JPWO2018074437A1 - 全卵粉及びこれを用いた膨化卵製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】湿湯戻し時に復元性の良い膨化卵製品を得ることのできる加工卵およびその識別方法を提供する。【解決手段】膨化に適した全卵粉であって、前記全卵粉の遊離アミノ酸総量が500mg/100g以上であることを特徴とする。また、膨化に適した全卵粉であって、前記全卵粉の遊離メチオニン量が10mg/100ml以上であることを特徴とする。さらに、膨化に適した全卵粉であって、前記全卵粉の遊離リジン量が40mg/100g以上であることを特徴とする。

Description

本発明は、全卵粉に関する。より詳しくは、復元性の良い膨化卵製品に適した全卵粉に関する。
現在、様々な乾燥具材の入った即席麺が市場に流通している。具材の種類としては、肉、野菜、エビ、タコ、膨化卵製品(例えば、スクランブルエッグ等)などがよく知られている。
このうち、熱湯により復元して喫食可能となる即席タイプのスクランブルエッグ等の膨化卵製品としては、凍結乾燥品または熱風乾燥品がある。
前者の凍結乾燥品は、例えば、生卵を原料として少量の熱水中に溶いた卵を流し込み加熱凝固させた後、金網等を通過させて適度な粒径のスクランブルエッグ状に崩したものをそのまま凍結乾燥することにより製造される。
一方、後者の熱風乾燥品は、例えば、粉末卵を原料とし、調味液で混練後、マイクロ加熱または蒸煮し、次いで熱風乾燥することにより製造される(例えば、特許文献1,2参照)。
特許第3012052号 特許第3252126号
ところで、熱風乾燥したスクランブルエッグ等の膨化卵製品の中には、湯戻りが悪く、食感の悪いものが発生してしまうといった問題があった。このようなスクランブルエッグが発生してしまう原因として、膨化が不十分であることが一因として考えられる。
膨化に影響を与える要因として、粉末卵、膨化剤、温度条件などが考えられる。膨化剤の量や温度条件はある程度制御できる。しかし、粉末卵については、どのような粉末卵がどの程度膨化に影響を与えるのかわかっておらず、また見分け方もわかっていなかった。そのため、品質の安定したスクランブルエッグ等の膨化卵製品を得られにくいといった問題があった。
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、膨化卵製品に適した全卵粉を提供することにある。また、膨化卵製品に適した全卵粉を用いて、湯戻し時に復元性の良い膨化卵製品を提供することにある。
本発明者らは、全卵粉について鋭意検討を行った。そして、特定の物性値を示す全卵粉を用いた膨化卵製品は、膨化性および復元性に優れていることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記課題解決のため、本発明は、膨化に適した全卵粉であって、遊離アミノ酸総量が500mg/100g以上となっている全卵粉を提供する。また、本発明は、膨化に適した全卵粉であって、遊離メチオニン量が10mg/100g以上となっている全卵粉を提供する。さらに、本発明は、膨化に適した全卵粉であって、遊離リジン量が40mg/100g以上となっている全卵粉を提供する。
かかる構成によれば、全卵粉に含まれる所定のアミノ酸の含有量が所定の値を示す全卵粉は、優れた膨化性及び復元性を有する膨化卵製品を作成することができる。
上記課題解決のため、本発明は、所定のアミノ酸を所定量含んでいる全卵粉を用いた膨化卵製品を提供する。
かかる構成によれば、所定のアミノ酸を所定量含んでいる全卵粉は膨化に適しているため、膨化性及び復元性に優れた膨化卵製品を提供することができる。
本発明により、全卵粉に含まれる所定のアミノ酸量を調べることで、膨化に適しているかを判別することができる。これにより、品質不良による廃棄を減らすことができ、生産コストを下げることができる。また、本発明にかかる全卵粉を用いることで、膨化性及び復元性に優れた膨化卵製品を製造することができる。
以下、本発明を実施するための好適な形態について、本発明の全卵粉を用いたスクランブルエッグを例に説明する。
(全卵粉)
