JP2018191651A - 可塑性油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、乳脂を含有したトランス脂肪酸含量が低い可塑性油脂組成物であって、結晶性が良好で口どけが良く、パン・菓子等のベーカリー製品に使用した場合、十分なジューシー感が得られる、コンパウンドタイプの可塑性油脂組成物を得ることである。
【解決手段】可塑性油脂組成物を構成する油脂中に以下の油脂Aを5〜75質量%、油脂Bを5〜95質量%含有する可塑性油脂組成物。
油脂A:乳由来の油脂
油脂B:全構成脂肪酸中に炭素数14以下の脂肪酸を20〜65質量%、パルミチン酸を20〜65質量%含有するエステル交換油
【選択図】なし

Description

本発明は、乳脂を含有したマーガリン、ショートニング等の可塑性油脂組成物に関する。
乳脂を含有した可塑性油脂組成物の代表はバターであり、バターを使用すると、その優れた風味により嗜好性の高いパン・菓子等のベーカリー製品が得られ、ベーカリー製品の商品価値を高めることができる。発酵バターを使用することにより、さらに風味を濃厚にしたベーカリー製品も人気が高い。しかしながら、バターは高価であり、また、温度による硬さの変化が大きいため作業性に難点があり、特に、連続ラインによる大量生産には不向きであった。
上記のような問題から、乳脂を含まない食用油脂と、バター、発酵バター、バターオイル、発酵バターオイル、分別バターオイル等との混合油脂を使用した、いわゆるコンパウンドタイプの可塑性油脂組成物が開発されてきた。コンパウンドタイプの可塑性油脂組成物は、取扱い易く、乳脂の風味がそれなりに活かされているので、現在では広く使用されている。しかしながら、取扱い易さを考慮して、温度によるSFC(固体脂含量)の変化が少なくなるように設計されていることが多いので、口どけやベーカリー食品のジューシー感がいまひとつであったり、乳脂の結晶化が遅いため、経日的に硬くなる傾向があったりと、品質維持に課題があった。また、近年では、部分水素添加油に含まれるトランス脂肪酸が問題となり、乳脂と混合する食用油脂として部分水素添加油の使用が制限されることとなり、上記課題解決をさらに困難としている。
部分水素添加油を使用せずに、コンパウンドタイプの可塑性油脂組成物を得る試みも進められている。例えば、特許文献1には、加圧晶析による乳脂含有シート状油脂加工食品の製造法が開示されており、特許文献2には、沃素価が10以下であり、全構成脂肪酸のうち炭素数18以上の構成脂肪酸が80重量%以上である脂肪Aと、沃素価20以下であり、全構成脂肪酸のうち炭素数14以下の構成脂肪酸が60重量%以上である脂肪Bとを、所定の重量比率で混合後、ランダムエステル交換したエステル交換油脂C、及び乳脂肪を含むロールイン用油脂組成物が開示されており、特許文献3には、油相中に直接β型結晶油脂と乳脂肪を含有するロールイン用油脂組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1は、30MPa程度の高圧に耐える冷却捏和装置が必要あり、実用化が難しいものであった。また、特許文献2、3に使用される油脂組成物は、結晶性はある程度改善するものの、それを使用したパン・菓子等のベーカリー食品は乳脂特有の口どけやジューシー感に乏しいものであった。
そこで、トランス脂肪酸含量を十分に低く抑えながら、結晶性が良好で口どけが良く、また、パン・菓子等のベーカリー食品に使用した場合、十分なジューシー感が得られる、コンパウンドタイプの可塑性油脂組成物の開発が望まれてきた。
特開2001−252015号公報 特開2002−253117号公報 特開2003−284491号公報
本発明の目的は、乳脂を含有したトランス脂肪酸含量が低い可塑性油脂組成物であって、結晶性が良好で口どけが良く、パン・菓子等のベーカリー製品に使用した場合、十分なジューシー感が得られる、コンパウンドタイプの可塑性油脂組成物を得ることである。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、乳由来の油脂と特定のエステル交換油とを併用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の態様の1つは、可塑性油脂組成物を構成する油脂中に以下の油脂Aを5〜75質量%、油脂Bを5〜95質量%含有する可塑性油脂組成物である。
油脂A:乳由来の油脂
