JP7385997B2 - 塊状調味材およびそれを含んでなる食品 - Google Patents

塊状調味材およびそれを含んでなる食品 Download PDF

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Description

本発明は、塊状調味材およびそれを含んでなる食品に関する。
従来の技術
一般に、冷凍食品は凍結保管中に塩味などの呈味物質が食品内部へ浸透、拡散し、均質化するため、出来立ての味、特には食品を口内に入れたときに感じる最初の味が喫食時まで保持されることはしばしば困難となる。
冷凍食品は出来立ての味を再現するために多めに食塩を添加する場合がある。例えば一般的な家庭の炒飯は食塩量が一食当たり1g程度であるのに対し、一般的な冷凍炒飯の1食当たりの食塩量は2g程度である。
また、食品の出来立ての味を維持するための手法が従前検討されてきた。例えば、特許文献1には、拡散を抑制させたい呈味物質及びゼラチンを溶解させた水溶液を、小麦粉やパン粉などの食材に含浸したものを、乾燥させてから少なくとも食品表面に存在させる方法が開示されている。
特許文献2には、予め油を加熱しておいてから、そこに卵を供給し、油が均質に馴染むように素早く攪拌加熱することで、風味が良好であるだけでなく、電子レンジ調理等の調理後の食感もふっくらとした冷凍食品用の炒り卵を製造できることが開示されている。
一方で、冷凍米飯や冷凍炒飯のようにばらばらの状態で凍結する冷凍食品において、加熱調理後も食品を口内に入れたときに感じる最初の味を効果的に保持させる技術的手段は依然として報告されていない。
特開2013-111059号公報 特開2016-192956号公報
本発明は、喫食時における食品に、良好な味わいを保持させる技術的手段を提供することを一つの目的としている。
本発明者らは、今般、呈味成分をはじめとする特定成分の組み合わせた塊状可食材料を食品中に混合すると、喫食時における食品に良好な味わいを保持させることができることを見出した。
本発明は以下の態様を包含する。
[1]具材入り食品であって、
具材の少なくとも一部が、保水性基材、呈味成分および水を含んでなり、喫食中に加圧されることによって呈味成分を水と共に放出しうる塊状調味材である、食品。
[2]冷凍炒飯、冷凍ピラフ、冷凍焼きそば、冷凍焼きうどんまたは冷凍チャンプルーである、[1]に記載の食品。
[3]保水性基材、呈味成分および水を含んでなり、喫食中に加圧されることによって呈味成分を水と共に放出しうる、食品中に混合して用いるための塊状調味材。
[4]上記調味材が固形状または半固形状である、[3]に記載の調味材。
[5]上記喫食が、食品中に上記調味材を混合した状態で行われる、[3]または[4]に記載の調味材。
[6]冷凍食品のための、[3]~[5]のいずれかに記載の調味材。
[7]上記呈味成分の量が、上記調味材100重量部に対して1~25重量部である、[3]~[6]のいずれかに記載の調味材。
[8]上記呈味成分が、塩味成分、甘味成分、酸味成分、苦味成分およびうま味成分からなる群から選択される少なくとも1つのものである、[3]~[7]に記載の調味材。
[9]上記呈味成分が、食塩、砂糖、コショウ、およびグルタミン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1つのものである、[3]~[8]のいずれかに記載の調味材。
[10]上記保水性基材が熱凝固性基材または多孔質基材を含んでなる、[3]~[9]のいずれかに記載の調味材。
[11]上記保水性基材が、卵由来成分の加熱凝固物または植物性蛋白質を含んでなる、[3]~[10]のいずれかに記載の調味材。
[12]上記保水性基材の量が、上記調味材100重量部に対して55~95重量部である、[3]~[11]のいずれかに記載の調味材。
[13]上記水の量が、上記調味材100重量部に対して60~80重量部である、[3]~[12]のいずれかに記載の調味材。
