<A:第1実施形態>
<A−1:第1実施形態の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る管理システム100のブロック図である。図1に示すように、管理システム100は、例えば遊技施設内に構築されたコンピュータネットワークシステムであり、クレジット管理サーバ12とゲーム管理サーバ22と複数のゲーム装置26と管理装置40とを含んで構成される。クレジット管理サーバ12やゲーム管理サーバ22は遊技施設の外部に設置され得る。
管理装置40は、通信網18を介してクレジット管理サーバ12と通信し、通信網28を介してゲーム管理サーバ22や各ゲーム装置26と通信する。したがって、クレジット管理サーバ12と各ゲーム装置26とは、管理装置40を介して相互に通信することが可能である。通信網18および通信網28の各々は、例えば、遊技施設内に構築されたLAN(local area network)実現される。なお、クレジット管理サーバ12やゲーム管理サーバ22が専用線を介して管理装置40に接続された構成も採用され得る。また、管理システム100の一部が遊技施設の外部に設置される構成では、通信網18や通信網28の各々の一部は、例えばインターネットを利用したWAN(wide area network)やVPN(virtual private network)で実現される。通信網18や通信網28の内部の通信経路にはゲートウェイやルータなどの通信機器が適宜に配置され得る。
クレジット管理サーバ12は、利用者が保有するクレジットの総量(以下「保有クレジット数」という)CAを管理するサーバ装置である。クレジット管理サーバ12による保有クレジット数CAの管理を利用しようとする利用者は、事前に登録(以下「第1登録」という)を受ける必要がある。第1登録を受けた利用者には識別情報UID(user ID)が付与される。利用者は、自身に付与された識別情報UIDを記憶して認証時に入力する。すなわち、識別情報UIDはパスワードとして利用され得る。
図1に示すように、クレジット管理サーバ12は、処理装置122と記憶装置124とを含んで構成される。記憶装置124は、第1登録毎にレコードRCを記憶する。各レコードRCは、第1登録を受けた利用者の識別情報UIDおよび生体情報BIDと、利用者の保有クレジット数CAとを含んで構成される。生体情報BIDは、利用者の生体的な特徴を示す情報である。例えば、手(掌や指)の静脈パターンを示す生体情報BIDが記憶装置124に記憶される。なお、識別情報UIDを各々に対応付けて生体情報BIDと保有クレジット数CAとを別個の記憶装置に格納した構成も採用される。処理装置122は、記憶装置124に格納されたレコードRCの管理(読出や書込)を実行する。
遊技施設内の各ゲーム装置26を利用しようとする利用者は事前に登録(以下「第2登録」という)を受けることが可能である。第2登録を受けた利用者には識別情報PID(player ID)が付与される。識別情報PIDは、例えば、利用者に対して発行されたICカードなどの可搬型の記録媒体(以下「ゲームカード」という)に記憶される。利用者は、例えばゲーム装置26の種類毎に第2登録を受けて識別情報PIDを取得することが可能である。利用者が過去に実行したゲームの進行の状況などゲームに関する各種の情報を含むゲームデータ(セーブデータ)が適用されるゲームについては、各利用者のゲームデータの識別に識別情報PIDが利用される。
ゲーム管理サーバ22は、利用者が第2登録を受けているか否かを認証するためのサーバ装置であり、処理装置222と記憶装置224とを具備する。図1に示すように、記憶装置224は、第2登録毎にレコードRGを記憶する。各レコードRGは、第2登録を受けた利用者の識別情報PIDとパスワードPWDとを含んで構成される。パスワードPWDは、例えば第2登録時に利用者が設定する。処理装置222は、記憶装置224に格納された各レコードRGの管理(読出や書込)を実行する。
複数のゲーム装置26のなかにはプッシャーゲーム装置262が含まれる。プッシャーゲーム装置262は、メインテーブル622に載置されたメダルを利用者によるメダルの投入で落下させるメダルゲーム装置である。第1実施形態のプッシャーゲーム装置262は、クレジット管理サーバ12が管理する保有クレジット数CAの一部または全部に相当する数量のメダルを利用者に払い出す機能を備える。管理装置40は、プッシャーゲーム装置262における保有クレジット数CAの利用を管理する。
図2は、管理装置40およびプッシャーゲーム装置262のブロック図である。なお、図2では通信網28の図示が省略されている。図2に示すように、管理装置40は、演算処理装置42と記憶装置44と入力受付部46とを含んで構成されるコンピュータシステムで実現される。演算処理装置42は、記憶装置44に記憶されたプログラムの実行で複数の機能(第1認証部422,第2認証部424,管理部426,移行部434,判定部436)を実現する。記憶装置44は、演算処理装置42が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。半導体記録媒体や磁気記録媒体などの公知の記録媒体または複数種の記録媒体の組合せが記憶装置44として任意に採用される。
入力受付部46は、利用者からの入力を受け付ける要素であり、受付部462と生成部464と受付部466と受付部468とを含んで構成される。受付部462は、利用者による識別情報UID_INの入力を受け付ける。例えば受付部462は、利用者が操作する複数の操作子(テンキー)で構成される。なお、タッチパネル機能付の表示装置が表示する操作子(テンキー)を受付部462として採用することも可能である。第1登録を正規に受けた利用者が入力する識別情報UID_INは、記憶装置124に記憶された識別情報UIDに合致する。
生成部464は、利用者の生体的な特徴を示す生体情報BID_INを生成する。例えば、利用者の手(掌や指)の静脈パターンを検出して生体情報BID_INを生成する公知の静脈センサが生成部464として採用される。第1登録を正規に受けた利用者の生体情報BID_INは記憶装置124に記憶された生体情報BIDに合致する。
受付部466は、利用者による識別情報PID_INの入力を受け付ける。例えばゲームカードに格納された識別情報PIDを識別情報PID_INとして読み取る公知の読取器が受付部466として採用される。受付部468は、利用者によるパスワードPWD_INの入力を受け付ける。例えば受付部468は、利用者が操作する複数の操作子(テンキー)で構成される。なお、タッチパネル機能付の表示装置が表示する操作子(テンキー)を受付部468として採用することも可能である。
第1認証部422は、受付部462が受け付けた識別情報UID_INと生成部464が生成した生体情報BID_INとを利用した認証(以下「第1認証」という)の結果を取得する。第1認証は、第1登録の有無を判定する処理である。すなわち、第1認証は、識別情報UID_INと生体情報BID_INとの組合せが記憶装置124に記憶されているか否か(識別情報UID_INに符合する識別情報UIDと生体情報BID_INに符合する生体情報BIDとが1個のレコードRC内に対応付けて記憶装置124に格納されているか否か)を判定する処理に相当する。
