JP4821888B2 - 天然こく味調味料の製造方法及び同方法により得られる天然こく味調味料並びにその用途 - Google Patents
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本発明によるこく味調味料の製造方法は、動物性又は植物性の蛋白質を酸(好ましくは無機酸)を使用して、又は蛋白加水分解酵素と無機酸(又は有機酸)を併用する加水分解によって製造された蛋白質加水分解物(hydrolyzed protein、以下、「蛋白加水分解物」と称す。)の中で重要旨味(umami)の成分であるグルタミン酸を一定濃度で除く、すなわち削減することによってグルタミン酸以外のその他のアミノ酸類が持つ味がこく味の味として発揮されるようにした点に特徴を有する。(「除く」範囲は本明細書の実施例と効果に記載する、以下「グルタミン酸を除く」の範囲はこれと同一の意味である。)
このようなアミノ酸又はアミノ酸が数個で結合された構造のペプチドは、食品に存在する基本的な味の特性を付与する主体として知られており、また、このような味以外にも食品の味を持続的に維持させて、味に濃厚な感をあげて、塩辛い味と酸い味で調和させる味であるこく味(濃厚風味、kokumi)の特性を持つ主体としてペプチドが注目されている。
旨味を呈する代表物質であるグルタミン酸ナトリウム(L-sodium glutamate)は、植物性又は動物性の蛋白質の重要部分として、1908年日本東京大学の池田博士が昆布の味成分の研究中、グルタミン酸ナトリウムが昆布の旨味の本体であることを発見した後、味の素社(Ajino moto Co.,Inc.)が工業化に成功して本格的に生産された。その味の特徴は食品の4つの基本的な味とは違う第5の味である旨味の成分を発現させて、少量の添加によっても旨味を付与して、苦い味、塩辛い味を緩和して、味の調和を得ることができるものである。
しかしながら、最近グルタミン酸ナトリウムに対する論難が台頭されてその事実可否に関係なしに、消費者達がグルタミン酸ナトリウムを忌避する現象が大きくなっていて、グルタミン酸ナトリウムに代替できる素材の必要性が段々大きくなっている実情である(特許文献1)。
例えば、旨味を持つペプチドとしては魚肉蛋白質を酵素分解して得られた分子量1000以下の酸性ペプチドで、Glu-Asp、Thr-Glu、Glu-Ser、Glu-Glu、Glu-Asp-Glu、Asp-Glu-Ser、Glu-Gly-Ser、Ser-Glu-Glu、Glu-Gln-Gluとして表示されるアミノ酸序列を含むペプチド(非特許文献2)が知られている。
同じように、ペプチドは基本味の強度を変化させて味覚を変化させる作用があることが知られていて、甘味を抑制する作用、苦味を抑制する作用、塩辛い味を抑制する作用及び旨味を増強させる作用を持つペプチドとして、鶏肉蛋白質をプロテアーゼ、ブロメラインで処理した加水分解物中でGlu-Glu、Glu-Val、Ala-Glu-Asp、Ala-Glu-Glu、Ser-Pro-Gluに表示されるアミノ酸序列を含むペプチド(非特許文献3)が報告されている。
さらに、ペプチドはこく味を付与する作用を持つことが知られている(特許文献7)。このようなペプチドとしてグルタチオン(非特許文献4)をあげることができるが、グルタチオンは加熱によって二両体を形成しやすく、こく味付与の機能が低下されやすいなどの問題がある。
ペプチドは飲食物の味に多様な影響をあたえるから、飲食物のこく味(濃厚風味)を効果的に増強させることができる新しい物質やこれを含む調味料の開発が要求されていた。
また、蛋白質原料をぺプチダーゼ、プロテアーゼ、グルタミナーゼのような蛋白質加水分解酵素が持つ分解力を利用する酵素分解方法が使われているが、前記酸加水分解方法に比べて比較的歴史が短い。
もう一つの方法は、蛋白質原料に蛋白質分解酵素を少量添加してpH4.5〜9.0、温度は酵素が破壊されない適当な温度である30〜45℃で維持、1日間放置した後、ここで上記の酸加水分解方法を適用することができる。
