのような吸収性の記録媒体を使用すると、本発明に記載された1K UVインクジェット印刷インキを用いることで、例外的に高い光沢のメタリックな印刷物が得られる。
さらに記録媒体は、たとえば無色で透明、半透明、着色で透明、有彩で不透明、または無彩色で不透明なものであってもよい。
実施態様のインクジェット記録方法は、カラーフィルターを製造するため、または工業製品を製造するためのプロセス、たとえば印刷基材にマーキングするために適用することが可能である。
上述の実施態様のようなインクジェット記録方法においては、インクジェット記録のための光硬化可能なインキ組成物が、好ましくは、板状粒子からなるメタリック顔料を含んでいるので、記録媒体の上に、高い光沢度と共に光沢のあるメタリックな表面を有する印刷表面を形成することができる。さらに、インクジェット記録のための光硬化可能なインキ組成物が、好ましくは、板状粒子からなるメタリック顔料を含んでいるので、印刷表面の中での重合性化合物の硬化反応を十分に進行させることができる。
ここで、以下の実施例により、本発明を説明するが、これらの実施例が、本発明を限定すると受け取ってはならない。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に変更を加えうるということは、認識するであろう。
顔料1:
顔料1は、PVDアルミニウム顔料(粒子サイズ分布:D10:0.3μm;D50:1.9μm;D90:3.5μm;D98:5.0μm)である。このものは、WO 2009083176 A1の実施例2(顔料B)の記載に従って得たものであった。真空下で加熱することによって、溶媒の一部を除去して、顔料の含量を32重量%とした。
顔料2:
顔料2は、磨砕法によって得たアルミニウム顔料(粒子サイズ分布:D10:1.2μm;D50:2.5μm;D90:4.9μm、D98:7.0μm)である。このものは、US 20100194836 A1の実施例3に従って得たものであった。真空下で加熱することによって、溶媒の一部を除去した。溶媒として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンを追加して、50重量%の顔料の含量とした。
顔料3:
顔料3は、市販のパール顔料である、Eckart GmbH、Germany製のPearl Super Soft silver(粒子サイズ分布:D10:1.8μm;D50:4.2μm;D90:7.0μm、D99:9.8μm)である。このものは、粉体の形態であった。
ワニス1:
ヘキサンジオールジアクリレート 60.9
トリメチロールプロパントリアクリレート 21.6
プロポキシル化ネオペンチルジアクリレート 2.5
エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシド 7.6
フェニル−ビス−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド 4.4
ジメチルヒドロキシアセトフェノン 3.0
ワニス2:
ヘキサンジオールジアクリレート 48.7
トリメチロールプロパントリアクリレート 14.3
プロポキシル化ネオペンチルジアクリレート 1.6
エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシド 5.8
フェニル−ビス−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド 3.3
ジメチルヒドロキシアセトフェノン 2.5
2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアクリレート 23.8
ワニス3:
ヘキサンジオールジアクリレート 69.2
トリメチロールプロパントリアクリレート 20.2
プロポキシル化ネオペンチルジアクリレート 2.3
エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシド 5.3
フェニル−ビス−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド 3.0
ワニス4:
ヘキサンジオールジアクリレート 27.2
トリメチロールプロパントリアクリレート 8.7
プロポキシル化ネオペンチルジアクリレート 0.9
エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシド 3.1
フェニル−ビス−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド 1.8
ジメチルヒドロキシアセトフェノン 16.7
2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアクリレート 41.6
比較例:
比較ワニス5:
ワニス1 77重量部
ジエチレングリコールモノブチルエーテルアクリレート 23重量部
比較ワニス6:
ワニス1 77重量部
フェノキシエチルアクリレート 23重量部
比較ワニス7:
ワニス1 77重量部
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール 23重量部
インクジェット印刷インキを調製するプロセス:
高速スターラーにより、顔料または顔料分散体をワニスの中に溶解させた。4%までのポリマー性安定剤を添加することが可能であった。濾過は、一般的に、15μm標準デプスフィルターを通過させることにより実施した。インキ4は、5μmデプスフィルターを通して濾過した。インキ5は、20μmメタルメッシュを通して濾過した。