他方、第2認証部424は、受付部466が受け付けた識別情報PID_INと受付部468が受け付けたパスワードPWD_INとを利用した認証(以下「第2認証」という)の結果を取得する。第2認証は、第2登録の有無を判定する処理である。すなわち、第2認証は、識別情報PID_INとパスワードPWD_INとの組合せが記憶装置224に記憶されているか否か(識別情報PID_INに符合する識別情報PIDとパスワードPWD_INに符合するパスワードPWDとが1個のレコードRG内に対応付けて記憶装置224に格納されているか否か)を判定する処理に相当する。
管理部426は、第1認証および第2認証の双方の結果が肯定である場合(すなわち、利用者が第1登録および第2登録を受けていることが確認された場合)に認証済情報Aを生成して記憶装置44の所定の記憶領域(以下「管理記憶部」という)442に記憶させる。認証済情報Aは、図2に示すように、受付部462が受け付けた識別情報UID_IN(UID)と、受付部466が受け付けた識別情報PID_IN(PID)と、生成部464が生成した生体情報BID_IN(BID)とを関連付けたレコード(データ列)である。相異なる利用者に対応する複数の認証済情報Aが順次に生成されて管理記憶部442に格納される。管理記憶部442に記憶された認証済情報Aは、所定の条件の成立を契機として消去される。例えば、遊技施設の開店前や閉店後の所定の時刻が到来すると、管理部426は、管理記憶部442に記憶されている複数の認証済情報A(すなわち、遊技施設の直近の開店中に生成された認証済情報A)を消去する。
移行部434は、クレジット管理サーバ12とプッシャーゲーム装置262との通信を仲介する。判定部436は、利用者がプッシャーゲーム装置262に入力した識別情報PID_INが認証済情報Aとして管理記憶部442に記憶されているか否か(すなわち、プッシャーゲーム装置262でゲームを実行しようとする利用者について管理装置40での第1認証および第2認証が成功しているか否か)を判定する。
図2に示すように、プッシャーゲーム装置262は、演算処理装置52と記憶装置54と受付部562と操作部58と払出口60とゲーム機構部62と搬送機構部64とを含んで構成される。演算処理装置52は、記憶装置54に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(照会部522,ゲーム制御部524,払出制御部526)を実現する。記憶装置54は、演算処理装置52が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。半導体記録媒体や磁気記録媒体などの公知の記録媒体または複数種の記録媒体の組合せが記憶装置54として任意に採用される。
受付部562は、管理装置40の受付部466と同様に、利用者による識別情報PID_INの入力を受け付ける。例えばゲームカードに格納された識別情報PIDを識別情報PID_INとして読み取る公知の読取器が受付部562として採用される。操作部58は、利用者による操作を受け付ける。例えば、操作部58は、利用者が押下する操作子(操作ボタン)で構成される。払出口60は、利用者が利用し得るメダルを利用者に対して排出する開口部である。
ゲーム機構部62は、利用者がプッシャーゲームを実行するための機構である。図3に示すように、ゲーム機構部62は、メインテーブル622とプッシャーテーブル624とメダル投入部626とメダル供給部628とを含んで構成される。メインテーブル622は、略水平に固定された板状の部材である。プッシャーテーブル624は、メインテーブル622上に配置された台状の部材であり、例えば利用者からみて前後の方向にメインテーブル622の上面に沿って反復的に往復する。メインテーブル622の上面およびプッシャーテーブル624の上面(以下では両者を総称して「フィールド」と表記する場合がある)Fには複数のメダルMが無作為に載置される。
メダル投入部626は、利用者が投入したメダルMをフィールドF(例えばプッシャーテーブル624)上に供給する。第1実施形態のメダル投入部626は、利用者が投入したメダルMを検知する検知部(図示略)を具備する。メダル供給部628は、複数のメダルMをフィールドF(例えばメインテーブル622)上に供給する。例えば、ゲーム機構部62内の所定の位置をメダルMが通過した場合に実行される抽選(例えばスロットゲーム)に当選した場合に、複数のメダルMがメダル供給部628からフィールドF上に供給される。なお、メダル投入部626からメインテーブル622上にメダルMを供給する構成や、メダル供給部628からプッシャーテーブル624上にメダルMを供給する構成も採用され得る。
プッシャーテーブル624が前方(利用者からみて手前側)に移動したときにプッシャーテーブル624の面上(プッシャーテーブル624のうち壁面620からの操出分に相当しメダルMがまだ存在しない領域)にメダル投入部626から投入されたメダルMは、プッシャーテーブル624が後方に移動するときに壁面620に押され、その影響で、プッシャーテーブル624の端部のメダルMがメインテーブル622の面上に落下する。プッシャーテーブル624からメインテーブル622に落下したメダルMやメダル供給部628からメインテーブル622上に供給されたメダルMがプッシャーテーブル624に押されて移動すると、そのメダルMによって押された既存のメダルMが順次に移動してメインテーブル622の端部(周縁)から落下する。
図3に示すように、メインテーブル622(フィールドF)のうちメダルMが落下し得る端部は、有効端EAと無効端EBとに区分される。有効端EAは、プッシャーテーブル624の往復の方向に沿って見たときにメインテーブル622を挟んでプッシャーテーブル624とは反対側の端部(すなわち、利用者からみて手前側に位置する端部)である。他方、無効端EBは、メインテーブル622の端部(周縁)のうち有効端EA以外でメダルMが落下し得る部分である。具体的には、利用者からみてメインテーブル622の右側および左側に位置する端部が無効端EBに相当する。なお、無効端EBは、実際には利用者から見えないように他の部材で覆われる。メインテーブル622の有効端EAから落下したメダルMは払出口60から利用者に払い出される。他方、メインテーブル622の無効端EBから落下したメダルMは、プッシャーゲーム装置262の内部に貯留される(いわゆる「親落ち」)。
搬送機構部64は、メダルMを貯留および搬送する複数のホッパ(第1ホッパ72,第2ホッパ74,第3ホッパ76)を含んで構成される。第1ホッパ72は、保有クレジット数CAの一部または全部に相当する数量のメダルMを払出口60に送出する機構であり、第1貯留部721と第1払出部723とを含んで構成される。第1貯留部721は、複数のメダルMを貯留する容器(ホッパタンク)である。第1払出部723は、第1貯留部721に貯留されたメダルMを払出口60に送出する。
図4に示すように、第1払出部723は、第1貯留部721の底面に設置されて円周上にメダルMを1枚ずつ保持する円盤状の回転体(ローターディスク)82と、回転体82を回転させることでメダルMを1枚ずつ第1貯留部721の外部に送出する駆動部84(例えばモータ)と、回転体82から送出されるメダルMを検出する検出部86とを含んで構成される。検出部86が検出したメダルMの枚数に応じて駆動部84が回転体82を駆動または停止することで、第1払出部723が第1貯留部721から送出するメダルMの枚数を任意に制御することが可能である。
