JP7221706B2 - 熱可塑性樹脂および光学部材 - Google Patents

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Description

本発明は、高い屈折率を有し、かつ耐熱性と成形性とをバランスさせることができる熱可塑性樹脂に関する。
カメラ、ビデオカメラあるいはカメラ付携帯電話、テレビ電話あるいはカメラ付ドアホンなどには、撮像モジュールが用いられている。近年、この撮像モジュールに用いられる光学系では、特に小型化が求められている。光学系を小型化していくと光学系の色収差が大きな問題となる。そこで、光学レンズの屈折率を高く、かつアッベ数を小さくして高分散にした光学レンズ材料と、屈折率を低くかつアッベ数を大きくして低分散にした光学レンズ用材料を組み合わせることで、色収差の補正を行うことができることが知られている。
光学系の材料として従来用いられていたガラスは要求される様々な光学特性を実現することが可能であると共に、環境耐性に優れているが、加工性が悪いという問題があった。これに対し、ガラス材料に比べて安価であると共に加工性に優れる樹脂が光学部品に用いられてきている。特に、フルオレン骨格やビナフタレン骨格を有する樹脂が、高屈折率である等の理由から使用されている。また、高屈折率を実現するためにヘテロ原子である硫黄を導入している例もある。例えば、特許文献1や2には、ポリチオカーボネートやポリチオエステルで高屈折率を実現している。しかしながら、耐熱性の指標である5%重量減少温度が熱可塑性樹脂としては不十分であり、硫黄をポリマー中に導入するには耐熱性の改善が求められている。
特開2018-141084号公報 特開2018-141085号公報
そこで本発明の目的は、高い屈折率を有し、かつ耐熱性と成形性とをバランスさせることができる熱可塑性樹脂を提供することにある。
本発明者らはこの目的を達成せんとして鋭意研究を重ねた結果、硫黄を含む複素環式化合物であるチオフェンを導入した特定の化合物を有する熱可塑性樹脂が、特異的に5%重量減少温度を向上できることを見出し本発明に到達した。また、この熱可塑性樹脂では、高い屈折率を維持しながら、耐熱性と成形性とを高度にバランスさせることができることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
1.下記式(1)で表される繰り返し単位を含む熱可塑性樹脂。
Figure 0007221706000001
(式中、環Zおよび環Vはそれぞれ独立に、(同一又は異なって)芳香環を示し、R、R、ArおよびArはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、芳香族基を含んでいてもよい炭素原子数1~12の置換基を示し、Z、V、R、R、Ar、Arのいずれかに少なくとも一つのチオフェン骨格を有し、LおよびLはそれぞれ独立に2価の連結基を示し、jおよびkはそれぞれ独立に0以上の整数を示し、mおよびnはそれぞれ独立に0または1を示し、Wは下記式(2)または(3)で表される群より選ばれる少なくとも1つである。)
Figure 0007221706000002
Figure 0007221706000003
(式中、Xは2価の連結基を示す。)
2.前記式(1)に少なくとも二つのチオフェン骨格をもつ、前記1に記載の熱可塑性樹脂。
3.前記式(1)中、ArおよびArはそれぞれ独立に、水素原子、チエニル基、ベンゾチエニル基を示す、前記1~2のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
4.前記式(1)中、ZおよびVは芳香族炭化水素環を示す、前記3に記載の熱可塑性樹脂。
5.前記式(1)中、ZおよびVはベンゼンまたはナフタレンを示す、前記4に記載の熱可塑性樹脂。
6.前記式(1)中、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、フェニル基、ナフチル基、チエニル基、ベンゾチエニル基を示す、前記1~5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
7.前記式(1)中、RおよびRは水素原子またはメチル基を示す、前記6に記載の熱可塑性樹脂。
8.前記式(3)中のXがフェニレン基、ナフタレンジイル基、下記式(4)で表される基および下記式(5)で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つを繰り返し単位として含む前記1~7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
Figure 0007221706000004
(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、芳香族基を含んでもよい炭素原子数1~12の炭化水素基又はハロゲン原子である。)
Figure 0007221706000005
9.下記式(6)~(8)で表される単位からなる群より選ばれる少なくとも1つを繰り返し単位として含む前記1~8のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
Figure 0007221706000006
(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、芳香族基を含んでもよい炭素原子数1~12の炭化水素基又はハロゲン原子である。)
Figure 0007221706000007
(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、芳香族基を含んでもよい炭素原子数1~12の置換基又はハロゲン原子である。)
Figure 0007221706000008
(式中、RおよびR10はそれぞれ独立して水素原子、芳香族基を含んでもよい炭素原子数1~12の置換基又はハロゲン原子であり、Uは単結合または2価の連結基である。)
10.5%重量減少温度が360℃以上である前記1~9のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
11.前記5%重量減少温度が380℃以上である前記10に記載の熱可塑性樹脂
12.ガラス転移温度が130~180℃である前記1~11のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
13.比粘度が0.12~0.40である前記1~12のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
14.屈折率が1.620~1.780である前記1~13のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
15.前記1~14のいずれかに記載の熱可塑性樹脂からなる光学部材。
16.光学レンズである前記15に記載の光学部材。
本発明の熱可塑性樹脂は、高い屈折率を有し、かつ耐熱性と成形性とをバランスさせることができるため、光学レンズ、プリズム、光ディスク、透明導電性基板、光カード、シート、フィルム、光ファイバー、光学膜、光学フィルター、ハードコート膜等の光学部材に用いることができ、特に光学レンズに極めて有用であり、そのため、その奏する産業上の効果は格別である。
参考例1で得られた9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレンのH NMRである。 実施例1で得られたポリカーボネート樹脂のH NMRである。
本発明をさらに詳しく説明する。
<熱可塑性樹脂>
本発明の熱可塑性樹脂は、下記式(1)で表される繰り返し単位を含有する。
Figure 0007221706000009
(式中、環Zおよび環Vはそれぞれ独立に、(同一又は異なって)芳香環を示し、R、R、ArおよびArはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、芳香族基を含んでいてもよい炭素原子数1~12の置換基を示し、Z、V、R、R、Ar、Arのいずれかに少なくとも一つのチオフェン骨格を有し、LおよびLはそれぞれ独立に2価の連結基を示し、jおよびkはそれぞれ独立に0以上の整数を示し、mおよびnはそれぞれ独立に0または1を示し、Wは下記式(2)または(3)で表される群より選ばれる少なくとも1つである。)
Figure 0007221706000010
Figure 0007221706000011
(式中、Xは2価の連結基を示す。)
前記式(1)において環Zまたは環Vで表される芳香環としては、芳香族炭化水素環、チオフェン、ベンゾチオフェンなどが挙げられ、芳香族炭化水素環としては、ベンゼンの他、少なくともベンゼン環骨格を有する縮合多環式芳香族炭化水素環が挙げられ、例えば、縮合二環式炭化水素環、縮合三環式炭化水素環等の縮合二乃至四環式炭化水素環などが好ましい。
縮合二環式炭化水素環としては、インデン、ナフタレン等の炭素原子数8~20が好ましく、炭素原子数10~16縮合二環式炭化水素環がより好ましい。また、縮合三環式炭化水素環としては、アントラセン、フェナントレン等が好ましい。
環Zのうち、芳香族炭化水素環が好ましく、ベンゼン、ナフタレンがより好ましく、ベンゼンがさらに好ましい。
環Vのうち、芳香族炭化水素環、ベンゾチオフェンが好ましく、ベンゼン、ナフタレン、ベンゾチオフェンがより好ましく、ベンゼン、ナフタレンがさらに好ましく、ベンゼンがよりいっそう好ましい。
前記式(1)においてArおよびArはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、芳香族基を含んでいてもよい炭素原子数1~12の置換基を示し、水素原子、フェニル基、ナフチル基、チエニル基、ベンゾチエニル基が好ましく、水素原子、チエニル基、ベンゾチエニル基がより好ましく、チエニル基、ベンゾチエニル基がさらに好ましく、チエニル基がよりいっそう好ましい。
前記式(1)においてRおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、芳香族基を含んでいてもよい炭素原子数1~12の置換基を示し、水素原子、メチル基、フェニル基、ナフチル基、チエニル基、ベンゾチエニル基が好ましく、水素原子、エチル基、フェニル基、ナフチル基がより好ましく、水素原子、メチル基がさらに好ましく、水素原子がよりいっそう好ましい。
また、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが好ましい。
また、芳香族基を含んでいてもよい炭素原子数1~12の置換基としては、フェニル基、ナフチル基、チエニル基またはベンゾチエニル基などが好ましい。
また、ナフチル基の具体例として、1-ナフチル基または2-ナフチル基などが好ましい。
また、チエニル基の具体例として、2-チエニル基または3-チエニル基などが好ましい。
また、ベンゾチエニル基の具体例として、2-ベンゾ[b]チエニル基または3-ベンゾ[b]チエニル基などが好ましい。
前記式(1)において、L、Lはそれぞれ独立に2価の連結基を示し、炭素数1~12のアルキレン基であると好ましく、炭素数1~4のアルキレン基であるとより好ましく、エチレン基であるとさらに好ましい。L、Lの連結基の長さを調整することによって、樹脂のガラス転移温度(Tg)を調整することができる。
前記式(1)において、Wは前記式(2)または(3)で表される群より選ばれる少なくとも1つである。Wが前記式(2)である場合、前記式(1)はカーボネート単位となり、Wが前記式(3)である場合、前記式(1)はエステル単位となる。
前記式(1)はジヒドロキシ化合物と炭酸エステルなどのカーボネート前駆物質、またはジヒドロキシ化合物とジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とから得ることができる。