油脂B:全構成脂肪酸中に炭素数14以下の脂肪酸を20〜65質量%、パルミチン酸を20〜65質量%含有するエステル交換油
本発明の好ましい態様の1つは、上記油脂Bが、全構成脂肪酸中にステアリン酸を15質量%以下含有する、可塑性油脂組成物である。
本発明の好ましい態様の1つは、上記油脂Bが、炭素数16以上の飽和脂肪酸のみからなるトリ飽和トリグリセリド(H3)を15質量%以下含有する、可塑性油脂組成物である。
本発明の好ましい態様の1つは、上記可塑性油脂組成物を構成する油脂中の上記油脂Bの含有量が5〜90質量%であって、さらに以下の油脂Cを5〜75質量%含有する、可塑性油脂組成物である。
油脂C:パーム系油脂、パーム系油脂のエステル交換油の中から選ばれた1種又は2種以上の油脂
本発明の好ましい態様の1つは、上記可塑性油脂組成物を構成する油脂中の炭素数16以上の飽和脂肪酸のみからなるトリ飽和トリグリセリド(H3)の含有量が10質量%以下である、可塑性油脂組成物である。
本発明の好ましい態様の1つは、上記炭素数16以上の飽和脂肪酸のみからなるトリ飽和トリグリセリド(H3)中に占めるトリパルミチン(P3)の割合(質量比、P3/H3)が0.5以上である、可塑性油脂組成物である。
本発明の好ましい態様の1つは、上記可塑性油脂組成物がマーガリン又はショートニングである可塑性油脂組成物である。
また、本発明のまた別の態様の1つは、上記可塑性油脂組成物を使用した食品である。
本発明によると、乳脂を含有したトランス脂肪酸含量が低い可塑性油脂組成物であって、結晶性が良好で口どけが良く、パン・菓子等のベーカリー食品に使用した場合、十分なジューシー感が得られる、コンパウンドタイプの可塑性油脂組成物を提供することができる。また、当該可塑性油脂組成物を使用した、風味豊かで口どけの良いバタークリームや、風味豊かでジューシー感のあるパン・菓子等の食品を提供できる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の可塑性油脂組成物は、可塑性油脂組成物を構成する油脂中に乳由来の油脂Aを5〜75質量%含有する。本発明における乳由来の油脂Aは、いわゆる乳脂とその加工品を含むものであり、より具体的には、バター、バターオイルもしくはそれらの分別油、分別油の発酵物、発酵バター、発酵バターオイルもしくはそれらの分別油、等が挙げられ、それらの1種もしくは2種以上を任意に用いることができる。油脂Aは上記分別油が好ましく、特に、分別した液状部(オレイン部)を使用したものであると、ベーカリー食品のジューシー感を得る上で好ましい。分別した液状部は、油脂A中に10〜90質量%含まれることが好ましく、20〜80質量%含まれることがより好ましく、30〜70質量%
含まれることが更に好ましい。可塑性油脂組成物を構成する油脂中の油脂Aの含有量は、7〜65質量%であることが好ましく、9〜55質量%であることがより好ましい。油脂Aの含有量が上記範囲にあると、乳風味豊かで結晶性が良い可塑性油脂組成物が得られるので好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物は、可塑性油脂組成物を構成する油脂中に上記乳由来の油脂Aと共に、油脂を構成する全構成脂肪酸中に炭素数14以下の脂肪酸を20〜65質量%及びパルミチン酸を20〜65質量%含有するエステル交換油である油脂Bを5〜95質量%含有する。油脂Bは、全構成脂肪酸中に炭素数14以下の脂肪酸を25〜60質量%含有することが好ましく、28〜55質量%含有することがより好ましい。また、油脂Bは、全構成脂肪酸中にパルミチン酸を25〜60質量%含有することが好ましく、28〜55質量%含有することがより好ましい。可塑性油脂組成物を構成する油脂中の油脂Bの含有量は、5〜90質量%であることが好ましく、7〜85質量%であることがより好ま
しく、9〜81質量%であることが更に好ましい。油脂Bの構成脂肪酸及び可塑性油脂組成物を構成する油脂中の含有量が上記範囲にあると、結晶性が良好で口どけが良い可塑性油脂組成物が得られるので好ましい。なお、油脂Bは上記構成を有するエステル交換油を1種もしくは2種以上使用しても良い。