本発明の全卵粉とは、卵殻を除去し、殺菌した上で、噴霧乾燥したものを意味する。このうち、本発明に係る全卵粉は脱糖されていることが好ましい。一般的に液卵や粉末卵は、熱や光の影響でメイラード反応やタンパク質の劣化が起こってしまい、タンパク質特性が低下しやすい。全卵粉の多くは、海外から陸路や船で輸送されてくるため、輸送時の保管による予期せぬ劣化は避けにくい。そこで、メイラード反応などによる品質低下を防ぎ、安定した品質を保つために、脱糖していることが好ましい。
脱糖処理は、例えば、卵殻の除去後、殺菌の前に行うことができる。全卵粉を脱糖する方法は特に限定されず、適宜常法が採用可能である。例えば、酵母、細菌、酵素などによって脱糖する方法が挙げられる。
なお、本発明に用いられる全卵粉は、産卵してから日の経っていない卵、例えば産卵後3日目までの新鮮な卵を加工したものが好ましい。また、本発明の全卵粉は、加工した後に低温で保存されていること、例えば20℃以下で保存されていることが好ましい。低温保存することにより、脱糖処理していない全卵粉が変性したり変色したりすることを防止することができる。
<アミノ酸含有量の測定>
本発明に係る全卵粉は、アミノ酸の含有量測定において、所定の値を有する。ここで「アミノ酸の含有量測定」は、次のように行われる。
(分析試料の調整)
全卵粉0.5gに対して蒸留水25mlを加え1時間撹拌する。撹拌後50mlにメスアップし、メスアップした試料をNo.2の定性濾紙でろ過する。次に、ろ過後の液体試料5mlと、2%スルホサリチル酸溶液5mlを遠沈管に採取し、15分間振盪機で振盪させる。振盪させた液体試料を静置した後、メンブランフィルターでろ過したものを分析試料とした。
(標準溶液の調整)
市販のアミノ酸標準混合液H型(和光純薬社製)0.6mlと、10mmol/Lヒドロキシプロリン溶液0.5mlとを正確に測りとり、0.02N塩酸で25mlにメスアップしたものをアミノ酸標準溶液とした。
(遊離アミノ酸量の定量)
遊離アミノ酸量は、液体クロマトグラフィーを用いてアミノ酸分析装置(日本電子株式会社製:JLC−500/V)によって定量した。ここで、本願発明でいう遊離アミノ酸総量とは、17種類のアミノ酸の合計量を意味する。具体的な17種類のアミノ酸は、アスパラギン酸、スレオニン、セリン、グルタミン酸、グリシン、アラニン、シスチン、バリン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、リジン、ヒスチジン、アルギニン、プロリンである。
各アミノ酸について得られた分析値を下記式にあてはめ、各アミノ酸含量(mg/100g)を算出した。また、遊離アミノ酸量は、測定した17種類の各アミノ酸含有量をすべて合計したものである。
Figure 2018074437
ここで、「A」は算出するアミノ酸の分析値を意味する。「10-6」はnmol/mlからmmol/mlへの変換係数を意味する。「B」は算出するアミノ酸の分子量を意味する。「W」は試料採取量(g)を意味する。「2」は試料液をスルホサリチル酸と1:1で混合したためである。「100」は100gあたりにするためである。
遊離アミノ酸量を測定することにより、膨化性及び復元性に優れた膨化卵製品を得ることができる全卵粉を簡便な方法で見分けることが出来る。これにより、品質不良による廃棄を減らし、生産コストを下げることが出来る。
<乾燥スクランブルエッグ用全卵粉/膨化に適した全卵粉>
本発明の全卵粉は、乾燥スクランブルエッグの製造に適している。また、本発明の全卵粉は、膨化剤による膨化にも適している。しかし、本発明の全卵粉が有する所定の物性(特にアミノ酸含有量)が、どのように膨化性・復元性に寄与するかについては、現時点ではわかっていない。可能性の一つとしては、遊離アミノ酸がグルコースと反応した結果、スクランブルエッグの膨化を阻害させる物質が生成されている可能性が考えられる。すなわち、遊離アミノ酸の量が多い場合にはこの阻害物質の生成量が少ないことになり、スクランブルエッグの膨化が阻害されないものと考えられる。
<乾燥スクランブルエッグの製造方法>
アミノ酸の含有量測定において、所定の値を有している全卵粉を用いた乾燥スクランブルエッグの製造方法は特に限定されず、適宜常法が採用可能である。
例えば、全卵粉、膨化剤、澱粉を、ミキサーを用いて混合する。次に、水または調味液を加えながら混練する。混練方法は特に制限されず、ミキサーを用いることができる。粒径が1〜30mm、好ましくは2〜15mmの小塊状となるように混練することが好ましい。
