図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図面において各部の寸法および縮尺は実際の構成の寸法および縮尺とは適宜に相違する。以下に記載する実施の形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本発明の範囲は、以下に例示する実施形態には限定されない。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るゲーム装置10を例示する外観図である。ゲーム装置10は、例えば娯楽施設(例えばゲームセンターまたはカジノ等)または商業施設(例えばショッピングセンター等)に設置される。ゲーム装置10は、カジノにおいて利用される場合には、ゲーミングマシンと称呼されることもある。
プレイヤは、価値媒体を消費することでゲーム装置10によるゲームをプレイすることができる。価値媒体は、例えばメダル(トークンコイン)、コイン(貨幣)もしくはチケット等の有体の価値媒体、または、クレジットもしくはポイント等の無体の価値媒体である。価値媒体は、ゲームトークンまたは代用貨幣とも換言される。価値媒体の消費を条件として、プレイヤはゲーム装置10によるゲームをプレイすることができる。なお、メダル等の有体の価値媒体とクレジット等の無体の価値媒体との何れかをプレイヤが選択して消費できるようにしてもよい。
また、ゲーム装置10によるゲームをプレイした結果に応じて価値媒体が報酬としてプレイヤに付与される。ゲームのプレイのために消費される価値媒体と、報酬としてプレイヤに付与される価値媒体とは、同種および異種の何れでもよい。例えば、所定数のメダルの投入によりゲームのプレイを開始した場合を想定すると、プレイの結果に応じた枚数のメダル(同種の価値媒体)をプレイヤに付与してもよいし、プレイの結果に応じた枚数のチケット(異種の価値媒体)をプレイヤに付与してもよい。なお、価値媒体の消費(spend)は、価値媒体の投入とも換言され、価値媒体の付与は、価値媒体の払出とも換言される。
なお、クレジット等の無体の価値媒体が報酬としてプレイヤに付与された場合、例えば所定の操作を契機として、当該報酬をメダル等の有体の価値媒体に変換してプレイヤに払い出してもよい。また、クレジット等の無体の価値媒体は、プレイヤの識別情報に対応付けられた状態で管理装置により電子的に管理される。管理装置は、例えば娯楽施設または商業施設に設置されたコンピュータである。プレイヤは、管理装置が管理する無体の価値媒体の一部または全部をゲームにおいて消費し、または、報酬として付与された無体の価値媒体を管理装置に預け入れることが可能である。
価値媒体には固定の価値が設定される。ただし、価値媒体に搭載された記憶回路(例えばICタグ)に価値媒体の数量または当該数量を表す識別情報を記憶し、または、価値媒体の数量を表すコード(例えばバーコードまたはQRコード(登録商標))を価値媒体に印刷することで、価値媒体の価値を可変値としてもよい。プレイヤに付与された価値媒体を景品等の各種の物品に交換してもよい。なお、第1実施形態では、プレイのために消費される価値媒体と、プレイの結果に応じた報酬としてプレイヤに付与される価値媒体とがメダル(トークンコイン)である場合を想定する。
ゲーム装置10では、遊技体を利用したゲームが実行される。例えば、価値媒体の消費により遊技体がゲームに利用される。例えば、価値媒体の消費に応じた遊技体がゲームフィールドに投入される。消費された有体の価値媒体をそのまま遊技体としてゲームに利用してもよいし、消費された有体の価値媒体とは別個の遊技体をゲームに利用してもよい。例えば、プレイヤが投入したメダルをそのまま遊技体としてゲームに利用してもよいし、プレイヤが投入したメダルとは別個のボールを遊技体としてゲームに利用してもよい。消費された価値媒体とは別種の遊技体をゲームに利用する構成では、価値媒体の消費量と、当該消費によりゲームに利用される遊技体の数量との関係は、適宜に変更され得る。例えば、1枚のメダルの消費と引換に2個の遊技体が投入されてもよいし、1枚のメダルの消費と引換に1個の遊技体が投入されてもよい。また、クレジット等の無体の価値媒体の消費によりプレイヤがゲームをプレイする場合には、例えば所定の操作子(図示略)をプレイヤが操作することで遊技体がゲームフィールドに投入される。
遊技体の形状は任意であるが、第1実施形態では立体的な形状の遊技体(以下「立体遊技体」という)を利用する場合を想定する。立体遊技体は、例えばメダルまたはコインのように円板状でもよいし、ボールや直方体のように立体状でもよい。第1実施形態では特に、姿勢(orientation)によらず転動可能な立体遊技体を利用する。姿勢によらず転動可能な立体遊技体の典型例は球体(例えばビー玉)であるが、例えば切頂多面体のような略球状の多面体も、姿勢によらず転動可能な立体遊技体の概念に包含される。なお、第1実施形態が採用する構成のなかには、特定の姿勢において転動しない立体遊技体(例えば円板状)にも適用できるものがある。
第1実施形態では、直径が相違する2種類の球体が立体遊技体として利用される。以下の説明では、2種類のうち大径の球体を「大玉」と表記し、小径の球体を「小玉」と表記する。第1実施形態の立体遊技体(小玉および大玉)は、光透過性の材料で形成される。
図1に例示される通り、第1実施形態のゲーム装置10は、相異なるプレイヤがゲームのプレイに利用する4個のステーション部100(100a,100b,100cおよび100d)と、各プレイヤが操作する操作パネル160(160a,160b,160cおよび160d)とを具備する。4個のステーション部100は、相互に独立した同種のゲームを相異なるプレイヤに並行して提供可能である。各ステーション部100は、立体遊技体の移動に応じて進行するゲームをプレイヤに提供する。なお、4個のステーション部100の各々は、単独でもゲーム装置として機能する。また、ゲーム装置10を構成するステーション部100の総数は、4個に限定されず1個以上の任意の個数に変更される。
2個のステーション部100aおよび100cはプレイヤの前後方向(図1のY方向)に隣合う。同様に、2個のステーション部100bおよび100dは前後方向に隣合う。また、2個のステーション部100aおよび100bはプレイヤの左右方向(図1のX方向)に隣合う。同様に、2個のステーション部100cおよび100dは左右方向に隣合う。
4個のステーション部100の構成は共通する。以下では1個のステーション部100aを重点的に説明し、他のステーション部100b,100cおよび100dの説明を適宜に割愛する。なお、ステーション部100aを構成する要素の符号には添字「a」が付加される。他のステーション部100b,100cおよび100dの各々を構成する要素は、ステーション部100aの要素の添字aをそれぞれ「b」「c」および「d」に置換することで説明される。また、2個の添字の組合せが符号に付加された要素は、当該2個の添字にそれぞれ対応する2個のステーション部100により共用される要素である。例えば、符号に添字「ab」が付加された要素は、ステーション部100aとステーション部100bとで共用される。
図1に例示される通り、ステーション部100aは払出口Maを含む。払出口Maは、ゲームの結果に応じた価値媒体をプレイヤに払出すための開口である。
図2は、鉛直方向の上方(図1のZ方向)からみたゲーム装置10の各要素の模式図である。図2に例示される通り、ステーション部100aは、ゲームフィールド110aと第1抽選部120aと第2抽選部130aと搬送装置180aとを具備する。また、ゲーム装置10は、4個のステーション部100のほかに、搬送装置170acおよび170bdと、第3抽選部140abおよび140cdと、JP(jackpot)払出部150とを具備する。
ゲームフィールド110aは、立体遊技体を利用したゲームが実行される空間である。第1実施形態のゲームフィールド110aでは、立体遊技体を利用したプッシャーゲームが実行される。図4は、ゲームフィールド110aを例示する斜視図であり、図5は、ゲームフィールド110aに小玉M1と大玉M2とが供給された状態の斜視図である。図4および図5に例示される通り、ゲームフィールド110aには、テーブル111と、壁部112と、プッシャーテーブル113と、投入部114Lおよび114Rと、大玉投入部114Bとが設置される。
テーブル111は、略水平に固定された平板状の部材である。テーブル111の左側の周縁には切欠部115Lが形成され、右側の周縁には切欠部115Rが形成される。切欠部115Lおよび115Rは、小玉M1は通過できるが大玉M2は通過できない寸法および形状に形成される。プッシャーテーブル113は、テーブル111の面上で前後方向(図4の方向Aおよび方向B)に往復する構造体である。プッシャーテーブル113の表面に底面が対向するように壁部112が設置される。
投入部114Lは、ゲームフィールド110aの左側から小玉M1をプッシャーテーブル113の面上に投入する。投入部114Rは、ゲームフィールド110aの右側から小玉M1をプッシャーテーブル113の面上に投入する。大玉投入部114Bは、テーブル111の面上に大玉M2を投入する。
図5に例示される通り、実際にゲームが実行される場面では、テーブル111およびプッシャーテーブル113の面上に多数の小玉M1が載置される。また、大玉投入部114Bから投入された大玉M2は、テーブル111の面上に載置される。投入部114Lまたは114Rからプッシャーテーブル113の面上に投入された複数の小玉M1は、プッシャーテーブル113が後方(図4における方向A)に移動するときに壁部112により押圧される。壁部112に押圧されることで複数の小玉M1が順次に方向Bに移動し、プッシャーテーブル113の前縁の近傍に位置する余剰の小玉M1が、プッシャーテーブル113の前縁からテーブル111の面上に落下する。テーブル111の面上の複数の小玉M1は、方向Bに移動するプッシャーテーブル113により押圧されることで順次に方向Bに移動し、テーブル111の前縁部116の近傍に位置する余剰の小玉M1が当該前縁部116から落下する。
前縁部116から落下した小玉M1の個数に応じた数量の価値媒体が報酬としてプレイヤに付与される。一方、切欠部115Lまたは115Rを通過した小玉M1は、プレイヤに付与される価値媒体の数量の決定には加味されない。
図2の第1抽選部120aは、第1抽選に利用される物理抽選部である。第1抽選は、後述の第2抽選に使用される小玉M1の個数を決定するための物理抽選である。第1抽選部120aを利用した第1抽選は、第1条件の成立毎に実行される。第1条件は、例えば、ゲームフィールド110aからm個の大玉M2が落下するという条件である(mは1以上の整数)。以下の説明では個数mが1である場合を想定する。すなわち、ゲームフィールド110aの前縁部116から1個の大玉M2が落下するたびに第1抽選が実行される。ただし、第1条件は以上の例示に限定されない。
第2抽選部130aは、第2抽選に利用される物理抽選部である。第2抽選は、後述の第3抽選を実行するか否かを決定するための物理抽選である。第2抽選部130aを利用した第2抽選は、第2条件の成立毎に実行される。第2条件は、例えば、ゲームフィールド110aからn個の大玉M2が落下するという条件である。以下の説明では個数nが3である場合を想定する。すなわち、ゲームフィールド110aから3個の大玉M2が落下するたびに第2抽選が実行される。第2抽選で使用される小玉M1の個数は、当該第2抽選の開始前のn回にわたる第1抽選の結果の合計値である。すなわち、ゲームの進行の状況に応じて決定された個数の小玉M1が第2抽選に利用される。
第3抽選部140abは、ステーション部100aおよび100bにより共用され、第3抽選に利用される物理抽選部である。第3抽選は、JP払出部150が多数の小玉M1の払出を実行するか否かを決定するための物理抽選である。第3抽選部140abを利用した第3抽選は、第2抽選により第3抽選の実行が決定された場合に実行される。具体的には、第2抽選部130aを利用した第2抽選により第3抽選の実行が決定された場合、JP払出部150からゲームフィールド110aに多数の小玉M1を払出すか否かが、第3抽選部140abを利用した第3抽選により決定される。また、第2抽選部130bを利用した第2抽選により第3抽選の実行が決定された場合、JP払出部150からゲームフィールド110bに多数の小玉M1を払出すか否かが、第3抽選部140abを利用した第3抽選により決定される。なお、以上の説明では、ステーション部100aおよび100bにより共用される第3抽選部140abに着目したが、ステーション部100cおよび100dにより共用される第3抽選部140cdも同様である。
JP払出部150は、4個のステーション部100(100a,100b,100cおよび100d)により共用される。図2に例示される通り、JP払出部150は、鉛直方向からの平面視でゲーム装置10の中央に位置する。第1実施形態のJP払出部150は、小玉M1の払出先を、ゲームフィールド110a,110b,110cおよび110dの何れかに切替可能である。
図2の操作パネル160aは、プレイヤからの操作を受付ける。図3は、操作パネル160aの構成を例示する平面図である。図3に例示される通り、操作パネル160aは、投入口161Lおよび161Rと、切替操作部162Lおよび162Rとを含んで構成される。投入口161Lおよび161Rには、価値媒体がプレイヤにより投入される。
投入口161Lに価値媒体が投入されると、ゲームフィールド110aの左側の投入部114Lから小玉M1がゲームフィールド110aに投入される。切替操作部162Lは、投入部114Lからの小玉M1の投入方向をプレイヤが変更するために操作される。また、投入口161Rに価値媒体が投入されると、ゲームフィールド110aの右側の投入部114Rから小玉M1がゲームフィールド110aに投入される。切替操作部162Rは、投入部114Rからの小玉M1の投入方向をプレイヤが変更するために操作される。
図2の搬送装置170acは、複数の小玉M1を搬送する。具体的には、搬送装置170acは、ステーション部100aおよび100cにより共用され、例えばゲームフィールド110aまたは110cから落下した小玉M1を高い位置に搬送する。搬送装置170acにより搬送された小玉M1は、複数の要素(例えば各ステーション部100)で利用される。搬送装置170bdは、ステーション部100bおよび100dにより共用され、ゲームフィールド110bまたは110dから落下した小玉M1を高い位置に搬送する。
搬送装置180aは、小玉M1を例えば鉛直方向に搬送する。例えば、小玉M1が収容される円管内に送風することで当該小玉M1を搬送するエアーリフターが搬送装置180aとして好適に利用される。円管の内径は、小玉M1の外径を上回り、当該外径の1.5倍を下回る。円管の内径と小玉M1の外径との差分(以下「径差」という)が0に近付くほど、送風による外力が円管内の小玉M1に作用し易くなり、小玉M1を短時間で搬送することが可能になる。したがって、径差が0に近いことが望ましい。また、径差が0に近いほど円管の外径が削減され、結果的に搬送装置180aの小型化が実現される。なお、搬送装置180aによる小玉M1の搬送方向は鉛直方向に限定されない。搬送装置180aにより搬送された小玉M1は、第3抽選部140abまたは後述の遊技体収容空間46(図28参照)に供給される。
[第1抽選部120a]
図6は、第1抽選部120aの構成を例示する平面図である。図6に例示される通り、第1抽選部120aは、表示部1210と通路1220とを具備する。
表示部1210は円形状の画面1211を含む。画面1211には、第2抽選に使用される小玉M1の個数について複数の候補C1〜C4が表示される。候補C1は「10球」を表し、候補C2は「7球」を表し、候補C3は「3球」を表し、候補C4は「1球」を表す。なお、画面1211に表示される候補の総数、および、各候補が表す小玉M1の個数は、以上の例示に限定されず任意に変更される。
前縁部116から1個の大玉M2が落下するたびに、複数の候補C1〜C4が画面1211に表示され、かつ、通路1220に小玉M1が投入される。通路1220は、画面1211の外周に沿う円弧状に形成される。通路1220の端部1221には、小玉M1の飛出しを防止するための突出部1222が設置される。通路1220の途中の部分には、小玉M1が通過する排出部1230が形成される。
表示部1210は、画面1211内の複数の候補C1〜C4の位置を時間の経過とともに変更する。通路1220に投入された小玉M1は、当該通路1220に沿って移動し、最終的には排出部1230を通過する。小玉M1が排出部1230を通過した時点で、画面1211における複数の候補C1〜C4の移動が停止する。そして、複数の候補C1〜C4のうち排出部1230に最も近い位置に停止した候補が示す数値が、第2抽選に使用される小玉M1の個数として決定される。排出部1230を通過した小玉M1は、ゲームフィールド110a(例えばプッシャーテーブル113)に落下する。
[第2抽選部130a]
図7は、第2抽選部130aの構成を例示する斜視図である。第2抽選部130aは、第1クルーン1310と第2クルーン1320と第3クルーン1330とを具備する。3個の大玉M2が前縁部116から落下すると(すなわち第2条件の成立)、当該3個の大玉M2の各々の落下毎に第1抽選で決定された小玉M1の個数を合計した個数の小玉M1が、第1クルーン1310に投入される。
第1クルーン1310に投入された小玉M1は、第1クルーン1310に形成された複数の貫通孔1311,1312および1313の何れかを通過する。貫通孔1311および1312の何れかを通過した小玉M1は、第2クルーン1320に投入されることなく回収される。他方、貫通孔1313を通過した小玉M1は、通路1314を介して第2クルーン1320に投入される。
第2クルーン1320に投入された小玉M1は、第2クルーン1320に形成された複数の貫通孔1321,1322および1323の何れかを通過する。貫通孔1321および1322の何れかを通過した小玉M1は、第3クルーン1330に投入されることなく回収される。他方、貫通孔1323を通過した小玉M1は、通路1324を介して第3クルーン1330に投入される。
第3クルーン1330に投入された小玉M1は、第3クルーン1330に形成された排出部1331から排出される。排出部1331から小玉M1が排出されると、第3抽選部140abを利用した第3抽選が実行される。
[第3抽選部140ab]
図8は、第3抽選部140abの構成を例示する斜視図である。第3抽選部140abは、クルーン141と小玉移動部142とを具備する。第2抽選部130aの排出部1331から小玉M1が排出されると、第3抽選部140abのクルーン141に小玉M1が投入される。
小玉移動部142は、クルーン141の中央に設置されて往復回転する。クルーン141に投入された小玉M1は、小玉移動部142に衝突することでクルーン141の外周に向けて移動する。以上の状況が反復されるうちに、小玉M1は、クルーン141に形成された複数の貫通孔143〜148の何れかを通過する。小玉M1が複数の貫通孔143〜147の何れかを通過した場合には、JP払出部150による多数の小玉M1の払出は実行されない。他方、小玉M1が貫通孔148を通過した場合には、JP払出部150による多数の小玉M1の払出が実行される。
[立体遊技体(小玉M1および大玉M2)の流れ]
図9は、ステーション部100aにおける小玉M1および大玉M2の流れを説明するためのブロック図である。図9に例示される通り、ステーション部100aは、図2に例示した構成に加えて、大玉センサ190aと計数器220aと第1ホッパー230aと第2ホッパー240aと第3ホッパー250aと経路切替部270aおよび280aとを具備する。なお、搬送装置170acは2個のステーション部100aおよび100cに共用される要素であるが、図9では、ステーション部100aを表す枠線の内部に便宜的に図示されている。
大玉センサ190aは、ゲームフィールド110aにおけるテーブル111の前縁部116から落下した大玉M2を検出する。第1抽選部120aを利用した第1抽選と、第2抽選部130aを利用した第2抽選とは、大玉センサ190aによる検出の結果に応じて実行される。
ゲームフィールド110aにおいて前縁部116から落下した小玉M1は、計数器220aに供給される。計数器220aは、前縁部116から供給される小玉M1を貯留するとともに小玉M1の個数を計数するカウントホッパーである。計数器220aによる計数値は、報酬としてプレイヤに付与される価値媒体の数量を決定するために利用される。計数器220aは、計数済の小玉M1を排出する。
搬送装置170acは、ゲームで利用された小玉M1とゲームで利用されなかった小玉M1とを、鉛直方向の下方から上方に搬送する。ゲームで利用された小玉M1とは、計数器220aから排出された小玉M1と、切欠部115Lまたは115Rから落下した小玉M1と、第2抽選部130aまたは第3抽選部140abで使用された小玉M1とである。ゲームで利用されなかった小玉M1とは、後述の分配部260によりステーション部100aに分配された小玉M1である。搬送装置170acにより搬送された小玉M1は、第1経路310acに供給される。
第1経路310acは、小玉M1が移動する経路である。第1経路310acには、第1ホッパー230aと第2ホッパー240aと第3ホッパー250aとの各々に小玉M1を供給するための開口となる供給路が形成される。第1ホッパー230aには、搬送装置170acにより搬送された小玉M1が進入可能である。第1ホッパー230aは、第1経路310acから供給される小玉M1を貯留するとともに当該小玉M1を経路切替部270aに順次に供給する。
[第1ホッパー230a]
図10は、第1ホッパー230aの平面図である。図11は、図10におけるA−A線の断面図である。図10および図11に例示される通り、第1ホッパー230aは、貯留容器231と底面部232と回転体233と駆動機構234とを具備する。
貯留容器231は、複数の小玉M1を貯留するための容器である。貯留容器231の底面には、小玉M1が通過可能な排出経路235が形成される。底面部232は、小玉M1の外形を下回る間隔をあけて貯留容器231の底面に対向する板状部材である。底面部232には円形の開口2321が形成される。回転体233は、開口2321の内側に設置された円板状の部材である。回転体233には、複数の貫通孔2331が周方向に沿って等間隔に形成される。貯留容器231に貯留された小玉M1は貫通孔2331を通過可能である。駆動機構234は、例えばモータを含んで構成され、回転体233を回転させる。
貯留容器231に貯留された複数の小玉M1は、回転体233の貫通孔2331に収容される。回転体233の回転により貫通孔2331が排出経路235の直上に到達すると、当該貫通孔2331内の小玉M1が排出経路235に落下して、第1ホッパー230aの外部に排出される。すなわち、第1ホッパー230aは、貯留容器231に貯留された複数の小玉M1を1個ずつ順次に排出することが可能である。なお、第2ホッパー240aおよび第3ホッパー250aの構成は第1ホッパー230aと同様であるため、詳細な構成の説明は割愛する。
図9の経路切替部270aは、第1ホッパー230aから排出される小玉M1の供給先を切替える。具体的には、経路切替部270aは、小玉M1の供給先を、第1抽選部120aと第2抽選部130aと搬送装置180aとの何れかに切替える。例えば、経路切替部270aは、第1ホッパー230aから供給される小玉M1を排出する排出部271aを具備する。排出部271aは回転軸272aに軸支される。排出部271aをモータ等の駆動機構(図示略)により転回することで、第1抽選部120aと第2抽選部130aと搬送装置180aとの何れかに小玉M1が供給される。
以上の説明から理解される通り、第1ホッパー230aは、第1抽選部120aによる第1抽選または第2抽選部130aによる第2抽選(すなわち物理抽選部による物理抽選)に小玉M1を利用する遊技体利用部に相当する。