また蛋白質原料に蛋白質分解酵素を処理して蛋白加水分解物を得る方法もある。
そして本発明のもう一つの目的は、強いこく味(濃厚風味)の調味料を製造して、これを調味料及び飲食品に添加するこく味(濃厚風味)の増強剤としてこれを使用する方法を提供することである。
上記飲食物に使用可能な通常の調味料は、有機酸、アミノ酸類、核酸、糖類調味料、香辛料、賦形剤、ビタミン類、野菜エキス等である。
(1)食品加工又は調理時に、食品にこく味(濃厚風味、kokumi)を付与させるための天然こく味調味料を製造する方法において、
小麦グルテン、 脱脂大豆、 コーングルテン、ゼラチン又は家擒類の羽毛から選択された一種又は二種以上の原料蛋白質を、(1)無機酸を使用して、又は(2)無機酸と蛋白質分解酵素の併用使用で、加水分解して蛋白加水分解物を生成させ、次いでその中から、重要旨味(umami)成分であるグルタミン酸をグルタミン酸等電点(isoelectric point) のpH範囲を含むpH3.1〜3.3の条件下で、グルタミン酸を晶析析出させた後、篩分、遠心分離又は濾過の中から選択されたいずれかの方法で除くことを特徴とする、グルタミン酸以外の蛋白加水分解物に含まれる他のアミノ酸類が持つ味の相互作用によるこく味(濃厚風味、kokumi)を有する天然こく味調味料の製造方法。
(2)食品加工又は調理時に、食品にこく味(濃厚風味、kokumi)を付与するためのこく味調味料を製造する方法において、
小麦グルテン、 脱脂大豆、 コーングルテン、ゼラチン又は家擒類の羽毛から、選択された一種又は二種以上の原料蛋白質を、(1)無機酸を使用して、又は(2)無機酸と蛋白質分解酵素の併用使用で、加水分解して蛋白加水分解物を生成させ、次いでその中から、重要旨味(umami)成分であるグルタミン酸をイオン交換樹脂で除くことを特徴とするグルタミン酸以外の蛋白質加水分解物に含まれる他のアミノ酸類が持つ味の相互作用によるこく味(濃厚風味、kokumi)を有する天然こく味調味料の製造方法。
(3)前記(1)又は(2)に記載の天然こく味調味料の製造方法において、同調味料の全アミノ酸の中でグルタミン酸の含有量を10〜20重量%となすことを特徴とする天然こく味調味料の製造方法。
(4)前記(1)又は(2)に記載の方法で得られるグルタミン酸以外の蛋白加水分解物を、活性炭又は吸着樹脂と弱塩基性の陰イオン交換樹脂を用いるイオン交換樹脂との接触処理過程を採用して、通液量(SV, Space Velocity)の0.5〜1.5(m3/hr)の範囲内で処理して脱色することを特徴とする天然淡口こく味調味料の製造方法。
(5)前記(1)から(4)のいずれか1項に記載の方法で得られる天然こく味調味料をそのまま噴霧乾燥又は真空乾燥することを特徴とする粉末状の天然こく味調味料の製造方法。
(6)前記(1)から(4)のいずれか1項に記載の方法で得られる天然こく味調味料に、通常の調味料を添加して80〜100℃で1〜5時間加熱反応した後、噴霧乾燥又は真空乾燥することを特徴とする粉末状天然こく味調味料の製造方法。
(7)前記(1)から(6)のいずれか1項に記載の方法によって得られた天然こく味調味料。
(8)前記(7)に記載の天然こく味調味料に通常の調味料を添加してなるこく味増強調味料。
(9)前記(7)又は(8)に記載の天然こく味調味料を添加してなる飲食品。
本発明において、蛋白加水分解物(アミノ酸液)からこく味調味料を効率的に製造する方法としては、グルタミン酸塩を除くために等電点晶析法やイオン交換樹脂を利用した選択除去法が採用できるが、工業的に効率性高く製造する方法としては蛋白加水分解物(アミノ酸液)を濃縮脱塩した後、等電点晶析法でグルタミン酸を除いた後、中和する方法が有利であった。
この時、グルタミン酸塩の溶解度をもっと低下させるために反応物を冷却させれば、もっと効率高くグルタミン酸塩を析出させることができる。析出されたグルタミン酸塩を篩分、遠心分離又は濾過の方法で除いて、グルタミン酸塩が除かれた蛋白加水分解物(アミノ酸液) のこく味調味料を得ることができる。