次に、混練工程で得られた小塊状卵を加熱して、膨化・熱凝固させる。加熱の方法は特に制限されず、マイクロ波加熱や蒸煮などを用いることができる。マイクロ波出力の割合としては、0.2〜0.3kW/kgで(80〜150秒)加熱することが好ましい。また、蒸煮の温度、圧力及び時間としては、90〜100℃、0.02〜0.05Mpa、2〜4分程度が好ましい。
次に、膨化・熱凝固させた小塊状卵を、できるだけ急速に室温程度にまで冷却する。当該冷却により、小塊状卵の多孔質構造がより強固なものとなって固定される。冷却方法としては、できるだけ急速に冷却できる方法であれば特に限定されず、通常ファン等を用いた風冷により行われる。この際、小塊状卵の表面を湿潤させることのないように、低湿度環境下で行うことが好ましい。表面が湿潤すると乾燥後の復元性が劣化する。
最後に、冷却した小塊状卵を熱風乾燥する。乾燥には流動層乾燥機等を用い、水分含量を約5%以下にまで乾燥させることが保存性、保形性等の点から好ましい。
乾燥の温度、時間は、例えば40℃、80分間の低温での長時間乾燥から、85℃、30分間の高温での短時間乾燥まで可能であるが、復元性・食感を考慮すると、比較的低温の40〜60℃で80〜60分間とすることが好適である。
本発明に用いる膨化剤としては、加水及び加熱に伴って気体(好ましくは炭酸ガス)を発生することが出来るものであればよい。炭酸ガス等の気体を発生させることで、膨化させ、多孔質の組織を形成することができる。これにより、湯戻し後にふっくらした食感を有するスクランブルエッグに復元させることができるようになる。
膨化剤としては、炭酸水素ナトリウム(重曹)、ミョウバン、炭酸マグネシウム、重酒石酸カリウム、アンモニア系合成膨化剤(炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム)、グルコノデルタラクトン等の化合物が挙げられるが、膨化力を有し食品として使用可能なものであれば、その他のものも適宜採用可能である。
膨化剤の添加量は、全卵粉100重量部に対して1〜5重量部が好適である。5重量部を超えると前記膨化剤特有の味や色を発現する傾向があるので好ましくない。例えば、炭酸水素ナトリウムを配合した場合には、特有のエグ味が生じる。また、1重量部未満では、膨化不足となり、目的とする多孔質状の組織とすることができず、従って、復元性および復元後の食感が悪くなる。
本発明において、必要に応じて、pH調整剤、澱粉などを添加することができる。例えば、pH調整剤は、加水後にアルカリ性を呈する膨化剤を使用した場合に発生するアルカリ焼けやエグ味の発生を抑えることができる。また、澱粉は、湯戻し後のソフトな食感を付与することができる
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。また、本発明の各特性は、以下の方法により評価した。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<アミノ酸含有量の測定>
アミノ酸含有量の測定は、次のようにして行なった。
先ず、後述の実施例および比較例から測定用サンプルを作成した。なお、非脱糖卵黄粉と脱糖卵白粉を混ぜた比較例2のアミノ酸含有量については、混合物のアミノ酸含有量を測定した。
(全卵粉の場合)
各実施例、各比較例それぞれ0.5gに対して蒸留水25mlを加えスターラーで1時間撹拌した。撹拌後50mlにメスアップし、メスアップした試料をNo.2の定性濾紙でろ過した。次に、ろ過後の液体試料5mlと、2%スルホサリチル酸溶液5mlを遠沈管に採取し、15分間振盪機で振盪させた。振盪させた液体試料を5分ほど静置した後、メンブランフィルターでろ過し、これを測定用サンプルとした。
(全卵液の場合)
全卵液1gに対して蒸留水25mlを加えスターラーで1時間撹拌した。撹拌後50mlにメスアップし、メスアップした試料をNo.2の定性濾紙でろ過した。次に、ろ過後の液体試料5mlと、2%スルホサリチル酸溶液5mlを遠沈管に採取し、15分間振盪機で振盪させた。振盪させた液体試料を5分ほど静置した後、メンブランフィルターでろ過し、これを測定用サンプルとした。
次に、アミノ酸標準溶液の調整を行った。市販のアミノ酸標準混合液H型(和光純薬社製)0.6mlと、10mmol/Lヒドロキシプロリン溶液0.5mlとを正確に測りとり、0.02N塩酸で25mlにメスアップしたものをアミノ酸標準溶液とした。
