JP4427341B2 - 食肉加工品添加用組成物 - Google Patents

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本発明は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムを含有する食肉加工品添加用組成物や、かかる食肉加工品添加用組成物を用いる食肉加工品の製造方法に関する。
従来より、食肉加工品の製造においては、保水性・結着性の付与、保存・防腐、発色の他、独特な風味熟成の発現を目的として、塩漬剤による塩漬(Curing)が行われている。かかる塩漬により、食肉加工品特有の食感(歯ごたえ、弾力性)を向上させると同時に、独特な風味熟成を発現させることによって、畜肉特有の獣臭をマスキング(矯臭)して、食肉加工品のおいしさをさらに高めている。この畜肉に特有な獣臭のマスキング等の独特な風味熟成の発現は、塩漬剤中の亜硝酸塩やリン酸塩による塩漬フレーバーの付与や脂質酸化防止機能によって行われており、食塩に加えてリン酸塩、亜硝酸塩などの各種添加物が塩漬剤として必須成分とされている。
一方、近年における健康志向・天然志向など、消費者ニーズの多様化に応えるため、塩分や食品添加物の使用を極力抑えようとする動きが急速に広がっている。このような消費者のニーズ、社会的環境に対応するため、食肉加工品でも製品に含まれる塩分の低減、亜硝酸塩やリン酸塩の使用削減が急務となり、無添加や低添加をうたった製品が数多く投入されている。しかし、精製塩や食塩、亜硝酸塩、リン酸塩等の低減あるいは削減は、食肉加工品の品質を損なうことになる。例えば、精製塩や食塩は、塩漬剤の中で最も添加量が多く、食肉加工品の保存性、風味、テクスチャー等の向上に関与し、リン酸塩や亜硝酸塩は、保水性・結着性の向上や脂質酸化の抑制による風味および色調の安定化等に関与することから、精製塩や食塩、リン酸塩、亜硝酸塩の低減あるいは削減して作製したソーセージ、ハンバーグ等の食肉加工品は、本来の好ましい弾力や粒子感を持つ食感とは異なり、水や脂肪が分離したような、張りのないグズッとした食感となるばかりか、製造直後から畜肉特有の獣臭を強く感じ、それを冷蔵保管すると製品中に含まれる脂肪の酸化によると思われる脂肪酸化臭も発現することになる。
他方、食肉加工品等に用いられる食塩を含む食品添加用組成物としては、例えば、含有する成分の重量%で表示した濃度比が、カルシウムイオン濃度/マグネシウムイオン濃度=1.0〜3.0で、かつ硫酸イオン濃度/カルシウムイオン濃度=1.0〜3.0で、かつカルシウムイオン濃度が0.1重量%以上である、こく、深みのある塩味を持つ食用塩(特許文献1参照)や、ミネラル成分としての古代塩水(特許文献2参照)や、食肉のドリップ流出防止を目的とした塩類、アルカリ類、増粘安定剤からなるもの(特許文献3参照)や、乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムを有効成分とするもの(特許文献4参照)や、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属炭酸塩、乳酸等からなる食肉改質剤(特許文献5、6参照)や、アルカリ性塩類、乳清タンパク質、増粘多糖類を含む調味液(特許文献7参照)や、少なくともナトリウム・カルシウム・マグネシウム・カリウムを含むミネラル組成物において、ナトリウムとそれ以外のミネラル組成物すなわちカリウム・カルシウム・マグネシウムの総和との比率が、重量比でナトリウムを「1」にして1対50から1対3の範囲にあり、かつ、ナトリウム以外のミネラル組成物すなわちカリウム・カルシウム・マグネシウムのうち最小組成量(重量)の成分が他の2成分のいずれに対しても重量比で1/6(最小成分を1とする)から1/1の範囲であることを特徴とするミネラル組成物(特許文献8参照)や、塩化ナトリウムと塩化カリウムと硫酸マグネシウム等からなる食品添加剤用組成物(特許文献9参照)や、海水を食塩濃度が10〜20%となるまで濃縮した後、該濃縮海水から食塩を40〜90%取り除いたミネラル組成物(特許文献10参照)が提案されている。
また、食塩30〜75重量%および塩化カリウム25〜70重量%からなる混合物100重量部に対してクエン酸塩5〜60重量部を混合してなる機能性食塩組成物(特許文献11参照)や、亜鉛含有量の多い乾燥酵母と、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、卵殻カルシウムとを含む塩とを含有する食品添加用組成物(特許文献12参照)や、海藻を焼却することで得られる海藻灰及び酸化マグネシウムが主成分として含有されている機能性塩味組成物(特許文献13参照)や、重量配合比率が、塩化ナトリウム70〜95、塩化マグネシウム20〜2.5、塩化カルシウム4〜0、塩化カリウム2〜0、硫酸マグネシウム4〜0である麺加工用添加食塩(特許文献14