JP2021028161A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄膜での発色性が良好であり、且つ基材への追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性に優れる積層体の提供。【解決手段】基材上に、水性樹脂(A)より形成されたプライマー層からなる第一の層と、コアシェル型樹脂微粒子(B)が配列したコロイド結晶層からなる第二の層が順に積層されてなる積層体であって、水性樹脂(A)がカルボキシ基含有樹脂であり、酸価が5〜70mgKOH/g、かつガラス転移温度(Tg)が−30〜70℃であり、コアシェル型樹脂微粒子(B)が、(1)平均粒子径が180〜330nm、(2)コア100質量部に対するシェルの質量が10〜50質量部、(3)コアのTgが60℃以上であり、かつシェルのTgが−50〜20℃、を満たし、更にコロイド結晶層が無彩黒色微粒子(C)を含有し、かつ空気の空隙部を有してなる積層体。【選択図】図1

Description

本発明は積層体に関し、さらに詳細にはプライマー層とコアシェル型樹脂微粒子からなるコロイド結晶層を組み合わせることにより、優れた発色と塗膜耐性を兼ね備えた積層体に関する。
フォトニック結晶は屈折率が異なる物質を光の波長と同程度の間隔で並べたナノ周期構造を持つ人工結晶であり、ブラッグ反射で知られる特定波長の光の反射やフォトニックバンドギャップによる光閉じ込め効果や光増幅効果等、様々な興味深い光学特性を有することから近年、活発に検討されている。中でも単分散微粒子を規則的に配列させたコロイド結晶は、比較的簡便にフォトニック結晶を作製できる方法ではあるが、粒子の配列やその固定化における課題により、容易に作製できる大量生産技術が確立されるまでには至っていない。
特許文献1では、空気の空隙を有するコロイド結晶に、エラストマー前駆体溶液を充填して乾燥、熱硬化して作製したコロイド結晶の塗膜が開示されている。しかしながら、この方法で作製したコロイド結晶の塗膜は、粒子とマトリクス(充填したポリマー)の屈折率差が小さく、薄膜では良好な発色を得られない。また、エラストマー前駆体を充填する際にコロイド結晶の粒子配列が崩れたり、基材からコロイド結晶が剥離しやすく、取り扱いが難しい。エラストマー前駆体溶液の代わりにエチレン性不飽和単量体を充填してUV硬化させる際においても同様の課題が挙げられる。
特許文献2では、粘着剤を塗工した基材上に、バインダーとなる水性樹脂を予め添加した単分散微粒子の分散体を塗布、乾燥して作製したコロイド結晶の塗膜が開示されている。しかしながら、バインダーを予め添加する事は粒子の規則配列を阻害する上、空隙に入り込んで粒子−マトリクス間の屈折率差を小さくするため、塗膜の発色に悪影響を及ぼす。またバインダー成分が偏在化しやすいため、コロイド粒子間の結着にムラが出やすく、塗膜耐性も劣る。一方、粘着剤でコロイド結晶を結着する方法も、粘着層の強度が低いため、傷や圧痕がつきやすい上、経時で粘着層の成分がコロイド結晶の空隙に侵入して発色性も悪化させる。耐溶剤性についても粘着層の成分が溶出しやすいため、発色や塗膜耐性が悪化しやすい。
一方、特許文献3や特許文献4、特許文献5では、造膜性を有するシェル層と粒子形状を維持するコア層に機能を分離したコアシェル型樹脂微粒子を用いたコロイド結晶の塗膜が開示されている。これらは、流動したシェルが空隙部を完全に埋めてマトリクスになるように設計されているため、コロイド結晶を安定に固定化するという点では優れた塗膜設計と言える。しかしながら、コアシェル型樹脂微粒子を構成するエチレン性不飽和単量体の性質状、粒子(コア)とマトリクス(シェル)の屈折率差が小さくなってしまうため、薄膜で鮮やかな発色が要求される用途には適していない。特許文献6ではコアシェル型樹脂粒子をエチレン性不飽和単量体中に分散させ、UV硬化して固定化したコロイド結晶の塗膜が開示されているが、これにもおいても上記と同様の理由から薄膜で良好な発色を得ることは困難である。
特許文献7や特許文献8ではコアシェル型樹脂微粒子のシェルを部分的に融着して決着したコロイド結晶の塗膜が開示されている。これらの塗膜は単一構造の微粒子に比べれば、塗膜耐性がやや向上するものの、実用レベルを想定した塗膜耐性の発現、例えば、折り曲げ時の基材追従性や基材密着性、耐摩擦性、耐水性、耐溶剤性等を両立できる塗膜設計にはなっていない。また、コロイド結晶層が白みがかり、発色が不明瞭であることも課題と言える。
特開2006−028202号公報 特開2007−126646号広報 特開2000−026551号広報 特表2005−516083号広報 特開2008−165030号広報 特開2015−093419号広報 特開2001−329197号広報 特開2008−083545号広報
本発明が解決しようとする課題は、薄膜での発色性が良好であり、且つ基材への追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性に優れる積層体を提供することである。
すなわち本発明は、基材上に水性樹脂(A)より形成されたプライマー層からなる第一の層と、コアシェル型樹脂微粒子(B)が規則的に配列し、積層されたコロイド結晶層からなる第二の層が順に積層されてなる積層体であって、
水性樹脂(A)がカルボキシ基含有樹脂であり、
酸価が5〜70mgKOH/g、かつガラス転移温度(Tg)が−30〜70℃であり、
コアシェル型樹脂微粒子(B)が下記(1)〜(3)の条件を全て満たし、
(1)平均粒子径が180〜330nm、
(2)コア100質量部に対するシェルの質量が10〜50質量部、
(3)コアのTgが60℃以上であり、かつシェルのTgが−50〜20℃であり、
更に前記コロイド結晶層が空気の空隙部を有し、かつ無彩黒色微粒子(C)を含有し、かつ空気の空隙部を有してなる積層体に関する。
また、本発明はコアシェル型樹脂微粒子(B)のシェルの重量平均分子量が100,000〜1,000,000である前記積層体に関する。
また、本発明はコアシェル型樹脂微粒子(B)が非反応性の低分子乳化剤を含まない前記積層体に関する。
また、本発明はコロイド結晶層のコアシェル型樹脂微粒子(B)間において架橋を形成してなる前記積層体に関する。
また、本発明はプライマー層とコロイド結晶層間で架橋を形成してなる前記積層体に関する。
また、本発明はコアシェル型樹脂微粒子(B)のコアを形成するエチレン性不飽和単量体(bc)100質量%中、芳香族系エチレン性不飽和単量体(bc−1)が70〜100質量%含まれており、更にシェルを形成するエチレン性不飽和単量体(bs)100重量%中、オクタノール/水分配係数(LogKow)が1〜2.5のエチレン性不飽和単量体(bs−1)が70〜99.5質量%、LogKowが1未満のエチレン性不飽和単量体(bs−2)が0.5〜15質量%の範囲で含まれている前記積層体に関する。
また、本発明は無彩黒色微粒子(C)が平均粒子径30〜300nmのカーボンブラックである前記積層体に関する。
また、本発明は無彩黒色微粒子(C)の含有量が、コアシェル型樹脂微粒子(B)100質量部に対して、0.3〜3質量部である前記積層体に関する。
また、本発明は前記積層体に、更に平均粒子径80nm以上の水性樹脂微粒子(D)より形成されたオーバーコート層からなる第三の層を第二の層上から積層してなる積層体に関する。
また、本発明はコロイド結晶層とオーバーコート層との間で架橋を形成してなる前記積層体に関する。
また、本発明は基材が非極性フィルム基材である前記積層体に関する。
また、本発明は前記積層体上に、更にフィルム基材でラミネートしてなる構造体に関する。
本発明により、薄膜での発色性が良好であり、且つ基材への追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性に優れる積層体を得ることができる。
図1は、本発明の積層体を模式的に示す概略説明図である。 図2は、オーバーコート層を施してなる本発明の積層体を模式的に示す概略説明図である。
本発明は、基材上に水性樹脂(A)より形成されたプライマー層からなる第一の層と、コアシェル型樹脂微粒子(B)が規則的に配列し、積層されたコロイド結晶層からなる第二の層が順に積層されてなる積層体であって、
水性樹脂(A)がカルボキシ基含有樹脂であり、
酸価が5〜70mgKOH/g、かつガラス転移温度(Tg)が−30〜70℃であり、
コアシェル型樹脂微粒子(B)が下記(1)〜(3)の条件を全て満たし、
(1)平均粒子径が180〜330nm、
(2)コア100質量部に対するシェルの質量が10〜50質量部、
(3)コアのTgが60℃以上であり、シェルのTgが−50〜20℃であり、
更に前記コロイド結晶層が空気の空隙部を有し、且つ黒色無彩微粒子(C)を含有し、かつ空気の空隙部を有してなる積層体である。
<水性樹脂(A)>
まず本発明の積層体に用いる水性樹脂(A)について説明する。水性樹脂(A)はカルボキシ基を有する樹脂であり、水性媒体中に分散又は溶解し得る樹脂を指す。ここで水性媒体とは、水性の分散媒または水性の溶媒を指す。例えば、水の他に、水と混和し得る分散媒または溶媒が挙げられる。水性樹脂(A)は基材上に塗布された後、乾燥時に造膜してプライマー層を形成する。
水性樹脂(A)に用いる樹脂としては、水性樹脂(A)溶液の基材への塗工性ならびに基材密着性が良好で、コロイド結晶用樹脂組成物の塗工性を阻害せず、更にコロイド結晶層との結着性にも優れる樹脂であれば任意の樹脂を使用することができる。好ましい樹脂としては、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂および、これらの樹脂を複数種、複合化させてなる複合樹脂等が挙げられ、これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。これらの樹脂の中でも、コアシェル型樹脂微粒子(B)のシェルとの相溶に優れる点を考慮して、水性樹脂(A)にはアクリル樹脂又はスチレンアクリル樹脂を用いることがより好ましい。プライマー層とコアシェル型樹脂微粒子(B)のシェルとの相溶をより高めることにより、プライマー層とコアシェル型樹脂微粒子(B)のシェル間にて、高分子鎖の絡み合いがより促進され、基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性に優れる積層体を得ることができる。
水性樹脂(A)は、乳化重合の様に最初から水系でエチレン性不飽和単量体を重合する方法や、非水系にて溶液重合をおこなった後、水相に転相して水分散体を調製する方法等、任意の方法で調製することができるが、工程数が少なく、より安定に高分子量の樹脂微粒子の水分散体が得られる点から、乳化重合によって樹脂微粒子を得ることがより好ましい。
水性樹脂(A)がアクリル樹脂もしくはスチレンアクリル樹脂の場合、エチレン性不飽和単量体(a)をラジカル重合することで、目的の樹脂を得ることができる。
水性樹脂(A)の合成に使用できるエチレン性不飽和単量体(a)としては、例えば、
スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)
アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族系エチレン性不飽和体;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tーブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、または、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等のカルボキシ基含有エチレン性不飽和単量体;
2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸アンモニウム、ビニルスルホン酸等のスルホ基含有エチレン性不飽和単量体;