次に、アミノ酸分析装置(日本電子株式会社製:JLC−500/V)を用いて各アミノ酸の定量を行った。そして、得られたデータと以下の式から、各遊離アミノ酸含量および遊離アミノ酸総量を算出した。
Figure 2018074437
(復元性試験)
実施例、比較例の各乾燥スクランブルエッグ10gに95℃以上の熱湯を注ぎ3分間静置した。3分経過後スクランブルエッグを湯切りし、重量を測定した。そして、重量の増加割合を算出した。
(官能評価)
官能評価は次のようにして評価を行った。実施例、比較例の各乾燥スクランブルエッグに95℃以上の熱湯を注ぎ、3分間静置した。調理した各乾燥スクランブルエッグを、5人のパネラーにブラインド条件下で試食してもらい、下記評価に基づいて評価してもらった。5人のパネラーによる評価の平均値を官能評価の結果とした。
<評価>
5:ふんわりとした良好な食感
4:良好な食感
3:ややソフトさに欠けるが、喫食に差し支えない食感
2:戻りが悪く、固いところがある
1:戻りが悪く、噛み砕きにくい
(実施例1)
α化ワキシコーンスターチ225g、膨化剤として炭酸水素ナトリウム6g、グルコノデルタラクトン18gをミキサーで3分間混合し、粉体混合とした。
次に、店舗で購入した産卵後3日目の全卵液700gと、調味液として、砂糖40g、食塩20g、グルタミン酸ソーダ20g、イノシン酸・グアニル酸2gを添加溶解したものとを、先ほどの粉体混合に添加しながらミキサーにて40rpmで4分間混練し、小塊状物を得た。このとき小塊状物の平均粒径は8mmであった。
次に、家庭用電子レンジで0.25g/W、120秒の条件で加熱した後、冷却ファンにて室温まで急速冷却した。冷却した小塊状物を流動層造粒機にて、40℃で80分間熱風乾燥し冷却することで、スクランブルエッグを得た。
(実施例2)
実施例1の全卵液の代わりに、市販の全卵粉(製造後に低温保存)を使用した。市販の全卵粉(製造後に低温保存)250gと水500gを粉体混合物に加えたこと以外は、実施例1と同様である。
(実施例3〜10)
加工卵として、実施例2の全卵粉の代わりに、市販の脱糖処理された全卵粉250gを粉体混合物に加えたこと以外は、実施例2と同様である。なお、実施例3〜10は同一メーカ同一型番のロット違いである。
(実施例11)
加工卵として、実施例2の全卵粉の代わりに、市販の脱糖処理された全卵粉(実施例3〜10とは別メーカ)250gを粉体混合物に加えたこと以外は、実施例2と同様である。
(実施例12)
加工卵として、実施例3で用いた脱糖処理された全卵粉を、40℃で2週間保存した後に使用したこと以外は、実施例3と同様である。
(比較例1)
加工卵として、実施例2とは異なる市販の全卵粉(型番違い)を用いたこと以外は、実施例2と同様である。
(比較例2)
加工卵として、市販の非脱糖卵黄粉185gと市販の脱糖卵白粉65gを混ぜたものを用いたこと以外は、実施例2と同様である。
(比較例3)
加工卵として、実施例2で用いた全卵粉を、40℃で2週間保存した後に使用したこと以外は、実施例2と同様である。
各サンプルの遊離アミノ酸量は表1の通りであった。
Figure 2018074437
表1から明らかなように、実施例1〜12の遊離アミノ酸総量は、いずれも500mg/100g以上であった。特に、脱糖全卵粉の遊離アミノ酸総量の値は、いずれも高いものであった。また、脱糖処理した全卵粉(実施例8)は、産卵してから日の経っていない全卵液(実施例1)よりも高い値を示した。一方、実施例中最も遊離アミノ酸総量の値が低い結果となったのは、非脱糖処理の全卵粉(実施例2)であった。これらの結果から、粉末化する場合には、脱糖処理を施す方が遊離アミノ酸総量の値が高くなることが示唆された。
次に、遊離メチオニン量および遊離リジン量を見ると、遊離メチオニン量は10mg/100g以上、遊離リジン量は40mg/100g以上であった。脱糖処理した全卵粉(実施例8)の遊離リジン量は、産卵してから日の経っていない全卵液(実施例1)よりも高い値を示した。また、非脱糖処理の全卵粉は遊離メチオニン量および遊離リジン量の値が低かった。
一方、比較例1〜3の遊離アミノ酸総量は、いずれも500mg/100g未満であった。特に、非脱糖卵黄粉と脱糖卵白粉との混合物では、遊離アミノ酸総量が著しく低い値であった。また、遊離メチオニン量および遊離リジン量においても、同様の傾向が確認された。
