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ハム材の炭火焼方法

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JP4874412B2

Japan

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重信 小泉

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2010 JP

Application JP2010132961A events
2012-02-15
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Description

本発明は、加熱手段として備長炭を用い、生のハム材を燃焼する備長炭の上方に配置して焼くハム材の炭火焼方法に関するものである。
このような生のハム材の炭火焼方法に関する技術は知られていない。
一般には、鶏肉や豚肉、その他の種々の肉の炭火焼方法が知られている。
その1に特許文献1がある。この特許文献1は、焼き肉調理器具及び焼き肉方法を提案するものであり、特に本件発明と関連する焼き肉方法は、コンロに炭を入れて火を付け、或いは予め火を付けた炭を該コンロに入れ、その上で、該コンロの上部に五徳を置き、該五徳の上に受け台を載せ、更に該受け台の上に和紙を載せ、該和紙の上に肉類を置いて焼く焼き肉方法である。
この特許文献1の焼き肉方法によれば、肉を焼く過程で生じる肉汁が和紙に吸収され、さっぱりとした焼き上がりとなり、他方、炭の上に肉汁が滴下することがないので、肉汁が焼けることにより発生する煙や悪臭を防止することができることになる利点がある。また炭を汚さないため、顧客が自ら焼いて食べるシステムの店の場合には、炭を交換せずに他の顧客のために再使用することも可能となる利点もある。金網等に汚れが付着しない利点があることも確かである。しかし極めて高価な和紙を使用し、しかも使い捨てになる点には大きな問題があるといわざるを得ない。
また、その2に特許文献2がある。この特許文献2は、素焼き製の縦長状の大壺内の上方部内周壁面に、タレに漬け込んだ肉片を吊持する吊持用リングを取り付け、これに肉片を吊持させる一方で、前記大壺内の底壁上に配置された七輪内に着火した練炭を収納すると共に、該練炭上に着火した炭を配置し、かつ前記大壺の上端開口部に素焼き製の土鍋を嵌入して、該大壺内を密閉状態にし、炭の持つ遠赤外線効果・脱臭効果及びマイナスイオン効果と、炭と練炭との強い火力により、前記肉片を焼き上げ、更に、前記練炭及び炭上に滴り落ちたタレが前記練炭及び炭中に落下して発生した煙により、または、これに加えて、前記炭上にスモークチップを載せてスモークし、これらの煙によって前記肉片に燻製作用を及ぼすようにした焼き肉の製造方法である。
この特許文献2の焼き肉の製造方法によれば、大壺内をその上端開口部に嵌入させた素焼きの土鍋によって密閉しているので、当初はその内部に十分な酸素を有するため練炭及び炭は完全燃焼し、十分な火力を発揮することができると思われるが、徐々に不完全燃焼状態になり、十分な火力を発揮し得なくなる虞がある。またある程度の遠赤外線効果・脱臭効果及びマイナスイオン効果は発揮し得ると思われるが、大壺のサイズ、焼き肉対象の肉片の量によっては、良好な結果を得られなくなる虞がある。更にこの特許文献2の焼き肉方法では、炭上に滴り落ちたタレによって発生する煙を利用して肉片に対する燻製作用を加えようとするものであり、タレには当然肉汁も含まれており、必ずしも良好な香りを得られるとは限らず、不快な香りが付着する虞もある。スモークチップを採用したとしても、肉汁及びタレが焦げることによって発生する煙も混合するので、同様の結果になると思われる。