図3の第2ホッパ(ペイホッパ)74は、メダル供給部628を介してフィールドFにメダルMを送出する。第1ホッパ72と同様に、第2ホッパ74は、複数のメダルMを貯留する第2貯留部741と、第2貯留部741内のメダルMをメダル供給部628に送出する第2払出部743とを含んで構成される。第2払出部743は、図4に例示した第1払出部723と同様に、回転体82と駆動部84と検出部86とを含んで構成される。したがって、第2払出部743は任意の枚数のメダルMを第2貯留部741からメダル供給部628に送出することが可能である。
第1貯留部721および第2貯留部741の各々は、メインテーブル622の無効端EBから落下したメダルMを貯留する。図5は、第1貯留部721と第2貯留部741との関係を示す模式図である。図5に示すように、メインテーブル622の無効端EBから落下したメダルMは第1貯留部721に順次に貯留される。第1貯留部721がメダルMで満たされると、第1貯留部721から溢れ出たメダルMが第2貯留部741に移動して貯留される。すなわち、第1貯留部721には、メインテーブル622の無効端EBから落下したメダルMが直接的に投入および貯留され、第2貯留部741には、メインテーブル622の無効端EBから落下したメダルMが第1貯留部721を介して間接的に投入および貯留される。なお、以上においては第1貯留部721から第2貯留部741にメダルMが流出する場合を例示したが、無効端EBから落下したメダルMが第2貯留部741に貯留され、第2貯留部741から溢れたメダルMが第1貯留部721に流入する構成も採用され得る。
図3の第3ホッパ(カウントホッパ)76は、メインテーブル622の有効端EAから落下したメダルMを払出口60に送出する。第3ホッパ76は、有効端EAから落下したメダルMを貯留する第3貯留部761と、第3貯留部761内のメダルMを払出口60に送出する第3払出部763とを含んで構成される。第3払出部763は、図4の第1払出部723と同様に、回転体82と駆動部84と検出部86とを含んで構成され、第3貯留部761内のメダルMを検出しながら順次に払出口60に送出する。メインテーブル622の有効端EAから落下したメダルMを第3貯留部761に搬送する経路の途中にはメダルMを検出するセンサ(図示略)が設置される。第3払出部763の駆動部84は、センサがメダルMを検出した場合に回転体82を駆動させる。回転体82を回転させても検出部86がメダルMを検出しない場合(すなわち、第3貯留部761内のメダルMが無くなった場合)、駆動部84は回転体82を停止させる。つまり、第3払出部763は、有効端EAから第3貯留部761に落下したメダルMの全部を直ちに払出口60に送出する。したがって、第3貯留部761は、通常は空の状態に維持される。
図2のゲーム制御部524は、プッシャーゲームに関する各種の処理を実行する。例えば、ゲーム制御部524は、ゲーム機構部62の所定の位置をメダルMが通過した場合に抽選(ボーナスゲーム)を実行し、抽選に当選した場合には、所定数のメダルMが第2貯留部741からメダル供給部628を介してフィールドF(メインテーブル622)に供給されるように第2ホッパ74を制御する。また、ゲーム制御部524は、メダル投入部626から投入されたメダルMの枚数に対する、第3ホッパ76から払出口60に排出されて利用者に戻されるメダルM(すなわち、有効端EAから落下したメダルM)の枚数の割合をペイアウト率として管理する。プッシャーゲーム装置262にはペイアウト率の目標値が設定される。ゲーム制御部524は、抽選の当選時に第2ホッパ74からフィールドFに送出される枚数や抽選に当選する確率を、ペイアウト率が目標値に近づくように可変に制御する。
図2の払出制御部526は、保有クレジット数CAを利用したメダルMの払出を制御する。具体的には、操作部58に対する操作を契機として、払出制御部526は、保有クレジット数CAのクレジットの減算と引換えに所定の枚数(以下「払出数」という)NOUTのメダルMを第1ホッパ72から払出口60に送出させる。
照会部522は、実際にプッシャーゲーム装置262でゲームを実行する利用者について管理装置40での第1認証および第2認証が成功しているか否かを管理装置40に照会する。具体的には、照会部522は、受付部562に入力された識別情報PID_INが認証済情報Aとして管理記憶部442に記憶されているか否かを管理装置40の判定部436に照会する。操作部58に対する操作(メダルMの払出の指示)は、照会部522による照会の結果が肯定である場合に有効に受け付けられ、照会の結果が否定である場合には無効となる。すなわち、払出制御部526は、照会部522による照会の結果が肯定である場合には払出数NOUTのメダルMの払出を第1ホッパ72に実行させ、照会の結果が否定である場合には第1ホッパ72によるメダルMの払出を実行させない(したがって払出数NOUTのメダルMは払出口60に排出されない)。
<A−2:第1実施形態の動作>
(1)認証時の動作
次に、以上に説明した管理システム100の動作を説明する。遊技施設に来店した利用者は、管理装置40が設置された場所に移動して第1認証および第2認証を受ける。図6は、第1認証および第2認証に関する管理システム100の動作のフローチャートである。管理装置40に対する所定の操作を契機として図6の処理が開始される。
管理装置40の受付部466が識別情報PID_INの入力を受け付け(SA10)、受付部468がパスワードPWD_INの入力を受け付けると(SA11)、第2認証部424は、識別情報PID_INとパスワードPWD_INとを含む第2認証要求をゲーム管理サーバ22に送信する(SA12)。第2認証要求を受信すると(SA13)、ゲーム管理サーバ22の処理装置222は、第2認証要求内の識別情報PID_INおよびパスワードPWD_INが識別情報PIDおよびパスワードPWDとして記憶装置224に格納されているか否かの判定(第2認証)を実行する(SA14)。そして、処理装置222は、第2認証の結果(第2認証結果)を管理装置40に送信する(SA15)。
第2認証結果を受信すると(SA16)、第2認証部424は、第2認証の結果が肯定であるか否かを判定し(SA17)、結果が否定である場合には、第2認証の失敗を利用者に通知して処理を終了する(図示略)。他方、第2認証の結果が肯定である場合には、以下の手順で第1認証が実行される。
受付部462が識別情報UID_INを受け付け(SA18)、生成部464が生体情報BID_INを生成すると(SA19)、第1認証部422は、識別情報UID_INと生体情報BID_INとを含む第1認証要求をクレジット管理サーバ12に送信する(SA20)。第1認証要求を受信すると(SA21)、クレジット管理サーバ12の処理装置122は、第1認証要求内の識別情報UID_INと生体情報BID_INとが識別情報UIDおよび生体情報BIDとして記憶装置124に格納されているか否かの判定(第1認証)を実行する(SA22)。そして、処理装置122は、第1認証の結果(第1認証結果)を管理装置40に送信する(SA23)。
第1認証結果を受信すると(SA24)、第1認証部422は、第1認証結果が肯定であるか否かを判定し(SA25)、結果が否定である場合には、第1認証の失敗を利用者に通知して処理を終了する(図示略)。他方、第1認証の結果が肯定である場合、管理部426は、ステップSA10で入力された識別情報PID_IN(PID)とステップSA18で入力された識別情報UID_IN(UID)とステップSA19で生成された生体情報BID_IN(BID)とを関連付けた認証済情報Aを生成して管理記憶部442に格納する(SA26)。前述のように、管理記憶部442に格納された認証済情報Aは、所定の時刻が到来すると消去される。