本発明の可塑性油脂組成物に使用される油脂Bは、油脂Bを構成する全構成脂肪酸中にステアリン酸を15質量%以下含有することが好ましく、12質量%以下含有することがより好ましく、2〜10質量%含有することが更に好ましい。また、油脂Bは、炭素数16以上の飽和脂肪酸(以下、Hと表記する場合がある)のみからなるトリ飽和トリグリセリド(以下、HHH又はH3と表記する場合がある)を15質量%以下含有することが好ましく、12質量%以下含有することがより好ましく、2〜10質量%含有することが更に好ましい。油脂Bの構成脂肪酸及びトリグリセリド(以下、TAGと表記する場合がある)組成が上記範囲にあると、口どけが良い可塑性油脂組成物が得られ、可塑性油脂組成
物を使用したパン・菓子にジューシー感が出易いので好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物に使用される油脂Bは、ラウリン系油脂とC16系油脂とのエステル交換油であることが好ましい。ここでラウリン系油脂とは、油脂を構成する全構成脂肪酸中にラウリン酸を30質量%以上(好ましくは40質量%以上)含有する油脂のことである。ラウリン系油脂の具体例としては、パーム核油、ヤシ油や、これらの混合油、これらの油脂又は混合油の加工油脂(エステル交換油、分別油、水素添加油等)が挙げられる。また、C16系油脂とは、油脂を構成する全構成脂肪酸中にパルミチン酸を30質量%以上(好ましくは40質量%以上)含有する油脂のことである。C16系油脂の具体例としては、パーム油や、その加工油脂(エステル交換油、分別油、水素添加油等)が挙げられるが、パルミチン酸含量が40質量%以上であるパーム油やパームステアリン(パーム油分別硬質部)であることが好ましい。油脂Bはラウリン系油脂とC16系油脂とを質量比で、好ましくは30:70〜70:30、より好ましくは35:65〜65:35、さらに好ましくは40:60〜60:40で混合した混合油のエステル交換油であることが好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物に使用される油脂Bを調製するためのエステル交換反応としては、特に制限はなく、位置選択性の低いエステル交換反応である非選択的エステル交換(ランダムエステル交換)、位置選択性の高いエステル交換反応である選択的エステル交換(位置特異的エステル交換)のどちらでもよいが、非選択的エステル交換であることが好ましい。また、本発明で用いる油脂Bを調製するためのエステル交換の方法としては、特に制限はなく、化学的エステル交換、酵素的エステル交換のどちらの方法でもよいが、化学的エステル交換であることが好ましい。化学的エステル交換は、触媒としてナトリウムメチラート等の化学触媒を用いて行われるものであり、反応は位置選択性の低い非選択的エステル交換となる。
化学的エステル交換は、例えば、常法に従って、原料油脂を十分に乾燥させ、触媒を原料油脂に対して0.1〜1質量%添加した後、減圧下、80〜120℃で0.5〜1時間攪拌しながら反応を行うことができる。エステル交換反応終了後は、水洗にて触媒を洗い流した後、通常の食用油脂の精製工程で行われる脱色、脱臭処理を施すことができる。
本発明の可塑性油脂組成物は、可塑性油脂組成物を構成する油脂中に、油脂A、油脂B以外に、パーム系油脂、パーム系油脂のエステル交換油の中から選ばれた1種または2種以上である油脂Cを含有することが好ましい。ここでパーム系油脂とは、パーム油、パーム分別油から選ばれる1種もしくは2種以上の油脂であり、パーム系油脂のエステル交換油とは、パーム系油脂を50質量%以上、好ましくは60質量%以上原料油として含むエステル交換油及びその分別油である。油脂Cは、パーム系油脂のエステル交換油を含むことが結晶性改質の面では好ましく、また、油脂Cのヨウ素価は30〜90であることが好ましく、40〜85であることがより好ましく、50〜80であることが更に好ましい。本発明の可塑性油脂組成物を構成する油脂中の油脂Cの含量は、5〜75質量%であることが好ましく、8〜70質量%であることがより好ましく、10〜65質量%であることがさらに好ましい。油脂Cのヨウ素価及び可塑性油脂組成物を構成する油脂中の油脂C含量が上記範囲にあると、可塑性油脂組成物を使用したパン・菓子にジューシー感が出易いので好ましい。
なお、上記パーム系油脂のエステル交換油が油脂Bに該当する場合は、油脂Bとして扱う。