参照)や、フレーク塩及び/又はフレーク塩の破片98〜80重量%と乳酸カルシウム2〜20重量%を含むフレーク状食塩(特許文献15参照)や、酢酸ナトリウムとPH調整剤を主剤とし、この主剤に食塩または塩化カリウムを助剤として配合した食品添加剤(特許文献16参照)や、フレーク塩と塩化カリウムを含み、ナトリウム含量が食塩の50%以下である低ナトリウム鹹味料(特許文献17参照)や、塩化カリウムを25〜30重量%、硫酸マグネシウムを3〜9重量%、クエン酸ナトリウムを11〜14重量%含有し残分食塩からなることを特徴とする塩味調味料(特許文献18参照)や、原料としての専売塩40〜90重量%に水1〜20重量%と水溶性ミネラル含有液1〜30重量%を加えて溶解し、次にこの混合塩を所定期間熟成して醗酵させ、さらにこの醗酵熟成混合塩を脱水して微粉化することにより得られる塩化ナトリウム40〜90重量%と水分1〜5重量%と水に溶解するカルシウムなどのミネラル成分1〜10重量%を含む食塩(特許文献19参照)や、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムを純度100%化合物に換算して塩化マグネシウム:塩化カルシウム:塩化ナトリウム:塩化カリウム=1:4〜10:0.3〜1.1:0.3〜0.6、MgCl2=30〜57g、水1000mlの割合で含む高濃度ミネラル原液(特許文献20参照)が提案されている。
特開2000−201646号公報 特開2002−136271号公報 特開2000−125760号公報 特開平11−133号公報 特開平11−192071号公報 特開2000−189111号公報 特開2001−224336号公報 特開平10−313823号公報 特開2000−308468号公報 特開平10−313824号公報 特開平6−189709号公報 特開2002−330727号公報 特開平7−255415号公報 特開平11−32712号公報 特開平7−31409号公報 特開平5−284953号公報 特開2000−262241号公報 特開平10−4917号公報 特開平8−280355号公報 特開2000−60506号公報
近年の食品添加物の低減あるいは削減などの社会的情勢に対応し、食肉加工業界においても、従来、使用されてきたリン酸塩や亜硝酸塩などの各種添加物を削減する動きが広まっている。しかし、このような添加物を使用せずに食肉加工品を製造すると、上記のように、製造直後から畜肉特有の獣臭を強く感じて風味を損なうという問題がある。本発明の課題は、リン酸塩や亜硝酸塩を添加することなく、あるいは添加量を低減させた場合であっても、風味やテクスチャーを向上させると共に、畜肉特有の獣臭を改善した食肉加工品を製造することができる食肉加工品添加用組成物や、かかる食肉加工品添加用組成物を添加する食肉加工品の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、塩化ナトリウムに、特定の割合で塩化カルシウム及び塩化マグネシウムを含有させるとともに、塩化カルシウムと塩化マグネシウムの重量組成比を特定の範囲に調整した組成物が、風味やテクスチャーを向上させると共に、畜肉特有の獣臭を改善した食肉加工品を製造することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムを含有する食肉加工品添加用組成物であって、前記組成物中の塩化マグネシウム(無水物換算):塩化カルシウム(無水物換算)の重量比が0.15〜0.80:1であり、かつ、塩化ナトリウム:{塩化マグネシウム(無水物換算)+塩化カルシウム(無水物換算)}の重量比が4〜16:1であることを特徴とする食肉加工品添加用組成物(請求項1)や、塩化マグネシウム(無水物換算):塩化カルシウム(無水物換算)の重量比が0.26〜0.36:1であり、かつ、塩化ナトリウム:{塩化マグネシウム(無水物換算)+塩化カルシウム(無水物換算)}の重量比が7.6〜8.6:1であることを特徴とする請求項1に記載の食肉加工品添加用組成物(請求項2)や、塩化ナトリウムを78〜92重量%、塩化マグネシウム6水塩(MgCl2・6H2O)を4〜10重量%、塩化カルシウム2水塩(CaCl2・2H2O)を4〜16重量%を含有することを特徴とする請求項1に記載の食肉加工品添加用組成物(請求項3)や、塩化ナトリウムを82〜86重量%、塩化マグネシウム6水塩(MgCl2・6H2O)を4.5〜6.1重量%、塩化カルシウム2水塩(CaCl2・2H2O)を9.5〜11.5重量%を含有することを特徴とする請求項3に記載の食肉加工品添加用組成物(請求項4)や、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の食肉加工品添加用組成物(請求項5)に関する。
