JP2007167031A - 卵殻膜を含有する調味料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工食品における調味料の風味を増強させる組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】調味料と卵殻膜を含有することを特徴とする調味料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、卵殻膜を含有する調味料組成物およびそれを含有する加工食品に関する。
現在、食品を製造するにあたっては、調味料および食品添加剤が幅広く利用されている。しかしながら、食品の風味の面では、まだ、満足のできるものが得られていないのが現状である。特にローストした畜肉の風味や、カツオ節またはにぼし等の節類の風味については、市場の要求レベルも高く満足したものは得られていない。
現在、本発明に関連する発明として、以下の方法および食品等が知られている。
1.一定量の含硫化合物を含有する酵母エキスに糖類等を添加し加熱することにより、ローストミートフレーバー様風味を有する調味料を製造する方法(特許文献1参照)、
2.畜肉エキスにフラクトースを添加し加熱することにより、コク味を付与された畜肉エキス調味料素材を製造する方法(特許文献2参照)、
3.鳥類の卵殻膜を酸またはアルカリで分解処理し、生成する分解生成物液を処理することにより得ることができる卵殻膜の有用成分を含有する食品等の製造方法(特許文献3参照)、
4.鳥類の卵殻膜を蛋白分解酵素で処理し、生成する分解生成物を含有する食品等(特許文献4参照)、および
5.卵殻膜の加水分解物を調味料として含有する食品(非特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の方法を用いても、酵母エキス特有の味と風味が残り、ローストミートフレーバー様風味を有する調味料の使用範囲および使用量が制限される。また、特許文献2に記載の方法を用いても、畜肉エキス調味料素材に特有の褐変臭と着色が生じる。さらに、卵殻膜の加水分解物も調味料に利用されているが(非特許文献1)、調味料組成物として満足のいくものは未だ得られていない。
特開平4−66069号公報 特開2000−125805号公報 特開昭48−40968号公報 特開平4−148649号公報 岐阜女子大記要 2003.3月P99−107
本発明は、食品の味への影響がなく、かつ調味料の風味が増強された調味料組成物および該調味料組成物を含有する加工食品を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、卵殻膜を調味料中に含有させることにより、調味料の風味が増強されることを見出した。本発明者はさらに検討を進め、乾燥物換算で、調味料組成物100質量部に対する卵殻膜の含有割合が約0.01〜10質量部であるのが好ましく、さらに製造方法については、調味料と卵殻膜とを含有する混合物を約80〜200℃の温度で加熱する工程を含む製造方法で調味料組成物を製造することにより、調味料の風味、例えば、畜肉風味(ビーフ風味、ポーク風味、チキン風味等)、だし風味(カツオ風味、にぼし風味等)が顕著に増強されることを見出した。本発明者は、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)調味料と卵殻膜を含有することを特徴とする調味料組成物、
(2)乾燥物換算した調味料組成物100質量部に対する卵殻膜の含有割合が、0.01〜10質量部であることを特徴とする前記(1)に記載の調味料組成物、
(3)調味料と卵殻膜とを含有する混合物を80〜200℃の温度で加熱する工程を含む製造方法で製造されることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の調味料組成物、
(4)加熱時間が、1分〜8時間であることを特徴とする前記(3)に記載の調味料組成物、
(5)調味料が、タンパク加水分解物、畜肉エキス、酵母エキス、魚介エキスまたは魚節エキスであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の調味料組成物、
(6)さらに、糖またはアミノ酸を含有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の調味料組成物、
(7)卵殻膜が卵殻に付着していることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の調味料組成物、