(2)ゲーム時の動作
以上のように管理装置40での手続を完了した利用者は、遊技施設内の所望のゲーム装置26に移動する。プッシャーゲーム装置262に移動した利用者は、保有クレジット数CAを利用したメダルMの払出を可能とするために図7の処理をプッシャーゲーム装置262に実行させる。プッシャーゲーム装置262に対する所定の操作を契機として図7の処理が開始される。
プッシャーゲーム装置262の受付部562が識別情報PID_INの入力を受け付けると(SB10)、照会部522は、利用者が管理装置40での第1認証および第2認証に成功しているか否かを照会するための照会要求を管理装置40に送信する(SB11)。照会要求は、ステップSB10で入力された識別情報PID_INを含む。
照会要求を受信すると(SB12)、管理装置40の判定部436は、照会要求内の識別情報PID_INを管理記憶部442内の各認証済情報Aの識別情報PID_INと順次に照合し(SB13)、照会要求内の識別情報PID_INを含む認証済情報Aが管理記憶部442に記憶されているか否か(すなわち、識別情報PID_INをプッシャーゲーム装置262に入力した利用者について管理装置40での第1認証および第2認証が成功しているか否か)を判定する(SB14)。
照会要求内の識別情報PID_INを含む認証済情報Aが存在する場合(SB14:YES)、移行部434は、その認証済情報A内の識別情報UID_INおよび生体情報BID_INを含む残量要求(保有クレジット数CAの残量の照会)をクレジット管理サーバ12に送信する(SB15)。残量要求を受信すると(SB16)、クレジット管理サーバ12の処理装置122は、残量要求内の識別情報UID_IN(UID)および生体情報BID_IN(BID)に対応した保有クレジット数CAを記憶装置124から検索し(SB17)、この保有クレジット数CAの数値(以下では「クレジット残量」という)Bを含む残量通知を管理装置40に送信する(SB18)。管理装置40の移行部434は残量通知を受信する(SB19)。他方、識別情報PID_INを含む認証済情報Aが管理記憶部442に存在しない場合(SB14:NO)、ステップSB15からステップSB19の処理は実行されない。
判定部436は、ステップSB13の照合の結果(識別情報PID_INを含む認証済情報Aの有無)をプッシャーゲーム装置262に送信する(SB20)。認証済情報Aが存在する場合、ステップSB19で受信した残量通知内のクレジット残量Bが照会結果に含められる。
照会結果を受信すると(SB21)、照会部522は、照会結果が肯定であるか否かを判定する(SB22)。払出制御部526は、照会結果が肯定である場合(SB22:YES)には操作部58に対する操作を有効化し(SB23)、照会結果が否定である場合(SB22:NO)には操作部58に対する操作を無効化する(図示略)。したがって、管理装置40での認証に失敗した利用者は、保有クレジット数CAを利用したメダルMの払出をプッシャーゲーム装置262に指示できない。
以上の処理で操作部58が有効化されると、利用者が操作部58を操作するたびに、図8の処理が順次に実行される。利用者が操作部58を操作すると(SC10)、払出制御部526は、現在のクレジット残量BCと所定数N0とを比較する(SC11)。ステップSB23での有効化後に最初に操作部58が操作された段階では、ステップSB21で受信した照会結果内のクレジット残量Bが現在のクレジット残量BCに相当する。
ステップSC11の比較を実行すると、払出制御部526は、管理装置40に対して払出要求を送信する(SC12)。払出要求は、識別情報PID_IN(ステップSB10)と払出数NOUTとを含む。ステップSC11の比較で現在のクレジット残量BCが所定数N0以上である場合(BC≧N0)、払出制御部526は、払出要求内の払出数NOUTを所定数N0に設定する。所定数N0は、保有クレジット数CAが充分に残っている場合に操作部58に対する1回の操作(利用者による操作)毎に払出口60に排出されるメダルMの枚数(単位量)に相当し、プッシャーゲーム装置262に対する操作で可変に設定される。他方、ステップSC11の比較で現在のクレジット残量BCが所定数N0を下回る場合(BC<N0)、払出制御部526は、払出要求内の払出数NOUTを現在のクレジット残量BC(すなわち、利用者が保有するクレジットの全部)に設定する。
払出要求を受信すると(SC13)、管理装置40の移行部434は、この払出要求内の識別情報PID_INに対して認証済情報Aにて関連付けられた識別情報UID_INおよび生体情報BID_INを管理記憶部442から検索する(SC14)。そして、移行部434は、ステップSC14で検索した識別情報UID_INおよび生体情報BID_INと、プッシャーゲーム装置262から受信した払出数NOUTとを含む払出要求をクレジット管理サーバ12に送信する(SC15)。
払出要求を受信すると(SC16)、クレジット管理サーバ12の処理装置122は、この払出要求内の識別情報UID_INおよび生体情報BID_INに対応して記憶装置124に記憶された保有クレジット数CAから払出要求内の払出数NOUTを減算し(SC17)、保有クレジット数CAの更新を意味する完了通知を管理装置40に送信する(SC18)。完了通知は、払出数NOUTの減算後の保有クレジット数CAの数値をクレジット残量Bとして含む。管理装置40の移行部434は、クレジット管理サーバ12から受信した完了通知をプッシャーゲーム装置262に送信する(SC19)。
完了通知を受信すると(SC20)、プッシャーゲーム装置262の払出制御部526は、払出数NOUTのメダルMが第1貯留部721から払出口60に送出されるように第1ホッパ72(第1払出部723)を制御する(SC21)。すなわち、現在のクレジット残量BCが所定数N0を上回る場合には操作部58に対する1回の操作毎に所定数N0のメダルMが払出口60から排出され、現在のクレジット残量BCが所定数N0を下回る場合にはクレジット残量BC(すなわち、保有クレジット数CAにおける所定数N0未満の端数)に相当する枚数のメダルMが操作部58に対する操作で払出口60から排出される。利用者は、払出口60に排出された引出数NOUTのメダルMを利用してプッシャーゲームを実行する。ステップSC20で受信した完了通知内のクレジット残量Bは、次回の操作部58の操作を契機として開始される図8のステップSC11で現在のクレジット残量BCとして適用される。
以上に説明したように、本実施形態においては、保有クレジット数CAの利用で払出数NOUTのメダルMがプッシャーゲーム装置262の払出口60に払い出される。したがって、ゲームの実行中の利用者がメダルMの不足時に貸出装置に出向いてメダルMの貸出を受ける作業や、利用者がメダルMの貸出装置からプッシャーゲーム装置262にメダルMを持ち運ぶ作業は不要である。したがって、メダルMを取り扱う利用者の負担を軽減できるという利点がある。
また、第1実施形態では、プッシャーゲーム装置262に入力された識別情報PID_INが認証済情報Aとして管理装置40の管理記憶部442に記憶されているか否かに応じてメダルMの払出の許否が決定される。すなわち、プッシャーゲーム装置262での第1認証(生体認証)は不要である。したがって、生体情報BIDを生成する機器(例えば静脈センサ)をプッシャーゲーム装置262に設置する必要はない。他方、保有クレジット数CAを利用したメダルMの払出が許可されるためには(識別情報PID_INを認証済情報Aとして管理記憶部442に記憶するためには)、利用者は事前に管理装置40で第1認証(生体認証)を受ける必要がある。したがって、プッシャーゲーム装置262での第1認証が不要である構成にも関わらず、クレジット管理の安全性は充分に確保される。すなわち、本実施形態によれば、クレジット管理の安全性の確保と認証に必要な構成や手続の簡素化とを両立することが可能である。