前記式(1)において、環Vがベンゾチオフェンの場合、フルオレンを基準として左右対称位置であることが好ましく、1,2位と7,8位、2,3位と6,7位、3位,4位と5位,6位に縮環していると好ましく、2,3位と6,7位に縮環しているとさらに好ましい。
チオフェン骨格の数は、少なくとも二つ以上であることが好ましい。チオフェン骨格の導入する数が多くなるほど屈折率を向上させることができる。
本発明の効果である高屈折率および耐熱性をバランスさせることができる理由として以下のことが考えられる。
すなわち、Lorentz-Lorenz式として知られている分子構造と屈折率の関係式から、分子の電子密度を上げることによって物質の屈折率が高くなることが知られている。従来技術である硫黄原子を有する樹脂はこの理論に基づき、分子内に硫黄原子を導入することで高屈折率化がなされている。特許文献1、2では、電子密度の高い硫黄原子を導入することにより屈折率を向上させている。
本発明は、これら従来技術では達成できていない、高い屈折率とすぐれた耐熱性の両立した樹脂を得ることができるものである。硫黄と炭素の単結合の結合エネルギーは炭素と炭素の単結合の結合エネルギーよりも小さく、C-S結合部位は熱により開裂しやすく耐熱性が低い。チオフェン骨格にすることにより、芳香環の中に硫黄が組み込まれて安定化されるため、C-Sの結合が強固になり硫黄による高屈折率化と耐熱性の両立を実現することができると考えられる。
チオフェン骨格の導入は主鎖でも側鎖でも良いが、側鎖に導入することでより共役が広がるため分子の電子密度が高まり、高屈折率化に寄与することができる。さらに、チオフェンは五員環であるため芳香環と単結合を形成した際に水素原子による立体障害が小さく、隣の芳香環との面の角度が六員環のベンゼンやナフタレンと比較して小さくなることでより共役が広がり電子密度を高めることができると考えられる。
また、チオフェン環を導入することで硫黄原子単体よりもさらに分子の電子密度が高くなるため、高屈折率化に寄与することができる。
前記式(1)で表される繰り返し単位は、全繰り返し単位を基準として下限は、5mol%以上含有することが好ましく、20mol%以上含有することがより好ましく、30mol%以上含有することがさらに好ましい。前記式(1)で表される繰り返し単位が、前記範囲であると高屈折率であり好ましい。また、上限は、100mol%以下含有することが好ましく、80mol%以下含有することがより好ましく、70mol%以下含有することがさらに好ましい。前記式(1)で表される繰り返し単位が前記範囲であると屈折率、耐熱性と成形性のバランスに優れるため好ましい。
前記式(3)において、Xは2価の連結基を示し、炭素原子数1~30の芳香族基を含んでいてもよい炭化水素基であることが好ましく、フェニレン基、ナフタレンジイル基、前記式(4)または前記式(5)で表される基であることがより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂において、前記式(6)~(8)で表される単位からなる群より選ばれる少なくとも1つを繰り返し単位として含む場合、前記式(1)で表される繰り返し単位と前記式(6)~(8)で表される単位からなる群との繰り返し単位のmol比が95:5~5:95であることが好ましく、80:20~20:80であるとより好ましく、70:30~30:70であるとさらに好ましい。前記式(1)で表される繰り返し単位と前記式(6)~(8)で表される単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位とのmol比が、前記範囲であると、高屈折率であることに加え、成形性のバランスにも優れるため好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂の5%重量減少温度は、窒素雰囲気下で昇温速度20℃/分での5%重量減少温度であり、360℃以上であることが好ましく、370℃以上であるとさらに好ましく、380℃以上であるとよりいっそう好ましく、390℃以上であると最も好ましい。5%重量減少温度が360℃以上であると耐熱性が高い。
本発明の熱可塑性樹脂の比粘度は、0.12~0.40であることが好ましく、0.14~0.35であるとさらに好ましく、0.16~0.30であるとよりいっそう好ましい。比粘度が上記範囲内であると成形性と機械強度のバランスに優れるため好ましい。なお、比粘度は、樹脂0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液を用いて、20℃にて測定して得られる。
本発明の熱可塑性樹脂の25℃で測定した波長589nmの屈折率(以下nDと略すことがある)は、1.620~1.780であることが好ましく、1.640~1.780であるとより好ましく、1.650~1.780であるとよりいっそう好ましく、1.660~1.780であると最も好ましい。屈折率が下限以上の場合、光学レンズの球面収差を低減でき、さらに光学レンズの焦点距離を短くすることができる。
本発明の熱可塑性樹脂は高屈折率であるが、さらに低アッベ数であることが好ましい。
アッベ数(ν)は、10~21であることが好ましく、12~19であるとより好ましく、12~16であるとよりいっそう好ましい。アッベ数は25℃で測定した波長486nm、589nm、656nmの屈折率から下記式を用いて算出する。
ν=(nD-1)/(nF-nC)
なお、本発明においては、
nD:波長589nmでの屈折率、
nC:波長656nmでの屈折率、
nF:波長486nmでの屈折率を意味する。
本発明の熱可塑性樹脂は、配向複屈折の絶対値(|Δn|)が0~10×10-3 で有ることが好ましく、より好ましくは0~5×10-3 、さらに好ましくは0~3×10-3 の範囲である。Δnは、本発明の熱可塑性樹脂より得られる厚さ100μmのフィルムをTg+10℃の温度で2倍延伸し、波長589nmにおける位相差を測定して下記式による求める。|Δn|が上記範囲内であると、光学レンズの光学歪が小さくなるため好ましい。
|Δn|=|Re/d|
Δn:配向複屈折
Re:位相差(nm)
d:厚さ(nm)
本発明の熱可塑性樹脂は、Tgが130~180℃であることが好ましく、140~175℃であるとより好ましく、140~170℃であるとさらに好ましい。ガラス転移温度が上記範囲内であると、耐熱性と成形性のバランスに優れるため好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂は、23℃の水に、24時間浸漬した後の吸水率が0.25質量%以下であると好ましく、0.20重量%以下であるとより好ましい。吸水率が上記範囲内であると、吸水による光学特性の変化が小さいため好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂に使用する具体的な原料について、以下で説明する。
<原料モノマー>
(前記式(1)のジヒドロキシ化合物成分)
本発明において、前記式(1)の原料となるジヒドロキシ化合物成分は、単独で使用してもよく、または二種以上組み合わせて用いてもよい。
Figure 0007221706000012
前記式(a)において、環Z、環V、R、R、Ar、Ar、L、L、j、k、mおよびnは、前記式(1)における各式と同じである。
以下、前記式(a)で表されるジヒドロキシ化合物の代表的な具体例を示すが、本発明の前記式(1)に用いられる原料としては、それらによって限定されるものではない。
環Vがベンゼンの場合においては、下記式(a―1)、(a―2)で表される、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-1,8-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-1,8-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-1,8-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-1,8-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-1,8-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,8-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-1,8-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-1,8-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-1,8-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-1,8-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-1,8-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-1,8-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-1,8-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-1,8-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-1,8-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,8-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-1,8-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-1,8-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-1,8-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-1,8-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-1,8-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-1,8-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-1,8-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-1,8-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-1,8-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,8-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-1,8-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-1,8-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-1,8-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-1,8-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-1,8-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-1,8-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-1,8-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-1,8-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