第1ホッパー230aが満杯である場合には、供給路231aが小玉M1で塞がれるため、搬送装置170acにより第1経路310acに搬送された小玉M1は第1ホッパー230aに進入できない。搬送装置170acにより搬送された複数の小玉M1のうち第1ホッパー230aに進入しなかった小玉M1は、第2ホッパー240aに進入可能である。第2ホッパー240aは、第1経路310acから供給される小玉M1を貯留するとともに当該小玉M1を利用する。具体的には、第2ホッパー240aは、投入部114Rからゲームフィールド110a(具体的にはプッシャーテーブル113)に小玉M1を順次に投入する。
第1ホッパー230aおよび第2ホッパー240aが満杯である場合には、供給路231aおよび241aが小玉M1で塞がれるため、搬送装置170acにより第1経路310acに搬送された小玉M1は第1ホッパー230aおよび第2ホッパー240aに進入できない。搬送装置170acにより搬送された複数の小玉M1のうち第1ホッパー230aおよび第2ホッパー240aに進入しなかった小玉M1は、第3ホッパー250aに進入可能である。第3ホッパー250aは、第1経路310acから供給される小玉M1を貯留するとともに当該小玉M1を利用する。具体的には、第3ホッパー250aは、投入部114Lからゲームフィールド110a(具体的にはプッシャーテーブル113)に小玉M1を順次に投入する。以上の説明から理解される通り、第2ホッパー240aまたは240cと第3ホッパー250aまたは250cとは、ゲームフィールド110aにおけるゲームに小玉M1を利用する遊技体利用部に相当する。
第1ホッパー230aと第2ホッパー240aと第3ホッパー250aとが満杯である場合には、供給路231a,241aおよび251aが小玉M1で塞がれるため、搬送装置170acにより第1経路310acに搬送された小玉M1は、第1ホッパー230aと第2ホッパー240aと第3ホッパー250aとの何れにも進入できない。搬送装置170acにより搬送された複数の小玉M1のうち第1ホッパー230aと第2ホッパー240aと第3ホッパー250aとの何れにも進入しなかった小玉M1は、図9の分配部260等を介して搬送装置170acに帰還する。すなわち、搬送装置170acと第1経路310acとを含む経路により小玉M1が循環する。小玉M1の循環については後述する。
搬送装置180aは、第1ホッパー230aから経路切替部270aを介して供給される小玉M1を順次に搬送して経路切替部280aに供給する。経路切替部280aは、搬送装置180aにより搬送された小玉M1の供給先を切替える。具体的には、経路切替部280aは、小玉M1の供給先を、第3抽選部140abおよび遊技体収容空間46の何れかに切替える。例えば、経路切替部280aは、搬送装置180aから供給される小玉M1を排出する排出部281aを具備する。排出部281aは回転軸282aに軸支される。排出部281aをモータ等の駆動機構(図示略)により転回することで、第3抽選部140abおよび遊技体収容空間46の何れかに小玉M1が供給される。
遊技体収容空間46は、4個のステーション部100(100a,100b,100cおよび100d)により共用される。遊技体収容空間46は、JP払出部150から4個のゲームフィールド110(110a,110b,110cおよび110d)の何れかに排出される小玉M1を収容する。
以上の説明から理解される通り、第1実施形態では、第1経路310acを移動する小玉M1がゲームフィールド110aにおけるゲームと物理抽選部(120a,130a,140ab)による物理抽選とに共通に利用される。したがって、ゲームフィールド110aに小玉M1を供給する機構と物理抽選部に小玉M1を供給する機構とが相互に独立に設置された構成と比較してゲーム装置10の構成が簡素化されるという利点がある。また、循環機構20acが複数の小玉M1を常時的に循環させるから、物理抽選に利用される小玉M1は第1経路310acから常時的に供給される。したがって、ゲームの進行の状況に応じて決定された任意の個数の小玉M1を物理抽選に利用できる。
前述の通り、ゲーム装置10は、複数の小玉M1を循環させる機構(以下「循環機構」という)を具備する。前後方向に隣合う2個のステーション部100の対毎に循環機構が設置される。図12は、2個のステーション部100aおよび100cに対応する循環機構20acの説明図である。2個のステーション部100bおよび100dに対応する循環機構20bdの構成は、図12に例示する循環機構20acと同様である。
図12に例示される通り、循環機構20acは、第1経路310acと第2経路340acと回収経路330aと搬送装置170acとを具備する。第1経路310acと第2経路340acと搬送装置170acとは、ステーション部100aおよび100cにより共用される。第1経路310acおよび第2経路340acと、両経路間において小玉M1が落下する空間(分配部260を含む空間)と、搬送装置170acとにより、複数の小玉M1を循環させる経路が構成される。また、回収経路330aと、回収経路330aおよび第2経路340acの間において小玉M1が落下する空間とにより、ゲームフィールド110aで使用された小玉M1を回収する経路が構成される。また、図12に例示される通り、ゲームフィールド110aで使用された小玉M1を回収する経路の途中に、小玉M1を計数する計数器220aを設置してもよい。なお、第1経路310acと第2経路340acと回収経路330aとの各々について、実際には小玉M1の落下を防止するための側壁(例えば図13の側壁311)が各経路の縁辺に沿って設置されるが、図12においては便宜的に側壁の図示が省略されている。
搬送装置170acは、複数の小玉M1を第1位置P1から第2位置P2に搬送する。第2位置P2は、第1位置P1よりも高い位置である。具体的には、第2位置P2は、第1位置P1からみて鉛直方向の上方にある。第1経路310acは、搬送装置170acにより第2位置P2に搬送された小玉M1を第3位置P3に移動させる経路である。第3位置P3は、第2位置P2よりも低い位置である。第2位置P2と第3位置P3との間で水平方向の位置は相違する。
第1経路310acは、第1個別経路315acと第2個別経路320acとを含んで構成される。第1個別経路315acおよび第2個別経路320acの各々は、第2位置P2から第3位置P3にかけて下降する傾斜面を含む。したがって、小玉M1は、傾斜面上を転動しながら第3位置P3に向けて移動する。搬送装置170acにより搬送された小玉M1は第1個別経路315acに排出される。第2個別経路320acは、第1個別経路315acの下流側に設置される。すなわち、第1実施形態の第1経路310acは、第1個別経路315acおよび第2個別経路320acと、両経路間において小玉M1が落下する空間とにより構成される。以上のように小玉M1は第1経路310ac上を転動するから、第1経路310ac上で小玉M1を移動させるための動力は不要である。
図13は、第1経路310acのうち第1個別経路315acの近傍の部分の平面図である。図13の右方が第1個別経路315acの上流側に相当し、図13の左方が第1個別経路315acの下流側に相当する。第1個別経路315acの表面は、上流側から下流側に向けて下降する傾斜面である。
図13に例示される通り、第1個別経路315acには供給路231aおよび231cが形成される。供給路231aは、第1ホッパー230aに小玉M1を供給するための開口である。すなわち、供給路231aに進入した小玉M1は第1ホッパー230aに供給される。他方、供給路231cは、第1ホッパー230cに小玉M1を供給するための開口である。すなわち、供給路231cに進入した小玉M1は第1ホッパー230cに供給される。
なお、第1個別経路315acと第1ホッパー230aとが離間した構成では、例えば第1個別経路315ac上の供給路231aと第1ホッパー230aとを連結するダクトが形成される。以上の構成では、貯留容器231が満杯の状態でも更にダクトに小玉M1を貯留可能である。すなわち、第1ホッパー230a(貯留容器231)が満杯である状態とは、貯留容器231だけでなくダクトも含めて満杯であることを意味する。以上の説明から理解される通り、供給路231aと第1ホッパー230aとを連結するダクトは、小玉M1を一時的に貯留する貯留部として機能する。貯留容器231の一部としてダクトを把握してもよい。なお、第2ホッパー240aおよび第3ホッパー250aについても同様である。
搬送装置170acは、鉛直方向に設置された略円柱状の構造体である。供給路231aと231cとは、搬送装置170acを挟んで相互に反対側に位置する。搬送装置170acの上端部の近傍には周方向に沿って複数の排出口1720が形成される。搬送装置170acにより搬送された複数の小玉M1は、複数の排出口1720から放射状に排出される。すなわち、複数の排出口1720の各々から相異なる方向に小玉M1が放出される。搬送装置170acから放射状に排出された小玉M1は、当該小玉M1の排出の方向に応じた行先に供給される。搬送装置170acの各排出口1720の位置が、前述の第2位置P2に相当する。
具体的には、搬送装置170acから供給路231aに向けて排出された小玉M1は当該供給路231aに進入する。同様に、搬送装置170acから供給路231cに向けて排出された小玉M1は当該供給路231cに進入する。また、第1個別経路315acのうち供給路231aおよび231cよりも上流側に排出された小玉M1は、第1個別経路315acの側壁311に沿って転動して供給路231aまたは231cに進入する。
第1個別経路315acには、搬送装置170acからみて下流側に位置する壁状の部分(以下「規制部」という)350aが形成される。規制部350aの両側には連絡路313が形成される。連絡路313は、第1個別経路315acから第2個別経路320acに小玉M1を移動させるための開口である。搬送装置170acから各連絡路313に向けて排出された小玉M1は、当該連絡路313を移動して第1個別経路315acから第2個別経路320acに落下する。また、搬送装置170acから下流側に排出された小玉M1は、規制部350aに沿って転動して連絡路313に到達し、当該連絡路313から第2個別経路320acに落下する。すなわち、小玉M1は、規制部350aにより連絡路313に誘導される。また、第1ホッパー230aまたは230cが満杯である場合、小玉M1は供給路231aおよび231cに進入することなく転動して連絡路313から第2個別経路320acに落下する。すなわち、搬送装置170acから排出された小玉M1は、排出の方向に応じて、供給路231aと供給路231cと第2個別経路320acとの何れかに供給される。
図13から理解される通り、第1ホッパー230aに対応する供給路231aの開口の大きさは、第2個別経路320acに対応する連絡路313の開口の大きさとは相違する。供給路の開口の大きさは、当該供給路に小玉M1が進入する開口の面積である。連絡路313の開口は、第2ホッパー240aおよび第3ホッパー250aに対する開口に相当する。以上の構成によれば、第1ホッパー230aに対する小玉M1の供給数と第2ホッパー240aまたは第3ホッパー250aに対する小玉M1の供給数とを相違させることが可能である。第1実施形態では、供給路231aの開口が連絡路313の開口よりも大きい。したがって、第2ホッパー240aまたは第3ホッパー250aよりも第1ホッパー230aに対して優先的に小玉M1を供給することが可能である。
図14は、第1経路310acのうち第2個別経路320acの平面図である。図13と同様に、図14の右方が第2個別経路320acの上流側に相当し、図14の左方が第2個別経路320acの下流側に相当する。第2個別経路320acの表面は、上流側から下流側に向けて下降する傾斜面である。第2個別経路320acのうち下流側の端部322acの位置が、前述の第3位置P3に相当する。
図14に例示される通り、第2個別経路320acには、供給路241aおよび251aと供給路241cおよび251cとが形成される。供給路241aと241cとは、第2個別経路320acを挟んで反対側に形成され、供給路251aと251cとは、第2個別経路320acを挟んで反対側に形成される。
供給路241aは、第2ホッパー240aに小玉M1を供給するための開口であり、供給路251aは、第3ホッパー250aに小玉M1を供給するための開口である。同様に、供給路241cは、第2ホッパー240cに小玉M1を供給するための開口であり、供給路251cは、第3ホッパー250cに小玉M1を供給するための開口である。供給路241aおよび241cは、供給路251aおよび251cよりも上流側に位置する。
以上の通り、第1実施形態では、ゲームフィールド110aとゲームフィールド110cとに循環機構20acが共用される。したがって、ゲームフィールド110aとゲームフィールド110cとについて別個の循環機構を設置する構成と比較してゲーム装置10の構成が簡素化されるという利点がある。
第2個別経路320acの傾斜面上を第3位置P3に向けて転動する小玉M1は、供給路241aまたは241cに進入可能である。供給路241aに進入した小玉M1は第2ホッパー240aに供給され、供給路241cに進入した小玉M1は第2ホッパー240cに供給される。ただし、第2ホッパー240aおよび240cが例えば満杯である場合、第2個別経路320ac上の小玉M1は、供給路241aおよび241cが小玉M1で塞がれているため、第2ホッパー240aおよび240cに進入できない。なお、第2ホッパー240aおよび240cが満杯でない場合(すなわち、供給路241aおよび241cが小玉M1で塞がれていない場合)でも、傾斜面上を転動する複数の小玉M1のなかには、例えば小玉M1同士の衝突により移動の方向が変化することで供給路241aまたは241cに進入できない小玉M1もある。
第2個別経路320ac上において供給路241aまたは241cに進入しない小玉M1は、供給路251aまたは251cに進入可能である。供給路251aに進入した小玉M1は第3ホッパー250aに供給され、供給路251cに進入した小玉M1は第3ホッパー250cに供給される。ただし、第3ホッパー250aおよび250cが例えば満杯である場合、第2個別経路320ac上の小玉M1は、供給路251aおよび251cが小玉M1で塞がれているため、第3ホッパー250aおよび250cに進入できない。なお、第3ホッパー250aおよび250cが満杯でない場合(すなわち、供給路251aおよび251cが小玉M1で塞がれていない場合)でも、傾斜面上を転動する複数の小玉M1のなかには、例えば小玉M1同士の衝突により移動の方向が変化することで供給路251aまたは251cに進入できない小玉M1もある。
以上の例示の通り、第1経路310acには、第1ホッパー230aに小玉M1を供給するための供給路231aと、当該供給路231aの下流側の供給路241aまたは251aとが形成される。第2位置P2から供給路231aに向かう小玉M1は、第1ホッパー230aが満杯である場合(すなわち供給路241aに進入できない場合)に第3位置P3に向けて移動し、供給路241aまたは251aに進入する状態となる。したがって、第2ホッパー240aまたは第3ホッパー250aよりも第1ホッパー230aに対して優先的に小玉M1を供給することが可能である。
同様に、第1経路310acには、第2ホッパー240aに小玉M1を供給するための供給路241aと、当該供給路241aの下流側の供給路251aとが形成される。第2位置P2から供給路241aに向かう小玉M1は、第2ホッパー240aが満杯である場合(すなわち供給路251aに進入できない場合)に第3位置P3に向けて移動し、供給路251aに進入する状態となる。したがって、第3ホッパー250aよりも第2ホッパー240aに対して優先的に小玉M1を供給することが可能である。
図13に例示される通り、複数の排出口1720のうち上流側の各排出口1720(以下「第1排出口1720A」という)から排出される小玉M1は、第1ホッパー230aに対応する供給路231aと第1ホッパー230cに対応する供給路231cとの各々の開口に向けて移動する。複数の排出口1720のうち下流側の各排出口1720(以下「第2排出口1720B」という)から排出される小玉M1は、連絡路313の開口に向けて移動する。図13に例示される通り、第1排出口1720Aの個数(10個)と第2排出口1720Bの個数(2個)とは相違する。したがって、搬送装置170acにおける小玉M1の排出量が複数の排出口1720について同等である場合を想定すると、個数が多い第1排出口1720Aによる排出量は、第2排出口1720Bによる排出量を上回る。したがって、第2ホッパー240aまたは第3ホッパー250aよりも第1ホッパー230aに対して優先的に小玉M1を供給することが可能である。
第1排出口1720Aから排出される小玉M1の個数が、第2排出口1720Bから排出される小玉M1の個数を上回るように、搬送装置170acに対する小玉M1の供給を調整してもよい。詳細な構造は後述するが、第1実施形態の搬送装置170acは、図26に例示される通り、複数の排出口1720にそれぞれ対応する複数の取込口1710を具備する。任意の1個の取込口1710に供給された小玉M1が、当該取込口1710に対応する排出口1720から排出される。第1排出口1720Aに対応する取込口1710(図26におけるX方向のX2側およびY方向の各取込口1710)に対して、第2排出口1720Bに対応する取込口1710(X方向のX1側の取込口1710)よりも優先的に小玉M1が供給されるように、複数の取込口1710に対する小玉M1の供給量が制御される。以上の構成によれば、例えば第1排出口1720Aと第2排出口1720Bとを同数とした場合でも、第2ホッパー240aまたは第3ホッパー250aよりも第1ホッパー230aに対して優先的に小玉M1を供給することが可能である。
以上に説明した通り、第1実施形態では、第1排出口1720Aから第1ホッパー230aに向かう小玉M1の個数と、第2排出口1720Bから第2ホッパー(240a,240c)または第3ホッパー(250a,250c)に向かう小玉M1の個数とが相違する。したがって、第1ホッパー230aに供給される小玉M1の個数と、第2ホッパーまたは第3ホッパーに供給される小玉M1の個数との比率を所定値に近付けることが可能である。また、以上の例示の通り、搬送装置170acから排出された小玉M1の供給先である遊技体利用部の総数(第1ホッパー230aおよび230c,第2ホッパー240aおよび240c,ならびに第3ホッパー250aおよび250cの6個)は、搬送装置170acにおける排出口1720の総数(12個)を下回る。搬送経路は排出口1720毎に形成されるから、遊技体利用部の総数が複数の搬送経路の総数を下回る、とも換言される。
図14に例示される通り、第2個別経路320acの傾斜面には、小玉M1の移動を規制するための誘導部360ac,370ac,380acおよび390acが設置される。誘導部360ac,370ac,380acおよび390acの各々は、第2個別経路320acの傾斜面から突出する突起によって構成される。
誘導部360acは、供給路241aおよび241cよりも上流側に設置され、小玉M1を供給路241aまたは241cに誘導する。誘導部360acは、面361および362を含む突起である。面361および362は、第2個別経路320acが延在する方向(以下「経路方向」という)に対して傾斜する平面または曲面である。面361に接触した小玉M1は、当該面361に沿って転動することで供給路241aに誘導される。同様に、面362に接触した小玉M1は、当該面362に沿って転動することで供給路241cに誘導される。すなわち、小玉M1が供給路241aまたは241cに進入し易くなる。以上に説明した通り、誘導部360acにより、第3ホッパー250aおよび250cと比較して第2ホッパー240aおよび250aに優先的に小玉M1を貯留できる。
誘導部370acおよび380acは、供給路241aおよび241cよりも下流側で供給路251aおよび251cよりも上流側に設置される。誘導部370acは、経路方向に対して傾斜する面371と、経路方向に平行な面372とを含む突起である。面371に接触した小玉M1は、当該面371に沿って転動することで供給路241aに誘導される。同様に、誘導部380acは、経路方向に対して傾斜する面381と、経路方向に平行な面382とを含む突起である。面381に接触した小玉M1は、当該面381に沿って転動することで供給路241cに誘導される。誘導部370acの面372または誘導部380acの面382に接触した小玉M1は、誘導部390acに誘導される。
誘導部390acは、供給路251aおよび251cよりも上流側に設置され、小玉M1を供給路251aまたは251cに誘導する。誘導部390acは、経路方向に対して傾斜する面391および362を含む突起である。面391に接触した小玉M1は供給路251aに誘導され、面392に接触した小玉M1は供給路251cに誘導される。
以上に説明した通り、第1経路310acの上流側に位置するホッパー(遊技体利用部)ほど優先的に小玉M1が供給される。第1経路310ac上において供給路231aおよび231cと供給路241aおよび241cと供給路251aおよび251cとの何れにも進入しない小玉M1は、第2個別経路320acの下流側の端部322acから落下する。
図12に例示される通り、第2経路340acは、第1経路310ac上の何れの供給路にも進入せずに当該第1経路310acから落下した小玉M1を第1位置P1まで移動させる経路である。第1位置P1は第3位置P3よりも低い位置である。具体的には、第2経路340acは、第1経路310acと第2経路340acとの間の空間において第3位置P3から第4位置P4に落下した小玉M1を、第1位置P1まで移動させる。第4位置P4は、第3位置P3よりも低く、第1位置P1よりも高い位置である。第2経路340acは、第4位置P4から第1位置P1にかけて下降する傾斜面を含む。したがって、第1経路310acから第4位置に落下した小玉M1は、第2経路340acの傾斜面上を転動しながら第4位置P4から第1位置P1に向けて移動する。すなわち、第2経路340acは、第1位置P1まで小玉M1を帰還させる経路である。なお、第2経路340acを第1経路310acに連結してもよい。すなわち、第1経路310acと第2経路340acとの間の空間および分配部260を省略してもよい。第1経路310acと第2経路340acとを連結した構成では、第2経路340acは、第3位置P3から第1P1に向けて小玉M1を移動させる経路となる。
図12に例示される通り、第1経路310acにおける上流側の端部は、第2経路340acにおける下流側の端部からみて鉛直方向の上方に位置する。すなわち、第1経路310acの上流側の端部と、第2経路340acの下流側の端部との間では、水平方向の位置が相互に近接する。したがって、鉛直方向の下方から上方に小玉M1を搬送する簡便な構成により、第2経路340acの下流側に到達した小玉M1を第1経路310acに供給することが可能である。また、第1経路310acにおける下流側の端部は、第2経路340acにおける上流側の端部からみて鉛直方向の上方に位置する。すなわち、第1経路310acの下流側の端部と、第2経路340acの上流側の端部との間では、水平方向の位置が相互に近接する。したがって、第1経路310acから小玉M1を落下させる簡便な構成により、第1経路310acの下流側に到達した小玉M1を第2経路340acに供給することが可能である。第1経路310acおよび第2経路340acは、小玉M1を転動させる傾斜面であるから、各経路の方向は、直線的な方向に限定されず任意の方向に選定され得る。したがって、第1経路310acの下流側の端部と第2経路340acの上流側の端部とを、水平方向の位置が相互に近接するように容易に接続することが可能である。