また、得られたこく味調味料の色相をもっと明るくするために、上記の製造工程中で、活性炭吸着又は吸着樹脂を利用した脱色工程が追加されることによってもっと明るい色相のこく味調味料(以下“淡口こく味調味料”と称す。)を得ることができる。
上記淡口こく味調味料としては、上記こく味調味料の製造工程中で、活性炭等による脱色処理、減圧濃縮等による濃縮処理して得られる脱色液、濃縮液等の液体(以下「こく味調味料液体」と称す。)、上記こく味調味料液体を減圧乾燥、噴霧乾燥等乾燥処理して得られる固形物、粉末等(以下「こく味調味料粉末」と称す。)が挙げられる。
飲食品又は調味料のこく味(濃厚風味)増強方法としては、本発明のこく味調味料を使用すること以外に特別に限定はなく、通常利用される調味料や飲食品の調味方法を採用することができる。
本発明の飲食品のこく味(濃厚風味)増強方法は、あらゆる飲食品を対象とすることができる。
有機酸としては、アスコルビン酸、フマル酸、マレイン酸、シュセキ酸、クエン酸、脂肪酸等のカルボキシル酸及びこれらの塩が挙げられる。上記塩としては、ソーダ及びカリウム塩が挙げられる。アミノ酸としては、グルタミン酸ソーダ、グリシン等が挙げられる。核酸としては、イノシン酸ソーダ、グアニル酸ソーダ等が挙げられる。糖類としては、スクロース、葡萄糖、乳糖等が挙げられる。調味料としては醤油、味噌、エキス等が天然調味料として挙げることができ、香辛料としては各種香辛料が挙げられる。賦形剤としては、澱粉の加水分解物であるデキストリン、各種澱分等が挙げられる。
これらの使用量は使用目的によって適切に設定することができる。
また、本発明のこく味調味料は必要に応じて上記有機酸、アミノ酸類、核酸、糖類、調味料、香辛料、賦形剤等の飲食品に使用可能な各種添加物に含ませることができる。
また、本発明のこく味増強剤又はこく味調味料は、飲食品を製造又は調理する時に添加するか、製造又は調理された飲食品に添加することができる。
実施例1によって得られたこく味調味料のこく味(濃厚風味)増強効果は〔表2〕、〔表3〕、〔表4〕に示すとおりである。
0.03重量%の濃度は旨味発現の代表物質であるグルタミン酸ナトリウムの閾値であり、その以下の濃度では旨味は感知されないのでこく味(濃厚風味)だけの検知が可能であった。
また、こく味調味料に含まれる全アミノ酸の中でグルタミン酸塩の含量と、こく味(濃厚風味)発現の相関性に対し次の〔図1〕に示す味の強度(絶対値)があることを分かった。
図1に示したように、こく味調味料に含まれる全アミノ酸の中でグルタミン酸塩の含有量は、20重量%以下でこく味が強く発現されることが分かった。より好ましくは、 全アミノ酸の中でグルタミン酸塩の含有量が10〜20重量%である。
官能評価に利用したカップラーメン2種は、共に化学調味料(MSG,グルタミン酸ナトリウム)は無添加として表示されている。化学調味料(MSG,グルタミン酸ナトリウム)が無添加である加工食品にこく味調味料粉末を添加したことによる効果は〔表4〕に示した。その結果味が厚くなって後味が豊かになるこく味(濃厚風味)特有の特性が優位に発現されることを確認した。
(1)蛋白質の原料から蛋白加水分解物の製造
脱脂大豆、コーングルテン、小麦グルテンのような植物性蛋白質とゼラチン、カゼイン、魚粉、家擒類の羽毛のような動物性蛋白質から選択された蛋白質の原料に対して、モル比(Mole比)0.9〜1.5、液比1.1〜2.0の範囲に入るように希釈塩酸を加えて加熱して、蛋白質原料を加水分解する。次いで得られたその分解物をソーダ灰又は苛性ソーダでpH4.8〜5.0になるように中和して、濾過したろ液をpH9.0〜11.0の高アルカリ条件で反応させて分解過程中で生成される有機塩素化合物(3-MCPD, 3-monochloropro pane-1,2-diol)を除く方法又は上記分解物をソーダ灰又は苛性ソーダでpH9.0〜11.0の高アルカリ条件で反応させて分解過程中で生成される有機塩素化合物を除いた後濾過してろ液を得る方法のような常法によって蛋白加水分解物を製造する。 そして、製造された蛋白加水分解物(アミノ酸液)を容量対比30〜60%になるように濃縮して、飽和溶解度によって析出される塩を篩分、遠心分離又は濾過の方法で除いて濃縮蛋白加水分解物を得る。