[14]保水性助剤をさらに含む、[3]~[13]のいずれかに記載の調味材。
[15]上記保水性助剤が炭水化物である、[14]に記載の調味材。
[16]上記保水性助剤の量が、上記調味材100重量部に対して10重量部以下である、[14]または[15]に記載の調味材。
[17]保水基材、呈味成分および水を含んでなり、喫食中に加圧される際に呈味成分を水と共に放出しうる塊状調味材を準備する工程、および
上記調味材を食品中に混合する工程
を含んでなる、食品の呈味改良方法。
[18]食品の呈味を強化する方法である、[17]に記載の方法。
[19]上記呈味成分が塩味成分を含有する、[17]または[18]のいずれかに記載の方法。
[20]上記塩味成分が食塩である、[19]に記載の方法。
[21]食品における塩味成分の量を低減する方法である、[19]または[20]に記載の方法。
[22]保水基材、呈味成分および水を含んでなり、喫食中に加圧される際に呈味成分を水と共に放出しうる塊状調味材を準備する工程、および
前記調味材を食品中に混合する工程
を含んでなる、食品の製造方法。
本発明によれば、喫食時における食品に、良好な味わいを保持させることができる。より具体的には、本発明によれば、呈味成分が塊状調味材に含まれていることで、食品の保存中にベース食品成分中に呈味成分が浸透するのを抑制した食品を提供することができる。とりわけ、本発明によれば、電子レンジ等による加熱調理後も、ベース食品成分中に呈味成分が浸透するのを抑制できる。本発明によれば、加熱調理後も、先味、すなわち、口内に入れ1~4回咀嚼したときに感じる最初の味にアクセントをつけることができる。本発明は、冷凍食品をはじめとする、加熱調理後の食品において、出来たての味を再現する上で有利に利用することができる。また、本発明の調味材によれば、喫食前にはベース食品成分中に呈味成分が浸透するのを抑制する一方で、喫食時には呈味成分を効率的に放出することができる。かかる本発明は、食品に使用される呈味成分の量を低減する上で有利に利用することができる。
本発明の一実施態様によれば、保水性基材、呈味成分および水を含んでなり、
喫食中に加圧される際に呈味成分を水と共に放出しうる、食品中に混合して用いるための塊状調味材が提供される。
本発明の一実施態様によれば、以下に示される確認試験により、塊状調味材が喫食中に加圧される際に呈味成分を水と共に放出するか否かを確認することができる。
確認試験:塊状調味材(0.5g)を2つ折りにしたろ紙上に置き、更に2つ折りにする。次に、塊状調味材を挟んだろ紙をレオメーターを用い、直径30mmの円形プランジャー(移動速度:60mm/分、クリアランス:2mm)を使用して圧縮荷重をかける。次に、塊状調味材を取り去った後のろ紙の重量を測定する。圧縮荷重を行う前のろ紙重量と塊状調味材を取り去った後のろ紙の重量との差から、呈味成分および水の放出量(以下、「離水量」ともいう。)を算出する。
上記確認試験のさらなる詳細は、後述する例1の記載に準じて実施することができる。上記確認試験において、呈味成分の存在は、ろ紙に含浸した水と共に呈味成分が放出されていることは、ろ紙成分をガスクロマトグラフィー分析に供することにより確認することができる。
本発明の一実施態様によれば、塊状調味材をレオメーターを用いて直径30mmの円形プランジャー(移動速度:60mm/分、クリアランス:2mm)を使用して圧縮荷重をかけた場合の離水量は、塊状調味材1g当たり、好ましくは0.09~0.5gであり、より好ましくは0.1~0.3gである。
ができる。
本発明の塊状調味材は、好ましくは固形状または半固形状である。具体的な調味材の形状は、型の選択や切断の際の形状設定等により適宜調節することができる。
塊状調味材のサイズは、特に限定されないが、調味材の1個当たりの重量は、好ましくは0.01~5gであり、より好ましくは0.05~1gである。
塊状調味材は、好ましくは食品中に混合した状態で喫食がされる。また、好ましい態様によれば、塊状調味材は、食品に塊状調味材を分散するように混合することが好ましい。塊状調味材を食品中に混合することは、食品全体において味を効率的に付与し、出来たての味を再現する上で有利である。
