JP2017201988A - 加工卵 - Google Patents

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行央 平野
斉子 田村
Seiko Tamura
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    • A23V2002/00Food compositions, function of food ingredients or processes for food or foodstuffs

Abstract

【課題】膨化性及び湯戻し時に復元性の良い膨化卵製品を得ることのできる加工卵を提供する。
【解決手段】ラピッド・ビスコ・アナライザー(以下、「RVA」と記載する。)を用いた粘度測定において、傾きが20cP/min以上となっている加工卵を提供する。また、本発明の加工卵は、ピーク粘度が120cP以上であることが好ましい。さらに、加工卵が液体または粉末であることがより好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、加工卵に関する。より詳しくは、復元性の良い膨化卵製品に適した加工卵に関する。
現在、様々な乾燥具材の入った即席麺が市場に流通している。具材の種類としては、肉、野菜、エビ、タコ、膨化卵製品(例えば、スクランブルエッグ等)などがよく知られている。
このうち、熱湯により復元して喫食可能となる即席タイプのスクランブルエッグ等の膨化卵製品としては、凍結乾燥品または熱風乾燥品がある。
前者の凍結乾燥品は、例えば、生卵を原料として少量の熱水中に溶いた卵を流し込み加熱凝固させた後、金網等を通過させて適度な粒径のスクランブルエッグ状に崩したものをそのまま凍結乾燥することにより製造される。
一方、後者の熱風乾燥品は、例えば、粉末卵を原料とし、調味液で混練後、マイクロ加熱または蒸煮し、次いで熱風乾燥することにより製造される(例えば、特許文献1,2参照)。
特許第3012052号 特許第3252126号
ところで、熱風乾燥したスクランブルエッグ等の膨化卵製品の中には、湯戻りが悪く、食感の悪いものが発生してしまうといった問題があった。このようなスクランブルエッグが発生してしまう原因として、膨化が不十分であることが一因として考えられる。
膨化に影響を与える要因として、加工卵、膨化剤、温度条件などが考えられる。膨化剤の量や温度条件はある程度制御できる。しかし、加工卵については、どのような加工卵がどの程度膨化に影響を与えるのかわかっておらず、また見分け方もわかっていなかった。そのため、品質の安定したスクランブルエッグ等の膨化卵製品を得られにくいといった問題があった。
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、湯戻し時に復元性の良い膨化卵製品を得ることのできる加工卵を提供すること、及びそのような加工卵を識別する方法を提供することにある。
本発明者らは、加工卵について鋭意検討を行った。そして、特定の物性値を示す加工卵を用いた膨化卵製品は、膨化性および復元性に優れていることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記課題解決のため、本発明は、ラピッド・ビスコ・アナライザー(以下、「RVA」と記載する。)を用いた粘度測定において、傾きが20cP/min以上となっている加工卵を提供する。また、本発明の加工卵は、ピーク粘度が120cP以上であることが好ましく、加工卵が液体または粉末であることがより好ましい。
かかる構成によれば、RVAにおいて所定の値を示す加工卵は、優れた膨化性及び復元性を有する膨化卵製品を作成することができる。
上記課題解決のため、本発明は、膨化に適した加工卵を識別するための方法であって、加工卵と水を混ぜ合わせる混合工程と、RVAを用いて前工程の混合物の粘度を測定する粘度測定工程と、前工程で得られた測定結果から粘度変化における傾きを算出する算出工程と、を含む、加工卵の識別方法を提供する。
かかる構成によれば、膨化性及び復元性に優れた膨化卵製品を作成することができる加工卵を簡便な方法で見分けることができる。