第1実施形態では、操作部58に対する操作毎に所定の払出数NOUT(N0,BC)のメダルMが払い出されるから、払出数NOUTのメダルMの払出を利用者がプッシャーゲーム装置262に対して指示するための入力機器は、利用者による操作の有無のみを検出可能な簡素な操作部58(例えば押ボタン)で足り、払出数NOUTの数値を指定する高度な入力機器(例えばテンキー)は不要である。したがって、プッシャーゲーム装置262の構造の複雑化を抑制しながら保有クレジット数CAからのメダルMの払出を実現することが可能である。なお、フィールドFに載置されている既存のメダルMを利用者によるメダルMの投入で落下させるというプッシャーゲームの性質上、基本的には、高度な入力機器はプッシャーゲーム装置262に搭載されないという傾向がある。入力機器の複雑化が抑制される第1実施形態は、以上の傾向にも適合する。なお、以上の説明では、現在のクレジット残量BCが所定数N0を下回る場合にクレジット残量BCに相当する枚数のメダルMを排出したが、現在のクレジット残量BCが所定数N0を下回る場合に保有クレジット数CAの不足を利用者に通知して処理を終了する構成も採用され得る。
また、第1実施形態では、第1貯留部721から溢れたメダルMが第2貯留部741に貯留される。以上の構成によれば、メインテーブル622の無効端EBから落下したメダルMを第1貯留部721と第2貯留部741とに適宜に分配する構成が不要であるから、プッシャーゲーム装置262の構成が簡素化されるという利点がある。
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各例示において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上と同じ符号を付して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図9は、第2実施形態におけるゲーム機構部62および搬送機構部64の模式図である。図9に示すように、第2実施形態の搬送機構部64は、第1ホッパ73と第3ホッパ76とで構成される。第1ホッパ73は、第1実施形態における第1ホッパ72および第2ホッパ74の機能を兼備する。第1実施形態と同様に、メインテーブル622の無効端EBから落下したメダルMは第1ホッパ73に供給され、有効端EAから落下したメダルMは第3ホッパ76に供給される。第3ホッパ76の構成や動作は第1実施形態と同様である。
第1ホッパ73は、無効端EBから落下したメダルMの送出先を払出口60とメダル供給部628(フィールドF)との間で切替可能な2ウェイホッパである。すなわち、第2実施形態の第1ホッパ73は、無効端EBから落下したメダルMを払出口60に送出する第1実施形態の第1ホッパ72の機能と、無効端EBから落下したメダルMをメダル供給部628に送出する第1実施形態の第2ホッパ74の機能とを兼備する。
第1ホッパ73は、第1貯留部721と第1払出部725とを含んで構成される。第1払出部725は、図10に示すように、第1実施形態の第1払出部723と同様に、回転体82と駆動部84と検出部86とを含んで構成される。ただし、第1貯留部721内のメダルMの送出先は回転体82の回転の方向に応じて変化する。具体的には、回転体82が方向A1に回転すると第1貯留部721内のメダルMは払出口60に送出され、方向A1とは逆の方向A2に回転体82が回転すると第1貯留部721内のメダルMはメダル供給部628に送出される。検出部86は、払出口60およびメダル供給部628の各々に送出されるメダルMを検出する。
第2実施形態におけるプッシャーゲーム装置262の演算処理装置52は、第1実施形態と同様の要素に加えて切替部530として機能する。切替部530は、駆動部84を制御することで回転体82の回転の方向を可変に設定する。具体的には、保有クレジット数CAを利用したメダルMの払出が払出制御部526から指示されると、切替部530は、駆動部84に対して方向A1を指示する。したがって、第1実施形態と同様に、払出数NOUTのメダルMが第1貯留部721から払出口60に送出される。他方、例えば抽選の当選時にフィールドFに対するメダルMの供給がゲーム制御部524から指示された場合、切替部530は、駆動部84に対して方向A2を指示する。したがって、第1貯留部721内のメダルMがメダル供給部628を経由してフィールドFに供給される。
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態においては、第1ホッパ72と第2ホッパ74とを独立して設置する必要がないから、第1実施形態と比較して搬送機構部64の構成が簡素化される(ひいては小型化や低価格化が実現される)という利点がある。
なお、第1貯留部721内のメダルMの送出先を変更するための構成は適宜に変更される。例えば、図11に示すように、第1実施形態と同様の第1払出部723(1ウェイホッパ)の外部(メダルMの排出側)に分岐器88を設置した構成も採用され得る。分岐器88は、第1貯留部721から払出口60に至る経路と第1貯留部721からメダル供給部628(フィールドF)に至る経路との分岐点に設置され、第1払出部723が第1貯留部721から送出したメダルMの進路を、切替部530からの指示に応じて払出口60およびメダル供給部628の一方から他方に変更するスイッチである。切替部530は、分岐器88によるメダルMの供給先を、保有クレジット数CAを利用したメダルMの払出時には払出口60に設定し、フィールドFに対するメダルMの供給時にはメダル供給部628に設定する。以上の構成でも第2実施形態と同様の効果が実現される。
<C:第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図12は、第3実施形態におけるゲーム機構部62および搬送機構部64の模式図である。図12に示すように、第3実施形態の搬送機構部64は、第1実施形態と同様に、第1ホッパ72と第2ホッパ74と第3ホッパ76とを含んで構成される。ただし、第1ホッパ72の第1払出部723が第1貯留部721から送出するメダルMは、直接的に払出口60に送出されるのではなく、第3ホッパ76の第3貯留部761を経由して間接的に払出口60に排出される。
図12に示すように、第3実施形態のプッシャーゲーム装置262は報知部66を具備する。報知部66は、プッシャーゲーム装置262でのエラーの発生を外部(例えば遊技施設の管理者)に報知する。例えば、エラーの発生を画像で報知する表示機器や音声で報知する放音機器が報知部66として採用される。
第1実施形態では、図4を参照して説明したように、第1貯留部721からのメダルMの送出に並行してメダルMを検出する。すなわち、第1貯留部721からメダルMを送出して初めてメダルMが検出される。したがって、第1貯留部721内のメダルMの枚数が仮に払出数NOUTを下回る場合でも、第1払出部723は、払出制御部526からの指示に応じて第1貯留部721内のメダルMの送出を開始する。したがって、第1実施形態の構成のもとでは、払出口60に実際に排出されるメダルMの枚数が払出数NOUTを下回る可能性がある。