上記、濃縮蛋白加水分解物に濃塩酸を加えてpH2.9〜3.5,望ましくはpH3.1〜3.3になるように調節した後24〜72時間ゆっくり撹拌しながらグルタミン酸を析出させる。この時にグルタミン酸の析出を効率高くおこすために反応物自体を冷却させるようにすればグルタミン酸の溶解度が低下して效率高くグルタミン酸を析出させることができる。析出されたグルタミン酸を篩分又は濾過あるいは遠心分離などの方法で除いて、グルタミン酸が除かれた本発明のこく味調味料を得た。こく味調味料は必要によって濃縮工程を追加して、もっと強いこく味(濃厚風味)発現特性を持つこく味調味料を得ることができる。
実施例1の(2)によって製造された蛋白加水分解物(アミノ酸液)を活性炭又は吸着樹脂と弱塩基性陰イオン交換樹脂の流れで構成されるイオン交換樹脂の処理過程を構成して通液量(SV, Space velocity)0.5〜1.5(m3/hr)の範囲内で処理して吸着樹脂で脱色作用が起こるようにして、弱塩基性陰イオン交換樹脂でグルタミン酸を除く原理によって蛋白加水分解物(アミノ酸液)中のグルタミン酸を除いた明るい色の淡口こく味調味料を得た。
実施例1の(2)又は(3)で得られたこく味調味料を、そのまま噴霧乾燥又は真空乾燥するか、あるいはこく味調味料に通常の調味料を添加して、80〜100℃で1〜5時間加熱反応した後噴霧乾燥又は真空乾燥することでこく味調味料粉末を得た。
実施例1で得られたこく味調味料を加工食品に0〜5%を添加して調理した。こく味増強効果の官能検査は熟練した当業界専門家である20名(男10名、女10名)のパネルによって下記の基準で評価させて遂行した。
評価の結果は全てパネルの評価の平均値(下記評価基準値に基づく)で表示する。官能検査を実施し、味の評価を比較してその結果は前記〔表5〕に示すとおりである。
−3:大いにこく味が弱化される
−2:こく味が弱化される
−1:少しコクミが弱化される
0:無添加と違いなし
+1:少しこく味が増強される
+2:こく味が増強される
+3:大いにこく味が増強される
肉水(1000g)、醤油(20g)、塩(16g)、L−グルタミン酸ナトリウム(5g)、豚骨(150g)、鶏皮(50g)、葱(15g)、生姜(10g)及び水(1500g)からなる混合物を複数用意し、それらに本発明のこく味調味料粉末8.6g(0.3%含量)、14.5g(0.5%含量)をそれぞれ添加して製造する。
肉水(1000g)、塩(16g)及びL−グルタミン酸ナトリウム(4g)からなる混合物を複数用意し、それらに本発明のこく味調味料粉末3.1g(0.3%含量)、5.4g(0.5%含量)をそれぞれ添加して製造する。
肉水(1000g)、味噌(200g)、L−グルタミン酸ナトリウム(5g)、脂肪を除いた豚肉(200g)、葱(20g)、生姜(20g)及び水(1500g)からなる混合物を複数用意し、それらに本発明のこく味調味料粉末9g(3%含量)、15.5g(5%含量)をそれぞれ添加して製造する。
食塩(4.2g)、L−グルタミン酸ナトリウム(0.75g)、ビーフボーンエッキスパウダ(0.22g)、粉末醤油(0.56g)、香辛料乾燥粉末(0.21g)、グルコース(0.3g)、乾燥葱(0.32g)、アルファ澱粉(0.70g)及びカラメル(0.16g)からなる混合物を複数用意しそれらに本発明のこく味調味料粉末0.023g(0.3%含量)、0.039g(0.5%含量)をそれぞれ添加して製造する。
卵黄(12.0g)、大豆油(72.0g)、食酢(10.0g)、食塩(1.2g)、砂糖(1.0g)、からし(3.0g)及び胡椒(0.3g)からなる混合物を複数用意し、それらに本発明のこく味調味料粉末0.31g(0.3%含量)、0.52g(0.5%含量)をそれぞれ添加して製造する。
