JP2018059074A - フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂 - Google Patents

フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】高い屈折率を有するとともに、複屈折が小さく、溶融成形性に優れたポリエステル樹脂を提供する。【解決手段】9,9−ビス(ヒドロキシビナフチル)フルオレン類、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレン類、9,9−ビス(ヒドロキシポリアルコキシナフチル)フルオレン類から選ばれる第1のジオール成分と、9,9−ビス(ヒドロキシビフェニル)フルオレン類、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシビフェニル)フルオレン類、9,9−ビス(ヒドロキシポリアルコキシビフェニル)フルオレン類から選ばれる第2のジオール成分と、フルオレン環もしくはビナフチル基を有するジカルボン酸より選択される少なくとも1種の第1のジカルボン酸成分からなるポリエステル樹脂。【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性、光学特性に優れるフルオレン骨格を有するポリエステル樹脂とその製造方法、並びにこのポリエステル樹脂で形成された成形体(例えば、光学フィルム、光学レンズなどの光学用成形体)に関する。
9,9−ビスフェニルフルオレン骨格を有するジオール成分を用い、高屈折率、高耐熱性などに優れたポリエステル樹脂が検討されている。
例えば、特開平7−198901号公報(特許文献1)には、芳香族ジカルボン酸と、9,9−ビス(4−ヒドロキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレンと、炭素原子数が2から4の脂肪族グリコールからなる実質的に線状のポリエステル重合体であって、屈折率が1.60以上であるプラスチックレンズ用ポリエステル樹脂が開示されている。しかし、このポリエステル樹脂は耐熱性が十分でなく複屈折も高い。
特許第3331121号公報(特許文献2)には、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸など)と、9,9−ビス(4−ヒドロキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレンなどのジヒドロキシ化合物とからなるポリエステル重合体が開示されている。このポリエステル重合体は複屈折を低減できるものの、屈折率や耐熱性が低い。
特開2008−69224号公報(特許文献3)には、9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシフェニル)フルオレンを含むジオール成分(A)と、フルオレン骨格を有するジカルボン酸成分(B1)[例えば、9,9−ビス(カルボキシ−C1−4アルキル)フルオレン、2,7−ジカルボキシフルオレンなど]を含むジカルボン酸成分(B)とを重合成分とするポリエステル樹脂が開示されている。しかし、このポリエステル樹脂は、屈折率や耐熱性を改善できない。
特開2013−64119号公報(特許文献4)には、フルオレン骨格を有するジカルボン酸成分を含むジカルボン酸成分と、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン類(A1)および9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス(アリール−ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン類(A2)を含むジオール成分とを重合成分とするポリエステル樹脂が記載され、ジカルボン酸成分として、9,9−ジ(カルボキシエチル)フルオレンと、2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸とを含む例が記載されている。しかし、このポリエステル樹脂は、耐熱性が高いものの、屈折率が未だ十分でない。
特開2011−168721号公報(特許文献5)には、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサン酸などのジカルボン酸成分とジオール成分とを重合成分とするポリエステル樹脂であって、前記ジオール成分が、9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシナフチル)フルオレンと、エチレングリコールとを含むポリエステル樹脂が記載されている(請求項1、実施例)。このポリエステル樹脂は、耐熱性及び屈性率が高いものの、複屈折が大きいため、レンズなどの光学部材として未だ十分ではない。さらに、耐熱性が高く、ポリエステル樹脂の成形加工性が低下する。
WO 2014/073496(特許文献6)には、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフチルを原料とするポリカーボネート樹脂が記載され、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンとの共重合カーボネート樹脂の例が記載されている。WO 2015/170691(特許文献7)には、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフチルと、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンと、ジカルボン酸とを重合したポリエステル樹脂又はポリエステルカーボネート樹脂が記載されている。しかし、高度な光学特性が要求される分野では、ポリエステル樹脂の屈性率は未だ低いとともに、複屈折をさらに低減する必要がある。
特に、近年の情報通信機器の発達に伴って、高屈折率で光学的歪みのない高度な光学特性が要求されているものの、一般的に、屈折率を大きくすると、複屈折も大きくなり、両者は二律背反の関係にある。そのため、屈折率を高め、かつ複屈折の小さな熱可塑性樹脂を得ることは極めて困難である。さらに、屈折率が大きくなるにつれて、樹脂の耐熱性も高くなる。そのため、屈折率を大きくすると、溶融成形性及び成形加工性が低下し、高い屈折率と溶融成形加工性とを両立させることも困難である。
より具体的には、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有し、高い耐熱性を特色とする熱可塑性樹脂(例えば、ガラス転移温度が120〜150℃程度の樹脂)において、屈折率が1.65から1.66へと「0.01」だけ高くなるだけで、ガラス転移温度が12〜20℃程度も高くなる。そのため、屈折率を「0.01」大きくするだけで、高温での溶融成形が必要となり、金型温度の制御の観点から、実質的には溶融成形できなくなる。さらに、屈折率が「0.01」大きくなるだけで、複屈折が約1.5〜2.5倍も大きくなる。従って、屈折率を「0.01」大きくするだけでも、複屈折を低減しつつ、溶融成形性を高めることは極めて困難である。そのため、現状では、低複屈折及び溶融成形性の観点から、屈折率1.64程度のポリエステル樹脂が最も使用されている。
特開平7−198901号公報(特許請求の範囲) 特許第3331121号公報(特許請求の範囲) 特開2008−69224号公報(特許請求の範囲、段落[0042]、[0058]) 特開2013−64119号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開2011−168721号公報(特許請求の範囲、実施例) WO 2014/073496(請求の範囲、実施例) WO 2015/170691(請求の範囲、実施例)
従って、本発明の目的は、高い屈折率を有するとともに、複屈折が小さく、成形性(又は溶融成形性)に優れたポリエステル樹脂とその製造方法、並びに前記ポリエステル樹脂で形成された成形体(例えば、光学フィルム、光学レンズなどの光学用成形体)を提供することにある。
本発明の他の目的は、1.65以上の高い屈折率を有し、かつ低複屈折性と高い溶融成形性とを備えたポリエステル樹脂とその製造方法、並びに成形体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、フルオレン骨格を有し、屈折率の高いポリエステル樹脂において、所定のビアリール系ジオール成分と所定の多環式芳香族骨格を有するジカルボン酸成分とを用いると、高い屈折率を維持しつつ、複屈折を低減できるとともに、ガラス転移温度も低下できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明のポリエステル樹脂は、少なくとも9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するジオール成分を含むジオール成分と、少なくとも多環式芳香族骨格(例えば、フルオレン骨格、1,1’−ビナフチル骨格など)を有するジカルボン酸成分を含むジカルボン酸成分とを重合成分とするポリエステル樹脂であって、前記ジオール成分が、下記式(1)で表される第1のジオール成分と、下記式(2)で表される第2のジオール成分とを含み、
Figure 2018059074
(式中、環Z、Zは同一又は異なって多環式アレーン環(縮合多環式アレーン環又は環集合アレーン環)を示し、Ar、Ar、Ar及びArは同一又は異なってアレーン環を示し、R1a及びR1bは同一又は異なってアルキレン基、m1及びm2は同一又は異なって0又は1以上の整数、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a及びR4bは同一又は異なって置換基、n1、n2、k1、k2、p1及びp2は同一又は異なって0又は1〜4の整数を示す)。
前記ジカルボン酸成分が、下記式(3a)〜(3d)で表されるジカルボン酸成分から選択された少なくとも1種の第1のジカルボン酸成分を含む。
Figure 2018059074
(式中、X1a、X1b及びXは同一又は異なって置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を示し、qは0〜4の整数を示し、R5a及びR5bはそれぞれ独立してハロゲン原子、ヒドロキシル基又はアルコキシ基を示し、Z及びZ、Ar及びAr並びにAr及びArはそれぞれ独立してアレーン環を示し、R6a及びR6b、R7a及びR7b並びにR8a及びR8bはそれぞれ独立して置換基を示し、A1a及びA1b、A2a及びA2b、A3a及びA3b並びにA4a及びA4bはそれぞれ独立してアルキレン基を示し、r1及びr2、s1及びs2、t1及びt2、u1及びu2並びにv1及びv2はそれぞれ独立して0以上の整数を示し、R3a、R3b、k1及びk2は前記に同じ)。
前記式(1)において、環Z及びZはナフタレン環、Ar及びArは、同一又は異なって、ベンゼン環又はナフタレン環、R1a及びR1bは直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基、m1及びm2は1〜10程度の整数、R2a及びR2bは同一又は異なって、C1−4アルキル基又はC6−10アリール基、n1及びn2が0〜2程度の整数であってもよい。
また、式(2)において、環Ar及びArがベンゼン環又はナフタレン環、R1a及びR1bは直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基、m1及びm2は1〜10程度の整数であってもよい。
式(3a)及び(3b)において、X1a、X1b及びXはアリール基又はシクロアルキル基を有していてもよい直鎖状又は分岐鎖状C1−8アルキレン基であってもよく、qは0〜2程度の整数であってもよい。
式(3c)において、環Z及びZ並びに環Ar及びArはそれぞれ独立してベンゼン環又はナフタレン環、R7a及びR7bはC1−4アルキル基又はC6−10アリール基、s1及びs2は0〜2程度の整数、A1a及びA1bは直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基、t1及びt2は0〜10程度の整数、A2a及びA2bは直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基であってもよい。
式(3d)において、環Ar及びArはそれぞれ独立してベンゼン環又はナフタレン環、A3a及びA3bは直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基、v1及びv2は0〜10程度の整数、A4a及びA4bは直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基であってもよい。
ジカルボン酸成分は、単環式芳香族ジカルボン酸成分及び多環式芳香族ジカルボン酸成分から選択された少なくとも一種の第2のジカルボン酸成分を含んでいてもよい。また、ジオール成分は、脂肪族ジオール成分及び脂環族ジオール成分から選択された少なくとも1種の第3のジオール成分を含んでいてもよい。