下記の部数(重量%)のワニスおよび顔料または顔料分散体に従って、インクジェット印刷インキを構成した。
インキ1:
ワニス1 87.6重量部
顔料1 12.4重量部
インキ2:
ワニス2 87.6重量部
顔料1 12.4重量部
インキ3:
ワニス1 89.7重量部
顔料2 10.3重量部
インキ4:
ワニス4 94.3重量部
顔料1 5.7重量部
インキ5:
ワニス3 94重量部
顔料3 6重量部
比較インキ6:
比較ワニス6 87.6重量部
顔料1 12.4重量部
物理的性質の評価:
粘度の測定:
粘度は、DIN 53453(独国工業標準規格)に従い、二重ギャップシリンダを使用したBrookfield R/Sレオメーターを用いて、150rpm、25℃で10分間かけて測定した。
安定性の評価:
一般的な実験室用マグネチックスターラーの上で、50mLのインキを加熱して120℃とする。インキは、その温度で30分を超えてもゲル化を示してはならない。さらに、メタリック顔料を加えたインキは、その表面上にリーフィングミラーを示すべきである。このミラーは、40℃で貯蔵しても6ヶ月間は安定でなければならない。
反応性の評価:
UVランプGEW VPC−XC−30。
インキの24μmのドローダウンを、ランプエネルギー出力50%、移動速度30m/分で硬化させる。サンプルの粘着性を、定性的に評価する。
リーフィングの評価:
リーフィング効果は、液体インキの表面の上で観察される。強いリーフィングは、インキの上にメタリックなミラー状の表面を示す。
Figure 0006126586
ワニス5および6、ならびにインキ6の反応性が低いのは、低反応性モノマーが含まれていることに帰することができる。ワニス7は、非反応性の低揮発性溶媒が含まれているために、硬化しない。
インキ6においては、数日間貯蔵した後では、リーフィングミラーが消失する。これは明らかに、大量(全部のアクリレートモノマーの合計量を基準にして21.3重量%)の単官能のモノマーの影響のためである。
すべてのインキが、30mPas未満という所望の粘度を示す。適切な濾過をした後では、ほとんどの場合、変性する必要なく、インクジェット機における使用が可能である。良好な光沢度の印刷をするには、強力で安定したリーフィング効果が望まれる。
印刷試験:
印刷試験は、Spectra Nova 256AAAヘッドを備えたSpectra−Dimatix製の試験装置Apollo 2、Xaar 1001ヘッドを備えたJF Machines製の5色UVラベルプリンタPico Colour 70、およびインキ4については、Mimaki JV3−160S大判プリンタで実施した。硬化用のランプは、出力70W/cmの標準的な水銀アークランプである。
上述のワニスおよび顔料の組合せからのインキについての、典型的な印刷パラメーター:
Apollo 2:
温度:50℃
ヘッド電圧:100V
波形:10/5/5μs
ファイアリングレート:5KHz
解像度:300dpi
基材:Herma extracoat 242ラベル用紙
テストファイル:ノズルパターン(全ノズル)
実施時間:10分間
上述の条件下では、インキ1およびインキ3が、ノズルのトラブルなく、信頼性のある印刷を達成した。
Pico Colour 70:
温度:50℃
ポンプ速度:20rpm
インキボトル位置:5インチ
offset:+4V
波形:D822
解像度:300dpi 8レベルグレースケール
基材:Herma Super Glossラベル用紙
テストファイル:Xaar 7 to 1dpd試験
実施時間:1時間で10回
インキ1、2、3、および5では、装置の信頼性のおける運転が達成された。
Mimaki JV3−160S:
解像度:720dpi ND
モード:16パス、高速両方向
基材:Igepa Masterscreen 80 自己粘着性ビニル
ヒーター設定:60℃
硬化:オフライン
テストファイル:100%自己診断スクエア、2m
実施時間:1日に3回の試験印刷、週末を挟んで3日間
上述の条件下で、プリンタの信頼性のおける運転が達成された。週末に運転をしなかった後でも、装置は問題なく始動した。顔料の沈降が原因の色濃度のシフトは観察されなかった。

Claims (24)

  1. 効果顔料を含む1K UVインクジェット印刷インキ組成物であって、
    前記組成物が、
    a)少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリレートモノマー、
    b)少なくとも1種の光開始剤、
    c)D98<10μmかつD 50 が1〜4μmの体積平均粒子サイズ分布を有する効果顔料としてのPVDアルミニウム顔料
    d)少なくとも1種の三官能の(メタ)アクリレートモノマー、
    e)場合によっては多官能の(メタ)アクリレートモノマー、
    を含み、
    インクジェット印刷インキ組成物の粘度が、DIN 53453(独国工業標準規格)に従い、二重ギャップシリンダを使用したBrookfield R/Sレオメーターを用いて、150rpm、25℃で10分間測定して、最大で30mPasであり、そしてa)の少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリレートモノマーとd)の少なくとも1種の三官能の(メタ)アクリレートモノマーとe)の多官能の(メタ)アクリレートモノマーを合計した濃度が、(メタ)アクリレートモノマーの全量を基準にして、75〜100重量%の範囲であり、