特開2001−137128号公報 特開2006−314261号公報
本発明は、比較的大きなサイズの生のハム材を焼肉の材料として、無用な焦げを回避しながら、備長炭を用いて、その燃焼による直接の焼き肉作用、並びに高温の蒸気や湯気による良好な蒸し焼き作用を加え、柔らかで、雑味のない、肉本来の味を保持した薫り高いハム材の炭火焼方法を提供することを解決の課題とするものである。
本発明の1は、加熱手段として備長炭を用い、生のハム材を燃焼する備長炭の上方に配置して焼くハム材の炭火焼方法において、
前記ハム材の前記備長炭による炭火焼の途中で、1回以上、該ハム材及び燃焼する備長炭にそれらの上方から水掛けを行い、該ハム材に対して、燃焼する備長炭の熱によって発生する水蒸気及び湯気の吹き上げ作用を加えさせ、良好なハム材の焼き状態を得ることとした、ハム材の炭火焼き方法である。
本発明の2は、本発明の1のハム材の炭火焼方法において、前記ハム材として、0.02〜2.00kgの原料肉を2〜3日間塩漬けし、続いて5日〜25日間香辛料、砂糖及び調味料を加えた塩水に漬け込む一方で、乾燥、燻煙及びボイル処理のいずれも行うことなく、炭火焼用の寸法形状に加工したものを採用したものである。
本発明の3は、本発明の1又は2のハム材の炭火焼方法において、前記水掛を、水の掛かった燃焼中の備長炭の表面が黒色に変化するが消火はしない程度に行うこととしたものである。
本発明の4は、本発明の1、2又は3のハム材の炭火焼方法において、前記ハム材を、燃焼する前記備長炭の表面が少なくとも部分的に赤色になった段階で、その上方に配置して炭火焼を開始することとしたものである。
本発明の5は、本発明の1、2、3又は4のハム材の炭火焼方法において、前記ハム材を前記備長炭の上方に配置する前に、燃焼によってその表面が赤色状態になっている該備長炭に水掛を行い、該備長炭の燃焼熱によって発生する水蒸気及び湯気の吹き上げ作用により、該備長炭の表面の清浄化を図ることとしたものである。
本発明の6は、本発明の1、2、3、4又は5のハム材の炭火焼方法において、最後に行われた前記水掛の後に、前記備長炭の表面が赤色になるまで燃焼状態が復帰した段階で、前記ハム材がきつね色になっていれば焼き上げ完了とするものである。
本発明の7は、本発明の1、2、3、4、5又は6のハム材の炭火焼方法において、ハム材を、串焼きに適する寸法形状に加工し、串に刺して焼くこととしたものである。
本発明1のハム材の炭火焼方法によれば、炭火焼の過程で、一度以上、対象のハム材と共に燃焼する備長炭にも水が掛けられ、該備長炭の燃焼熱で発生した高温の水蒸気及び湯気が吹き上がり、該ハム材を、通常の備長炭の燃焼熱による直接の加熱に加えて、該高温の水蒸気及び湯気の吹き上がりによる蒸し焼き状態の加熱を行うことになるため、比較的サイズの大きなハム材を炭火焼対象とした場合であっても、該ハム材は、通常の炭火焼よりも柔らかで焦げの少ない、かつ雑味のない良好な焼き上がり状態となり、美味なものとなる。ハム材に掛けられた水は、ハム材の作成過程で肉の中に浸透した香辛料等を若干その中に含むこととなるため、水蒸気及び湯気となって吹き上がる際に、再度、該ハム材の表面にそれが付着することとなり、焼き上がったハム材は一層薫り高いものとなる。
なお、以上のように、焼き上がったハム材が柔らかなものになるのは、前記のような水掛操作を行ったことに加えて、対象の肉がハム材であるからである。
また対象のハム材が比較的大きなサイズのものであったとしても、無用な焦げを生じさせないで内部まで火を通すことができるのは、水掛操作を行い、高温の水蒸気及び湯気で該ハム材を包み込むような状況を作り出したからである。