本発明により、膨化性及び復元性に優れた膨化卵製品を製造することができる。また、膨化性及び復元性に優れた膨化卵製品を得ることのできる加工卵を識別することで、品質不良による廃棄を減らすことができ、生産コストを下げることができる。
RVAによる粘度測定結果のうち、実施例で用いた加工卵の結果を示す図である。 RVAによる粘度測定結果のうち、比較例で用いた加工卵の結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための好適な形態について、本発明の加工卵を用いたスクランブルエッグを例に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
(加工卵)
本発明の加工卵とは、卵に何かしら加工を加えたものを意味する。加工例としては、卵殻の除去、卵黄と卵白の分離、化学的処理(例えば、脱糖など)、物理的処理(例えば、乾燥や凍結など)またはそれらの組み合わせが挙げられる。
本発明に用いられる加工卵は液体でもよいし、粉末でもよい。粉末の加工卵を作成する方法としては、例えば、全卵粉または卵黄粉の場合、卵殻を除去し、殺菌した上で、噴霧乾燥する方法が挙げられる。卵白粉の場合、卵殻を除去し、噴霧乾燥した上で、殺菌する方法が挙げられる。
加工卵は、全卵であることが好ましいが、これに限られるものではなく、卵黄のみであってもよい。
このうち、本発明に係る加工卵は脱糖されていることが好ましい。一般的に液卵や粉末卵は、熱や光の影響でメイラード反応やタンパク質の劣化が起こってしまい、タンパク質特性が低下しやすい。加工卵の多くは、海外から陸路や船で輸送されてくるため、輸送時の保管による予期せぬ劣化は避けにくい。そこで、メイラード反応などによる品質低下を防ぎ、安定した品質を保つために、脱糖していることが好ましい。
脱糖処理は、例えば、卵殻の除去後、殺菌の前に行うことができる。加工卵を脱糖する方法は特に限定されず、適宜常法が採用可能である。例えば、酵母、細菌、酵素などによって脱糖する方法が挙げられる。
本発明で用いられる加工卵中の卵黄は、熱凝固能力を維持しているものであればよい。本発明に用いられる卵黄は、脱糖されていることが好ましい。脱糖方法は上記と同様の方法を用いることができる。
本発明で用いられる加工卵中の卵白は、熱凝固能力を維持しているものであればよい。本発明に用いられる卵白は、経時変化による変性防止や変色防止のために脱糖されていることが好ましい。脱糖方法は上記と同様の方法を用いることができる。
また、粉末卵白は本発明において任意成分であるが、復元性の観点から、卵黄粉末:卵白粉末=3〜1:1(質量比)の範囲で配合することが好ましく、2.5〜1.5:1(質量比)の範囲で配合することがより好ましい。卵白の割合が大きいと食感が固くなる傾向があり、卵白が少なすぎるとつるみのない、つながり感のない食感になってしまう。
以上のように、本発明の加工卵の具体例としては、全卵液、卵黄、卵白、全卵粉、脱糖処理された全卵粉、卵黄粉、脱糖卵黄粉、卵白粉、脱糖卵白粉及びこれら2以上の混合物などが挙げられる。
なお、本発明の加工卵としてはさらに、産卵してから日の経っていない卵、例えば産卵後3日目までの新鮮な卵を加工したものが好ましい。また、本発明の加工卵は、加工した後に低温で保存されていること、例えば20℃以下で保存されていることが好ましい。低温保存することにより、脱糖処理していない加工卵が変性したり変色したりすることを防止することができる。
(RVAを用いた粘度測定)
本発明に係る加工卵は、RVAを用いた粘度測定において、所定の値を有する。ここで「RVAを用いた粘度測定」は、次のように行われる。
<1.加工卵と水を混ぜ合わせる混合工程>
まず、加工卵に水を加えて十分に混合したものを測定用サンプルとする。加工卵が液体である場合には、加工卵12gに対して水を15g加える。加工卵が粉末である場合には、加工卵3gに対して水24gを加える。
<2.RVAを用いて混合物の粘度を測定する工程>
次に、RVA(Perten Instruments;RVA−4500)を用い、当該RVAに付属する試験プログラム「whey protein concentration」を用いて、上記混合工程において調製した測定用サンプルの粘度を測定する。当該試験プログラムでは、下記表の条件により昇温・降温及び撹拌を行い、経時的に粘度を測定する。