本発明の一実施態様によれば、食品および塊状調味材の合計量100重量部に対して、塊状調味材の量は、好ましくは5~90重量部であり、より好ましくは10~40重量部である。
本発明において使用される保水性基材は、好ましくは熱凝固性基材または多孔質基材である。
保水性基材が熱凝固性基材である場合、水の蒸発を抑制して効率的に保持する観点から、熱凝固性基材は水が沸点以下の温度で凝固する基材であるが好ましい。熱凝固性基材の凝固温度は、例えば、50~95℃であり、好ましくは60~80℃であり、より好ましくは65~75℃である。
熱凝固性基材としては、原料としては、例えば、カードラン、キサンタンガム等の多糖類や、植物性蛋白質、卵由来成分等の動物性蛋白質含有物が挙げられるが、好ましくは卵由来成分である。また、卵由来成分としては、好ましくは卵(全卵またはその混合物)、卵白、卵黄からなる群から選択されるものであり、より好ましくは卵である。
また、保水性基材が多孔質基材である場合、多孔質基材は、水を多量に保持する観点から比較的表面積の大きい基材であることが好ましい。多孔質基材としては、例えば、植物性蛋白質等が挙げられる。
植物性蛋白質としては、好ましくは大豆蛋白質、小麦蛋白質またはえんどう豆蛋白質であり、より好ましくは大豆蛋白質または小麦蛋白質であり、より一層好ましくは大豆蛋白質である。植物性蛋白質の形状は、粒状、フレーク状、顆粒状等のものを使用でき、複数の形状を組み合わせて使用してもよい。外部からの水の捕捉をより効率的に行い得ることから、植物性蛋白質としては、多孔質の粒状大豆蛋白又は多孔質のフレーク状大豆蛋白が好ましく、多孔質の粒状大豆蛋白がより好ましい。
植物性蛋白質は、市販のものを使用することができる。植物性蛋白質の市販品としては、例えば、ニューソイミーS10、ニューソイミーS11、ニューソイミーS20F、ニューソイミーS21F、ニューソイミーS21MKJ、ニューソイミーS22F、ニューソイミーS31B、ニューソイミーS50、ニューコミテックスA-301、ニューコミテックスA-302、ニューコミテックスA-318、ニューコミテックスA-320、ニューコミテックスA-321S、ニューコミテックスA-400(それぞれ、日清オイリオグループ株式会社製)等を使用できる。
一つの実施態様によれば、保水性基材の量は、好ましくは塊状調味材100重量部に対して55~95重量部であり、より好ましくは70~95重量部であり、より一層好ましくは75~95重量部である。
好ましい実施態様によれば、呈味成分は、塩味成分、甘味成分、酸味成分、苦味成分、うま味成分またはそれらの組み合わせである。好適な呈味成分としては、食塩、砂糖、コショウおよびグルタミン酸ナトリウム等が挙げられる。
呈味成分の量は、塊状調味材100重量部に対して、好ましくは1~25重量部であり、より好ましくは1~8重量部であり、より一層好ましくは3~6重量部である。
塊状調味材は、食品全体における呈味成分の量を低減する観点から好適に使用することができる。食品および塊状調味材における呈味成分の合計量100重量部に対して、前記塊状材における呈味成分の量は、好ましくは0.1~100重量部であり、より好ましくは0.2~90重量部であり、より一層好ましくは0.3~70重量部である。
塊状調味材における水の量は、塊状調味材100重量部に対して、好ましくは60~80重量部であり、より好ましくは65~79重量部であり、より一層好ましくは67~79重量部である。
塊状調味材における水の量は、保水性基材等の原料由来の水と、添加水とを合わせて調整することができる。塊状調味材における添加水の量は、塊状調味材100重量部に対して、好ましくは0~80重量部であり、より好ましくは0~40重量部であり、より一層好ましくは1~30重量部である。