水掛操作を行わなければ、ハム材を用いたとしても、芯部まで火を通すまでには表面に必要以上の焦げを作ってしまい、良好な炭火焼肉を得ることはできない。水掛操作は必須である。
また比較のために敢えて述べておくと、例えば、ハム材以外の肉、特に直径3cm、長さ2cm程度の円柱状に近似する形状の比較的大きな単なる肉の塊を串に刺して炭火焼した場合は、水掛操作を加えても、かなり硬くなってしまうし、肉の味以外の味がないので、風味の面でも美味しいとは云えないものとなる。またタレを付着させた肉の場合も、ハム材以外の肉では、かなり硬くなるのに加えて、水掛の際にタレが流れてしまうので、水掛操作の際の再付着があったとしても良い結果は得られない。
ハム材以外の肉を用い、更に水掛操作を用いないで、前記のように、特に直径3cm、長さ2cm程度の円柱状に近似する形状の比較的大きな単なる肉の塊を串に刺して炭火焼を行った場合は、芯部まで火が通らないうちに、表面が大きく焦げてしまい、炭火焼が困難である。無理に炭火焼を継続しても表面の焦げが深くなるのみで、芯部は火が通ったとしても柔らかくはならない。無用に焦がさずに芯部まで火を通すためには、現在、焼き鳥と称して行われているように、串に刺す肉はかなり小さなサイズのものとするほかない。
本発明の2のハム材の炭火焼方法によれば、炭火焼対象のハム材が、前記のように、原料肉を適切に処理して作成したものであるため、柔らかで、薫り高い、かつ美味な焼き上がりのハム材を得ることができる。このような処理をしない肉を用いた場合は、前記のように、水掛処理を行っても充分には柔らかくなり得ず、かつ肉自体に味が付いていないので、好ましい風味を得ることが殆どできない結果となる。
なお、原料肉の塩漬け処理及び香辛料、砂糖及び調味料を加えた塩水への漬け込み処理は、0.02kg程度の小片状の肉の場合は、前者の塩漬けが2日間程度の処理であり、後者が5日間程度の処理とするのが適当であり、2kg程度のブロック状の肉の場合は、前者の塩漬けが3日間程度の処理であり、後者の塩水漬けが25日間程度の処理とするのが適当である。それらの中間のサイズの肉の場合は、それぞれそれらの間の期間に適切に調節して処理すべきである。
本発明の3のハム材の炭火焼方法によれば、炭火焼の過程で行われる水掛を適切に行うことができるため、より適切な温度の水蒸気及び湯気を発生し得、焼き上がったハム材を一層美味かつ香りの高いものとすることができる。
本発明の4のハム材の炭火焼方法によれば、ハム材の炭火焼をより適切な燃焼状態から開始することにより、より一層美味かつ香りの良い焼いたハム材を得ることができることとなるものである。
本発明の5のハム材の炭火焼方法によれば、備長炭の表面に、その前の炭火焼過程で付着した汚れ、その他の汚れが付着していた場合であっても、これに水掛を行うことで、そのときに発生する水蒸気及び湯気の吹き上げ作用により、そのような汚れを吹き飛し、引き続く炭火焼過程を、清浄な表面を持った備長炭によって行われるようにし、不快な臭い等の付着のない、良好な炭火焼を行うことができるようにするものである。
本発明の6のハム材の炭火焼方法によれば、良好な焼き上がりの炭火焼ハム材を得ることができる。
本発明の7のハム材の炭火焼方法によれば、串に刺すことで、適切な量のハム材を良好に焼くことができることになる。
本発明の実施例で用いる一例のコンロとその上に載せた載置手段とを示す一部切欠正面断面図。 載置手段の上に串刺しハム材を載せて炭火焼きしている状態を示すコンロ及び載置手段等の断面正面図。 図2の平面図。 (a)は載置手段の正面図、(b)は載置手段の側面図、(c)は載置手段の平面図。
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて詳細に説明する。