-1,8-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,8-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-1,8-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-1,8-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-1,8-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-1,8-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-2,7-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-2,7-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-2,7-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-2,7-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-2,7-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2,7-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-2,7-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-2,7-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-2,7-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-2,7-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-2,7-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-2,7-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-2,7-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-2,7-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2,7-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-2,7-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-2,7-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-2,7-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-3,6-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-3,6-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-3,6-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-3,6-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-3,6-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,6-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-3,6-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-3,6-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-3,6-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-3,6-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-3,6-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-3,6-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-3,6-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-3,6-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-3,6-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,6-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-3,6-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-3,6-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-3,6-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-3,6-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-3,6-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-3,6-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-3,6-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-3,6-ジ(2ベンゾ-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-3,6-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフ


ェニル)-3,6-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-3,6-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-3,6-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-3,6-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-3,6-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-3,6-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-3,6-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-3,6-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-3,6-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-3,6-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,6-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-3,6-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-3,6-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-3,6-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-3,6-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-4,5-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-4,5-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-4,5-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-4,5-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4,5-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4,5-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-4,5-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-4,5-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-4,5-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-4,5-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-4,5-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-4,5-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-4,5-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4,5-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4,5-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-4,5-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-4,5-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-4,5-ジ(3-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-4,5-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-4,5-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-4,5-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-4,5-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4,5-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4,5-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-4,5-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-4,5-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-4,5-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-4,5-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-4,5-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-4,5-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-4,5-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-4,5-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4,5-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4,5-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-4,5-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-4,5-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-4,5-ジ(3-ベンゾチエニル)フルオレンが好ましく挙げられる。