本発明の可塑性油脂組成物は、可塑性油脂組成物を構成する油脂中に、炭素数16以上の飽和脂肪酸(H)のみからなるトリ飽和トリグリセリド(H3)を10質量%以下含有することが保形性と口どけを両立する面から好ましい。H3含量は2〜8質量%含有することがより好ましく、2.5〜7質量%であることが更に好ましく、2.5〜6質量%であることが更により好ましく、3〜6質量%であることが最も好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物は、可塑性油脂組成物を構成する油脂中のH3に占めるトリパルミチン(以下、PPPまたはP3と表記する場合がある)の割合(質量比、P3/H3)が0.5以上であることが、保形性と口どけを両立する面から好ましい。P3/H3は、0.6以上であることがより好ましく、0.65以上であることが更に好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物は、トランス脂肪酸を実質的に含有しないことが好ましい。本発明の可塑性油脂組成物において、トランス脂肪酸含量は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは2質量%以下であり、最も好ましくは1質量%以下である。
本発明の可塑性油脂組成物は、可塑性油脂組成物を構成する油脂中に、上記油脂A及び油脂Bを上記規定量含有し、必要に応じて上記油脂Cを規定量含有する限りにおいては、その他油脂として通常の食用油脂(大豆油、菜種油、コーン油、ひまわり油、紅花油、ごま油、綿実油、米油、オリーブ油、落花生油、亜麻仁油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、牛脂、豚脂、魚油等、及びこれらの油脂の混合油、これらの油脂又は混合油の加工油脂(エステル交換油、分別油、水素添加油等)等)を用いることができる。
本発明の可塑性油脂組成物は、可塑性油脂組成物中に油脂を、30質量%以上含有することが好ましく、50質量%以上含有することがより好ましく、70質量%以上含有することが更に好ましい。
なお、油脂中の各脂肪酸含量は、ガスクロマトグラフィー法により測定することができる(例えば、AOCS Celf−96に準じて測定することができる)。また、油脂中の各トリグリセリド含量は、ガスクロマトグラフィー法により測定することができる(例えば、AOCS Ce5−86に準じて測定することができる)。
本発明の可塑性油脂組成物には、油脂以外の成分として、乳化剤を配合することができる。本発明の可塑性油脂組成物に用いる乳化剤としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の合成乳化剤や、レシチン(大豆レシチン、卵黄レシチン等)、リゾレシチン(大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン等)、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の合成乳化剤でない乳化剤が挙げられ、これらの2種以上を併用して用いることもできる。
本発明の可塑性油脂組成物には、油脂、乳化剤以外のその他の成分として、通常可塑性油脂組成物に配合される成分を配合することができる。その他の成分としては、水、増粘安定剤、食塩、塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類、糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β−カロテン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物(カテキン等)、ルチン等の酸化防止剤、小麦蛋白、大豆蛋白等の植物蛋白、卵、卵加工品、香料、全脂粉乳、脱脂粉乳、乳清蛋白等の乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
本発明の可塑性油脂組成物としては、水相を有するマーガリン(油中水型乳化物)や水相を有さないショートニングが挙げられる。油中水型乳化物とする場合は水の含量を、好ましくは1〜60質量%、より好ましくは3〜40質量%、さらに好ましくは5〜30質量%とするのが適当である。
本発明の可塑性油脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知のマーガリン、ショートニングの製造条件及び製造方法により製造することができる。