この実施例のハム材の炭火焼き方法は、加熱手段として備長炭を用い、生のハム材を燃焼する備長炭の上方に配置して焼くハム材の炭火焼方法であって、以上のハム材の備長炭による炭火焼の過程の途中で、1回以上、該ハム材及び燃焼する備長炭にそれらの上方から水掛け操作を行い、該ハム材に対して、燃焼する備長炭の熱による直接の加熱に加えて、該備長炭の燃焼熱によって発生する水蒸気及び湯気の吹き上げによる蒸し焼き作用を加えさせ、良好なハム材の焼き状態を得ることとしたものである。
以下、この実施例のハム材の炭火焼き方法を順を追って詳細に説明する。
この実施例で炭火焼の対象となるハム材は、例えば、原料肉を一定期間塩に漬け、更に続いて香辛料、砂糖及び調味料を加えた塩水に一定期間漬け込んだものであり、原料肉としては、例えば、豚肉等の種々の部位の肉を採用することができる。豚のもも肉が最も好ましい。このような原料肉の塩への漬け込みは、前記のように、0.02〜2.00kgのブロック状の豚のもも肉の処理であれば、その塩漬けは2〜3日間行い、香辛料、砂糖及び調味料を加えた塩水への漬け込みは概ね5〜25日間程度行う。以上のように塩漬けしかつ塩水漬けしたハム材である肉は、乾燥、燻煙及びボイル処理のいずれも行わずに炭火焼用として適当な寸法形状に加工する。より具体的には、例えば、比較的大きな一口サイズにカットする。或いは、串焼き用として、一本の串に数個を刺すことができる寸法形状にカット又は成形する。
この実施例では、ハム材としては、種々の部位の豚肉(1kg前後のブロックに分けたもの)を2日間塩漬けし、続いてその肉を香辛料、砂糖及び調味料を加えた塩水に14日程度漬け込んだ肉であって、乾燥、燻煙及びボイル処理のいずれも行っていない肉を串焼き用の寸法形状に、具体的には、直径3cm程度、長さ2cm程度の円柱状に近似する形状に加工したものをハム材として採用し、30cmの長さの竹串に刺した。
以上のハム材は、前記のように、炭火焼するものであるが、この炭火焼は、前記のように、備長炭を用いて行う。この備長炭を用いての炭火焼は、内部で備長炭を燃焼させ得、その上部にハム材、特に串に刺したハム材を載せることができる網状等の載置手段を備え又はそのような載置手段を配置することができる種々のタイプのコンロを用いて行うことができる。この実施例では、図1に示す底部がほぼ半円筒状になっているコンロ1を用いて行った。
このコンロ1は、図1に示すように、側壁1aの下部に開閉自在な網扉を配した複数の開口部1b、1b…を備え、上部には、串刺しハム材(串刺しにしたハム材)2、2…をその上に載せることができる載置手段3を取り外し自在に配置したものである。
前記載置手段3としては、網状の種々の部材、若しくは、金属棒を縦横に配した全体として板状の部材を自由に採用することができるが、この実施例では、載置手段3は、図4(a)〜(c)に示すように、多数の短尺の金属棒を縦向きにして横方向に多数を平行に並べ、それらを横方向に延びる五本の他の金属棒で結合してなる横長長方形の載置面部3aと、その載置面部3aの上辺下部、中央下部及び下辺下部に配した脚部3b、3b、3bとで構成したそれを採用した。該脚部3bは、その下端辺を構成する金属棒と該下端辺を構成する金属棒と載置面部3aの該当する下面とを結合する多数の連結垂下棒とで構成したものである。この載置手段3は、前記のように、コンロ1の上部に取り外し自在に載置するものである。