(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド基含有エチレン性不飽和単量体;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシビニルベンゼン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、アリルアルコール等の水酸基含有エチレン性不飽和単量体;
メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリオキシエチレン基含有エチレン性不飽和単量体;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等が挙げられ、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有エチレン性不飽和単量体;
グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト等のエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体;
ジアセトン(メタ)アクリルアミド、アセトアセトキシ(メタ)アクリレート等のケトン基含有エチレン性不飽和単量体;
アリル(メタ)アクリレート、1−メチルアリル(メタ)アクリレート、2−メチルアリル(メタ)アクリレート、1−ブテニル(メタ)アクリレート、2−ブテニル(メタ)アクリレート、3−ブテニル(メタ)アクリレート、1,3−メチル−3−ブテニル(メタ)アクリレート、2−クロルアリル(メタ)アクリレート、3−クロルアリル(メタ)アクリレート、o−アリルフェニル(メタ)アクリレート、2−(アリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルラクチル(メタ)アクリレート、シトロネリル(メタ)アクリレート、ゲラニル(メタ)アクリレート、ロジニル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルイタコン酸、ビニル(メタ)アクリレート、クロトン酸ビニル、オレイン酸ビニル,リノレン酸ビニル、2−(2’−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート、ジビニルベンゼン、アジピン酸ジビニル、イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等の2個以上のエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和単量体;
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有エチレン性不飽和単量体;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アルキルエーテル化N−メチロール(メタ)アクリルアミド等;
のメチロール基含有エチレン性不飽和単量体が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる
本発明で使用する水性樹脂(A)を得るに際して用いられるラジカル重合開始剤としては、公知の油溶性重合開始剤や水溶性重合開始剤を使用することができる。
油溶性重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリル等のアゾビス化合物を挙げることができる。これらは1種類または2種類以上を混合して使用することができる。
乳化重合においては水溶性重合開始剤を使用することが好ましく、例えば、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム(KPS)、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド等、従来既知のものを好適に使用することができる。
また、乳化重合を行うに際して、所望により重合開始剤とともに還元剤を併用することができる。これにより、乳化重合速度を促進したり、低温において乳化重合を行ったりすることが容易になる。
このような還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、エルソルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラート等の金属塩等の還元性有機化合物、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物、塩化第一鉄、ロンガリット、二酸化チオ尿素等を例示できる。これら還元剤は、エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、0.05〜5.0質量部の量を用いるのが好ましい。なお、前記した重合開始剤によらずとも、光化学反応や、放射線照射等によっても重合を行うことができる。重合温度は各重合開始剤の重合開始温度以上とする。例えば、過酸化物系重合開始剤では、通常80℃程度とすればよい。重合時間は特に制限されないが、通常2〜24時間である。
さらに必要に応じて、緩衝剤として、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等が、また、連鎖移動剤としてのオクチルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、ステアリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類が適量使用できる。
水性樹脂(A)の水媒体中での分散安定性をより高めるために、中和剤として塩基性化合物を使用することもできる。塩基性化合物としては、例えば、アンモニア水、ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。
本発明で使用する水性樹脂(A)を乳化重合により得る際、粒子の分散安定性を向上させる目的で、低分子乳化剤や高分子乳化剤を使用することができる。これらは、1種類又は2種類以上を併用して用いることができる。
使用できる低分子乳化剤としては例えば、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンKH−05、KH−10、KH−20、株式会社ADEKA製アデカリアソープSR−10N、SR−20N、花王製ラテムルPD−104など)
ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩系(市販品としては、第一工業製薬株式会社製アクアロンAR−10、AR−20
スルフォコハク酸エステル系(市販品としては、例えば、花王株式会社製ラテムルS−120、S−120A、S−180P、S−180A、三洋化成株式会社製エレミノールJS−2など)、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩系もしくはポリオキシエチレンアルキルフェニルエステル硫酸塩系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンHS−10、HS−20、HS−30、BC−10、BC−20、株式会社ADEKA製アデカリアソープSDX−222、SDX−223、SDX−232、SDX−233、SDX−259、SE−10N、SE−20N、など)、(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製アントックスMS−60、MS−2N、三洋化成工業株式会社製エレミノールRS−30など)、リン酸エステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製H−3330PL、株式会社ADEKA製アデカリアソープPP−70など)等のアニオン性の反応性乳化剤;
オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類、ポリエキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類(市販品としては、例えば、第一工業製薬製ハイテノールLA−10、LA−12、LA−16等)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類、モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩およびその誘導体類、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩類等のアニオン性非反応性乳化剤;
ポリオキシエチレンアルキルエーテル系(市販品としては、例えば、株式会社ADEKA製アデカリアソープER−10、ER−20、ER−30、ER−40、花王株式会社製ラテムルPD−420、PD−430、PD−450等)、
ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル系(市販品としては、第一工業製薬株式会社製アクアロンAN−10、AN−20等)、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50、株式会社ADEKA製アデカリアソープNE−10、NE−20、NE−30、NE−40等)、(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製RMA−564、RMA−568、RMA−1114)等のノニオン系反応性乳化剤;
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリドデシルエーテル(市販品としては、第一工業製薬株式会社製ノイゲンTDS−120等)、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル等のノニオン性非反応性乳化剤;等が挙げられる。
高分子乳化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(市販品としては例えば、ISP社製K−30、K−60、K−90など)、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、マレイン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルピロリドン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、ビニルピロリドン−スチレン共重合体、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(東ソー株式会社製 ポリナスPS−1、ポリナスPS−5など)、スチレンスルホン酸−マレイン酸共重合体、ポリイタコン酸、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエステル、カルボキシビニルポリマー等の水溶性のビニル系共重合体;
ポリイソシアネートとポリオールの重付加反応により得られるウレタン樹脂であり、親水基の導入により樹脂全体が水溶化された水溶性ポリウレタン樹脂;
多価カルボン酸とポリオールの重縮合反応により得られるポリエステル樹脂であり、親水基の導入により樹脂全体が水溶化された水溶性ポリエステル樹脂;
等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。さらにこれらの樹脂は、ラジカル開始剤により溶液重合もしくは塊状重合で合成しても構わないし、市販品を使用しても構わない。また、必要に応じて先述で述べた塩基性化合物を使用する事ができる。