具体的には、配合する油脂及び油溶成分を混合溶解したものを油相とし、必要により調製した水相を混合乳化した後、冷却し、結晶化させることで製造することができる。冷却、結晶化は、冷却可塑化させることが好ましい。冷却条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、更に好ましくは−5℃/分以上である。この際、徐冷却より急冷却の方が好ましい。また、油相の調製後又は混合乳化後は、殺菌処理することが望ましい。殺菌方法としては、タンクでのバッチ式や、プレート型熱交換機、掻き取り式熱交換機を用いた連続式が挙げられる。冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられる。また、冷却する機器としては、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組み合わせも挙げられる。
本発明の可塑性油脂組成物は、それ自体を起泡化させてバタークリーム用として使用したり、パン・菓子等の特にベーカリー食品の練り込み用、折り込み用として使用したりすることができる。本発明の可塑性油脂組成物は、ベーカリー食品の練り込み用、折り込み用として使用した場合、ベーカリー食品にジューシー感を付与し易い。
本発明のバタークリームは、本発明の可塑性油脂組成物を用いて製造したことを特徴とする。本発明においてバタークリームとは、本発明の可塑性油脂組成物に糖類等の呈味成分を加えて起泡させたもの又は可塑性油脂組成物を起泡させたものに糖類等の呈味成分を加えたものである。なお、本発明のバタークリームは、可塑性油脂組成物に糖類等の呈味成分を加えた起泡化前のものも包含する。
本発明のバタークリームにおいて、本発明の可塑性油脂組成物の配合量は、好ましくは30〜70質量%であり、より好ましくは35〜65質量%であり、最も好ましくは40〜60質量%である。
本発明のバタークリームは、糖類等の呈味成分を含有する。本発明のバタークリームに用いる呈味成分は、通常、バタークリームに用いられる呈味成分であれば、特に制限されることなく使用することができる。本発明のバタークリームに用いる呈味成分としては、例えば、ブドウ糖、マルトース、蔗糖(砂糖)、ラクトース、トレハロース、マルトトリオース、テトラオース、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ミルクペースト、水あめ、異性化液糖等の糖類(糖、糖アルコール)、チーズ、生クリーム、合成クリーム、ヨーグルト、練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、脱脂練乳、牛乳、濃縮乳等の乳製品、カカオマス、ココアパウダー、チョコレート等のカカオ製品、卵黄、粉末卵黄等の卵類、果肉ジャム類、果汁類、ナッツ類等が挙げられる。
本発明のバタークリームにおいて、呈味成分の配合量は、好ましくは20〜70質量%であり、より好ましくは20〜60質量%であり、最も好ましくは20〜50質量%である。
本発明のバタークリームに用いる呈味成分としては、上記糖類(糖、糖アルコール)を用いることが好ましい。糖類の形状は特に限定されるものではなく、固形状の糖類、液糖(液状の糖類)のどちらを使用することもできるが、液糖を使用することがより好ましい。液糖を使用すると、バタークリームの口溶けがより良好になる。液糖のBrixは、好ましくは60〜80であり、より好ましくは65〜75である、最も好ましくは70〜75である。
本発明のバタークリームにおいて、糖類の配合量は、好ましくは20〜70質量%であり、より好ましくは20〜60質量%であり、最も好ましくは20〜50質量%である。
本発明のバタークリームには、本発明の可塑性油脂組成物、呈味成分以外に、通常、バタークリームに配合されるものであれば、特に制限なく配合することができる。また、これらの配合量も、通常、バタークリームに配合される範囲で特に制限なく配合することができる。
本発明のバタークリームは、比重が好ましくは0.79未満であり、より好ましくは0.72未満であり、最も好ましくは0.65未満である。
本発明のバタークリームは、フィリングクリーム、サンドクリーム、トッピングクリーム等として使用することができる。
本発明のベーカリー食品は、本発明の可塑性油脂組成物を用いて製造したことを特徴とする。本発明のベーカリー食品は、本発明の可塑性油脂組成物を含有するベーカリー生地を焼成することで得られる。ベーカリー生地は穀粉を主成分とし、本発明の可塑性油脂組成物を練り込み、もしくは、折り込んだものである。
本発明において、穀粉とは、穀物を挽いて粉状にしたものであり、通常、ベーカリー生地に配合されるものであれば、特に制限なく使用することができる。穀粉の具体例としては、小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉等)、大麦粉、米粉、とうもろこし粉、ライ麦粉、そば粉、大豆粉等が挙げられる。