このコンロ1における備長炭5、5…の着火は、初めにナラ炭又はクヌギ炭4を該コンロ1の内底部に配して着火し、適切な燃焼状態になったところで、これを種火とし、その上に載せて行う。例えば、図2に示すように、コンロ1の内底部の最下部にナラ炭又はクヌギ炭4、4…を配置し、前記のように、一般の技法によってそれに着火し、適切な燃焼状態になったところで、これらの上に備長炭5、5…を載せる。必要に応じて、更にその上に、下方の備長炭5、5…と交差する向きに備長炭5、5…を載せる。必要があれば、更にその上に又備長炭5、5…を載せて燃焼させても良い。このように、着火したナラ炭又はクヌギ炭4、4…を種火として、備長炭5、5…に着火し適切な燃焼状態に導くものである。なお、備長炭の着火方法は、これに限定されず、種々に適切な方法を選択することができる。
なお、前記載置手段3の載置面部3aの下面と最上部の備長炭5、5…との間の距離は、この実施例では20cm程度としてある。
以上の備長炭5、5…が適切な燃焼状態、即ち、それらの表面の全部又は一部が赤色になったところで、前記載置手段3の載置面部3aの上に、複数の串刺しハム材2、2…を、図2及び図3に示すように、相互に平行になるように、二列に載せる。また各列の串刺しハム材2、2…の串の下部はそれぞれ該載置面部3aの上辺側又は下辺側を向いた状態とする。その状態で、串刺しハム材2、2…が概ね1/3程度の焼き状態になったところで、備長炭5、5…の全体が赤色になっていることを確認して、水掛操作を行う。
この水掛は、載置手段3の載置面部3a上に配した串刺しハム材2、2…の上からその全体にまんべんなく水を掛けることによって行う。水掛における水の量は、串刺しハム材2、2…の間から流れ落ちる水によってその下方の備長炭5、5…の表面が黒くはなるが消火はしない程度に行う。
このように水掛を行うと、掛かった水は、燃焼する備長炭5、5…の熱によって一気に水蒸気又は湯気となって吹き上がることになる。吹き上がるこの高温の水蒸気及び湯気によって、その上の載置手段3の載置面部3a上に配してある串刺しハム材2、2…は、この時、蒸し焼き状態になる。またこの時、水掛に利用された水は、串刺しハム材2、2…の周囲を流れ落ちる過程で、そのハム材に付着又は含滲している香辛料の一部がその中にしみ出して流れ落ち、備長炭5、5…の燃焼熱で吹き上がる水蒸気等とともに吹き上がり、再度、該串刺しハム材2、2…の表面に付着し、その芳香を向上させることともなる。この水掛は、複数回繰り返して行うのが良い。最低でも一回は行う。二回以上繰り返して行う場合は、黒色に変化した備長炭5、5…の全体が赤色に回復するまで待って行う。なお、水掛によって表面が黒色に変化した備長炭5、5…は、そのときの条件によって一定ではないが、概ね3〜5分で全体が赤色に回復する。
なお、以上の炭火焼過程で、串刺しハム材2、2…は、これに対する加熱をまんべんなく行うために、適宜回数転回させる。この転回は一般に行われるそれと同様に行う。
以上の串刺しハム材2、2…は、最後に行った水掛の後、備長炭5、5…の全体が黒色から赤色に回復した段階で、全体がきつね色になっていれば焼き上げ完了である。
こうして焼き上げた串刺しハム材2、2…は、これが原料肉を前記のように処理して作成したハム材であること、備長炭5、5…の直火の燃焼熱による焼き操作と水掛時の高温の水蒸気及び湯気による蒸し焼き操作とが繰り返されることのそれぞれの相乗効果により、柔らかで焦げが少なく、かつ雑味がない、良好な焼き上がり状態となり、かつ水蒸気及び湯気が吹き上がる際に再付着する香辛料により一層香りも良好になる。
引き続いて串刺しハム材2、2…の炭火焼を繰り返す場合は、初めに、赤色状態になっている備長炭5、5…に水掛を行い、その後、該備長炭5、5…がまた赤色状態を回復するまで待って前記載置手段3の載置面部3a上に生の串刺しハム材2、2…を配置し、以上に述べたところを繰り返すことにより行う。以上のように、蒸気と湯気の吹き上げ作用により、表面に汚れが付着した可能性のある備長炭5、5…の表面を清浄化し、更に前記載置手段3の清浄化も図っておく趣旨である。これによって、引き続く炭火焼過程で、不快な臭い等の付着のない、良好な炭火焼を行う趣旨である。