高分子乳化剤の市販品としては、例えば、BASF社製JONCRYL67、JONCRYL678、JONCRYL586、JONCRYL611JONCRYL683、JONCRYL690、JONCRYL57J、JONCRYL60JJONCRYL61J、 JONCRYL62J、JONCRYL63J、JONCRYLHPD−96J、JONCRYL501J、JONCRYLPDX−6102B、ビックケミー社製DISPERBYK180、DISPERBYK187、DISPERBYK190、DISPERBYK191、DISPERBYK194、DISPERBYK2010、DISPERBYK2015、DISPERBYK2090、DISPERBYK2091、DISPERBYK2095、DISPERBYK2155、ゼネカ社SOLSPERS41000、サートマー社製、SMA1000H、SMA1440H、SMA2000H、SMA3000H、SMA17352H等が挙げられる。
ただし、水性樹脂(A)は低分子の非反応性乳化剤を含まないことが好ましい。水性樹脂(A)に低分子の非反応性乳化剤を含む場合、コアシェル型樹脂微粒子(B)が配列する際、プライマー層から低分子非反応性乳化剤が溶出して、コロイド結晶の規則的な配列を阻害する場合がある。また水や溶剤に対する塗膜耐性も低下させる等、コロイド結晶層の塗膜物性に悪影響を及ぼす恐れもある。したがって、低分子非反応性乳化剤を使用しない、もしくは反応性乳化剤に変更するなど、非反応性乳化剤を含まない系にすることで、発色性、基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性により優れた積層体が得られる。
水性樹脂(A)がポリウレタン樹脂の場合、非水系にて任意のポリオールとポリイソシアネートを重付加反応させる事により、ウレタン樹脂を得ることができる。得られたウレタン樹脂は、前述で例示した乳化剤を用いて水中に分散させる、もしくは樹脂中に親水基を導入して自己乳化させる等により、樹脂微粒子の水分散体を得ることができる。また、樹脂末端にイソシアネート基を残し、ジアミンやジヒドラジド化合物を反応させ、末端への官能基の導入や更なる高分子量化をはかることも可能である。また反応性基を介してアクリル樹脂骨格をグラフトする等、複合樹脂を調製することもできる。
ウレタン樹脂の合成時に使用できるポリオールとしては、例えば、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール;
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA等の二官能ジオールや、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三官能ジオールと、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等の二塩基酸を反応させてなるポリエステルポリオール;
前述の二官能ジオールとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネートを反応させてなるポリカーボネートポリオール;
水酸基含有ポリブタジエン、酸基含有水添ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有水添ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプロピレン、水酸基含有塩素化ポリエチレン等のポリオレフィンポリオール;
植物由来の油を原料としたひまし油ポリオール等が挙げられる。
ウレタン樹脂の合成時に使用できるポリイソシアネートといえば、例えば、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート;
イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環族系ポリイソシアネートなどが挙げられる。
更にウレタン樹脂のウレタン結合濃度調節や各種官能基導入の目的で低分子ジオールを原料に併用する事もできる。低分子ジオールとしては分子量500以下のジオールが好ましく、例えば、
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブチレンジオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸等のジメチロールアルカン酸や、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシ安息香酸などが挙げられる。
末端変性や鎖延長反応に使用できる化合物としてはヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジンおよびその誘導体、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン等のジアミン類、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類;
等が挙げられる。
ウレタン樹脂の水分散体は、前述したように合成しても構わないし、市販品を使用しても構わない。市販品としては、例えば、第一工業製薬製スーパーフレックスシリーズ(例えばSF−170、SF−210等)、三洋化成社製ユーコート、パーマリンシリーズ(例えば、UX−310、UX−3945等)、荒川化学製ユリアーノシリーズ(例えばW−600やW−321等)、ADEKA製アデカポンタイターシリーズ(例えばHUX−−420A、HUX−386等)、宇部興産製UWシリーズ(例えば、UW−5002、UW−5020等)、大成ファインケミカル社製アクリットシリーズ(例えば、WBR2000U、WBR2101、WEM−200U等)等が挙げられる。
水性樹脂(A)がポリオレフィン樹脂の場合、マレイン酸で酸変性してなるポリオレフィン、例えば変性エチレン−プロピレン共重合体、変性プロピレン−1−ブテン共重合体、及び変性エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、およびこれらにアクリル樹脂骨格をグラフトした複合化樹脂等が使用できる。ポリオレフィン樹脂についても、前述で例示した各種乳化剤により水中に分散させるもしくは、樹脂中に親水基を導入して自己乳化させるなどして、樹脂微粒子の水分散体を得ることができる。
ポリオレフィン樹脂の水分散体は、合成しても構わないし、市販品を使用しても構わない。市販品としては、例えば、日本製紙社製スーパークロンシリーズやアウローレンシリーズ(例えば、E−480T、AE−301等)、ユニチカ製アローベースシリーズ(例えばSB−1230N、SB−1200等)、三菱化学製アプトロックシリーズ(例えば、BW−5550等)が挙げられる。
水性樹脂(A)がポリエステル樹脂の場合、ポリエステル樹脂は前述のポリエステルポリオールと同様の方法により合成できる。ポリエステル樹脂についても、前述で例示した乳化剤により水中に分散させるもしくは、樹脂中に親水基を導入して自己乳化させるなどして、樹脂微粒子の水分散体を得ることができる。
ポリエステル樹脂の水分散体は、合成しても構わないし、市販品を使用しても構わない。市販品としては、例えば、互応化学製プラスコートシリーズ(例えば、Z−730、Z−760等)が挙げられる。
更に水性樹脂(A)はコアシェル型樹脂微粒子(B)のシェルと架橋を形成する反応性基を有していることが好ましい。架橋の形成により、プライマー層とコロイド結晶層の結着力がより強化され、積層体の基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性が更に向上する。プライマー層とコロイド結晶層の架橋は、其々の樹脂成分である水性樹脂(A)とコアシェル型樹脂微粒子(B)に反応性基を導入しておき、直接反応させる、もしくは、多官能の架橋剤を介して、反応させる等して形成することができる。反応性基には、エポキシ基(多官能カルボン酸を介しての架橋)やカルボキシ基(エポキシ架橋剤を介しての架橋)、水酸基(イソシアネート架橋剤を介しての架橋)、ケトン・ヒドラジド架橋を形成するケトン基、ヒドラジド基等、コアシェル型樹脂微粒子(B)の規則配列に悪影響を及ぼさない系であれば任意の官能基を使用できるが、中でもケトン・ヒドラジド架橋を形成するケトン基もしくはヒドラジド基である事が好ましく、更にはケトン基であることがより好ましい。ケトン・ヒドラジド架橋系は、水の揮発により、比較的低温で架橋を形成できるため、フィルム基材など高温乾燥でダメージを受けやすい基材には好適である。また基材とプライマー層の密着性向上もはかれるため、積層体の各種耐性向上に有効である。
水性樹脂(A)にケトン基を導入する方法としては、任意の方法が挙げられるが、例えばアクリル樹脂又はスチレンアクリル樹脂である場合、エチレン性不飽和単量体(a)に前述したケト基含有エチレン性不飽和単量体を含有させ、共重合することにより、樹脂中にケト基を容易に導入することができる。ケトン基含有エチレン性不飽和単量体は親水性の高い骨格であるため、ケトン基は粒子のより外側、水性媒体との界面付近に導入される。
ヒドラジド基も任意の方法で導入可能であるが、例えば、ウレタン樹脂の末端にイソシアネート基を導入し、そこに前述したジヒドラジド化合物の片末端だけ反応させることで、樹脂中にヒドラジド基が導入できる。
ケトン基又はヒドラジド基の導入量は、水性樹脂(A)の固形に対して、0.05〜0.3mmol/gの範囲であることが好ましい。0.05〜0.3mmol/gの範囲で導入することにより、プライマー層とコアシェル型微粒粒子のシェル部分との融着が阻害されない状態で架橋が形成されるため、融着による高分子鎖の絡み合いと架橋の相乗効果が最も出る塗膜が得られる。したがって、積層体の基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性がより向上する。
水性樹脂(A)はカルボキシ基を有しており、酸価が5〜70mgKOH/gの範囲である。酸価が5mgKOH/g以上であると、塗布時にコロイド結晶層用樹脂組成物の濡れ性が確保されるため、ムラが発生せず、乾燥時のコロイド結晶層の結着も良好となる。またカルボキシ基由来の水素結合もプライマー層とコロイド結晶層間の結着力向上に寄与する。したがって、基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性に優れた積層体が得られる。一方で、酸価が70mgKOH/g以下であると、プライマー層が水や溶剤に対して溶出しにくくなり、積層体の耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性が優れたものとなる。
水性樹脂(A)のガラス転移温度Tgは−30〜70℃の範囲であり、更に好ましくは−30〜20℃の範囲である。Tgが−30℃以上であると、コロイド結晶層の空隙にプライマー層の樹脂が浸透することを抑制できるため、積層体の発色に悪影響を及ぼす恐れが無くなる。また、結着部分の強度も確保できるため、積層体の基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性も良好なものとなる。一方で、Tgが70℃以下であると、水性樹脂(A)の造膜性が十分に確保されるため、基材に対するプライマー層の濡れ性を十分に確保できる上、クラックも発生しない。また、プライマー層とコアシェル型樹脂微粒子(B)のシェル間との融着による高分子鎖の絡み合いも十分に促進されるので、基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性に優れる積層体を得ることができる。
上記のガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量計)を用いて求めた値である。また、コアシェル型樹脂微粒子を測定した場合、コア部とシェル部のTgをそれぞれ検出することができる。