第1実施形態の搬送装置170acは、小玉M1を搬送する状態(以下「作動状態」という)を継続する。したがって、循環機構20acの各遊技体利用部(例えば第1ホッパー230a,第2ホッパー240aまたは第3ホッパー250a)に対する小玉M1の供給は継続される。すなわち、循環機構20acの各遊技体利用部により小玉M1が必要とされるたびに搬送装置170acによる小玉M1の搬送が間欠的に実行されるのではなく、各遊技体利用部による小玉M1の利用の有無に関わらず搬送装置170acは作動状態を維持する。以上の通り、第1実施形態では、循環機構20acの各遊技体利用部が小玉M1を実際には利用しない状態でも、搬送装置170acは、小玉M1を搬送可能な作動状態に維持される。例えばプレイヤがゲームをプレイしていない状態(プレイヤの有無は不問)でも搬送装置170acは作動状態に維持される。
なお、循環機構20ac上の遊技体利用部が小玉M1を必要とする場合に限定して当該遊技体利用部に小玉M1を供給する構成では、遊技体利用部における小玉M1の有無を検知する必要があり、ゲーム装置10の構成が煩雑化するという問題がある。多数の遊技体利用部が設置された構成では、以上の問題は特に深刻である。第1実施形態によれば、前述の通り搬送装置170acの作動状態が継続されるから、遊技体利用部における小玉M1の有無を検知する構成、または、当該検知の結果に応じた搬送装置170acの制御が不要であるという利点がある。また、実際にはゲームがプレイされていない状態でも、循環機構20acが複数の小玉M1を常時的に循環させることで、ゲーム装置10が作動していることを周囲の人に知覚させることが可能である。視覚的な演出の効果も期待できる。
[分配部260]
以上の説明では、2個のステーション部100aおよび100cに対応する第1経路310acおよび第2経路340acを例示したが、2個のステーション部100bおよび100dについても同様の構成の第1経路310bdおよび第2経路340bdが設置される。図12に例示される通り、第1経路310acの下流側の端部から落下する小玉M1と、第1経路310bdの下流側の端部から落下する小玉M1とが合流する地点には分配部260が設置される。第1経路310acおよび第1経路310bdと、第2経路340acおよび第2経路340bdとの間の空間に分配部260が設置される。第1経路310acおよび第1経路310bdの各々を転動する小玉M1は、当該転動により加速された状態で経路から落下するため、小玉M1の落下の軌跡(以下「落下路」という)は放物線となる。第1経路310acからの落下路と第1経路310bdからの落下路との交点に分配部260が設置される。
分配部260は、第1経路310acから落下する小玉M1と第1経路310bdから落下する小玉M1とを、循環機構20acの第2経路340acと循環機構20bdの第2経路340bdとに分配する。すなわち、分配部260は、循環機構20acと循環機構20bdとにより共用される。
分配部260は、循環機構20acに対向する第1面261と、循環機構20bdに対向する第2面262とを含む構造体である。第1面261および第2面262は、鉛直方向に対して傾斜した平面または曲面である。第1面261は、当該第1面261に接触した小玉M1を循環機構20acの第2経路340acに転動させる傾斜面である。第2面262は、当該第2面262に接触した小玉M1を循環機構20bdの第2経路340bdに向かう方向に転動させる傾斜面である。第1面261と第2面262とが交差する頂上部263が分配部260のうち最も高い部位である。
第1経路310acから落下した小玉M1は、傾斜面上での転動の状態に応じて速度が相違し、または、小玉M1同士の衝突により落下の軌跡が相違し得る。したがって、第1経路310acから落下した複数の小玉M1は、頂上部263を越えて第2面262に接触する小玉M1と、頂上部263を越えられずに第1面261に接触する小玉M1とに区分される。同様に、第1経路310bdから落下した複数の小玉M1は、頂上部263を越えて第1面261に接触する小玉M1と、頂上部263を越えられずに第2面262に接触する小玉M1とに区分される。また、第1経路310acから落下した小玉M1と第1経路310bdから落下した小玉M1との間でも衝突が発生する。衝突により減速した小玉M1は、頂上部263を越えられずに第1面261または第2面262に接触する。
以上の通り、第1経路310acまたは310bdから落下した複数の小玉M1が、分配部260により第2経路340acおよび340bdに分配される。小玉M1が分配部260から第2経路340acに移動する確率と第2経路340bdに向かう確率とは略同等である。すなわち、第1経路310acまたは310bdから落下した複数の小玉M1は、第2経路340acおよび340bdに略均等に分配される。
例えばJP払出部150により多数の小玉M1が特定のゲームフィールド110に払出された直後には、循環機構20acおよび20bdの一方に多数の小玉M1が存在する場合がある。すなわち、循環機構20acにより循環される小玉M1の個数と循環機構20bdにより循環される小玉M1の個数とが乖離し得る。第1実施形態では、前述の通り、第1経路310acまたは310bdから落下した小玉M1が分配部260により第2経路340acおよび340bdに分配される。さらに、搬送装置170acおよび170bdの各々は、小玉M1を搬送可能な作動状態を維持するから、小玉M1が循環機構20acを継続的に循環する。したがって、循環機構20acに循環する小玉M1の個数と循環機構20bdに循環する小玉M1の個数とが一時的に乖離した場合でも、両者の個数を経時的に均衡させることが可能である。
図15は、第2経路340acの平面図である。図15の左方が第2経路340acの上流側に相当し、図15の右方が第2経路340acの下流側に相当する。第2経路340acの表面は、上流側から下流側に向けて下降する傾斜面である。第2経路340acの下流側に搬送装置170acが設置される。したがって、第2経路340acに供給された小玉M1は搬送装置170acに向けて転動する。分配部260により循環機構20acに分配された小玉M1は、第2経路340acにおける上流側の第4位置P4から下流側の端部である第1位置P1まで移動する。すなわち、小玉M1は搬送装置170acまで移動する。
図12に例示される通り、ゲームフィールド110aに小玉M1を投入する遊技体利用部としての第2ホッパー240aおよび第3ホッパー250aは、第1経路310acよりも低く第1位置P1よりも高い位置に設置される。ゲームフィールド110aに投入された複数の小玉M1のうち前縁部116から落下した小玉M1は、図12および図15に例示される通り回収経路330aに供給される。回収経路330aには、小玉M1を転動させる傾斜面が形成される。回収経路330aに供給された小玉M1は、当該傾斜面を転動して計数器220aに進入する。計数器220aによる計数後の小玉M1は、当該計数器220aから第2経路340acに供給される。ゲームフィールド110cの前縁部116から落下した小玉M1も同様に、回収経路330cを介して計数器220cに供給され、当該計数器220cによる計数後に第2経路340acに供給される。以上の説明から理解される通り、ゲームフィールド110aおよび110cのゲームに利用された小玉M1は、鉛直方向の下方に移動する(すなわち落下する)ことで第2経路340acに回収される。以上の構成によれば、ゲームフィールド110aおよび110cによる利用後の小玉M1の回収に動力が不要であるという利点がある。
第2経路340acには、分配部260による分配後の小玉M1と、計数器220aおよび220cから排出された小玉M1とに加えて、ゲームフィールド110aおよび110cの切欠部115Lまたは115Rから落下した小玉M1も供給される。また、物理抽選部(120a,130a,140a,120c,130c,140c)で利用された小玉M1も第2経路340acに供給される。
以上の説明から理解される通り、第1実施形態の搬送装置170acは、第1ホッパー230aが物理抽選(第1抽選,第2抽選または第3抽選)に利用した小玉M1と、第2ホッパー240aまたは第3ホッパー250aがゲームフィールド110aによるゲームに利用した小玉M1とを回収して、第1経路310acの上流側に搬送する。すなわち、物理抽選に利用された小玉M1とゲームに利用された小玉M1とが第1経路310acの上流側に搬送されて再利用される。
[搬送装置170acの構成]
図16は、搬送装置170acの側面図である。図16に例示される通り、第1実施形態の搬送装置170acは、鉛直方向に沿って配置された長尺の柱状体であり、回転体1730と支持部1740と囲み部材1750と複数のガイド部1760と保持部1770と供給部1780とを具備する。保持部1770は、搬送装置170acの上端部を構成し、供給部1780は、搬送装置170acの下端部を構成する。回転体1730と支持部1740と囲み部材1750と複数のガイド部1760とは、保持部1770と供給部1780との間に位置する。なお、第1実施形態では、搬送装置170acの回転軸Cが鉛直方向に平行である場合を想定するが、鉛直方向に対して回転軸Cが傾斜してもよい。鉛直方向に対する回転軸Cの角度が30°以下であれば、搬送装置170acが鉛直方向に沿って配置されていると言える。
図17は、囲み部材1750を省略した状態の搬送装置170acの側面図である。図18は、囲み部材1750および複数のガイド部1760を省略した状態の搬送装置170acの側面図である。
回転体1730は、回転軸Cを中心として回転する円柱状の部材であり、搬送装置170acの中心軸を構成する。回転軸Cは、鉛直方向に平行な仮想的な軸線である。回転体1730は、鉛直方向の上方からみて反時計回りに回転する。第1実施形態の回転体1730は、保持部1770と供給部1780との間に回転可能に軸支される。搬送装置170acの前述の作動状態は、回転軸Cを中心として回転体1730が回転する状態である。
支持部1740は、回転軸Cに沿う螺旋状の部材である。具体的には、支持部1740は、鉛直方向の下方から上方に向けて、鉛直方向の上方からみた場合に時計回りの螺旋を描くように構成される。第1実施形態の支持部1740は、回転体1730の外周面に設置される。具体的には、支持部1740の内周面と回転体1730の外周面とが接合される。したがって、支持部1740は、回転軸Cを中心として回転体1730とともに回転する。支持部1740は、回転体1730の外周面から突起する部分とも換言される。以上の通り、第1実施形態の搬送装置170acは、螺旋により小玉M1を搬送するスクリューリフターである。
なお、支持部1740は、回転体1730とは別体に形成されて当該回転体1730に固定されてもよいし、回転体1730と一体に形成されてもよい。また、回転体1730および支持部1740のうち回転軸Cの方向の一部の区間(例えば支持部1740の1周期分)を構成する単位部材の複数個を回転軸Cの方向に連結することで、回転体1730および支持部1740を構成してもよい。
図19は、搬送装置170acを部分的に拡大した断面図であり、図20は、回転軸Cに垂直な断面における搬送装置170acの断面図である。図19および図20に例示される通り、小玉M1は、支持部1740の上面(以下「載置面」という)Fに載置された状態で鉛直方向の下方から上方に搬送される。載置面Fは、回転軸Cに対して略垂直(すなわち水平方向に略平行)な平面または曲面である。支持部1740における螺旋の間隔Kは、小玉M1の外径Dを上回る。
図19および図20に例示される通り、載置面Fの幅L1は小玉M1の半径D/2を上回る(L1>D/2)。例えば、小玉M1の半径D/2は8.5mm程度であり、載置面Fの幅L1は12mm程度である。したがって、小玉M1の重心(中心)は載置面F上に位置し得る。なお、載置面Fの幅L1は、支持部1740の内周と外周との距離であり、回転体1730の外周面に対する支持部1740の高さとも換言される。以上のように載置面Fの幅L1が小玉M1の半径D/2を上回る構成によれば、小玉M1が載置面Fから落下する可能性を低減することができる。
複数のガイド部1760の各々は、支持部1740の外側(支持部1740からみて回転軸Cとは反対側)に配置されて回転軸Cに沿って延在する棒状の部材である。例えば円柱状または角柱状の部材がガイド部1760として好適に利用される。複数のガイド部1760は、支持部1740を挟んで回転体1730の外周面に対向する。各ガイド部1760の上端は保持部1770に固定され、各ガイド部1760の下端は供給部1780に固定される。複数のガイド部1760は、回転体1730とは分離して設置される。したがって、回転体1730が回転しても、複数のガイド部1760は回転しない。第1実施形態では、12本のガイド部1760が設置された構成を例示するが、ガイド部1760の本数は任意である。
複数のガイド部1760は、回転軸Cを中心とした周方向の全周にわたり相互に間隔Gをあけて配置される。すなわち、支持部1740の周囲には、ガイド部1760の本数に相当する総数の間隙が形成される。相互に隣合う2個のガイド部1760の間隔Gは、小玉M1の外径(直径)Dを上回る。したがって、2個のガイド部1760の間隙を小玉M1は通過可能である。
また、図19および図20に例示される通り、回転体1730の外周面(支持部1740の内周)と各ガイド部1760との間隔L2は、小玉M1の外径Dを下回る(L2<D)。例えば、小玉M1の外径Dは17mm程度であり、間隔L2は14mm程度である。なお、第1実施形態では、相互に隣合う2個のガイド部1760の間隔Gは、小玉M1の外径Dの2個分を下回る(G<2D)。したがって、2個のガイド部1760の間隔Gには1個の小玉M1が存在し得る。
囲み部材1750は、複数のガイド部1760を挟んで支持部1740とは反対側に位置する部材である。第1実施形態の囲み部材1750は、回転体1730と支持部1740と複数のガイド部1760とを包囲する。具体的には、回転軸Cを中心軸とした円筒状の部材が囲み部材1750として利用される。複数のガイド部1760は、回転体1730の外周面と囲み部材1750の内周面との間に空間に設置される。なお、囲み部材1750の内周面に対する複数のガイド部1760の接触の有無は不問である。囲み部材1750は、回転体1730とは分離して設置される。したがって、回転体1730が回転しても、囲み部材1750は回転しない。
図19および図20に例示される通り、支持部1740の外周と囲み部材1750の内周との間隔L3は、小玉M1の外径Dを下回る(L3<D)。例えば、小玉M1の外径Dは17mm程度であり、間隔L3は9mm程度である。以上の構成によれば、載置面F上で回転軸Cの半径方向に小玉M1が移動しても、載置面Fからの落下前に当該小玉M1は囲み部材1750の内周面に接触する。したがって、囲み部材1750によって包囲された部分では、小玉M1が支持部1740から落下することを防止できる。
回転体1730の外周面に小玉M1が接触して載置面F上に載置された図19の状態において、小玉M1と囲み部材1750の内周面との間隔(以下「周間隔」という)は、4mm(L1+L3−D)程度である。周間隔を適切に確保することで、取込口1710から小玉M1を取込むときに囲み部材1750の下端面に小玉M1が衝突する可能性を低減できる。周間隔は、1mm以上かつ小玉M1の半径D/2以下の範囲内であることが望ましく、さらに好適な態様では、2mm以上かつ小玉M1の半径D/2の半分(D/4)以下の範囲内の適切な寸法に設定される。周間隔が大きい構成では、載置面F上で囲み部材1750の内周面に接触しながら搬送される小玉M1が増加する。囲み部材1750の内周面に小玉M1が接触しても当該小玉M1を搬送することは可能であるが、小玉M1の接触により囲み部材1750の内周面に経年的に擦り傷が発生する可能性が高まる。周間隔が適切に確保された構成によれば、囲み部材1750の内周面に対する小玉M1の接触が抑制されるから、当該接触に起因した内周面の擦り傷を防止できるという利点がある。
なお、囲み部材1750の形状は、内周面を有する円筒状に限定されない。例えば、回転軸Cからみて複数のガイド部1760とは反対側に設置された複数の棒状部材により囲み部材1750を構成してもよい。各棒状部材は、回転軸Cに沿って延在する部材であり、回転軸Cからみて、相互に隣合う2個のガイド部1760の間に位置する。複数の棒状部材により仮想的な内周面が形成され、当該内周面に小玉M1が接触することで当該小玉M1の落下が防止される。
囲み部材1750のうち周方向または鉛直方向の一部または全部は、例えば光透過性の材料で形成される。例えば囲み部材1750は透明な樹脂材料で形成される。以上の例示のように囲み部材1750を光透過性の材料で形成した構成、または、囲み部材1750を複数の棒状部材で形成した構成によれば、搬送装置170acが多数の小玉M1を搬送する様子を、プレイヤまたは周囲の人に視認させることが可能である。したがって、小玉M1による動的な演出の効果も期待できる。視覚的な面白味をプレイヤに付与することもできる。なお、周間隔が適切に確保された構成によれば、前述の通り、囲み部材1750の内周面の擦り傷が防止される。したがって、囲み部材1750が光透過性の材料で形成された構成においては、多数の小玉M1が搬送される様子を外部から視認できるという前述の効果が経年的に低下することを抑制できる。ただし、囲み部材1750の光透過性は必須ではない。
囲み部材1750の全長はガイド部1760の全長を下回る。図16および図17に例示される通り、各ガイド部1760のうち鉛直方向の下方に位置する部分(以下「第1端部」という)E1は、囲み部材1750の下端面から鉛直方向の下方に露出する。第1端部E1の全長は、小玉M1の外径Dを上回る。他方、各ガイド部1760のうち鉛直方向の上方に位置する部分(以下「第2端部」という)E2は、囲み部材1750の上端面から鉛直方向の上方に露出する。第2端部E2の全長は、小玉M1の外径Dを上回る。各ガイド部1760のうち第1端部E1と第2端部E2との間の部分が囲み部材1750の内周面に対向する。
回転軸Cの周方向に隣合う2個のガイド部1760における第1端部E1の間隙は、小玉M1を搬送装置170acに取込むための取込口1710として機能する。第1実施形態の取込口1710は、囲み部材1750の下端面と、供給部1780の表面である供給面1781と、相互に隣合う2個の第1端部E1とで包囲された空間である。搬送装置170acに供給される小玉M1は、取込口1710を通過して支持部1740の載置面Fに載置される。
前述の通り、回転軸Cの周方向には複数のガイド部1760が相互に間隔Gをあけて配列される。したがって、ガイド部1760の本数に相当する個数(例えば12個)の取込口1710が、搬送装置170acの下端部に、回転軸Cの周方向に沿って形成される。すなわち、搬送装置170acの下端部の周囲に供給された複数の小玉M1は、支持部1740の回転に連動して複数の取込口1710の各々から順次に取込まれる。以上に説明した通り、第1実施形態によれば、各ガイド部1760の第1端部E1を囲み部材1750から露出させる非常に簡便な構成により、搬送装置170acに小玉M1を取込むことが可能である。
他方、回転軸Cの周方向に隣合う2個のガイド部1760における第2端部E2の間隙は、小玉M1を搬送装置170acから排出するための排出口1720として機能する。第1実施形態の排出口1720は、囲み部材1750の上端面と、保持部1770の表面(後述の傾斜面1771)と、相互に隣合う2個の第2端部E2とで包囲された空間である。搬送装置170acにより搬送された小玉M1は、排出口1720を通過して搬送装置170acから外部に排出される。
前述の通り、回転軸Cの周方向には複数のガイド部1760が相互に間隔Gをあけて配列される。したがって、ガイド部1760の本数に相当する個数(例えば12個)の排出口1720が、搬送装置170acの上端部に、回転軸Cの周方向に沿って形成される。したがって、搬送装置170acにより搬送された複数の小玉M1は、複数の排出口1720から放射状に排出される。以上に説明した通り、第1実施形態によれば、各ガイド部1760の第2端部E2を囲み部材1750から露出させる非常に簡便な構成により、搬送装置170acから小玉M1を排出することが可能である。
以上の構成において、各取込口1710を通過した小玉M1が、回転体1730の外周面に接触し、かつ載置面F上に載置された状態で、螺旋状の支持部1740が回転する。載置面F上の小玉M1の周方向の移動は、当該小玉M1がガイド部1760に接触することで制限される。すなわち、特定の2本のガイド部1760の間隙に収容された小玉M1は、回転軸Cの周方向に隣合う他の間隙には移動できない。したがって、小玉M1は、回転体1730の外周面と載置面Fと1本のガイド部1760との3箇所に接触した状態で、当該ガイド部1760に沿って鉛直方向の下方から上方に搬送される。すなわち、小玉M1は、回転体1730の外周面に対する接触点と載置面Fに対する接触点とガイド部1760に対する接触点との3点において支持される。以上の状態で支持部1740に支持された小玉M1は、1本のガイド部1760に押付けられながら鉛直方向の上方に搬送される。
なお、回転軸Cから離間する方向における小玉M1の移動は、当該小玉M1が囲み部材1750の内周面に接触することで制限される。したがって、小玉M1は、支持部1740の載置面Fとガイド部1760の表面と囲み部材1750の内周面との3箇所に接触しながら搬送される場合もある。すなわち、第1実施形態によれば、支持部1740から小玉M1が落下する可能性を低減して小玉M1を確実に搬送することが可能である。
以上の説明から理解される通り、第1実施形態の搬送装置170acにおいては、小玉M1を鉛直方向の下方から上方に移動させる搬送経路が、複数のガイド部1760の各々について形成される。すなわち、取込口1710から排出口1720まで小玉M1を搬送する複数(12本)の搬送経路が形成される。搬送経路は、回転体1730の外周面と、囲み部材1750の内周面と、周方向に隣合う2個のガイド部1760との間において、回転軸Cの方向に延在する長尺状の空間である。以上の構成によれば、供給部1780に供給された多数の小玉M1を、複数の搬送経路により並行して効率的に搬送することが可能である。
図21は、搬送装置170acのうち取込口1710の近傍を拡大した斜視図である。また、図22は、搬送装置170acの取込口1710と第2経路340acとの関係を例示する模式図である。
図21および図22に例示される通り、第2経路340acを移動した小玉M1は供給部1780に供給される。供給部1780は、搬送装置170acの下端部を構成する部材である。供給部1780の上面(以下「供給面」という)1781は、第2経路340acから供給される小玉M1を取込口1710に向けて転動させる傾斜面である。供給面1781は、各取込口1710に近い位置ほど低い平面または曲面である。以上の通り、第1実施形態では、取込口1710に向けて小玉M1を転動させる供給面1781が供給部1780に形成されるから、多数の小玉M1を効率的に複数の搬送経路に取込むことが可能である。
図23および図24は、任意の1個の取込口1710と支持部1740の外周縁との関係の説明図である。図23および図24に例示される通り、取込口1710に対する支持部1740の外周縁の位置関係は、当該支持部1740の回転に連動して経時的に変化する。
図23に例示される通り、支持部1740の外周縁が取込口1710の底部に近い状態では、小玉M1が取込口1710を通過して搬送経路に取込まれる。他方、図24に例示される通り、支持部1740の外周縁が取込口1710の底部に対して高い位置にある状態では、取込口1710に向かう小玉M1は当該外周縁に接触する。すなわち、取込口1710に対する小玉M1の進入が支持部1740により阻止される。支持部1740が更に回転することで、支持部1740の外周縁が取込口1710の底部よりも低い位置に変化すると(図23)、取込口1710の外側で待機していた小玉M1が取込口1710に進入して搬送経路に取込まれる。