Figure 0007221706000013
(式中、Arはチエニル基またはベンゾチエニル基を示し、置換位置はフルオレンの1,8位、2,7位、3,6位、4,5位のいずれかである。)
Figure 0007221706000014
(式中、Arはチエニル基またはベンゾチエニル基を示し、置換位置は1,8位、2,7位、3,6位、4,5位のいずれかである。)
環Zがベンゼン、環Vがベンゾチオフェンの場合においては、下記式(a―3)、(a―4)で表される、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-ジチエノ[2,3-a:2’,3’-i]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-ジチエノ[2,3-a:2’,3’-i]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-ジチエノ[2,3-a:2’,3’-i]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-ジチエノ[3,2-a:3’,2’-i]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-ジチエノ[3,2-a:3’,2’-i]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-ジチエノ[3,2-a:3’,2’-i]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-ジチエノ[2,3-b:2’,3’-h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-ジチエノ[2,3-b:2’,3’-h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-ジチエノ[2,3-b:2’,3’-h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-ジチエノ[3,2-b:3’,2’-h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-ジチエノ[3,2-b:3’,2’-h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-ジチエノ[3,2-b:3’,2’-h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-ジチエノ[2,3-c:2’,3’-g]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-ジチエノ[2,3-c:2’,3’-g]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-ジチエノ[2,3-c:2’,3’-g]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-ジチエノ[3,2-c:3’,2’-g]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-ジチエノ[3,2-c:3’,2’-g]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-ジチエノ[3,2-c:3’,2’-g]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-ジチエノ[2,3-a:2’,3’-i]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-ジチエノ[2,3-a:2’,3’-i]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-ジチエノ[2,3-a:2’,3’-i]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-ジチエノ[3,2-a:3’,2’-i]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-ジチエノ[3,2-a:3’,2’-i]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-ジチエノ[3,2-a:3’,2’-i]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-ジチエノ[2,3-b:2’,3’-h]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-ジチエノ[2,3-b:2’,3’-h]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-ジチエノ[2,3-b:2’,3’-h]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-ジチエノ[3,2-b:3’,2’-h]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-ジチエノ[3,2-b:3’,2’-h]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-ジチエノ[3,2-b:3’,2’-h]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-ジチエノ[2,3-c:2’,3’-g]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-ジチエノ[2,3-c:2’,3’-g]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-ジチエノ[2,3-c:2’,3’-g]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-ジチエノ[3,2-c:3’,2’-g]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-ジチエノ[3,2-c:3’,2’-g]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-ジチエノ[3,2-c:3’,2’-g]フルオレンが好ましく挙げられる。
Figure 0007221706000015
Figure 0007221706000016
環Zがナフタレン、環Vがベンゾチオフェンの場合においては、下記式(a―5)、(a―6)で表される、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-ジチエノ[2,3-a:2’,3’-i]フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-ジチエノ[2,3-a:2’,3’-i]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-ジチエノ[3,2-a:3’,2’-i]フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-ジチエノ[3,2-a:3’,2’-i]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-ジチエノ[2,3-b:2’,3’-h]フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-ジチエノ[2,3-b:2’,3’-h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-ジチエノ[3,2-b:3’,2’-h]フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-ジチエノ[3,2-b:3’,2’-h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-ジチエノ[2,3-c:2’,3’-g]フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-ジチエノ[2,3-c:2’,3’-g]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-ジチエノ[3,2-c:3’,2’-g]フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-ジチエノ[3,2-c:3’,2’-g]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-ジチエノ[2,3-a:2’,3’-i]フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-ジチエノ[2,3-a:2’,3’-i]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-ジチエノ[3,2-a:3’,2’-i]フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-ジチエノ[3,2-a:3’,2’-i]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-ジチエノ[2,3-b:2’,3’-h]フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-ジチエノ[2,3-b:2’,3’-h]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-ジチエノ[3,2-b:3’,2’-h]フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-ジチエノ[3,2-b:3’,2’-h]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-ジチエノ[2,3-c:2’,3’-g]フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-ジチエノ[2,3-c:2’,3’-g]フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-ジチエノ[3,2-c:3’,2’-g]フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-ジチエノ[3,2-c:3’,2’-g]フルオレンが好ましく挙げられる。