水性樹脂(A)の重量平均分子量は10,000以上であることが好ましい。分子量10,000以上であることにより、水や溶剤に触れた際のプライマー層の溶出が抑制されるため、コロイド結晶層の空隙がより埋まりにくくなる。したがって、積層体の耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性もより優れたものとなる。プライマー層とコアシェル型樹脂微粒子(B)のシェルの間における高分子鎖の絡み合いも強固となるので、結着部分の強度が上がり、積層体の基材密着性、耐ラビング性も大幅に向上する。ここで言う重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の値である。
<プライマー用樹脂組成物の調製>
本発明に使用するプライマー用樹脂組成物は、水と水性樹脂(A)を含有しており、基材に塗布することで造膜し、プライマー層を形成する。積層体の諸物性に悪影響を及ぼさない範囲であれば、基材への塗工性やプライマー層の密着性を向上させる目的で、各種親水性溶剤や架橋剤などの添加剤を使用することができる。また、余計な散乱光を抑制し、積層体の発色をより明瞭にする目的で、黒色の染料や顔料分散体等の着色剤を使用する事も可能である。着色剤の中でも、より発色性に優れる点からカーボンブラック水分散体を用いる事がより好ましい。カーボンブラック水分散体は、調製しても構わないし、市販されているものを使用しても構わない。市販品としては、例えば、ライオン社製ライオンペーストシリーズ(W−310A等)、オリエント化学工業製CWシリーズ(CW−1、CW−2、CW−3等)が挙げられる。
使用できる親水性溶剤としては、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノールなどの一価のアルコール溶剤;
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のグリコール系溶剤;
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;
N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等のラクタム系溶剤;
ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、出光製エクアミドM−100、エクアミドB−100等のアミド系溶剤
等が挙げられる。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
水溶性樹脂(A)がケトン基を有する場合、ケトン基とケトン・ヒドラジド架橋を形成する架橋剤を使用することができる。架橋剤としては、例えば、アジピン酸ジヒドラジドや、多官能のヒドラジド基が変性された水溶性樹脂などが挙げられる。
<コアシェル型樹脂微粒子(B)>
続いて、本発明で使用するコアシェル型樹脂微粒子(B)について説明する。
コアシェル型樹脂微粒子(B)はコアならびシェルが水に不溶な疎水性ポリマーであり、互いに相溶しないコア部(内層)とシェル部(外層)の構造からなる。コアシェル型樹脂微粒子(B)は前述した水性樹脂(A)からなるプライマー層上に水分散体の形態で塗布される。塗布後、乾燥時の水の揮発に伴い、移流集積現象により、コアシェル型樹脂微粒子(B)は密充填の形態で規則的に配列して積層されていく。更にコアシェル粒子間の接触部分においてシェル部分が融着し、空隙部分が水媒体から空気に置換されたコロイド結晶層が形成される。
本発明に使用するコアシェル型樹脂微粒子(B)は下記に示す二段滴下の乳化重合により調製できる。まず、反応槽に水性媒体と乳化剤を仕込み、昇温する。その後、窒素雰囲気下でコア部分を形成する一段目のエチレン性不飽和単量体(bc)の乳化液を滴下しながら、ラジカル重合開始剤を添加する。反応開始後、滴下量にしたがって粒子は徐々に成長してコア粒子を形成する。一段目の滴下が完了し、発熱が落ちついたところで、シェルを形成する二段目のエチレン性不飽和単量体(bs)の乳化液の滴下を開始する。その際、追加の開始剤も添加する。滴下された二段目のエチレン性不飽和単量体(bs)は、一旦コア粒子に分配されるが、重合が進むにつれてコア粒子の外層にポリマーとして生成していき、シェル層を形成する。コアシェル型樹脂微粒子(B)を設計する上での注意点としては、二段目の滴下成分が重合した際、ポリマーがコアと水相の間の界面にシェルとして生成する様、エチレン性不飽和単量体の分配係数や生成するポリマーの相溶性を十分考慮することが挙げられる。例えば、二段目のエチレン性不飽和単量体がコア粒子の内部により取り込まれやすい場合や、そこから生成するポリマーがコアのポリマーよりも疎水的である場合、コア粒子内部に二段目のポリマーが生成し、狙ったコアシェル構造にならない恐れがある。またコアとシェルのポリマーの相溶が良すぎると、互いが混ざり、コアシェル構造のコントラストが明確につかない場合もある。これらコアシェル構造が綺麗に形成できていない微粒子にて積層体を調製した場合、融着不良により、コロイド結晶中の樹脂微粒子間、樹脂粒子と無彩黒色粒子間、プライマー層とコロイド結晶層間、其々の結着部分の強度が低下するため、積層体の基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性も悪化する。
コアシェル型樹脂微粒子(B)に使用できるエチレン性不飽和単量体(bc)、(bs)としては、前述の水性樹脂(A)で例示したエチレン性不飽和単量体(a)を使用することができる。
コア粒子を形成するエチレン性不飽和単量体(bc)100質量%中、
芳香族系エチレン性不飽和単量体(bc−1)が70〜100質量%含有されている事が好ましい。芳香族系エチレン性不飽和単量体が70〜100質量%の範囲で含まれている事により、コア部分の屈折率が高くなり、コロイド結晶中における粒子部分と空気の空隙部分の屈折率差がより大きくなり、優れた発色の積層体が得られる。さらにコアとシェルのコントラストも明確になるため、シェルの融着が阻害されず、基材への追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性に優れた積層体を得ることができる。
芳香族系エチレン性不飽和単量体(bc−1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
芳香族系エチレン性不飽和単量体(bc−1)と共重合可能なその他のコア粒子を形成するエチレン性不飽和単量体(bc−2)としては、例えば、芳香族系エチレン性不飽和単量体(bc−1)を除く、前述のエチレン性不飽和単量体(bc)が挙げられる。
更にシェルを形成するエチレン性不飽和単量体(bs)100質量%中、オクタノール/水分配係数(LogKow)が1〜2.5のエチレン性不飽和単量体(bs−1)が70.0〜99.5質量%、LogKowが1未満のエチレン性不飽和単量体(bs−2)が0.5〜15.0質量%の範囲で含まれていることが好ましい。エチレン性不飽和単量体(bs)が上記の範囲であることにより、二段目の滴下成分から生成されるポリマーが、芳香族系エチレン性不飽和単量体の重合体を含むコアと相溶せず、更にコア粒子と水相の界面にポリマーが生成するため、コアとシェルのコントラストがしっかりついた粒子が形成される。したがって、シェルの融着による粒子間の結着力向上が図れ、耐摩擦性や耐ラビング性により優れる積層体を得ることができる。また、無彩黒色微粒子と混合時の安定性の面にも優れるため、各基材への塗工性が安定し、結果としてムラや凹凸の無い塗膜が得られ、この点も積層体の基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性の良化に寄与する。またシェルが過剰に親水化する事も無いので、積層体の耐水性や耐溶剤性も優れる。
オクタノール/水分配係数(LogKow)は、下記の式1により表され、ある化合物Aが水相と油相(オクタノール)、どちらに分配されやすいかを表す指標として用いられる。樹脂微粒子の水分散体と、そこに滴下されるエチレン性不飽和単量体の関係においては、エチレン性不飽和単量体のLogKow値が高いほど粒子内部にエチレン性不飽和単量体が分配されやすく、値が低いほど水相に分配されやすい。各エチレン性不飽和単量体のLogKowは、フラスコ振盪法やHPLC法などの実験からも算出できるし、ハンセン溶解度パラメータソフトHSPiPのYMB法(物性推算機能)等、化学構造からのシミュレーションで算出することも可能である。
式1
LogKow=Log(オクタノール相における化合物Aの濃度/水相における化合物Aの濃度)
オクタノール/水分配係数(LogKow)が1〜2.5のエチレン性不飽和単量体(bs−1)としては、例えば、メチルメタクリレート(LogKow=1.13)、エチルアクリレート(LogKow=1.08)、エチルメタクリレート(LogKow=1.63)、プロピル(アクリエート(LogKow=1.60)、プロピルメタクリレート(LogKow=2.16)、n−ブチルアクリレート(LogKow=2.23)、t−ブチルアクリレート(LogKow=1.99)、トリフルオロエチル(アクリレート(LogKow=1.41)、トリフルオロエチルメタリレート(LogKow=1.96)、エチレングリコールジメタクリレート(LogKow=2.07)等が挙げられる。
オクタノール/水分配係数(LogKow)が1未満であるとエチレン性不飽和単量体の水への溶解性が良好になる。オクタノール/水分配係数(LogKow)が1未満のエチレン性不飽和単量体(bs−2)としては、例えば、メチルアクリレート(LogKow=0.59)、メトキシエチルアクリレート(LogKow=0.24)、メトキシエチルメタクリレート(LogKow=0.81)、ヒドロキシエチルアクリレート(LogKow=−0.22)、ヒドロキシエチルメタクリレート(LogKow=0.33)、4−ヒドロキシブチルアクリレート(LogKow=0.90)、アクリル酸(LogKow=0.14)、メタクリル酸(LogKow=0.67)、アクリルアミド(LogKow=−0.53)、メタクリルアミド(LogKow=0)、イソプロピルアクリルアミド(LogKow=0.96)、ジアセトンアクリルアミド(LogKow=0.82)、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート(LogKow=0.59)、グリシジルメタクリレート(LogKow=0.59)等が挙げられる。
LogKowが、1〜2.5のエチレン性不飽和単量体(bs−1)、LogKowが1未満のエチレン性不飽和単量体(bs−2)と共重合可能なLogKowが2.5よりも大きいその他のエチレン性不飽和単量体(bs−3))としては、例えば、エチレン性不飽和単量体(bs−1)、エチレン性不飽和単量体(bs−2)を除く、前述のシェルを形成するエチレン性不飽和単量体(bs)が挙げられる。
本発明で使用するコアシェル型樹脂微粒子(B)を得るのに際して用いられるラジカル重合開始剤としては、公知の油溶性重合開始剤や水溶性重合開始剤を使用することができ、前述の水性樹脂(A)の製造で例示したものを使用することができる。
本発明で使用するコアシェル型樹脂微粒子(B)を得るに際し、粒子の安定性や単分散性を向上させる目的で、合成時に乳化剤を使用することができる。中でも、より単分散性に優れる粒子を得られる点から、乳化剤には低分子乳化剤を用いることが好ましい。使用できる低分子乳化剤としては、例えば、前述の水性樹脂(A)の製造で例示したものを使用することができる。これらは、1種類又は2種類以上を併用して用いることができる。