そこで、第3実施形態の第3ホッパ76は、有効端EAから落下したメダルMを順次に払出口60に送出する第1実施形態と同様の機能に加えて、以下に説明するように、第1貯留部721から送出されたメダルMを第3貯留部761に一時的に保持し、所定の払出数NOUTが貯留された段階で第3払出部763が第3貯留部761内のメダルMを払出口60に送出する機能を具備する。
図13は、保有クレジット数CAを利用して払出数NOUTのメダルMを払い出す場合の払出制御部526の動作(SC21)のフローチャートである。払出制御部526は、第3払出部763によるメダルMの送出を停止し(SD10)、第1貯留部721内のメダルMの送出の開始を第1払出部723に指示する(SD11)。したがって、第1貯留部721内のメダルMが順次に第3貯留部761に移動する。
他方、第1払出部723の検出部86は、第1貯留部721から送出されるメダルMを順次に検出する。払出制御部526は、検出部86が検出したメダルMの枚数NXを計数し、枚数NXが払出数NOUTに到達したか否かを判定する(SD12)。枚数NXが払出数NOUTに到達した場合、払出制御部526は、第1払出部723によるメダルMの送出(回転体82の回転)を停止させる(SD13)。そして、払出制御部526は、第3貯留部761に貯留されたメダルMの排出を第3払出部763に指示する(SD14)。すなわち、払出数NOUTのメダルMが払出口60から排出される。なお、保有クレジット数CAを利用したメダルMの払出の実行時には、第3払出部763の検出部86によるメダルMの検出は無視される。したがって、ステップSD14でのメダルMの払出は、ゲーム制御部524が算定するペイアウト率に影響しない。
他方、第1貯留部721から送出された枚数NXが払出数NOUTに到達していない場合(SD12:NO)、払出制御部526は、第1貯留部721からの送出の開始から所定の時間Tが経過したか否かを判定する(SD15)。時間Tが経過していない場合、払出制御部526は、第1貯留部721内のメダルMの送出を第1払出部723に継続させる。すなわち、払出数NOUTを上回る枚数のメダルMが図13の処理の開始の時点で第1貯留部721に貯留されていれば、第1貯留部721から第3貯留部761に送出されたメダルMの枚数NXが時間Tの経過前に払出数NOUTに到達し、保有クレジット数CAの減算と引換えに払出数NOUTのメダルMが適切に払出口60から排出される。
他方、図13の処理の開始の時点で第1貯留部721内のメダルMの総数が払出数NOUTに満たない場合、検出部86により検出されるメダルMの枚数NXが払出数NOUTに到達しないまま時間Tが経過する(SD15:YES)。そこで、ステップSD15の結果が肯定である場合、払出制御部526は、第3貯留部761内のメダルMを払出口60に払い出すことなく、第1貯留部721内のメダルMの不足(エラー)を報知部66から外部に報知する(SD16)。報知部66による報知でメダルMの不足を認識すると、遊技施設の管理者(店員)は、適宜に必要な措置を実施する。例えば、管理者は、第3貯留部761に貯留されているメダルMに不足分のメダルMを追加して利用者に引き渡すとともに、第1貯留部721にメダルMを補充する。そして、管理者がエラーを解除することで払出数NOUTの払出が続行される。
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。さらに、第3実施形態では、第1貯留部721から第3貯留部761に払出数NOUTのメダルMが移動したことが確認されてから利用者に対するメダルMの払出が実行され、第1貯留部721から第3貯留部761に送出されたメダルMの枚数が払出数NOUTに満たない場合には利用者に対するメダルMの払出が実行されない。したがって、払出数NOUTのメダルMを利用者に確実に払い出すことが可能である。
なお、以上の例示では、第1ホッパ72と第2ホッパ74とを独立に設置した第1実施形態の構成を基礎として第3実施形態を便宜的に説明したが、第1貯留部721から送出されたメダルMを第3貯留部761に一時的に保持する第3実施形態の構成は、第1ホッパ72および第2ホッパ74の機能を第1ホッパ73が兼備する第2実施形態にも同様に適用される。
なお、以上の例示では、第1貯留部721内のメダルMの枚数NXが払出数NOUTを下回る場合にメダルMの払出を停止したが、第1貯留部721から送出されたメダルMの枚数NXが払出数NOUTを下回る場合に、第1貯留部721に貯留されていた枚数NX(NX<NOUT)のメダルMを払出口60から排出する構成も採用され得る。枚数NXのメダルMを排出する場合には、保有クレジット数CAから払出数NOUTを減算するのではなく、実際に払出口60から排出した枚数NXを保有クレジット数CAから減算し(SC17)、実際に排出した枚数NXを利用者に報知(表示)する構成が好適に採用される。
<D:第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。以上の各形態では、プッシャーゲーム装置262毎に所定数N0(保有クレジット数CAが充分に残っている場合の払出数NOUT)設定する場合を例示した。第4実施形態では、管理装置40にて可変に設定された所定数N0がプッシャーゲーム装置262に対して指示される。
図14は、第4実施形態における管理装置40の動作(図6のステップSA25およびステップSA26に置換される部分)のフローチャートである。第1認証および第2認証に成功すると(SA25:YES)、管理部426は、利用者による所定数N0の指示を受け付ける(SA31)。所定数N0は、利用者毎に可変に設定される。所定数N0の入力には、例えば利用者がパスワードPWD_INを入力する受付部468(例えばテンキー)を利用することが可能である。管理装置40の管理部426は、利用者が指示した所定数N0を認証済情報Aに含ませて管理記憶部442に記憶する(SA32)。
認証済情報Aに設定された所定数N0は、利用者が選択したプッシャーゲーム装置262に対して指示される。具体的には、図7のステップSB20において、管理装置40の移行部434は、管理記憶部442内の認証済情報A(ステップSB10で入力された識別情報PID_INを含む認証済情報A)に含まれる所定数N0を照会結果に含ませてプッシャーゲーム装置262に送信する。プッシャーゲーム装置262の払出制御部526は、照会結果で指定される所定数N0を図8の処理に適用する。したがって、保有クレジット数BCが充分に残っている場合(BC≧N0)、利用者が管理装置40での認証時に指示した所定数N0(払出数NOUT)のメダルMが、操作部58に対する操作のたびにプッシャーゲーム装置262の払出口60から排出される。
第4実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第4実施形態においては、所定数N0を利用者が指示するための入力機器をプッシャーゲーム装置262に設置しなくても利用者が所定数N0を可変に設定することが可能である。また、所定数N0を利用者毎に所望の枚数に設定できるという利点もある。