さらに、式(1)で表される第1のジオール成分と、式(2)で表される第2のジオール成分との割合は、前者/後者(モル比)=0.9/0.1〜0.1/0.9程度であってもよい。また、式(3a)〜(3d)で表される第1のジカルボン酸成分の割合は、ジカルボン酸成分全体に対して、30〜100モル%程度であってもよい。式(1)で表される第1のジオール成分と、式(3a)〜(3d)で表される第1のジカルボン酸成分との割合は、前者/後者(モル比)=1.5/1〜0.2/1程度であってもよく、式(2)で表される第2のジオール成分と、式(3a)〜(3d)で表される第1のジカルボン酸成分との割合は、前者/後者(モル比)=1.5/1〜0.05/1(例えば、1.5/1〜0.2/1)程度であってもよい。さらには、式(2)で表される第2のジオール成分、及び式(3a)〜(3d)で表される第1のジカルボン酸成分の単量体単位は、樹脂全体に対して30〜80モル%程度の割合で導入してもよい。
さらに、ポリエステル樹脂は、20℃、波長589nmでの屈折率が1.65〜1.7(例えば、1.65〜1.68)程度であってもよく、複屈折が65×10−4以下であってもよく、ガラス転移温度が115〜160℃程度であってもよい。
このようなポリエステル樹脂は、前記第1のジオール成分及び第2のジオール成分を含むジオール成分と、前記第1のジカルボン酸成分を含むジカルボン酸成分とを重合することにより製造できる。
本発明は、さらに、ポリエステル樹脂で形成された成形体も包含する。このような成形体は、屈折率が高く、光学的歪みが小さく(複屈折が小さく)、溶融成形性に優れているため、光学部材として有用である。
なお、ポリエステル樹脂は、ジオール成分に由来又は対応するジオール単位(ヒドロキシル基の水素原子が脱離した単位)と、ジカルボン酸成分に由来又は対応するジカルボン酸単位(カルボキシル基のヒドロキシル基が脱離した単位)との繰り返し単位で形成されている。そのため、本明細書では、エステル化反応を除き、ジカルボン酸単位をジカルボン酸成分と同義に用い、ジオール単位をジオール成分と同義に用いる場合がある。
本明細書及び特許請求の範囲において、「ジカルボン酸成分」とは、特に断りのない限り、遊離のジカルボン酸のみならず、ジカルボン酸の反応性誘導体又はエステル形成性誘導体(例えば、低級アルキルエステル、酸ハライド、酸無水物など)を含む意味に用いる。また、本明細書及び特許請求の範囲において、「(ポリ)アルコキシ」とは、「アルコキシ」、および複数の「アルコキシ」が繋がった「ポリアルコキシ」を含む意味に用いる。本明細書及び特許請求の範囲において、ジオール成分及びジカルボン酸成分の割合は、重合過程で反応成分が揮散するケースがあるため、特に断りがない限り、対応する成分の仕込み割合ではなく、樹脂中に導入された単位の割合を意味する。
本発明では、多環式アレーン環を有するジオール成分と、所定の多環式芳香族骨格(例えば、フルオレン骨格、1,1’−ビナフチル骨格など)を有するジカルボン酸成分とを重合成分に含むためか、高い屈折率を有していても、複屈折が小さく、ガラス転移温度を調整でき溶融成形性に優れている。特に、1.65以上という高い屈折率を有していても、複屈折が小さく、高い溶融成形性を備えている。
本発明のポリエステル樹脂において、ジオール成分が少なくとも9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するジオール成分を含み、ジカルボン酸成分が少なくとも多環式芳香族骨格(例えば、フルオレン骨格、1,1’−ビナフチル骨格など)を有するジカルボン酸成分を含んでいる。
[ジオール成分]
ジオール成分は、下記式(1)で表される第1のジオール成分と、下記式(2)で表される第2のジオール成分とを含んでいる。第1のジオール成分は、ポリエステル樹脂の屈折率、ガラス転移温度を向上させるのに有用であり、第2のジオール成分は、ナフタレン環を有していても、ガラス転移温度の過度な上昇を抑制(又は低減)して、耐熱性と溶融成形性とのバランスを調整できるのみならず、複屈折の増加を抑制(又は複屈折を低減)しつつ、屈折率を向上(又は高い屈折率を維持)するのに有用である。
Figure 2018059074
(式中、環Z、Zは同一又は異なって多環式アレーン環を示し、Ar、Ar、Ar及びArは同一又は異なってアレーン環を示し、R1a及びR1bは同一又は異なってアルキレン基、m1及びm2は同一又は異なって0又は1以上の整数、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a及びR4bは同一又は異なって置換基、n1、n2、k1、k2、p1及びp2は同一又は異なって0又は1〜4の整数を示す)。
前記式(1)において、Z、Zで表される多環式アレーン環には、縮合多環式アレーン環及び環集合アレーン環が含まれる。縮合多環式アレーン環としては、例えば、縮合二環式アレーン環(例えば、ナフタレンなどの縮合二環式C10−16アレーン環)、縮合三環式アレーン環(例えば、アントラセン、フェナントレンなどの縮合三環式C12−16アレーン環)などの縮合二乃至四環式C10−20アレーン環などが挙げられる。好ましい縮合多環式アレーン環は、縮合二乃至三環式C10−16アレーン環、例えば、ナフタレン環、アントラセン環、特に、ナフタレン環であってもよい。
環集合アレーン環としては、例えば、ビアレーン環、例えば、ビフェニル環、ビナフチル環、フェニルナフタレン環(1−フェニルナフタレン環、2−フェニルナフタレン環など)などのビC6−12アレーン環、テルアレーン環、例えば、テルフェニレン環などのテルC6−12アレーン環などが例示できる。好ましい環集合アレーン環は、環集合C12−18アレーン環、例えば、ビC6−10アレーン環、特にビフェニル環などであってもよい。
好ましい環Z及びZは、多環式C10−20アレーン環(例えば、C10−16アレーン環、好ましくはC10−14アレーン環、特に、ナフタレン環及びビフェニル環(特に、ナフタレン環))が挙げられる。屈折率及び耐熱性を向上させるには、環Z及びZは、縮合多環式アレーン環(ナフタレン環など)を利用する場合が多い。さほど屈折率を低下させることなく複屈折を低減するには、環集合アレーン環(ビフェニル環など)を利用する場合が多い。なお、2つの環Z及びZは同一の又は異なる環であってもよく、通常、同一の環であってもよい。
式(1)及び(2)において、R1a及びR1bで表されるアルキレン基は、直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基であってもよく、直鎖状アルキレン基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基などのC2−6アルキレン基、好ましくはC2−4アルキレン基、さらに好ましくはC2−3アルキレン基、特にエチレン基が例示できる。分岐鎖状アルキレン基としては、例えば、プロピレン基、1,2−ブタンジイル基、1,3−ブタンジイル基などのC3−6アルキレン基、好ましくはC3−4アルキレン基、特にプロピレン基が挙げられる。好ましいアルキレン基は、直鎖状又は分岐鎖状C2−6アルキレン基、例えば、直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基であってもよい。
基R1a及びR1bは同一又は異なる種類(炭素数又は構造の異なる)のアルキレン基で構成してもよく、通常、同一であってもよい。
式(1)及び(2)において、繰り返し単位数m1及びm2は、0又は1〜10の整数、例えば、1〜10(例えば、1〜7)程度、好ましくは1〜5(例えば、1〜4)、さらに好ましくは1〜3(例えば、1〜2)、特に1であってもよい。なお、式(1)及び(2)におけるそれぞれのm1及びm2は同一又は異なっていてもよい。
また、式(1)及び(2)におけるそれぞれのm1及びm2の合計(m1+m2)の平均値は、0〜20(例えば、1〜20)程度の範囲から選択でき、通常、2〜15(例えば、2〜13)、好ましくは2〜10(例えば、2〜8)、さらに好ましくは2〜6(例えば、2〜5)程度の数であってもよく、2〜4(例えば、2〜3)、特に2程度の数であってもよい。
なお、m1及びm2が2以上であるとき、各繰り返し単位において、基R1a及びR1bで表されるアルキレン基は、同一又は異なる種類(炭素数又は構造の異なる種類)のアルキレン基で構成してもよく、通常、同一であってもよい。
前記式(1)において、基[−(OR1am1−]及び[−(OR1bm2−]は、環Z及びZの適当な位置に置換でき、例えば、環Z及びZがナフタレン環である場合には、ナフチル基の5〜8位である場合が多く、Ar及びArを含む縮合環(例えば、フルオレン環)との位置関係で、1,5−位、2,5−位、1,6−位、2,6−位などの関係で置換していてもよく、例えば、1,5−位、2,6−位などの位置関係(特に、2,6−位の位置関係)である場合が多い。また、環集合アレーン環Z及びZにおいて、例えば、Ar及びArを含む縮合環(例えば、フルオレン骨格の9−位)に結合したアレーン環又はこのアレーン環に隣接するアレーン環に置換していてもよい。例えば、環Z及びZがビフェニル環である場合には、ビフェニル環の3−位又は4−位がAr及びArを含む縮合環(例えば、フルオレン骨格の9−位)に結合している場合が多く、例えば、3,5−位、3,6−位、3,3’−位、3,4’−位、4,2−位、4,3’−位、4,4’−位などの置換位置に置換していてもよく、好ましくは3,5−位、3,6−位、3,4’−位、4,2−位、4,4’−位、さらに好ましくは3,6−位、4,2−位(特に、3,6−位)の置換位置で置換していてもよい。
置換基R2a及びR2bとしては、反応(重合反応)に不活性な置換基、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロへキシル基などのC5−10シクロアルキル基など)、アリール基[フェニル基、アルキルフェニル基(トリル基、キシリル基など)、ビフェニル基、ナフチル基などのC6−12アリール基など]、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基など)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルコキシ基など)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロへキシルオキシ基などのC5−10シクロアルキルオキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基などのC6−10アリールオキシ基など)、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基など)、アルキルチオ基(例えば、前記アルコキシ基に対応するC1−10アルキルチオ基など)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロへキシルチオ基などのC5−10シクロアルキルチオ基など)、アリールチオ基(例えば、チオフェノキシ基などのC6−10アリールチオ基など)、アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルチオ基など)、アシル基(例えば、アセチル基などのC1−6アシル基など)、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基[例えば、ジアルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ基などのジC1−4アルキルアミノ基など)、ジアルキルカルボニルアミノ基(例えば、ジアセチルアミノ基などのジC1−4アルキル−カルボニルアミノ基など)など]などが例示できる。
これらの基R2a及びR2bのうち、代表的な基R2a及びR2bには、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基などが挙げられる。好ましい基R2a及びR2bとしては、アルキル基(メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基、特に直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基など)、アリール基(フェニル基などのC6−10アリール基)、アルコキシ基(メトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルコキシ基、特に直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルコキシ基など)など、特にC1−4アルキル基(例えば、メチル基)が例示できる。なお、基R2a及びR2bがアリール基であるとき、基R2a及びR2bは、環Z及びZとともに、前記環集合アレーン環を形成してもよい。環Z及びZにおいて、基R2a及びR2bの種類は、同一又は異なっていてもよい。