ただし、コアシェル型樹脂微粒子(B)においても、低分子の非反応性乳化剤を含まないことが好ましく、更に低分子のイオン性非反応性乳化剤を含まないことがより好ましい。例えば、粒子合成時に低分子の非反応性乳化剤を用いた場合、コロイド結晶層のコアシェル微粒子間、コアシェル粒子と無彩黒色粒子間、コアシェル粒子とプライマー層間等の各界面に乳化剤が偏在化する。偏在化した乳化剤は、シェルの結着力を弱めたり、水や溶剤に対する耐性も低下させる等、塗膜物性に悪影響を及ぼす場合がある。したがって、乳化剤を反応性乳化剤に変更して低分子乳化剤の残留を抑制するなど、非反応性乳化剤を含まない系にすることで、基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性により優れた積層体が得られる。特にコロイド結晶層部分は粒子間を部分的に結着させて固定化しているため、残留している低分子非反応性乳化剤の悪影響をより受けやすい。
本発明で使用するコアシェル型樹脂微粒子(B)を得るに際し、必要に応じて各種還元剤、緩衝剤、連鎖移動剤を使用することができる。使用できる還元剤、緩衝剤、連鎖移動剤としては、例えば、水性樹脂(A)で例示したものが挙げられる。
コアシェル型樹脂微粒子(B)におけるコア粒子の平均粒子径は150〜300nmの範囲である事が好ましい。コア粒子の粒子径が150〜300nmの範囲であることで、可視光領域でより明瞭な発色を示す積層体を得ることができる。ここで言う平均粒子径とはコアシェル型樹脂微粒子(B)の水希釈液にレーザー光を照射して、その散乱光から粒子のブラウン運動を検出する動的光散乱法により測定した体積平均粒子径の値である。
コアシェル型樹脂微粒子(B)の平均粒子径は180〜330nmの範囲である。平均粒子径が180nm以上であると、コロイド結晶層の可視光領域での発色が明瞭になる。また、シェル部が過剰に融着して空隙がシェルで埋まる恐れも無くなり、積層体の発色が優れたものとなる。更に水や溶剤に触れた際にも退色せず、耐水性や耐溶剤性にも優れる。一方、粒子径が330nm以下であると、シェル層の融着が十分に確保され、高分子鎖が十分に絡み合い、コアシェル微粒子間、コアシェル粒子と無彩黒色粒子間、コアシェル粒子とアンカー樹脂間、其々の結着力がより強固なものとなる。したがって、基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性に優れる塗膜が得られる。コロイド結晶層の可視光領域での発色も明瞭となり、積層体の発色も優れたものとなる。
コアシェル型樹脂微粒子(B)の粒子径のばらつきの指標である変動係数Cv値は3 0%以下である事が好ましい。30%以下の単分散性の高い同一粒径の微粒子が規則的に配列する事により、より鮮やかで明瞭な構造色を発現することができる。
コアシェル型樹脂微粒子(B)において、コア100質量部に対するシェルの質量は10〜50質量部である。シェルの質量が10質量部以上であると、シェルの融着が十分に進み、コアシェル微粒子間およびコアシェル粒子と無彩黒色粒子間、コアシェル粒子とプライマー層間、其々の結着がより強固なものとなる。したがって、基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性に優れる積層体が得られる。一方、50重量部以下であると、シェルが熱や溶剤により過剰に融着され、空隙がシェルで埋まる恐れがなくなる。したがって、空隙部分に空気が残り、優れた発色性の積層体を得ることができる。
コアシェル型樹脂微粒子(B)において、コア部のTgは60℃以上であり、更に60℃〜150℃であることが好ましい。Tgが60℃以上であることにより、コア部の形状が熱や溶剤の影響で変形する恐れが少なくなる。したがって、より発色性に優れる積層体を得ることができる。
コアシェル型樹脂微粒子(B)において、シェル部のTgは−50〜20℃であり、−30〜20℃の範囲である事が更に好ましい。シェル部が−50℃以上であると、乾燥時や溶剤に触れた際、シェルが過剰に融着して空隙がシェル成分で埋まる恐れが無くなる。したがって、空隙に空気がしっかり存在する状態が維持された発色性に優れる積層体が得られる。また、コロイド結晶層中のコアシェル微粒子間およびコアシェル粒子と無彩黒色粒子間、コアシェル粒子とアンカー樹脂間など、シェル部が結着している部分の強度も担保されるため、積層体の基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性が良好なものとなる。一方、シェル部のTgが20℃以下であると、シェルの融着が十分に促進され、コロイド結晶層中のコアシェル微粒子間およびコアシェル粒子と無彩黒色粒子間、コアシェル粒子とアンカー樹脂間、其々の結着がより強固になる上、柔軟性も担保される。したがって、基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性に優れる塗膜が得られる。
更にコアシェル型樹脂微粒子(B)のシェルの重量平均分子量は100,000〜1,000,000である事が好ましい。シェルの分子量が低すぎると融着しやすくなるが、高分子鎖の絡み合いにおける強度が落ちるため、シェル部の結着力が低下する。また、空隙を過剰に埋めてしまい積層体の発色が悪化する恐れもある。一方で分子量が高すぎると樹脂の運動性が落ちて融着不良となり、結着力が低下する恐れがある。したがって、シェルの重量平均分子量を100,000〜1,000,000の範囲にすることにより、上記のトレードオフを解消し、より基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性に優れる積層体が得られる。
更にコアシェル型樹脂微粒子(B)のシェルは架橋を形成し得る反応性基を有していることが好ましい。架橋の形成により、コアシェル微粒子間のシェル部の結着力がより強化され、積層体の基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性がより向上する。更に水性樹脂(A)にも架橋形成可能な反応性基を導入している場合には、プライマー層とコロイド結晶層の結着も強化されるため、更なる相乗効果が期待できる。反応性基は、乾燥時にコアシェル型樹脂微粒子(B)の規則配列に悪影響を及ぼさない系であれば水性樹脂(A)で例示した官能基が使用できるが、比較的低温条件で架橋を形成する点からケトン基であることがより好ましい。高Tgで融着しにくい樹脂微粒子にケトン・ヒドラジド架橋を導入した場合、粒子間で架橋が優先して進むため、樹脂の運動性が落ちて融着不良になりやすく、結着力が十分に発現しない。しかしながら、本発明に使用するコアシェル型樹脂微粒子(B)においては、シェル部の運動性に優れるため、融着が阻害されない状態で架橋も形成できる。したがって融着による高分子鎖の絡み合いと架橋の相乗効果による優れた結着力がコアシェル微粒子間で発現できる。
コアシェル型樹脂微粒子(B)にケトン基を導入する方法としては、シェルを形成するエチレン性不飽和単量体(bs)中にケトン基含有エチレン性不飽和単量体を含有させることにより容易に導入することができる。
コアシェル型樹脂微粒子(B)のケトン基導入量は、コアシェル型樹脂微粒子(B)の固形分に対して、0.05〜0.3mmol/gの範囲であることが好ましい。0.05〜0.3mmol/gの範囲で使用することにより、融着時にシェルの運動性がより阻害されない状態で架橋を形成できるため、融着による高分子鎖の絡み合いと架橋の相乗効果が最も現れる塗膜となる。したがって、積層体の基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性がより向上する。
ケトン基含有エチレン性不飽和単量体としては、水性樹脂(A)の製造で例示したものを使用することができる。
<コロイド結晶層用樹脂組成物の調製>
本発明に使用するコロイド結晶層用樹脂組成物は、前述したコアシェル型樹脂微粒子(B)および無彩黒色微粒子(C)、水を含有しており、プライマー層上に塗布されてコロイド結晶層を形成する。得られたコロイド結晶層は、ブラッグ反射由来の構造色を発現し、粒子径を制御により、周期間隔も制御でき、様々な色を発色させることができる。
コロイド結晶層用樹脂組成物は、乾燥時の粒子配列や積層体の諸物性に悪影響を及ぼさない範囲であれば、塗工性や塗膜耐性を向上させる目的で、親水性溶剤や架橋剤などの添加剤を使用することができる。使用できる親水性溶剤ならびに架橋剤としては、プライマー用樹脂組成物で例示したものが挙げられる。
無彩黒色微粒子(C)は前述のコアシェル型樹脂微粒子(B)が規則配列されたコロイド結晶層中に含まれており、コロイド結晶中の余計な散乱光を吸収して積層体の発色をより明瞭にする働きをする。コアシェル型樹脂微粒子(B)を黒色に染色して散乱光を抑制する方法も考えられるが、より明瞭な発色性が得られることや塗膜の耐水性や耐溶剤性に優れる利点から着色されていないコアシェル型樹脂微粒子(B)と無彩黒色微粒子(C)とで機能分離することが好ましい。無彩黒色微粒子(C)には、カーボンブラックや黒色染料で着色した樹脂微粒子など任意の黒色微粒子を使用することができるが、着色成分が水や溶剤に溶出しにくいこと、着色剤の耐久性に優れることから、カーボンブラックを使用する事がより好ましい。カーボンブラックは、各種分散剤によって水中に分散されたタイプを使用しても構わないし、自己分散タイプのものでも構わないが、分散剤成分による微粒子配列への影響がない点から自己分散タイプのカーボンブラックを使用する事が更に好ましい。
カーボンブラックの水分散体は、調製しても構わないし、市販されているものを使用しても構わない。市販品としては、例えば、ライオン社製ライオンペーストシリーズ(W−310A等)、オリエント化学工業製BONJET BLACK CWシリーズ(CW−1、CW−2、CW−3等)が挙げられる。
更に無彩黒色微粒子(C)の平均粒子径は30〜300nmの範囲である事が好ましい。30〜300nmの範囲である事により、コアシェル型樹脂微粒子の規則配列を阻害する恐れが少なく、且つコアシェル型樹脂微粒子(B)のシェル部に無彩黒色微粒子(C)がしっかりと結着される。したがって、擦った際や、水、溶剤に触れた際に塗膜から無彩黒色微粒子が欠落する恐れが少なくなり、積層体の基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性がより向上する。
無彩黒色微粒子(C)はコアシェル型樹脂微粒子(B)の固形100重部に対して0.3〜3質量部の範囲で含有されていることが好ましい。含有量が0.3質量部以上であると、より明瞭で発色性に優れた積層体を得ることができる。一方で、3質量部以下であると、明瞭な発色性を保ちながら、無彩黒色微粒子の欠落が抑制され、諸物性に悪影響を及ぼす恐れが少なくなる。したがって、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性により優れる積層体が得られる。
<水性樹脂微粒子(D)>
本発明の積層体は、塗膜耐性を更に向上させる事を目的として、水性樹脂微粒子(D)より形成されたオーバーコート層を更に上から積層することができる。水性樹脂微粒子(D)は水分散体の形態で、コロイド結晶層上に塗布され、乾燥によって造膜し、オーバーコート層を形成する。
水性樹脂微粒子(D)には、水性樹脂(A)で例示した樹脂と同じものを使用することができるが、コアシェル型樹脂微粒子(B)のシェルとの相溶に優れる点から、アクリル樹脂又はスチレンアクリル樹脂を用いることがより好ましい。オーバーコート層とコアシェル型樹脂微粒子(B)のシェルとの相溶性をより高めることにより、オーバーコート層とコアシェル型樹脂微粒子(B)のシェル間において、高分子鎖の絡み合いがより促進され、基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性に優れる積層体を得ることができる。
水性樹脂微粒子(D)に使用できるエチレン性不飽和単量体(d)としては、前述の水性樹脂(A)で例示したエチレン性不飽和単量体(a)が使用できる。また、ラジカル重合開始剤や乳化剤、還元剤、緩衝剤、連鎖移動剤においても、水性樹脂(A)で例示したものを同様に使用することができる。