Figure 0007221706000017
Figure 0007221706000018
環Zがベンゼン、環Vがナフタレンの場合においては、下記式(a―7)、(a―8)で表される、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-(2-チエニル)フェニル)-ジベンゾ[a,i]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-(3-チエニル)フェニル)-ジベンゾ[a,i]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-(2-ベンゾチエニル)フェニル)-ジベンゾ[a,i]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-(3-ベンゾチエニル)フェニル)-ジベンゾ[a,i]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-(2-チエニル)フェニル)-ジベンゾ[b,h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-(3-チエニル)フェニル)-ジベンゾ[b,h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-(2-ベンゾチエニル)フェニル)-ジベンゾ[b,h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-(3-ベンゾチエニル)フェニル)-ジベンゾ[b,h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-(2-チエニル)フェニル)-ジベンゾ[c,g]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-(3-チエニル)フェニル)-ジベンゾ[c,g]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-(2-ベンゾチエニル)フェニル)-ジベンゾ[c,g]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-(3-ベンゾチエニル)フェニル)-ジベンゾ[c,g]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシ)-3-(2-チエニル)フェニル)-ジベンゾ[a,i]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシ)-3-(3-チエニル)フェニル)-ジベンゾ[a,i]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシ)-3-(2-ベンゾチエニル)フェニル)-ジベンゾ[a,i]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシ)-3-(3-ベンゾチエニル)フェニル)-ジベンゾ[a,i]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシ)-3-(2-チエニル)フェニル)-ジベンゾ[b,h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシ)-3-(3-チエニル)フェニル)-ジベンゾ[b,h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシ)-3-(2-ベンゾチエニル)フェニル)-ジベンゾ[b,h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシ)-3-(3-ベンゾチエニル)フェニル)-ジベンゾ[b,h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシ)-3-(2-チエニル)フェニル)-ジベンゾ[c,g]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシ)-3-(3-チエニル)フェニル)-ジベンゾ[c,g]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシ)-3-(2-ベンゾチエニル)フェニル)-ジベンゾ[c,g]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシ)-3-(3-ベンゾチエニル)フェニル)-ジベンゾ[c,g]フルオレンが好ましく挙げられる。
Figure 0007221706000019
(式中、Rはチエニル基またはベンゾチエニル基を示す。)
Figure 0007221706000020
(式中、Rはチエニル基またはベンゾチエニル基を示す。)
なかでも、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-(2-チエニル)フェニル)-ジベンゾ[b,h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-(2-ベンゾチエニル)フェニル)-ジベンゾ[b,h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシ)-3-(2-チエニル)フェニル)-ジベンゾ[b,h]フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシ)-3-(2-ベンゾチエニル)フェニル)-ジベンゾ[b,h]フルオレン、がより好ましい。
なかでも下記式(1-1)~(1-6)に示す、下記式(1-1):9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、下記式(1-2):9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、下記式(1-3):9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、下記式(1-4):9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、下記式(1-5):9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレン、下記式(1-6):9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2,7-ジ(2-ベンゾチエニル)フルオレンがより好ましく、特に、下記式(1-1):9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン、下記式(1-3):9,9-ビス(6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレンがさらに好ましい。これらは単独で使用してもよく、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 0007221706000021
Figure 0007221706000022
Figure 0007221706000023
Figure 0007221706000024
Figure 0007221706000025
Figure 0007221706000026
(前記式(1)のジカルボン酸成分)
本発明の熱可塑性樹脂の前記式(1)で表される単位に使用するジカルボン酸成分は主として、式(b)で表されるジカルボン酸、またはそのエステル形成性誘導体が好ましく用いられる。
Figure 0007221706000027
前記式(b)において、Xは2価の連結基を示し、前記式(3)で説明したのと同様なことが言える。
以下、前記式(b)で表されるジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体の代表的具体例を示すが、本発明の前記式(b)に用いられる原料としては、それらによって限定されるものではない。
本発明の熱可塑性樹脂に使用するジカルボン酸成分としては、前記式(4)の原料となる2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル、6,6’-ジフェニル-2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル、6,6’-ジブロモ-2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル、前記式(5)の原料となる9,9-ビス(2-カルボキシエチル)フルオレンのほか、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸成分、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の単環式芳香族ジカルボン酸成分、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9-ビス(カルボキシメチル)フルオレン、9,9-ビス(1-カルボキシエチル)フルオレン、9,9-ビス(1-カルボキシプロピル)フルオレン、9,9-ビス(2-カルボキシプロピル)フルオレン、9,9-ビス(2-カルボキシ-1-メチルエチル)フルオレン、9,9-ビス(2-カルボキシ-1-メチルプロピル)フルオレン、9,9-ビス(2-カルボキシブチル)フルオレン、9,9-ビス(2-カルボキシ-1-メチルブチル)フルオレン、9,9-ビス(5-カルボキシペンチル)フルオレン、9,9-ビス(カルボキシシクロヘキシル)フルオレン等の多環式芳香族ジカルボン酸成分、2,2’-ビフェニルジカルボン酸等のビフェニルジカルボン酸成分、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2,6-デカリンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸成分が挙げられ、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル、9,9-ビス(2-カルボキシエチル)フルオレンが好ましく、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル、9,9-ビス(2-カルボキシエチル)フルオレンがより好ましい。これらは単独または二種類以上組み合わせて用いても良い。また、エステル形成性誘導体としては酸クロライドや、メチルエステル、エチルエステル、フェニルエステル等のエステル類を用いてもよい。
(前記式(1)のカーボネート成分)
本発明の熱可塑性樹脂の前記式(1)で表される単位に使用するカーボネート成分としては、ホスゲン、カーボネートエステルがあげられる。カーボネートエステルは、置換されていてもよい炭素数6~10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1~4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
(前記式(6)~(8)の成分)
本発明の熱可塑性樹脂は、さらに前記式(6)~(8)の繰り返し単位を有していてもよく、前記式(6)~(8)の原料となるジヒドロキシ化合物成分を下記に示す。これらは独で使用してもよく、または二種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の前記式(6)の原料となるジヒドロキシ化合物成分は、2,2’-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-3,3’-ジフェニル-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-6,6’-ジフェニル-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-7,7’-ジフェニル-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-3,3’-ジメチル-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-6,6’-ジメチル-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-7,7’-ジメチル-1,1’-ビナフチルが挙げられる。