すなわち本発明は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムを含有する食肉加工品添加用組成物であって、前記組成物中の塩化マグネシウム(無水物換算):塩化カルシウム(無水物換算)の重量比が0.15〜0.80:1であり、かつ、塩化ナトリウム:{塩化マグネシウム(無水物換算)+塩化カルシウム(無水物換算)}の重量比が4〜16:1であり、獣臭が有効に抑制され、又は、苦味やえぐ味を感じずに、風味やテクスチャーを向上させることを特徴とする食肉加工品添加用組成物(請求項1)や、塩化マグネシウム(無水物換算):塩化カルシウム(無水物換算)の重量比が0.26〜0.36:1であり、かつ、塩化ナトリウム:{塩化マグネシウム(無水物換算)+塩化カルシウム(無水物換算)}の重量比が7.6〜8.6:1であることを特徴とする請求項1に記載の食肉加工品添加用組成物(請求項2)や、塩化ナトリウムを78〜92重量%、塩化マグネシウム6水塩(MgCl2・6H2O)を4〜10重量%、塩化カルシウム2水塩(CaCl2・2H2O)を4〜16重量%を含有することを特徴とする請求項1に記載の食肉加工品添加用組成物(請求項3)や、塩化ナトリウムを82〜86重量%、塩化マグネシウム6水塩(MgCl2・6H2O)を4.5〜6.1重量%、塩化カルシウム2水塩(CaCl2・2H2O)を9.5〜11.5重量%を含有することを特徴とする請求項3に記載の食肉加工品添加用組成物(請求項4)や、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の食肉加工品添加用組成物(請求項5)に関する。
本発明の食肉加工品添加用組成物食肉加工品の製造方法によれば、リン酸塩や亜硝酸塩を添加することなく、あるいは添加量を低減させた場合であっても、風味やテクスチャーを向上させると共に、畜肉特有の獣臭を改善した食肉加工品を製造することができる。
本発明の食肉加工品添加用組成物としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムを含有し、組成物中の塩化マグネシウム(無水物換算):塩化カルシウム(無水物換算)の重量比が0.15〜0.80:1であり、かつ、塩化ナトリウム:{塩化マグネシウム(無水物換算)+塩化カルシウム(無水物換算)}の重量比が4〜16:1であれば特に制限されるものではなく、塩化マグネシウム(無水物換算):塩化カルシウム(無水物換算)の重量比が0.26〜0.36:1であり、かつ、塩化ナトリウム:{塩化マグネシウム(無水物換算)+塩化カルシウム(無水物換算)}の重量比が7.6〜8.6:1であることが特に好ましい。上記塩化ナトリウムとしては精製塩や天然塩に由来するものを例示することができ、塩化カルシウムとしては無水塩、1水塩、2水塩、4水塩及び6水塩を例示することができ、塩化マグネシウムとしては無水塩、2水塩、4水塩、6水塩、8水塩及び12水塩を例示することができる。このような本発明の食肉加工品添加用組成物として、塩化ナトリウムを78〜92重量%、塩化マグネシウム6水塩(MgCl2・6H2O)を4〜10重量%、塩化カルシウム2水塩(CaCl2・2H2O)を4〜16重量%を含有するものを具体的に例示することができ、特に塩化ナトリウムを82〜86重量%、塩化マグネシウム6水塩(MgCl2・6H2O)を4.5〜6.1重量%、塩化カルシウム2水塩(CaCl2・2H2O)を9.5〜11.5重量%を含有するものを好適に例示することができる。
本発明の食肉加工品添加用組成物中の塩化マグネシウム(無水物換算):塩化カルシウム(無水物換算)の重量比が0.15〜0.80:1の範囲外の場合や、塩化ナトリウム:{塩化マグネシウム(無水物換算)+塩化カルシウム(無水物換算)}の重量比が4〜16:1の範囲外の場合には、本発明の食肉加工品添加用組成物を含有した食肉加工品は、獣臭が有効に抑制されていなかったり、あるいは苦味やえぐ味を感じるようになり、食肉加工品の風味等が害され好ましいものでなくなる。しかし、塩化マグネシウム(無水物換算):塩化カルシウム(無水物換算)の重量比が0.26〜0.36:1であり、かつ、塩化ナトリウム:{塩化マグネシウム(無水物換算)+塩化カルシウム(無水物換算)}の重量比が7.6〜8.6:1の場合や、塩化ナトリウムを82〜86重量%、塩化マグネシウム6水塩(MgCl2・6H2O)を4.5〜6.1重量%、塩化カルシウム2水塩(CaCl2・2H2O)を9.5〜11.5重量%を含有する場合は、特に獣臭が有効に抑制され、風味の優れた食肉加工品を得ることができる。そして、本発明の食肉加工品添加用組成物は、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムの3成分から構成してもよいが、獣臭の改善効果等の本発明の効果を奏しうる範囲で、他の成分を配合してもよい。