もっとも、所定数N0を利用者毎に設定する構成は必須ではない。例えば、遊技施設の管理者が管理装置40に入力した所定数N0を、複数のプッシャーゲーム装置262の各々に対して共通に指示してメダルMの払出に適用する構成も好適である。以上の構成によれば、所定数N0が管理装置40にて統一的に管理されるから、例えば複数のプッシャーゲーム装置262が設置された環境においてプッシャーゲーム装置262毎に所定数N0を設定する作業が不要である。したがって、遊技施設の管理の負担が軽減されるという利点がある。なお、管理装置40からプッシャーゲーム装置262に所定数N0を指示する第4実施形態の構成は、第1実施形態から第3実施形態の何れにも適用され得る。
<E:第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図7のステップSB23の実行後に操作部58が有効な状態に維持される構成では、例えばゲームの実行中に利用者が誤って操作部58を操作し、利用者の意図に反して払出数NOUTのメダルMが払出口60から排出される可能性がある。そこで、第5実施形態では、利用者によるゲームの継続中に操作部58を無効化(すなわち、メダルMの払出の指示を受け付けない状態に設定)する。
図7の処理が完了すると、払出制御部526は、図8の処理に並行して、所定の時間毎に図15の処理を実行する。まず、払出制御部526は、利用者がプッシャーゲームを継続しているか否か(継続/中断)を判定する(SE10)。例えば、利用者がメダル投入部626に最後にメダルMを投入した時点から所定の時間が経過していない場合、払出制御部526は、利用者がゲームの実行中であると判定する。なお、ゲームの継続/中断を判定する方法は適宜に変更される。例えば、メダル投入部626の方向(メダルMの投入の方向)を利用者が変更し得る構成では、メダル投入部626の方向を利用者が最後に変更してから所定の時間が経過した場合に、利用者がゲームを継続していないと判定し得る。
ステップSE10の結果が肯定である場合(利用者がゲームを継続している場合)、払出制御部526は、操作部58に対する操作を無効化する(SE11)。例えば、無効化の状態にある操作部58が操作されても、払出制御部526は図8の処理を実行しない。他方、ステップSE10の結果が否定である場合(利用者がゲームを中断している場合)、払出制御部526は、操作部58に対する操作を有効化する(SE12)。例えば、有効化の状態にある操作部58が操作されると、払出制御部526は図8の処理を実行する。すなわち、払出制御部526(演算処理装置52)は、操作部58の有効/無効を制御する要素(操作制御部)として機能する。
以上の構成においては、利用者がゲームを中断している場合に操作部58が有効化され、ゲームの継続中には操作部58が無効化される。したがって、ゲームの実行中の誤動作に起因したメダルMの払出(利用者の意図しない払出)を防止できるという利点がある。なお、操作部58の有効/無効を制御する第5実施形態の構成は、第1実施形態から第4実施形態の何れにも適用され得る。
<F:第6実施形態>
図16は、第6実施形態における管理装置40およびプッシャーゲーム装置262のブロック図である。図16に示すように、プッシャーゲーム装置262は、受付部562に代えて受付部560を具備する。受付部560は、管理装置40の受付部462と同様に、利用者による識別情報UID_INの入力を受け付ける。例えば受付部560は、利用者が操作する複数の操作子(テンキー)で構成される。なお、タッチパネル機能付の表示装置が表示する操作子(テンキー)を受付部560として採用することも可能である。
第6実施形態における管理装置40およびプッシャーゲーム装置262の動作は、図6から図8を参照して説明した第1実施形態の動作と概略的には同様である。ただし、第1認証および第2認証の双方の結果が肯定である場合(図6のステップSA25:YES)、管理装置40の管理部426は、図16に示すように、ステップSA18で入力された識別情報UID_IN(UID)とステップSA19で生成された生体情報BID_IN(BID)とを関連付けた認証済情報Aを生成して管理記憶部442に格納する(SA26)。すなわち、認証済情報Aに識別情報PID_IN(PID)は含まれない。
他方、プッシャーゲーム装置262に移動した利用者は、受付部560から識別情報UID_INを入力する(図7のステップSB10)。照会部522は、識別情報UID_INを含む照会要求を管理装置40に送信する(SB11)。照会要求を受信すると(SB12)、管理装置40の判定部436は、照会要求内の識別情報UID_INを含む認証済情報Aが管理記憶部442に記憶されているか否か(すなわち、識別情報UID_INをプッシャーゲーム装置262に入力した利用者について管理装置40での第1認証および第2認証が成功しているか否か)を判定する(SB13,SB14)。
以後の動作は第1実施形態と同様である。第6実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。なお、第6実施形態の構成は第2実施形態から第5実施形態にも同様に適用され得る。また、受付部560と受付部562とをゲーム装置26に併設し、受付部560が受け付けた識別情報UID_INと受付部562が受け付けた識別情報PID_INとの双方をゲーム装置26での認証に利用する構成も採用され得る。具体的には、第1実施形態と同様に識別情報UID_INと識別情報PID_INとが認証済情報Aに含まれ、ゲーム装置26の照会部522は、受付部560が受け付けた識別情報UID_INと受付部562が受け付けた識別情報PID_INとを含む認証済情報Aが管理記憶部442に記憶されているか否かを管理装置40に照会する。
<G:変形例>
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
(1)変形例1
以上の各形態では、第1貯留部721および第2貯留部741の一方から溢れたメダルMを他方に貯留する構成を例示したが(図5)、メインテーブル622の無効端EBから落下したメダルMを第1貯留部721および第2貯留部741に供給する構成は任意である。例えば、メインテーブル622の一方側の無効端EBから落下したメダルMを第1貯留部721に供給し、メインテーブル622の他方側の無効端EBから落下したメダルMを第2貯留部741に供給する構成も採用され得る。
(2)変形例2
以上の各形態では、無効端EBから落下したメダルMを第1貯留部721に貯留したが、第1貯留部721にメダルMを貯留する方法(メダルMの供給元)は任意である。例えば、遊技施設の管理者が手作業で第1貯留部721にメダルMを補充する構成や、ゲーム機構部62(メインテーブル622)以外の場所から搬送路を経由して第1貯留部721にメダルMを供給する構成も採用され得る。
(3)変形例3
第4実施形態では、管理装置40からプッシャーゲーム装置262に所定数N0を指示したが、所定数N0をプッシャーゲーム装置262に指示する要素は管理装置40に限定されない。例えば、管理装置40とは別個の装置に入力された所定数N0がプッシャーゲーム装置262に指示される構成も採用され得る。すなわち、第4実施形態の第1払出部723は、ゲーム装置26(プッシャーゲーム装置262)と通信可能な外部装置(第4実施形態の例示では管理装置40)にて可変に設定されて当該外部装置から指示された所定数N0(払出数NOUT)のメダルMを払出口60に送出する要素として包括される。また、ゲーム装置26や管理装置40の操作部(例えばテンキー)に対する操作で利用者が所定数N0(払出数NOUT)を任意に設定できる構成も採用され得る。
(4)変形例4