本発明の前記式(7)の原料となるジヒドロキシ化合物成分は、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)フルオレン等が例示され、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)フルオレンが特に好ましい。これらは単独で使用してもよく、または二種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の前記式(8)の原料となるジヒドロキシ化合物成分は、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、1,3-ビス(2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル)ベンゼン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)デカン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)スルフィド、ビフェノール、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)フルオレン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、10,10-ビス(4-ヒドロキシフェニル)アントロン等が例示され、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィドが特に好ましい。これらは単独で使用してもよく、または二種以上組み合わせて用いてもよい。
(前記式(1)~(8)以外の共重合成分)
本発明の熱可塑性樹脂は、本発明の特性を損なわない程度に他のジヒドロキシ化合物成分を共重合してもよい。他のジヒドロキシ化合物成分は、全繰り返し単位中30mol%未満が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂に使用するその他のジヒドロキシ化合物成分としては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、デカリン-2,6-ジメタノール、ノルボルナンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、シクロペンタン-1,3-ジメタノール、スピログリコール、イソソルビド、イソマンニド、イソイジド、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホン、1,1’-ビ-2-ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ナフタレン等が例示され、これらは単独または二種類以上組み合わせて用いても良い。
本発明の熱可塑性樹脂は、例えばジヒドロキシ化合物成分にホスゲンや炭酸ジエステルなどのカーボネート前駆物質を反応させる方法やジオール成分にジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を反応させる方法等により製造される。以下にその具体例を示す。
<熱可塑性樹脂の製造方法>
(ポリカーボネート樹脂の製造方法)
本発明の熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂である場合は、ジヒドロキシ化合物成分とカーボネート前駆物質を界面重合法または溶融重合法によって反応させて得られる。ポリカーボネート樹脂を製造するに当たっては、必要に応じて触媒、末端停止剤、酸化防止剤等を使用してもよい。
界面重合法による反応は、通常、ジオール成分とホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下で反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ-n-ブチルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0~40℃、反応時間は10分~5時間程度、反応中のpHは9以上に保つことが好ましい。
溶融重合法による反応は、通常、ジヒドロキシ化合物成分とカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下にジヒドロキシ化合物成分とカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するフェノール等のヒドロキシ化合物を留出させる方法により行われる。反応温度は、用いるジオール成分によって異なるが、通常120~350℃の範囲であり、150~300℃であると好ましく、180~270℃であるとより好ましい。反応後期には系を1000~1Pa程度に減圧して生成するヒドロキシ化合物の留出を容易にさせる。反応時間は通常1~8時間程度である。
カーボネートエステルとしては、置換されていてもよい炭素数6~10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1~4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
また、溶融法において重合速度を速めるために重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモン化合物類、マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料のジオール成分1molに対し、1×10-8 ~1×10-3 molの範囲が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂は、その重合反応において、末端停止剤として通常使用される単官能ヒドロキシ化合物を使用しても良い。殊にカーボネート前駆物質としてホスゲンを使用する反応の場合、単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、また得られたポリマーは、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。
(ポリエステル樹脂の製造方法)
本発明の熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂である場合は、ジヒドロキシ化合物成分とジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とをエステル化反応もしくはエステル交換反応させ、得られた反応生成物を重縮合反応させ、所望の分子量の高分子量体とすればよい。
全ジヒドロキシ化合物成分に対して、エチレングリコール成分が0~50mol%であると好ましい。上記範囲であると耐熱性と成形性のバランスに優れるため好ましい。
重合方法としては、直接重合法、エステル交換法等の溶融重合法、溶液重合法、界面重合法等の公知の方法から適宜の方法を選択して製造できる。界面重合法を用いる場合、ジカルボン酸クロリドを水と相溶しない有機溶媒に溶解させた溶液(有機相)を、芳香族ジヒドロキシ化合物および重合触媒を含むアルカリ水溶液(水相)に混合し、50℃以下、好ましくは25℃以下の温度で0.5~8時間撹拌しながら重合反応を行う方法が挙げられる。
有機相に用いる溶媒としては、水と相溶せず本発明のポリエステル樹脂を溶解する溶媒が好ましい。そのような溶媒としては、例えば、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼンなどの塩素系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族系炭化水素系溶媒が挙げられ、製造上使用しやすいことから、塩化メチレンが好ましい。
水相に用いるアルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の水溶液が挙げられる。
溶融重合法による反応は、通常、ジオール成分とジカルボン酸成分またはそのジエステルを混合し、通常、120~350℃、好ましくは150~300℃、より好ましくは180~270℃で反応させることが好ましい。減圧度は段階的に変化させ、最終的には0.13kPa以下にして生成した水、アルコール等のヒドロキシ化合物を系外に留去させ、反応時間は通常1~10時間程度である。
また、溶融法において重合速度を速めるためにエステル交換触媒、および重合触媒を用いることができる。エステル交換触媒としては、それ自体公知のものを採用でき、例えば、マンガン、マグネシウム、チタン、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、コバルト、ナトリウム、リチウム、鉛元素を含む化合物などを用いることができる。具体的にはこれらの元素を含む酸化物、酢酸塩、カルボン酸塩、水素化物、アルコラート、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩等が挙げることができる。この中でも、熱可塑性樹脂の溶融安定性、色相、ポリマー不溶異物の少なさの観点からマンガン、マグネシウム、亜鉛、チタン、コバルトの酸化物、酢酸塩、アルコラート等の化合物が好ましい。これらの化合物は二種以上組み合わせて使用できる。重合触媒としては、それ自体公知のものを採用でき、例えば、アンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、スズ化合物またはアルミニウム化合物が好ましい。このような化合物としては、例えばアンチモン、チタン、ゲルマニウム、スズ、アルミニウムの酸化物、酢酸塩、カルボン酸塩、水素化物、アルコラート、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩等を上げることができる。また、これらの化合物は二種以上組み合わせて使用できる。中でも、熱可塑性樹脂の溶融安定性、色相の観点からスズ、チタン、ゲルマニウム化合物が好ましい。触媒の使用量は、例えば、ジカルボン酸成分1molに対して、1×10-8 ~1×10-3 molの範囲が好ましい。
本発明のポリエステル樹脂は、分子量調整や熱安定性向上のため、末端封止剤を使用しても良い。末端封止剤としては、単官能ヒドロキシ化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、ケテンイミン化合物等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂は、ジオール成分とジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体以外の共重合成分を含有させてもよい。
(ポリエステルカーボネート樹脂の製造方法)
本発明の熱可塑性樹脂がポリエステルカーボネート樹脂である場合は、ジヒドロキシ化合物成分およびジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ホスゲンやカーボネートエステルなどのカーボネート前駆物質とを反応させることにより製造することができる。重合方法は前記ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂と同様の方法を用いることができる。
<添加剤>
本発明の熱可塑性樹脂には、必要に応じて、離型剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、充填剤などの添加剤を適宜添加して用いることができる。