置換数n1及びn2は、環Z及びZの種類などに応じて、0又は1〜4の整数、例えば、0〜3(例えば、0〜2)、好ましくは0又は1(例えば、0)であってもよい。
環Ar及びArで表されるアレーン環としては、単環式アレーン環(ベンゼン環など)、縮合多環式アレーン環(ナフタレン環などのC10−16アレーン環など)などが例示できる。好ましい環Ar及びArはベンゼン環又はナフタレン環(特にベンゼン環)である。
環Arがベンゼン環であり、環Arがナフタレン環である化合物は、ベンゾ[a]フルオレン化合物、ベンゾ[b]フルオレン化合物、ベンゾ[c]フルオレン化合物を形成してもよい。
基R3a及びR3bとしては、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などのC1−6アルキル基)、アリール基(例えば、フェニル基などのC6−10アリール基)などが挙げられる。これらの基R3a及びR3bのうち、C1−4アルキル基(特に、メチル基)が好ましい。なお、基R3a及びR3bの種類は、同一又は異なっていてもよい。
置換数k1及びk2は、互いに同一又は異なって、Ar及びArで表されるアレーン環の種類に応じて、例えば、0〜4(例えば、0〜2)程度の整数から選択でき、好ましくは0〜1、特に0である。また、基R3a及びR3bの置換位置は、特に限定されず、例えば、Ar及びArを含む縮合環がフルオレン環である場合、フルオレン環の2−位乃至7−位(2−位、7−位、2−及び7−位など)であってもよい。置換数k1及びk2が2以上である場合、基R3a及びR3bの種類は、それぞれ、同一又は異なっていてもよい。
式(2)において、環Ar及びArで表されるアレーン環としては、単環式アレーン環(ベンゼン環など)、多環式アレーン環が例示でき、多環式アレーン環としては、前記環Ar及びArと同様の縮合多環式アレーン環が含まれる。好ましいアレーン環は、ベンゼン環、縮合多環式アレーン環であり、縮合多環式アレーン環は、縮合二乃至三環式C10−16アレーン環、例えば、ナフタレン環、アントラセン環、特に、ナフタレン環であってもよい。
環Ar及びArで表されるアレーン環の種類は、異なっていてもよく、異なるアレーン環は、互いに任意の位置で結合していてもよい。環Ar及びArで表されるアレーン環の種類は、同じである場合が多い。
置換基R4a及びR4bとしては、前記置換基R2a及びR2bと同様の置換基が例示できる。代表的な置換基R4a及びR4bとしては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基などが例示できる。好ましい基R4a及びR4bとしては、アルキル基(メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基、特に直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基など)、アルコキシ基(メトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルコキシ基、特に直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルコキシ基など)など、特にC1−4アルキル基(例えば、メチル基)が例示できる。なお、基R4a及びR4bがアリール基であるとき、環Ar及びArとともに、環集合アレーン環を形成してもよい。環Ar及びArにおいて、基R4a及びR4bの種類は、同一又は異なっていてもよい。
置換数p1及びp2は、前記n1及びn2と同様に、0又は1〜4の整数、例えば、0〜3(例えば、0〜2)、好ましくは0又は1(例えば、0)であってもよい。p1及びp2が2以上である場合、2以上の基R4a及びR4bの種類は、同一又は異なっていてもよい。なお、基R4a及びR4bの置換位置は特に制限されず、環Ar及びAr同士の結合位置、並びに基[−O(R1aO)m1−H]及び[−O(R1bO)m2−H]の置換位置以外の位置であればよい。
環Ar及びArで表されるアレーン環に対する基[−O(R1aO)m1−H]及び[−O(R1bO)m2−H]の置換位置は、特に制限されず、環Ar及びArの種類が同じであるとき、非対称位置(例えば、2,3’−位など)であってもよいが、通常、対称位置、例えば、2,2’−位、3,3’−位などであってもよい。通常、アレーン環Ar及びArの結合位置に対して隣接する2,2’−位である場合が多い。
式(2)で表される化合物のうち、好ましい化合物は、環Ar及びArがナフタレン環である化合物、例えば、下記式(2a)で表される化合物が例示できる。
Figure 2018059074
(式中、R1a及びR1b、m1及びm2は前記に同じ)
式(1)で表される第1のジオール成分としては、以下のような化合物が例示できる。
(a)環Z及びZが縮合多環式アレーン環である化合物
環Z及びZが縮合多環式アレーン環である化合物には、環Ar及びArがベンゼン環である9,9−ビス(ヒドロキシ縮合多環式アリール)フルオレン類、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシ縮合多環式アリール)フルオレン類、9,9−ビス(ヒドロキシポリアルコキシ縮合多環式アリール)フルオレン類が含まれる。代表的な縮合多環式アレーン環はナフタレン環であってもよく、縮合多環式アレーン環(環Z及びZ)がナフタレン環である代表的な化合物には、例えば、前記式(1)において、(a1)m1及びm2が0である9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン類、例えば、9,9−ビス(2−ヒドロキシ−6−ナフチル)フルオレン、9,9−ビス[1−ヒドロキシ−5−ナフチル)]フルオレンなど;(a2)m1及びm2が1である9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレン類、例えば、9,9−ビス(2−(2−ヒドロキシエトキシ)−6−ナフチル)フルオレン、9,9−ビス[1−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−ナフチル)]フルオレン、9,9−ビス[2−(2−ヒドロキシプロポキシ)−6−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシC2−6アルコキシナフチル)フルオレンなど;(a3)m1及びm2が2以上である9,9−ビス(ヒドロキシポリアルコキシナフチル)フルオレン類、例えば、9,9−ビス[2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−6−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[1−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−5−ナフチル)]フルオレンなどの9,9−ビス[ヒドロキシジ又はトリC2−6アルコキシナフチル]フルオレンなどが含まれる。
(b)環Z及びZが環集合アレーン環である化合物
環Z及びZが環集合アレーン環である化合物には、環Ar及びArがベンゼン環である9,9−ビス(ヒドロキシ環集合アリール)フルオレン類、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシ環集合アリール)フルオレン類、9,9−ビス(ヒドロキシポリアルコキシ環集合アリール)フルオレン類が含まれる。代表的な環集合アレーン環はビフェニル環であってもよく、環集合アレーン環(環Z及びZ)がビフェニル環である代表的な化合物には、例えば、前記式(1)において、(b1)m1及びm2が0である9,9−ビス(ヒドロキシビフェニル)フルオレン類、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル]フルオレンなど;(b2)m1及びm2が1である9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシビフェニル)フルオレン類、例えば、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシC2−6アルコキシビフェニル)フルオレンなど;(b3)m1及びm2が2以上である9,9−ビス(ヒドロキシポリアルコキシビフェニル)フルオレン類、例えば、9,9−ビス[4−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[ヒドロキシジ又はトリC2−6アルコキシビフェニル]フルオレンなどが含まれる。
なお、環Z及びZが環集合アレーン環である化合物(ジオール成分)を用いると、生成したポリエステル樹脂が脆くなり、機械的特性が低下する場合がある。本発明では、このようなジオール成分を用いても、脆性を大きく改善でき、屈折率が高く、複屈折の小さなポリエステル樹脂を得ることができる。
なお、前記式(1)で表される第1のジオール成分には、前記化合物(a)(b)に対応し、かつ環Ar及び環Arのうち少なくとも一方がナフタレン環である化合物も含まれる。
前記式(1)で表される第1のジオール成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい第1のジオール成分は、前記(a2)(a3)(b2)(b3)の化合物、例えば、前記(a2)(b2)の化合物[特に、(a2)の化合物]であってもよい。
式(2)で表される第2のジオール成分としては、例えば、ビフェノール類又はそのアルキレンオキサイド付加体、例えば、(c1)2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル;(c2)2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビフェニルなどの2,2’−ビス(ヒドロキシC2−6アルコキシ)−1,1’−ビフェニル;(c3)2,2’−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]−1,1’−ビフェニルなどの2,2’−ビス(ヒドロキシジ又はトリC2−6アルコキシ)−1,1’−ビフェニルなど;ビナフトール類又はそのアルキレンオキサイド付加体、例えば、(d1)2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフタレン;(d2)2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンなどの2,2’−ビス(ヒドロキシC2−6アルコキシ)−1,1’−ビナフタレン;(d3)2,2’−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]−1,1’−ビナフタレンなどの2,2’−ビス(ヒドロキシジ又はトリC2−6アルコキシ)−1,1’−ビナフタレンなどが例示できる。
前記式(2)で表される第2のジオール成分も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい第2のジオール成分は、例えば、前記(c2)(c3)(d2)(d3)の化合物、特に、前記(d2)の化合物などの前記式(2a)で表される化合物であってもよい。
ジオール成分は、さらに、脂肪族ジオール成分、脂環族ジオール成分及び芳香族ジオール成分(前記第1及び第2のジオール成分を除く)から選択された少なくとも1種の第3のジオール成分を含んでいてもよい。脂肪族ジオール成分は、ポリエステル樹脂の複屈折を低下しつつ、重合反応を促進し、溶融流動性を改善するのに有用であり、脂環族ジオール成分は、複屈折を低下するのに有用であり、芳香族ジオールは耐熱性を改善するのに有用である。
脂肪族ジオール成分としては、例えば、アルカンジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオールなどのC2−10アルカンジオール(好ましくはC2−6アルカンジオール、さらに好ましくはC2−4アルカンジオール);ポリアルカンジオール(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコールなどのジ又はトリC2−4アルカンジオールなどが例示できる。
脂環族ジオール成分としては、例えば、シクロアルカンジオール(例えば、シクロヘキサンジオールなどのC5−8シクロアルカンジオール);ジ(ヒドロキシアルキル)シクロアルカン(例えば、シクロヘキサンジメタノールなどのジ(ヒドロキシC1−4アルキル)C5−8シクロアルカンなど);イソソルビド;ノルボルナンジオール、アダマンタンジオールなどのビ又はトリシクアルカンジオール;スピロ環式ジオールなどが例示できる。