以上に説明した通り、供給部1780の供給面1781上で取込口1710に到達した小玉M1は、当該到達の直後に取込口1710に進入するわけではなく、支持部1740の外周縁が取込口1710の底部に近い位置に移動した段階で取込口1710に進入する。すなわち、小玉M1は取込口1710の外側で一時的に待機する。以上の説明から理解される通り、第1実施形態の供給部1780は、搬送装置170acに向かう複数の小玉M1を一時的に貯留する貯留部として機能する。
なお、支持部1740は継続的に回転するから、取込口1710に進入しつつある小玉M1が支持部1740の外周縁との衝突により弾かれる可能性がある。すなわち、支持部1740の外周縁が取込口1710の底部に近い状態となっても、小玉M1が取込口1710に取込まれない場合が想定される。前述の通り、第1実施形態では、搬送装置170acに向かう複数の小玉M1が供給部1780に一時的に貯留される。以上の構成によれば、取込口1710に進入しつつある小玉M1は、供給部1780に貯留された小玉M1により取込口1710側に押圧される。したがって、支持部1740の外周縁により小玉M1が弾かれる可能性が低減される。すなわち、第1実施形態によれば、支持部1740の外周縁により小玉M1が弾かれることを抑制するための複雑な機構が不要であるから、取込口1710の構造を簡素化できるという利点がある。
図22から理解される通り、搬送装置170acの複数の取込口1710の各々には、水平方向に近い方向(横方向)から小玉M1が順次に供給される。したがって、多数の小玉M1が供給部1780に供給されても、複数の小玉M1が鉛直方向に積み重なる可能性が低減される。なお、多数の小玉M1が積み重なる構成では、取込口1710までの経路上で複数の小玉M1が接触した状態で相互間の力が均衡し、結果的に複数の小玉M1が静止する現象(以下「ブリッジ現象」という)が発生し得る。ブリッジ現象が発生すると、取込口1710に対する小玉M1の取込みが阻害される。第1実施形態によれば、複数の小玉M1が鉛直方向に積み重なる可能性が低減されるから、ブリッジ現象の発生を抑制することが可能である。すなわち、多数の小玉M1を効率的に複数の搬送経路に取込むことが可能である。第1実施形態では特に、回転軸Cの周方向に複数の取込口1710が形成されるから、一部の取込口1710の近傍でブリッジ現象が発生したとしても、他の取込口1710から小玉M1は取込まれる。したがって、ブリッジ現象に起因した小玉M1の搬送の不具合を防止することが可能である。
供給部1780に供給された複数の小玉M1が積み重なる可能性を低減するためには、供給面1781の傾斜の角度を抑制した構成が好適である。具体的には、図22に例示される通り、水平面に対する供給面1781の最大角度θは、例えば20°以下(さらに好適には10°以下)に設定される。以上の構成によれば、複数の小玉M1が供給面1781上で積み重なる可能性が低減される。したがって、各取込口1710の近傍におけるブリッジ現象の発生(すなわち小玉M1の詰まり)を効果的に抑制することが可能である。
図21および図22に例示される通り、第1実施形態の供給面1781は、回転軸Cの周囲の曲面である。具体的には、回転軸C上に中心が位置する球体の表面(円弧面)が供給面1781として好適である。以上の構成によれば、回転軸Cを中心とした全方向から複数の小玉M1が取込口1710に供給される。したがって、多数の小玉M1を効率的に各搬送経路に供給できるという効果は格別に顕著である。
図25は、搬送装置170acのうち排出口1720の近傍を拡大した斜視図である。図25に例示される通り、第1実施形態の保持部1770は、回転軸Cに対して傾斜した傾斜面1771を含む円錐台状の部材である。回転軸Cの方向に搬送された小玉M1は、傾斜面1771に接触することで、回転軸Cに交差する方向に進行の方向が変化する。傾斜面1771に対する接触で方向が変化した小玉M1は、排出口1720を通過して搬送経路から排出される。すなわち、図13を参照して前述した通り、搬送装置170acにより搬送された複数の小玉M1が複数の排出口1720から放射状に排出される。以上の説明から理解される通り、保持部1770(特に傾斜面1771)は、搬送経路により搬送された小玉M1を回転軸Cから離間する方向に移動させる排出誘導部として機能する。したがって、小玉M1が必要以上に搬送経路に停留する可能性を低減することが可能である。
図26は、鉛直方向の上方からみた供給部1780の近傍の平面図である。また、図27は、図26におけるB−B線の断面図である。図26に例示される通り、第2経路340acに沿うX方向とX方向に直交するY方向とを想定する。X方向において任意の地点からみて第2経路340acの上流側をX1側と表記し、第2経路340acの下流側をX2側と表記する。搬送装置170acは第2経路340acからみてX方向のX2側に位置する。また、Y方向の一方側をY1側と表記し、他方側をY2側と表記する。搬送装置170acからみてY1側にステーション部100aが位置し、搬送装置170acからみてY2側にステーション部100cが位置する。
図26に例示される通り、供給部1780の近傍には、第1誘導部51と第2誘導部52と第3誘導部53とが設置される。図26においては、第1誘導部51と第2誘導部52と第3誘導部53とに便宜的に網掛が付加されている。
[第1誘導部51]
図26に例示される通り、供給部1780の供給面1781には複数の第1誘導部51が形成される。各第1誘導部51は、小玉M1を複数の取込口1710に誘導するための構造体である。以上の構成によれば、複数の小玉M1を取込口1710に効率的に供給することが可能である。
第1実施形態の各第1誘導部51は、供給面1781から突出する突起である。図27に例示される通り、各第1誘導部51の高さH1は、小玉M1の外径Dを下回る。相互に隣合う2個の第1誘導部51は、小玉M1を取込口1710に誘導するための誘導経路511として機能する。なお、供給部1780とは別体の第1誘導部51を供給面1781に固定してもよいし、第1誘導部51を供給部1780と一体に形成してもよい。
複数の第1誘導部51で形成される誘導経路511の幅は、小玉M1の外径Dを上回り、当該外径Dの2倍を下回る。したがって、複数の小玉M1は、誘導経路511に沿って取込口1710まで1列に整列する。以上の説明から理解される通り、第1実施形態の第1誘導部51は、複数の小玉M1が取込口1710に向けて整列するように小玉M1を誘導する。したがって、複数の小玉M1の集中に起因してブリッジ現象が発生する可能性を低減することが可能である。
第1実施形態の複数の第1誘導部51は、搬送装置170acからみてX2側(すなわち第2経路340acの下流側)に設置される。すなわち、複数の第1誘導部51は、第2経路340acから搬送装置170acのX2側に到達した小玉M1を、複数の取込口1710のうちX2側の一部の取込口1710に向けて整列させる。
[第2誘導部52]
図26に例示される通り、第2経路340acには第2誘導部52が設置される。第2誘導部52は、第2経路340acから供給部1780に向けて進行する小玉M1を搬送装置170acの側方に誘導する構造体である。搬送装置170acの側方とは、搬送装置170acからみてY1側またはY2側である。以上の構成によれば、搬送装置170acの複数の取込口1710のうち側方から後方(すなわち第2経路340acとは反対側)に位置する取込口1710に、複数の小玉M1を優先的に供給することが可能である。以上の説明から理解される通り、第2誘導部52は、第2経路340acから供給部1780に供給される小玉M1の移動を規制する規制部として機能する。
第2誘導部52は、搬送装置170acからみてX1側(すなわち第2経路340ac側)に設置される。すなわち、第2誘導部52は、搬送装置170acを挟んで第1誘導部51とは反対側に設置される。また、第2誘導部52は、第2経路340acにおける幅方向の略中央に位置する。なお、第2経路340acとは別体の第2誘導部52を第2経路340acに固定してもよいし、第2誘導部52を第2経路340acと一体に形成してもよい。また、第2誘導部52を供給部1780に設置してもよい。
図26に例示される通り、第1実施形態の第2誘導部52は、X方向に対して傾斜する傾斜面521および522を含む。傾斜面521および522は平面または曲面である。傾斜面521は、第2誘導部52におけるY1側の側面であり、傾斜面522は、第2誘導部52におけるY2側の側面である。傾斜面521および522の高さは、小玉M1の外径Dを上回る。したがって、小玉M1は、第2誘導部52を乗越えることはできない。
第2経路340acを移動して傾斜面521に接触した小玉M1は、搬送装置170acからみてY1側に誘導される。傾斜面522に接触した小玉M1は、搬送装置170acからみてY2側に誘導される。すなわち、第2誘導部52は、第2経路340acを移動した複数の小玉M1を、搬送装置170acのY1側とY2側とに分配する。すなわち、複数の小玉M1は、搬送装置170acの複数の取込口1710のうち第2経路340ac側(X1側)の取込口1710に直接には向かわない。以上の説明から理解される通り、第2誘導部52は、供給部1780に向けて進行する小玉M1を、搬送装置170acの複数の取込口1710のうち第2経路340ac側(X1側)の取込口1710に向かうことなく、第2経路340acとは反対側(X2側)の取込口1710に向かうように誘導する。
第2誘導部52を設置しない構成では、搬送装置170acの複数の取込口1710のうち第2経路340ac側の取込口1710に多数の小玉M1が供給され易い。第1実施形態では、複数の取込口1710のうちX1側の取込口1710に直接に向かわずにX2側の取込口1710に向かうように第2誘導部52が複数の小玉M1を誘導する。したがって、多数の小玉M1がX1側の取込口1710に集中する可能性を低減することが可能である。
[第3誘導部53]
図26に例示される通り、第2経路340acには第3誘導部53が設置される。第3誘導部53は、第2経路340acを移動する小玉M1を、搬送装置170acからみて第2経路340acとは反対側(すなわちX2側)に誘導する構造体である。以上の構成によれば、搬送装置170acの複数の取込口1710のうち側方から後方(すなわち第2経路340acとは反対側)に位置する取込口1710に、複数の小玉M1を優先的に供給することが可能である。以上の説明から理解される通り、第3誘導部53は、第2経路340acから供給部1780に供給される小玉M1の移動を規制する規制部として機能する。
第1実施形態の第3誘導部53は、第2経路340acの傾斜面から突出する突起である。図27に例示される通り、第3誘導部53の高さH2は、第1誘導部51の高さH1および第2誘導部52の高さを下回る。また、第3誘導部53の高さH2は、小玉M1の外径Dを下回る。したがって、小玉M1は第3誘導部53を乗越え可能である。具体的には、1個の小玉M1が単体で第2経路340acを移動する状態では、当該小玉M1は第3誘導部53を乗越えられない。しかし、多数の小玉M1が第2経路340ac上に存在する状態では、小玉M1が他の小玉M1により押圧されることで第3誘導部53を乗越え可能である。なお、第2経路340acとは別体の第3誘導部53を第2経路340acに固定してもよいし、第3誘導部53を第2経路340acと一体に形成してもよい。また、第3誘導部53を供給部1780に設置してもよい。
図26に例示される通り、第1実施形態の第3誘導部53は、傾斜部531および532と直線部533および534とを含んで構成される。第3誘導部53を構成する各要素は、平面視で直線状に延在する突起である。傾斜部531および532は、X方向に対して傾斜する方向に延在する部分であり、搬送装置170acからみてX1側の地点で相互に交差する。直線部533および534は、X方向に延在する直線状の部分である。直線部533は、傾斜部531のうち傾斜部532とは反対側(X2側)の端部に連続する。直線部534は、傾斜部532のうち傾斜部531とは反対側(X2側)の端部に連続する。
第2経路340ac上で傾斜部531に接触した小玉M1は、当該傾斜部531に沿ってY1側に誘導されるとともに後段の直線部533に沿ってX方向に移動する。同様に、傾斜部532に接触した小玉M1は、当該傾斜部532に沿ってY側に誘導されるとともに後段の直線部534に沿ってX方向に移動する。すなわち、第3誘導部53は、図26に実線の矢印で図示される通り、搬送装置170acおよび第2誘導部52を迂回するように複数の小玉M1を2系統に分岐させて搬送装置170acのX2側に誘導する。第3誘導部53により誘導された複数の小玉M1は、複数の第1誘導部51により整列されたうえで、搬送装置170acのX2側の各取込口1710に供給される。すなわち、複数の取込口1710のうちX2側の取込口1710に対して複数の小玉M1が優先的に供給される。
以上の説明の通り、複数の小玉M1は、基本的には、第3誘導部53により搬送装置170acのX2側に誘導される。しかし、第2経路340ac上に多数の小玉M1が存在する状態では、図26に破線の矢印で図示される通り、他の小玉M1により押圧されることで第3誘導部53を乗越える小玉M1が発生し得る。第3誘導部53を乗越えた小玉M1は、複数の取込口1710のうちX1側(第2経路340ac側)の各取込口1710に供給される。
複数の取込口1710のうちX2側の取込口1710に優先的に小玉M1を供給する構成では、搬送装置170acのX2側に過度に多数の小玉M1が集中する可能性がある。特定の取込口1710に多数の小玉M1が集中すると、ブリッジ現象が発生し易いという問題がある。第1実施形態では、搬送装置170acのX2側に多数の小玉M1が集中した状態では、他の小玉M1に押圧されることで第3誘導部53を乗越えた小玉M1が、第2経路340ac側(X1側)の取込口1710に供給される。したがって、多数の小玉M1の過度な集中を抑制することが可能である。
[遊技体収容空間46]
図28は、遊技体収容空間46に着目したゲーム装置10の断面図である。図2におけるC−C線の断面が図28に図示されている。遊技体収容空間46は、前述の通り、JP払出部150から4個のゲームフィールド110(110a,110b,110cおよび110d)の何れかに排出される小玉M1を収容する空間である。
図28に例示される通り、第1実施形態のゲーム装置10は、直方体状の中空の筐体部41を具備する。筐体部41は、上面部411と側面部412とを含む。上面部411は筐体部41の上面(すなわち天井面)を構成し、側面部412は筐体部41の各側面を構成する。上面部411および側面部412は、光透過性の材料で形成された板状部材である。側面部412は、ゲーム装置10のゲームをプレイするプレイヤと各ゲームフィールド110との間に位置する。すなわち、側面部412は、プレイヤの正面に位置する部分を含む。
筐体部41の内部には載置部44が設置される。筐体部41の内部空間は、載置部44によりゲーム収容空間45と遊技体収容空間46とに区分される。ゲーム収容空間45は、載置部44の下方の空間である。ゲーム収容空間45には、4個のゲームフィールド110(110a,110b,110cおよび110d)と、搬送装置170acおよび170bdと、第3抽選部140abおよび140cdと、JP払出部150とが収容される。
遊技体収容空間46は、載置部44の上方の空間である。遊技体収容空間46は、載置部44と上面部411との間の空間とも換言される。遊技体収容空間46は、4個のゲームフィールド110の上方に位置する空間である。図28に例示される通り、上面部411の内面(載置部44との対向面)には光源413が設置される。光源413は、鉛直方向の上方からみて4個のゲームフィールド110にわたる平面状の照明装置である。すなわち、載置部44を挟んで4個のゲームフィールド110とは反対側に光源413が設置される。光源413は、載置部44に向けて光を照射する。光源413は、発光体が平面状に形成された構成、または、例えば複数の点光源または線光源が平面状に配列された構成である。
図29は、遊技体収容空間46の内部を上方からみた平面図である。図28におけるD−D線の断面が図29には図示されている。図29に例示される通り、遊技体収容空間46の四隅には4個の投入部461(461a,461b,461cおよび461d)がそれぞれ設置される。投入部461aは、搬送装置180aにより鉛直方向に搬送されて経路切替部280aから供給される小玉M1を遊技体収容空間46に投入する。投入部461b,461cおよび461dも同様に小玉M1を遊技体収容空間46に投入する。
遊技体収容空間46に投入された複数の小玉M1は載置部44に載置される。載置部44は、鉛直方向の上方からみて4個のゲームフィールド110にわたる構造体である。以上に説明した通り、第1実施形態では、4個のゲームフィールド110の上方に載置部44が位置するから、筐体部41の内部空間を有効に利用できるという利点がある。
図28および図29に例示される通り、第1実施形態の載置部44は、第1板状部材441と第2板状部材442とを含んで構成される。第1板状部材441および第2板状部材442は、例えば光透過性の材料で形成される。
第1板状部材441は、複数の小玉M1が載置される第1面Q1を含む平板材である。第1面Q1は、相対する縁辺S11と縁辺S12とを含む矩形状の表面である。第1板状部材441は、突起部445を含む。突起部445は、縁辺S12に沿って第1面Q1から突出する直線状の部分である。図29に例示される通り、突起部445には、第1面Q1上の小玉M1が通過可能な排出部446が形成される。具体的には、突起部445は、ゲームフィールド110bの上方に位置する直線状の部分445bと、ゲームフィールド110dの上方に位置する直線状の部分445dとで構成される。部分445bと部分445dとの間隔が排出部446である。部分445bおよび部分445dの各々は、排出部446に近い位置ほどX方向の正側(第2板状部材442とは反対側)に位置するようにY方向に対して傾斜する。
第2板状部材442は、複数の小玉M1が載置される第2面Q2を含む平板材である。第2面Q2は、相対する縁辺S21と縁辺S22とを含む矩形状の表面である。第2板状部材442は、第2面Q2が水平面に対して傾斜した状態で設置される。具体的には、縁辺S21が縁辺S22よりも低い位置となるように第2板状部材442が設置される。水平面に対する第2面Q2の傾斜の角度θ2は、例えば10°以下に設定される。角度θ2は、さらに好適には5°程度である。第2面Q2の角度θ2は固定である。図29から理解される通り、投入部461aおよび461cは、第2板状部材442の高位側(すなわち縁辺S22側)から小玉M1を投入する。
第1板状部材441は、水平方向に延在する回転軸Oに軸支される。回転軸Oは、第2板状部材442の低位側の縁辺S21に沿う直線状の軸体である。第1板状部材441の縁辺S11の近傍が回転軸Oに支持される。すなわち、第1板状部材441の縁辺S11と第2板状部材442の縁辺S21とは相互に近接する。以上の構成において、第1板状部材441は、回転軸Oを中心として回転可能である。
具体的には、第1板状部材441は、水平面に対する第1面Q1の角度θ1が相違する第1状態と第2状態との何れかに制御される。第1実施形態の第1板状部材441は、モータ等を含む駆動機構449により第1状態と第2状態との何れかに制御される。駆動機構449は、通常状態では第1板状部材441を第1状態に維持し、JP払出部150による小玉M1の払出が第3抽選により決定された場合に、第1板状部材441を第1状態から第2状態に変化させる。JP払出部150による払出が終了すると、駆動機構449は、第1板状部材441を第2状態から第1状態に変化させる。
第1状態は、図28に実線で図示される通り、第1面Q1が水平面に対して傾斜した状態である。具体的には、第1状態では、縁辺S11が縁辺S12よりも低い位置となるように第1板状部材441が傾斜する。第1状態における水平面に対する第1面Q1の傾斜の角度θ1は、例えば10°以下に設定される。角度θ1は、さらに好適には5°程度である。投入部461bおよび461dは、第1状態にある第1板状部材441の高位側(すなわち縁辺S12側)から小玉M1を投入する。
投入部461bまたは461dから第1状態の第1面Q1上に投入された小玉M1は、当該第1面Q1に沿って単層で配列する。具体的には、第1面Q1上に投入された小玉M1は、第1面Q1上の既存の小玉M1に対して当該第1面Q1に平行な方向から接触する。したがって、複数の小玉M1は、第1面Q1の垂直方向または鉛直方向に積み重なることなく当該第1面Q1に沿って稠密に配列する。すなわち、第1面Q1の低位側の縁辺S11から高位側の縁辺S12に向けて複数の小玉M1が単層に整列する。同様に、投入部461aまたは461cから第2面Q2上に投入された小玉M1は、当該第2面Q2に沿って単層で配列する。すなわち、第2面Q2の低位側の縁辺S21から高位側の縁辺S22に向けて複数の小玉M1が単層に整列する。すなわち、低位側の回転軸Oの近傍から高位側の縁辺S12または縁辺S22に向けて複数の小玉M1が徐々に整列する。
4個の投入部461(461a,461b,461cおよび461d)は、4個のステーション部100(100a,100b,100c,100d)にそれぞれ対応する。各投入部461は、当該投入部461に対応したステーション部100でのゲームのプレイの状況に応じて小玉M1を投入する。具体的には、ゲームフィールド110aに対する小玉M1の投入数に応じた個数の小玉M1、または、ゲームフィールド110aにおける物理抽選の結果に応じた個数の小玉M1が、投入部461aから遊技体収容空間46に投入される。例えば、プレイヤがゲームフィールド110aに投入した小玉M1の個数が多いほど、または、物理抽選の結果によりゲームフィールド110aに投入される小玉M1の個数が多いほど、投入部461aから遊技体収容空間46に投入される小玉M1の個数は増加する。
載置部44に載置された複数の小玉M1は、4個の投入部461のうち小玉M1の投入数が多い投入部461に近い領域に偏って分布する。例えば、投入部461aによる小玉M1の投入数が、他の投入部461(461b,461cおよび461d)による小玉M1の投入数を上回る場合、図30に例示される通り、第1面Q1および第2面Q2のうち投入部461aに近い領域(ゲームフィールド110aの上方の領域)に小玉M1が偏在する。すなわち、遊技体収容空間46に多数の小玉M1が投入されるようにゲームがプレイされたゲームフィールド110の上方に多数の小玉M1が偏在する。熱心にゲームをプレイしたプレイヤのゲームフィールド110の上方に多数の小玉M1が偏在すると換言してもよい。以上の構成によれば、遊技体収容空間46に対する小玉M1の蓄積に何れのプレイヤが貢献したのかを、遊技体収容空間46における複数の小玉M1の分布により視覚的に推定することが可能である。例えば、遊技体収容空間46内の複数の小玉M1が図30のように分布する状況では、ゲームフィールド110aを使用するプレイヤが、遊技体収容空間46における小玉M1の蓄積に貢献していると把握できる。
図28には、第2状態にある第1板状部材441が破線で図示されている。図28に例示される通り、第2状態は、第1面Q1の角度θ1を第1状態から変化させた状態である。具体的には、第2状態では、縁辺S11が縁辺S12よりも高い位置となるように第1板状部材441が傾斜する。すなわち、第1状態と第2状態とでは、第1面Q1の縁辺S11と縁辺S12との高低が反転する関係にある。
第2状態では、第1面Q1と第2面Q2との仰角が180°に近付く。具体的には、図28に例示される通り、第2状態では、第1面Q1と第2面Q2とが、水平面に対して傾斜した同一面内に位置する。したがって、第1面Q1および第2面Q2に載置された複数の小玉M1は、第1面Q1の低位側の縁辺S12に向けて一斉に転動する。そして、複数の小玉M1は、突起部445(部分445bおよび445d)に沿って排出部446に誘導され、排出部446を通過して落下する。すなわち、遊技体収容空間46に収容された多数の小玉M1が排出部446からゲーム収容空間45に排出される。以上に説明した通り、第1実施形態によれば、載置部44に載置された多数の小玉M1が一斉に排出部446に向けて転動する動的な演出が実現される。