一つの実施態様によれば、塊状調味材における保水性助剤は、保水性基材と異なる保水材であり、保水性基材よりも使用量が少ないものとされる。保水性助剤は、一般的に保水の目的で用いられる保水材であれば特に限定されないが、好ましくは糖質であり、より好ましくは生澱粉もしくは加工澱粉(コーン、小麦、馬鈴薯由来澱粉等、各種α化澱粉等)、ジェランガムまたはトレハロース等であり、より一層好ましくは生澱粉またはジェランガム等である。
一つの実施態様によれば、保水性助剤の量は、塊状調味材100重量部に対して、好ましくは10重量部以下であり、より好ましくは0.1~10重量部であり、より一層好ましくは0.5~5重量部である。
本発明の冷凍食品材料は、保水性基材、呈味物質、水および所望により保水性助剤を混合し、適宜加熱して凝集させることにより得ることができる。
上記各成分を混合手法は、特に限定されず、各成分を同時に一緒に混合してもよく、一部の成分を混合した後に他の成分と混合してもよい。混合温度は、均一な混合の観点から、例えば、室温(10~25℃程度)であってもよい。
また、各成分の混合物を加熱して凝集また凝固させる場合、加熱温度は、保水性基材の性質に応じて適宜決定することができるが、好ましくは90~150℃であり、より好ましくは90~110℃である。
上記加熱時間は、塊状調味材における所望の食感等に応じて適宜決定してよく、冷凍食品材料の歩留まり率(%)(=「加熱後の冷凍食品材料の重量」/「加熱前の混合物の重量」×100)を指標として決定することができる。上記加熱は、例えば、歩留まり率が70~95%、好ましくはが85~90%となるまで実施してもよい。
塊状調味材は、好ましくは食品における出来たての味を再現しまたは先味を保持するために用いることができる。出来たての味または先味の有無は、後述する例1に記載の手法により判定することができる。
塊状調味材は、食品中に分散ないし局在化させて好適に使用される。ベース食品中に分散ないし局在化させることは、出来たての味または先味を食品全体において保持させる上で好ましい。塊状調味材を食品中に分散させる手法は、特に限定されず、例えば、ほぼ同一のサイズの複数の塊状調味材を食品中に混合する手法等が挙げられる。出来たての味または先味を付与する観点からは、塊状調味材を混合する食品は冷凍食品であることが好ましい。塊状調味材は食品の冷凍後に添加して再度冷凍してもよいが、均一な混合および冷凍工程の効率化の観点からは、冷凍前に食品に添加し、食品中に分散させることが好ましい。
本発明の一実施態様によれば、食品の冷凍条件は、特に限定されないが、例えば、-20~-40℃の冷凍庫に入れて1~5時間冷凍してもよい。
冷凍食品としては、例えば、米飯、炒飯、ピラフ、焼きそば、焼きうどん、ハンバーグ、メンチカツ、コロッケ、唐揚げ、春巻、チャンプルー等が挙げられるが、好ましくは炒飯、ピラフ、焼きそば、焼きうどん、ハンバーグ、メンチカツ、コロッケ、唐揚げ、春巻またはチャンプルーであり、好ましくは炒飯またはピラフである。
本発明の冷凍食品の解凍条件は、特に限定されないが、例えば、食品の品温が60℃~80℃になるように500Wの電子レンジで1分~10分間加熱してもよい。
また、本発明の別の態様によれば、保水基材、呈味成分および水を含んでなり、喫食中に加圧される際に呈味成分を水と共に放出しうる塊状調味材を準備する工程、および塊状調味材を食品中に混合する工程
を含んでなる、食品の呈味改良方法が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、塊状調味材は、食品の呈味を強化するために使用することができる。したがって、好ましい態様によれば、上記食品の呈味改良方法は、食品の呈味を強化する方法である。
また、より好ましい態様によれば、本発明の方法において、呈味成分は塩味成分を含有する。また、より一層好ましい態様によれば、上記塩味成分は食塩である。また、上記方法では、塊状調味材を用いて塩味を強化して塩味成分の必要量を低減してもよい。したがって、さらに好ましい態様によれば、本発明の方法は食品における塩味成分の量を低減する方法である。