水性樹脂微粒子(D)の平均粒子径は80nm以上である事が好ましく、更に好ましくは80〜300nmである。平均粒子径が80nm以上であると、粒子が積層体の表層で目止めされ、コロイド結晶の空隙部分に水性樹脂微粒子(D)が浸透しにくくなる。したがって、空気の空隙部が樹脂で埋まることによる発色性低下が抑えられた上で、基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性がより向上した積層体が得られる。
水性樹脂微粒子(D)のTgは−30〜30℃の範囲である事が好ましい。Tgが−30℃以上であると、樹脂のコロイド結晶層の空隙部への浸透が抑制されるため、積層体の発色がより優れる。また塗膜強度も向上するため、積層体の基材密着性、耐ラビング性も良好なものとなる。一方で、Tgが30℃以下であると、水性樹脂微粒子(D)の造膜性が十分に確保されるため、オーバーコート層とコアシェル型樹脂微粒子(B)のシェルとの融着による高分子鎖の絡み合いが十分に促進される。したがって、基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性により優れた積層体が得られる。
本発明に使用する水性樹脂微粒子(D)水分散体は、積層体の諸物性に悪影響を及ぼさない範囲において、塗工性や塗膜耐性を向上させる目的で、親水性溶剤や架橋剤等の各種添加材を併用することができる。使用できる親水性溶剤や架橋剤としては、前述のプライマー樹脂組成物で例示した親水性溶剤や架橋剤が挙げられる。
<プライマー用樹脂組成物の付与方法>
本発明の積層体を製造する際、まずプライマー層を形成させるために、基材上に水性樹脂(A)を含有するプライマー用樹脂組成物を付与する。付与方式としては、インクジェットやスプレー、ディッピングやスピンコート等、版を使用しない印刷方式、オフセットグラビアコーター、グラビアコーター、ドクターコーター、バーコーター、ブレードコーター、フレキソコーター、ロールコーターなどの有版の印刷方式、どちらを採用しても構わない。
<プライマー用樹脂組成物付与後の乾燥方法>
プライマー用樹脂組成物を基材上に付与した後、塗布物を一旦乾燥して造膜させ、プライマー層を形成させる。その際、乾燥方法に特に制限はなく、例えば加熱乾燥法、熱風乾燥法、赤外線乾燥法、マイクロ波乾燥法、ドラム乾燥法など、従来既知の方法を挙げることができる。上記の乾燥法は単独で用いても、複数を併用してもよいが、基材へのダメージを軽減し効率よく乾燥させるため、熱風乾燥法を用いることが好ましい。乾燥温度は50〜120℃の範囲であることが好ましい。プライマー層の機能を効果的に発現させ、且つ短時間で効率的に生産する観点から、プライマー用樹脂組成物は、乾燥後のプライマー層の膜厚が2〜10μmの範囲になるように塗布することが好ましい。
<コロイド結晶層用樹脂組成物の付与方法>
基材上に前述したプライマー層を形成させた後、コアシェル型樹脂微粒子(B)と無彩黒色微粒子(C)を含有してなるコロイド結晶層用樹脂組成物を付与する。付与方式としては、特に限定は無く、前述したプライマー用樹脂組成物の付与方法で例示した方式を採用することができる。
<コロイド結晶層用樹脂組成物付与後の乾燥方法>
コロイド結晶層用樹脂組成物をプライマー層上に付与した後、塗布物を乾燥してコロイド結晶層を形成させる。その際、乾燥方法に特に制限はなく、プライマー用樹脂組成物の塗布物の乾燥で例示した乾燥方法を適宜採用することができる。しかしながら、水を揮発させ、移流集積により粒子を配列させる際、乾燥温度が高すぎると、水が急速に揮発してしまい粒子の配列が大きく乱れて発色に悪影響を及ぼすため注意が必要である。配列への影響と生産性を鑑み、乾燥温度は25〜80℃の範囲であることが好ましい。コロイド結晶層の良好な発色を担保し、且つ短時間で効率的に生産する事を踏まえ、コアシェル型樹脂微粒子(B)の分散液は乾燥後のコロイド結晶層の膜厚が5〜20μmの範囲になるように塗布することが好ましい。
<水性樹脂微粒子(D)分散体の付与方法>
積層体の塗膜耐性を更に上げる場合、コロイド結晶層上に水性樹脂微粒子(D)の分散体を付与できる。付与方式としては、特に限定は無く、前述したプライマー用樹脂組成物の付与方法で例示した方式を採用することができる。
<水性樹脂微粒子(D)分散体付与後の乾燥方法>
水性樹脂微粒子(D)の分散体をコロイド結晶層上に付与した後、塗布物を乾燥して造膜させオーバーコート層を形成させる。その際、乾燥方法に特に制限はなく、プライマー用樹脂組成物の塗布物の乾燥にて例示した乾燥方法を適宜採用することができる。乾燥温度は50〜120℃とすることが好ましい。オーバーコート層の効果を有効に発現させ、且つ短時間で効率的に生産する観点から、水性樹脂微粒子(D)の分散体は、乾燥後のオーバーコート層の膜厚が2〜20μmの範囲になるように塗布することが好ましい。
<架橋の形成方法>
本発明の積層体において、プライマー層とコアシェル粒子間、又はコアシェル粒子間の架橋は、コロイド結晶層用樹脂組成物を塗布した後、乾燥工程にて形成される。例えば架橋がケトン・ヒドラジド架橋の場合、乾燥時の移流集積現象により粒子が配列した後、水が揮発していく段階で架橋が形成される。この際、架橋だけでなく、プライマー層とシェル層、コアシェル粒子間のシェル層同士の融着も同時に進行する。架橋剤成分は、プライマー樹脂組成物または、コロイド結晶用樹脂組成物のいずれか一方に含まれていても構わないし、両組成物に含有されていても構わない。予め、樹脂中に架橋剤成分の一部を組み込んでおいて反応させることも可能である。プライマー層とコアシェル粒子間、又はコアシェル粒子間の架橋は、十分な塗膜耐性の発現と粒子の規則配列への影響を鑑み、25〜80℃の範囲で形成させることが好ましい。オーバーコート層とコアシェル粒子間の架橋は、コロイド結晶層上に、水性樹脂微粒子(D)分散体を塗布した後、水性樹脂微粒子(D)が造膜する乾燥工程にて形成される。例えば、架橋がケトン・ヒドラジド架橋の場合、上記と同様に、水が揮発していく段階で架橋が形成される。架橋剤成分は、コロイド結晶用樹脂組成物、又は水性樹脂微粒子(D)分散体のいずれか一方に含まれていても構わないし、両組成物に含有されていても構わない。オーバーコート層とコアシェル粒子間の架橋は25〜100℃の範囲で架橋させる事が好ましい。
<基材>
本発明の積層体に用いる基材としては、従来既知のものを任意に用いることができる。例えば、ポリ塩化ビニルシート、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルムの様な熱可塑性樹脂基材や、アルミニウム箔の様な金属基材、ガラス基材、コート紙基材などにも使用可能である。中でも従来のコロイド結晶の塗膜では容易に剥離して固定化が困難とされてきたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等の非極性フィルム基材に対し、本発明の積層体は優れた基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性を発現し、発色性についても良好である。基材は印刷媒体の表面が滑らかであっても、凹凸のついたものであっても良いし、透明、半透明、不透明のいずれであっても良い。積層体の発色をより明瞭にするため、黒色等に予め着色された基材を用いる事も可能である。また、上記基材の2種以上を互いに張り合わせたものでも良い。
更にオーバーコート層の上に別のフィルム基材を積層してラミネートして、積層体を基材で挟み込んだ構造体で使用する事も可能である。ラミネートする際に、フィルム上に、接着層を予め塗布した後、積層体上にフィルムをラミネートして構造体を作製しても構わない。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明は以下の実施例にいささかも限定されるものではない。
<水性樹脂(A)の調製>
[製造例1]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水68.9部と反応性乳化剤として、第一工業製薬製アクアロンKH−10の20%水溶液を0.25部仕込み、別途、スチレン18.0部、メチルメタクリレート25.0部、2−エチルヘキシルアクリレート16.0部、n−ブチルアクリレート38.0部、アクリル酸2.0部、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン1.0部、KH−10の20%水溶液4.8部、イオン交換水40.4部をあらかじめ混合、撹拌して調製したエチレン性不飽和単量体の乳化液のうちの3%を更に加えた。内温を80℃に昇温して十分に窒素置換した後、開始剤として過硫酸カリウムの5%水溶液2.0部を添加して乳化重合を開始した。内温を80℃に保ちながらエチレン性不飽和単量体の乳化液の残りと過硫酸カリウムの5%水溶液2.0部を3時間かけて滴下し、更に4時間反応させて樹脂微粒子の水分散体を得た。反応完了後、25%のアンモニア水1.9部添加して中和し、イオン交換水で樹脂微粒子の水分散体の最終固形分を45.0質量%調整した。樹脂の酸価は15.6mgKOH/g、Tgは−6.9℃であった。更に重量平均分子量を測定するため、テトラヒドロフラン(THF)への溶解を試みたが、樹脂が高分子量化して不溶であったため、重量平均分子量を100万以上とした。
[製造例2〜10]
表1に示す配合組成で、製造例1と同様の方法で水性樹脂(A)の水分散体を得た。反応完了後、樹脂中のカルボキシ基と当モルになるように25%アンモニア水を添加し、中和をおこなった。樹脂微粒子の水分散体の最終固形分は45.0質量%に調整した。尚、製造例6については、乳化剤を非反応性乳化剤ハイテノールLA−10(第一工業製薬製ポリオキシエチレンラウリル硫酸アンモニウム)に変更した。更に製造例1と同様の方法により、酸価とTg、重量平均分子量を測定した。尚、表1中の数値は、特に断りがない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
[製造例11]
攪拌器、温度計、2つの滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水185.0部、高分子乳化剤としてJONCRYL67(BASF社製スチレンアクリル樹脂 Mw12500、酸価213mgKOH/g)42.9部、25%アンモニア水11.1部を仕込み、攪拌しながら昇温し、高分子乳化剤を溶解させた。更に窒素還流下で温度80℃まで昇温した後、2つの滴下ロートにおいて、一方からは、スチレン14.0部、n−ブチルメタクリレート15.0部、2−エチルヘキシルアクリレート30.0部、シクロヘキシルアクリレート10.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.0部の混合液を2時間かけて滴下した。もう一方からは、過硫酸アンモニウム20%水溶液3.6部を2時間かけて滴下した。滴下完了後、更に5時間反応させて樹脂微粒子の水分散体を得た。反応完了後、イオン交換水により、樹脂微粒子分散体の固形分を40.0%に調整した。得られた樹脂の酸価は63.9mgKOH/g、Tgは−1.3℃、重量平均分子量は320000であった。
[製造例12]
JONCRYL67の添加量を53.8部、25%アンモニア水を13.9部に変更する以外は、製造例11と同様の方法で樹脂微粒子の分散体を得た。反応完了後、イオン交換水により、樹脂微粒子分散体の固形分を40.0%に調整した。得られた樹脂の酸価は74.6mgKOH/g、Tgは3.5℃、重量平均分子量は280000であった。
[製造例13]