なお、以上の説明では、突起部445により小玉M1を排出部446に誘導したが、排出部446に小玉M1を誘導するための構成は以上の例示に限定されない。例えば、第1面Q1のうちゲームフィールド110bに対応する部分とゲームフィールド110dに対応する部分とを、両者間の境界が低い位置となるように水平面に対して傾斜させた構成(すなわちY-Z平面における第1面Q1の断面がV字状となる構成)により、複数の小玉M1を排出部446に誘導してもよい。第2板状部材442についても同様に、第2面Q2のうちゲームフィールド110aに対応する部分とゲームフィールド110cに対応する部分とを相互に交差させてもよい。
図28および図29に例示される通り、筐体部41の内部空間には排出経路47が設置される。排出経路47は、ゲーム収容空間45内において第1板状部材441の排出部446に対応した位置に設置される。排出部446から落下した小玉M1は排出経路47に供給される。図28に例示される通り、排出経路47は、JP払出部150に向けて下降する傾斜面を含む。したがって、遊技体収容空間46の排出部446から排出経路47に供給された複数の小玉M1は、排出経路47の傾斜面上を転動してJP払出部150に進入する。JP払出部150は、前述の通り、第3抽選により払出が決定されたゲームフィールド110に、排出経路47から供給される多数の小玉M1を供給する。
前述の通り、第1板状部材441および第2板状部材442は光透過性の材料で形成される。したがって、各プレイヤは、第1面Q1および第2面Q2に載置された多数の小玉M1を、各ゲームフィールド110側から載置部44を介して視認することが可能である。第1実施形態では特に、複数の小玉M1が第1面Q1および第2面Q2に沿って単層で配列するから、多数の小玉M1が載置部44に載置されていることをプレイヤに効果的に視認させることが可能である。
前述の通り、小玉M1および載置部44は光透過性の材料で形成される。したがって、光源413による照射光が小玉M1と載置部44とを透過してゲームフィールド110側に出射する。以上の構成によれば、載置部44上の複数の小玉M1により適度に散乱して載置部44を透過した光がプレイヤにより視認される。したがって、視覚的な演出の効果を増大させることが可能である。
図31は、遊技体収容空間46とプレイヤとの位置関係を説明するための模式図である。図31に図示された仮想視点Vは、ゲームフィールド110により提供されるゲームをプレイする仮想的なプレイヤの目の位置(アイポイント)を意味する。図31に例示される通り、第1実施形態では、第1面Q1よりも下方の空間に仮想視点Vが位置するように載置部44が設置される。以上の構成によれば、図31に破線の矢印で図示される通り、第1面Q1上の複数の小玉M1の大多数をプレイヤが載置部44を介して視認できる。したがって、多数の小玉M1が載置部44に載置されていることをプレイヤに効果的に視認させることが可能である。なお、第1面Q1および第2面Q2の双方の下方の空間に仮想視点Vが位置するように載置部44を設置してもよい。
第1面Q1よりも下方の空間とは、第1面Q1に載置された小玉M1と第1面Q1との接点を通過する接平面に着目したときに、第1面Q1に載置された全部の小玉M1の接平面からみて鉛直方向の下方に位置する空間を意味する。第1面Q1が平面である構成では、当該第1面Q1を含む平面からみて下側の空間βが、第1面Q1よりも下方の空間に相当する。
なお、第1面Q1が曲面(例えば球面または円弧面)である構成では、図32に例示される通り、第1面Q1に載置された小玉M1毎に接平面αの角度が相違する。図32の構成では、第1面Q1上の全部の小玉M1の接平面αからみて下方に位置する空間βが、第1面Q1よりも下方の空間に該当する。
また、プレイヤの相異なる位置に対応する複数の仮想視点Vが、第1面Q1よりも下方の空間(さらには第2面Q2よりも下方の空間)に位置するように、載置部44を設置してもよい。複数の仮想視点Vは、相異なるステーション部100によりゲームをプレイする複数のプレイヤの仮想的な視点である。以上の構成によれば、ゲーム装置10のプレイヤが所在し得る複数の位置から、多数の小玉M1が載置部44に載置されていることを視認することが可能である。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図33は、第2実施形態における第1個別経路315acの平面図である。図33に例示される通り、第2実施形態の第1個別経路315acには、供給路231aに隣接する開口部239aと、供給路231cに隣接する開口部239cとが形成される。開口部239aおよび239cは、第2個別経路320acの上方に形成された開口である。
第1実施形態と同様に、供給路231aに進入した小玉M1は第1ホッパー230aに供給される。第1ホッパー230aが満杯である場合、第1ホッパー230aに到達できない小玉M1が供給路231a上に滞留する。以上の状態において搬送装置170acから供給路231aに向けて排出された小玉M1は、図33に例示される通り、供給路231a上に滞留する既存の小玉M1に衝突することで方向が変化し、開口部239aから第2個別経路320acに落下する。
第1ホッパー230aに過度に多数の小玉M1が供給されると、第1ホッパー230aの貯留容器231内でブリッジ現象が発生する可能性がある。第2実施形態では、供給路231aに小玉M1が滞留した状態で当該供給路231aに向かう小玉M1が開口部239aから第2個別経路320acに落下するから、第1ホッパー230aにおけるブリッジ現象の発生を抑制することが可能である。なお、以上の説明では第1ホッパー230aに着目したが、第1ホッパー230cについても同様の効果が実現される。
[第3実施形態]
図34は、第3実施形態の搬送装置170acを部分的に拡大した断面図である。図34に例示される通り、第3実施形態の搬送装置170acにおいては、支持部1740の載置面Fが、回転軸Cに垂直な方向(すなわち水平方向)に対して角度γで上方に傾斜する。すなわち、載置面Fは、回転軸Cから遠い位置ほど高い傾斜面である。以上の構成によれば、小玉M1が載置面Fから落下する可能性を低減することが可能である。
[第4実施形態]
図35は、第4実施形態の搬送装置170acを部分的に拡大した断面図である。図35に例示される通り、第4実施形態の搬送装置170acにおいては、載置面Fから突起する突起部1741が支持部1740の外周縁に形成される。突起部1741の高さhは、例えば小玉M1の半径D/2を下回る。以上の構成によれば、第3実施形態と同様に、小玉M1が載置面Fから落下する可能性を低減することが可能である。
なお、第3実施形態と第4実施形態とを組合せてもよい。すなわち、回転軸Cに垂直な方向に対して傾斜する載置面Fの外周縁に突起部1741を形成してもよい。
<変形例>
以上に例示した各態様に付加される具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2個以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
(1)前述の各形態では、第1ホッパー230aが満杯である状態を、第1ホッパー230aに対する小玉M1の進入が制限される状態(以下「進入制限状態」という)として例示したが、進入制限状態は以上の例示に限定されない。例えば、供給路231aを開閉する開閉機構が設置された構成では、供給路231aが開閉機構により閉塞された状態を進入制限状態としてもよい。以上の説明では、第1ホッパー230aに着目したが、第2ホッパー240aおよび第3ホッパー250aの進入制限状態についても同様である。
(2)前述の各形態では、搬送装置170acにおける2個のガイド部1760の間隙に1個の小玉M1が存在する構成を例示したが、2個のガイド部1760の間隙に収容される小玉M1の個数は2個以上でもよい。
(3)前述の各形態では、搬送装置170acが囲み部材1750を具備する構成を例示したが、搬送装置170acから囲み部材1750を省略してもよい。例えば、載置面Fが傾斜する第3実施形態の構成、または、支持部1740の外周縁に突起部1741を設置した第4実施形態の構成では、囲み部材1750を省略しても、載置面F上に小玉M1を支持することが可能である。載置面Fから小玉M1が落下しない程度の速度で回転体1730を回転させてもよい。載置面Fから多少の小玉M1が落下することを許容してもよい。
(4)前述の各形態では、搬送装置170acにおける周方向の全域にわたり、取込口1710および排出口1720の複数組を配列したが、搬送装置170acにおける周方向の特定の領域内に限定して取込口1710および排出口1720を設置してもよい。周方向の特定の領域内に例えばk個(kは2以上の自然数)のガイド部1760を設置した構成では、相互に隣合う2個のガイド部1760の間隙に取込口1710および排出口1720が形成される。すなわち、(k−1)組の取込口1710および排出口1720と、(k−1)系統の搬送経路とが形成される。すなわち、取込口1710または排出口1720と同数の搬送経路が形成される。
なお、k個のガイド部1760のうち、小玉M1に接触することで当該小玉M1の搬送に実際に関与するガイド部1760は、(k−1)個である。したがって、小玉M1の搬送に関与するガイド部1760と同数(すなわち(k−1)個)の取込口1710,排出口1720および搬送経路が形成されると換言してもよい。以上に説明した個数の関係は、回転軸Cの周方向の全域にわたり複数のガイド部1760を間隔Gで配列した構成でも同様である。周方向の全域にわたり複数のガイド部1760が配列する構成では、全部のガイド部1760が小玉M1の搬送に関与する。
(5)前述の通り、搬送装置170acが搬送する小玉M1は支持部1740により支持される。支持部1740による小玉M1の支持力を、搬送経路上の位置に応じて変化させてもよい。例えば、支持部1740による小玉M1の支持力を、搬送経路における上方の部分(排出口1720の近傍)において低下させた構成が想定される。以上の態様によれば、以上の構成によれば、搬送経路における上方の部分において小玉M1の支持力が低下するから、当該部分の近傍において小玉M1を搬送経路から円滑に排出することができる。
支持部1740による小玉M1の支持力を低下させる構成としては、第3実施形態のように載置面Fを上方に傾斜させた構成において、当該載置面Fの傾斜の角度γを、搬送経路における上方の部分において低下させた構成が好適である。また、第4実施形態のように支持部1740の外周縁に突起部1741を形成した構成では、当該突起部1741の高さhを、搬送経路における上方の部分において低下させてもよい。また、載置面Fの幅L1を搬送経路における上方の部分において低下させた構成も好適である。
(6)前述の各形態では、搬送経路により搬送された小玉M1を回転軸Cから離間させる排出誘導部として、保持部1770(傾斜面1771)を例示したが、排出誘導部の具体的な構成は以上の例示に限定されない。例えば、図36に例示される通り、回転体1730の外周面から突起する突起部1790を排出誘導部として利用してもよい。搬送経路により搬送された小玉M1は、突起部1790に衝突することで排出口1720から強制的に排出される。
(7)前述の各形態では、回転体1730の外周面に支持部1740を設置したが、支持部1740が固定される場所は回転体1730に限定されない。例えば、支持部1740の下端部を供給部1780に固定し、支持部1740の上端部を保持部1770に固定してもよい。また、回転体1730を省略してもよい。
(8)前述の各形態では、供給面1781が形成された供給部1780を例示したが、搬送装置170acに複数の小玉M1を供給するための構成は以上の例示に限定されない。例えば、搬送装置170acを中心として放射状に配置されたベルトコンベアを利用して、複数の小玉M1を複数の取込口1710に供給してもよい。
(9)前述の各形態では、第1経路310acと第2経路340acとを別個の経路としたが、第1経路310acと第2経路340acとを、連続する一体の経路としてもよい。前述の各形態では、第1経路310acを第1個別経路315acと第2個別経路320acとで構成したが、第1経路310acを単体の経路で構成してもよい。第2経路340acを複数の経路で構成してもよい。また、第1経路310acおよび第2経路340acの傾斜の角度は、経路の全長にわたり一定でもよいし連続的または段階的に変化してもよい。第1経路310acおよび第2経路340acの平面形状も任意であり、直線状でも曲線状でもよい。
(10)前述の各形態では、第1ホッパー230aを第2ホッパー240aおよび第3ホッパー250aの上流側に設置したが、第1ホッパー230aを第2ホッパー240aまたは第3ホッパー250aの下流側に設置してもよい。
(11)前述の各形態では、循環機構20acをステーション部100aおよび100cの間で共用したが、循環機構をステーション部100毎に個別に設置してもよい。また、遊技体収容空間46をステーション部100毎に個別に設置してもよい。
(12)前述の各形態では、搬送装置180aで搬送した小玉M1を第3抽選部140abおよび遊技体収容空間46の何れかに供給したが、搬送装置180aで搬送した小玉M1を遊技体収容空間46のみに供給してもよい。第3抽選部140abには、他の供給部(例えば第1ホッパー230a)から小玉M1が供給される。
(13)前述の各形態では、第1経路310acにおける下流側の第2ホッパー240aまたは第3ホッパー250aが小玉M1をゲームに利用し、第1経路310acにおける上流側の第1ホッパー230aが小玉M1を物理抽選に利用した。以上の構成は、上流側の第1遊技体利用部が小玉M1を物理抽選に利用し、下流側の第2遊技体利用部が小玉M1をゲームに利用する構成と表現される。第1ホッパー230aと第2ホッパー240aと第3ホッパー250aとに着目すると、第1ホッパー230aが第1遊技体利用部に相当し、第2ホッパー240aまたは第3ホッパー250aが第2遊技体利用部に相当する。第2ホッパー240aと第3ホッパー250aとに着目すると、第2ホッパー240aが第1遊技体利用部に相当し、第3ホッパー250aが第2遊技体利用部に相当する。
図12に例示される通り、第2遊技体利用部(第2ホッパー240aおよび第3ホッパー250a)に供給された小玉M1は直接的にゲームフィールド110aに投入される。他方、第1遊技体利用部(第1ホッパー230a)に供給された小玉M1は、経路切替部270aを介して第1抽選部120aに供給され、第1抽選部120aで利用された後にゲームフィールド110aに投入される。すなわち、第1実施形態では、複数の遊技体利用部のうち、小玉M1がゲームフィールド110aに投入されるまでに介在させる必要がある装置(経路切替部270aおよび第1抽選部120a)が多い方の遊技体利用部(例えば第1ホッパー230a)を、他の遊技体利用部(例えば第2ホッパー240aおよび第3ホッパー250a)よりも上流側に設置した。
以上の構成とは対照的に、上流側に位置する第1遊技体利用部が小玉M1をゲームに利用し、下流側の第2遊技体利用部が小玉M1を物理抽選に利用する構成(以下「変形態様」という)も想定される。例えば、第1遊技体利用部は、小玉M1をゲームフィールド110に投入し、第2遊技体利用部は、小玉M1を物理抽選に利用する。変形態様では、第1遊技体利用部がゲームに利用する小玉M1の個数が、第2遊技体利用部が物理抽選に利用する小玉M1の個数を上回る構成が好適である。以上の構成によれば、第2遊技体利用部による物理抽選よりも第1遊技体利用部によるゲームに対して優先的に小玉M1を利用することが可能である。
(14)前述の各形態では、図30に例示した通り、投入部461aが遊技体収容空間46に投入した小玉M1がゲームフィールド110aの上方の領域に偏在する構成を例示したが、各投入部461と小玉M1が偏在する領域との位置関係は以上の例示に限定されない。
例えば、図37に例示される通り、投入部461aが投入した小玉M1がゲームフィールド110cの上方に整列し、投入部461cが投入した小玉M1がゲームフィールド110aの上方に整列するように、投入部461aおよび461cが小玉M1を投入してもよい。すなわち、投入部461aが投入した小玉M1の軌跡と投入部461cが投入した小玉M1の軌跡とが相互に交差する。したがって、例えば、投入部461aによる小玉M1の投入数が他の投入部461(461b,461cおよび461d)による小玉M1の投入数を上回る場合、図37に例示される通り、ゲームフィールド110cの上方の領域に小玉M1が偏在する。
以上の例示から理解される通り、図30または図37に例示した状態は、第1投入部(461b,461d)および第2投入部(461a,461c)のうち小玉M1の投入数が多い方に対応する領域に、複数の小玉M1が偏在した状態と表現される。図30および図37の例示を前提とすると、「小玉M1の投入数が多い方に対応する領域」とは、第1投入部(461b,461d)による小玉M1の投入数が多い場合には第1面Q1の少なくとも一部の領域であり、第2投入部(461a,461c)による小玉M1の投入数が多い場合には第2面Q2の少なくとも一部の領域である。すなわち、「小玉M1の投入数が多い方に対応する領域」は、小玉M1の投入数が多い投入部(461a,461b,461c,461d)の近傍から低位側に傾斜する傾斜面とも換言される。
具体的には、図30に例示された状態は、小玉M1の投入数が多い投入部461から低位側に傾斜する傾斜面(Q1,Q2)のうち、当該投入部461に近い領域に小玉M1が偏在した状態である。例えば、投入部461aの投入数が多い場合には、第2面Q2のうち当該投入部461aに近い領域(ゲームフィールド110aの上方の領域)に小玉M1が偏在する。例えば、第2面Q2を、投入部461a側の領域と投入部461c側の領域とに2等分すると、投入部461aの投入数が多い場合には、第2面Q2のうち当該投入部461a側の半分の領域に小玉M1が偏在する。他方、図37に例示された状態は、小玉M1の投入数が多い投入部461から低位側に傾斜する傾斜面(Q1,Q2)のうち、当該投入部461から遠い領域に小玉M1が偏在する状態である。例えば、投入部461aの投入数が多い場合には、第2面Q2のうち当該投入部461aから遠い領域(ゲームフィールド110cの上方の領域)に小玉M1が偏在する。例えば、第2面Q2を、投入部461a側の領域と投入部461c側の領域とに2等分すると、投入部461aの投入数が多い場合には、第2面Q2のうち投入部461c側の半分の領域に小玉M1が偏在する。
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本発明の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
[付記1]
本発明の好適な態様に係るゲーム装置(10)は、姿勢によらず転動可能な立体遊技体(M1)を利用するゲームを提供するゲーム装置であって、前記立体遊技体(M1)を循環させる循環機構(20ac)を具備し、前記循環機構(20ac)は、第1位置(P1)から当該第1位置(P1)よりも高い第2位置(P2)に前記立体遊技体(M1)を搬送する搬送装置(170ac)と、前記第2位置(P2)から当該第2位置(P2)よりも低い第3位置(P3)に前記立体遊技体(M1)を移動させる第1経路(310ac)と、前記第2位置(P2)から前記第3位置(P3)までの間において前記立体遊技体(M1)が進入する供給路(231a,241a,251a)であって、当該立体遊技体(M1)を前記ゲームに利用する遊技体利用部(230a,240a,250a)に当該立体遊技体(M1)を供給するための供給路(231a,241a,251a)と、前記供給路(231a,241a,251a)に進入しない前記立体遊技体(M1)を、前記第3位置(P3)よりも低い前記第1位置(P1)まで移動させる第2経路(340ac)とを含む。
以上の構成によれば、立体遊技体(M1)を搬送装置(170ac)により第1位置(P1)から第2位置(P2)に搬送することで、第2位置(P2)から第3位置(P3)を経由して第1位置(P1)に至る経路では動力を必要とせずに、立体遊技体(M1)を循環させることができる。また、第1経路(310ac)において供給路(231a,241a,251a)に進入した立体遊技体(M1)は遊技体利用部(230a,240a,250a)によりゲームに利用される一方、供給路(231a,241a,251a)に進入しない立体遊技体(M1)を、第3位置(P3)を介して第1位置(P1)に帰還させることが可能である。
「第n位置よりも高い(低い)第m位置」とは、鉛直方向における高さが第n位置よりも第m位置のほうが高い(低い)ことを意味し、水平方向における第n位置と第m位置との位置関係(例えば距離)は不問である。
立体遊技体(M1)の「落下」とは、重力の作用により低い位置に落ちることを意味し、重力以外の外力が作用しない状態での自由落下のほか、特定の物体に沿った落下も包含する。例えば、螺旋状の部材に沿って立体遊技体(M1)が螺旋状の軌跡で落下する状態も「落下」の概念に包含される。
「第1経路(310ac)」および「第2経路(340ac)」の各々は、単体の部材で構成された経路のほか、複数の部材で構成された経路、または、立体遊技体(M1)が自由落下する軌跡も包含する。例えば、「第1経路(310ac)」および「第2経路(340ac)」の少なくとも一方を、上流側の第1個別経路と下流側の第2個別経路とで構成し、第1個別経路から第2個別経路に立体遊技体(M1)を落下(例えば自由落下)させてもよい。
「第1経路(310ac)」および「第2経路(340ac)」は、例えば立体遊技体(M1)を転動させる傾斜面を有する。傾斜面は、典型的には平坦面であるが、傾斜の角度が経路上で変化する曲面を包含してもよい。また、経路の途中に平坦部(すなわち水平面に平行な部分)または段差を含んでいてもよい。なお、例えば搬送装置(170ac)等の他の機構により付与された運動エネルギーを利用して立体遊技体(M1)が経路上を移動できるのであれば、立体遊技体(M1)の自重を利用して転動させる傾斜面は必須ではない。
「遊技体利用部(230a,240a,250a)」は、遊技体を利用する任意の機構である。例えば、立体遊技体(M1)を収容および排出するホッパー、立体遊技体(M1)をゲームフィールドに投入する投入部、または、立体遊技体(M1)を物理抽選に利用する抽選部が、遊技体利用部(230a,240a,250a)の好適例である。
[付記2]
付記1の好適な態様に係るゲーム装置(10)は、前記搬送装置(170ac)が前記立体遊技体(M1)を搬送する作動状態を継続させることで、前記遊技体利用部(230a,240a,250a)に対する前記立体遊技体(M1)の供給を継続する。
以上の構成によれば、搬送装置(170ac)の作動状態を継続させることで遊技体利用部(230a,240a,250a)に対する立体遊技体(M1)の供給が継続されるから、立体遊技体(M1)を循環機構(20ac)により循環させることが可能である。
なお、遊技体利用部(230a,240a,250a)が立体遊技体(M1)を必要とする場合に限定して当該遊技体利用部(230a,240a,250a)に立体遊技体(M1)を供給する構成では、遊技体利用部(230a,240a,250a)における立体遊技体(M1)の有無を検知する必要があり、構成が複雑化するという問題がある。多数の遊技体利用部(230a,240a,250a)が設置された構成では、以上の問題は特に深刻である。前述の好適な態様では、搬送装置(170ac)の作動状態が継続されるから、遊技体利用部(230a,240a,250a)における立体遊技体(M1)の有無を検知する構成や当該検知の結果に応じた搬送装置(170ac)の制御が不要であるという利点もある。また、循環機構(20ac)により立体遊技体(M1)が循環する様子をプレイヤに視認させれば、ゲーム装置(10)が作動していることをプレイヤに視覚的に視認させることが可能であり、視覚的な演出の効果も期待できる。