本発明のベーカリー食品において、本発明の可塑性油脂組成物の配合量はベーカリー食品の種類によって異なるため、特に制限されるものではないが、ベーカリー生地に配合される穀粉100質量部に対して、好ましくは0.5〜200質量部であり、より好ましくは2〜150質量部であり、最も好ましくは5〜100質量部である。
本発明のベーカリー食品には、本発明の可塑性油脂組成物、穀粉以外に、通常、ベーカリー食品に配合されるものであれば、特に制限なく配合することができる。また、これらの配合量も、通常、ベーカリー食品に配合される範囲で特に制限なく配合することができる。具体的には、水、糖、糖アルコール、卵、卵加工品、澱粉、食塩、可塑性油脂、乳化剤、乳化起泡剤(乳化油脂)、チーズ、生クリーム、合成クリーム、ヨーグルト、全脂粉乳、脱脂粉乳、牛乳、濃縮乳、合成乳、イースト、イーストフード、カカオマス、ココアパウダー、チョコレート、コーヒー、紅茶、抹茶、野菜類、果物類、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、肉類、魚介類、豆類、きな粉、豆腐、豆乳、大豆粉、大豆蛋白、膨張剤、甘味料、調味料、香辛料、着色料、香料等が挙げられる。
本発明のベーカリー食品は、本発明の可塑性油脂組成物を用いること以外は、公知の製造条件及び製造方法により製造することができる。
本発明のベーカリー食品の具体例としては、ビスケット、クッキー、クラッカー、乾パン、プレッツェル、カットパン、ウェハース、サブレ、ラングドシャ、マカロン等の焼き菓子、バターケーキ類(パウンドケーキ、フルーツケーキ、マドレーヌ、バウムクーヘン、カステラ等)、スポンジケーキ類(ショートケーキ、ロールケーキ、トルテ、デコレーションケーキ、シフォンケーキ等)、シュー菓子、発酵菓子、パイ、ワッフル等の洋生菓子、菓子パン、フランスパン、シュトーレン、パネトーネ、ブリオッシュ、ドーナツ、デニッシュ、クロワッサン等のパンが挙げられる。
次に、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。しかし、本発明は、これらの実施例になんら制限されるものではない。
<測定方法>
以下に示す可塑性油脂組成物を構成する油脂の各脂肪酸含量、各トリグリセリド含量は以下の方法により測定した。
各脂肪酸含量は、ガスクロマトグラフィー法(AOCS Celf−96に準拠)により測定した。
各トリグリセリド含量は、ガスクロマトグラフィー法(AOCS Ce5−86に準拠)により測定した。
<油脂の調製>
〔油脂A1〕:バターオイル(日清オイリオグループ株式会社社内調製品、融点32℃)を油脂A1とした。
〔油脂A2〕:バターオイルオレイン(バターオイルを分別した液状部、日清オイリオグループ株式会社社内調製品、融点10℃)を油脂A2とした。
〔油脂B1〕:パーム油(日清オイリオグループ株式会社製造品)60質量部とパーム核油(日清オイリオグループ株式会社製造品)40質量部とを混合した混合油を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.1質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭して、油脂B1(炭素数14以下の脂肪酸含量28.2質量%、パルミチン酸含量29.9質量%、ステアリン酸含量3.7質量%、H3含量3.4質量%、ヨウ素価39.0)を得た。
〔油脂B2〕:パームステアリン(日清オイリオグループ株式会社製造品)50質量部とパーム核ステアリン(日清オイリオグループ株式会社製造品)50質量部とを混合した混合油を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.1質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂B2(炭素数14以下の脂肪酸含量41.6質量%、パルミチン酸含量45.2質量%、ステアリン酸含量3.3質量%、H3含量9.2質量%、ヨウ素価10.0)を得た。