具体的な離型剤、熱安定剤としては、国際公開2011/010741号パンフレットに記載されたものが好ましく挙げられる。
特に好ましい離型剤としては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリン酸トリグリセリドとステアリルステアレートの混合物が好ましく用いられる。また、離型剤中の前記エステルの量は、離型剤を100質量%とした時、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。また、熱可塑性樹脂組成物に配合させる離型剤としては、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.005~2.0質量部の範囲が好ましく、0.01~0.6質量部の範囲がより好ましく、0.02~0.5質量部の範囲がさらに好ましい。
熱安定剤としては、リン系熱安定剤、硫黄系熱安定剤およびヒンダードフェノール系熱安定剤が挙げられる。
また、特に好ましいリン系の熱安定剤としては、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレンジホスホナイトが使用される。また、熱可塑性樹脂のリン系熱安定剤の含有量としては、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.001~0.2質量部が好ましい。
また、特に好ましい硫黄系熱安定剤としては、ペンタエリスリトール-テトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート)である。また、熱可塑性樹脂の硫黄系熱安定剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.001~0.2質量部が好ましい。
また、好ましいヒンダードフェノール系熱安定剤としては、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトール-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である。
熱可塑性樹脂中のヒンダードフェノール系熱安定剤の含有量としては、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.001~0.3質量部が好ましい。
リン系熱安定剤とヒンダードフェノール系熱安定剤は、併用することもできる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、環状イミノエステル系紫外線吸収剤およびシアノアクリレート系からなる群より選ばれた少なくとも1種の紫外線吸収剤が好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤において、より好ましくは、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2,2’-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]である。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2-ヒドロキシ-4-n-ドデシルオキシベンソフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノンが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノール、2-(4,6-ビス(2.4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(オクチル)オキシ]-フェノール等が挙げられる。
環状イミノエステル系紫外線吸収剤としては、特に2,2’-p-フェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)が好適である。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、1,3-ビス-[(2’-シアノ-3’,3’-ジフェニルアクリロイル)オキシ]-2,2-ビス[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル)プロパン、および1,3-ビス-[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]ベンゼン等が挙げられる。
紫外線吸収剤の配合量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して好ましくは0.01~3.0質量部であり、かかる配合量の範囲であれば、用途に応じ、熱可塑性樹脂成形品に十分な耐候性を付与することが可能である。
ブルーイング剤としては、バイエル社のマクロレックスバイオレットBおよびマクロレックスブルーRR並びにクラリアント社のポリシンスレンブル-RLS等が挙げられる。ブルーイング剤は、熱可塑性樹脂の黄色味を消すために有効である。特に耐候性を付与した熱可塑性樹脂組成物の場合は、一定量の紫外線吸収剤が配合されているため「紫外線吸収剤の作用や色」によって樹脂組成物が黄色味を帯びやすい現実があり、光学レンズに自然な透明感を付与するためにはブルーイング剤の配合は非常に有効である。
ブルーイング剤の配合量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して好ましくは0.05~1.5ppmであり、より好ましくは0.1~1.2ppmである。
<光学レンズ>
本発明の熱可塑性樹脂は、光学部材、特に光学レンズに好適である。
本発明の熱可塑性樹脂の光学レンズを射出成型で製造する場合、シリンダー温度230~350℃、金型温度70~180℃の条件にて成形することが好ましい。さらに好ましくは、シリンダー温度250~300℃、金型温度80~170℃の条件にて成形することが好ましい。シリンダー温度が350℃より高い場合では、熱可塑性樹脂が分解着色し、230℃より低い場合では、溶融粘度が高く成形が困難になりやすい。また金型温度が180℃より高い場合では、熱可塑性樹脂から成る成形片が金型から取り出すことが困難になりやすい。他方、金型温度が、70℃未満では、成型時の金型内で樹脂が早く固まり過ぎて成形片の形状が制御しにくくなる、または、金型に付された賦型を十分に転写することが困難になりやすい。
本発明の光学レンズは、必要に応じて非球面レンズの形を用いることが好適に実施される。非球面レンズは、1枚の光学レンズで球面収差を実質的にゼロとすることが可能であるため、複数の球面レンズの組み合わせで球面収差を取り除く必要が無く、軽量化および成形コストの低減化が可能になる。したがって、非球面レンズは、光学レンズの中でも特にカメラレンズとして有用である。
また、本発明の熱可塑性樹脂は、成形流動性が高いため、薄肉小型で複雑な形状である光学レンズの材料として特に有用である。具体的なレンズサイズとして、中心部の厚みが0.05~3.0mm、より好ましくは0.05~2.0mm、さらに好ましくは0.1~2.0mmである。また、直径が1.0mm~20.0mm、より好ましくは1.0~10.0mm、さらに好ましくは、3.0~10.0mmである。また、その形状として片面が凸、片面が凹であるメニスカスレンズであることが好ましい。
本発明の光学レンズにおける熱可塑性樹脂からなるレンズは、金型成形、切削、研磨、レーザー加工、放電加工、エッチングなど任意の方法により成形される。この中でも、製造コストの面から金型成形がより好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
得られた樹脂について下記の方法で評価を行った。
(1)共重合比:得られた樹脂を日本電子(株)製JNM-ECZ400S/L1を用いてH NMR測定して求めた。溶媒はDMSO-dを用いた。
(2)比粘度:得られた樹脂を十分に乾燥し、該樹脂0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から、その溶液の20℃における比粘度(ηsp)を測定した。
(3)ガラス転移温度(Tg):得られた樹脂をティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製Discovery DSC25Auto型により、昇温速度20℃/minで測定した。試料は5~10mgで測定した。
(4)5%重量減少温度:得られた樹脂を(株)島津製作所製の示差熱・熱重量同時測定装置DTG-60Aにより、窒素雰囲気下で、昇温速度20℃/minで測定し、5%重量減少温度を測定した。試料は5~10mgで測定した。
(5)屈折率およびアッベ数:得られた樹脂3gを塩化メチレン50mlに溶解させ、ガラスシャーレ上にキャストし、室温にて十分に乾燥させた後、120℃以下の温度にて8時間乾燥して作製した、厚さ約100μmのフィルムでATAGO製DR-M2アッベ屈折計を用いて、25℃における屈折率(波長:589nm)(nD)を測定した。
[参考例1]9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン(BPDT2)の合成
撹拌機、冷却器、さらには温度計を備え付けた1Lのセパラブルフラスコに溶媒としてのトルエン122g、12タングスト(VI)リン酸n水和物H[PW1240]・nHO5.47gを仕込み、トルエン還流下共沸脱水した。内容物を冷却したのち2,7-ジブロモフルオレノン(以下、DBFNと略記することがある)33.80g(0.10mоl)、2-フェノキシエタノール55.27g(0.40mоl)、トルエン38gを加え、トルエン還流下、反応により生成する水を系外へ排出しながら18時間撹拌することにより反応をおこなった。反応の進行具合はHPLCにて確認し、2,7-ジブロモフルオレノンの残存量が0.1%以下であることを確認し反応を終了させた。得られた9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-2,7-ジブロモフルオレン(以下、BPDBと略記することがある)は単離・精製せずそのまま次の工程の反応へ移行させた。
前記工程で得られた反応液を室温に冷やしたのち、4mоl/L炭酸カリウム水溶液58mLおよび2-チオフェンボロン酸26.87g(0.21mоl)、さらにはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.12g(0.97mmоl)を添加し80℃で2時間撹拌することにより反応をおこなった。反応の進行具合はHPLCにて確認し、BPDBの残存量が0.1%以下であることを確認し反応を終了させた。
得られた反応液を室温に戻し、ジエチルエーテル300gを加えて晶析させたを除去したのち、BPDT2を含む粗精製物を得た。得られた固体はメタノール/クロロホルム(1/1)の溶離液を用い、シリカゲルカラムで精製し、目的物であるBPDT2の黄色結晶を35g、収率約67%で得た。また、得られた黄色結晶をH NMRにより分析し、目的物であることを確認した(図1)。溶媒はDMSO-dを用いた。
なお、HPLCの測定は、カラム:ウォーターズ(株)製ACQUITY UPLC BEH C18 1.7μm、溶媒:N,N-ジメチルホルムアミドと0.15%トリフルオロ酢酸/超純水の7:3の混合溶液、検出器:UV-270nmを用い、流速1mL/分で実施した。
[実施例1]