呈味成分が塩味成分である場合、食品および前記調味材における塩味成分の合計量100重量部に対して塊状調味材における塩味成分の量は、好ましくは0.039~40重量部であり、より好ましくは0.08~36重量部であり、より一層好ましくは0.12~28重量部である。好ましい態様によれば、上記塩味成分がナトリウムを含有する場合、塊状調味材における塩味成分の量は、ナトリウム換算値とされる。
また、別の態様によれば、保水性基材、呈味成分および水を含んでなり、喫食中に加圧される際に呈味成分を水と共に放出しうる塊状調味材を準備する工程、および塊状調味材を食品中に混合する工程
を含んでなる、食品の製造方法が提供される。
本発明の方法は、上記塊状調味材およびそれを用いた食品の記載に準じて実施することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
例1
試験サンプルの製造
塊状調味材を、以下の手法により製造した。
サラダ油を薄く引いたIH対応タマゴヤキ用フライパン(幅8.2×奥行13.2×深さ2.8cm)をIH調理機器(KZ-PH31、Panasonic(株))を中弱の加熱レベルの状態で100℃になるまで加熱した。次に、卵液をフライパン中に流し込み、歩留り率(=「加熱後の炒め卵の重量」/「加熱前の卵液の重量」×100)が88%になるまで時折反転しながら加熱を行い、シート状の固形物を得た。次に、シート状の固化物を10mm角にカットして試験サンプルとして用いた。なお、各試験区において、試験サンプル原液は以下に記載の手順に従い製造した。
試験区1
保水性基材(全卵)を均一に撹拌することにより試験サンプル原液30gを得た。
試験区2
保水性基材28.7g、食塩1.5gおよび保水性助剤(澱粉;スタビローズ1000、松谷化学工業株式会社)1.3gを均一に撹拌することにより試験サンプル原液を得た。
試験区3
保水性基材(全卵)28.4g、食塩1.5g、水1.5gおよび保水性助剤(澱粉;スタビローズ1000、松谷化学工業株式会社)0.1gを均一に撹拌した。
試験区4
保水性基材(全卵)23.3g、食塩1.5g、水6.5gおよび保水性助剤(澱粉;スタビローズ1000、松谷化学工業株式会社)0.1gを均一に撹拌した。
冷凍炒飯の製造
IH対応フライパン(直径26×深さ5cm)にサラダ油を10gを入れ、強の加熱レベルの状態で油が200℃になるまで加温した。加温が終わったら炊飯した米180gを入れ90秒間炒めた。さらに、試験サンプルと呈味成分をフライパンに入れて30秒間炒めた。
冷凍炒飯における呈味成分(食塩総量1.5g)、およびその他の成分の使用量の合計は、各試験区で同一となるように調整した。得られた炒飯をドライアイスを用いてバラ凍結して冷凍炒飯を得た。
解凍
電子レンジを用いて冷凍炒飯中の試験サンプルの温度が70℃まで達温するまで加熱解凍を行った。
官能評価
試験区1~3について、専門パネル4名により先味の官能評価を行った。具体的には、以下の基準従い、炒飯の先味を1.0点~6.0点の間で、0.5点きざみで点数を付けた。なお、試験区1を1.0点とした。
1.0点 先味をほとんど感じない
2.0点 先味を僅かに感じる
3.0点 先味を感じる
4.0点 先味をやや強く感じる
5.0点 先味を強く感じる
6.0点 先味をとても強く感じる
離水量の測定
解凍後の炒飯から試験サンプルを2~3片(約0.5g)取り出し、2つ折りにしたろ紙(FILTER PAPER 5A 90mm、東洋濾紙(株))の上に置き、更に2つ折りにした。試験サンプルを挟んだろ紙をレオメーター(CR-500DX、(株)サン科学)を用い、直径30mmの円形プランジャー(移動速度:60mm/分、クリアランス:2mm)を使用して圧縮荷重をかけた。ろ紙から試験サンプルを取り去った後のろ紙の重さを測定し、卵からの離水量を測定した。
結果は、表1に示される通りであった。特に試験区2~4では、複数のパネラー(4名)より、「出来たての炒飯の味が再現されていた」とのコメントがあった。