芳香族ジオール成分としては、例えば、ジヒドロキシアルキルアレーン(例えば、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノールなどのジ(ヒドロキシC1−4アルキル)C6−10アレーンなど);ビスフェノール類(例えば、ビフェノール、ビスフェノールAなどのビス(ヒドロキシフェニル)C1−10アルカン、1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシフェニル)C4−10シクロアルカンなど);ビスフェノール類(ビフェノール、ビスフェノールA、F、Sなど)のアルキレンオキサイド付加体(例えば、エチレンオキサイド付加体などのC2−3アルキレンオキサイド付加体など)などが例示できる。
第3のジオール成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。第3のジオール成分のうち、少なくとも脂肪族ジオール成分(例えば、アルカンジオール)が好ましく、通常、C2−4アルカンジオールを用いる場合が多い。
好ましいジオール成分は、第1のジオール成分と、第2のジオール成分と、第3のジオール成分としてのアルカンジオールとを含んでいてもよい。
第1のジオール成分と第2のジオール成分との割合は、前者/後者(モル比)=0.9/0.1〜0.1/0.9程度の範囲から選択でき、通常、0.8/0.2〜0.2/0.8、好ましくは0.75/0.25〜0.25/0.75、さらに好ましくは0.7/0.3〜0.3/0.7程度であってもよく、0.9/0.1〜0.4/0.6(例えば、0.85/0.15〜0.5/0.5)、好ましくは0.8/0.2〜0.6/0.4程度であってもよい。第1のジオール成分の割合が多いポリエステル樹脂では、屈折率、ガラス転移温度が向上するが、第2のジオール成分と併用することにより、ガラス転移温度をさほど高めることなく複屈折を低減できる。
第1のジオール成分及び第2のジオール成分の総量は、ジオール成分全体に対して、50〜100モル%(例えば、55〜95モル%)、好ましくは60〜100モル%(例えば、65〜90モル%)、さらに好ましくは70〜100モル%(例えば、75〜90モル%)程度であってもよい。
第3のジオール成分の割合は、ジオール成分全体に対して、0〜50モル%(例えば、0〜45モル%)、好ましくは5〜40モル%(例えば、10〜35モル%)、さらに好ましくは10〜30モル%(例えば、15〜25モル%)程度であってもよい。
[ジカルボン酸成分]
ジカルボン酸単位に対応するジカルボン酸成分は、遊離のジカルボン酸であってもよく、その反応性誘導体、例えば、低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステルなどのC1−4アルキルエステルなど)、酸ハライド(酸クロライドなど)又は酸無水物であってもよい。
ジカルボン酸成分は、下記式(3a)〜(3d)で表されるジカルボン酸成分より選択される少なくとも1種の第1のジカルボン酸成分を含む。第1のカルボン酸成分は、ポリエステル樹脂の屈折率をさほど低下させることなく(又は向上しつつ)、複屈折を有効に低減できる。また、第1のジカルボン酸成分は、ポリエステル樹脂のガラス転移温度及び成形性を調整するのにも有用である。
Figure 2018059074
(式中、X1a、X1b及びXは同一又は異なって置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を示し、qは0〜4の整数を示し、R5a及びR5bはそれぞれ独立してハロゲン原子、ヒドロキシル基又はアルコキシ基を示し、Z及びZ、Ar及びAr並びにAr及びArはそれぞれ独立してアレーン環を示し、R6a及びR6b、R7a及びR7b並びにR8a及びR8bはそれぞれ独立して置換基を示し、A1a及びA1b、A2a及びA2b、A3a及びA3b並びにA4a及びA4bはそれぞれ独立してアルキレン基を示し、r1及びr2、s1及びs2、t1及びt2、u1及びu2並びにv1及びv2はそれぞれ独立して0以上の整数を示し、R3a、R3b、k1及びk2は前記に同じ)。
前記式(3a)及び(3b)において、X1a、X1b及びXで表される炭化水素基としては、直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、1,2−ブタンジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−8アルキレン基が例示できる。好ましいアルキレン基は直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキレン基)である。
炭化水素基の置換基としては、例えば、アリール基(フェニル基など)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基など)などが挙げられる。
基X1a及びX1bは直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基(例えば、エチレン基、プロピレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C2−3アルキレン基など)である場合が多く、Xは直鎖状又は分岐鎖状C1−3アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基など)である場合が多い。置換基を有する炭化水素基X1a及びX1bは、例えば、1−フェニルエチレン基、1−フェニルプロパン−1,2−ジイル基などであってもよい。
前記式(3b)において、メチレン基の繰り返し数qは、例えば、0〜3程度の整数、好ましくは0〜2程度の整数、さらに好ましくは0又は1であってもよい。
前記式(3a)及び(3b)において、基R3a、R3bは、前記と同様であり、好ましい置換基R3a、R3bは、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキル基(特にメチル基などのC1−4アルキル基など)である場合が多い。好ましい置換数k1及びk2は、例えば、0〜2、好ましくは0又は1、特に0である。
5a及びR5bで表されるハロゲン原子としては、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子などが例示できる。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基などのC1−4アルコキシ基などが例示できる。R5a及びR5bは、通常、ヒドロキシル基又はC1−2アルコキシ基などであってもよい。
5a及びR5bがヒドロキシル基である前記式(3a)で表されるジカルボン酸成分[9,9−ビス(カルボキシアルキル)フルオレン類]の具体例としては、X1a及びX1bが直鎖状又は分岐鎖状C2−6アルキレン基である化合物、例えば、9,9−ビス(2−カルボキシエチル)フルオレン、9,9−ビス(2−カルボキシプロピル)フルオレンなどの9,9−ビス(カルボキシC2−6アルキル)フルオレンなどが挙げられる。好ましい化合物(3a)は、9,9−ビス(カルボキシC2−4アルキル)フルオレン、特に9,9−ビス(カルボキシC2−3アルキル)フルオレンである。
5a及びR5bがヒドロキシル基である前記式(3b)で表されるジカルボン酸成分の具体例としては、q=0であり、かつXが直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基である化合物、例えば、9−(1,2−ジカルボキシエチル)フルオレン;q=1であり、かつXが直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基である化合物、例えば、9−(2,3−ジカルボキシプロピル)フルオレンなどの9−(ジカルボキシC2−8アルキル)フルオレンなどが挙げられる。
式(3c)において、Z及びZで表されるアレーン環としては、例えば、単環式アレーン環(ベンゼン環)、多環式アレーン環などが挙げられる。多環式アレーン環としては、前記式(1)におけるZ及びZの項に例示した縮合多環式アレーン環、環集合アレーン環と同様の環が例示できる。好ましいZ及びZとしては、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環などのC6−12アレーン環などが挙げられ、ベンゼン環又はナフタレン環などのC6−10アレーン環(特に、ベンゼン環)が特に好ましい。また、Z及びZの種類は、互いに異なっていてもよいが、通常、同一であることが多い。
Ar及びArで表されるアレーン環としては、前記式(1)におけるAr及びArの項において例示したアレーン環と同様の環が例示できる。好ましい環Ar及びArはベンゼン環又はナフタレン環(特にベンゼン環)である。Ar及びArの種類は、互いに異なっていてもよいが、通常、同一であることが多い。なお、環Ar及びArのうち、一方がベンゼン環であり、他方がナフタレン環である場合、式(3c)で表される化合物は、ベンゾ[a]フルオレン骨格、ベンゾ[b]フルオレン骨格又はベンゾ[c]フルオレン骨格を形成してもよい。
6a及びR6bで表される置換基、並びにr1及びr2で表される置換数は、それぞれ前記式(1)におけるR3a及びR3b、並びにk1及びk2と好ましい態様を含めて同様であってもよい。
7a及びR7bで表される置換基としては、前記式(1)におけるR2a及びR2bと同様の基などが挙げられる。代表的な基R7a及びR7bには、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基などが挙げられる。好ましい基R7a及びR7bとしては、アルキル基(メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基など)、アリール基(フェニル基などのC6−12アリール基など)、アルコキシ基(メトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルコキシ基、特に直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルコキシ基など)などが挙げられ、なかでも、アルキル基(直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基など)又はアリール基(C6−10アリール基など)、特に、メチル基などの直鎖上又は分岐鎖状C1−3アルキル基などが挙げられる。また、環Z及びZにおいて、基R7a及びR7bの種類は、同一又は異なっていてもよい。なお、基R7a及びR7bがアリール基であるとき、基R7a及びR7bは、環Z及びZとともに、前記環集合アレーン環を形成してもよい。
s1及びs2で表される置換数は、環Z及びZの種類に応じて、例えば、0〜6(例えば、0〜4)程度の整数、好ましくは0〜3(例えば、0〜2)程度の整数、さらに好ましくは0又は1(例えば、1)程度の整数であってもよい。s1及びs2は、互いに異なっていてもよいが、通常、同一である。s1及びs2が2以上である場合、2以上の基R7a及びR7bの種類は、同一又は異なっていてもよい。
また、基R7a及びR7bの置換位置は特に制限されず、環Z及びZにおいて、環Ar及びArを含む縮合環との結合位置、並びに基[−O(A1aO)t1−A2a−C(=O)−R5a]及び[−O(A1bO)t2−A2b−C(=O)−R5b](以下、単にカルボニル基含有基ともいう)の置換位置以外の位置に置換していればよい。例えば、環Z及びZがベンゼン環である場合、環Ar及びArを含む縮合環と結合するフェニル基に対して、カルボニル基含有基がフェニル基の4−位の位置に置換し、基R7a及びR7bがフェニル基の3−位、3,5−位(特に3−位)などに置換することが多い。また、環Z及びZがベンゼン環、s1及びs2が1、基R7a及びR7bがアルキル基(特に、メチル基など)である場合、式(3c)で表される化合物及び/又はその原料となるジヒドロキシ化合物(例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなど)の皮膚刺激性が低く、取り扱い易い点で好ましい。
1a及びA1bで表されるアルキレン基としては、前記式(1)及び(2)におけるR1a及びR1bの項に記載のアルキレン基と好ましい態様を含めて同様であってもよい。
オキシアルキレン基(基[−OA1a−]及び[−OA1b−])の繰り返し数t1及びt2は、例えば、0〜10(例えば、1〜10)程度の範囲から選択でき、例えば、0〜9(例えば、2〜8)、好ましくは0〜7(例えば、3〜6)、さらに好ましくは0〜5(例えば、4〜5)程度であってもよく、通常、0〜4(例えば、0〜3)、好ましくは0〜2(例えば、0又は1)、さらに好ましくは0であってもよい。
繰り返し数t1及びt2の合計(t1+t2)の平均値は、例えば、0〜20(例えば、1〜18)程度の範囲から選択でき、例えば、0〜16(例えば、2〜14)、好ましくは0〜12(例えば、4〜11)、さらに好ましくは0〜10(例えば、6〜9)程度であってもよく、通常、0〜8(例えば、0〜6)、好ましくは0〜4(例えば、0〜2)、さらに好ましくは0〜1(例えば、0)程度の数であってもよい。