<3.粘度測定結果から粘度変化における傾きを算出する工程>
次に、上記粘度測定の結果から粘度変化における傾きを算出する。ここで、粘度変化における傾きとは、RVAを用いた粘度測定の結果において、所定時間における粘度の差分を所定時間で割ったものを意味する。上記所定の値とはこの傾きを意味する。本発明においては、測定開始から4.5〜6.0分における傾きが、20cP/min以上であり、25cp/minであることが好ましく、30cp/minであることがより好ましい。傾きの上限は特に限定されるものではないが、例えば、300cP/min以下であり、250cP/min以下であることが好ましい。なお、所定時間を4.5分〜6.0分としたのは、この時間における傾きの値によって、スクランブルエッグ等の膨化卵製品の膨化性及び復元性に差が見られたためである。
また、本発明に係る加工卵は、RVAを用いた粘度測定において、ピーク粘度を有している。ピーク粘度とは、RVAにより経時的に測定した粘度の中で最も高い値を指す。ピーク粘度としては、120cP以上であることが好ましく、130cP以上であることがより好ましく、140cP以上であることがさらにより好ましい。ピーク粘度の上限は特に限定されるものではないが、例えば、1000cP/min以下であり、850cP/min以下であることが好ましい。
Figure 2017201988
(乾燥スクランブルエッグ用加工卵/膨化に適した加工卵)
また、本発明は、RVAを用いた粘度測定において傾きが20cP/min以上となっている、乾燥スクランブルエッグ用加工卵または膨化に適した加工卵に関する。
本発明の加工卵は、乾燥スクランブルエッグの製造に適している。また、本発明の加工卵は、膨化剤による膨化にも適している。本発明の加工卵が有する所定の物性(特に粘性)により、加工卵が膨化剤へ被覆するように付着するため、加工卵は十分に膨化されて多孔質構造となる。この多孔質構造により高い吸湯性が得られ、それにより優れた復元性を得ることができる。したがって、本発明の加工卵を用いて製造された乾燥スクランブルエッグは、湯戻し後にふっくらとした食感を有するスクランブルエッグに復元させることができる。
(乾燥スクランブルエッグの製造方法)
さらに、本発明はRVAを用いた粘度測定において傾きが20cP/min以上となっている加工卵を用いた乾燥スクランブルエッグの製造方法にも関する。乾燥スクランブルエッグの製造方法は特に限定されず、適宜常法が採用可能である。
例えば、加工卵として全卵粉、膨化剤、澱粉を、ミキサーを用いて混合する。次に、水または調味液を加えながら混練する。混練方法は特に制限されず、ミキサーを用いることができる。粒径が1〜30mm、好ましくは2〜15mmの小塊状となるように混練することが好ましい。
次に、混練工程で得られた小塊状卵を加熱して、膨化・熱凝固させる。加熱の方法は特に制限されず、マイクロ波加熱や蒸煮などを用いることができる。マイクロ波出力の割合としては、0.2〜0.3kW/kgで(80〜150秒)加熱することが好ましい。また、蒸煮の温度、圧力及び時間としては、90〜100℃、0.02〜0.05Mpa、2〜4分程度が好ましい。
次に、膨化・熱凝固させた小塊状卵を、できるだけ急速に室温程度にまで冷却する。当該冷却により、小塊状卵の多孔質構造がより強固なものとなって固定される。冷却方法としては、できるだけ急速に冷却できる方法であれば特に限定されず、通常ファン等を用いた風冷により行われる。この際、小塊状卵の表面を湿潤させることのないように、低湿度環境下で行うことが好ましい。表面が湿潤すると乾燥後の復元性が劣化する。
最後に、冷却した小塊状卵を熱風乾燥する。乾燥には流動層乾燥機等を用い、水分含量を約5%以下にまで乾燥させることが保存性、保形性等の点から好ましい。
乾燥の温度、時間は、例えば40℃、80分間の低温での長時間乾燥から、85℃、30分間の高温での短時間乾燥まで可能であるが、復元性・食感を考慮すると、比較的低温の40〜60℃で80〜60分間とすることが好適である。