本発明の食肉加工品添加用組成物が適用可能な食肉加工品としては、ウインナー、ハム、ハンバーグ、ミートローフ、ベーコン、焼き鳥、つくね、唐揚げ等の食肉の加工品の他に食肉そのものを例示することができ、食肉の種類としては、豚肉、牛肉、羊肉、馬肉、猪肉、鶏肉、合鴨肉、魚肉等の他に肝臓、心臓、舌、胃などのバラエティーミートを挙げることができる。本発明の食肉加工品添加用組成物を食肉加工品に添加する方法としては特に制限されるものではなく、例えば、本発明の食肉加工品添加用組成物を水に溶解して水溶液とし該水溶液中に食肉加工品や食肉を浸漬させる方法や、本発明の食肉加工品添加用組成物を食肉加工品や食肉に注入する方法や、食肉加工品や食肉の表面に本発明の食肉加工品添加用組成物をまぶして内部に浸透させる方法を好適に例示することができ、調理時や喫食時に食肉加工品にふりかけて使用することもできる。また、本発明の食肉加工品添加用組成物の添加量としては、特に制限されるものではなく、その食肉加工品の種類や添加方法等に応じて適宜決定することができるが、ハム、ソーセージ、ベーコン等の場合は、原料肉100重量部に対して1.5〜2.5重量部が、ハンバーグ、つくね、唐揚げ等の場合は、原料肉100重量部に対して0.5〜1.5重量部が通常用いられる。
本発明の食肉加工品の製造方法としては、上記本発明の食肉加工品添加用組成物を添加する食肉加工品の製造方法であれば特に制限されるものではなく、その添加方法も上記のような添加方法が挙げられるが、食肉加工品添加用組成物を溶解した溶液を食肉加工品に注入する方法が、塩漬の期間が短縮され、均一に分散させることができる点で好ましい。また、本発明の食肉加工品の製造方法においては、本発明の食肉加工品添加用組成物の他に、他の添加物を併用することもでき、例えば、リン酸塩や亜硝酸塩を添加・併用しなくともよいが、添加量を低減して、添加・併用することもできる。他の添加物を併用する場合、風味やテクスチャーを向上させると共に、畜肉特有の獣臭を改善することが好ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[本発明の食肉加工品の製造及び評価]
(食肉加工品の製造)
以下に示すように、本発明の食肉加工品添加用組成物を添加した食肉加工品を製造して、その食肉加工品の品質評価を行った。各実施例に対する比較例として、食肉加工品添加用組成物の代わりに、食肉加工品添加用組成物の製造で用いた精製塩のみをコントロールとして使用し、その他の条件は同様にして製造及び品質評価を行った。また、本発明の食肉加工品添加用組成物やコントロールとしての精製塩を添加しない場合をブランクとした。
(評価方法)
製造された食肉加工品の品質評価は、食感、風味、色調の官能評価、及び、レオメータによる最大応力の測定による物性評価や、TBA(2−チオバルビツール酸)法による脂肪酸化の程度の測定を行った。また、本発明の食肉加工品添加用組成物の脂質酸化防止効果、及び獣臭発生の抑制効果を明らかにするため、食肉の脂質酸化の主要な触媒因子である非ヘム鉄の定量、及び脂質酸化の過程で発生し、風味劣化との関係が深いアルデヒド類の定量を行った。
(官能評価)
官能評価は、専門のパネラー10名により、製造した製品の食感、風味、色調の好ましさについて評価し、最終的には総合的な品質として、
◎:非常に良い
○:良い
△:やや悪い
×:悪い
とした。
(最大応力の測定)
最大応力の測定は、サン科学社製レオメータCR−200Dを使用し、製品断面の破断に必要な応力の測定を行った。測定時のサンプルの形状は直径18mm、高さ10mmとした。プランジャーの圧縮速度は6cm/minで等速とし、プランジャーは直径10mmであった。最大応力の値が高いほど、結着力があることを示し、食感が好ましいことを示す。
(TBA値の測定)
TBA値の測定は、衛生試験法・注解2000(日本薬学会編)のチオバルビツール酸試験に準拠して行った。TBA値の値が低いほど、脂肪酸化が抑制されていることを示し、風味的に好ましいと判断される。
(非ヘム鉄含量の測定)
非ヘム鉄含量の測定は、RHEEらの方法〔J.Food.Sci、52(5)、1174(1987)〕に従って行った。食肉中の非ヘム鉄は、NaClの添加や加熱処理等により色素タンパク質であるミオグロビン等から遊離し、脂質酸化を促進すると考えられている。すなわち、遊離する非ヘム鉄の含量が少なければ、脂質酸化の進行が抑制されると考えられることから、本発明の食肉加工品添加用組成物が、食肉中の非ヘム鉄含量に与える影響について評価を行った。
(アルデヒド含量の測定)
アルデヒド含量の測定は、MIYASHITAらの方法〔J.Am.Oil.Chem.Soc、68(10)、748(1991)〕に従って行った。アルデヒド類は、脂質の酸化、分解過程で生成し、風味劣化の主要な因子である。すなわち、アルデヒド類の発生が少なければ、脂質の酸化が抑制され、獣臭等などの不快な臭いの発生が低減したことを示すと考えられることから、本発明の食肉加工品添加用組成物が、加熱後冷蔵保管した食肉中で発生するアルデヒド類に与える影響について評価を行った。
[食肉加工品添加用組成物の調製]