Figure 0007385997000001
例2
試験区3において用いられる保水性助剤を変更する以外、例1と同様の試験を行った(試験区5~11)。試験区5~11で使用された保水性助剤の分子量は以下の通りであった。
試験区5:生澱粉(米由来)(ファインスノウ、上越スターチ株式会社)
試験区6:生澱粉(小麦由来)(小麦澱粉、三和澱粉工業株式会社)

試験区7:生澱粉(コーン由来)(コーンスターチY、株式会社JTオイルミルズ)
試験区8:酢酸澱粉(銀鱗、グリコ栄養食品株式会社)
試験区9:ヒドロキシプロピルリン酸架橋澱粉(てんじん300、王子コーンスターチ株式会社)
試験区10:ジュランガム(ケルコゲル、DSP五協フード&ケミカル株式会社)
試験区11:糖(トレハロース、株式会社林原)
保水性助剤および結果は、表2に示される通りであった。
Figure 0007385997000002
例3
試験区12では、試験区3において用いられる全卵を卵白に変更する以外、例1と同様の試験を行った。なお、官能評価では、試験区1において用いられる全卵を卵白に変更して調製した試験サンプルの結果を1.0点とした。
結果は、表3に示される通りであった。
Figure 0007385997000003
例4
試験区13では、試験区3において用いられる全卵を植物性蛋白質(ニューソイミーN 20WAC、日清オイリオグループ(株);蛋白質含有率100%)に変更する以外、例1と同様の試験を行った。なお、官能評価では、試験区1において用いられる全卵を上記植物性蛋白質に変更して調製した試験サンプルの結果を1.0点とした。
結果は、表4に示される通りであった。
Figure 0007385997000004
例5
食塩に代えて上白糖(カップ印上白糖、日新製糖(株))呈味成分として用い、表6に示される配合に従い例1と同様にして試験サンプルを調製し、官能評価(専門パネル4名)および離水量の測定を行った。この官能評価では、上白糖3.0gをそのまま喫食する場合と比較して先味を感じる場合を「○」、先味を感じない場合を「×」とした。
結果は、表5に示される通りであった。
Figure 0007385997000005
例6
試験サンプル原液の組成を変更する以外、例1と同様の試験を行い、試験サンプル中の水分量、離水量と官能評価との関係を検証した。
なお、保水性基材を構成する全卵に当初から含まれる水分は、約76.1%(日本食品標準成分表2015年度版(七訂))である。また、いずれの試験区でも加熱歩留りは88%となるように加熱した。この情報に基づき、表6では、試験サンプル全量に対する総水分割合(%)を算出した。
試験サンプル原液の組成および結果は、表6に示される通りであった。
Figure 0007385997000006
例7
試験サンプル原液の組成を変更する以外、例1と同様の試験を行い、試験サンプル中の呈味成分量と、官能評価の関係を検証した。なお、この官能評価(専門パネル4名)では、先味を感じる場合を「○」、先味を感じない場合を「×」とした。
結果は、表7に示される通りであった。なお、表7に示していないが、試験サンプル中の配合比率として、呈味成分を20.7%まで増量できることを確認した。
Figure 0007385997000007
例8
試験サンプル原液の組成を変更する以外、例1と同様の試験を行い、試験サンプル中の保水性助剤と、離水量および官能評価の関係を検証した。
試験サンプル原液の組成および結果は、表7に示される通りであった。
Figure 0007385997000008
本発明によれば、電子レンジ等による加熱調理後も、良好な先味を保持しうる冷凍食品を提供することができる。

Claims (13)

  1. 具材入り冷凍食品であって、
    前記具材の少なくとも一部が、保水性基材、保水性助剤、呈味成分および水を含んでなり、喫食中に加圧されることによって呈味成分を水と共に放出しうる塊状調味材であり、
    前記保水性基材が、卵由来成分の加熱凝固物または植物性蛋白質を含んでなり、