本発明に用いる膨化剤としては、加水及び加熱に伴って気体(好ましくは炭酸ガス)を発生することが出来るものであればよい。炭酸ガス等の気体を発生させることで、膨化させ、多孔質の組織を形成することができる。これにより、湯戻し後にふっくらした食感を有するスクランブルエッグに復元させることができるようになる。
膨化剤としては、炭酸水素ナトリウム(重曹)、ミョウバン、炭酸マグネシウム、重酒石酸カリウム、アンモニア系合成膨化剤(炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム)、グルコノデルタラクトン等の化合物が挙げられるが、膨化力を有し食品として使用可能なものであれば、その他のものも適宜採用可能である。
膨化剤の添加量は、前記卵黄粉末100重量部に対して1〜5重量部が好適である。5重量部を超えると前記膨化剤特有の味や色を発現する傾向があるので好ましくない。例えば、炭酸水素ナトリウムを配合した場合には、特有のエグ味が生じる。また、1重量部未満では、膨化不足となり、目的とする多孔質状の組織とすることができず、従って、復元性および復元後の食感が悪くなる。
本発明において、必要に応じて、pH調整剤、澱粉などを添加することができる。例えば、pH調整剤は、加水後にアルカリ性を呈する膨化剤を使用した場合に発生するアルカリ焼けやエグ味の発生を抑えることができる。また、澱粉は、湯戻し後のソフトな食感を付与することができる
(識別方法)
また、本発明は、膨化に適した加工卵を識別するための方法に関する。本発明の識別方法は、加工卵と蒸留水を混ぜ合わせる混合工程と、RVAを用いて前工程の混合物の粘度を測定する粘度測定工程と、前工程で得られた測定変化における傾きを算出する算出工程工程と、を含む。
本発明の識別方法において、「膨化に適した加工卵」とは湯戻し時に復元性の良い膨化卵製品を得ることのできる加工卵を意味する。そのような加工卵は、例えば、膨化させた場合にほぼ均一な空隙からなる多孔質構造をとることができる。
本発明の識別方法において、「加工卵と水を混ぜ合わせる混合工程」、「RVAを用いて前工程の混合物の粘度を測定する粘度測定工程」及び「前工程で得られた測定結果から粘度変化における傾きを算出する算出工程」とは、上述した「(RVAを用いた粘度測定)」に準ずる。
本発明の識別の方法により、膨化性及び復元性に優れた膨化卵製品を得ることができる加工卵を簡便な方法で見分けることが出来る。これにより、品質不良による廃棄を減らし、生産コストを下げることが出来る。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。また、本発明の各特性は、以下の方法により評価した。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(粘度測定)
粘度測定は、次のようにして行なった。
先ず、後述の実施例および比較例に用いた加工卵から測定用サンプルを作成した。
<加工卵が液体の場合>
液体の加工卵12gに蒸留水15gを加えて十分に混合したものを測定用サンプルとした。
<加工卵が粉末の場合>
粉末の加工卵3gに蒸留水24gを加えて十分に混合したものを測定用サンプルとした。
次に、各サンプルをRVA測定器(Perten Instruments;RVA−4500)を用いて粘度測定を行った。測定方法は、RVA‐4500に付属している試験プログラム「whey protein concentration」を用いて測定した。そして、得られたデータから、単位時間当たりの傾き及びピーク粘度を算出した。
(復元性試験)
実施例、比較例の各乾燥スクランブルエッグ10gに95℃以上の熱湯を注ぎ3分間静置した。3分経過後スクランブルエッグを湯切りし、重量を測定した。そして、重量の増加割合を算出した。
(官能評価)
官能評価は次のようにして評価を行った。実施例、比較例の各乾燥スクランブルエッグに95℃以上の熱湯を注ぎ、3分間静置した。調理した各乾燥スクランブルエッグを、5人のパネラーにブラインド条件下で試食してもらい、下記評価に基づいて評価してもらった。5人のパネラーによる評価の平均値を官能評価の結果とした。
<評価>
5:ふんわりとした良好な食感
4:良好な食感
3:ややソフトさに欠けるが、喫食に差し支えない食感
2:戻りが悪く、固いところがある
1:戻りが悪く、噛み砕きにくい
(実施例1)