イオン交換膜法精製塩(NaCl)21.05kgに塩化マグネシウム6水塩(MgCl2・6H2O)1.325kgと塩化カルシウム2水塩(CaCl2・2H2O)2.625kgを添加して、円筒型の混合機で8分間混合し、本発明の食肉加工品添加用組成物を製造した。この食肉加工品添加用組成物は、組成物中の塩化マグネシウム(無水物換算):塩化カルシウム(無水物換算)の重量比が0.3:1であり、かつ、塩化ナトリウム:{塩化マグネシウム(無水物換算)+塩化カルシウム(無水物換算)}の重量比が8.1:1であり、塩化ナトリウムを84.2重量%、塩化マグネシウム6水塩を5.3重量%、塩化カルシウム2水塩を10.5重量%含むものである。
[あらびきウインナーの製造]
脂肪分約20重量%を含む豚赤肉2280gと豚背脂肪270gを混合し、5mm目のチョッパーにて挽肉とした。そこに氷水390g、実施例2で調製した食肉加工品添加用組成物48g、水あめ60gを加え、ミキサー内で3分間混練し、一次配合肉を得た。この一次配合肉を、4℃の冷蔵庫内で一晩静置した後、香辛料3.9gを加え、再度真空条件下のミキサー内で混練し、あらびきウインナーの生地を得た。この生地をスタッファーを使用して径18mmの羊腸ケーシングに充填し、結紮、懸垂後にスモークハウス内で55℃で15分間乾燥、55℃で15分間燻煙、57℃で20分間の蒸気加熱、そして75℃で15分間の蒸気加熱を行い、あらびきタイプのウインナーを得た。上記製造したあらびきウインナーの製造直後及び5℃で21日間冷蔵保管後における官能評価と物性評価(最大応力値及びTBA値の測定)を行った。また、本発明の食肉加工品添加用組成物に代えて精製塩を使用して製造した比較例3に係るあらびきウインナーの製造直後及び5℃で21日間冷蔵保管した後における官能評価並びに最大応力値及びTBA値の測定を行った。製造直後の結果を表1に示し、冷蔵保管後の結果を表2に示す。
Figure 0004427341
Figure 0004427341
表1に示すように、本発明の食肉加工品添加用組成物を添加した実施例3に係るウインナーは、食感、風味、色調のすべての官能評価において良好であり、特に獣臭の抑制されたものであった。また、実施例3に係るウインナーは、最大応力値やTBA値においても優れていた。また、表2から明らかなように、これらの効果は冷蔵保管後においても有効に持続されていた。
[ほそびきウインナーの製造]
脂肪分約20重量%を含む豚赤肉2100gと豚背脂肪390gを混合し、5mm目のチョッパーにて挽肉とした。この挽肉に水450g、実施例2で調製した食肉加工品添加用組成物48g、水あめ60g、香辛料3.9gを加えサイレントカッターで生地の温度が12℃になるまでカッティングを行い、ファインメッシュの生地を得た。この生地を真空条件下のミキサー内で3分間混練した後、スタッファーを使用して径18mmの羊腸ケーシングに充填し、結紮、懸垂後にスモークハウス内で55℃で15分間乾燥、55℃で15分間燻煙、57℃で20分間の蒸気加熱、そして75℃で15分間の蒸気加熱を行い、ほそびきタイプのウインナーを得た。上記製造したほそびきウインナー、及び本発明の食肉加工品添加用組成物に代えて精製塩を使用して製造した比較例4に係るほそびきウインナーの官能評価及び物性評価(最大応力値の測定)を製造直後に行った。その結果を表3に示す。
Figure 0004427341
表3に示すように、本発明の食肉加工品添加用組成物を添加した実施例4に係るウインナーは、食感、風味、色調のすべての官能評価において良好であり、特に獣臭の抑制されたものであり、食感では、ほそびきウインナーに求められる結着力となめらかさが良好であった。また、実施例4に係るウインナーは、最大応力値においても優れていた。
[ロースハムの製造]
豚ロース肉2,000gに、実施例2で調製した食肉加工品添加用組成物、水あめ及び水を所定量含むピックル液をインジェクター(ヒガシモトキカイ社製)を用いて300g注入し全量を2,300gとした。注入後の食肉加工品添加用組成物の濃度は1.8重量%、水あめの濃度は3.3重量%であった。この食肉加工品添加用組成物含有肉を、4℃の冷蔵庫内で1時間タンブリングした後、一晩静置塩漬した。翌日、食肉加工品添加用組成物含有肉を折り径130mmのファイブラスケーシングに充填し、結紮後にスモークハウス内で60℃で1時間乾燥、60℃で30分間燻煙、そして75℃で中心温度が72℃に到達するまで蒸気加熱を行い、ロースハムを得た。上記製造したロースハム、及び本発明の食肉加工品添加用組成物に代えて精製塩を使用して製造した比較例5に係るロースハムの官能評価及び物性評価(最大応力値の測定)を製造直後に行った。その結果を表4に示す。
Figure 0004427341
表4に示すように、本発明の食肉加工品添加用組成物を添加した実施例5に係るロースハムは、食感、風味、色調のすべての官能評価において良好であり、特に獣臭の抑制されたものであり、食感では、ロースハムに求められる弾力としっとり感が良好であった。また、実施例5に係るロースハムは、最大応力値においても優れていた。