(8)卵殻膜が粉砕されていることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の調味料組成物、
(9)前記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の調味料組成物を含有することを特徴とする加工食品、および
(10)卵殻膜を含有することを特徴とする食品添加剤、
に関する。
調味料組成物を含有する加工食品における調味料には、例えば、畜肉風味(ビーフ風味、ポーク風味、チキン風味等)、だし風味(カツオ風味、にぼし風味等)を呈するものがある。本発明によれば、これらを顕著に増大することができる。
本発明でいう卵殻膜には、卵殻の内側にある膜、該膜を乾燥したもの、あるいは該乾燥したものを粉砕したもの等が挙げられ、好ましくは、卵殻膜を粉砕したものである。また、卵殻膜には、卵殻膜が付着した卵殻を粉砕したものも含まれるが、酸、アルカリまたは蛋白質分解酵素等で分解処理したものは除かれる。卵としては、例えば、鳥類(例えば、鶏またはダチョウ等)等の卵が挙げられる。
本発明でいう調味料としては、例えば、タンパク加水分解物、畜肉エキス、酵母エキス、魚介エキスまたは魚節エキス等が挙げられる。また、調味料には、グルタミン酸、コハク酸またはそれらの塩等の化学調味料も含まれる。
前記調味料は、1種単独でもよくまたは2種以上の混合物であってもよい。
タンパク加水分解物には、例えば、動物タンパク質若しくは植物タンパク質の酸加水分解物、酵素分解物または自己消化物等を含む。動物タンパク質としては、例えば、牛骨、豚骨、鶏骨、牛肉、豚肉、鶏肉、鶏足、豚足、牛皮、豚皮または鶏皮等由来タンパク質が挙げられる。植物タンパク質としては、例えば、小麦、大豆、とうもろこしまたは米等由来タンパク質が挙げられる。タンパク加水分解物としては、具体的には、例えば、動物性調味液(HAP)、植物性調味液(HVP)、魚醤、醤油または味噌等が挙げられる。
畜肉エキスとしては、例えば、牛骨、豚骨、鶏骨、牛肉、豚肉、鶏肉、鶏足、豚足、牛皮、豚皮若しくは鶏皮等の常圧加熱媒体抽出物または加圧加熱媒体抽出物等が挙げられる。抽出媒体としては、液体媒体が好ましい。液体媒体としては、水が好ましい。畜肉エキスとしては、具体的には、ビーフボーンエキス、ビーフミートエキス、ビーフティッシュエキス、ポークエキス、ポークミートエキス、チキンエキスまたはチキンミートエキス等が挙げられる。
酵母エキスとしては、通常例えば酵母を酵素分解、自己消化または酸分解等の処理を行った後に抽出、濃縮されたエキス等が挙げられ、酵母を培養した後に酵母から取り出した菌体内成分を濃縮したものあるいは該酵母から取り出した菌体内成分を酵素分解または酸等で加水分解して濃縮したものも含まれる。前記菌体内成分としては、タンパク質、アミノ酸、有機酸、無機塩、核酸またはペプチド等が挙げられる。酵母中の菌体内成分は、公知の方法で取り出すことができ、例えば酵母の細胞膜に機械的圧力を加えること等により取り出すことができる。取り出されたタンパク質や核酸は、酵素反応または自己消化することによりアミノ酸、ペプチド、イノシン酸またはグアニル酸の含有量が増加し、酵母エキスとしてより好ましい。
酵母エキスの原料となる酵母としては、例えばビール酵母、パン酵母またはトルラ酵母等が好ましく挙げられる。
魚介エキスとしては、例えば、魚肉、魚骨、魚の内臓、カニ、イカ、エビ、ホタテ、カキ、コンブ若しくはワカメ等の加熱水抽出物、酵素分解物、自己消化物、アルコール抽出物または酢酸抽出物等が挙げられる。
魚節エキスとしては、例えば、カツオ節、宗田節、鮪節、鯖節、鯵節若しくは煮干等の水抽出物、熱水抽出物またはアルコール抽出物等が挙げられる。
本発明に係る調味料組成物の形状は、特に限定されず、固形であっても液状であってもペースト状であってもよい。固形としては、例えば、粉末、顆粒またはフレーク等の形状が挙げられる。
また、本発明に係る調味料組成物における卵殻膜の含有割合は、調味料の風味を増強できる割合であれば特に限定されない。具体的には、例えば調味料組成物の形状が粉末または顆粒等の固形の場合、調味料組成物100質量部に対して卵殻膜を好ましくは約0.01〜10質量部、より好ましくは約0.1〜10質量部、さらに好ましくは約0.3〜5質量部配合するのが望ましい。また、調味料組成物の形状が液体またはペースト状の場合には調味料組成物を乾燥重量に換算して、前記割合となるよう卵殻膜を配合するのが好ましい。