参考例1で合成したBPDT2を9.04質量部(20mоl部)、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(以下、BPEFと省略することがある)26.31質量部(80mоl部)、ジフェニルカーボネート(以下、DPCと省略することがある)16.23質量部(110mоl部)、及び触媒として濃度60mmol/Lの濃度で炭酸水素ナトリウムを3.19×10-5質量部(5.07×10-4mоl部)を加え、窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、10分間かけて減圧度を20kPaに調整した。60℃/hrの昇温速度で250℃まで昇温を行い、フェノールの流出量が70%になった後で20kPa/hrで減圧し、所定の電力に到達するまで重合反応を行い、反応終了後フラスコから樹脂を取り出した。得られたポリカーボネート樹脂を、H NMRにより分析し、BPDT2成分が全モノマーに対して、20mоl%導入されていることを確認した。該ポリカーボネート樹脂を用いて、共重合比、屈折率、Tg、5%重量減少温度を評価し、結果を表1に示した。
Figure 0007221706000028
[実施例2]
BPDT2、BPEFを表1に記載の比率に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリカーボネート樹脂を製造した。該ポリカーボネート樹脂を用いて、共重合比、屈折率、Tg、5%重量減少温度を評価し、結果を表1に示した。
[実施例3]
BPDT2を表1に記載の比率に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリカーボネート樹脂を製造した。該ポリカーボネート樹脂を用いて、共重合比、屈折率、Tg、5%重量減少温度を評価し、結果を表1に示した。
[実施例4]
BPDT2、2,2’-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-1,1’-ビナフチル(以下、BHEBと省略することがある)、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル(以下、BCMBと省略することがある)を表1に記載の比率で用いたことと、DPCを9.3質量部(11mоl部)に変更したことと、触媒としてチタンテトラブトキシド3.4×10-3質量部(2.5×10-3mоl部)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリエステルカーボネート樹脂を製造した。該ポリエステルカーボネート樹脂を用いて、共重合比、屈折率、Tg、5%重量減少温度を評価し、結果を表1に示した。
Figure 0007221706000029
[実施例5]
BPDT2、BHEB、ナフタレンジカルボン酸ジメチル(以下、NDCMと省略することがある)を表1に記載の比率で用いたことと、DPCを47質量部(55mоl部)に変更したことと、触媒としてチタンテトラブトキシド3.4×10-3質量部(2.5×10-3mоl部)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリエステルカーボネート樹脂を製造した。該ポリエステルカーボネート樹脂を用いて、共重合比、屈折率、Tg、5%重量減少温度を評価し、結果を表1に示した。
Figure 0007221706000030
[実施例6]
BPDT2、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、BPAと省略することがある)を表1に記載の比率で用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリカーボネート樹脂を製造した。該ポリカーボネート樹脂を用いて、共重合比、屈折率、Tg、5%重量減少温度を評価し、結果を表1に示した。
Figure 0007221706000031
[実施例7]
BPDT2、BHEB、BCMBを表1に記載の比率で用いたことと、触媒としてチタンテトラブトキシド3.4×10-3質量部(2.5×10-3mоl部)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂を製造した。該ポリエステル樹脂を用いて、共重合比、屈折率、Tg、5%重量減少温度を評価し、結果を表1に示した。
[比較例1]
特開2018-141085号公報の実施例1に記載の方法で、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)フルオレン(以下、OPPFLと省略することがある)およびビス(2-メルカプトエチル)スルフィド(以下、BMESと省略することがある)およびチオホスゲンの重縮合物であるポリチオカーボネート樹脂を得た。該ポリチオカーボネート樹脂を用いて、共重合比、屈折率、Tg、5%重量減少温度を評価し、結果を表1に示した。
Figure 0007221706000032
[比較例2]
特開2018-141084号公報の実施例3に記載の方法で、9,9-ビス(4-メルカプト-3-メチルフェニル)フルオレン(以下、BCFSHと省略することがある)および、BMESおよびチオホスゲンの重縮合物であるポリチオカーボネート樹脂を得た。該ポリチオカーボネート樹脂を用いて、共重合比、屈折率、Tg、5%重量減少温度を評価し、結果を表1に示した。
Figure 0007221706000033
[比較例3]
特開2018-141084号公報の実施例1に記載の方法で、BCFSHおよび、アジピン酸クロリド(以下、AClと省略することがある)の重縮合物であるポリチオエステル樹脂を得た。該ポリチオエステル樹脂を用いて、共重合比、屈折率、Tg、5%重量減少温度を評価し、結果を表1に示した。
Figure 0007221706000034
[比較例4]
特開2018-141085号公報の実施例3に記載の方法で、1,4-ジチアン-2,5-ジ(メタンチオール)(以下、BMMDと省略することがある)および、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン(以下、BCFと省略することがある)およびチオホスゲンの重縮合物であるポリチオカーボネート樹脂を得た。該ポリチオカーボネート樹脂を用いて、共重合比、屈折率、Tg、5%重量減少温度を評価し、結果を表1に示した。
Figure 0007221706000035
ポリカーボネートおよびポリ(チオ)カーボネート樹脂、又はポリチオエステル樹脂に関する結果を表1に示す。
Figure 0007221706000036
BPDT2:9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-2,7-ジ(2-チエニル)フルオレン
BMES: ビス(2-メルカプトエチル)スルフィド
BCFSH: 9,9-ビス(4-メルカプト-3-メチルフェニル)フルオレン
BMMD:1,4-ジチアン-2,5-ジ(メタンチオール)
BPEF: 9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン
OPPFL: 9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)フルオレン
BCF:9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン
BHEB:2,2’-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-1,1’-ビナフチル
BPA:2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
BCMB:2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル
NDCM:ナフタレンジカルボン酸ジメチル
ACl:アジピン酸クロリド
実施例1~7で得られた熱可塑性樹脂は、高屈折率であり、かつ5%重量減少温度が390℃以上と高く、とTgが130~180℃の間にあるため成形性のバランスに優れ光学レンズとして優れる。これに対して、比較例の熱可塑性樹脂は、屈折率は高くTgも130℃~180℃の間にあるが、5%重量減少温度が低いため、耐熱性に問題がある。
BPDT2のように硫黄が芳香族に含まれるC―Sの結合は、硫黄が脂肪族中に含まれるC―Sの結合と比較し、共鳴により安定化され結合が強固になっているため、高耐熱化に効果的である。
本発明の熱可塑性樹脂は、光学材料に用いられ、光学レンズ、プリズム、光ディスク、透明導電性基板、光カード、シート、フィルム、光ファイバー、光学膜、光学フィルター、ハードコート膜等の光学部材に用いることができ、特に光学レンズに極めて有用である。

Claims (10)

  1. 下記式(1)で表される繰り返し単位を含む熱可塑性樹脂。
    Figure 0007221706000037
    (式中、環Zはベンゼンまたはナフタレンを示し、環Vはベンゼンを示し、R 、R は水素原子を示し、Ar 、Ar はチエニル基またはベンゾチエニル基を示し、LおよびLエチレン基を示し、jおよびkはそれぞれ独立に0以上の整数を示し、mおよびnはそれぞれ独立に0または1を示し、Wは下記式(2)または(3)で表される群より選ばれる少なくとも1つである。)
    Figure 0007221706000038
    Figure 0007221706000039
    (式中、Xは2価の連結基を示す。)
  2. 前記式(3)中のXがフェニレン基、ナフタレンジイル基、下記式(4)で表される基および下記式(5)で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つを繰り返し単位として含む請求項1に記載の熱可塑性樹脂。
    Figure 0007221706000040
    (式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、芳香族基を含んでもよい炭素原子数1~12の炭化水素基又はハロゲン原子である。)
    Figure 0007221706000041
  3. 下記式(6)~(8)で表される単位からなる群より選ばれる少なくとも1つを繰り返し単位として含む請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂。
    Figure 0007221706000042
    (式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、芳香族基を含んでもよい炭素原子数1~12の炭化水素基又はハロゲン原子である。)
    Figure 0007221706000043
    (式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、芳香族基を含んでもよい炭素原子数1~12の置換基又はハロゲン原子である。)
    Figure 0007221706000044
    (式中、RおよびR10はそれぞれ独立して水素原子、芳香族基を含んでもよい炭素原子数1~12の置換基又はハロゲン原子であり、Uは単結合または2価の連結基である。)
  4. 5%重量減少温度が360℃以上である請求項1~のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
  5. 前記5%重量減少温度が380℃以上である請求項に記載の熱可塑性樹脂。
  6. ガラス転移温度が130~180℃である請求項1~のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
  7. 比粘度が0.12~0.40である請求項1~のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
  8. 屈折率が1.620~1.780である請求項1~のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
  9. 請求項1~のいずれかに記載の熱可塑性樹脂からなる光学部材。
  10. 光学レンズである請求項に記載の光学部材。
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