[ハンバーグの製造]
脂肪分約20重量%を含む牛バラ肉2212gを5mmのチョッパーにて挽肉とした。そこに全卵150g、2mm角にダイスカットしたタマネギ465g、パン粉157gに、実施例2で調製した食肉加工品添加用組成物21g、香辛料0.9gを加え、手でよく混練した後成形し、180℃のオーブンで中心温度が72℃になるまで焼成し、ハンバーグを得た。上記製造したハンバーグ、及び本発明の食肉加工品添加用組成物に代えて精製塩を使用して同様に製造した比較例6に係るハンバーグの官能評価及びTBA値の測定を製造直後に行った。その結果を表5に示す。
Figure 0004427341
表5に示すように、本発明の食肉加工品添加用組成物を添加した実施例6に係るハンバーグは、食感、風味、色調のすべての官能評価において良好であり、特に、食感ではハンバーグに求められる肉の粒子感と適度な弾力があった。また、実施例6に係るハンバーグは、TBA値においても優れていた。
[焼き鳥ももの製造]
皮付きの鶏もも肉1,000gを2cm角の大きさにカットし、実施例2で調製した食肉加工品添加用組成物10.8重量%、砂糖 25.7重量%、調味料25.6重量%、にんにく1.2重量%、水36.7重量%であるピックル液150gに浸漬し、全量を1,150gとした。この食肉加工品添加用組成物含有肉を、4℃の冷蔵庫内で1時間タンブリングした後、一晩静置塩漬した。翌日、この食肉加工品添加用組成物含有肉を串刺しし、炭火にて焼き上げ、焼き鳥ももを得た。上記製造した焼き鳥もも、及び本発明の食肉加工品添加用組成物に代えて精製塩を使用して同様に製造した比較例7に係る焼き鳥ももの官能評価及びTBA値の測定を製造直後に行った。その結果を表6に示す。
Figure 0004427341
表6に示すように、本発明の食肉加工品添加用組成物を添加した実施例7に係る焼き鳥ももは、食感、風味、色調のすべての官能評価において良好であり、特に獣臭の抑制されたものであり、食感では、適度な繊維感とほぐれやすさが良好であった。また、実施例7に係る焼き鳥ももは、TBA値においても優れていた。
[焼き鳥かわの製造]
鶏かわ1,000gを2cm角の大きさにカットし、実施例2で調製した食肉加工品添加用組成物10.8重量%、砂糖25.7重量%、調味料25.6重量%、にんにく1.2重量%、水36.7重量%であるピックル液150gに浸漬し、全量を1,150gとした。この食肉加工品添加用組成物含有鶏かわを、4℃の冷蔵庫内で1時間タンブリングした後、一晩静置塩漬した。翌日、この食肉加工品添加用組成物含有鶏かわを串刺しし、炭火にて焼き上げ、焼き鳥かわを得た。上記製造した焼き鳥かわ、及び本発明の食肉加工品添加用組成物に代えて精製塩を使用して製造した比較例8に係る焼き鳥かわの官能評価及びTBA値の測定を製造直後に行った。その結果を表7に示す。
Figure 0004427341
表7に示すように、本発明の食肉加工品添加用組成物を添加した実施例8に係る焼き鳥かわは、風味、色調の官能評価において良好であり、特に、鶏の脂肪に特有な臭みがなくなり、甘味やうま味を感じるようになった。また、実施例8に係る焼き鳥かわは、TBA値においても優れていた。
[つくねの製造]
皮付きの鶏もも肉2,205gを5mm目のチョッパーで挽肉とした。そこに、実施例2で調製した食肉加工品添加用組成物21g、調味料73.5g、全卵30g、タマネギ450g、長ネギ105g、山芋30g水150gを加え手でよく混練し、生地を得た。この生地を球状に成形した後、90℃で5分間のボイル処理を行いつくねを得た。上記製造した実施例8に係るつくね、及び本発明の食肉加工品添加用組成物に代えて精製塩を使用して製造した比較例9に係るつくねの官能評価及びTBA値の測定を製造直後に行った。その結果を表8に示す。
Figure 0004427341
表8に示すように、本発明の食肉加工品添加用組成物を添加した実施例9に係るつくねは、食感、風味、色調のすべての官能評価において良好であった。また、実施例9に係るつくねは、TBA値においても優れていた。
[調味生肉の製造]
皮付き鶏むね肉1,000g、豚ロース肉1,000g、牛ロース肉1,000g、馬ロース肉1,000g、豚ハツ1,000g、牛レバー1,000g、羊肉1,000gのそれぞれに実施例2で調製した食肉加工品添加用組成物を10g加え、手でよく混練し調味生肉を得た。また、混練した調味生肉の一部を10℃で2時間保管した。混練直後、及び2時間保管後の各調味生肉を180℃のホットプレートで焼くか、あるいは90℃で3分間のボイル処理を行い官能評価を行った。その結果、食肉加工品添加用組成物で調味したものは、比較例に比べ、供試した畜肉特有の獣臭さがなくなり、良好な風味となった。
[サバの塩焼きの製造]