以上の結果から、比較例は、遊離アミノ酸総量、遊離メチオニン量および遊離リジン量のいずれにおいても、実施例よりも低い値を示す傾向にあった。
次に、実施例2と比較例1,3とを比較する。実施例2、比較例1および比較例3は、いずれも同一メーカのものであるが、粉末化した後の保存温度がそれぞれ異なっている。実施例2と比較例1とを比較すると、表1の結果から明らかなように、粉末化後の保存温度によって遊離アミノ酸量が減少していることがわかる。また、表1には示していないが、グルコース量も実施例2に比べて比較例1では減少していた。このことから、グルコースと遊離アミノ酸とが何かしらの反応を起こしている可能性が考えられる。
次に、実施例2と比較例3とを比較する。表1から明らかなように、粉末化後に低温保存した全卵粉(実施例2)であっても、保存試験を行うことによって遊離アミノ酸量が減少していることがわかる。なお、比較例1と比較例3とを比較すると、比較例3(40℃)の方が比較例1(常温)よりも高温の条件下に保存されているため、より遊離アミノ酸が減少していることがわかる。以上のことから、未脱糖全卵粉であっても、粉末化した後に低温保存することで遊離アミノ酸量の減少を防ぐことができることが示唆された。また、高温にさらされるほど、遊離アミノ酸量が減少することが確認された。これは、低温条件下であれば遊離アミノ酸とグルコースが反応しにくいためと考えられる。
次に、各サンプルの復元性試験及び官能評価について検討する。結果は表2の通りである。
Figure 2018074437
表2から明らかなように、実施例1〜12の乾燥スクランブルエッグは、いずれも復元性が良く、官能試験においても喫食に差し支えない食感を呈するものであった。具体的には、実施例1〜12における重量増加割合は、いずれも5倍以上であった。このうち、実施例1,3〜10の重量増加割合は6倍となっていた。一方、実施例2は重量増加割合が最も低く、5倍であった。
次に、比較例を見てみると、いずれも復元性が悪く、官能試験においても戻りが悪いといった結果が得られた。具体的には、最も復元した比較例2でも、重量増加割合は3.5倍であった。最も低い重量増加割合は、比較例1及び比較例3の3.2倍であった。
注目すべきは、重量の増加割合が大きいものほど、官能試験の結果が良いことである(換言すると、官能試験の結果が良いものほど、重量増加割合が大きいとも言える)。重量の増加割合が大きくなるためには吸湯性が良いことが必要であり、吸湯性を良くするためには十分に膨化されて多孔質構造となっていることが必要である。ここで、上述したように、遊離アミノ酸とグルコースが反応した結果、スクランブルエッグの膨化を阻害させる物質が生成されると考えられる。そのため、遊離アミノ酸量が多いということはスクランブルエッグの膨化を阻害させる物質が少ないと考えられるため、十分膨化されて多孔質構造が得られるものと考えられる。実際、表1の結果と照らし合わせると、遊離アミノ酸総量、遊離メチオニン量および遊離リジン量の多い全卵粉で作ったスクランブルエッグは、総じて復元性が良い。逆に、遊離アミノ酸総量、遊離メチオニン量および遊離リジン量の少ない全卵粉で作ったスクランブルエッグは、総じて復元性が良くない。これらのことから、遊離アミノ酸量から復元性の良いスクランブルエッグを作成することができる全卵粉を見分けることが出来ると言える。
以上説明したように、遊離アミノ酸量を調べることにより、膨化性及び復元性に優れた膨化卵製品を作成することができる全卵粉を簡便な方法で識別することが出来る。これにより、品質不良による廃棄を減らし、生産コストを下げることが出来る。

Claims (4)

  1. 膨化に適した全卵粉であって、
    前記全卵粉の遊離アミノ酸総量が500mg/100g以上である、全卵粉。
  2. 膨化に適した全卵粉であって、
    前記全卵粉の遊離メチオニン量が10mg/100g以上である、全卵粉。
  3. 膨化に適した全卵粉であって、
    前記全卵粉の遊離リジン量が40mg/100g以上である、全卵粉。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の全卵粉を用いた膨化卵製品。
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