〔油脂b1〕:菜種極度硬化油(日清オイリオグループ株式会社製造品)50質量部とパーム核油(日清オイリオグループ株式会社製造品)50質量部とを混合した混合油を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.1質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭して、油脂b1(炭素数14以下の脂肪酸含量34.7質量%、パルミチン酸含量7.0質量%、ステアリン酸含量46.8質量%、H3含量11.8質量%、ヨウ素価9.6)を得た。
〔油脂C1〕:パーム油(日清オイリオグループ株式会社製造品、ヨウ素価53)を油脂C1とした。
〔油脂C2〕:パームミッドフラクション(日清オイリオグループ株式会社製造品、ヨウ素価45)を油脂C2とした。
〔油脂C3〕:パームオレイン(日清オイリオグループ株式会社製造品、ヨウ素価56)を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.1質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂C3(ヨウ素価56)を得た。
〔油脂C4〕:パーム油(日清オイリオグループ株式会社製造品、ヨウ素価53)65質量部と菜種油(日清オイリオグループ株式会社製造品)35質量部とを混合した後、1,3選択性有するリパーゼ製剤を対油0.5質量%添加し、60℃で16時間エステル交換反応を行った。反応終了後、リパーゼ製剤をろ過で除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して油脂C4(ヨウ素価75)を得た。
〔油脂C5〕:パームスーパーオレイン(日清オイリオグループ株式会社製造品、ヨウ素価65)を油脂C5とした。
〔油脂D1〕:ヤシ硬化油(日清オイリオグループ株式会社製造品、ヨウ素価1未満)を油脂D1とした。
〔油脂D2〕:菜種油(日清オイリオグループ株式会社製造品)を油脂D2とした。
<可塑性油脂組成物及びバタークリームの調製と評価>
表1、2の配合に従って、油脂を混合し、各油脂100質量部に対して乳化剤0.4質量部を添加したものを加熱融解後、常法に従って、オンレーターにより急冷混捏し、例1〜8の可塑性油脂組成物を製造した。
得られた例1〜8の可塑性油脂組成物を10℃12時間、25℃12時間を1サイクルとして30サイクルの保存テストを行い、以下の基準に従って組織の状態を評価した。評価は5名のパネラーの総合評価とし、結果を表1、2に示した。
また、得られた例1〜8の可塑性油脂組成物を縦型ミキサーでホイッパーを使用して起泡し、比重を0.45とした。ホイップ済み可塑性油脂組成物50質量部に対し、水15質量部、液糖34.7質量部、リキュール0.2質量部、香料0.1質量部からなる水相50質量部を、徐々にホイップ済み可塑性油脂組成物へ攪拌しながら添加し、最終比重を0.60に調整してバタークリームを得た。得られたバタークリームの口どけを以下の基準に従って評価した。評価は5名のパネラーの総合評価とし、結果を表1、2に示した。
なお、例5〜8は比較例である。
<評価の基準>

可塑性油脂組成物の組織の状態
◎ キメが細かく良好
○ 良好
△ キメがやや粗くなっている
▲ キメが粗くなっている
× 粗大結晶が見られる

バタークリームの口どけ
◎ 非常に良好
○ 良好
△ ややとけ残り感がある
▲ とけ残り感がある
× とけ残り感が非常に強い
Figure 2018191651
Figure 2018191651
<可塑性油脂組成物及びクロワッサンの調製と評価>
表3、4の配合に従って、油脂を混合し、各油脂67質量部に対して乳化剤1.0質量部及び香料0.3質量部を添加したものを加熱融解して油相を調製した。別途、水29.3質量部、食塩1.2質量部、呈味剤0.7質量部及び脱脂粉乳0.5質量部を混合溶解し、水相を調製した。常法に従って、油相に水相を混合攪拌して予備乳化した後、コンビネーターにより急冷混捏し、レスティングチューブを通してシート状に成形して、例9〜14の可塑性油脂組成物を製造した。
得られた例9〜14の可塑性油脂組成物を2週間冷蔵し、以下の基準に従って、可塑性油脂組成物の組織の状態を評価した。評価は5名のパネラーの総合評価とし、結果を表3、4に示した。
また、強力粉50質量部、中力粉50質量部、砂糖6質量部、食塩1.7質量部、全卵5質量部、乳製品3質量部、ショートニング6質量部、水53質量部、生イースト5質量部及びイーストフード1質量部からなるクロワッサン生地を調製し、生地3kgに対してシート状に成形した例9〜14の可塑性油脂組成物を800gのせ、常法に従って、可塑性油脂組成物を生地に折り込み、成形、ホイロ後、焼成してクロワッサンを得た。可塑性油脂組成物の生地折り込み時の作業性及びクロワッサンの食感について、以下の基準に従って評価した。評価は5名のパネラーの総合評価とし、結果を表3、4に示した。