サバ500gに実施例2で調製した食肉加工品添加用組成物20gをよくまぶした後、10℃で2時間保管した。保管後にサバの表面を軽く水洗し、余分な食肉加工品添加用組成物を除去した後、250℃のオーブンで中心が80℃になるまで加熱処理を行った。こうして得られたサバを官能評価したところ、食肉加工品添加用組成物で焼いたサバは、比較例に比べ青魚特有の臭みがなく、さっぱりとした風味で良好であった。
[各種食肉加工品添加用組成物の調製]
精製塩、塩化マグネシウム、塩化カルシウムの組成比を変化させて各種食肉加工品添加用組成物を調製した。具体的には、イオン交換膜法精製塩(NaCl)、塩化マグネシウム6水塩(MgCl2・6H2O)、塩化カルシウム2水塩(CaCl2・2H2O)を円筒型の混合機で混合して下記表9及び表10の食肉加工品添加用組成物を製造した。表9においては、塩化マグネシウム/精製塩の値をほぼ一定(予備実験により選定)として塩化カルシウムの量を変化させ、表10においては、塩化カルシウム/精製塩の値をほぼ一定(予備実験により選定)として塩化マグネシウムの量を変化させて、それぞれ食肉加工品添加用組成物を調製した。
Figure 0004427341
Figure 0004427341
[各種食肉加工品添加用組成物での官能評価]
実施例12で調製した各種組成の食肉加工品添加用組成物が1.41重量%含有される以外は実施例8と同様にして焼き鳥かわを製造し、製造直後の獣臭等に関する官能評価を行った。また、同様に、上記各組成の食肉加工品添加用組成物が1.6重量%含有される以外は実施例3と同様にしてあらびきウインナーを製造し、製造直後の獣臭等に関する官能評価を行った。なお、コントロール(CT)として、上記イオン交換膜法精製塩(NaCl)を用い、官能評価は実施例1記載の方法で行った。その結果を表11に示す。
Figure 0004427341
表11から明らかなように、コントロール(CT)に比して、精製塩と塩化マグネシウムからなるもの(T1−1)や精製塩と塩化カルシウムからなるもの(T2−1)は獣臭において改善が見られるものの十分ではなく、また、精製塩と塩化マグネシウムと塩化カルシウムからなるものであっても、本発明に該当する食肉加工品添加用組成物(T1−2,T1−3,T1−4,T2−2,T2−3)以外のもの(T1−5,T2−4,T2−5)は後味の異味(苦味、エグ味)の点で好ましくなくなる。本発明に該当する食肉加工品添加用組成物の中でも、T1−3とT2−2は、獣臭抑制に加えて、食感に優れ、風味バランスもよく、特に優れていることがわかった。
[各種食肉加工品添加用組成物での非ヘム鉄含量の測定]
実施例12で調製した各種組成の食肉加工品添加用組成物が、食肉中の非ヘム鉄含量に与える影響について評価を行った。豚挽肉(ヒレ)100重量部に対して各種食肉加工品添加用組成物2.0重量部を添加・混合して含有させた豚挽肉を、所定期間(0、3、7日)5℃で静置塩漬し、75℃で1時間加熱処理を行った後、豚肉中の非ヘム鉄含量を定量した。なお、コントロールとして、イオン交換膜法精製塩(NaCl)を用いた。具体的には、加熱処理後の塩漬肉(5.0g)に3N塩酸/20%トリクロロ酢酸溶液(15ml)と0.4%亜硝酸溶液(0.2ml)を加え、65℃で20時間静置した。冷却後に遠心分離を行い、上清を50mlに定溶し、定溶した抽出液(1ml)にリファレンス試薬(蒸留水:飽和酢酸ナトリウム溶液=21:20)あるいは発色試薬(蒸留水:飽和酢酸ナトリウム溶液:バソフェナントロリン溶液=20:20:1)を5ml加え、5分間静置後に540nmにおける吸光度を分光光度計により測定し、あらかじめ鉄標準液を用いて作成した標準曲線から、試料の鉄濃度(μg/g肉)を算出した。結果を図1に示す。
図1より、精製塩と塩化マグネシウムと塩化カルシウムからなる本発明に該当する食肉加工品添加用組成物(T1−2,T1−3,T1−4,T2−2,T2−3)及びそれ以外のもの(T1−5,T2−4,T2−5)、並びに精製塩と塩化マグネシウムからなるもの(T1−1)、精製塩と塩化カルシウムからなるもの(T2−1)は、コントロール(CT)に比して、塩漬直後(0日)及び静置塩漬中の遊離鉄量が低く推移することや、T1−1ではやや高い値であることがわかった。これらの結果と実施例13の官能評価の結果との比較から、非ヘム鉄含量の測定結果からのみ評価することは十分でないことがわかった。
[各種食肉加工品添加用組成物でのアルデヒド含量の測定]