2a及びA2bで表されるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、1,2−ブタンジイル基、1,3−ブタンジイル基、ペンタメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキレン基などが挙げられる。好ましいA2a及びA2bとしては、メチレン基、エチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−3アルキレン基、なかでも、C1−2アルキレン基(特に、メチレン基)であってもよい。
式(3c)において、R5a及びR5bとしては、前記式(3a)及び(3b)の項に例示したものと好ましい態様も含めて同様である。
前記式(3c)において、R5a及びR5bがヒドロキシル基であるジカルボン酸成分の具体例としては、(3c-1)Ar及びArがベンゼン環、t1及びt2が0である9,9−ビス(カルボキシアルコキシアリール)フルオレン類、例えば、9,9−ビス[(カルボキシメトキシ)−フェニル]フルオレン[例えば、9,9−ビス[4−(カルボキシメトキシ)−フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(カルボキシC1−4アルコキシ)−フェニル]フルオレンなど];9,9−ビス[(カルボキシメトキシ)−アルキルフェニル]フルオレン[例えば、9,9−ビス[4−(カルボキシメトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(カルボキシメトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(カルボキシC1−4アルコキシ)−モノ又はジC1−4アルキル−フェニル]フルオレンなど];9,9−ビス[(カルボキシメトキシ)−アリールフェニル]フルオレン[例えば、9,9−ビス[4−(カルボキシメトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(カルボキシC1−4アルコキシ)−C6−10アリール−フェニル]フルオレンなど];9,9−ビス[(カルボキシメトキシ)−ナフチル]フルオレン[例えば、9,9−ビス[6−(カルボキシメトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(カルボキシメトキシ)−1−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス[(カルボキシC1−4アルコキシ)−ナフチル]フルオレンなど];(3c-2)Ar及びArがベンゼン環、t1及びt2が1以上である9,9−ビス(カルボキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン類、例えば、前記(3c-1)の化合物に対応して、A1a及びA1bがエチレン基、プロピレン基などのC2−4アルキレン基、t1及びt2が1〜10(例えば、1〜8)程度の整数である化合物(例えば、9,9−ビス[4−(2−(カルボキシメトキシ)エトキシ)−フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(カルボキシC1−4アルコキシ(モノ乃至デカ)C2−4アルコキシ)−フェニル]フルオレンなど);(3c-3)前記(3c-1)及び(3c-2)の化合物に対応して、Ar及びArのうち一方がベンゼン環、他方がナフタレン環であるベンゾフルオレン骨格を有する化合物などが挙げられる。
これらの式(3c)で表される化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの式(3c)で表される化合物のうち、前記(3c-1)の化合物が好ましく、通常、9,9−ビス[4−(カルボキシメトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(カルボキシメトキシ)−アルキルフェニル]フルオレンなどが汎用される。
なお、式(3c)で表される化合物(例えば、R5a及びR5bがアルコキシ基である化合物)は、慣用の方法、例えば、対応するジヒドロキシ化合物[例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類など]と、ハロ酢酸アルキルエステル(例えば、モノクロロ酢酸エチルなどのモノハロ酢酸C1−4アルキルなど)とを、塩基(例えば、炭酸カリウムなどの無機塩基など)の存在下で反応させる方法などにより調製してもよい。前記方法では、必要に応じて、溶媒(例えば、メチルイソブチルケトンなどのケトン類など)や触媒(ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドなどの相間移動触媒など)の存在化で反応させてもよい。
式(3d)において、環Ar及びArで表されるアレーン環としては、前記式(2)の項において、Ar及びArとして例示したアレーン環と好ましい態様を含めて同様であってもよい。
環Ar及びArで表されるアレーン環の種類は、異なっていてもよいが、通常、同一であることが多い。環Ar及びArは、互いに任意の位置で結合していてもよい。
3a及びA3b、並びにA4a及びA4bは、それぞれ、式(3c)におけるA1a及びA1b、並びにA2a及びA2bと好ましい態様を含めて同様であってもよい。また、繰り返し数v1及びv2、並びにv1及びv2の合計(v1+v2)の平均値は、それぞれ、式(3c)におけるt1及びt2、(t1+t2)の平均値と好ましい態様を含めて同様であってもよい。さらに、式(3d)において、R5a及びR5bとしては、前記式(3a)及び(3b)の項に例示したものと好ましい態様も含めて同様であってもよい。
環Ar及びArで表されるアレーン環に対する基[−O(A3aO)v1−A4a−C(=O)−R5a]及び[−O(A3bO)v2−A4b−C(=O)−R5b](以下、単にカルボニル基含有基ともいう)の置換位置は、特に制限されず、環Ar及びArの種類が同じであるとき、非対称位置(例えば、2,3’−位など)であってもよいが、対称位置、例えば、2,2’−位、3,3’−位などであってもよい。通常、アレーン環Ar及びArの結合位置に対して隣接する2,2’−位である場合が多い。
8a及びR8bで表される置換基としては、前記式(1)における基R2a及びR2bと同様の置換基が例示できる。代表的な置換基R8a及びR8bとしては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基などが挙げられる。好ましい基R8a及びR8bとしては、アルキル基(メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基、特に直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基など)、アルコキシ基(メトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルコキシ基、特に直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルコキシ基など)など、特にC1−4アルキル基(例えば、メチル基)が挙げられる。なお、基R8a及びR8bがアリール基であるとき、環Ar及びArとともに、環集合アレーン環を形成してもよい。環Ar及びArにおいて、基R8a及びR8bの種類は、同一又は異なっていてもよい。
置換数u1及びu2は、前記式(2)におけるp1及びp2と好ましい態様を含めて同様であってもよい。u1及びu2が2以上である場合、2以上の基R8a及びR8bの種類は、同一又は異なっていてもよい。なお、基R8a及びR8bの置換位置は特に制限されず、環Ar及びAr同士の結合位置、並びにカルボニル基含有基の置換位置以外の位置であればよい。
式(3d)で表される化合物のうち、好ましい化合物は、環Ar及びArがナフタレン環である化合物、例えば、下記式(3d-A)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018059074
(式中、A3a及びA3b、v1及びv2、A4a及びA4b、R5a及びR5bは前記に同じ)。
前記式(3d)において、R5a及びR5bがヒドロキシル基であるジカルボン酸成分の具体例としては、例えば、(3d-1)環Ar及びArがベンゼン環、v1及びv2が0であるビフェニル類、例えば、2,2’−ビス(カルボキシメトキシ)−1,1’−ビフェニルなどの2,2’−ビス(カルボキシC1−4アルコキシ)−1,1’−ビフェニルなど;(3d-2)前記(3d-1)の化合物に対応して、v1及びv2が1以上(例えば、1〜10、好ましくは1〜8)である化合物、例えば、2,2’−ビス[2−(カルボキシメトキシ)エトキシ]−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビス[2−(2−(カルボキシメトキシ)エトキシ)エトキシ]−1,1’−ビフェニルなどの2,2’−ビス[カルボキシC1−4アルコキシ(モノ乃至デカ)C2−4アルコキシ]−1,1’−ビフェニルなど;(3d-3)環Ar及びArがナフタレン環、v1及びv2が0であるビナフチル類、例えば、2,2’−(カルボキシメトキシ)−1,1’−ビナフタレンなどの2,2’−ビス(カルボキシC1−4アルコキシ)−1,1’−ビナフチルなど;(3d-4)前記(3d-3)の化合物に対応して、v1及びv2が1以上(例えば、1〜10、好ましくは1〜8)である化合物、例えば、2,2’−ビス[2−(カルボキシメトキシ)エトキシ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[2−(2−(カルボキシメトキシ)エトキシ)エトキシ]−1,1’−ビナフチルなどの2,2’−ビス[カルボキシC1−4アルコキシ(モノ乃至デカ)C2−4アルコキシ]−1,1’−ビナフチルなどが挙げられる。
これらの式(3d)で表される化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの式(3d)で表される化合物のうち、前記(3d-3)の化合物が好ましく、通常、2,2’−(カルボキシメトキシ)−1,1’−ビナフタレンなどの2,2’−ビス(カルボキシC1−2アルコキシ)−1,1’−ビナフチルなどが汎用される。
なお、式(3d)で表される化合物(例えば、R5a及びR5bがアルコキシ基である化合物)は、慣用の方法、例えば、対応するジヒドロキシ化合物[例えば、2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチルなど]と、ハロ酢酸アルキルエステル(例えば、モノクロロ酢酸エチルなどのモノハロ酢酸C1−4アルキルなど)とを、塩基(例えば、炭酸カリウムなどの無機塩基など)の存在下で反応させる方法などにより調製してもよい。前記方法では、必要に応じて、溶媒(例えば、アセトンなどのケトン類など)や触媒(ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドなどの相間移動触媒など)の存在化で反応させてもよい。
式(3a)〜(3d)で表される第1のジカルボン酸成分は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。これらの第1のジカルボン酸成分のうち、高い屈折率、低い複屈折、高い耐熱性及び高い成形性をバランスよく改善できる観点から、通常、前記式(3a)、(3c)及び(3d)[特に(3a)及び(3d)]から選択される少なくとも1種の式で表されるジカルボン酸成分を用いる場合が多い。なお、前記特性のバランスに優れるとともに、着色を有効に抑制できる観点から、前記式(3a)で表されるジカルボン酸成分が好ましい。また、前記特性のバランスを維持しつつ、より一層高い耐熱性を付与できる観点から前記式(3c)で表されるジカルボン酸成分が好ましい。さらに、前記特性のバランスを維持しつつ、より一層高い屈折率及び低い複屈折を付与できる観点から前記式(3d)で表されるジカルボン酸成分が好ましい。そのため、第1のジカルボン酸成分は、前記式(3a)〜(3d)で表されるジカルボン酸成分を組み合わせて含んでいてもよいが、用途などに応じて、前記式(3a)、(3c)及び(3d)から選択されるいずれか1種の式で表されるジカルボン酸成分を単独で含むことが多い。
第1のジカルボン酸成分が式(3a)で表されるジカルボン酸成分を含む場合、その割合は、第1のジカルボン酸成分全体に対して、例えば、10モル%以上(例えば、30〜100モル%)、好ましくは50モル%以上(例えば、70〜99.9モル%)、さらに好ましくは90モル%以上(例えば、95〜99モル%)、通常、実質的に100モル%(第1のジカルボン酸成分が式(3a)で表されるジカルボン酸成分のみ)程度であってもよい。
第1のジカルボン酸成分が式(3c)で表されるジカルボン酸成分を含む場合、その割合は、第1のジカルボン酸成分全体に対して、例えば、10モル%以上(例えば、30〜100モル%)、好ましくは50モル%以上(例えば、70〜99.9モル%)、さらに好ましくは90モル%以上(例えば、95〜99モル%)、通常、実質的に100モル%(第1のジカルボン酸成分が式(3c)で表されるジカルボン酸成分のみ)程度であってもよい。