「立体遊技体(M1)を搬送する作動状態を継続させる」とは、遊技体利用部(230a,240a,250a)による立体遊技体(M1)の利用毎に立体遊技体(M1)の搬送が間欠的に実行されるのではなく、遊技体利用部(230a,240a,250a)による遊技体の利用の有無に関わらず搬送装置(170ac)が立体遊技体(M1)を搬送する状態を維持することを意味する。すなわち、遊技体利用部(230a,240a,250a)が立体遊技体(M1)を利用しない状態でも、立体遊技体(M1)を搬送可能なように搬送装置(170ac)を作動させることを意味する。例えば、遊技体利用部(230a,240a,250a)が立体遊技体(M1)を貯留する構成では、遊技体利用部(230a,240a,250a)に貯留された立体遊技体(M1)の有無(空/満杯)に関わらず搬送装置(170ac)を作動させることを意味する。ただし、ゲーム装置(10)が作動している期間内またはゲームが提供される期間内において常時的に搬送装置(170ac)を作動させる必要まではない。
「ゲームが提供される期間」とは、ゲーム装置(10)が稼働することでプレイヤがゲームをプレイできる期間であり、実際にプレイヤがゲームをプレイしているか否かは不問である。ただし、直接的または間接的にプレイヤの存否を判断し、実際にプレイヤが存在すると判断される期間を「ゲームが提供される期間」としてもよい。直接的な判断とは、例えばプレイヤを検知する人感センサを利用した判断である。他方、間接的な判断とは、プレイヤの動作に由来する他の要素から間接的にプレイヤの存否を判断することである。例えば、操作パネルに対する操作の有無、または、ゲームのプレイに必要な価値媒体(例えばメダルまたはクレジット)の残量の有無に応じてプレイヤの存否を判断することが、間接的な判断に相当する。例えば、直接的または間接的にプレイヤが存在すると最後に判断された時点から所定の時間(例えば30分)が経過するまでの期間を「ゲームが提供される期間」としてもよい。
[付記3]
付記1または付記2の好適例において、前記遊技体利用部(230a,240a,250a)は、前記第1位置(P1)よりも高い位置に設置され、前記ゲームで利用された前記立体遊技体(M1)は、下方に移動することで前記第2経路(340ac)に回収される。
以上の構成によれば、遊技体利用部(230a,240a,250a)によりゲームに利用された立体遊技体(M1)を第2経路(340ac)に供給することで循環機構(20ac)に帰還させることが可能である。また、立体遊技体(M1)は下方に移動することで第2経路(340ac)に回収されるから、当該立体遊技体(M1)の回収に動力は不要である。したがって、循環機構(20ac)の全体としては、搬送装置(170ac)以外では動力を必要とすることなく立体遊技体(M1)を循環させることが可能である。
「回収」は、ゲームでの利用後の立体遊技体(M1)を第2経路(340ac)に供給することを意味し、利用後の立体遊技体(M1)を循環機構(20ac)に帰還させることとも換言される。
ゲームで利用された立体遊技体(M1)が第2経路(340ac)に回収されるための構成は任意である。例えば、立体遊技体(M1)を第2経路(340ac)に落下させる構成、または、所定の経路を介して立体遊技体(M1)を第2経路(340ac)に供給する構成が想定される。
[付記4]
付記1から付記3の何れかの好適例において、前記遊技体利用部(230a,240a,250a)は、前記立体遊技体(M1)を貯留する第1遊技体利用部(230a,240a)および第2遊技体利用部(240a,250a)を含み、前記供給路(231a,241a,251a)は、前記第1遊技体利用部(230a,240a)に前記立体遊技体(M1)を供給するための第1供給路(231a,241a)と、前記第1供給路(231a,241a)の下流側に位置し、前記第2遊技体利用部(240a,250a)に前記立体遊技体(M1)を供給するための第2供給路(241a,251a)とを含み、前記第2位置(P2)から前記第1供給路(231a,241a)に向かう前記立体遊技体(M1)は、前記第1遊技体利用部(230a,240a)が進入制限状態である場合に前記第3位置(P3)に向けて移動し、前記第2供給路(241a,251a)に進入する状態となる。
以上の構成では、第2位置(P2)から第1供給路(231a,241a)に向かう立体遊技体(M1)は、第1遊技体利用部(230a,240a)が進入制限状態である場合に第3位置(P3)に向けて移動し、第2供給路(241a,251a)に進入する状態となる。したがって、第2遊技体利用部(240a,250a)よりも第1遊技体利用部(230a,240a)に対して優先的に立体遊技体(M1)を供給することが可能である。また、第1遊技体利用部(230a,240a)が進入制限状態である場合には、立体遊技体(M1)を第2供給路(241a,251a)または第3位置(P3)に供給することで有効に利用できる。
「進入制限状態」は、第1遊技体利用部(230a,240a)に対する立体遊技体(M1)の供給が制限される状態(例えば立体遊技体(M1)を供給できない状態または供給が困難な状態)である。例えば、第1遊技体利用部(230a,240a)において立体遊技体(M1)が満杯である状態、または、第1遊技体利用部(230a,240a)に立体遊技体(M1)を供給するための供給路(231a,241a,251a)が機械的に閉塞された状態が、進入制限状態の典型例である。また、進入制限状態は、供給路が立体遊技体(M1)で塞がれた状態(供給路に立体遊技体(M)が充填された状態)とも換言される。立体遊技体(M1)が満杯である状態とは、第1遊技体利用部(230a,240a)が複数の立体遊技体(M1)で充分に満たされ、新たな立体遊技体(M1)を追加することが困難である状態を意味する。すなわち、第1遊技体利用部(230a,240a)に向かう立体遊技体(M1)が、第1遊技体利用部(230a,240a)に供給された既存の立体遊技体(M1)に衝突して方向が変化し、結果的に他の遊技体利用部に供給され得る。なお、以上の説明では「第1遊技体利用部(230a,240a)」に便宜的に着目したが、他の遊技体利用部についても同様である。
第1経路(310ac)上の立体遊技体(M1)は、第1供給路(231a,241a)を経由せずに第2供給路(241a,251a)または第3位置(P3)に向けて移動する可能性もある。また、第1遊技体利用部(230a,240a)が進入制限状態にあることで第3位置(P3)に向けて移動する立体遊技体(M1)は、第2供給路(241a,251a)を経由せずに第3位置(P3)に向けて移動する可能性もある。
第3位置(P3)に向けて移動する立体遊技体(M1)の移動先は、第3位置(P3)および第2供給路(241a,251a)の何れでもよい。本発明の好適な態様において、第3位置(P3)に向かう立体遊技体(M1)は、第2遊技体利用部(240a,250a)が進入制限状態にない場合には、第2供給路(241a,251a)に進入して第2遊技体利用部(240a,250a)に供給され得る。他方、第2遊技体利用部(240a,250a)が進入制限状態にある場合、立体遊技体(M1)は第3位置(P3)に向けて移動する。すなわち、第1遊技体利用部(230a,240a)および第2遊技体利用部(240a,250a)の何れにも供給されなかった立体遊技体(M1)が第3位置(P3)を経由して第1位置(P1)に帰還される。
[付記5]
付記1から付記3の何れかの好適例に係るゲーム装置(10)は、相異なるプレイヤに並行してゲームを提供する第1ゲームフィールド(110a)および第2ゲームフィールド(110c)を具備し、前記遊技体利用部(230a,240a,250a)は、前記第1ゲームフィールド(110a)が提供するゲームに前記立体遊技体(M1)を利用する第3遊技体利用部(230a,240a,250a)と、前記第2ゲームフィールド(110c)が提供するゲームに前記立体遊技体(M1)を利用する第4遊技体利用部(230c,240c,250c)とを含み、前記供給路(231a,241a,251a)は、前記第3遊技体利用部(230a,240a,250a)に前記立体遊技体(M1)を供給するための第3供給路(231a,241a,251a)と、前記第4遊技体利用部(230c,240c,250c)に前記立体遊技体(M1)を供給するための第4供給路(231a,241a,251a)とを含む。
以上の構成では、第1ゲームフィールド(110a)と第2ゲームフィールド(110c)とに循環機構(20ac)が共用される。したがって、第1ゲームフィールド(110a)と第2ゲームフィールド(110c)とについて別個の循環機構(20ac)を設置する構成と比較してゲーム装置(10)の構成が簡素化されるという利点がある。また、相異なるプレイヤに対応する第3遊技体利用部(230a,240a,250a)と第4遊技体利用部(230c,240c,250c)との間で循環機構(20ac)が共用される。以上の構成によれば、例えば第1ゲームフィールド(110a)および第2ゲームフィールド(110c)の一方に多数の立体遊技体(M1)が供給された場合でも、第3遊技体利用部(230a,240a,250a)と第4遊技体利用部(230c,240c,250c)との間では立体遊技体(M1)の偏在が抑制される。したがって、立体遊技体(M1)の偏在を是正するための機構が不要であるという利点もある。
「ゲームフィールド」は、立体遊技体(M1)を利用したゲームをプレイヤに提供する空間である。例えば立体遊技体(M1)を利用したプッシャーゲーム等の各種のゲームが提供される空間が、ゲームフィールドの好適例である。
「並行してゲームを提供する」とは、第1ゲームフィールド(110a)を利用したゲームと第2ゲームフィールド(110c)を利用したゲームとが並行に進行し得ることを意味する。第1ゲームフィールド(110a)を利用したゲームと第2ゲームフィールド(110c)を利用したゲームとは、基本的には相互に独立に進行するが、各ゲームの進行が相互に相関してもよい。
[付記6]
本発明の好適な態様に係るゲーム装置(10)は、姿勢によらず転動可能な立体遊技体(M1)を利用するゲームを提供するゲーム装置(10)であって、相異なるプレイヤに並行してゲームを提供する第1ゲームフィールド(110a)および第2ゲームフィールド(110c)と、前記第1ゲームフィールド(110a)に対応する第1循環機構(20ac)と、前記第2ゲームフィールド(110b)に対応する第2循環機構(20bd)とを具備し、前記第1循環機構(20ac)および前記第2循環機構(20bd)の各々は、第1位置(P1)から当該第1位置(P1)よりも高い第2位置(P2)に前記立体遊技体(M1)を搬送する搬送装置(170ac,170bd)と、前記第2位置(P2)から当該第2位置(P2)よりも低い第3位置(P3)に前記立体遊技体(M1)を移動させる第1経路(310ac,310bd)と、前記第2位置(P2)から前記第3位置(P3)までの間において前記立体遊技体(M1)が進入する供給路(231a,241a,251a)であって、当該立体遊技体(M1)を前記ゲームに利用する遊技体利用部(230a,240a,250a)に当該立体遊技体(M1)を供給するための供給路(231a,241a,251a)と、前記供給路(231a,241a,251a)に進入しない前記立体遊技体(M1)を、前記第3位置(P3)よりも低い前記第1位置(P1)まで移動させる第2経路(340ac)とを含む。
[付記7]
本発明の好適な態様に係るゲーム装置(10)は、姿勢によらず転動可能な立体遊技体(M1)を利用するゲームを提供するゲーム装置(10)であって、相異なるプレイヤに並行してゲームを提供する第1ゲームフィールド(110a)、第2ゲームフィールド(110c)、第3ゲームフィールド(110b)および第4ゲームフィールド(110d)と、前記第1ゲームフィールド(110a)および前記第2ゲームフィールド(110c)に対応する第1循環機構(20ac)と、前記第3ゲームフィールド(110b)および前記第4ゲームフィールド(110d)に対応する第2循環機構(20bd)とを具備し、前記第1循環機構(20ac)および前記第2循環機構(20bd)の各々は、第1位置(P1)から当該第1位置(P1)よりも高い第2位置(P2)に前記立体遊技体(M1)を搬送する搬送装置(170ac,170bd)と、前記第2位置(P2)から当該第2位置(P2)よりも低い第3位置(P3)に前記立体遊技体(M1)を移動させる第1経路(310ac,310bd)と、前記第2位置(P2)から前記第3位置(P3)までの間において前記立体遊技体(M1)が進入する供給路(231a,241a,251a)であって、当該立体遊技体(M1)を前記ゲームに利用する遊技体利用部(230a,240a,250a)に当該立体遊技体(M1)を供給するための供給路(231a,241a,251a)と、前記供給路(231a,241a,251a)に進入しない前記立体遊技体(M1)を、前記第3位置(P3)よりも低い前記第1位置(P1)まで移動させる第2経路(340ac)とを含む。
[付記8]
付記6または付記7の好適例は、前記第1循環機構(20ac)の前記供給路(231a,241a,251a)に進入しない前記立体遊技体(M1)と、前記第2循環機構(20bd)の前記供給路(231a,241a,251a)に進入しない前記立体遊技体(M1)とを、前記第1循環機構(20ac)の前記第2経路(340ac)と前記第2循環機構(20bd)の前記第2経路(340ac)とに分配する分配部(260)を具備する。
以上の構成によれば、第1循環機構(20ac)において循環する立体遊技体(M1)の個数と、第2循環機構(20bd)において循環する立体遊技体(M1)の個数とが一時的に乖離した場合でも、両者を経時的に均衡させることが可能である。
「分配部(260)」は、複数の立体遊技体(M1)を第1循環機構(20ac)の第2経路(340ac)と第2循環機構(20bd)の第2経路(340ac)とに分配する要素である。具体的には、第1循環機構(20ac)の第1経路(310ac)から立体遊技体(M1)が落下する経路と第2循環機構(20bd)の第1経路(310bd)から立体遊技体(M1)が落下する経路とが合流する地点に設置された部材が分配部(260)の好適例である。当該物体に対する接触後に立体遊技体(M1)が第1循環機構(20ac)の第2経路(340ac)に移動する確率と第2循環機構(20bd)の第2経路(340ac)に移動する確率とは略同等である。すなわち、複数の立体遊技体(M1)が第1循環機構(20ac)の第2経路(340ac)と第2循環機構(20bd)の第2経路(340ac)とに按分される。
[付記9]
付記1から付記8の何れかの好適例は、前記搬送装置(170ac)は、前記立体遊技体(M1)を並行に搬送可能な複数の搬送経路を有する。
[付記10]
付記9の好適例において、前記遊技体利用部(230a,240a,250a)の総数は、前記複数の搬送経路の総数を下回る。
[付記A〜C]
球体等の立体遊技体を利用したゲーム装置が従来から提案されている。例えば特開2011−36423号公報には、螺旋状の羽根部が形成された搬送スクリュー部材と、羽根部と協働して球体を支持する2本のガイドレールとを具備する搬送装置が開示されている。
特開2011−36423号公報の技術では、球体の外径を下回る間隔で2本のガイドレールが並設され、搬送スクリュー部材の羽根部と2本のガイドレールとの合計3箇所で球体が支持される。以上のように2本のガイドレールの間隔が球体の外径を下回る構成では、鉛直方向の上方に球体を搬送する搬送レール部に、2本のガイドレールの間隔を介して球体を供給することができない。したがって、搬送レール部まで球体を案内する特別な機構(搬送開始レール部)が必要であり、搬送装置の構成が煩雑化するという問題がある。以上の事情を考慮して、以下に例示する各態様は、立体遊技体を搬送経路に供給するための構成を簡素化することを目的とする。
[付記A1]
本発明の好適な態様に係る搬送装置(170ac)は、複数の立体遊技体(M1)を貯留する貯留部(1780)と、回転軸(C)に沿う螺旋状に延在し、前記複数の立体遊技体(M1)が載置される支持部(1740)と、前記立体遊技体(M1)の外径を上回る間隔をあけて前記支持部(1740)の外側に配置されて前記回転軸(C)に沿って延在する複数のガイド部(1760)とを具備し、前記立体遊技体(M1)を、前記支持部(1740)と前記ガイド部(1760)とに接触させた状態で、前記支持部(1740)の回転により前記回転軸(C)に沿って鉛直方向の下方から上方に移動させる搬送経路が、前記複数のガイド部(1760)の各々について形成され、前記貯留部(1780)に貯留された前記複数の立体遊技体(M1)は、前記複数のガイド部(1760)にそれぞれ対応する複数の搬送経路に供給されて上方に移動する。
以上の構成では、複数のガイド部(1760)のうち回転軸(C)の周方向に隣合う2個のガイド部(1760)の間隔が、立体遊技体(M1)の外径を上回るから、立体遊技体(M1)は、2個のガイド部(1760)の間を通過して搬送経路に供給される。すなわち、立体遊技体(M1)を搬送経路に供給するための構成を簡素化することが可能である。相互に隣合う2個のガイド部(1760)の間隔は立体遊技体(M1)の外径を上回るから、立体遊技体(M1)は、支持部(1740)と1個のガイド部(1760)との2箇所により支持された状態で、当該ガイド部(1760)に沿って移動する。また、複数のガイド部(1760)の各々について搬送経路が形成されるから、貯留部(1780)に貯留された多数の立体遊技体(M1)を複数の搬送経路により効率的に搬送できるという利点もある。
「立体遊技体(M1)」とは、立体的な遊技体である。具体的には、姿勢によらず転動可能な物体が立体遊技体(M1)の好適例である。例えば球体状の遊技体が立体遊技体(M1)の典型例であるが、多面体等の他の立体形状の遊技体も立体遊技体(M1)の概念に包含され得る。
ガイド部(1760)が「回転軸(C)に沿って延在する」とは、典型的にはガイド部(1760)が回転軸(C)に平行な方向に延在する状態であるが、ガイド部(1760)が回転軸(C)に対して傾斜した構成も本発明の範囲には包含される。「立体遊技体(M1)の外径」は、立体遊技体(M1)が球体である場合には当該球体の直径であり、立体遊技体(M1)が多面体である場合には当該多面体に外接する球体の直径である。
作用効果の記載の通り、立体遊技体(M1)は支持部(1740)とガイド部(1760)との2箇所により支持される。ただし、当該2箇所に加えて他の要素(例えば付記A6の囲み部材)に立体遊技体(M1)が接触し得る構成は、本発明から除外されない。
複数のガイド部は、支持部(1740)の全周にわたり均等に設置される必要はなく、支持部(1740)の周方向における特定の範囲内に限定して設置されてもよい。また、回転軸(C)の周方向に隣合う2個のガイド部(1760)の間隔は、全部のガイド部(1760)にわたり同一である必要はない。
周方向に隣合う2個のガイド部(1760)の間隔の上限は任意である。例えば、2個のガイド部(1760)の間に1個の立体遊技体(M1)を収容可能な構成(2個のガイド部(1760)の間隔が2個の立体遊技体(M1)の外径の合計を下回る構成)のほか、2個のガイド部(1760)の間に2個以上の立体遊技体(M1)が収容され得る構成も、本発明の範囲には包含される。なお、回転軸(C)の周方向に隣合う2個のガイド部(1760)の間隔は、両者間の直線距離である。
[付記A2]
付記1の好適例において、前記支持部(1740)のうち前記立体遊技体(M1)が載置される載置面(F)の幅は、前記立体遊技体(M1)の半径を上回る。
以上の態様では、支持部(1740)における立体遊技体(M1)の載置面(F)の幅が当該立体遊技体(M1)の半径を上回る。すなわち、立体遊技体(M1)の重心が載置面(F)の上方に位置する。したがって、立体遊技体(M1)が載置面(F)から落下する可能性を低減することが可能である。
「載置面(F)の幅」は、例えば螺旋状の支持部(1740)における外径と内径との差である。また、「立体遊技体(M1)の半径」は、立体遊技体(M1)が球体である場合には当該球体の半径であり、立体遊技体(M1)が多面体である場合には当該多面体に外接する球体の半径である。
[付記A3]
付記A1または付記A2の好適例において、前記支持部(1740)のうち前記立体遊技体(M1)が載置される載置面(F)は、前記回転軸(C)に垂直な方向に対して上方に傾斜する。
以上の態様では、支持部(1740)における立体遊技体(M1)の載置面(F)が上方に傾斜するから、立体遊技体(M1)が載置面(F)から落下する可能性を低減することができる。
[付記A4]
付記A1から付記A3の何れかの好適例において、前記支持部(1740)による前記立体遊技体(M1)の支持力は、前記搬送経路における上方の部分において低下する。
以上の態様では、支持部(1740)による立体遊技体(M1)の支持力が搬送経路における上方の部分において低下するから、当該部分において立体遊技体(M1)を搬送経路から排出することができる。
搬送経路における特定の部分において立体遊技体(M1)の支持力を低下させる構成としては、
(1)支持部(1740)のうち立体遊技体(M1)の載置面(F)が、回転軸(C)に垂直な方向に対して上方に傾斜する構成のもとで、搬送経路における特定の部分では当該傾斜の角度が減少する構成、
(2)支持部(1740)のうち立体遊技体(M1)の載置面(F)における外周縁に突起部(1741)が形成された構成のもとで、搬送経路における特定の部分では当該突起部(1741)の高さが減少する(または突起部(1741)が形成されない)構成、
(3)支持部(1740)における立体遊技体(M1)の載置面(F)の幅が、搬送経路における特定の部分では減少する構成、
などが例示される。
支持力が「搬送経路の上方において低下する」とは、搬送経路上の第1地点と当該第1地点の上方の第2地点とに着目したときに、第2地点における支持力が第1地点における支持力を下回ることを意味する。
[付記A5]
付記A1から付記A4の何れかの好適例は、前記搬送経路により搬送された前記立体遊技体(M1)を前記回転軸(C)から離間する方向に移動させる排出誘導部(1771,1790)を具備する。
以上の態様では、搬送経路により搬送された立体遊技体(M1)が、排出誘導部(1771,1790)により回転軸(C)から離間する方向に移動される。すなわち、立体遊技体(M1)が搬送経路から排出される。したがって、立体遊技体(M1)が必要以上に搬送経路に停留する可能性を低減することが可能である。
「排出誘導部(1771,1790)」の具体的な形態は任意である。例えば、回転軸(C)の方向に対して傾斜した傾斜面(例えば円錐台状の曲面)、または、搬送経路の上方に設置されて立体遊技体(M1)に当接する突起部が、排出誘導部(1771,1790)の具体例である。
[付記A6]
付記A1から付記A5の何れかの好適例は、前記複数のガイド部(1760)を挟んで前記支持部(1740)とは反対側に位置する囲み部材(1750)を具備し、前記支持部(1740)の外周と前記囲み部材(1750)との間隔は、前記立体遊技体(M1)の外径を下回る。
以上の態様では、各ガイド部(1760)を挟んで支持部(1740)とは反対側に囲み部材(1750)が設置されるから、立体遊技体(M1)が支持部(1740)から落下する可能性を低減することができる。
基本的には囲み部材(1750)は複数のガイド部(1760)から離間した位置に設置されるが、複数のガイド部(1760)に囲み部材(1750)を接触させてもよい。
囲み部材(1750)の典型例は、支持部(1740)と複数のガイド部(1760)とを包囲する筒状体であるが、囲み部材(1750)の具体的な形状は任意である。例えば、回転軸(C)に沿う複数の長尺部材で囲み部材(1750)を構成してもよい。
[付記A7]
付記A6の好適例において、前記立体遊技体(M1)は、前記支持部(1740)と前記ガイド部(1760)と前記囲み部材(1750)とに接触した状態で、前記搬送経路により移動する。