実施例12で調製した各種組成の食肉加工品添加用組成物が、加熱後冷蔵保管した食肉中で発生するアルデヒド類に与える影響について評価を行った。皮付きの鶏もも肉あるいは鶏かわそれぞれ100重量部に対して、各種食肉加工品添加用組成物1.0重量部を添加・混合して含有させた皮付きの鶏もも肉あるいは鶏かわそれぞれを一晩5℃で静置塩漬し、翌日、この塩漬肉を200℃のオーブンで焼き上げ、焼き鳥ももあるいは焼き鳥かわを製造し、所定期間(0、3、7日)0℃で冷蔵保管した場合のアルデヒド含量を測定した。なお、コントロールとして、イオン交換膜法精製塩(NaCl)を用いた。具体的には、焼き鳥ももあるいは焼き鳥かわ(5.0g)にトリフェニルホスフィンベンゼン溶液(15ml)を加えホモジナイズし、遠心分離後の上清(10ml)を暗所で30分間放置し、0.3%DPPD(N,N−ジメチル−ρ−フェニレンジアミン硫酸塩)を5ml加え、30℃の湯煎中で保持し、10分後に400nm、460nm、500nmの吸光度を分光光度計により測定した。結果を図2(もも)及び図3(かわ)に示す。400nm、460nm、500nmはそれぞれアルデヒド類であるアルカナール、アルケナール、アルカジエナールとDPPDとの反応生成物の吸収極大波長である。各アルデヒド含量(μmol)は、以下の式に従って算出した。
アルカナール=11.90×A400−8.041×A460+3.937×A500
アルケナール=1.539×A460−1.236×A500
アルカジエナール=−0.5240×A460+1.109×A500
400、A460、A500はそれぞれ400nm、460nm、500nmの吸光度を示す。総アルデヒド量は、アルカナール、アルケナール、アルカジエナールの総和となる。
図2及び図3より、精製塩と塩化マグネシウムと塩化カルシウムからなる本発明に該当する食肉加工品添加用組成物(T1−2,T1−3,T1−4,T2−2,T2−3)及びそれ以外のもの(T1−5,T2−4,T2−5)、並びに精製塩と塩化マグネシウムからなるもの(T1−1)、精製塩と塩化カルシウムからなるもの(T2−1)は、コントロール(CT)に比して、製造直後(0日)及び冷蔵保管中の総アルデヒド量が低く推移することや、T1−1ではやや高い値であることがわかった。これらの結果と実施例13の官能評価の結果との比較から、総アルデヒド量の測定結果からのみ評価することは十分でないことがわかった。
[各種食肉加工品添加用組成物でのTBA値の測定]
実施例15と同様に焼き鳥ももあるいは焼き鳥皮を製造し、所定期間(0、3、7日)0℃で冷蔵保管した場合のTBA値を測定した。結果を図4(もも)及び図5(皮)に示す。製造直後(0日)及び冷蔵保管中のTBA値の推移は、実施例15における総アルデヒド量の測定結果の推移と同様の挙動を示すことがわかった。
本発明の食肉加工品添加用組成物を豚挽肉に用いた場合の遊離鉄量の推移を示す図である。 本発明の食肉加工品添加用組成物を皮付きの鶏もも肉に用いた場合の総アルデヒド量の推移を示す図である。 本発明の食肉加工品添加用組成物を鶏かわに用いた場合の総アルデヒド量の推移を示す図である。 本発明の食肉加工品添加用組成物を皮付きの鶏もも肉に用いた場合のTBA値の推移を示す図である。 本発明の食肉加工品添加用組成物を鶏かわに用いた場合のTBA値の推移を示す図である。

Claims (7)

  1. 塩化ナトリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムを含有する食肉加工品添加用組成物であって、前記組成物中の塩化マグネシウム(無水物換算):塩化カルシウム(無水物換算)の重量比が0.15〜0.80:1であり、かつ、塩化ナトリウム:{塩化マグネシウム(無水物換算)+塩化カルシウム(無水物換算)}の重量比が4〜16:1であり、獣臭が有効に抑制され、又は、苦味やえぐ味を感じずに、風味やテクスチャーを向上させることを特徴とする食肉加工品添加用組成物。
  2. 塩化マグネシウム(無水物換算):塩化カルシウム(無水物換算)の重量比が0.26〜0.36:1であり、かつ、塩化ナトリウム:{塩化マグネシウム(無水物換算)+塩化カルシウム(無水物換算)}の重量比が7.6〜8.6:1であることを特徴とする請求項1に記載の食肉加工品添加用組成物。
  3. 塩化ナトリウムを78〜92重量%、塩化マグネシウム6水塩(MgCl2・6H2O)を4〜10重量%、塩化カルシウム2水塩(CaCl2・2H2O)を4〜16重量%を含有することを特徴とする請求項1に記載の食肉加工品添加用組成物。
  4. 塩化ナトリウムを82〜86重量%、塩化マグネシウム6水塩(MgCl2・6H2O)を4.5〜6.1重量%、塩化カルシウム2水塩(CaCl2・2H2O)を9.5〜11.5重量%を含有することを特徴とする請求項3に記載の食肉加工品添加用組成物。
  5. 塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の食肉加工品添加用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の食肉加工品添加用組成物を添加することを特徴とする食肉加工品の製造方法。
  7. 食肉加工品添加用組成物を溶解した溶液を食肉加工品に注入することを特徴とする請求項6に記載の食肉加工品の製造方法。
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