<比較例>
この比較例は、串刺し豚肉を市販のタレを付着して炭火焼きするものである。肉は、ハム材ではなく、この実施例で原料として用いた種々の部位の豚肉と同様の豚肉で、特別の処理を行っていない豚肉を直径3cm程度、長さ2cm程度の円柱状に近似する形状に加工して30cmの長さの竹串を用いて串刺しにしたものを採用した。
この串刺し豚肉の炭火焼は、本件実施例で用いたのと同様のコンロ1を用い、同様の備長炭5、5…を用いて、水掛のみを行わないで焼き上げるものであり、該備長炭5、5…の表面が赤色状態になったところで、前記載置手段3上に、タレを付着させた串刺し豚肉を載せ、これらをまんべんなく熱が加わるように転回しながら焼く。もっとも前記のような大サイズなので、串刺し豚肉の個々の豚肉の芯部まで火が通らないうちに、その表面が焦げ始め、芯部まで火が通った段階で、前記載置手段3から下ろしたが、個々の豚肉の表面の焦げはかなり酷い状態になった。また肉は非常に硬くなった。
<試食>
前記実施例で焼き上げた串刺しハム材2、2…及び上記の比較例で焼き上げた串刺し豚肉を、成人男性30人と成人女性30人の計60人に、それぞれ試食して貰った。
外観的に実施例のハム材の炭火焼肉はきつね色の炭火焼き肉であり、比較例の炭火焼肉は表面が炭色となり、かなり炭化しているので、非常に大きな差があり、試食した者全員が、その香り、風味、柔らかな食感のいずれの面でも実施例の串刺しハム材2、2…の炭火焼き肉が優れていると評価した。
1 コンロ
1a 側壁
1b 開口部
2 串刺しハム材(串刺しにしたハム材)
3 載置手段
3a 載置面部
3b 脚部
4 ナラ炭又はクヌギ炭
5 備長炭

Claims (7)
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  1. 加熱手段として備長炭を用い、生のハム材を燃焼する備長炭の上方に配置して焼くハム材の炭火焼方法において、
    前記ハム材の前記備長炭による炭火焼の途中で、1回以上、該ハム材及び燃焼する備長炭にそれらの上方から水掛けを行い、該ハム材に対して、燃焼する備長炭の熱によって発生する水蒸気及び湯気の吹き上げ作用を加えさせ、良好なハム材の焼き状態を得ることとした、ハム材の炭火焼き方法。
  2. 前記ハム材が、0.02〜2.00kgの原料肉を2〜3日間塩漬けし、続いて5日〜25日間香辛料、砂糖及び調味料を加えた塩水に漬け込む一方で、乾燥、燻煙及びボイル処理のいずれも行うことなく、炭火焼用の寸法形状に加工したものである、請求項1のハム材の炭火焼方法。
  3. 前記水掛を、水の掛かった燃焼中の備長炭の表面が黒色に変化するが消火はしない程度に行うこととした請求項1又は2のハム材の炭火焼方法。
  4. 前記ハム材を、燃焼する前記備長炭の表面が少なくとも部分的に赤色になった段階で、その上方に配置して炭火焼を開始することとした請求項1、2又は3のハム材の炭火焼方法。
  5. 前記ハム材を前記備長炭の上方に配置する前に、燃焼によってその表面が赤色状態になっている該備長炭に水掛を行い、該備長炭の燃焼熱によって発生する水蒸気及び湯気の吹き上げ作用により、該備長炭の表面の清浄化を図ることとした請求項1、2、3又は4のハム材の炭火焼方法。
  6. 最後に行われた前記水掛の後に、前記備長炭の表面が赤色になるまで燃焼状態が復帰した段階で、前記ハム材がきつね色になっていれば焼き上げ完了とする請求項1、2、3、4又は5のハム材の炭火焼方法。
  7. ハム材を、串焼きに適する寸法形状に加工し、串に刺して焼くこととした請求項1、2、3、4、5又は6のハム材の炭火焼方法。