以上の態様では、立体遊技体(M1)が支持部(1740)とガイド部(1760)と囲み部材(1750)とに接触した状態で移動するから、立体遊技体(M1)が支持部(1740)から落下する可能性を低減して当該立体遊技体(M1)を確実に搬送することが可能である。
立体遊技体(M1)が支持部(1740)とガイド部(1760)と囲み部材(1750)とに接触するとは言っても、搬送経路の全体にわたり立体遊技体(M1)と囲み部材(1750)との接触が継続する必要まではない。
[付記A8]
付記A6または付記A7の好適例において、前記回転軸(C)の周方向に隣合う2個のガイド部(1760)のうち、前記囲み部材(1750)における前記搬送経路の下方の端部から露出した第1端部(E1)の間隙は、前記立体遊技体(M1)を前記搬送経路に供給するための取込口(1710)である。
以上の態様では、周方向に隣合う2個のガイド部(1760)において囲み部材(1750)の端部(例えば下端部)から露出した第1端部(E1)の間隙を取込口(1710)として、立体遊技体(M1)が搬送経路に取込まれる。したがって、各ガイド部(1760)の第1端部(E1)を囲み部材(1750)から露出させる非常に簡便な構成により、立体遊技体(M1)を搬送経路に供給することが可能である。
[付記A9]
付記A6から付記A8の何れかの好適例において、前記回転軸(C)の周方向に隣合う2個のガイド部(1760)のうち、前記回転軸(C)の方向における前記搬送経路の上方の端部から露出した第2端部(E2)の間隙は、前記立体遊技体(M1)を前記搬送経路から排出するための排出口(1720)である。
以上の態様では、周方向に隣合う2個のガイド部(1760)において囲み部材(1750)の端部から露出した第2端部(E2)の間隙を排出口(1720)として、立体遊技体(M1)が搬送経路から排出される。したがって、各ガイド部(1760)の第2端部(E2)を囲み部材(1750)から露出させる非常に簡便な構成により、立体遊技体(M1)を搬送経路から排出することが可能である。
[付記B1]
本発明の好適な態様に係る搬送装置(170ac)は、回転軸(C)に沿う螺旋状に延在し、立体遊技体(M1)が載置される支持部(1740)と、前記立体遊技体(M1)の外径を上回る間隔をあけて前記支持部(1740)の外側に配置されて前記回転軸(C)に沿って延在する複数のガイド部(1760)とを具備し、前記立体遊技体(M1)を、前記支持部(1740)と前記ガイド部(1760)とに接触させた状態で、前記支持部(1740)の回転により前記回転軸(C)に沿って移動させる搬送経路が、前記複数のガイド部(1760)の各々について形成され、前記複数のガイド部(1760)のうち前記回転軸(C)の周方向に隣合う2個のガイド部(1760)の各間隔により、前記立体遊技体(M1)を前記搬送経路に供給するための複数の取込口(1710)が形成される。
以上の構成では、回転軸(C)の周方向に隣合う2個のガイド部(1760)の各間隔により、立体遊技体(M1)を搬送経路に供給するための複数の取込口(1710)が形成される。すなわち、立体遊技体(M1)を回転軸(C)に沿って移動させるためのガイド部(1760)が取込口(1710)の形成に流用される。したがって、ガイド部(1760)とは別個の機構により立体遊技体(M1)を搬送経路に供給する構成と比較して、搬送装置(170ac)の構成を簡素化することが可能である。また、2個のガイド部(1760)の組合せにより構成される間隔の総数分の取込口(1710)が形成されるから、複数の取込口(1710)から多数の立体遊技体(M1)を並列に取込み、かつ、複数の搬送経路により多数の立体遊技体(M1)を並列に搬送することが可能である。
典型的には支持部(1740)の端部(例えば下端部)に取込口(1710)が形成されるが、当該端部に加えて(または端部に代えて)、支持部(1740)の途中部分に取込口(1710)が形成された構成も発明の範囲には包含される。
[付記B2]
付記B1の好適例において、前記立体遊技体(M1)は、姿勢によらず転動可能であり、前記複数の取込口(1710)の各々に向けて前記立体遊技体(M1)を転動させる傾斜面(1781)が形成された供給部(1780)を具備する。
以上の構成では、複数の取込口(1710)の各々に向けて立体遊技体(M1)を転動させる傾斜面(1781)が供給部(1780)に形成されるから、多数の立体遊技体(M1)を効率的に搬送経路に供給することが可能である。
「傾斜面(1781)」は、平面もしくは曲面またはその組合せである。また、「姿勢によらず転動可能である」とは、立体遊技体(M1)が如何なる姿勢にある状態でも外力の作用により転動し得る形状であることを意味する。例えば球体は、「姿勢によらず転動可能である」形状の典型例であるが、球体に近い多面体も「姿勢によらず転動可能である」形状に包含される。他方、例えばメダル等の円板体は、円形状の側面が接地した姿勢では転動するが、平面状の底面または頂面が接地した姿勢では転動しないから、「姿勢によらず転動可能である」という条件を充足しない。
[付記B3]
付記B2の好適例において、前記傾斜面(1781)は、前記回転軸(C)の全周にわたる曲面である。
以上の構成では、供給部(1780)の傾斜面(1781)が回転軸(C)の全周にわたるから、回転軸(C)を中心とした全方向から取込口(1710)に立体遊技体(M1)が供給される。したがって、多数の立体遊技体(M1)を効率的に各搬送経路に供給できるという前述の効果は格別に顕著である。
「傾斜面(1781)」は、回転軸(C)を含む断面内において直線状および曲線状の何れでもよい。例えば、円錐台の側面のように取込口(1710)に近い位置ほど内径が連続的に減少する曲面、または、凹状(例えばすり鉢状)の曲面が、傾斜面(1781)の典型例である。
[付記B4]
付記B2または付記B3の好適例において、水平面に対する前記傾斜面(1781)の最大角度は、20°以下である。
以上の構成では、前記傾斜面(1781)の角度が20°以下に抑制されるから、複数の立体遊技体(M1)が相互に重なり合うことなく搬送経路に順次に供給される。したがって、取込口(1710)の近傍において複数の立体遊技体(M1)が詰まる現象(ブリッジ現象)の発生を抑制することが可能である。なお、水平面に対する傾斜面(1781)の角度は、当該傾斜面(1781)に沿って変化してもよい。
[付記B5]
付記B2から付記B4の何れかの好適例において、前記傾斜面(1781)には、前記立体遊技体(M1)を前記複数の取込口(1710)の一部または全部に誘導する第1誘導部(51)が形成される。
以上の構成では、傾斜面(1781)上で立体遊技体(M1)が第1誘導部(51)により取込口(1710)に誘導されるから、立体遊技体(M1)を効率的に取込口(1710)に供給することが可能である。なお、第1誘導部(51)は、立体遊技体(M1)の転動の方向を規制できる部分であれば足り、典型的には傾斜面(1781)に形成された突起部または溝部である。
[付記B6]
付記B5の好適例において、前記第1誘導部(51)は、複数の前記立体遊技体(M1)が前記取込口(1710)に向けて整列するように前記立体遊技体(M1)を誘導する。
以上の構成では、複数の立体遊技体(M1)が取込口(1710)に向けて整列するように立体遊技体(M1)が誘導されるから、多数の立体遊技体(M1)が狭い経路に集中することによる詰まり(ブリッジ現象)の発生を抑制することが可能である。なお、第1誘導部(51)の具体的な構成は任意であるが、複数の立体遊技体(M1)を取込口(1710)に向けて整列させるための構成としては、立体遊技体(M1)の外径の2個分を下回る幅の経路が第1誘導部(51)の好適例である。
[付記B7]
本発明の好適な態様に係る搬送機構(170ac,340ac)は、付記B2から付記B6の何れかの搬送装置(170ac)と、前記供給部(1780)に供給される前記立体遊技体(M1)が移動する経路(340ac)と、前記供給部(1780)または前記経路(340ac)に供給される前記立体遊技体(M1)の移動を規制する規制部(52,53)とを具備する。
以上の構成では、経路(340ac)から供給部(1780)に供給される立体遊技体(M1)が規制部(52,53)により規制されるから、複数の取込口(1710)のうち特定の取込口(1710)に優先的に立体遊技体(M1)を供給することが可能である。
「規制部(52,53)」は、供給部(1780)および経路(340ac)の何れに設置されてもよい。例えば、規制部(52,53)の全体が経路(340ac)および供給部(1780)の一方に形成されてもよいし、規制部(52,53)の一部が経路(340ac)に形成され、規制部(52,53)の他の一部が供給部(1780)に形成されてもよい。
[付記B8]
付記B7の好適例において、前記規制部(52,53)は、前記供給部(1780)に向けて進行する前記立体遊技体(M1)を前記支持部(1740)の側方に誘導する第2誘導部(52)を含む。
以上の構成では、立体遊技体(M1)が第2誘導部(52)により支持部(1740)の側方に誘導されるから、経路(340ac)からみて支持部(1740)の側方から後方(すなわち経路(340ac)からみて支持部(1740)とは反対側)に形成された取込口(1710)に、立体遊技体(M1)を優先的に供給することが可能である。
[付記B9]
付記B8の好適例において、前記第2誘導部(52)は、前記供給部(1780)に向けて進行する前記立体遊技体(M1)を、前記複数の取込口(1710)のうち前記支持部(1740)からみて前記経路(340ac)側の取込口(1710)に直接に向かうことなく、前記支持部(1740)からみて前記経路(340ac)とは反対側の取込口(1710)に向かうように誘導する。
立体遊技体(M1)の移動を規制するための特段の構成が存在しない構成では、複数の取込口(1710)のうち支持部(1740)からみて経路(340ac)側の取込口(1710)に立体遊技体(M1)が供給され易い。立体遊技体(M1)が経路(340ac)側の取込口(1710)に直接に向かわずに反対側の取込口(1710)に向かうように第2誘導部(52)が立体遊技体(M1)を誘導する構成によれば、多数の立体遊技体(M1)が経路(340ac)側の取込口(1710)に集中する可能性を低減することが可能である。
[付記B10]
付記B7から付記B9の何れかの好適例において、前記規制部(52,53)は、前記支持部(1740)からみて前記経路(340ac)とは反対側の取込口(1710)に向かうように前記立体遊技体(M1)を誘導する第3誘導部(53)を含む。
以上の構成によれば、複数の取込口(1710)のうち経路(340ac)とは反対側の取込口(1710)に立体遊技体(M1)を優先的に供給することが可能である。
[付記B11]
付記B10の好適例において、前記第3誘導部(53)は、前記立体遊技体(M1)が他の立体遊技体(M1)からの押圧により当該第3誘導部(53)を乗越え可能な高さに形成される。
前述の通り、第3誘導部(53)を設置した構成によれば、複数の取込口(1710)のうち支持部(1740)からみて経路(340ac)とは反対側の取込口(1710)に立体遊技体(M1)が優先的に供給される。しかし、経路(340ac)とは反対側の取込口(1710)に過度に多数の立体遊技体(M1)が集中すると、今度は立体遊技体(M1)の詰まり等の不具合が発生し得る。立体遊技体(M1)が第3誘導部(53)を乗越え可能である構成によれば、経路(340ac)とは反対側の取込口(1710)に立体遊技体(M1)が過度に集中した場合には、経路(340ac)からの立体遊技体(M1)が第3誘導部(53)を乗越えて経路(340ac)側の取込口(1710)に供給される。したがって、立体遊技体(M1)の過度な集中を抑制することが可能である。
[付記B12]
付記B7から付記B9の何れかの好適例において、前記規制部(52,53)は、前記取込口(1710)に向かうように前記立体遊技体(M1)を誘導する第3誘導部(53)を含み、前記第3誘導部(53)は、前記立体遊技体(M1)が他の立体遊技体(M1)からの押圧により当該第3誘導部(53)を乗越え可能な高さに形成される。
[付記C1]
本発明の好適な態様に係る搬送装置(170ac)は、回転軸(C)に沿う螺旋状に延在し、立体遊技体(M1)が載置される支持部(1740)と、前記立体遊技体(M1)の外径を上回る間隔をあけて前記支持部(1740)の外側に配置されて前記回転軸(C)に沿って延在する複数のガイド部(1760)とを具備し、前記立体遊技体(M1)を、前記支持部(1740)と前記ガイド部(1760)とに接触させた状態で、前記支持部(1740)の回転により前記回転軸(C)に沿って移動させる搬送経路が、前記複数のガイド部(1760)の各々について形成され、前記複数のガイド部(1760)のうち前記回転軸(C)の周方向に隣合う2個のガイド部(1760)の各間隔により、前記立体遊技体(M1)を前記搬送経路から排出するための複数の排出口(1720)が形成される。
以上の構成では、回転軸(C)の周方向に隣合う2個のガイド部(1760)の各間隔により、立体遊技体(M1)を搬送経路から排出するための複数の排出口(1720)が形成される。すなわち、立体遊技体(M1)を回転軸(C)に沿って移動させるためのガイド部(1760)が排出口(1720)の形成に流用される。したがって、ガイド部(1760)とは別個の機構により立体遊技体(M1)を搬送経路から排出する構成と比較して、搬送装置(170ac)の構成を簡素化することが可能である。
典型的には支持部(1740)の端部(例えば上端部)に排出口(1720)が形成されるが、当該端部に加えて(または端部に代えて)、支持部(1740)の途中部分に排出口(1720)が形成された構成も発明の範囲には包含される。
[付記C2]
付記C1の好適例は、前記搬送経路により搬送された前記立体遊技体(M1)を前記回転軸(C)から離間する方向に移動させる排出誘導部(1771,1790)を具備する。
以上の態様では、搬送経路により搬送された立体遊技体(M1)が、排出誘導部(1771,1790)により回転軸(C)から離間する方向に移動される。すなわち、立体遊技体(M1)が搬送経路から排出される。したがって、立体遊技体(M1)が必要以上に搬送経路に停留する可能性を低減することが可能である。
「排出誘導部(1771,1790)」の具体的な形態は任意である。例えば、回転軸(C)の方向に対して傾斜した傾斜面(例えば円錐台状の曲面)、または、搬送経路の下流側に設置されて立体遊技体(M1)に当接する突起部が、排出誘導部(1771,1790)の具体例である。
[付記C3]
付記C1または付記C2の好適例において、前記支持部(1740)による前記立体遊技体(M1)の支持力は、前記搬送経路のうち前記排出口(1720)の近傍において低下する。
以上の態様では、支持部(1740)による立体遊技体(M1)の支持力が排出口(1720)の近傍において低下するから、立体遊技体(M1)を効率的に排出口(1720)から排出することができる。
[付記D]
例えば特開2013−99632号公報に開示される通り、ゲームフィールドに投入された円板状のメダルを移動させるプッシャーゲーム装置が従来から提案されている。プッシャーゲーム装置では、メダルを投入部まで搬送するために、メダルをレールに沿って移動させるリフトホッパー等が利用される。
ゲーム装置には、例えばメダル等の遊技体を利用する複数の要素(以下「遊技体利用部」という)が設置される。複数の遊技体利用部の各々に所定の個数比で遊技体を供給する特別な機構を設置した場合、ゲーム装置の構成が複雑化するという問題がある。以上の事情を考慮して、本発明の好適な態様(付記D)は、特別な機構を必要とすることなく複数の遊技体利用部に遊技体を分配することを目的とする。
[付記D1]
本発明の好適な態様に係る搬送機構は、複数の立体遊技体(M1)を搬送して複数の排出口(1720)の各々から排出する搬送装置(170ac)と、前記複数の排出口(1720)の各々から排出された前記立体遊技体(M1)を利用する複数の遊技体利用部(230a,240a,250a)とを具備し、前記複数の排出口(1720)のうち第1排出口(1720A)は、前記複数の遊技体利用部(230a,240a,250a)のうち第1遊技体利用部(230a,240a)に向かう方向に前記立体遊技体(M1)を排出し、前記複数の排出口(1720)のうち前記第1排出口(1720A)とは異なる第2排出口(1720B)は、前記複数の遊技体利用部(230a,240a,250a)のうち前記第1遊技体利用部(230a,240a)とは異なる第2遊技体利用部(240a,250a)に向かう方向に前記立体遊技体(M1)を排出し、前記第1排出口(1720A)から前記第1遊技体利用部(230a,240a)に向かう前記立体遊技体(M1)の個数と、前記第2排出口(1720B)から前記第2遊技体利用部(240a,250a)に向かう前記立体遊技体(M1)の個数とは相違する。
以上の構成では、搬送装置(170ac)により搬送された立体遊技体(M1)は、第1排出口(1720A)から第1遊技体利用部(230a,240a)に向かう方向に排出され、第2排出口(1720B)から第2遊技体利用部(240a,250a)に向かう方向に排出される。したがって、搬送後の立体遊技体(M1)の排出方向を切替える特別な機構を必要とすることなく、搬送装置(170ac)により搬送された立体遊技体(M1)を複数の遊技体利用部(230a,240a,250a)に分配することが可能である。また、第1排出口(1720A)から第1遊技体利用部(230a,240a)に向かう立体遊技体(M1)の個数と、第2排出口(1720B)から第2遊技体利用部(240a,250a)に向かう立体遊技体(M1)の個数とが相違するから、第1遊技体利用部(230a,240a)に供給される立体遊技体(M1)の個数と第2遊技体利用部(240a,250a)に供給される立体遊技体(M1)の個数との比率を所定値に近付けることが可能である。
「第1遊技体利用部(230a,240a)に向かう方向に立体遊技体(M1)を排出する」とは、複数の遊技体利用部(230a,240a,250a)のうち第1遊技体利用部(230a,240a)に優先的に供給されるように立体遊技体(M1)を排出することを意味し、例えば、第1遊技体利用部(230a,240a)に対応する供給路(231a,241a,251a)の方向に立体遊技体(M1)を排出することを包含する。以上の表現は、第1遊技体利用部(230a,240a)以外の遊技体利用部(230a,240a,250a)に最終的に立体遊技体(M1)が供給されることを排除する趣旨ではない。例えば、第1遊技体利用部(230a,240a)に向かう方向に第1排出口(1720A)から立体遊技体(M1)が排出された場合でも、当該第1遊技体利用部(230a,240a)に対する立体遊技体(M1)の進入が制限される状態(進入制限状態)であれば、立体遊技体(M1)は、第1遊技体利用部(230a,240a)に供給されることなく更に移動して他の遊技体利用部(230a,240a,250a)に供給され得る。
搬送装置(170ac)は、例えば、相異なる排出口(1720)に対応する複数の搬送経路の各々により立体遊技体(M1)を搬送する。ただし、複数の排出口(1720)について1個の搬送経路を共用してもよい。すなわち、1個の搬送経路により搬送された複数の立体遊技体(M1)が複数の排出口(1720)の各々から排出される。
[付記D2]
付記D1の好適例において、前記遊技体利用部(230a,240a,250a)の総数は、前記排出口(1720)の総数を下回り、前記第1排出口(1720A)の個数と、前記第2排出口(1720B)の個数とは相違する。
以上の構成では、第1排出口(1720A)の個数と第2排出口(1720B)の個数とが相違するから、第1遊技体利用部(230a,240a)に対する立体遊技体(M1)の供給数と第2遊技体利用部(240a,250a)に対する立体遊技体(M1)の供給数とを相違させることが可能である。
[付記D3]
付記D1または付記D2の好適例において、前記第1遊技体利用部(230a,240a)に対する前記立体遊技体(M1)の供給路(231a,241a,251a)の開口の大きさと、前記第2排出口(1720B)から排出された前記立体遊技体(M1)が向かう連絡路(313)の開口の大きさとは相違する。
以上の構成では、第1遊技体利用部(230a,240a)に対する前記立体遊技体(M1)の供給路(231a,241a,251a)の開口の大きさと、第2排出口(1720B)から排出された立体遊技体(M1)が向かう連絡路(313)の開口の大きさとが相違するから、第1遊技体利用部(230a,240a)に対する立体遊技体(M1)の供給数と第2遊技体利用部(240a,250a)に対する立体遊技体(M1)の供給数とを相違させることが可能である。なお、前記第1遊技体利用部(230a,240a)に対する前記立体遊技体(M1)の供給路(231a,241a,251a)の開口の大きさと、前記第2遊技体利用部(240a,250a)に対する前記立体遊技体(M1)の供給路(231a,241a,251a)の開口の大きさとを相違させてもよい。
各遊技体利用部(230a,240a,250a)に対する立体遊技体(M1)の供給路(231a,241a,251a)の個数は1個に限定されない。遊技体利用部(230a,240a,250a)について複数の供給路(231a,241a,251a)が形成された構成において、当該遊技体利用部(230a,240a,250a)に対応する「供給路(231a,241a,251a)の開口の大きさ」は、複数の供給路(231a,241a,251a)の開口の大きさの合計と解釈してもよい。また、連絡路(313)の個数も1個に限定されない。複数の連絡路313が形成された構成において、「連絡路(313)の開口の大きさ」は、複数の連絡路(313)の開口の大きさの合計と解釈してもよい。
供給路(231a,241a,251a)の開口の大きさは、供給路(231a,241a,251a)において立体遊技体(M1)が進入する開口の面積を意味する。連絡路(313)の開口の大きさも同様に、連絡路(313)において立体遊技体(M1)が進入する開口の面積を意味する。
[付記D4]
付記D3の好適例において、前記第1遊技体利用部(230a,240a)に対する前記立体遊技体(M1)の供給路(231a,241a,251a)の開口は、前記第2遊技体利用部(240a,250a)に対する前記立体遊技体(M1)の供給路(231a,241a,251a)の開口よりも大きい。
以上の構成によれば、第1遊技体利用部(230a,240a)に優先的に立体遊技体(M1)を供給することが可能である。
[付記D5]
付記D1から付記D4の何れかの好適例において、前記第1排出口(1720A)から第1遊技体利用部(230a,240a)に向かう方向に排出された前記立体遊技体(M1)は、前記第1遊技体利用部(230a,240a)が進入制限状態である場合に、前記第2遊技体利用部(240a,250a)に向けて移動する。
以上の構成では、第1遊技体利用部(230a,240a)が進入制限状態である場合に、立体遊技体(M1)が第1遊技体利用部(230a,240a)から第2遊技体利用部(240a,250a)に向けて移動する。したがって、搬送装置(170ac)から排出された立体遊技体(M1)を有効に利用することが可能である。
第1遊技体利用部(230a,240a)から第2遊技体利用部(240a,250a)に向けて移動した立体遊技体(M1)は、第2遊技体利用部(240a,250a)に実際に供給される必要まではない。例えば、第2遊技体利用部(240a,250a)が進入制限状態である場合、立体遊技体(M1)は、第2遊技体利用部(240a,250a)から更に他の場所(例えば他の遊技体利用部)に向けて移動する。
[付記D6]
付記D4または付記D5の好適例において、前記第1遊技体利用部(230a,240a)に対する前記立体遊技体(M1)の供給路(231a,241a,251a)は、前記第2遊技体利用部(240a,250a)に対する前記立体遊技体(M1)の供給路(231a,241a,251a)よりも高い位置にある。