また、本発明に係る調味料組成物には、上記調味料および卵殻膜に加え、さらに所望により、例えば、糖、アミノ酸、核酸関連物質または食品衛生法上添加できる賦形剤等を加えることが好ましい。糖としては、例えば、グルコース、砂糖、キシロース若しくはフラクトース等の1糖類または2糖類等が挙げられ、特に好ましくはグルコースが挙げられる。アミノ酸としては、例えば、グリシン、アラニン、グルタミン酸またはその塩、プロリン、タウリン、ロイシン、イソロイシン、リジンまたはアスパラギン酸またはその塩等が挙げられ、特に好ましくはグリシンまたはアラニンが挙げられる。核酸関連物質としては、5’−イノシン酸または5’−グアニル酸等の旨み成分等が挙げられる。賦形剤としては、例えばデキストリン類またはガム類等が挙げられる。
本発明に係る調味料組成物は、卵(例えば、鶏卵等)から卵液を除去することにより卵殻膜または卵殻膜に付着している卵殻(以下、卵殻膜付着卵殻という。)を取得する第1工程、および調味料と卵殻膜または卵殻膜付着卵殻を混合して混合物を調製し、該混合物を加熱する第2工程を含む方法に従って製造することができる。
第1工程において、卵から卵液を除去する手段としては、例えば、割卵等の公知の手段が挙げられる。また、卵殻膜だけを得る場合には、卵殻膜が付着した卵殻を水洗いした後、該卵殻を約1〜3mm程度に粉砕して水中に入れ、好ましくは流水と接触させることで、卵殻膜を得ることが好ましい。また、得られた卵殻膜または卵殻膜付着卵殻(以下、卵殻膜等という。)は、乾燥し、粉砕して第2工程に用いることが好ましい。乾燥には、例えば、熱風乾燥、ドラムドライ乾燥、マイクロウェーブ乾燥、遠赤外乾燥または凍結乾燥等の公知の手段を用いることができる。粉砕には、例えば、粉砕機等の公知の手段を用いることができる。
第2工程において、調味料と第1工程で取得した卵殻膜等を混合して混合物を調製する場合は、調味料に卵殻膜等を添加して混合して混合物としてもよく、卵殻膜等に調味料を添加して混合して混合物としてもよい。混合は、例えば、撹拌機等を用いる等の公知の手段で実施できる。加熱を行う際の温度は、特に限定されないが、調味料の風味を損なわない温度が好ましく、例えば、約80〜200℃、より好ましくは約100〜150℃、さらに好ましくは約110〜130℃である。また、加熱時間は、特に限定されないが、調味料の風味を損なわない時間が好ましく、例えば、約1分〜8時間、より好ましくは約10分〜3時間、さらに好ましくは約20分〜1時間である。加熱手段は、特に限定されず、公知の手段を用いることができる。また、得られた調味料組成物が液体またはペースト状の場合には、前記加熱後の混合物を濃縮等して公知の手段で滅菌するのが好ましい。調味料組成物を固形とする場合には、前記液体またはペースト状の組成物を、例えば、熱風乾燥、スプレードライ、凍結乾燥、真空乾燥、ドラムドライまたは真空ドラムドライ等の手段により、乾燥するのが好ましい。乾燥したものは、さらに公知の方法で粉末または顆粒としてもよい。
本発明に係る加工食品としては、例えば、カレー、シチュー、コンソメスープ、麺つゆ、ハンバーグ、コロッケ、餃子、春巻き、チャーハンの素、五目飯の素またはふりかけ等が挙げられる。本発明に係る加工食品は、卵殻膜を含有する調味料組成物を添加することにより製造することができ、所望により撹拌または加熱等を行ってよい。撹拌または加熱する際には、上記した公知の手段を用いることができる。本発明に係る加工食品における調味料組成物の含有割合は、加工食品の種類により異なるが、通常乾燥物換算で、加工食品100質量部に対して、好ましくは約0.05〜5質量部、より好ましくは約0.1〜2質量部である。
本発明に係る食品添加物は、上記調味料組成物の製造方法の第1工程で得られる卵殻膜等を好ましく用いることができる。食品添加物には、さらに食品衛生法上添加できる賦形剤を添加して調製してもよい。該賦形剤としては、上記調味料組成物において記載したもの等が挙げられる。
以下に本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
鶏卵2kgを割卵して卵液を除いた卵殻膜が付着した卵殻200gをフードカッター(松下電器製、ジューサーミキサーMJ−M3)で約30秒回し1mm−3mm大に砕いた。この粉砕物を10Lの水中に入れて25℃で1時間攪拌し、卵殻膜を卵殻から分離し、浮上させて採取した。得られた卵殻膜(25g)中の水分は、60%であった。この卵殻膜を、凍結乾燥機(共和真空製、RLE2−102型)を用いて凍結乾燥し、粉砕して卵殻膜粉末(10.1g、水分2.5%)を得た。