第1のジカルボン酸成分が式(3d)で表されるジカルボン酸成分を含む場合、その割合は、第1のジカルボン酸成分全体に対して、例えば、10モル%以上(例えば、30〜100モル%)、好ましくは50モル%以上(例えば、70〜99.9モル%)、さらに好ましくは90モル%以上(例えば、95〜99モル%)、通常、実質的に100モル%(第1のジカルボン酸成分が式(3d)で表されるジカルボン酸成分のみ)程度であってもよい。
第1のジカルボン酸成分は、第2のジカルボン酸成分としての芳香族ジカルボン酸成分(ただし、第1のジカルボン酸成分を除く)と組み合わせてもよい。芳香族ジカルボン酸成分は、単環式芳香族ジカルボン酸成分及び多環式芳香族ジカルボン酸成分から選択された少なくとも一種であってもよい。
単環式芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、アルキルイソフタル酸(例えば、4−メチルイソフタル酸などのC1−4アルキルテレフタル酸)、フタル酸などのC6−10アレーンジカルボン酸;複素環式ジカルボン酸(2,5−チオフェンジカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸など)などが例示できる。単環式芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸成分、イソフタル酸成分を用いる場合が多い。
多環式芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、縮合多環式ジカルボン酸[例えば、ナフタレンジカルボン酸(例えば、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸など)、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸などの縮合多環式C10−16アレーン−ジカルボン酸、好ましくは縮合多環式C10−14アレーン−ジカルボン酸];ジアリールアルカンジカルボン酸[例えば、ジフェニルアルカンジカルボン酸(例えば、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパンなどのジフェニルC1−4アルカン−ジカルボン酸など)などのジC6−10アリールC1−6アルカン−ジカルボン酸];ジアリールケトンジカルボン酸[例えば、ジフェニルケトンジカルボン酸(4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸など)などのジC6−10アリール−ケトン−ジカルボン酸];フルオレンの2つのベンゼン環に2つのカルボキシル基が置換した化合物[例えば、フルオレンジカルボン酸(例えば、2,7−ジカルボキシフルオレンなど)]などが例示できる。
これらの第2のジカルボン酸成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用でき、単環式芳香族ジカルボン酸成分と多環式芳香族ジカルボン酸成分とを組み合わせてもよい。これらの第2のジカルボン酸成分のうち、耐熱性及び屈折率を向上させるためには、多環式ジカルボン酸成分、特にナフタレンジカルボン酸成分などの縮合多環式ジカルボン酸を用いる場合が多い。なお、縮合多環式ジカルボン酸を使用すると、ポリエステル樹脂の複屈折が増加する傾向を示すものの、前記第2のジオール成分及び/又は第1のジカルボン酸成分を用いることにより、縮合多環式ジカルボン酸の利点をさほど損なうことなく、ポリエステル樹脂の複屈折を低減できる。
さらに、ジカルボン酸成分は、脂肪族ジカルボン酸成分及び脂環族ジカルボン酸成分から選択された少なくとも一種の第3のジカルボン酸成分を含んでいてもよい。脂肪族ジカルボン酸成分は、溶融成形性を改善するのに有用であり、脂環族ジカルボン酸は、耐熱性をさほど低下させることなく、複屈折を低下させるのに有用である。
脂肪族ジカルボン酸成分としては、アルカンジカルボン酸、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、プラリシン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸などの直鎖状又は分岐鎖状C2−30アルカンジカルボン酸(好ましくはC6−12アルカンジカルボン酸)などが例示できる。脂肪族ジカルボン酸成分は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
脂環族ジカルボン酸成分としては、例えば、シクロアルカンジカルボン酸(例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などのC5−10シクロアルカン−ジカルボン酸);シクロアルケンジカルボン酸(テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸など);ビ又はトリシクロアルカンジカルボン酸又は橋架け環式シクロアルカンジカルボン酸(例えば、無水ヘット酸、デカリンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸など;ビ又はトリシクロアルケンジカルボン酸又は橋架け環式シクロアルケンジカルボン酸(例えば、無水ハイミック酸など)などが挙げられる。脂環族ジカルボン酸成分は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
好ましいジカルボン酸成分は、少なくとも第1のジカルボン酸成分を含んでいればよく、第2及び第3のジカルボン酸成分を必ずしも含んでいなくてもよい。通常、前記式(3a)及び/又は(3b)で表される第1のジカルボン酸成分を用いるとき、ジカルボン酸成分は、第1のジカルボン酸成分に加えて第2のジカルボン酸成分を含んでいる場合が多い。
式(3a)〜(3d)で表される第1のジカルボン酸成分の割合は、ジカルボン酸成分全体に対して、30〜100モル%(例えば、40〜95モル%)、好ましくは50〜100モル%(例えば、60〜90モル%)、さらに好ましくは70〜100モル%(例えば、75〜85モル%)程度であってもよく、80〜100モル%程度であってもよい。第1のジカルボン酸成分の割合により、ポリエステル樹脂のガラス転移温度を調整できるとともに、第1のジカルボン酸成分の割合を多くすることにより、複屈折を大きく低減できる場合がある。
第1のジカルボン酸成分と第2のジカルボン酸成分とを組み合わせる場合、第1のジカルボン酸成分と第2のジカルボン酸成分との割合は、前者/後者(モル比)=100/0〜30/70(例えば、100/0〜35/65)、好ましくは95/5〜40/60(例えば、95/5〜50/50)、さらに好ましくは90/10〜60/40(例えば、90/10〜65/35)程度であってもよく、99/1〜70/30(例えば、95/5〜75/25)程度であってもよい。第2のジカルボン酸成分の割合は、ジカルボン酸成分全体に対して、0〜60モル%(例えば、5〜55モル%)、好ましくは10〜50モル%(例えば、15〜45モル%)、さらに好ましくは10〜40モル%(例えば、15〜35モル%)程度であってもよい。なお、第2のジカルボン酸成分(例えば、縮合多環式芳香族ジカルボン酸成分)の割合が過度に多くなると、複屈折が高くなる場合がある。
第3のジカルボン酸成分の割合は、ジカルボン酸成分全体に対して、0〜20モル%(例えば、0.5〜17モル%)、好ましくは0〜15モル%(例えば、1〜12モル%)、さらに好ましくは0〜10モル%(例えば、3〜7モル%)程度であってもよい。
本発明のポリエステル樹脂において、式(1)で表される第1のジオール成分、及び式(3a)〜(3d)で表される第1のジカルボン酸成分は、高い屈折率を維持しつつ、複屈折を大きく低減するのに有用である。特に、第1のジオール成分に対する第1のジカルボン酸成分の割合が多くなると、複屈折を低減するのに有用であることが多い。
また、本発明のポリエステル樹脂において、式(2)で表される第2のジオール成分、及び式(3a)〜(3d)で表される第1のジカルボン酸成分は、ポリエステル樹脂のガラス転移温度を調整して成形性(又は溶融成形性)を改善しつつ、複屈折を低減するために有用であることが多い。
第1のジオール成分と、第1のジカルボン酸成分との割合は、前者/後者(モル比)=2/1〜0.05/1(例えば、1.7/1〜0.1/1)程度の範囲から選択でき、例えば、1.5/1〜0.2/1(例えば、1.3/1〜0.25/1)、好ましくは1.25/1〜0.3/1(例えば、1/1〜0.35/1)、さらに好ましくは0.9/1〜0.4/1(例えば、0.8/1〜0.45/1)程度であってもよく、1/1〜0.2/1(例えば、0.95/1〜0.25/1)、好ましくは0.9/1〜0.3/1(例えば、0.85/1〜0.35/1)、さらに好ましくは0.8/1〜0.4/1(例えば、0.75/1〜0.5/1)程度であってもよい。また、第1のジカルボン酸成分が式(3a)及び/又は(3b)で表されるジカルボン酸成分を含む場合、前記割合は、例えば、前者/後者(モル比)=1/1〜0.2/1(例えば、0.9/1〜0.25/1)程度であってもよい。第1のジカルボン酸成分が式(3c)で表されるジカルボン酸成分を含む場合、前記割合は、例えば、前者/後者(モル比)=0.8/1〜0.1/1(例えば、0.7/1〜0.2/1)、好ましくは0.6/1〜0.3/1(例えば、0.5/1〜0.35/1)程度であってもよい。第1のジカルボン酸成分が式(3d)で表されるジカルボン酸成分を含む場合、前記割合は、例えば、前者/後者(モル比)=0.9/1〜0.2/1(例えば、0.8/1〜0.3/1)、好ましくは0.7/1〜0.4/1(例えば、0.65/1〜0.5/1)程度であってもよい。第1のジオール成分に対する第1のジカルボン酸成分の割合が多くなると、第1のジオール成分が多環式アレーン環を有していても、複屈折を低下できることが多い。
第2のジオール成分と第1のジカルボン酸成分との割合は、前記第1のジオール成分と、第1のジカルボン酸成分との割合と同様であってもよい(例えば、上記と同様に、前者/後者(モル比)=1.5/1〜0.2/1の割合から選択できる)し、例えば、1.5/1〜0.05/1(例えば、1/1〜0.1/1)程度であってもよい。また、第1のジカルボン酸成分が式(3a)及び/又は(3b)で表されるジカルボン酸成分を含む場合、前記割合は、例えば、前者/後者(モル比)=1/1〜0.2/1(例えば、0.9/1〜0.25/1)程度であってもよい。第1のジカルボン酸成分が式(3c)で表されるジカルボン酸成分を含む場合、前記割合は、例えば、前者/後者(モル比)=0.8/1〜0.1/1(例えば、0.7/1〜0.2/1)、好ましくは0.6/1〜0.3/1(例えば、0.5/1〜0.35/1)程度であってもよい。第1のジカルボン酸成分が式(3d)で表されるジカルボン酸成分を含む場合、前記割合は、例えば、前者/後者(モル比)=0.6/1〜0.01/1(例えば、0.4/1〜0.05/1)、好ましくは0.3/1〜0.1/1(例えば、0.25/1〜0.15/1)程度であってもよい。
また、第2のジオール成分、及び第1のジカルボン酸成分の単量体単位の導入割合は、ポリエステル樹脂全体(単量体単位全体)に対して、20〜90モル%(例えば、30〜80モル%)、好ましくは35〜75モル%(例えば、40〜70モル%)、さらに好ましくは45〜65モル%(例えば、50〜60モル%)程度であってもよい。また、第1のジカルボン酸成分が式(3a)及び/又は(3b)で表されるジカルボン酸成分を含む場合、前記割合は、例えば、40〜70モル%(例えば、50〜60モル%)程度であってもよい。第1のジカルボン酸成分が式(3c)で表されるジカルボン酸成分を含む場合、前記割合は、例えば、50〜90モル%(例えば、55〜85モル%)、好ましくは60〜80モル%(例えば、65〜75モル%)程度であってもよい。第1のジカルボン酸成分が式(3d)で表されるジカルボン酸成分を含む場合、前記割合は、例えば、40〜80モル%(例えば、45〜75モル%)、好ましくは50〜70モル%(例えば、55〜65モル%)程度であってもよい。第2のジオール成分及び第1のジカルボン酸成分の双方の導入割合が多くなると、ポリエステル樹脂の高い屈折率を維持しつつ、ガラス転移温度を低減して成形性を向上できると共に、複屈折を低減できることが多い。
[ポリエステル樹脂の特性]
本発明のポリエステル樹脂は、特定のジカルボン酸成分と特定のジオール成分とを組み合わせているため、透明性が高いだけでなく、高い屈折率および高い耐熱性を備えている。