    前記保水性助剤が、澱粉、ジェランガムおよびトレハロースから選択される少なくとも一つのものであ
    前記保水性助剤の量が、前記調味材100重量部に対して10重量部以下であり、
    前記呈味成分の量が、前記調味材100重量部に対して1~25重量部であり、
    前記水の量が、前記調味材100重量部に対して60~80重量部である、
    冷凍食品。
  2. 冷凍炒飯、冷凍ピラフ、冷凍焼きそば、冷凍焼きうどんまたは冷凍チャンプルーである、請求項1に記載の食品。
  3. 保水性基材、保水性助剤、呈味成分および水を含んでなり、喫食中に加圧されることによって呈味成分を水と共に放出しうる、冷凍食品中に混合して用いるための塊状調味材であって、
    前記保水性基材が、卵由来成分の加熱凝固物または植物性蛋白質を含んでなり、
    前記保水性助剤が、澱粉、ジェランガムおよびトレハロースから選択される少なくとも一つのものであ
    前記保水性助剤の量が、前記調味材100重量部に対して10重量部以下であり、
    前記呈味成分の量が、前記調味材100重量部に対して1~25重量部であり、
    前記水の量が、前記調味材100重量部に対して60~80重量部である、
    塊状調味材。
  4. 前記調味材が固形状または半固形状である、請求項3に記載の調味材。
  5. 前記喫食が、冷凍食品中に前記調味材を混合した状態で行われる、請求項3または4に記載の調味材
  6. 記呈味成分が、塩味成分、甘味成分、酸味成分、苦味成分およびうま味成分からなる群から選択される少なくとも1つのものである、請求項3~5のいずれか一項に記載の調味材。
  7. 前記呈味成分が、食塩、砂糖、コショウおよびグルタミン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1つのものである、請求項3~のいずれか一項に記載の調味材
  8. 水基材、保水性助剤、呈味成分および水を含んでなり、喫食中に加圧されることによって呈味成分を水と共に放出しうる塊状調味材を準備する工程、および
    前記調味材を食品中に混合する工程
    を含んでなる、冷凍食品の呈味改良方法であって、
    前記保水性基材が、卵由来成分の加熱凝固物または植物性蛋白質を含んでなり、
    記保水性助剤が、澱粉、ジェランガムおよびトレハロースから選択される少なくとも一つのものであ
    前記保水性助剤の量が、前記調味材100重量部に対して10重量部以下であり、
    前記呈味成分の量が、前記調味材100重量部に対して1~25重量部であり、
    前記水の量が、前記調味材100重量部に対して60~80重量部である、
    方法。
  9. 冷凍食品の呈味を強化する方法である、請求項に記載の方法。
  10. 前記呈味成分が塩味成分を含有する、請求項またはに記載の方法。
  11. 前記塩味成分が食塩である、請求項10に記載の方法。
  12. 冷凍食品における塩味成分の量を低減する方法である、請求項10または11に記載の方法。
  13. 保水基材、保水性助剤、呈味成分および水を含んでなり、喫食中に加圧されることによって呈味成分を水と共に放出しうる塊状調味材を準備する工程、および
    前記調味材を食品中に混合する工程
    を含んでなる、冷凍食品の製造方法であって、
    前記保水性基材が、卵由来成分の加熱凝固物または植物性蛋白質を含んでなり、
    前記保水性助剤が、澱粉、ジェランガムおよびトレハロースから選択される少なくとも一つのものであ
    前記保水性助剤の量が、前記調味材100重量部に対して10重量部以下であり、
    前記呈味成分の量が、前記調味材100重量部に対して1~25重量部であり、
    前記水の量が、前記調味材100重量部に対して60~80重量部である、
    方法。
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