市販のチキンエキス(エマルチキンN1(大日本住友製薬(株)製、BX60))100gに、得られた卵殻膜粉末を0.2g添加した。この溶液を攪拌しつつ、100℃で1時間加熱を行い、調味料組成物を製造した。調味料組成物の1質量%溶液(実施例1の溶液)を調製して官能評価を行った。対照としてチキンエキス(エマルチキンN1(大日本住友製薬(株)製、BX60))の1質量%溶液(比較例1の溶液)を用いた。実施例1の溶液と比較例1の風味の評価は、パネラー16名による2点比較法(2種類の溶液の風味を比較してチキン風味の強い方を選択する。)により実施した。結果は下記表1の通りで、実施例1のエキス調味料はチキン風味が増強することがわかった。
Figure 2007167031
[実施例2]
次に、市販のチキンエキス[エマルチキンN1(大日本住友製薬株式会社製、BX60)]100gに、実施例1と同様にして得られた卵殻膜粉末を各々0.02g、0.2gまたは4g添加した。これらの溶液を各々攪拌しつつ、100℃で1時間加熱を行い、調味料組成物を得た。そして、得られた各々の調味料組成物の1質量%溶液(実施例2の溶液)をそれぞれ調製して官能評価を行った。比較例として市販のチキンエキス(エマルチキンN1(大日本住友製薬株式会社製、BX60))の1質量%溶液(比較例2の溶液)を用いた。官能評価は、調味料組成物のチキン風味の強さについて行い、強い(5点)〜弱い(0点)の間で点数をつけることとし、パネラー8名による評価の平均値を算出することにより行った。
表2にその結果を示す。チキンエキスに卵殻膜粉末を添加した実施例2の調味料組成物はいずれも比較例2に比べてチキン風味を大きく増強させることがわかった。
Figure 2007167031
[実施例3]
カツオ節エキス(ボニコンC、キッコーマン株式会社製)100gに、卵殻膜パウダー(キューピー株式会社製、EMパウダー)を0.2g添加した。この溶液を攪拌しつつ、100℃で30分加熱を行い、調味料組成物を得た。得られた調味料組成物の1質量%溶液(実施例3の溶液)の官能評価を行った。対照としてカツオ節エキス(ボニコンC、キッコーマン株式会社製、BX50)の1質量%溶液(比較例3の溶液)を用い、パネラー16名による2点比較法(2種類の溶液の風味を比較してだし風味の強い方を選択する。)を実施した。結果は表3の通りで、本発明によりだし風味が増強することがわかった。
Figure 2007167031
[実施例4]
カツオ節エキス(ボニコンC、キッコーマン株式会社製、BX50)100gに、卵殻膜パウダー(EMパウダー、キューピー株式会社製)を各々0.02g、0.2g、4g添加した。これらの溶液を各々攪拌しつつ、100℃で30分加熱を行い、調味料組成物を得た。そして、得られた各々の調味料組成物の1質量%溶液(実施例4の溶液)をそれぞれ調製して官能評価を行った。比較例として市販のカツオ節エキス(ボニコンC、キッコーマン(株)製、BX50)の1質量%溶液(比較例4の溶液)を用いた。官能評価は、エキス調味料のだし風味の強さについて行い、強い(5点)〜弱い(0点)の間で点数をつけることとし、パネラー8名による評価の平均値を算出することにより行った。
表4にその結果を示した。カツオ節エキスに卵殻膜パウダーを添加した実施例4の調味料組成物はいずれも比較例4に比べてだし風味を大きく増強させることがわかった。
Figure 2007167031
[実施例5]
鶏卵2kgを割卵して卵液を除いた後、卵殻に付着している卵液を拭き取り卵殻膜付着卵殻200gを得た。それをフードカッター(松下電器製、ジューサーミキサーMJ−M3)で約10分間回し細かく砕いた後、28メッシュ篩に通し、卵殻膜付着卵殻190gを得た。(水分は、1.8%。卵殻膜と卵殻の質量は実施例1の比率より、卵殻膜は、9.5g、卵殻は、180.5gと算出できた)。ポークエキス609NDW(丸善食品株式会社製、BX60)100gに、卵殻膜付きの粉砕卵殻0.2g、酵母エキス(アサヒフード&ヘルスケア株式会社製、ミーストS Bx65%)0.1gを添加した。この溶液を攪拌しつつ、115℃で30分間加熱を行い、調味料組成物を得た。得られた調味料組成物の1質量%溶液(実施例5の溶液)の官能評価を行った。対照としてポークエキス609NDW(丸善食品株式会社製、BX60)の1質量%溶液(比較例5の溶液)を用い、パネラー16名による2点比較法(2種類の溶液の風味を比較してポーク風味の強い方を選択する。)を実施した。結果は表5の通りで、本発明によりポーク風味が増強することがわかった。
Figure 2007167031
[実施例6]