以上の構成によれば、第1遊技体利用部(230a,240a)が進入制限状態である場合に、立体遊技体(M1)を第1遊技体利用部(230a,240a)から第2遊技体利用部(240a,250a)に容易に移動させることが可能である。
[付記D7]
本発明の好適な態様に係る搬送機構は、複数の立体遊技体(M1)を搬送して複数の排出口(1720)の各々から排出する搬送装置(170ac)と、前記複数の排出口(1720)の各々から排出された前記立体遊技体(M1)を利用する複数の遊技体利用部(230a,240a,250a)とを具備し、前記複数の排出口(1720)のうち第1排出口(1720A)は、前記複数の遊技体利用部(230a,240a,250a)のうち第1遊技体利用部(230a,240a)に向かう方向に前記立体遊技体(M1)を排出し、前記複数の排出口(1720)のうち前記第1排出口(1720A)とは異なる第2排出口(1720B)は、前記複数の遊技体利用部(230a,240a,250a)のうち前記第1遊技体利用部(230a,240a)とは異なる第2遊技体利用部(240a,250a)に向かう方向に前記立体遊技体(M1)を排出する。
[付記E]
例えば特開2013−99632号公報に開示される通り、ゲームフィールドに投入された円板状のメダルを移動させるプッシャーゲーム装置が従来から提案されている。プッシャーゲーム装置では、メダルを投入部まで搬送するために、メダルをレールに沿って移動させるリフトホッパー等が利用される。
従来のプッシャーゲーム装置に利用されるメダルの代わりに、姿勢によらず転動可能な遊技体(例えば球体状の遊技体)を利用することも想定される。立体遊技体を利用する構成では、メダルを搬送するリフトホッパーに代えて、立体遊技体の搬送に好適な機構が必要である。以上の事情を考慮して、本発明の好適な態様(付記E)は、立体遊技体を効率的に搬送することが可能な技術の提供を目的とする。
[付記E1]
本発明の好適な態様に係るゲーム装置(10)は、姿勢によらず転動可能な立体遊技体(M1)を利用するゲームを提供するゲームフィールド(110a)と、物理抽選を実行する物理抽選部(120a,130a,140ab)と、前記立体遊技体(M1)を移動させる経路であり、第1供給路(231a,241a)および第2供給路(241a,251a)とを有する経路(310ac)と、前記第1供給路(231a,241a)から進入する前記立体遊技体(M1)を前記物理抽選部(120a,130a,140ab)による物理抽選に利用する第1遊技体利用部(230a,240a)と、前記第2供給路(241a,251a)から進入する前記立体遊技体(M1)を前記ゲームフィールド(110a)における前記ゲームに利用する第2遊技体利用部(240a,250a)とを具備する。
以上の構成によれば、経路(310ac)を転動する立体遊技体(M1)がゲームフィールド(110a)によるゲームと物理抽選とに共通に利用されるから、ゲームフィールド(110a)に遊技体を供給する機構と、物理抽選部(120a,130a,140ab)に遊技体を供給する機構とを別個に設置する必要がない。したがって、ゲーム装置(10)の構成を簡素化することが可能である。
「物理抽選」は、立体遊技体(M1)を利用した物理的な抽選である。具体的には、立体遊技体(M1)が転動する転動面と当該立体遊技体(M1)が通過可能な複数の排出路とを含む物理抽選部(120a,130a,140ab)(クルーン)を利用して、複数の排出路のうち特定の排出路を立体遊技体(M1)が通過した場合に入賞と判定する処理が、物理抽選の好適例である。
「ゲームフィールド(110a)」は、立体遊技体(M1)を利用したゲームをプレイヤに提供する空間である。例えば立体遊技体(M1)を利用したプッシャーゲーム等の各種のゲームが提供される空間が、ゲームフィールド(110a)の好適例である。
「経路(310ac)」は、例えば、立体遊技体(M1)を転動させる傾斜面を有する。傾斜面は、典型的には平坦面であるが、傾斜角度が経路(310ac)上で変化する曲面を包含してもよい。経路(310ac)の途中に段差を含んでいてもよい。なお、例えば特定の機構により付与された運動エネルギーを利用して立体遊技体(M1)が経路(310ac)上を移動できるのであれば、立体遊技体(M1)の自重を利用して転動させる傾斜面は必須ではない。また、経路(310ac)のうち第1供給路(231a,241a)が設置された部分と第2供給路(241a,251a)が設置された部分との一方が傾斜面であり、他方が水平面である構成も想定される。
[付記E2]
付記E1の好適例は、前記第1遊技体利用部(230a,240a)が前記物理抽選に利用した前記立体遊技体(M1)と、前記第2遊技体利用部(240a,250a)が前記ゲームに利用した前記立体遊技体(M1)とを回収して前記経路(310ac)の上流側に搬送する搬送装置(170ac)を具備する。
以上の構成によれば、ゲームに利用された立体遊技体(M1)と物理抽選に利用された立体遊技体(M1)とを経路(310ac)の上流側に搬送することで再利用することが可能である。
「立体遊技体(M1)を回収して経路(310ac)の上流側に搬送する」構成は、利用後に回収された複数の立体遊技体(M1)の全部を経路(310ac)の上流側に搬送する構成だけでなく、回収された複数の立体遊技体(M1)の一部のみを経路(310ac)の上流側に搬送する構成も包含する。例えば、利用後に回収された複数の立体遊技体(M1)のうち経路(310ac)の上流側に搬送されない立体遊技体(M1)は、他の遊技体利用部に利用されてもよい。
[付記E3]
付記E1または付記E2の好適例において、前記第2遊技体利用部(240a,250a)は、前記ゲームの進行の状況に応じて決定された個数の前記立体遊技体(M1)を前記物理抽選に利用する。
[付記E4]
付記E1から付記E3の何れかの好適例において、前記第2供給路(241a,251a)は、前記経路(310ac)における前記第1供給路(231a,241a)の下流側に設置され、前記第1遊技体利用部(230a,240a)が前記ゲームに利用する前記立体遊技体(M1)の個数は、前記第2遊技体利用部(240a,250a)が前記物理抽選に利用する前記立体遊技体(M1)の個数を上回る。
以上の構成によれば、経路(310ac)における第1供給路(231a,241a)の下流側に第2供給路(241a,251a)が設置されるから、第2遊技体利用部(240a,250a)による物理抽選よりも第1遊技体利用部(230a,240a)によるゲームに対して優先的に立体遊技体(M1)を利用することが可能である。
[付記F]
例えば特開2013−99632号公報に開示される通り、ゲームフィールドに投入された円板状のメダルを移動させるプッシャーゲーム装置が従来から提案されている。プッシャーゲーム装置では、メダルを投入部まで搬送するために、メダルをレールに沿って移動させるリフトホッパー等が利用される。
従来のプッシャーゲーム装置に利用されるメダルの代わりに、姿勢によらず転動可能な遊技体(例えば球体状の遊技体)を利用することも想定される。立体遊技体を利用する構成では、メダルを搬送するリフトホッパーに代えて、立体遊技体の搬送に好適な機構が必要である。以上の事情を考慮して、本発明の好適な態様(付記F)は、立体遊技体を効率的に搬送することが可能な技術の提供を目的とする。
[付記F1]
本発明の好適な態様に係るゲーム装置(10)は、姿勢によらず転動可能な立体遊技体(M1)を利用するゲームを提供するゲーム装置(10)であって、前記立体遊技体(M1)を転動させる経路(310ac)であり、第1供給路(231a,241a)と、前記第1供給路(231a,241a)の下流側に位置する第2供給路(241a,251a)とを含む経路(310ac)と、前記第1供給路(231a,241a)から進入する前記立体遊技体(M1)を貯留して利用する第1遊技体利用部(230a,240a)と、前記第2供給路(241a,251a)から進入する前記立体遊技体(M1)を利用する第2遊技体利用部(240a,250a)とを具備し、前記経路(310ac)を転動する立体遊技体(M1)は、前記第1遊技体利用部(230a,240a)が進入制限状態でない場合に前記第1供給路(231a,241a)に進入し、前記第1遊技体利用部(230a,240a)が進入制限状態である場合に前記第1供給路(231a,241a)から前記第2供給路(241a,251a)に向けて転動する。
以上の構成において、経路(310ac)を転動する立体遊技体(M1)は第1供給路(231a,241a)に進入可能であり、第1供給路(231a,241a)に進入した立体遊技体(M1)は第1遊技体利用部(230a,240a)に貯留および利用される。第1遊技体利用部(230a,240a)が進入制限状態である場合、立体遊技体(M1)は第2供給路(241a,251a)に向けて転動する。すなわち、したがって、第2遊技体利用部(240a,250a)よりも第1遊技体利用部(230a,240a)に対して優先的に立体遊技体(M1)を供給することが可能である。
経路(310ac)上の立体遊技体(M1)は、第1供給路(231a,241a)を経由せずに第2供給路(241a,251a)に向けて転動する場合もある。
「下流側」とは、立体遊技体(M1)が移動により向かう方向を意味する。例えば経路(310ac)が傾斜面を含む構成では、当該傾斜面における低位側が「下流側」に相当する。すなわち、第2供給路(241a,251a)は第1供給路(231a,241a)よりも低い位置にある。
[付記F2]
付記F1の好適例において、前記第2遊技体利用部(240a,250a)は、前記第2供給路(241a,251a)から進入する前記立体遊技体(M1)を貯留する。
以上の構成では、第1遊技体利用部(230a,240a)が満杯である場合に第2遊技体利用部(240a,250a)に立体遊技体(M1)が貯留される。すなわち、第2遊技体利用部(240a,250a)よりも第1遊技体利用部(230a,240a)に対して優先的に立体遊技体(M1)を貯留することが可能である。
[付記F3]
付記F1または付記F2の好適例は、前記経路(310ac)に設置され、前記立体遊技体(M1)を前記第1供給路(231a,241a)に誘導する誘導部を具備する。
以上の構成では、誘導部が経路(310ac)に設置されるから、第1遊技体利用部(230a,240a)に優先的に立体遊技体(M1)を貯留できるという効果は格別に顕著である。
[付記G]
例えば特開2013−99632号公報に開示される通り、ゲームフィールドに投入された円板状のメダルを移動させるプッシャーゲーム装置が従来から提案されている。従来のプッシャーゲーム装置においては、ゲームフィールドにおいて複数のメダルが積層されるだけであり、演出上の視覚的な効果を充分に確保するという観点からは、改善の余地がある。本発明の好適な態様(付記G)は、以上の事情を考慮した構成である。
[付記G1]
本発明の好適な態様に係るゲーム装置(10)は、姿勢によらず転動可能な複数の立体遊技体(M1)を投入する投入部(461a)と、前記投入部(461a)が投入した前記複数の立体遊技体(M1)が載置される第1面(Q1)を含む載置部(44)と、前記載置部(44)に載置された前記複数の立体遊技体(M1)を排出する排出部(446)とを具備し、前記第1面(Q1)が水平面に対して傾斜する第1状態において、前記投入部(461a)により投入された前記複数の立体遊技体(M1)は、前記第1面(Q1)に沿って単層で整列し、前記第1面(Q1)の角度を前記第1状態における角度から変化させた第2状態において、前記載置部(44)に載置された複数の立体遊技体(M1)が前記第1面(Q1)の低位側に転動して前記排出部(446)に供給される。
以上の構成では、複数の立体遊技体(M1)が第1面(Q1)に沿って単層で整列するから、多数の立体遊技体(M1)が第1面(Q1)に載置されていることをプレイヤに効果的に視認させることが可能である。また、第1面(Q1)の角度が変化することで第1面(Q1)上の複数の立体遊技体(M1)が低位側に転動して排出部(446)に供給される。したがって、第1面(Q1)に載置された多数の立体遊技体(M1)が一斉に排出口(1720)に向けて移動する動的な演出が実現される。
第1面(Q1)は、基本的には平坦面であるが曲面でもよい。また、「単層で整列」とは、複数の立体遊技体(M1)が第1面(Q1)の垂線方向に積み重なることなく当該第1面(Q1)に沿って密に配置されることを意味する。なお、「整列」は、複数の立体遊技体(M1)が直線状に1列で配置されることに限定されず、複数の立体遊技体(M1)が平面状に配置されることも包含する。具体的には、投入部(461a)から投入された立体遊技体(M1)が、第1面(Q1)上の既存の立体遊技体(M1)に対して当該第1面(Q1)に平行な方向から当接するように、投入部(461a)は立体遊技体(M1)を投入する。以上の構成により、第1面(Q1)の低位側から高位側に向けて立体遊技体(M1)が単層で整列していく。
[付記G2]
付記G1の好適例において、前記載置部(44)は、水平面に対して傾斜するとともに前記第1面(Q1)に交差する第2面(Q2)を含み、前記第1状態においては、前記第1面(Q1)の低位側の縁辺(S11)と前記第2面(Q2)の低位側の縁辺(S21)とが相互に近接し、前記投入部(461a)は、前記第1面(Q1)の高位側から前記複数の立体遊技体(M1)を投入する第1投入部(461b,461d)と、前記第2面(Q2)の高位側から前記複数の立体遊技体(M1)を投入する第2投入部(461a,461c)とを含む。
以上の構成では、第1面(Q1)および第2面(Q2)の各々の高位側から複数の立体遊技体(M1)が投入され、第1面(Q1)の低位側と第2面(Q2)との低位側に立体遊技体(M1)が蓄積される。第1面(Q1)の低位側の縁辺(S11)と第2面(Q2)の低位側の縁辺(S21)とは相互に近接するから、第1面(Q1)と第2面(Q2)とが相互に近接する部分から各々の高位側に向けて複数の立体遊技体(M1)が整列する。したがって、載置部(44)に載置された複数の立体遊技体(M1)を複数のプレイヤから視認し易いという利点がある。
[付記G3]
付記G2の好適例では、前記第2状態においては、前記第1面(Q1)の角度が前記第2面(Q2)の角度に近付くことで、前記第1面(Q1)および前記第2面(Q2)に載置された前記複数の立体遊技体(M1)が前記第1面(Q1)の低位側に転動して前記排出部(446)に供給される。
以上の構成では、第2状態において第1面(Q1)の角度が第2面(Q2)の角度に近付く(理想的には一致する)ことで、第1面(Q1)および第2面(Q2)の双方にわたる複数の立体遊技体(M1)を、第1面(Q1)の低位側に転動させて排出部(446)に供給することが可能である。
[付記G4]
付記G1から付記G3の何れかの好適例は、前記複数の立体遊技体(M1)を利用したゲームをプレイヤに提供するゲームフィールド(110a)を具備し、前記載置部(44)は、前記ゲームフィールド(110a)の上方に位置し、前記載置部(44)の少なくとも一部は、当該載置部(44)を挟んで前記複数の立体遊技体(M1)とは反対側から当該立体遊技体(M1)を視認可能に構成される。
以上の構成では、載置部(44)がゲームフィールド(110a)の上方に位置するから、ゲーム装置(10)の内部のスペースを有効に利用できる。また、載置部(44)の少なくとも一部は、当該載置部(44)を挟んで立体遊技体(M1)とは反対側から当該立体遊技体(M1)を視認可能である。すなわち、ゲームフィールド(110a)側から載置部(44)を介してプレイヤは立体遊技体(M1)を視認可能である。したがって、多数の立体遊技体(M1)が載置部(44)に載置されていることをプレイヤに効果的に視認させることが可能である。
「視認可能」とは、載置部(44)が光を透過させることを意味する。「視認可能」な構成の典型例は、載置部(44)が光透過性の部材で形成された構成である。ただし、例えば載置部(44)が網状に形成された構成でも、当該載置部(44)を光が透過するから、「視認可能」の概念に包含される。
[付記G5]
付記G1から付記G3の何れかの好適例は、前記複数の立体遊技体(M1)を利用したゲームを各々が提供する複数のゲームフィールド(110a,110b,110c,110d)を具備し、前記載置部(44)は、前記複数のゲームフィールド(110a,110b,110c,110d)にわたり当該複数のゲームフィールド(110a,110b,110c,110d)の上方に位置し、前記載置部(44)の少なくとも一部は、当該載置部(44)を挟んで前記複数の立体遊技体(M1)とは反対側から当該立体遊技体(M1)を視認可能に構成される。
[付記G6]
付記G5の好適例において、複数のゲームフィールド(110a,110b,110c,110d)は、第1ゲームフィールド(110a)と第2ゲームフィールド(110b,110c,110d)とを含み、前記投入部(461)は、前記第1ゲームフィールド(110a)におけるゲームのプレイの状況に応じて前記立体遊技体(M1)を投入する第1投入部(461a)と、前記第2ゲームフィールド(110b,110c,110d)におけるゲームのプレイの状況に応じて前記立体遊技体(M1)を投入する第2投入部(461b,461c,461d)とを含み、前記載置部(44)に載置された前記複数の立体遊技体(M1)は、第1投入部(461a)および第2投入部(461b,461c,461d)のうち前記立体遊技体(M1)の投入数が多い方に対応する領域に偏って分布する。
以上の構成では、第1投入部(461a)および第2投入部(461b,461c,461d)のうち立体遊技体(M1)の投入数が多い方に対応する領域に偏って複数の立体遊技体(M1)が分布するから、複数のゲームフィールドのうち載置部(44)上に対する立体遊技体(M1)の蓄積に貢献したゲームがプレイされたゲームフィールド(さらには当該蓄積に貢献したプレイヤ)を、複数の立体遊技体(M1)の分布から推定することが可能である。
なお、「立体遊技体(M1)の投入数が多い方に対応する領域」とは、例えば、複数の投入部(461a,461b,461c,461d)のうち立体遊技体(M1)の投入数が多い方に近い領域であるが、以上の領域には限定されない。例えば、載置部(44)が第1面(Q1)と第2面(Q2)とを含む前述の構成を想定する。第1投入部(461b,461d)は、第1面(Q1)の高位側から当該第1面(Q1)の面上に立体遊技体(M1)を投入する。第2投入部(461a,461c)は、第2面(Q2)の高位側から当該第2面(Q2)の面上に立体遊技体(M1)を投入する。以上の構成において、「立体遊技体(M1)の投入数が多い方に対応する領域」とは、第1投入部(461b,461d)による立体遊技体(M1)の投入数が多い場合には第1面(Q1)の少なくとも一部の領域であり、第2投入部(461a,461c)による立体遊技体(M1)の投入数が多い場合には第2面(Q2)の少なくとも一部の領域である。例えば、「立体遊技体(M1)の投入数が多い方に対応する領域」は、例えば、立体遊技体(M1)の投入数が多い投入部(461a,461b,461c,461d)の近傍から低位側に傾斜する傾斜面である。
[付記G7]
付記G4から付記G6の何れかの好適例において、前記複数の立体遊技体(M1)は光透過性であり、前記載置部(44)を挟んで前記ゲームフィールド(110a)とは反対側に設置された平面状の光源(413)を具備する。
以上の構成では、平面状の光源(413)による照射光が立体遊技体(M1)と載置部(44)とを透過しゲームフィールド(110a)側に出射する。すなわち、載置部(44)上の複数の立体遊技体(M1)により適度に散乱して載置部(44)を透過した光がプレイヤにより視認される。したがって、視覚的な演出効果を増大させることが可能である。
「平面状の光源(413)」は、平面的に発光する照明装置である。具体的には、発光体が平面状に形成された光源(413)のほか、複数の点光源または線光源を平面状に配列した光源が、「平面状の光源(413)」の概念に包含される。
[付記G8]
付記G1から付記G7の好適例において、前記第1面(Q1)は、相対する第1縁辺(S11)と第2縁辺(S12)とを含み、前記第1状態では、前記第1縁辺(S11)が前記第2縁辺(S12)よりも低い位置にあり、前記第2状態では、前記第2縁辺(S12)が前記第1縁辺(S11)よりも低い位置にある。
以上の構成では、第1状態において第1縁辺(S11)の近傍に整列する複数の立体遊技体(M1)が、第2状態に変化することで第2縁辺(S12)の近傍に一斉に移動する。したがって、多数の立体遊技体(M1)が一斉に大きく移動する効果的な演出が実現される。
[付記G9]
本発明の好適な態様に係るゲーム装置(10)は、姿勢によらず転動可能な複数の立体遊技体(M1)を投入する投入部(461a)と、前記投入部(461a)が投入した前記複数の立体遊技体(M1)が載置される第1面(Q1)を含む載置部(44)と、前記複数の立体遊技体(M1)を利用したゲームをプレイヤに提供するゲームフィールド(110a)とを具備し、前記投入部(461a)により投入された前記複数の立体遊技体(M1)は、前記第1面(Q1)に沿って単層で整列し、前記第1面(Q1)よりも下方の空間に、前記プレイヤの仮想視点(V)が位置し、前記載置部(44)の少なくとも一部は、当該載置部(44)を挟んで前記複数の立体遊技体(M1)とは反対側から前記プレイヤが当該立体遊技体(M1)を視認可能に構成される。
以上の構成では、複数の立体遊技体(M1)が第1面(Q1)に沿って単層で整列し、かつ、第1面(Q1)よりも下方の空間にプレイヤが位置する。したがって、載置部(44)上の複数の立体遊技体(M1)の大多数を、プレイヤが当該載置部(44)を介して視認できる。すなわち、多数の立体遊技体(M1)が載置部(44)に載置されていることをプレイヤに効果的に視認させることが可能である。
プレイヤの仮想視点(V)は、ゲームフィールド(110a)により提供されるゲームをプレイする仮想的なプレイヤの目の位置(アイポイント)を意味する。仮想視点(V)は、プレイヤが着座した状態でゲームをプレイすることがゲーム装置(10)の使用の状況から想定される場合には、平均的な体格を有する仮想的なプレイヤが着座した状態における当該プレイヤの目の位置を意味し、プレイヤが起立した状態でゲームをプレイすることがゲームの使用の状況から想定される場合には、平均的な体格のプレイヤが起立した状態における当該プレイヤの目の位置を意味する。
仮想視点(V)は、ただ1個の地点には必ずしも特定されず、空間的な拡がりをもった特定の範囲内に想定される。「前記第1面(Q1)を含む平面よりも下方の空間に、前記プレイヤの仮想視点(V)が位置」する、とは、仮想視点(V)が想定される特定の空間が、第1面(Q1)を含む平面よりも下方に位置することを意味する。
「第1面(Q1)よりも下方の空間」とは、載置部(44)の第1面(Q1)に載置された立体遊技体(M1)と当該第1面(Q1)との接点を通過する接平面(当該接点において球体状の立体遊技体(M1)に接触する平面)に着目したときに、第1面(Q1)に載置された全部の立体遊技体(M1)の接平面からみて鉛直方向の下方に位置する空間を意味する。第1面(Q1)が平面である構成では、当該第1面(Q1)を含む平面よりも下方の空間が「第1面(Q1)よりも下方の空間」である。ただし、第1面(Q1)は平面に限定されない。例えば、前述の定義における「第1面(Q1)よりも下方の空間」にプレイヤの仮想視点(V)が位置する、という条件を充足するのであれば、第1面(Q1)は曲面(例えば球面または円弧面)でもよい。例えば曲率が小さい曲面は、当該条件を充足し得る。第1面(Q1)を構成する曲面は、理想的には、接平面よりも上方の空間に仮想視点(V)が位置する接点が存在しないように形成された曲面である。
[付記G10]
付記G9の好適例において、プレイヤの相異なる位置に対応する複数の仮想視点(V)が、前記第1面(Q1)よりも下方の空間に位置する。
以上の構成によれば、ゲーム装置(10)のプレイヤが所在し得る複数の位置から、多数の立体遊技体(M1)が載置部(44)に載置されていることを視認することが可能である。理想的には、複数の仮想視点(V)の全部が第1面(Q1)よりも下方の空間に位置する。