攪拌器、温度計、還流器を備えた反応容器に、ポリオールとして、PTG−2000SN;保土谷化学製ポリテトラメチレングリコール(官能基数2、水酸基価57.0、分子量2000)17.3部、P−2011;クラレ製3−メチル−1,5ペンタンジオール/アジピン酸/テレフタル酸系ポリエステルポリオール(官能基数2、水酸基価55.0、分子量2000)18.0部、C−2090;クラレ製ポリカーボネートポリオール(官能基数2、水酸基価56.0、分子量2000)105.9部、ジメチロールブタン酸15.7部、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネート46.2部、溶媒としてメチルエチルケトン40.0部、ジプロピレングリコールジメチルエーテル10.0部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら78℃まで昇温させた。そこに、チタンジイソプロポキシビズ(エチルアセトアセテート)を触媒として0.02部添加し、6時間反応させ、両末端がイソシアネート基のウレタンプレポリマーを得た。中和剤としてトリエチルアミン10.7部を添加した後、イオン交換水を400部、鎖延長剤としてエチレンジアミンを2.1部添加して、減圧条件可下で脱溶剤しながら、水相へ転相をおこなった。水媒体中でイソシアネート基の鎖延長反応を促進させ、固形分を30.0%のウレタン樹脂の水分散体を調製した。得られた水性樹脂の酸価は29.0mgKOH/g、Tgは67.0℃、重量平均分子量は38700であった。
[製造例14〜17]
表2に示す配合組成で、製造例13と同様の方法で水性樹脂(A)の水分散体を得た。
水性樹脂(A)の水溶液の最終固形分は30.0質量%に調整した。得られた樹脂について、製造例1と同様に、酸価、Tg、重量平均分子量を測定した。尚、表2中の数値は、特に断りがない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
[製造例18]
攪拌器、温度計、還流器を備えた反応容器に、固形のオレフィン樹脂として、アウローレン350S(日本製紙製;無水マレイン酸変性ポリプロピレン−ポリエチレン共重合体)100部、トルエン100部、低分子乳化剤としてノイゲンTDS−120(第一工業製薬製ポリオキシエチレントリドデシルエーテル HLB14.8)30.0部を加え、100℃まで昇温して樹脂を溶解させた。完全に溶解したのを確認後、中和剤として、ジメチルアミノエタノール5.0部、イオン交換水600.0部を添加した。その後、減圧条件可下で脱溶剤を行いながら、水相への転相をおこない、固形分が30.0質量%のオレフィン樹脂の水分散体を得た。得られた水性樹脂の酸価は24.0mgKOH/g、Tgは−20℃、重量平均分子量は48000であった。
[酸価]
樹脂1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数。乾燥させた樹脂について、JIS K2501に記載の方法に従い、水酸化カリウム・エタノール溶液で電位差滴定をおこない算出した。滴定には平沼産業社製:自動滴定装置COM−1600を使用した。
[重量平均分子量]
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の値。乾燥させた樹脂をテトラヒドロフランに溶解させ、0.2%溶液を調製し、以下の装置ならびに測定条件により重量平均分子量を測定した。高分子量化により、樹脂が不溶で測定が困難なものについては重量平均分子量を100万以上と見なした。
装置:HLC−8320−GPCシステム(東ソー社製)
カラム;TSKgel−SuperMultiporeHZ−M0021488
4.6mmI.D.×15cm×3本(分子量測定範囲2千〜約200万)
溶出溶媒;テトラヒドロフラン
標準物質;ポリスチレン(東ソー社製)
流速;0.6mL/分、試料溶液使用量;10μL、カラム温度;40℃。
[ガラス転移温度(Tg)]
ガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量計TAインスツルメント社製)により測定した。樹脂微粒子分散体を乾固したサンプル約2mgをアルミニウムパン上で秤量し、該アルミニウムパンをDSC測定ホルダーにセットし、5℃/分の昇温条件にて得られるチャートの吸熱ピークを読み取り、ガラス転移温度(Tg)を得た。
<コアシェル型樹脂微粒子(B)の調製>
[製造例19]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水95.0部と別途、スチレン97.0部、アクリル酸2.0部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.0部、第一工業製薬製アクアロンKH−10の20%水溶液を5.0部、イオン交換水39.1部を混合、撹拌して調製した一段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液のうちの1.5%を更に加えた。反応容器の内温を70℃に昇温して十分に窒素置換した後、開始剤として過硫酸カリウムの2.5%水溶液5.7部を添加して重合を開始した。内温を80℃に上げて温度を維持しながら一段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液の残りと過硫酸カリウムの2.5%水溶液4.0部を2時間かけて滴下しながら反応させ、コア粒子を合成した。生成したコア粒子の平均粒子径は205nmであった。一段目の滴下完了から20分後、別途、メチルメタクリレート15.0部、n−ブチルアクリレート26.1部、アクリル酸0.9部、KH−10の20%水溶液 2.1部、イオン交換水16.8部を混合、撹拌して調製した二段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液の滴下を開始した。内温を80℃に保ちながら二段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液と過硫酸カリウムの2.5%水溶液2.1部を2時間かけて滴下しながら反応を更に進め、最終固形分45.0質量%のコアシェル型樹脂微粒子の水分散体を得た。得られたコアシェル型樹脂微粒子分散体の平均粒子径は253nm、Cv値は25.7%であった。また水性樹脂(A)と同様にDSC測定を行ったところ、コア部のTgは100.1℃、シェル部のTgは−12.5℃であった。更にコアシェル型樹脂微粒子をTHF中に添加し、超遠心分離によりTHFに不溶なコア部分を沈殿、除去して溶解しているシェル成分を抽出した。抽出した成分について、水性樹脂(A)と同様の方法で重量平均分子量を測定したところ、シェルの重量平均分子量は155,000であった。
[分配係数LogKow]
各エチレン性不飽和単量体の分配係数LogKowは、化学構造式からハンセン溶解度パラメータソフトHSPiPの物性推算機能(YMB法)を用いて算出した。
[平均粒子径]
コアシェル型樹脂微粒子(B)の分散体を500倍に水希釈し、該希釈液約5mlを動的光散乱測定法(測定装置はナノトラックUPA(株)マイクロトラックベル社製)により測定をおこなった。この時得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)のピークを平均粒子径とした。同時に下記式より粒子径の均斉度を表す変動係数Cv値を算出した。
Cv値%= 粒子径の標準偏差/平均粒子径×100
[製造例20〜49]
表3〜5に示す配合組成で、製造例19と同様の方法でコアシェル型樹脂微粒子の水分散体を得た。エチレン性不飽和単量体の乳化液は、乳化液中のエチレン性不飽和単量体の濃度が69.0質量%、乳化剤の濃度が0.69質量%になる様、水を添加して調製した。乳化液と同時に滴下する過硫酸カリウムの2.5%水溶液は、滴下するエチレン性不飽和単量体の総量に対して固形で0.1質量%に相当する量を添加した。尚、製造例28では、乳化剤を反応性乳化剤KH−10から非反応性乳化剤ハイテノールLA−10に変更した。製造例29は、二段目の滴下成分にn−ドデシルメルカプタン0.2部を追加で添加した。製造例36、37、45、46については、反応槽に分割して仕込む一段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液量を1.5%から3.0%、1.0%、4.5%、0.5%にそれぞれ変更した。
得られたコアシェル型樹脂微粒子は製造例19と同様の方法で、平均粒子径、Cv値、コア部のTg、シェル部のTg、シェル部の重量平均分子量を測定した。尚、表3〜5中の数値は、特に断りがない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
<無彩黒色微粒子(C)の調製>
[製造例50]
攪拌器、温度計、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水600.0部、メチルメタクリレート99.0部、スチレンスルホン酸ナトリウム1.0部、黒色染料としてC . Iソルベントブラック27を5.0部、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウムを0.5部仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温させた。そこに開始剤として過硫酸カリウムを0.5部添加して6時間かけて反応し、平均粒子径120nmの無彩黒色微粒子の水分散体を得た。更にイオン交換水を加え、無彩黒色微粒子の水分散体の固形分を15.0%に調整した。
[製造例51]
黒色顔料の粉体としてPrintex85(エボニックデグサ社製 カーボンブラック)20.0部、高分子分散剤として、JONCRYL63J(BASF社製スチレンアクリル樹脂のアンモニア中和品の水溶液、酸価213mgKOH/g、固形分30.0%)30.0部、イオン交換水40.0部をペイントコンディショナーにて2時間分散し、平均粒子径28.0nmの無彩黒色微粒子の分散体を得た。更にイオン交換水を加え、無彩黒色微粒子の水分散体の固形分を30.0重量%になるように調整した。
[製造例52〜54]
表6に示す配合組成で、製造例51と同様の方法で無彩黒色微粒子の水分散体を得た。無彩黒色微粒子の水分散体の固形分を30.0質量%に調製した。尚、表6中の数値は、特に断りがない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
表6中の略語を以下に示す。
Printex85;エボニックデグサ社製 カーボンブラック粉体
JONCRYL63J;BASF社製スチレンアクリル樹脂のアンモニア中和品の水溶液、酸価213mgKOH/g、固形分30.0%
<水性樹脂微粒子(D)の調製>
[製造例55]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水68.9部を仕込み、別途、スチレン10.0部、メチルメタクリレート40.0部、2−エチルヘキシルアクリレート16.0部、n−ブチルアクリレート30.0部、メタクリル酸3.0部、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン1.0部、KH−10の20%水溶液5.0部、イオン交換水40.4部をあらかじめ混合、撹拌して調製したエチレン性不飽和単量体の乳化液のうちの3%を更に加えた。内温を70℃に昇温して十分に窒素置換した後、開始剤として過硫酸カリウムの5%水溶液2.0部を添加して乳化重合を開始した。内温を80℃に上げて温度を保ちながらエチレン性不飽和単量体の乳化液の残りと過硫酸カリウムの5%水溶液2.0部を3時間かけて滴下し、更に4時間反応させて最終固形分45.0質量%の樹脂微粒子の水分散体を得た。コアシェル型樹脂微粒子(B)と同様の方法で平均粒子径とTgを測定したところ、得られた水性樹脂微粒子の平均粒子径は206nm、Tgは5.2℃であった。
[製造例56〜60]
表7に示す配合組成で、製造例55と同様の方法で水性樹脂微粒子(D)の水分散体を調製した。尚、製造例56は反応開始前の反応槽にKH−10を1.0部、製造例60は1.3部、追加で仕込んだ。製造例59では、反応槽に分割して仕込むエチレン性不飽和単量体の乳化液を3%から5%に変更した。製造例55と同様に得られた水性樹脂微粒子(D)について、平均粒子径とTgを測定した。尚、表7中の数値は、特に断りがない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