α化ワキシコーンスターチ225g、膨化剤として炭酸水素ナトリウム6g、グルコノデルタラクトン18gをミキサーで3分間混合し、粉体混合とした。
次に、加工卵として、店舗で購入した産卵後3日目の全卵液700gと、調味液として、砂糖40g、食塩20g、グルタミン酸ソーダ20g、イノシン酸・グアニル酸2gを添加溶解したものとを、先ほどの粉体混合に添加しながらミキサーにて40rpmで4分間混練し、小塊状物を得た。このとき小塊状物の平均粒径は8mmであった。
次に、家庭用電子レンジで0.25g/W、120秒の条件で加熱した後、冷却ファンにて室温まで急速冷却した。冷却した小塊状物を流動層造粒機にて、40℃で80分間熱風乾燥し冷却することで、スクランブルエッグを得た。
(実施例2)
加工卵として、実施例1の全卵液の代わりに、市販の全卵粉(製造後に低温保存)を使用し、この市販の全卵粉(製造後に低温保存)250gと水500gを粉体混合物に加えたこと以外は、実施例1と同様である。
(実施例3)
加工卵として、実施例2の全卵粉の代わりに、市販の脱糖処理された全卵粉250gを粉体混合物に加えたこと以外は、実施例2と同様である。
(実施例4)
加工卵として、実施例2の全卵粉の代わりに、市販の脱糖処理された全卵粉(実施例3とは別メーカ)250gを粉体混合物に加えたこと以外は、実施例2と同様である。
(実施例5)
加工卵として、実施例2の全卵粉の代わりに、市販の脱糖卵黄粉185gと市販の脱糖卵白粉65gを粉体混合物に加えたこと以外は、実施例2と同様である。
(実施例6)
加工卵として、実施例3で用いた脱糖処理された全卵粉を、40℃で2週間保存した後に使用したこと以外は、実施例3と同様である。
(比較例1)
加工卵として、実施例2とは異なる市販の全卵粉(型番違い)を用いたこと以外は、実施例2と同様である。
(比較例2)
加工卵として、比較例1で用いた全卵粉125gと実施例3で用いた全卵粉125gを混ぜたものを用いたこと以外は、実施例2と同様である。
(比較例3)
加工卵として、市販の非脱糖卵黄粉185gと市販の脱糖卵白粉65gを混ぜたものを用いたこと以外は、実施例2と同様である。
(比較例4)
加工卵として、実施例2で用いた全卵粉を、40℃で2週間保存した後に使用したこと以外は、実施例2と同様である。
各サンプルの粘度測定の結果は図1,2及び表2の通りであった。
Figure 2017201988
表2から明らかなように、実施例1〜6の傾きは、いずれも28.0以上であった。実施例中最も高い値を示したのは、産卵してから日の経っていない卵の全卵液であった。実施例中最も低い値を示したのは脱糖処理を施していない全卵粉(低温保存)であった。脱糖処理を施している粉末体(実施例3〜6)はいずれも、39.0以上の高い値を示した。これらの結果から、粉末化する場合には、脱糖処理を施す方が傾きの値の高いものが得られることが示唆された。
また、実施例1〜6のピーク粘度は、いずれも140以上であった。実施例中最も高いピーク粘度値を示したサンプルは、脱糖卵黄粉と脱糖卵白粉の混合物(実施例5)であった。実施例中最も低いピーク粘度値を示したサンプルは保存試験を行った実施例6であった。傾きとピーク粘度との間に相関関係はないが、産卵してから日の経っていない卵の全卵液は、傾き及びピーク粘度のどちらにおいても高い値を示していた。
一方、比較例1〜4の傾きは、いずれも20.0未満であった。特に、脱糖処理を施した卵黄を含まないサンプル(比較例1,3,4)の傾きは、軒並み低いものであった。
また、比較例1〜4のピーク粘度値は、いずれも120未満であった。比較例中最も高いピーク値を示したサンプルは、脱糖処理を施した卵黄を含む比較例2であった。比較例中最も低いピーク値を示したサンプルは、保存試験を行った比較例4であった。
以上の結果から、比較例は、傾き及びピーク値ともに、実施例よりも低い値を示す傾向にあった。また、実施例と比較例共通して言えることとして、保存試験を行ったサンプルは、いずれも最も低いピーク値を示した。
次に、実施例2と比較例1とを比較すると、どちらの全卵粉も同一メーカのものであるが、粉末化した後の保存温度が異なっている。表2の結果から、保存温度によって傾きに差が出ていることがわかる。常温保存した全卵粉は、低温保存した全卵粉の1割未満の傾きしか示さず、また、ピーク値も半分程度であった。