    少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリレートモノマーの量が、(メタ)アクリレートモノマーの全量を基準にして、60〜90重量%の間の範囲であり、
    少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1種の三官能の(メタ)アクリレートモノマーに対する重量比が、2:1〜12:1(w/w)の間の範囲であり、
    ここで、二官能の(メタ)アクリレートモノマーは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物からなる群より選択される2種の化学種か、またはアクリレートおよびメタクリレートからなる群からの1種の化学種ならびにそれに加えてさらにUV光重合で反応することが可能な1種のビニル基、のいずれかを含むモノマー、即ち、2個のアクリレート基、2個のメタクリレート基、1個のアクリレート基と1個のメタクリレート基、1個のアクリレート基と1個のビニル基、1個のメタクリレート基と1個のビニル基、のいずれかを含むモノマーを意味し、
    三官能の(メタ)アクリレートモノマーは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物からなる群より選択されるn個の基と、UV光重合で反応することが可能な(3−n)個のビニル基を含むモノマーを意味し(ここで、nは、1〜3の間の整数である)、
    多官能の(メタ)アクリレートモノマーは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物からなる群より選択されるm個の基と、UV光重合で反応することが可能なm個のビニル基を含むモノマーを意味し(ここで、m=m+mが、4〜10の間の整数であるが、ただし、mは1〜10の間の整数であり、mは0〜9の間の整数である)、
    そして、インクジェット印刷インキ組成物中の溶媒の量は、0〜20重量%の間の範囲である、
    1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
  2. 前記組成物が、(メタ)アクリレートモノマーの全量を基準にして0〜25重量%の間の範囲の濃度で、少なくとも1種の単官能の(メタ)アクリレートモノマーをさらに含む、請求項1に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
  3. 前記インクジェット印刷インキ組成物が、(メタ)アクリレートモノマーの全量を基準にして7090重量%の間の範囲の濃度で、少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリレートモノマーを含む、請求項1または2に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
  4. 前記インクジェット印刷インキ組成物が、(メタ)アクリレートモノマーの全量を基準にして1030重量%の間の範囲の濃度で、少なくとも1種の三官能の(メタ)アクリレートモノマーを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
  5. 前記インクジェット印刷インキ組成物が、(メタ)アクリレートモノマーの全量を基準にして2〜30重量%の間の範囲の濃度で、少なくとも1種の多官能の(メタ)アクリレートモノマーを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
  6. インクジェット印刷インキ組成物の中の、少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリレートモノマーおよび任意の各種のさらなる(メタ)アクリレートモノマーの粘度が、式(I)の条件を満たす、請求項1〜5のいずれか1項に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
    Figure 0006126586
    [式中、nは、各種のモノマーを合計した数であり、xは、モノマー混合物の全重量を基準にして、あるモノマーiの量(重量%)であり、そしてηは、25℃におけるモノマーiの粘度である]
  7. 前記少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリレートモノマーおよび任意の各種のさらなる(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)の表面張力が、19mN/mよりも高い、請求項1〜6のいずれか1項に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
  8. 前記少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリレートモノマーおよび任意の各種のさらなる(メタ)アクリレートモノマー(1種または複数)が、それぞれ、350g/mol未満の分子質量を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
  9. 前記少なくとも1種の二官能の(メタ)アクリレートモノマーが、式(II)で表される構造を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
    −B (II)
    [式中、