本発明のポリエステル樹脂の屈折率は、例えば、20℃、波長589nmにおいて、1.65以上(例えば、1.65〜1.7)であり、通常、1.66〜1.69(例えば、1.665〜1.685)、好ましくは1.66〜1.68(例えば、1.665〜1.675)程度であってもよく、1.65〜1.68(例えば、1.655〜1.675)、好ましくは1.65〜1.67(例えば、1.655〜1.665)程度であってもよく、高い屈折率が特に重要な用途では、1.66以上、例えば、1.665〜1.72(例えば、1.67〜1.71)、好ましくは1.675〜1.7(例えば、1.68〜1.695)、さらに好ましくは1.683〜1.69程度であってもよい。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査型熱量計(DSC)で測定したとき、例えば、110〜170℃(例えば、145〜165℃)程度の範囲から選択でき、例えば、115〜160℃(例えば、120〜155℃)、好ましくは122〜153℃(例えば、125〜150℃)、さらに好ましくは130〜145℃(例えば、135〜145℃)程度であってもよく、耐熱性と成形性とのバランスが特に優れる点から、130〜165℃(例えば、133〜160℃)、好ましくは135〜158℃(例えば、140〜155℃)程度であってもよい。ガラス転移温度が高すぎると、ポリエステル樹脂の熱溶融成形性が低下する傾向を示すが、本発明では、熱溶融成形性を損なうことなく、屈折率を向上でき、複屈折を低減できる。
本発明のポリエステル樹脂は、屈折率及び耐熱性が高くても、光学的歪み(異方性)が少なく、複屈折が小さい。例えば、3倍延伸したフィルムについての複屈折(3倍複屈折)の値は、65×10−4以下(例えば、0〜60×10−4)であり、通常、0〜45×10−4(例えば、1×10−4〜40×10−4)、好ましくは0〜35×10−4(例えば、2×10−4〜30×10−4)、さらに好ましくは0〜25×10−4(例えば、3×10−4〜20×10−4)程度であってもよい。なお、3倍複屈折の値は、実施例に記載の方法、すなわち、波長600nmでのリタデーション値を厚みで除することにより求めることができる。ポリエステル樹脂は、正又は負の複屈折を有していてもよく、絶対値が上記範囲であればよい。
本発明のポリエステル樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したとき、ポリスチレン換算で、0.1×10〜50×10程度の範囲から選択でき、例えば、1×10〜25×10、好ましくは1.5×10〜10×10、さらに好ましくは2×10〜7×10(例えば、3×10〜5×10)程度であってもよい。
[ポリエステル樹脂の製造方法]
本発明のポリエステル樹脂は、前記ジカルボン酸成分と前記ジオール成分とを反応(重合又は縮合)させることにより製造できる。重合方法(製造方法)としては、慣用の方法、例えば、溶融重合法(ジカルボン酸成分とジオール成分とを溶融混合下で重合させる方法)、溶液重合法、界面重合法などが例示できる。好ましい方法は溶融重合法である。
反応は、通常、不活性ガス(窒素、ヘリウムなど)雰囲気中で行うことができる。また、反応は、減圧下(例えば、1×10〜1×10Pa程度)で行うこともできる。反応温度は、重合法に応じて選択でき、例えば、溶融重合法における反応温度は、150〜300℃、好ましくは180〜290℃、さらに好ましくは200〜280℃程度であってもよい。
なお、ジオール成分とジカルボン酸成分とのエステル化反応は等モル反応であるが、ジオール成分、ジカルボン酸成分の種類によっては、反応系で気散又は気化する場合がある。このような気散又は気化成分(例えば、エチレングリコールなど)は、反応系で過剰量の割合で使用し、反応させてもよい。反応は、重合方法に応じて、溶媒の存在下又は非存在下で行ってもよい。
反応は、触媒の存在下で行ってもよい。触媒としては、ポリエステル樹脂の製造に利用される種々の触媒、例えば、金属触媒などが使用できる。金属触媒としては、例えば、アルカリ金属(ナトリウムなど)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウムなど)、遷移金属(マンガン、亜鉛、カドミウム、鉛、コバルトなど)、周期表第13族金属(アルミニウムなど)、周期表第14族金属(ゲルマニウムなど)、周期表第15族金属(アンチモンなど)などを含む金属化合物が用いられる。金属化合物としては、アルコキシド、有機酸塩(酢酸塩、プロピオン酸塩など)、無機酸塩(ホウ酸塩、炭酸塩など)、金属酸化物などが例示できる。これらの触媒は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。触媒の使用量は、例えば、ジカルボン酸成分1モルに対して、0.01×10−4〜100×10−4モル、好ましくは0.1×10−4〜40×10−4モル程度であってもよい。
反応は、必要に応じて、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤など)などの添加剤の存在下で行ってもよい。
[成形体]
本発明のポリエステル樹脂は、前記のように、成形性が高く、優れた光学的特性(高屈折率、低複屈折など)を有している。そのため、本発明には、前記ポリエステル樹脂で形成された成形体(特に、光学フィルム、光学レンズなどの光学部材又は光学用成形体)も含まれる。成形体の形状は、特に限定されず、用途に応じて、例えば、二次元的構造(フィルム状、シート状、板状など)、三次元的構造(断面多角形状、管状、棒状、中空状、凸又は凹レンズ状など)などであってもよい。
なお、成形体は、前記ポリエステル樹脂を含んでいればよく、ポリエステル樹脂の特性を損なわない範囲で、種々の添加剤、例えば、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤など)、充填剤又は補強剤、着色剤(染顔料)、導電剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、分散剤、流動調整剤、表面改質剤、炭素材、低応力化剤(シリコーンオイル、シリコーンゴム、各種プラスチック粉末など)、耐熱性改良剤(硫黄化合物やポリシランなど)を含んでいてもよい。これらの添加剤は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
成形体は、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、トランスファー成形法、ブロー成形法、加圧成形法、キャスティング成形法などを利用して製造することができる。
本発明のポリエステル樹脂は、溶融成形性に優れているため、射出成形、押出成形などの成形法を利用して、フィルム又はシート(特に光学フィルム又はシート)、レンズ(光学レンズ)などを形成するのに有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、樹脂又はフィルムの特性の測定や評価は以下の方法によって行った。
(ガラス転移温度(Tg))
示差走査熱量計(セイコーインスツル(株)製、DSC 6220)を用い、アルミパンに試料を入れ、30℃から200℃の範囲でTgを測定した。
(分子量)
ゲル浸透クロマトグラフィ(東ソー(株)製、HLC−8120GPC)を用い、試料をクロロホルムに溶解させ、ポリスチレン換算で、分子量を測定した。
(屈折率)
多波長アッベ屈折計「DR−M2/1550」((株)アタゴ製)を用い、光源波長589nm、測定温度20℃で測定した。
(アッベ数)
多波長アッベ屈折計((株)アタゴ製「DR−M2/1410(循環式恒温水槽60−C3)」)を用いて、測定温度20℃で、接触液にジヨードメタンを使用して、測定波長486nm(F線)、589nm(D線)、656nm(C線)の屈折率nF、nD、nCをそれぞれ測定し、以下の式によって算出した。
アッベ数=(nD−1)/(nF−nC)。
(3倍複屈折)
大塚電子社製リタデーション測定装置RETS−100を用い、回転検光子法により、600nmの単色光でリタデーションを測定し、このリタデーション値を測定部位の厚みで除して複屈折を算出した。
測定に用いた試験片は、以下の手順で作製した。樹脂を160〜240℃でプレス成形し、厚み100〜400μmのフィルムを得た。得られたフィルムを15mm×50mmの短冊状に切り出し、ガラス転移温度(Tg)+10℃の温度で延伸倍率3倍に25mm/分で一軸延伸し、測定用試験片を作製した。得られた試験片を上記方法で測定し、3倍複屈折を求めた。
(合成例1)
1Lのセパラブルフラスコに、9−フルオレノン45g(0.25モル、大阪ガスケミカル(株)製)、エチレングリコールモノ(2−ナフチル)エーテル188g(1モル)、3−メルカプトプロピオン酸1gを投入した後に、60℃まで加温して完全に溶解させた。その後、硫酸54gを徐々に投入して、60℃を維持しつつ5時間攪拌したところ、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて9−フルオレノンの転化率が99%以上であることを確認できた。得られた反応液に48重量%水酸化ナトリウム水溶液を投入して中和した後、キシレン400gを添加して蒸留水にて数回洗浄し、冷却することで結晶を析出させた。さらに、ろ過して乾燥したところ、87g(収率67%)の結晶として、目的とする9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン(BNEF)を得た。得られた結晶のHPLC純度を測定したところ、98.3%であった。なお、得られたサンプルは、H−NMR及びマススペクトルにより、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン(BNEF)であることを確認した。
(合成例2)
セパラブルフラスコに、2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル(東京化成工業(株)製、以下、BINOLという)89g(0.31モル)、炭酸カリウム86g(0.62モル)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)295gを投入し、100℃まで加熱した後、DMF 112gにエチレンカーボネート110g(1.25モル)を溶解した溶液を徐々に投入し、100℃で2時間攪拌した。HPLCでBINOLの転化率が99%以上であることを確認した。得られた反応混合液に蒸留水800gと酢酸エチル900gとを添加し、蒸留水で数回洗浄し、減圧濃縮した後、酢酸エチル/エタノール=1/1(重量比)混合溶媒から再結晶した。析出物を濾過して乾燥したところ、結晶67g(収率58%)を得た。この結晶の純度をHPLCで測定したところ、94.8%であった。また、H−NMR及びマススペクトルにより、前記結晶が、目的化合物2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン(以下、BINOL−2EOという)であることを確認した。
(合成例3)
10Lのセパラブルフラスコに、炭酸カリウム431g(3.12モル)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド82g(0.360モル)、メチルイソブチルケトン(MIBK)458gを添加し、室温にて完全に溶解させた。得られた混合液に、予め60℃で加温して完全に溶解させた9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(BCF、大阪ガスケミカル(株)製)454g(1.209モル)、モノクロロ酢酸エチル353g(2.874モル)、MIBK 911gの溶液を室温にて1時間かけて滴下し、60℃で13時間攪拌した。MIBK 1.56kgを追加し、イオン交換水にてpHが7になるまで洗浄した後、減圧濃縮して黄色粘性物615gを得た。その後、得られた黄色粘性物をヘキサン/酢酸エチル=10/1(重量比)の混合溶媒にてカラム分離を行い、白色結晶374g(収率68%)を得た。得られた結晶の純度をHPLCで測定したところ、98.1%であった。なお、得られたサンプルは、H−NMRにより、下記式で表される化合物、9,9−ビス[4−(エトキシカルボニルメトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン(以下、BCFカルボン酸エチルという)であることを確認した。
Figure 2018059074
(合成例4)
1Lのセパラブルフラスコに、炭酸カリウム101g(0.727モル)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド10g(0.042モル)、アセトン80gを添加し、室温にて完全に溶解させた。得られた混合液に、予め60℃で加温して完全に溶解させたBINOL 80g(0.280モル)、モノクロロ酢酸エチル81g(0.658モル)、アセトン160gの溶液を室温にて滴下し、60℃で5時間攪拌した。キシレン241gを投入し、蒸留水にてpHが7になるまで洗浄してから減圧濃縮し、キシレン/メタノールの混合溶媒にて再結晶して、白色結晶116g(収率90%)を得た。得られた結晶の純度をHPLCで測定したところ、99.0%であった。なお、得られたサンプルは、H−NMRにより、下記式で表される化合物、2,2’−ビス(エトキシカルボニルメトキシ)−1,1’ビナフチル(以下、BNAC−Eという)であることを確認した。