鶏卵2kgを割卵して卵液を除いた後、卵殻に付着している卵液を拭き取り卵殻膜付着卵殻(200g)を得た。得られた卵殻膜付着卵殻を、フードカッター(松下電器製、ジューサーミキサーMJ−M3)で約10分間細かく砕いた後、28メッシュ篩に通し、卵殻膜付着卵殻粉末(190g;水分1.8%)を得た。次に、ポークエキス609NDW(丸善食品株式会社製、BX60)100gに、卵殻膜付着卵殻粉末0.2gおよび酵母エキス(アサヒフード&ヘルスケア株式会社製、ミーストS Bx65%)0.1gを添加した。この溶液を3つ調製し、各々90℃で6時間、115℃で30分間、180℃で3分間の条件で加熱して、調味料組成物を3種類得た。そして、得られた各々の調味料組成物の1質量%溶液(実施例6の溶液)をそれぞれ調製して官能評価を行った。比較例として市販のポークエキス609NDW(丸善食品株式会社製、BX60)の1質量%溶液(比較例6の溶液)を用いた。官能評価は、調味料組成物のポーク風味の強さについて行い、強い(5点)〜弱い(0点)の間で点数をつけることとし、パネラー8名による評価の平均値を算出することにより行った。
表6にその結果を示した。ポークエキス609NDWに卵殻膜付着卵殻粉末を添加した実施例6の調味料組成物は、いずれも比較例6に比べてポーク風味を大きく増強させることがわかった。
Figure 2007167031
[比較例7]
鶏卵2kgを割卵して卵液を除いた卵殻200gをフードカッター(松下電器製、ジューサーミキサーMJ−M3)で約30秒間回し1mm−3mm大に砕いた。これを10Lの水中に入れて25℃で1時間攪拌して卵殻膜を卵殻から分離し、浮上させて採取した。得られた卵殻膜(26g)の水分は60%であった。次に、この得られた卵殻膜(26g)に、2N苛性ソーダ水溶液と無水アルコールを3:2(v/v)で混合した溶液(52g)を加え、40℃で5時間分解処理をした。得られた分解液に塩酸を加え、pHを6.5に調整した後、分解液を布製フィルターに通して夾雑物を除いた。得られた溶液を、凍結乾燥機(共和真空製、RLE2−102型)を用いて凍結乾燥し、卵殻膜加水分解物粉末(7.2g、水分3.0%)を得た。エマルチキンN1(大日本住友製薬(株)製、BX60)100gに、得られた卵殻膜加水分解物粉末0.2gを添加した後、攪拌しながら100℃で1時間加熱して、エキス調味料(比較例7)を得た。そして、得られたエキス調味料の1質量%溶液の官能評価を行った。実施例1で得られた調味料組成物の1質量%溶液と比較した。官能評価は、パネラー16名による2点比較法により実施した。その結果、実施例1の調味料組成物のチキン風味が強いと答えたパネラーは14名で、比較例7のエキス調味料のチキン風味が強いと答えたパネラーは2名であった。
以上のことから卵殻膜を含有する実施例1の調味料組成物の方が卵殻膜加水分解物を含有する比較例7のエキス調味料に比べ、顕著にチキン風味を増強させることがわかった(危険率5%で有意差あり)。
食品の風味を顕著に増大する調味料組成物または食品添加剤を提供することができる。

Claims (10)

  1. 調味料と卵殻膜を含有することを特徴とする調味料組成物。
  2. 乾燥物換算した調味料組成物100質量部に対する卵殻膜の含有割合が、0.01〜10質量部であることを特徴とする請求項1に記載の調味料組成物。
  3. 調味料と卵殻膜とを含有する混合物を80〜200℃の温度で加熱する工程を含む製造方法で製造されることを特徴とする請求項1または2に記載の調味料組成物。
  4. 加熱時間が、1分〜8時間であることを特徴とする請求項3に記載の調味料組成物。
  5. 調味料が、タンパク加水分解物、畜肉エキス、酵母エキス、魚介エキスまたは魚節エキスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の調味料組成物。
  6. さらに、糖またはアミノ酸を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の調味料組成物。
  7. 卵殻膜が卵殻に付着していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の調味料組成物。
  8. 卵殻膜が粉砕されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の調味料組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の調味料組成物を含有することを特徴とする加工食品。
  10. 卵殻膜を含有することを特徴とする食品添加剤。
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