比較例2は、脱糖処理した全卵粉(実施例2)と脱糖処理せず常温保存した全卵粉(比較例1)を等量混ぜたものである。傾きが異なるものを混ぜた場合、傾きの値が低下していることがわかる。また、ピーク値においても、同様のことがいえる。
実施例5と比較例3を比較する。実施例5と比較例3はどちらも同じ脱糖処理された卵白粉を用いており、卵黄粉が脱糖処理されているか否かが異なる。表2の結果から、卵黄粉を脱糖処理していないと、傾きが20倍以上違うことがわかる。また、ピーク値においても、6倍の差があることがわかる。これらの結果から、卵黄が脱糖されているか否かが、傾きおよびピーク値に大きく関与しているものと考えられる。
実施例3と実施例6とを比較すると、傾きは僅かに減少しているが、ほぼ変化がないと言える。一方、実施例2と比較例4とを比較すると、当初28.0だった傾きが3.9まで低下している。また、ピーク値においても、同様のことが言える。このことから、時間経過に伴う傾きの変化は、脱糖処理の有無によって大きく変わることが、ここでも示唆された。
ところで、RVA装置は加熱しながら粘度を測る装置である。上記の結果から、脱糖処理されていない卵黄は、何らかの影響により、凝固しづらくなっているものと考えられる。卵黄の凝固が不十分な場合、膨化剤に付着する卵黄の量が不十分または不均一となり、結果、膨化剤から発生する気体が漏れることで、膨化が不十分になるものと考えられる。
実験はしていないが、脱糖卵黄と脱糖卵白の組み合わせ(実施例5)にグルコースを添加し、保存試験(40℃、2週間)を行った場合、比較例4と同様に、傾き及びピーク値は低下するものと考えられる。ただし、この場合、グルコースによる経時変化を受けるのはグルコース分子に接触している卵黄及び卵白のみであって、全体が経時変化を受けるわけでは無ないものと考えられる。
次に、各サンプルの復元性試験及び官能評価について検討する。結果は表2の通りである。
Figure 2017201988
表3から明らかなように、実施例1〜6の乾燥スクランブルエッグは、いずれも復元性が良く、官能試験においても喫食に差し支えない食感を呈するものであった。具体的には、実施例1〜6における重量増加割合は、いずれも5倍以上であった。このうち、実施例1と実施例3の重量増加割合は6倍となっていた。一方、実施例2は重量増加割合が最も低く、5倍であった。
次に、比較例を見てみると、いずれも復元性が悪く、官能試験においても戻りが悪いといった結果が得られた。具体的には、最も復元した比較例2でも、重量増加割合は4.2倍であった。最も低い重量増加割合は、比較例1及び比較例4の3.2倍であった。
注目すべきは、重量の増加割合が大きいものほど、官能試験の結果が良いことである(換言すると、官能試験の結果が良いものほど、重量増加割合が大きいとも言える)。重量の増加割合が大きくなるためには吸湯性が良いことが必要であり、吸湯性を良くするためには十分に膨化されて多孔質構造となっていることが必要である。ここで、上述したように、RVA測定において傾きが高いものほど、膨化剤を被覆するように付着するため、十分膨化されて多孔質構造が得られるものと考えられる。実際、表2の結果と照らし合わせると、傾きの高い加工卵で作ったスクランブルエッグは、総じて復元性が良い。逆に、傾きの低い加工卵で作ったスクランブルエッグは、総じて復元性が良くない。これらのことから、RVAの結果から復元性の良いスクランブルエッグを作成することができる加工卵を見分けることが出来ると言える。
以上説明したように、RVA測定において傾きを調べることにより、膨化性及び復元性に優れた膨化卵製品を作成することができる加工卵を簡便な方法で識別することが出来る。これにより、品質不良による廃棄を減らし、生産コストを下げることが出来る。

Claims (3)

  1. RVAを用いた粘度測定において、傾きが20cP/min以上となっている加工卵。
  2. ピーク粘度が120cP以上である請求項1記載の加工卵。
  3. 液体または粉末である請求項1または2記載の加工卵。
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