    Bは、1〜20個のC原子を有し、O、SまたはNHを含んでいてもよい、直鎖状、分岐状、または環状の脂肪族または芳香族残基であり、z=2、そしてE=アクリレートまたはメタクリレートまたはビニルであるが、ただし、二官能の(メタ)アクリレートモノマーが、少なくとも1個のアクリレートまたはメタクリレート基を含む]
  10. 前記少なくとも1種の三官能または多官能の(メタ)アクリレートモノマーが、式(II)で表される構造を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
    −B (II)
    [式中、
    Bは、1〜20個のC原子を有し、O、SまたはNHを含んでいてもよい、直鎖状、分岐状、または環状の脂肪族または芳香族残基であり、y=3〜10、そしてE=アクリレートまたはメタクリレートまたはビニルであるが、ただし、三官能または多官能の(メタ)アクリレートモノマーが、少なくとも1個のアクリレートまたはメタクリレート基を含む
  11. 効果顔料が、三次元的に架橋されたコーティングを用いて、被包されている、請求項1〜10のいずれかに記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
  12. 三次元的に架橋されたコーティングが、有機ポリマーコーティングまたは金属酸化物またはそれらの混合物である、請求項11に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
  13. 効果顔料が、D90<8μmを有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
  14. 効果顔料が、D98<8μmを有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
  15. 効果顔料が、リーフィング顔料である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
  16. 効果顔料が、
    次の一般式(IV)を有するリン酸もしくはリン酸エステル:
    (O)P(OR)(OR)(OR) (IV)
    または、次の一般式(V)を有するホスホン酸もしくはホスホン酸エステル:
    (O)PR(OR)(OR) (V)
    または、次の一般式(VI)を有するホスフィン酸もしくはホスフィン酸エステル:
    (O)PR(OR) (VI)
    [式中、R、R、およびRは、互いに独立して、H、または、O、S、および/またはNのようなヘテロ原子を含んでいてもよい、4〜30個のC原子を有する有機残基であり、RおよびRは、独立して、O、S、および/またはNのようなヘテロ原子を含んでいてもよい、4〜30個のCを有する有機残基であり、有機残基R、R、R、RまたはRはすべて、互いに独立して、分岐状または直鎖状のアルキル、アリール、アルキルアリール、またはアリールアルキルである]
    からなる群より選択される添加剤を用いてコーティングされている、請求項1〜15のいずれか1項に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
  17. インクジェット印刷インキ組成物が、シリコーンをベースとする消泡剤を含まない、請求項1〜16のいずれか1項に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
  18. インクジェット印刷インキ組成物が、シリコーンをベースとする界面活性剤を含まない、請求項1〜17のいずれか1項に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
  19. 少なくとも1種の光開始剤が、ベンゾフェノン誘導体を含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物。
  20. 記録媒体およびインクジェット記録装置を含むインクジェット記録方法であって、
    請求項1に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物が、インクジェット記録装置から吐出されて、記録媒体に付着し、その記録媒体の上に印刷表面を形成し、次いで、その印刷表面に、光として紫外線を照射する、
    インクジェット記録方法。
  21. 請求項20のインクジェット記録方法により硬化されたインキを用いてコーティングすることによる、記録媒体の製造方法。
  22. 記録媒体が、吸収性の記録媒体である、請求項21に記載の記録媒体の製造方法。
  23. 吸収性の記録媒体が、紙、皮革、木材、または織物および布地からなる群より選択される、請求項22に記載の記録媒体の製造方法。
  24. シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックのための少なくとも4種のインキチャンネル、ならびに場合によっては、白および/または淡色のマゼンタおよび/またはスポットカラーのためのさらなるチャンネルを含み、フルカラー印刷が可能なように構成されているインクジェット記録装置であって、これらのインキチャンネルの少なくとも一つに、インクジェット記録のための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の1K UVインクジェット印刷インキ組成物が充填される、インクジェット記録装置。
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