<プライマー用樹脂組成物の調製>
[製造例61]
製造例1で得た水性樹脂(A)の溶液100質量部に、n−プロパノール1.0部を添加して撹拌し、プライマー用樹脂組成物を調製した。
[製造例62〜78]
表8、9に示す配合組成で、製造例61と同様の方法によりプライマー用樹脂組成物を調製した。尚、表8、9中の数値は、特に断りがない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
表8および表9の略語を以下に示す。
CW−1:オリエント化学工業製 表面変性カーボンブラック 平均粒子径62nm 固形分20.0%
<コロイド結晶層用樹脂組成物の調製>
[製造例79]
製造例19のコアシェル型樹脂微粒子(B)の水分散体100部に、オリエント化学工業製CW−1(表面変性カーボンブラック 平均粒子径62nm 固形分20.0%)2.3部を添加して撹拌し、コロイド結晶層用樹脂組成物を調製した。
[製造例80〜119]
表10〜13に示す配合組成で、製造例79と同様の方法によりコロイド結晶層用樹脂組成物を調製した。尚、表10〜13中の数値は、特に断りがない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
<積層体の作製>
[実施例1]
二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(フタムラ製FOR 膜厚20.0μm)のコロナ処理面に製造例61のプライマー用樹脂組成物を乾燥膜厚が3μmになるようにバーコーターで塗工した後、オーブンで80℃・1分の条件で乾燥させてプライマー塗工物を作製した。更にそのプライマー塗膜上に製造例79のコロイド結晶層用樹脂組成物を乾燥膜厚が7μmになるようにバーコーターで塗工し、70℃・1分の条件で乾燥させて、目的の積層体を得た。処理PETフィルム(東洋紡社製E5100 膜厚12.0μm)、Al板(膜厚200μm)、ガラス板の基材においても同様の方法により積層体を作製した。
[実施例2〜53、比較例1〜15]
表14〜18で示す組み合わせで、実施例1と同様にして積層体を得た。尚、実施例46〜53については、乾燥したコロイド結晶層上に、更に乾燥膜厚10μmになるよう、水性樹脂微粒子(D)の分散体をスプレー塗布した後、オーブンで70℃・1分の条件で乾燥させてオーバーコート層を形成させた。
実施例1〜53で得られた積層体について、積層体断面を走査型電子顕微鏡(日本電子製JSM−7800F)によって観察したところ、樹脂成分によってコロイド結晶の空隙が埋まる事も無く、いずれもコロイド結晶層が空気の空隙部を有していることが観察された。
<ラミネート構造体の作製>
[実施例54]
PETフィルム上に塗工した実施例48の積層体上に、ラミネーターを用いて、別のPETフィルム(コロナ処理面)を張り合わせた。張り合わせ後、40℃、1日間放置し、ラミネート構造体を得た。ラミネート前後で構造体の発色性に違いは生じず、繰り返し折り曲げても外観に変化は確認されなかった。
<積層体の評価>
前述の積層体を用いて、発色性、基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性について評価を実施した。表14〜18にその結果を示す。尚、表14〜18中の数値は、特に断りがない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
[発色性]
積層体の反射スペクトルを、所定の紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製V−770D、積分球ユニットISN−923) を用いて波長250〜850nmの範囲を測定した。測定した。各波長における反射率は、反射率が既知の標準白板(ラブスフェア社製SRS−99−010)をリファレンスとして用いて測定した。(相対反射率)得られた反射スペクトルから構造色による反射率の最大値と構造色によらないベースラインの反射率の差分をΔRとして算出した。ΔRが大きくなるほど、発色性に優れる。評価基準は以下の通りである。
◎;ΔRが30%以上である。
〇;ΔRが20%以上30%未満である。
△;ΔRが10%以上20%未満である。
×;ΔRが10%未満である。
[基材追従性]
処理OPPフィルムおよび処理PETフィルム上で作製した積層体の試験片(10cm×10cm)を30回揉んで積層体の外観の変化を観察した。Al板上で作成した積層体は、板を30回、180度で円形に繰り返し折り曲げて同様に外観変化を確認した。評価基準は下記の通り。
◎;剥がれや傷が無く、発色に変化無し。(極めて良好)
○;僅かに剥がれ(試験片全体で剥がれた面積が5%未満)が有るが、発色に変化なし。(良好)
△;剥がれ(試験片全体で剥がれた面積が5%以上)が有るが、発色に変化なし。(不良)
×;剥がれ(試験片全体で剥がれた面積が5%以上)が有り、退色している。(極めて不良)
[基材密着性]
各基材上で作製した積層体(1cm×1cm)にセロハンテープ(ニチバン社製18mm幅)を貼り付け、垂直方向にゆっくりと剥離して剥がれた面積の割合から基材密着性を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎;剥がれが全くない。(極めて良好)
○;わずかに剥がれがある(試験片全体で剥がれた面積が5%未満)(良好)
△;剥がれがある(試験片全体で剥がれた面積が5%以上、10%未満)(不良)
×;剥がれがある(試験片全体で剥がれた面積が10%以上)(極めて不良)
[耐摩擦性]
処理OPPフィルムおよび処理PETフィルム上で作製した積層体の試験片(1cm×1cm)を指の腹で50往復擦り、傷や剥がれのつき易さを観察した。評価基準は以下の通りである。
◎;傷や剥がれが全くない。(極めて良好)
○;わずかに剥がれがある(試験片全体で剥がれた面積が5%未満)(良好)
△;剥がれがある(試験片全体で剥がれた面積が5%以上、10%未満)(不良)
×;剥がれがある(試験片全体で剥がれた面積が10%以上)(極めて不良)
[耐ラビング性]
処理OPPおよび処理PET上で作製した積層体の試験片(1cm×1cm)について、水またはエタノールを浸漬させた綿棒で20往復積層体を擦り、傷や剥がれのつき易さを観察した。評価基準は以下の通りである。
◎;傷や剥がれが全くない(極めて良好)
○;わずかに剥がれがある(試験片全体で剥がれた面積が5%未満)(良好)
△;剥がれがある(試験片全体で剥がれた面積が5%以上、10%未満)(不良)
×;剥がれがある(試験片全体で剥がれた面積が10%以上)(極めて不良)
[耐水性および耐溶剤性]
処理OPPフィルム上で作製した積層体の試験片を水またはエタノールの溶液に浸漬し、5分間放置して取り出した後、50℃・3分で再乾燥して、前述の発色性評価と同様に反射スペクトルを測定した。浸漬前後での反射光スペクトルの比較から反射率の最大値の変化を評価した。反射率の最大値が低下するほど、積層体が退色していることを示す。
評価基準は以下の通りである。
◎;反射率の最大値が変化していない。(極めて良好)
○;反射率の最大値がやや低下している。(低下率が10%未満)(良好)
△;反射率の最大値が低下している。(低下率が10%以上、30%未満)(不良)
×;反射率の最大値が大幅に低下している。(低下率が30%以上)(極めて不良)
実施例1〜53の積層体は、薄膜で鮮やかな構造色由来の発色性を発現しながら、各種基材に対しての追従性、密着性が良好であり、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性等の塗膜耐性においても、実用レベルを十分にクリアできる耐久性を有していることがわかった。中でも、プライマー層、コロイド結晶層、オーバーコート層の三層からなる実施例46〜53の積層体は、耐溶剤性に大変優れる。一方で、比較例1〜15の積層体は、発色性、基材追従性、基材密着性、耐摩擦性、耐ラビング性、耐水性、耐溶剤性のいずれかが著しく劣っており、実用レベルの基準には未達であった。以上の事から本発明の積層体の優位性が証明された。
本発明の積層体は、透明で柔軟な非極性フィルム基材をはじめとする様々な基材上において、鮮明な発色を呈する上に、塗膜耐性の面でも大変優れることから、色材、光学フィルター、光学検出式センサー、表示素子、光導波路、光共振器、光スイッチ等の幅広い用途への展開が可能である。
[ガラス転移温度(Tg)]
ガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量計TAインスツルメント社製)により測定した。樹脂微粒子分散体を乾固したサンプル約2mgをアルミニウムパン上で秤量し、該アルミニウムパンをDSC測定ホルダーにセットし、5℃/分の昇温条件にて得られるチャートを読み取り、ガラス転移温度(Tg)を得た。

Claims (12)

  1. 基材上に水性樹脂(A)より形成されたプライマー層からなる第一の層と、
    コアシェル型樹脂微粒子(B)が規則的に配列し、積層されたコロイド結晶層からなる第二の層が順に積層されてなる積層体であって、
    水性樹脂(A)がカルボキシ基含有樹脂であり、
    酸価が5〜70mgKOH/g、かつガラス転移温度(Tg)が−30〜70℃であり、
    コアシェル型樹脂微粒子(B)が下記(1)〜(3)の条件を全て満たし、
    (1)平均粒子径が180〜330nm、
    (2)コア100質量部に対するシェルの質量が10〜50質量部、
    (3)コアのTgが60℃以上であり、かつシェルのTgが−50〜20℃、
    更に前記コロイド結晶層が無彩黒色微粒子(C)を含有し、かつ空気の空隙部を有してなる積層体。
  2. コアシェル型樹脂微粒子(B)のシェルの重量平均分子量が100,000〜1,000,000である請求項1記載の積層体。
  3. コアシェル型樹脂微粒子(B)が非反応性の低分子乳化剤を含まない請求項1又は2記載の積層体。
  4. コロイド結晶層のコアシェル型樹脂微粒子(B)間において架橋を形成してなる請求項1〜3いずれか記載の積層体。
  5. プライマー層とコロイド結晶層間でおいて架橋を形成してなる請求項1〜4いずれか記載の積層体。
  6. コアシェル型樹脂微粒子(B)のコアを形成するエチレン性不飽和単量体(bc)100質量%中、芳香族系エチレン性不飽和単量体(bc−1)が70〜100質量%含まれており、
    更にシェルを形成するエチレン性不飽和単量体(bs)100質量%中、
    オクタノール/水分配係数(LogKow)が1〜2.5のエチレン性不飽和単量体(bs−1)が70〜99.5重量%、LogKowが1未満のエチレン性不飽和単量体(bs−2)が0.5〜15重量%の範囲で含まれている請求項1〜5いずれか記載の積層体。
  7. 無彩黒色微粒子(C)が、平均粒子径30〜300nmのカーボンブラックである請求項1〜6いずれか記載の積層体。
  8. 無彩黒色微粒子(C)の含有量が、コアシェル型樹脂微粒子(B)100質量部に対して、0.3〜3質量部である請求項1〜7いずれか記載の積層体。
  9. 請求項1〜8いずれか記載の積層体に、更に平均粒子径80nm以上の水性樹脂微粒子(D)より形成されたオーバーコート層からなる第三の層を第二の層上から積層してなる積層体。
  10. コロイド結晶層とオーバーコート層との間で架橋を形成してなる請求項9記載の積層体。
  11. 基材が非極性フィルム基材である請求項1〜10いずれか記載の積層体。
  12. 請求項1〜11いずれか記載の積層体上に、更にフィルム基材でラミネートしてなる構造体。
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