Figure 2018059074
(実施例1)
反応器に、合成例1のBNEF(0.60モル)、合成例2のBINOL−2EO(0.20モル)、エチレングリコール(以下、EGという)(2.20モル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(以下、DMNという)(0.30モル)、9,9−ジ(2−メトキシカルボニルエチル)フルオレン(9,9−ジ(カルボキシエチル)フルオレン又はフルオレン−9,9−ジプロピオン酸のジメチルエステル、以下、FDPMという)0.70モル、エステル交換触媒として酢酸マンガン・4水和物2×10−4モル及び酢酸カルシウム・1水和物8×10−4モルを加えて攪拌しながら徐々に加熱溶融し、250℃まで昇温した後、10000Paまで段階的に減圧した。270℃、0.13kPa以下に到達するまで徐々に昇温、減圧しながらエチレングリコールを除去した。所定の攪拌トルクに到達後、内容物を反応器から取り出し、ポリエステル樹脂のペレットを得た。
なお、FDPMは、特開2005−89422号公報の実施例1において、アクリル酸t−ブチルに代えてアクリル酸メチルを用いて合成した。
得られたペレットを、NMRにより分析したところ、ポリエステル樹脂に導入されたジオール成分の60モル%がBNEF由来、20モル%がBINOL−2EO由来、20モル%がEG由来であり、ポリエステル樹脂に導入されたジカルボン酸成分の30モル%がDMN由来、70モル%がFDPM由来であった。
また、得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwは36800、ガラス転移温度Tgは147.4℃、屈折率は1.6683、アッベ数は19.4、3倍複屈折は40.5×10−4であった。
(実施例2〜18及び比較例1〜6)
EGを除くジオール成分及びジカルボン酸成分を、表1及び2に示す割合で仕込む以外は、実施例1と同様にして反応させ、表1に示す割合で各成分由来の単位が導入されたポリエステル樹脂を得た。なお、EGの仕込み量は、全ての実施例及び比較例において、実施例1と同様に2.20モルとした。
なお、表1において、「BOPPEF」は9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレンを示し、特開2001−206863号公報の実施例4と同様にして合成した。
「BPEF」は9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(大阪ガスケミカル(株)製、以下、BPEFという)を示す。
結果を表1及び2に示す。
Figure 2018059074
Figure 2018059074
表1及び2から明らかなように、実施例のポリエステル樹脂は、高い屈折率(例えば、1.65以上)を有するとともに、複屈折が低く、しかも溶融成形に適したガラス転移温度(例えば、Tg120〜155℃程度)を有している。これに対して、BPEFとBINOL−2EOとを用いた比較例のポリエステル樹脂は、屈折率が低く、ガラス転移温度が120〜130℃程度であり溶融成形性には適しているものの耐熱性が低い。
なお、実施例1〜3は、高い屈折率、低い複屈折、及び溶融成形性のバランスに優れるとともに、着色も少なかった。また、実施例17〜18では、高い屈折率、低い複屈折、溶融成形性及び耐熱性のバランスを維持しつつ、屈折率を顕著に向上できた。
本発明のポリエステル樹脂は、高屈折率、高耐熱性、低複屈折性、高透明性などの優れた光学的特性を有しており、また、耐熱性などの各種特性にも優れている。そのため、本発明のポリエステル樹脂(又はその樹脂組成物)は、光学レンズ、光学フィルム、光学シート、ピックアップレンズ、ホログラム、液晶用フィルム、有機EL用フィルムなどに好適に利用できる。また、本発明のポリエステル樹脂(又はその樹脂組成物)は、塗料、インキ(又はインク)などのコーティング剤、帯電防止剤、接着剤、粘着剤、樹脂充填材、帯電トレイ、導電シート、保護膜(電子機器、液晶部材などの保護膜など)、電気・電子材料(キャリア輸送剤、発光体、有機感光体、感熱記録材料、ホログラム記録材料)、電気・電子部品又は機器(光ディスク、インクジェットプリンタ、デジタルペーパ、有機半導体レーザ、色素増感型太陽電池、EMIシールドフィルム、フォトクロミック材料、有機EL素子、カラーフィルタなど)用の樹脂、機械部品又は機器(自動車、航空・宇宙材料、センサ、摺動部材など)用の樹脂などに好適に利用できる。
特に、本発明のポリエステル樹脂は、光学的特性に優れているため、光学用途の成形体(光学用成形体)を構成(又は形成)するのに有用である。このような前記ポリエステル樹脂で形成(構成)された光学用成形体としては、例えば、光学フィルム、光学レンズなどが挙げられる。光学フィルムとしては、偏光フィルム(及びそれを構成する偏光素子と偏光板保護フィルム)、位相差フィルム、配向膜(配向フィルム)、視野角拡大(補償)フィルム、拡散板(フィルム)、プリズムシート、導光板、輝度向上フィルム、近赤外吸収フィルム、反射フィルム、反射防止(AR)フィルム、反射低減(LR)フィルム、アンチグレア(AG)フィルム、透明導電(ITO)フィルム、異方導電性フィルム(ACF)、電磁波遮蔽(EMI)フィルム、電極基板用フィルム、カラーフィルタ基板用フィルム、バリアフィルム、カラーフィルタ層、ブラックマトリクス層、光学フィルム同士の接着層もしくは離型層などが挙げられる。とりわけ、本発明のフィルムは、機器のディスプレイに用いる光学フィルムとして有用である。このような本発明の光学フィルムを備えたディスプレイ用部材(又はディスプレイ)としては、具体的には、パーソナル・コンピュータのモニタ、テレビジョン、携帯電話、カー・ナビゲーションシステム、タッチパネルなどのFPD装置(例えば、LCD、PDPなど)などが挙げられる。

Claims (12)

  1. 少なくとも9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有するジオール成分を含むジオール成分と、少なくとも多環式芳香族骨格を有するジカルボン酸成分を含むジカルボン酸成分とを重合成分とするポリエステル樹脂であって、前記ジオール成分が、下記式(1)
    Figure 2018059074
    (式中、環Z、Zは同一又は異なって多環式アレーン環を示し、Ar及びArは同一又は異なってアレーン環を示し、R1a及びR1bは同一又は異なってアルキレン基、m1及びm2は同一又は異なって0又は1以上の整数、R2a、R2b、R3a及びR3bは同一又は異なって置換基、n1、n2、k1及びk2は同一又は異なって0又は1〜4の整数を示す)
    で表される第1のジオール成分と、下記式(2)
    Figure 2018059074
    (式中、Ar及びArは同一又は異なってアレーン環を示し、R4a及びR4bは同一又は異なって置換基、p1及びp2は同一又は異なって0又は1〜4の整数を示し、R1a、R1b、m1及びm2は前記に同じ)
    で表される第2のジオール成分とを含み、
    前記ジカルボン酸成分が、下記式(3a)〜(3d)
    Figure 2018059074
    (式中、X1a、X1b及びXは同一又は異なって置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を示し、qは0〜4の整数を示し、R5a及びR5bはそれぞれ独立してハロゲン原子、ヒドロキシル基又はアルコキシ基を示し、Z及びZ、Ar及びAr並びにAr及びArはそれぞれ独立してアレーン環を示し、R6a及びR6b、R7a及びR7b並びにR8a及びR8bはそれぞれ独立して置換基を示し、A1a及びA1b、A2a及びA2b、A3a及びA3b並びにA4a及びA4bはそれぞれ独立してアルキレン基を示し、r1及びr2、s1及びs2、t1及びt2、u1及びu2並びにv1及びv2はそれぞれ独立して0以上の整数を示し、R3a、R3b、k1及びk2は前記に同じ)
    で表されるジカルボン酸成分から選択された少なくとも1種の第1のジカルボン酸成分を含む、ポリエステル樹脂。
  2. 式(1)において、環Z及びZがナフタレン環であり、Ar及びArが、同一又は異なって、ベンゼン環又はナフタレン環であり、R1a及びR1bが直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基、m1及びm2が1〜10の整数であり、R2a及びR2bが同一又は異なって、C1−4アルキル基又はC6−10アリール基、n1及びn2が0〜2の整数であり、
    式(2)において、環Ar及びArがベンゼン環又はナフタレン環、R1a及びR1bが直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基、m1及びm2が1〜10の整数であり、
    式(3a)及び(3b)において、X1a、X1b及びXがアリール基又はシクロアルキル基を有していてもよい直鎖状又は分岐鎖状C1−8アルキレン基であり、qが0〜2の整数であり、
    式(3c)において、環Z及びZ並びに環Ar及びArがそれぞれ独立してベンゼン環又はナフタレン環、R7a及びR7bがC1−4アルキル基又はC6−10アリール基、s1及びs2が0〜2の整数、A1a及びA1bが直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基、t1及びt2が0〜10の整数、A2a及びA2bが直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基であり、
    式(3d)において、環Ar及びArがそれぞれ独立してベンゼン環又はナフタレン環、A3a及びA3bが直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基、v1及びv2が0〜10の整数、A4a及びA4bが直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基である請求項1記載のポリエステル樹脂。
  3. ジカルボン酸成分が、単環式芳香族ジカルボン酸成分及び多環式芳香族ジカルボン酸成分から選択された少なくとも一種の第2のジカルボン酸成分を含む請求項1又は2記載のポリエステル樹脂。
  4. ジオール成分が、脂肪族ジオール成分及び脂環族ジオール成分から選択された少なくとも1種の第3のジオール成分を含む請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
  5. 式(1)で表される第1のジオール成分と、式(2)で表される第2のジオール成分との割合が、前者/後者(モル比)=0.9/0.1〜0.1/0.9であり、
    式(3a)〜(3d)で表される第1のジカルボン酸成分の割合が、ジカルボン酸成分全体に対して、30〜100モル%である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
  6. 式(1)で表される第1のジオール成分と、式(3a)〜(3d)で表される第1のジカルボン酸成分との割合が、前者/後者(モル比)=1.5/1〜0.2/1である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
  7. 式(2)で表される第2のジオール成分と、式(3a)〜(3d)で表される第1のジカルボン酸成分との割合が、前者/後者(モル比)=1.5/1〜0.05/1である請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
  8. 式(2)で表される第2のジオール成分、及び式(3a)〜(3d)で表される第1のジカルボン酸成分の単量体単位が、樹脂全体に対して30〜80モル%の割合で導入されている請求項1〜7のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
  9. 20℃、波長589nmでの屈折率が1.65〜1.7であり、複屈折が65×10−4以下であり、ガラス転移温度が115〜160℃である請求項1〜8のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
  10. 請求項1記載の第1のジオール成分及び第2のジオール成分を含むジオール成分と、請求項1記載の第1のジカルボン酸成分を含むジカルボン酸成分とを重合し、ポリエステル樹脂を製造する方法。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載のポリエステル樹脂で形成された成形体。
  12. 光学部材である請求項11記載の成形体。
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