第3ホッパ76は省略され得る。すなわち、メインテーブル622の有効端EAから落下したメダルMが直接的に払出口60に排出される構成も採用され得る。また、第3ホッパ76を設置した構成でも、第3貯留部761から払出口60に送出されるメダルMを検出(計数)する機能は省略され得る。
(5)変形例5
以上の各形態では、管理装置40での認証時に受付部466が識別情報PID_INの入力(読取器による読取)を受け付ける構成を例示したが、第2登録で利用者に事前に付与された識別情報PIDの有効/無効を利用者が指示する構成も採用され得る。例えば、識別情報PID(単数または複数)が第2登録時に識別情報UIDと対応付けられ、管理装置40での第1認証のために識別情報UID_IN(UID)が入力されると、その識別情報UID_INに対応する各識別情報PIDについて利用者から有効/無効が指示される。識別情報PIDの有効化が以上の各形態における識別情報PID_INの入力に相当する。識別情報UID_INの受付についても同様である。すなわち、本出願における「識別情報の受付」は、識別情報の入力(例えば読取や手入力)のほか、識別情報を利用者が有効化(選択)する操作をも包含する概念である。
(6)変形例6
以上の各形態では、利用者が操作する複数の操作子(テンキー)を受付部462や受付部560として例示したが、識別情報UID_INを受け付ける方法は任意である。例えば、可搬型の記録媒体(例えばICカードや携帯端末)に記憶された識別情報UID_INを読み取る読取器(例えば識別情報UID_INを非接触で読み取る非接触読取器)、読取面に印刷された識別情報UID_INを光学的に読み取る読取器、利用者が発声した音声から識別情報UID_INを認識する音声認識装置など、識別情報UID_INの入力を受け付ける各種の要素が受付部462や受付部560として採用される。識別情報PID_INの入力を受け付ける受付部(466,562)やパスワードPWD_INの入力を受け付ける受付部468についても同様に、受付部462や受付部560について例示した各種の要素(操作子,非接触型読取器,光学的読取器,音声認識装置)が採用され得る。
なお、可搬型の記録媒体に記憶された識別情報(PID_IN,UID_IN)を非接触で読取る読取器を受付部(第1実施形態の受付部562や第6実施形態の受付部560)として採用した場合、受付部に対する記録媒体の接近(受付部と記録媒体との非接触通信)を契機として図7および図8の処理が実行されることで払出数NOUTのメダルMを払出口60から排出する構成も採用され得る。また、記録媒体を受付部に接近させた状態で利用者が操作部58を操作することを条件として払出数NOUTのメダルMが払出口60から排出される構成も好適である。
(7)変形例7
以上の各形態では、第1認証要求の送信(図6のステップSA20)と第1認証結果の受信(ステップSA24)とを第1認証部422が実行し、クレジット管理サーバ12が第1認証(ステップSA22)を実行したが、第1認証部422が第1認証を実行する構成も採用され得る。例えば、受付部462に入力された識別情報UID_INに対応する生体情報BIDを第1認証部422がクレジット管理サーバ12から取得する。第1認証部422は、クレジット管理サーバ12から取得した生体情報BIDと生成部464が生成した生体情報BID_INとを照合(第1認証)し、照合の結果が肯定である場合に認証済情報Aを生成する。以上の説明から理解されるように、第1認証部422は、識別情報UID_INと生体情報BID_INとを利用した第1認証の結果を取得する要素として包括され、第1認証が実行される場所(例えば管理装置40およびクレジット管理サーバ12の何れで第1認証が実行されるか)は不問である。識別情報PID_INを利用した第2認証についても同様であり、ゲーム管理サーバ22から取得した識別情報PIDおよびパスワードPWDを第2認証部424が識別情報PID_INおよびパスワードPWD_INと照合(第2認証)する構成も採用される。
また、第6実施形態において第2認証は必須ではない。したがって、受付部466や受付部468や第2認証部424は第6実施形態では省略され得る。また、第2認証を実行する構成でも、パスワードPWD_INの利用は省略され得る。
(8)変形例8
以上の各形態では、ゲームカードに記憶された識別情報PID(PID_IN)を管理システム100内の各処理に使用したが、識別情報PID_IN(PID)に対応付けられた他の識別情報(以下「参照用識別情報」という)RID(reference ID)を、識別情報PID_IN(PID)の代わりに管理システム100内の各処理に使用する構成も採用される。具体的には、利用者に付与された参照用識別情報RIDとゲームカードの識別情報PIDとを例えばID管理サーバ(図示略)が対応付けて管理し、管理装置40やゲーム装置26での処理には、前述の各形態での識別情報PID_IN(PID)の代わりに、利用者から受付けた識別情報PID_INに応じてID管理サーバが特定した参照用識別情報RIDが適用される。
例えば、管理装置40の管理部426は、受付部466が受付けた識別情報PID_INに対応する参照用識別情報RIDをID管理サーバから取得し、この参照用識別情報RIDを識別情報UID_IN(UID)や生体情報BID_IN(BID)に関連付けた認証済情報Aを管理記憶部442に格納する。また、ゲーム装置26の照会部522は、受付部562が受付けた識別情報PID_INに対応する参照用識別情報RIDをID管理サーバから取得し、この参照用識別情報RIDを含む照会要求を管理装置40に送信する。以上の構成によれば、例えば利用者がゲームカードを紛失した場合でも、新規に発行されたゲームカードを参照用識別情報RIDに対応付けることで、利用者が紛失したゲームカードに対応するゲームデータを、新規なゲームカードの識別情報PIDで特定することが可能である。
以上の例示から理解されるように、本発明の「第2確認用識別情報」は、利用者から直接的に受付けた識別情報(PID_IN)に加えて、利用者から受付けた識別情報(PID_IN)に対応して管理された他の識別情報(RID)を含む概念である。したがって、利用者から識別情報PID_INを受付ける受付部562や、識別情報PID_INに対応する参照用識別情報RIDをID管理サーバから取得するゲーム装置26の要素(照会部522)は、本発明の第2確認用識別情報(PID_IN,RID)を取得する要素(取得部)として包括される。
(9)変形例9
第1実施形態の第2ホッパ74や第2実施形態の第1ホッパ73(すなわち、無効端EBから落下したメダルMをフィールドFに送出するペイホッパ)に対し、フィールドF以外の場所にもメダルMを送出する機能を付加した構成が採用され得る。例えば、抽選が大当たり(ジャックポット大当たり)した場合にメダル供給部628よりも大量のメダルMをフィールドFに払い出す大当たり供給部が設置された構成では、第1実施形態の第2ホッパ74や第2実施形態の第1ホッパ73が、メダル供給部628および大当たり供給部の一方または双方にメダルMを供給する構成が採用され得る。
(10)変形例10
以上の各形態においては、生成部464が生成した生体情報BID_INを認証済情報Aに含ませたが、記憶装置124に記憶された生体情報BIDを管理部426がクレジット管理サーバ12から取得して認証済情報Aに含ませる構成も採用される。もっとも、認証済情報Aが生体情報BID_INを含む構成は適宜に省略され得る。また、生体情報BID(BID_IN)は静脈パターンに限定されない。例えば、指紋や虹彩や音声(声紋)など利用者に固有な特徴量が生体情報BID(BID_IN)として任意に採用される。