なお、例12〜14は比較例である。
<評価の基準>

可塑性油脂組成物の組織の状態
◎ 非常に良好
○ 良好
△ 細かなヒビがやや見られる
▲ ヒビが目立つ
× 割れている

生地への折り込みの作業性
◎ 伸びが良く、非常に良好
○ 良好
△ やや割れがある
▲ 割れが目立つ
× 割れが目立ち、伸びが無い

クロワッサンのジューシー感
◎ ジューシー感が強く、非常に良好
○ ジューシー感があり、良好
△ 普通
▲ ジューシー感に乏しい
× パサパサしている。
Figure 2018191651
Figure 2018191651
<可塑性油脂組成物及びマドレーヌの調製と評価>
表5の配合に従って、油脂を混合し、各油脂84.4質量部に対して乳化剤0.6質量部を添加したものを加熱融解して油相を調製した。別途、水15.0質量部からなる水相を用意した。常法に従って、油相に水相を混合攪拌して予備乳化した後、オンレーターにより急冷混捏し、例15〜18の可塑性油脂組成物を製造した。
得られた例15〜18の可塑性油脂組成物を6週間10℃で冷蔵し、以下の基準に従って、可塑性油脂組成物の組織の状態を評価した。評価は5名のパネラーの総合評価とし、結果を表5に示した。
また、例15〜18の可塑性油脂組成物100質量部、強力粉37.9質量部、薄力粉62.1質量部、砂糖100質量部、全卵110質量部及びベーキングパウダー4.0質量部からなるマドレーヌ生地をそれぞれ調製し、カップに20gずつ充填した後、焼成して、例15〜18それぞれの可塑性油脂組成物を使用したマドレーヌを得た。マドレーヌの食感(風味、ジューシー感)について、以下の基準に従って評価した。評価は5名のパネラーの総合評価とし、結果を表5に示した。
なお、例18は比較例である。
<評価の基準>
可塑性油脂組成物の組織の状態
◎ キメが細かく良好
○ 良好
△ キメがやや粗くなっている
▲ キメが粗くなっている
× 粗大結晶が見られる

マドレーヌの風味
◎ 乳味感が強く、非常に良好
○ 乳味感があり、良好
△ 普通
▲ 乳味感に乏しい
× パサパサしている。

マドレーヌのジューシー感
◎ ジューシー感が強く、非常に良好
○ ジューシー感があり、良好
△ 普通
▲ ジューシー感に乏しい
× パサパサしている。
Figure 2018191651

Claims (8)

  1. 可塑性油脂組成物を構成する油脂中に以下の油脂Aを5〜75質量%、油脂Bを5〜95質量%含有する可塑性油脂組成物。
    油脂A:乳由来の油脂
    油脂B:全構成脂肪酸中に炭素数14以下の脂肪酸を20〜65質量%、パルミチン酸を20〜65質量%含有するエステル交換油
  2. 上記油脂Bが、全構成脂肪酸中にステアリン酸を15質量%以下含有する、請求項1に記載の可塑性油脂組成物。
  3. 上記油脂Bが、炭素数16以上の飽和脂肪酸のみからなるトリ飽和トリグリセリド(H3)を15質量%以下含有する、請求項1又は2に記載の可塑性油脂組成物。
  4. 上記可塑性油脂組成物を構成する油脂中の上記油脂Bの含有量が5〜90質量%であって、さらに以下の油脂Cを5〜75質量%含有する、請求項1〜3の何れか一項に記載の可塑性油脂組成物。
    油脂C:パーム系油脂、パーム系油脂のエステル交換油の中から選ばれた1種又は2種以上の油脂
  5. 上記可塑性油脂組成物を構成する油脂中の炭素数16以上の飽和脂肪酸のみからなるトリ飽和トリグリセリド(H3)の含有量が10質量%以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載の可塑性油脂組成物。
  6. 上記炭素数16以上の飽和脂肪酸のみからなるトリ飽和トリグリセリド(H3)中に占めるトリパルミチン(P3)の割合(質量比、P3/H3)が0.5以上である、請求項5に記載の可塑性油脂組成物。
  7. 上記可塑性油脂組成物がマーガリン又はショートニングである請求項1〜6の何れか一項に記載の可塑性油脂組成物。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載の可塑性油脂組成物を使用した食品。
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