サラダ(67.5g)、食酢(25g)、食塩(0.2g)、胡椒(0.1g)、からし(0.1g)、玉葱汁(2.5g)及びレモン汁(3.8g)からなる混合物を複数用意し、それらに本発明のこく味調味料粉末0.31g(0.3%含量)、0.52g(0.5%含量)をそれぞれ添加して製造する。
トマトピュレ(1000g)、食酢(10g)、砂糖(50g)、食塩(10g)、玉葱(10g)、大蒜(0.5g)、クロブ(Cloves,0.4g)、シナモン(Cinnamon,0.3g)、メス(Mace,0.1g)及びパプリカ(Paprika、0.1g)からなる混合物を複数用意し、それらに本発明のこく味調味料粉末33g(0.3%含量)をそれぞれ添加して製造する。
Claims (8)
- 食品加工又は調理時に、食品にこく味(濃厚風味、kokumi)を付与させるための天然こく味調味料を製造する方法において、
小麦グルテン、 脱脂大豆、 コーングルテン、ゼラチン又は家擒類の羽毛から選択された一種又は二種以上の原料蛋白質を、(1)無機酸を使用して、又は(2)無機酸と蛋白質分解酵素の併用使用で、加水分解して蛋白加水分解物を生成させ、次いでその中から、重要旨味(umami)成分であるグルタミン酸をグルタミン酸等電点(isoelectric point) のpH範囲を含むpH3.1〜3.3の条件下で、グルタミン酸を晶析析出させた後、篩分、遠心分離又は濾過の中から選択されたいずれかの方法で除き、全アミノ酸の中でグルタミン酸の含有量を10〜20重量%となすことを特徴とする、グルタミン酸以外の蛋白加水分解物に含まれる他のアミノ酸類が持つ味の相互作用によるこく味(濃厚風味、kokumi)を発現する天然こく味調味料の製造方法。 - 食品加工又は調理時に、食品にこく味(濃厚風味、kokumi)を付与するためのこく味調味料を製造する方法において、
小麦グルテン、脱脂大豆、コーングルテン、ゼラチン又は家擒類の羽毛から、選択された一種又は二種以上の原料蛋白質を、(1)無機酸を使用して、又は(2)無機酸と蛋白質分解酵素の併用使用で、加水分解して蛋白加水分解物を生成させ、次いでその中から、重要旨味(umami)成分であるグルタミン酸をイオン交換樹脂で除き、全アミノ酸の中でグルタミン酸の含有量を10〜20重量%となすことを特徴とする、グルタミン酸以外の蛋白質加水分解物に含まれる他のアミノ酸類が持つ味の相互作用によるこく味(濃厚風味、kokumi)を発現する天然こく味調味料の製造方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の方法で得られるグルタミン酸以外の蛋白加水分解物を、活性炭又は吸着樹脂と弱塩基性の陰イオン交換樹脂を用いるイオン交換樹脂との接触処理過程を採用して、通液量(SV, Space Velocity)の0.5〜1.5(m3/hr)の範囲内で処理して脱色することを特徴とする天然淡口こく味調味料の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法で得られる天然こく味調味料をそのまま噴霧乾燥又は真空乾燥することを特徴とする粉末状の天然こく味調味料の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法で得られる天然こく味調味料に、通常の調味料を添加して80〜100℃で1〜5時間加熱反応した後、噴霧乾燥又は真空乾燥することを特徴とする粉末状天然こく味調味料の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法によって得られた天然こく味調味料。
- 請求項6に記載の天然こく味調味料に通常の調味料を添加してなるこく味増強調味料。
- 請求項6又は請求項7に記載の天然こく味調味料を添加してなる飲食品。
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